JPH10237385A - 耐汚染性粉体塗料組成物及び耐汚染性塗膜形成方法 - Google Patents

耐汚染性粉体塗料組成物及び耐汚染性塗膜形成方法

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JPH10237385A
JPH10237385A JP4548097A JP4548097A JPH10237385A JP H10237385 A JPH10237385 A JP H10237385A JP 4548097 A JP4548097 A JP 4548097A JP 4548097 A JP4548097 A JP 4548097A JP H10237385 A JPH10237385 A JP H10237385A
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JP
Japan
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stain
coating composition
powder coating
resistant
polyester resin
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JP4548097A
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Kazuo Sugaya
一雄 菅谷
Kazuhiko Takashima
一彦 高島
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚れの原因となるものの付着を抑制し、油汚
れ等の拭き取り容易な耐汚染性粉体塗料組成物及び耐汚
染性塗膜形成方法を提供する。 【解決手段】 (a)ポリエステル樹脂と、(b)架橋
剤と、(c)下記化1に示す水酸基又はカルボキシル基
を含有するポリエステル変性ポリシロキサン化合物及び
/又は下記化2に示す水酸基又はカルボキシル基を含有
するポリエーテル変性ポリシロキサン化合物と、を主成
分とする耐汚染性粉体塗料組成物である。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は耐汚染性粉体塗料組成
物、特に汚れの原因となるものの付着を抑制し、油汚れ
等の落ちのよい耐汚染性粉体塗料組成物及び塗膜形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】油汚れ等の発生する台所や家庭用電化製
品の汚れについて、特に、汚れがつきにくい、或いはつ
いた汚れが簡単に拭き取れるような表面加工を施す方法
がとられている。これらの例としてフッ素樹脂をラミネ
ート加工したコイルを成形する方法、溶剤を含むフッ素
塗料又はシリコン塗料をプレコートしたコイルを成形す
る方法またはこれらの塗料を製品に塗装する方法が採ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記製品には
溶接部位等のラミネート又はプレコートできない部分も
あり、耐汚染性の機能を持つ部分と持たない一般塗装部
との混在はせっかくの商品価値を下げることにもなって
いた。一方、塗装加工分野では環境にやさしい塗料とし
て粉体化が進んでおり、粉体による後塗装法で耐汚染性
機能をもたせ、しかも比較的低コストでできる方法が待
ち望まれていた。
【0004】そこで、本発明者等は鋭意研究の結果、粉
体による後塗装で目的の機能を持続して発揮させる方法
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の耐汚染性塗料組成物は、以下のような
特徴を有する。
【0006】(1)耐汚染性粉体塗料組成物は、(a)
ポリエステル樹脂と、(b)架橋剤と、(c)下記化3
に示す水酸基又はカルボキシル基を含有するポリエステ
ル変性ポリシロキサン化合物及び/又は下記化4に示す
水酸基又はカルボキシル基を含有するポリエーテル変性
ポリシロキサン化合物と、を主成分とする。
【0007】
【化3】
【化4】 (2)更に、本発明の耐汚染性粉体塗料組成物は、
(d)フッ素樹脂粒子を含む。
【0008】すなわち、本発明の耐汚染性粉体塗料組成
物によれば、上記(c)変性ポリシロキサン化合物の末
端或いは側鎖に存在する水酸基又はカルボキシル基が、
(b)架橋剤、例えばブロックイソシアネートやエポキ
シ化合物を介して(a)ポリエステル樹脂の水酸基或い
はカルボキシル基に付加反応したシロキサン結合含有塗
膜を形成することができる。このため、形成された塗膜
は汚染源物質の付着を許さないばかりか、塗膜表面をよ
り小さい接触角にして汚染物質との反応や付着残留を抑
え、汚染物質の耐汚染拭き取り除去性が向上する。
【0009】更に、上記(d)フッ素樹脂粒子は、SP
値(solubolity parameter)が小さく、濡れにくく、
水、油共によく弾く性質を有する。従って、このフッ素
樹脂粒子を添加することによって、上記の汚染源物質の
付着防止、汚染物質との反応や付着残留抑止、汚染物質
の耐汚染拭き取り除去性を一層向上させることが可能で
ある。 (3)また、本発明の耐汚染性粉体塗料組成物は、前記
