JPH10237320A - 抗菌性樹脂組成物及びそれを用いた抗菌性樹脂成形品 - Google Patents
抗菌性樹脂組成物及びそれを用いた抗菌性樹脂成形品Info
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- JPH10237320A JPH10237320A JP5845897A JP5845897A JPH10237320A JP H10237320 A JPH10237320 A JP H10237320A JP 5845897 A JP5845897 A JP 5845897A JP 5845897 A JP5845897 A JP 5845897A JP H10237320 A JPH10237320 A JP H10237320A
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Abstract
量で良好な抗菌性を得ることができ、得られる成形品の
外観を良好に保もつことができる上、該成形品を洗浄し
ても抗菌持続力を低下させることのない抗菌性樹脂組成
物および該組成物によって得られる医療衛生材、食器
類、生活関連材、自動車内装材、家庭用電化製品、フィ
ルム、シートおよび繊維等の抗菌性樹脂成形品を提供す
るものである。 【解決手段】 含水率に15重量%以下のε−ポリリジ
ンもしくはε−ポリリジン塩と合成樹脂を含有させた抗
菌性樹脂組成物を得る。また、該抗菌性樹脂組成物を成
形加工して抗菌性樹脂成形品を得る。
Description
および該組成物を用いて得られる成形品に関する。さら
に詳しくは、合成樹脂に含水率が15重量%以下のε−
ポリリジンもしくはε−ポリリジン塩(以下、総称して
εPLという)を含有させた抗菌性樹脂組成物および該
組成物を用いて得られる抗菌性樹脂成形品に関する。
存在している。これらの微生物は、しばしば食物を腐敗
させたり、悪臭発生の原因となったりして我々に不快感
を与える。また、人体に対して、食中毒を初めとする様
々な疾病や白癬等の皮膚障害を引き起こす原因となった
り、時としては抵抗力の弱い乳幼児や高齢者の生命を奪
うことさえある。衛生的で快適な生活を送るために微生
物増殖抑制は重要な課題であり、我々の身の回りの様々
な医療用品、生活用品、衣料品等に抗菌機能の付加が望
まれている。
は、軽くて強く、そして目的に合わせて自由に成形でき
る合成樹脂が好んで使用されている。しかしながら、ほ
とんどの合成樹脂は、それ単独では抗菌機能を有さない
ものである。このため、昨今においては、合成樹脂成形
品に抗菌機能を付与させる種々の研究が行われている。
性樹脂成形品と統一する。)を得るための方法として、
特開昭54−147220号公報等には、合成樹脂に対
し、銀、銅、亜鉛等の金属を含む化合物を添加する方法
が、特開昭59−133235号公報等には、合成樹脂
に対し、銀イオン、銅イオンでイオン交換したゼオライ
ト系の固体粒子を添加する方法が開示されている。しか
しながら、金属を含む化合物を添加する方法により得ら
れる抗菌性樹脂成形品は、用いている金属化合物の作用
によって変色してしまい、該樹脂成形品の外観および商
品価値を損ねるという欠点を有している。また、イオン
交換したゼオライト系の固体粒子を添加する方法により
得られる抗菌性樹脂成形品は、塩素イオンの存在下にお
いて、銀イオン、銅イオン等の金属イオンが塩素イオン
と塩化物を形成してしまうため、十分な抗菌性能が得ら
れなくなる。その上、該樹脂成形品は、使用する用途に
よっては人体、特に皮膚の弱い乳幼児やアレルギー体質
の人々に対して皮膚障害を起こす原因となる。
天然物を合成樹脂に添加する方法がある。これらの抗菌
性天然物としては、カラシやワサビから抽出されるイソ
チオシアン酸アリル、鮭、鱒等の成熟精巣から抽出され
るプロタミンおよびストレプトマイセス属に属する微生
物から得られるεPL等を挙げることができる。
組成物の成形時に揮発してしまいやすいため、抗菌性樹
