JP2819701B2 - 高耐チッピング性水性分散型塗料組成物 - Google Patents

高耐チッピング性水性分散型塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な高耐チッピング性水性分散型塗料組成
物、さらに詳しくは、水溶性ポリエステル樹脂とブロッ
ク化ポリイソシアネートとの架橋により高度な耐チッピ
ング性を有する塗膜を形成しうる水性分散型塗料組成物
に関するものである。
[従来の技術] 近年、大気汚染防止や省資源の観点から、水を希釈剤
として用いる水性塗料が注目されており、すでに工業用
として焼付硬化型の水性塗料が開発されている。この焼
付硬化型の水性塗料においては、通常塗膜形成成分とし
て、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂と水溶性
メラミン樹脂との混合物が用いられ、焼付け時に、該ポ
リエステル樹脂とメラミン樹脂とが縮重合することによ
り硬化し、塗膜が形成される(例えば、特開昭61−3147
2号公報)。
ところで、自動車塗装においては、形成される塗膜に
は、小石などの衝突から素材を保護する性能、すなわち
耐チッピング性が要求される。しかしながら、従来の焼
付硬化型水性塗料においては、ポリエステル樹脂の硬化
剤として、通常メラミン樹脂が用いられており、該メラ
ミン樹脂がもつトリアジン環の硬くて脆い性質により、
十分な耐チッピング性を有する塗膜が形成されにくく、
したがって自動車塗装などには使用しにくいなど、用途
が制限されるのを免れないという欠点があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、このような従来の焼付硬化型の水性塗料が
有する欠点を克服し、特に高度の耐チッピング性を有す
る塗膜を形成しうる上、水性塗料に要求される他の諸性
能も満足しうる水性塗料を提供することを目的としてな
されたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、前記の好ましい性質を有する水性塗料
を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、塗膜形成成分とし
て、特定の水溶性ポリエステル樹脂とブロック化ポリイ
ソシアネートとを特定の割合で水性媒体中に乳化させた
水性分散体を含有して成る組成物により、その目的を達
成しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)一般式 (式中のRは炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル
基である) で表される酸無水物から形成される単位5〜50重量%を
含有する、酸価25〜100KOHmg/g、水酸基価50〜200KOHmg
/g及び数平均分子量500〜5,000の水溶性ポリエステル樹
脂と、(B)数平均分子量5,000以下のブロック化ポリ
イソシアネートとを重量比50:50ないし99:1の割合で水
性媒体中に乳化させた水性分散体を、塗膜形成成分とし
て含有することを特徴とする高耐チッピング性水性分散
型塗料組成物を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明組成物における塗膜形成成分に用いられる
(A)成分の水溶性ポリエステル樹脂は、前記一般式
(I)で表される酸無水物から形成される単位5〜50重
量%を含有することが必要である。該ポリエステル樹脂
の原料として前記酸無水物を使用するのは、オイルフリ
ーポリエステル樹脂では、樹脂の表面張力が高いため被
塗物への濡れ性が悪く、塗装時にはじき、へこみなどの
塗膜欠陥が生じやすいし、脂肪酸変性ポリエステル樹脂
では多層塗りを施す場合、塗膜物性として層間付着性に
問題が生じるおそれがあるためである。
本発明で用いられる水溶性ポリエステル樹脂中の該酸
無水物から形成される単位の含有量が5重量%未満では
本発明の目的である耐チッピング性の向上効果が十分に
発揮されないし、50重量%を超えると塗料としての品質
設計の自由度が小さくなる。
前記酸無水物におけるアルキル基又はアルケニル基
は、炭素数が8〜20、好ましくは10〜18の範囲にあれ
ば、直鎖状であってもよいし、分枝を有するものであっ
てもよい。該アルキル基又はアルケニル基の炭素数が20
を超えると、炭素鎖が長くなる割には耐チッピング性の