(a)ポリエステル樹脂の多価アルコール成分が少なく
ともエチレングリコールまたはネオペンチルグリコール
のいずれかであり、多塩基酸成分が少なくとも無水フタ
ル酸またはテレフタル酸のいずれかであることが好まし
い。
【0010】上記多価アルコール成分および多塩基酸成
分は工業的に容易にしかも比較的安価に供給されるた
め、これらの組み合わせにより、常温で粉体状態を保持
することのできる安価な粉体塗料の設計が可能である。
【0011】(4)また、本発明の耐汚染性粉体塗料組
成物は、前記(a)ポリエステル樹脂が少なくとも水酸
基含有ポリエステル樹脂であり、前記(b)架橋剤がブ
ロックポリイソシアネートであることも好ましい。
【0012】上記水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基
は加熱によりブロックイソシアネートのイソシアネート
基と反応して網目構造を作り、耐汚染性のある塗膜を形
成することができる。更に、イソシアネートの一部と前
記(c)変性ポリシロキサン化合物の水酸基やカルボキ
シル基と反応し、樹脂構造の中にこれら化合物を組み込
むことができる。これにより拭き取り掃除等による物理
的な力に対する抵抗力がでる為、効果が持続する。
【0013】(5)更に、本発明の耐汚染性粉体塗料組
成物は、前記(a)ポリエステル樹脂が少なくともカル
ボキシル基を含有するポリエステル変性ポリシロキサン
化合物であり、前記架橋剤がエポキシ化合物であること
も好ましい。
【0014】(6)また、本発明の耐汚染性粉体塗料組
成物は、上記(1)から(5)のいずれかに記載の粉体
塗料組成物が5〜30ミクロンの平均粒子径を有するこ
とが好ましい。
【0015】上記平均粒子径にすることによって、耐汚
染性に加えて凹凸の少ない均一な塗膜を形成することが
できる。
【0016】(7)また一方、本発明の耐汚染性粉体塗
料組成物は、上記(1)から(5)のいずれかに記載の
粉体塗料組成物が30〜40ミクロンの平均粒子径を有
することも好ましい。
【0017】上記平均粒子径の粉体塗料は流動性が良好
なため塗装ラインにおける作業性を向上させることがで
きる。
【0018】(8)本発明の対汚染性塗膜形成方法は、
金属素材上に、上記(1)から(7)のいずれかに記載
の粉体塗料組成物を、その組成物からなる塗膜が最上層
となるように焼き付け塗装する方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。
【0020】(a)ポリエステル樹脂 本発明に係る耐汚染性塗料組成物の主成分の1つである
(a)ポリエステル樹脂は、例えば多価アルコール成分
と多塩基酸成分とからエステル縮合反応により合成され
る。
【0021】上記多価アルコール成分の例としてエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−
ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピオネート(BASHPH)、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルヒダン
トイン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ
カプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトー
ル、アンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオ
ール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、1,9−ノナンジオール等が挙げられ、これらの多
価アルコールの2種以上を組み合わせて用いることもで
きる。
【0022】また、多塩基酸の例としてはフタル酸、無
水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水
フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメット酸、
無水トリメット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジビン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、乳酸、
ドデ゛セニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸、シク
ロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、無水エンド酸等が
挙げられ、これら多塩基酸の2種以上を組み合わせて用
いてもよい。また、ポリエステル樹脂の変性剤として、
例えば、長鎖モノエポキシド(商品名:カージュラE、
シェル株式会社製)、或いはAOEX24(ダイセル株
式会社製)等を用いてもよい。
【0023】これらの多価アルコールと多塩基酸とから
合成された樹脂は官能基として水酸基またはカルボキシ
ル基或いはその両方を持ち(b)架橋剤と反応する。
【0024】上記ポリエステル樹脂の好ましい物性とし
て、(b)架橋剤がブロックイソシアネートの場合は数