脂成形品に十分な抗菌性能を保有させるには、多量に用
いなければならないという欠点を有している。また、プ
ロタミンは、蛋白質であるため熱に弱く、樹脂組成物の
加工温度に耐えることができない。
1号公報に開示されているようなεPLとエタノールと
の液状組成物、特開4−53475公報に開示されてい
るようなεPLと酢酸との液状組成物、特開平5−68
520号公報に開示されているようなεPLとグリシン
等のアミノ酸との粉末状組成物および市販されているよ
うなεPLとデキストリンとの粉末状組成物として使用
されているが、樹脂成形品に抗菌性を付与させるため
に、このような組成物を合成樹脂へ添加し成形加工を行
うと、溶媒の揮発による発泡やεPL以外の混合物質が
焼けを起こして、該成形品の外観を損ねたり、成形金型
やロールを傷めたりする。
り、該物質に含まれる水分を脱水・乾燥することが難し
いため、通常使用されているεPLは、含水率が高い。
一般に、εPLは、その効用から食品添加料等の用途に
主に用いられいる。この様な用途は、εPLに含まれて
いる水分量を特に問題としないが、前記した合成樹脂に
抗菌性を付与する用途に対しては、成形加工の際に、ε
PLに含まれる水分量が悪影響を及ぼし、成形不良や成
形品の外観不良を引き起こす原因となる。特に、油性塗
料および印刷インキ等へ使用する場合、含水率の高いε
PLでは、塗料内で均一に分散せず、塗料およびインキ
が正常に乾燥しないばかりか、得られる塗膜および印刷
物は、塗料の発色が阻害されたり、美しい塗装外観およ
び印刷外観が得られないという外観不良を起こす。
題点に鑑み、得られる成形品の外観を良好に保ち、少な
い添加量で良好な抗菌性を得ることができ、該成形品を
洗浄しても抗菌持続力を低下させることのない抗菌性樹
脂組成物および抗菌性樹脂成形品を得るべく鋭意検討し
た結果、合成樹脂に含水率が15重量%以下のεPLを
含有させた抗菌性樹脂組成物を得、これを用いて抗菌性
樹脂成形品を成形すると、該成形品内でのεPLの分散
特性と、該成形品内に含有されているεPLの溶出性能
とが著しく改善されることを見い出し、この知見に基づ
き本発明を完成するに至った。以上の記述から明らかな
ように、本発明の目的は、人体に対する毒性が極めて低
く、少ない添加量で良好な抗菌性を得ることができ、得
られる成形品の外観を良好に保もつことができる上、該
成形品を洗浄しても抗菌持続力を低下させることのない
抗菌性樹脂組成物および該組成物によって得られる医療
衛生材、食器類、生活関連材、自動車内装材、家庭用電
化製品、フィルム、シートおよび繊維等の抗菌性樹脂成
形品を提供するものである。
および抗菌性樹脂成形品は、含水率15重量%以下のε
PLを用いることにより容易に得ることができる。すな
わち、本発明は下記の(1)〜(4)の構成を有する。 (1)合成樹脂に含水率が15重量%以下のε−ポリリ
ジンもしくはε−ポリリジン塩を含有させた抗菌性樹脂
組成物。 (2)ε−ポリリジンもしくはε−ポリリジン塩の含水
率が8重量%以下である前記第(1)項に記載の抗菌性
樹脂組成物。 (3)前記第(1)項に記載の抗菌性樹脂組成物を用い
て得られる抗菌性樹脂成形品。 (4)前記第(2)項に記載の抗菌性樹脂組成物を用い
て得られる抗菌性樹脂成形品。
本発明の1つは、合成樹脂に含水率が15重量%以下の
εPLを含有させた抗菌性樹脂組成物である。本発明で
用いるεPLとしては、例えば特開昭59−20359
号公報に記載のεPL生産菌をであるストレプトマイセ
ス属に属するストレプトマイセス・アルプラス・サブス
ピーシーズ・リジノポリメラスを培地に培養し、得られ
た培養物からεPLを分離、採取することによって得ら
れる。該εPLは厚生省の化学的合成以外食品添加物の
リストにも記載されている物質であり、食品保存料等に
利用されている。
(以下、遊離物という。)で用いても、無機酸もしくは
有機酸との塩の形(以下、総称して塩という。)で用い