向上効果が十分に発揮されない上、むしろ工業的に入手
することが困難となり、実用上不適当である。
このような酸無水物としては、例えばオクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシ
ル、オクタデシルなどのアルキル基を有する無水コハク
酸、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、
トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキ
サデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニルなどのア
ルケニル基を有する無水コハク酸が挙げられる。これら
の酸無水物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
本発明で用いられる水溶性ポリエステル樹脂は、酸価
が25〜100KOHmg/gの範囲にあり、かつ水酸基が50〜200K
OHmg/gの範囲にあることが必要である。該酸価が25KOHm
g/g未満では(B)成分のブロック化ポリイソシアネー
トを安定な状態で水性媒体中に乳化分散できないおそれ
があるし、100KOHmg/gを超えると塗膜の耐アルカリ性が
著しく低下する傾向がみられる。
また、該水酸基価はポリエステル樹脂の水性媒体に対
する溶解性及び架橋点にとって重要であり、この水酸基
価が50KOHmg/g未満では親水性が不足し、かつ架橋点が
少なすぎて塗膜の耐水性は強度が不十分となるおそれが
あるし、200KOHmg/gを超えると塗膜の耐水性が低下する
傾向がみられる。
さらに、該水溶性ポリエステル樹脂は、その数平均分
子量が500〜5,000の範囲にあることが必要である。この
数平均分子量が500未満では塗膜の耐水性、耐チッピン
グ性、耐久性に劣り、本発明の目的が十分に達せられな
いし、5,000を超えると粘度が高くなりすぎるため、焼
付け時の流動性が低下し、塗膜の平滑性が損なわれる傾
向がみられる。
このような水溶性ポリエステル樹脂は、(B)成分の
疎水性のブロック化されたポリイソシアネートを水性媒
体中に効果的に乳化させる作用も有している。
本発明で用いられる水溶性ポリエステル樹脂は、前記
の酸無水物、及び通常のポリエステル樹脂の原料として
慣用されている多価アルコール、多塩基酸、必要に応じ
て用いられる油脂類などを原料として使用し、公知の方
法によって製造することができる。
前記多価アルコールとしては、例えばエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビ
スフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、ジペン
タエリトリットなどが挙げられる。これらの多価アルコ
ールはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
また、多塩基酸としては、例えば無水フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、無水トリメリット酸などを挙げること
ができる。これらの多塩基酸はそれぞれ単独で用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようにして得られた水溶性ポリエステル樹脂は通
常塩基性物質で中和される。この際、塩基性物質は、水
溶性ポリエステル樹脂に含まれているカルボキシ基の40
〜100モル%を中和するのに必要な量を用いるのが好ま
しく、その使用量が40モル%未満では該ポリエステル樹
脂は水溶化されないおそれがあるし、100モル%を超え
ると得られる水溶性ポリエステル樹脂液の粘度が著しく
増大し、その結果塗装において、多量の希釈剤が加えら
れるため、固形分濃度が低下して、塗装作業性が悪くな
り、好ましくない。
本発明組成物における塗膜形成成分に(B)成分とし
て用いられるブロック化ポリイソシアネートとしては、
1分子中に2個以上のイソシアネート基を有し、分子量
5,000以下のポリイソシアネート化合物、例えばエチレ
ンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テ
トラエチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、デカメチレンジイソシアネート、m−フェ
ニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネ
ート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネー
ト、4,4′,4,″−トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジフェニレンジイソシアネート,m
−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイ
ソシアネート、及びこれらジイソシアネートのポリオー
ルアダクト、ビューレット化合物、イソシアヌレート化
合物などのポリイソシアネートをブロック剤でマスクし
たものを挙げることができるが、これらの中でヘキサメ
チレンジイソシアネート及びこのポリオールアダクト、
ビューレット化合物、イソシアヌレート化合物のブロッ
ク体が好適である。また、ブロック剤としては、例えば
フェノール、クレゾールなどのフェノール系、メタノー
ル、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノエチ
ルエーテルなどのアルコール系、アセト酢酸メチル、マ
ロン酸ジメチルなどの活性メチレン系、アセトアリニ
ド、酢酸アミドなどのアミド系、その他イミド系、アミ
ン系、イミダゾール系、尿素系、カルバミン酸塩系、イ
ミン系、オキシム系、メルカプタン系、亜硫酸塩系、ラ
クタム系のものなどが用いられる。
本発明で用いるブロック化ポリイソシアネートは、数
平均分子量が5,000以下であることが必要である。この
数平均分子量が5,000を超えると粘度が高くなりすぎ、
焼付け時の流動性が低下し、塗膜の平滑性が損なわれる
傾向がみられる。
本発明組成物においては、塗膜形成成分として、前記
(A)成分の水溶性ポリエステル樹脂及び(B)成分の
ブロック化ポリイソシアネートを、それぞれ1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、ま
た、その使用割合は、該(A)成分と(B)成分との重
量比が50:50ないし、99:1、好ましくは60:40ないし80:2
0の範囲にあるように選ぶことが必要である。ブロック
化ポリイソシアネートの量が前記範囲より少ないと耐チ
ッピング性の向上効果が十分に発揮されないし、前記範
囲より多いと被塗物への濡れ性が低下し、はじきやへこ
みなどの塗膜欠陥が生じやすくなる。
本発明組成物には、硬化速度を高めるために、必要に
応じて、無機及び有機金属のカルボン酸塩、スズ、ビス
マス、亜鉛、鉛、水銀、バナジウム、コバルト、ニッケ
ル、鉄、カリウム、銅などの金属のハロゲン化物塩類
(例えば、ジカルボン酸ジブチルスズ、オクト酸第一ス
ズ、オクト酸亜鉛、オクト酸ビスマスなど)及びN,N′,
N″−トリス(メチルアミノプロピル)ヘキサヒドロト
リアジン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、トリエチレンジアミン、イミダゾーリンなどの第三
級アミン(封鎖及びフリーの第三級アミン)などの公知
のウレタン触媒を添加することができるし、また所望に
応じ、本発明の目的を損なわない範囲で、メラミン樹脂
などの他の硬化剤を、前記ブロック化ポリイソシアネー
トと併用することもできる。
本発明の水性分散型塗料組成物の調製方法については
特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例
えば、まず水性媒体中において、(A)成分の水溶性ポ
リエステル樹脂を所要量の塩基性物質を用いて中和した
のち、これに所要量の(B)成分のブロック化ポリイソ
シアネートを加えて均質に混合分散し、水性分散体を調
製し、次いでこの水性分散性に、必要に応じ、硬化促進
剤、他の硬化剤、他の水溶性樹脂、塗面調整剤などを加
え、公知の手段を用い、均質に混合することにより、所
望の水性分散型塗料組成物が得られる。また、顔料着色
水性分散型塗料組成物とする場合には、(A)成分のポ
リエステル樹脂の一部を使用して、常法により顔料ペー
ストを調製し、これを該水性分散体と混合してもよい
し、顔料を直接該水性分散体に練り込んでもよい。
このようにして調製された本発明の水性分散型塗料組
成物は、従来の水性塗料と同様に、刷毛塗り、スプレー
塗装、浸漬塗装、静電塗装などの方法を用いて、被塗物