平均分子量が3000〜6000、水酸基価が20〜2
00、Tgが50℃以上のポリエステル樹脂が挙げられ
る。上記数平均分子量が3000未満では耐衝撃性や折
り曲げ加工性が劣り、6000を超えると流動性が悪く
なるために平滑性が低下する。また水酸基価が20未満
では架橋度が低くなり耐溶剤性に劣り、200を超える
と脆くなり折り曲げ加工性が低下する。またTgが50
℃未満では粉体粒子が凝集し易くなり貯安性が悪くな
る。
【0025】一方(b)架橋剤がエポキシ化合物の場合
は数平均分子量が2000〜6000、酸価が20〜8
5、Tgが50℃以上のポリエステル樹脂が挙げられ
る。上記数平均分子量が2000未満では耐衝撃性や折
り曲げ加工性が劣り、6000を超えると流動性が悪く
なるために平滑性が低下する。また酸価が20未満では
架橋度が低くなり耐溶剤性に劣り、85を超えると脆く
なり折り曲げ加工性が低下する。またTgが50℃未満
では粉体粒子が凝集し易くなり貯安性が悪くなる。
【0026】(b)架橋剤 本発明に係る耐汚染性塗料組成物の主成分の1つである
(b)架橋剤としては、ブロックポリイソシアネート化
合物及び又はエポキシ化合物が用いられる。
【0027】ブロックポリイソシアネート化合物として
は、非黄変型のヘキサメチレンジイソシアネート(HM
DI)等の脂肪族多官能イソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート(IPDI)等の脂環肪族多官能イソシ
アネート、及びジフェニルメタン−4,4´−ジイソシ
アネート(MDI)や水添MDI等のポリイソシアネー
ト化合物の官能基を、部分ブロック又は完全ブロックし
たものを用いる。
【0028】ブロック剤としては、εーカプロラクタム
またはアセトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、
アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等の
オキシム系のブロック剤、さらに、アセト酢酸メチル、
アセト酢酸エチル、メタノール等のブロック剤が挙げら
れる。なかでもεーカプロラクタムブロックのイソホロ
ンジイソシアネートが好ましい。
【0029】ポリエステル樹脂(P)量と、架橋剤成分
であるブロックポリイソシアネート(B)との固形分重
量比(P):(B)は、9:1〜6:4が好ましい。こ
の比で(B)が9:1未満であると、塗膜の硬化が十分
でなくなり、良好な塗膜硬化が得られない。一方、6:
4を超すと塗膜が固くもろくなり加工性不良となる。ま
た架橋剤として使用するエポキシ化合物としては無溶剤
タイプのものが好ましく、エポキシ基を2個以上持った
ものが用いられる。通常はビスフェノールAとエピクロ
ルヒドリンとより合成されるものが用いられる。
【0030】(c)変性ポリシロキサン化合物 本発明に係る耐汚染性塗料組成物の主成分の1つである
(c)変性ポリシロキサン化合物のうち、水酸基又はカ
ルボキシル基を含有するポリエステル変性ポリシロキサ
ン化合物としては、前記化3に示す構造式の化合物を用
いることができる。
【0031】また、水酸基又はカルボキシル基を含有す
るポリエーテル変性ポリシロキサン化合物は、前記化4
に示す構造式の化合物を用いることができる。
【0032】上記変性ポリシロキサン化合物は単独又は
2種以上を併用することができる。本変性ポリシロキサ
ン化合物は、耐汚染性塗料組成物中の全樹脂固形分(重
量)に対して0.5〜10重量%含まれていることが好
ましく、より好ましくは1〜5重量%、更に、価格が高
いため好ましくは1〜3重量%である。上記変性ポリシ
ロキサン化合物又は耐汚染性塗料組成物中の全樹脂固形
分(重量)に対して0.5%未満の場合には、耐汚染拭
き取り除去性が低下する。一方、変性ポリシロキサン化
合物が、耐汚染性塗料組成物中の樹脂固形分(重量)に
対して10%を超える場合には、塗膜表面に粘着性が出
てくる。
【0033】(d)フッ素樹脂粒子 本発明に係る耐汚染性塗料組成物に必要に応じて添加で
きる(d)フッ素樹脂粒子としては、ポリ四フッ化エチ
レン(PTFE)、ポリ三フッ化エチレン(PCTF
E)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化
ビニル(PVF)、ポリエチレン四フッ化エチレン共重
合体(FTFE)、ポリ四フッ化エチレン・六フッ化プ
ロピレン共重合体(FEP)等が挙げられ、例えばポリ
四フッ化エチレンとしては、「シャムロック ワック
ス」(シャムロック ケミカルズ社製(米国))の「S
ST−3」(粒径約2.5μm)、「SST−3P」
(粒径約5μm)、「SST−3K」(粒径約5μ
m)、及び「ホスタフロン」(ヘキストジャパン(株)
社製)の「TF9202」(粒径約2.5μm)、「T
F9205」(粒径約5μm)が挙げられる。上記各粒
径は平均粒径を示す。
【0034】フッ素樹脂粒子の粒径は、1〜10μmが
好ましい。この粒径が1μm未満では効果が出にくく1
0μmを超えると塗膜の平滑性が損なわれる。また、フ
ッ素樹脂粒子は、耐汚染性塗料組成物中の樹脂固形分
(重量)に対して0.05〜5重量%含まれていること
が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%、更に好