てもどちらでも良い。いずれの形であっても、抗菌効果
には本質的な差はでないが、εPL遊離物よりεPL塩
の方が熱安定性に優れているので、230℃以上の加工
温度で成形加工される用途では、εPL塩を使用するの
が好ましい。εPL塩としては、塩酸、硫酸、リン酸等
の無機酸もしくは酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リン
ゴ酸、クエン酸、マレイン酸、アジピン酸、グルコン酸
等の有機酸の塩ならびにカプロン酸、ラウリン酸、ステ
アリン酸等の中鎖および長鎖の飽和脂肪酸、オレイン
酸、リノール酸、アラキドン酸等の中鎖および長鎖の不
飽和脂肪酸の塩を挙げることができる。
下のεPLを用いなければならない。含水率が15重量
%を越えるεPLを用いると、合成樹脂と該εPLとを
主成分とする抗菌性樹脂組成物を成形することにより得
られる成形品は、その成形品内での該εPLの分散性が
著しく低下したり、発泡に伴う成形不良を引き起こすか
らである。反面、εPLの含水率が小さくなればなる
程、成形性および成形品内での分散性が向上するため、
本発明では好ましくは含水率が0.1〜8重量%、さら
に好ましくは0.5〜6重量%のεPLを用いるのが望
ましい。
法で得られるεPLを、さらに長時間脱水・乾燥するこ
とにより製造することができるが、この方法は、本来含
水率を考慮する必要のない食品用途向けの脱水方法であ
るため、本発明にかかる15重量%以下という極めて低
い含水率を有するεPLを得るには、実に不経済な製造
方法である。この他にも、加熱乾燥、減圧乾燥、凍結乾
燥、スプレードライ等の脱水方法が存在するが、本発明
にかかる低含水率を有するεPLを短時間に低コスト
で、かつ高品質で得るには、脱水剤を用いた共沸脱水法
が好ましい。
成樹脂としては、ポリプロピレンおよびプロピレンと他
のα−オレフィンとの二元もしくは三元共重合体、低密
度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリ
エステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ナイロン
6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリスチレ
ン、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
等のポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニ
リデン系樹脂等の熱可塑性樹脂ならびにエチレン−プロ
ピレン−ゴム共重合体、スチレン−ブタジエン−ゴム共
重合体等の熱可塑性エラストマー及びこれらの混合物や
不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン−ホルムアルデ
ヒド樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。
料およびインキを含み、それらに用いられる合成樹脂と
して、フェノール樹脂、アルキド樹脂、メラミン−アル
キド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂およびフッ
素樹脂を挙げることができる。また、合成樹脂とは言え
ないが、塗料およびインキに用いる際、実質的に合成樹
脂と同等の作用となる漆、ボイル油、油性ワニスおよび
油性エナメル等も本発明でいう合成樹脂に包含する。
含水率が15重量%以下のεPLとが均一に混合されて
いれば、その製造方法は特に限定されるものではない。
また、εPLの配合量についても特に限定はないが、抗
菌性樹脂組成物中のεPLの含有率が、0.001〜1
0重量%であることが好ましく、0.01〜5重量%が
より好ましい。0.001重量%未満では十分な抗菌効
果を得難く、5重量%を越えると、抗菌性がほぼ飽和状
態に達するため、これ以上の配合はコスト高を招くだけ