に塗装したのち、焼付処理することにより、高度の耐チ
ッピング性を有する硬化塗膜を形成することができる。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
なお、塗膜性能は次の方法に従い評価した。
(1)耐チッピング性 ダイヤモンドショット試験機(スガ試験機株式会社
製、KSS−1型)を用い、−20℃に冷却した塗膜に、9
0、130、170km/hのスピードでダイヤモンドをそれぞれ1
0発ずつショットし、その部位に幅24mmのセロハン粘着
テープを密着させ、上方に一気に引いて塗膜が剥離した
面積の合計を3で割り、その数値を剥離面積とし、また
鋼板素地まで到達した割合を、塩水噴霧試験(JIS K−5
400 7.8 塩水噴霧試験による)を72時間行ったのちの
錆の発生点数より求め、素地傷達成率とした。
(2)60°鏡面光沢 JIS K−5400 6.7 60°鏡面光沢度に準拠して求めた。
(3)鉛筆硬度 JIS K−5400 6.14鉛筆引っかき試験及びJIS D−202
8.10の鉛筆引っかき試験方法に準拠し、鉛筆(三菱ユ
ニ、三菱鉛筆株式会社製、商品名)の木質部のみを削
り、芯を塗装鋼板面に45°の角度で当接摩擦し、塗装面
に傷が付く直前の鉛筆硬度でもって表示した。
(4)付着性 JIS K−5400 6.15 碁盤目試験、JIS D−0202 8.12
碁盤目試験方法に準拠し、試験片に鋭利な薄い刃物(NT
カッターなど)で1mmの等間隔平行線11本をたがいに直
交させて引き、1mmの正方形100個をつくり、それに幅24
mmのセロハン粘着テープを密着させ、上方に一気に引
き、はがれずに残ったものの数をxとして、付着性をx/
100で表した。
(5)耐湿性 温度50℃、湿度98%の耐湿試験器に360時間放置した
のちの塗膜の外観を観察した。
製造例1 水溶性ポリエステル樹脂A−1の製造 かくはん機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管
を取り付けた四つ口フラスコに、イソフタル酸20.0重量
部、無水トリメリット酸10.0重量部、アジピン酸9.3重
量部、ヘキサデセニル無水コハク酸25.0重量部、1,4−
ブタンジオール20.8重量部、トリメチロールプロパン1
4.9重量部を仕込み、220℃で2時間、次いで190℃で2
時間エステル化反応を行って、酸価50、水酸基価120、
数平均分子量1,600の水溶性ポリエステル樹脂を得た。
得られた樹脂反応物の温度を100℃まで下げ、これにブ
チルセロソルブを加えた、加熱残分80重量%の水溶性ポ
リエステル樹脂A−1を得た。
製造例2 水溶性ポリエステル樹脂A−2の製造 製造例1と同様にかくはん機、温度計、還流冷却器及
び窒素ガス導入管を取り付けた四つ口フラスコに、イソ
フタル酸20.0重量部、無水トリメリット酸6.6重量部、
ドデシル無水コハク酸30.9重量部、ポリエチレングリコ
ール(分子量200)15.0重量部、1,4−ブタンジオール8.
7重量部、トリメチロールプロパン18.8重量部を仕込
み、220℃で2時間、次いで190℃で2時間エステル化反
応を行って、酸価35、水酸基価150、数平均分子量1,400
の水溶性ポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂反応物
の温度を100℃まで下げ、ブチルセロソルブを加え、加
熱残分80重量%の水溶性ポリエステル樹脂A−2を得
た。
実施例1〜5 製造例により得られた第1表に示す水溶性ポリエステ
ル樹脂A−1、A−2の温度を60℃まで下げ、ホモディ
スパー(特殊機化工業株式会社製)で攪拌しながら樹脂
反応物中のカルボキシル基0.75モル当量に相当するジメ
チルエタノールアミンを加えて均一に中和したのち、こ
れに第1表に示すブロック化ポリイソシアネートを加え
混合した。同温度を維持しながら、脱イオン水を徐々に
加え、強い青味を呈した加熱残分36重量%の水性分散体
を得た。
次いで、この水性分散体から白色水性分散型塗料を製
造するため、まず水溶性ポリエステル樹脂A−1 33.0重
量部、ブチルセロソルブ8.3重量部、ジメチルエタノー
ルアミン2.0重量部、脱イオン水56.7重量部から成る加
熱残分33重量%の水溶性ポリエステル樹脂A−1の樹脂
水溶液を得た。また、水溶性ポリエステル樹脂A−2 3
3.0重量部、ブチルセロソルブ8.3重量部、ジメチルエタ