ましくは0.1〜1重量%である。添加量が0.05重
量%未満では効果が出にくく5重量%を超えると塗膜の
光沢が低下する。
【0035】フッ素樹脂粉末を上記範囲で添加すること
により耐汚染拭き取り除去性が一層向上する。
【0036】上記(a)〜(c)(および(d)成分)
を主成分とする粉体塗料は通常の粉体塗料と同じ方法に
て製造可能である。
【0037】本発明の耐汚染性粉体塗料組成物には以下
のような添加剤を加えてもよい。
【0038】着色顔料として例えばカーボンブラック
粉、体質顔料として例えば炭酸カルシウム、ワキ防止剤
として例えばベンゾイン化合物、ウレタン硬化用触媒、
エポキシ組成物硬化用触媒、その他の物性改良用添加剤
を添加してもよい。
【0039】<製造例>まず、(a)ポリエステル樹
脂、(b)架橋剤、(c)変性ポリシロキサン化合物お
よび着色顔料を計量混合後、さらに高速混合機(例え
ば、三井鉱山(株)製 三井ヘンシェルミキサーFMー
J型)で混合して予備混合物をつくる。次にこの予備混
合物をエキストルーダー(例えば スイスBuss社製
PLKー46)で加熱溶融混練する。そして熱溶融し
た混練物を2本のロールの間を通し、冷却して平たいチ
ップ状とする。これを粉砕機(例えば不二パウダル
(株)製サンプルミルK II Wー1型 )で粉砕し、電
動篩い(例えば、DALTON製401型)を用い、1
00Meshの篩いで粗粒を除去し、平均粒度が5μm
から50μmの粉末とする。なお、ここに言う平均粒径
とはレーザー光による湿式法(例えばセイシン企業 S
K LASER MICRON SIZER 700
0S)を用いた測定による。
【0040】次に、本発明に係る耐汚染性塗膜の形成方
法の例を示す。
【0041】化成処理工程 素材となる金属板としては、亜鉛めっき板、亜鉛合金め
っき(Zn−Al等)鋼板、アルミニウム板、アルミニ
ウムめっき板、ステンレス板、冷延鋼板等が挙げられ
る。
【0042】化成処理としては、金属板に適する表面処
理であればいずれでもよく、例えばクロメート処理やリ
ン酸亜鉛処理によって化成皮膜を形成する。また、素材
によっては化成処理工程を省略することも可能である。
【0043】塗装・焼付け・加工工程 上記化成処理皮膜の上に形成する皮膜が最上層塗膜でな
い場合(以後、中塗塗膜という)はその種類に何の制限
もない。すなわち、粉体塗料による塗膜でもよいし他の
被覆材料による皮膜でもよい。或いはとくに他の皮膜を
介在させることなく後記の本発明の組成物による最上層
塗膜を施してもよい。
【0044】前記の最上層塗膜は本発明の耐汚染性粉体
塗料組成物から形成される。この最上層塗膜(および中
塗塗膜)の塗装は例えば、粉体静電塗装機(例えばパー
カーアイオニクス社製のGX106N等)で行ない、焼
付け後に膜厚が30〜150μmとなるように塗布量を
調整する。焼付けは、熱風式乾燥炉で好ましくは塗板の
温度で160〜250℃になるようにし、焼き付け時間
は(素材温度保持時間として)約1〜30分間とする。
【0045】本発明に係る粉体塗料組成物は、レンジフ
ード、ダクト等の電気器具の本体やカバー及び蛍光灯の
本体や反射板に最上層塗膜として後塗装することによ
り、各製品の耐汚染性を向上させることができる。
【0046】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。
【0047】実施例1〜5及び比較例1〜2 (1) 試料作製工程 (i)金属板: SPCC鋼板(JIS G 3141)、厚さ;0.8mm (ii)化成処理 リン酸亜鉛処理:「サーフダイン セレクト4000」 (日本ペイント(株)社製) (iii)上塗(最上層)塗膜形成用粉体塗料 上記リン酸亜鉛処理を行った化成皮膜上に上塗り塗装を
行った。
【0048】実施例1の組成表を下記表1に示す。他の
実施例及び比較例は実施例1の(b)および(c)成分
を下記表2に記載の通り変更したものである。各添加剤
については全例を通じて実施例1と変わらない。ただ
し、比較例2では(c)成分に代えて水酸基を持たない
ポリエーテル変性ジメチルシロキサンを使用した。ま
た、粉体塗料化は上記<製造例>に準じて行った。作成
した試料の平均粒径は35ミクロンであった。
【0049】
【表1】
【表2】 註)表1中の(a)ポリエステル樹脂は多塩基酸及び2
価のアルコールを原料とし、網目状構造を有し、樹脂の
数平均分子量は3000〜6000であり50℃以上の
Tgを持つ。
【0050】表1中の(c)ポリエステル変性ポリシロ
キサン化合物は前記化3に示す化合物であり、R1がC
2、R2およびR3が(CH2)2、R4がOH、R5がCH
3、m=2、n=1、X=1、Y=3である。
【0051】(iv)塗装・焼付け・加工工程 前記の塗装・焼付け・加工工程に準じて行った。
【0052】焼付け後乾燥時膜厚:60〜80μm 焼付け温度;180℃(最高到達板温度) 焼付け時間;15分(素材温度保持時間) (2)評価方法及び評価基準 (i)耐汚染除去性;マジック不描性 評価方法:ゼブラ社製 商品名「マッキー」を細書き後
5秒間置きティッシュにて拭き取り、取れ状態を観る 評価基準:5 :完全に拭き取れて書き跡が全くなく良
好 4 :ほとんど拭き取れるが、うっすらと書き跡が認め
られる 3 :拭き取れるが汚れ跡が認められる 2 :少ししか拭き取れない、汚れ跡としてよく見える 1 :全く拭き取れない (ii)油不濡性 評価方法:日清サラダ油1gを50mm×100mmの
テストピースに塗布した後、10分後に油占有面積比率
を評価した。
【0053】 評価基準:5 :1/4未満 4 :1/4〜1/3 3 :1/3〜1/2 2 :1/2〜9/10 1 :9/10を超える 各実施例および比較例の評価を表2に示す。
【0054】表2の評価から明らかなように、本実施例
の耐汚染性粉体塗料組成物は油膜による濡れも少なく撥
油性および撥水性が高いので耐汚染拭き取り除去性が高
い。一方、(c)成分を加えない比較例1では効果がな
く、また(c)成分の代わりに水酸基を持たないポリエ
ーテル変性ジメチルシロキサンを使用した比較例2では
初期のみ効果が認められるがその効果は持続しない。す
なわちティッシュペーパやその他洗剤等による拭き取り
に対する耐性がない。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る耐汚染性粉
体塗料組成物は、水酸基又はカルボキシル基を含有する
ポリエステルまたはポリエーテル変性ポリシロキサン化
合物が塗料組成物中に含まれ、これがポリエステル樹脂
成分と架橋剤を介して反応し、塗膜中に固定されるた
め、繰り返される拭き取りに対してもその効果を持続す
ることができる。又、フッ素樹脂粒子は、SP値(solu
bolity parameter)が小さく、濡れにくく、水、油共に
よく弾く性質を有するため、これを添加することによっ
て、汚染源物質の付着を許さないばかりか、塗膜表面を
より小さい接触角にして汚染物質との反応や付着残留を
抑え、汚染物質の耐汚染拭き取り除去性が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 183/10 C09D 183/10 183/12 183/12 //(C08L 67/02 27:00)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリエステル樹脂と、 (b)架橋剤と、 (c)下記化1に示す水酸基又はカルボキシル基を含有
    するポリエステル変性ポリシロキサン化合物及び/又は
    下記化2に示す水酸基又はカルボキシル基を含有するポ
    リエーテル変性ポリシロキサン化合物と、 を主成分とすることを特徴とする耐汚染性粉体塗料組成
    物。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 更に、(d)フッ素樹脂粒子を含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の耐汚染性粉体塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記(a)ポリエステル樹脂の多価アル
    コール成分が少なくともエチレングリコールまたはネオ
    ペンチルグリコールのいずれかであり、多塩基酸成分が
    少なくとも無水フタル酸またはテレフタル酸のいずれか
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    耐汚染性粉体塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記(a)ポリエステル樹脂が少なくと
    も水酸基含有ポリエステル樹脂であり、前記架橋剤がブ
    ロックポリイソシアネートであることを特徴とする請求
    項1から請求項3のいずれか1項記載の耐汚染性粉体塗
    料組成物。
  5. 【請求項5】 前記(a)ポリエステル樹脂が少なくと
    もカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂であり、
    前記架橋剤がエポキシ化合物であることを特徴とする請
    求項1から請求項3のいずれか1項記載の耐汚染性粉体
    塗料組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれか1項記
    載の粉体塗料組成物が5〜30ミクロンの平均粒子径を
    有することを特徴とする耐汚染性粉体塗料組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項5のいずれか1項記
    載の粉体塗料組成物が30〜40ミクロンの平均粒子径
    を有することを特徴とする耐汚染性粉体塗料組成物。
  8. 【請求項8】 金属素材上に、請求項1から請求項7の
    いずれか1項記載の粉体塗料組成物を、その組成物から
    なる塗膜が最上層となるように焼き付け塗装する耐汚染
    性塗膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013159621A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Dainippon Toryo Co Ltd 撥油性メタリック粉体塗料組成物

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