ノールアミン1.4重量部、脱イオン水57.3重量部から成
る加熱残分33重量%の水溶性ポリエステル樹脂A−2の
樹脂水溶液を調製し、次いでこのA−1、A−2それぞ
れについて樹脂水溶液30.0重量部、酸化チタン60.0重量
部、脱イオン水10.0重量部の配合比のもとにサンドミル
で1時間分散し、白色ペーストA−1、A−2を調製し
た。この白色ペースト、上記水性分散体、硬化触媒とし
てのジブチルチンジラウレート、及び水性塗料用添加剤
(アジトールXV329、ヘキスト社製、商品名)を第1表
の配合割合で混合し、顔料分と樹脂分との重量比が1:1
の白色水性分散型塗料を得た。
実施例6〜10 実施例1〜5と同様な方法で白色ペースト、水性分散
体を作成し、白色ペースト、水性分散体、メラミン樹脂
(ニカラックMW−30、三和ケミカル(株)製、商品名、
固形分100%)、ジブチルチンジラウレート、水性塗料
用添加剤を第1表の配合割合で混合し、顔料分と樹脂分
との重量比が1:1、水溶性ポリエステル樹脂とブロック
化ポリイソシアネートとの混合物とメラミン樹脂との重
合比が85:15の白色水性分散型塗料を得た。
比較例1、2 製造例で得た水溶性ポリエステル樹脂A−1、A−2
を用い、ブロック化ポリイソシアネートを含有しない水
溶性塗料を製造した。
すなわち、ブロック化ポリイソシアネートを用いずに
実施例の水性分散体に相当する樹脂水溶液を調製し、こ
の樹脂水溶液、白色ペースト、メラミン樹脂、添加剤を
第1表に示す配合割合で混合し、顔料分と樹脂分との重
量比が1:1、水溶性ポリエステル樹脂とメラミン樹脂と
の重合比が85:15の水溶性型白色塗料を得た。
試験例 リン酸亜鉛処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板に、カ
チオン電着塗料(アクアNo.4200、日本油脂(株)製、
商品名)を乾燥膜厚20μmとなるように電着塗装し、17
5℃で25分間焼付けしたのち、実施例及び比較例で調製
した白色水性分散型又は白色水溶性塗料を脱イオン水で
希釈してフォードカップ#4による秒数を20℃で30秒に
粘度調整した希釈塗料を、乾燥塗膜厚が35μmとなるよ
うにエアスプレー塗装して、20℃で10分間セッティング
し、次いで60℃で5分間セッティングし、さらに160℃
で30分間焼付けたのち、この塗膜の上に上塗塗料(メラ
ミNo.2000、日本油脂(株)製、商品名)を乾燥膜厚35
μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間
焼付けた。このようにして得られた塗膜の耐チッピング
性、塗膜外観、光沢、硬度、付着性、耐湿性を求めた。
その結果を第2表に示す。
第2表から明らかに、実施例1〜10のポリエステル樹
脂とブロック化ポリイソシアネートの混合物を主成分と
した水性分散体を塗膜構成成分とする水性分散型塗料
は、ブロック化ポリイソシアネートの含まれていない比
較例1、2と比べて、塗膜外観、光沢、硬度、付着性、
耐湿性を損なうことなく、耐チッピング性が剥離面積、
素地傷達成率とも大幅に改善されていることが分かる。
[発明の効果] 本発明の高耐チッピング性水性分散型塗料組成物は、
塗膜形成成分として、水溶性ポリエステル樹脂とブロッ
ク化ポリイソシアネートとを水性媒体中に乳化させた水
性分散体を含有するものであって、その硬化塗膜は良好
な外観、光沢、硬度、付着性、耐湿性を有するととも
に、特に高度の耐チッピング性を有しており、例えば自
動車塗装などに好適に用いられる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 (式中のRは炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル
    基である) で表される酸無水物から形成される単位5〜50重量%を
    含有する、酸価25〜100KOHmg/g、水酸基価50〜200KOHmg
    /g及び数平均分子量500〜5,000の水溶性ポリエステル樹
    脂と、(B)数平均分子量5,000以下のブロック化ポリ
    イソシアネートとを重量比50:50ないし99:1の割合で水
    性媒体中に乳化させた水性分散体を、塗膜形成成分とし
    て含有することを特徴とする高耐チッピング性水性分散
    型塗料組成物。
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