ではなく、成形品の外観、機械的物性の低下を招く恐れ
もある。
樹脂に広く使用されている各種添加剤が配合されていて
も良い。各種添加剤には、耐熱安定性、耐熱劣化防止
性、耐熱性付加のための熱安定剤、耐候性付加のための
耐候剤、耐光性付加のための耐光剤、機能性付加のため
の各種安定剤、中和剤、添加剤、界面活性剤、有機系も
しくは無機系の顔料、成形品の機械強度の向上および機
能性付与のための有機系もしくは無機系のフィラーを挙
げることができる。また、場合によっては、εPLの抗
菌性を増すために抗菌助長物質を用いても良い。
る方法としては、εPLが均一に分散されるならば、塗
料およびインキにεPLを直接添加しても、トルエン、
酢酸エチルおよびアルコール類等の適当な溶媒にεPL
を縣濁したのち、該溶媒を塗料およびインキに加えても
よい。
15重量%以下のεPLを含有させた抗菌性樹脂組成物
を用いて得られる抗菌性樹脂成形品である。該成形品を
得るための製造方法は、抗菌性樹脂組成物に使用されて
いる合成樹脂の種類によって、さまざまな製造方法を用
いることができるが、大別して熱可塑性樹脂を成形する
ための一般的な方法である押出機、ロール等の加熱混練
成形および熱硬化性樹脂を成形するための一般的な方法
である圧縮成型、射出成形等を挙げることができる。本
発明の成形品は、合成樹脂に含水率が15重量%以下の
εPLを含有させた抗菌性樹脂組成物を成形機器によっ
て成形して得ても良く、該εPLを含有しない合成樹脂
組成物を成形機器によって成形する時に、該εPLを添
加し、成形機器内もしくは成形機器上で両者を混合して
得ても良い。この際、該εPLは、粉末状で用いても良
く、加熱して液体状にして用いてもどちらでも良い。
合成樹脂に高濃度に添加したマスターバッチを予め調整
し、該マスターバッチをεPLを含有しない合成樹脂組
成物に添加・混合して、本発明の抗菌性樹脂組成物を得
ても良い。
本発明はこれら実施例により限定されるべきものではな
い。尚、以下の実施例における「%」は特に断りがない
限り「重量%」である。
を150mL入れ、ロータリーエバポレーターを用い
て、加熱温度40℃にてフラスコ内の液量が60mL程
度となるまで減圧脱水を行ったのち、純度99.5%の
特級エチルアルコール(以下、エタノールと略す。)を
フラスコ内に残っている該εPL水溶液と等量加え、再
度加熱温度40℃にてフラスコ内の液量が60mL程度
となるまで減圧共沸脱水を行った。上記減圧共沸操作を
三度繰り返し、三度目の減圧共沸操作では、フラスコ内
からのエタノールの蒸発が認められなくなるまで行い、
半固形状のεPLを得た。次に、加熱温度40℃に設定
した真空乾燥装置で、該εPLを12時間真空乾燥し、
残存するエタノール分を除去し、含水率5.5%の固体
状εPL−1を得た。 εPL−2 12時間の真空乾燥時間を10時間に変更した以外は、
εPL−1に準拠して、含水率7,9%の固体状εPL
−2を得た。 εPL−3 12時間の真空乾燥時間を6時間に変更した以外は、ε
PL−1に準拠して、含水率15,0%の固体状εPL
−3を得た。 εPL−4 300mLのナス型フラスコに、εPLの25%水溶液
を150mL入れ、ロータリーエバポレーターを用い
て、加熱温度40℃にてフラスコ内から水分の蒸発が認
められなくなるまで減圧脱水を行い、半あめ状状のεP
Lを得た。次に、加熱温度40℃に設定した真空乾燥装
置で、該εPLを12時間真空乾燥し、残存するエタノ
ール分を除去し、含水率19.5%の固体状εPL−4
を得た。
の含水率は、以下の方法(加熱減量法)で測定した。1
/10mgまで秤量できる微量天秤を用い、εPL−1
〜4を各々1gづつ精秤したのち、105℃の加熱雰囲
気下にて60分間加熱乾燥を行った。加熱乾燥終了後、
直ちにシリカゲル入りのデシケーター中に置き、30分
間、室温で放置した後、再び各εPLを精秤し、各εP
Lの減少率を、そのεPLの含水率とした。
1.18N)を98.9%、BHTを0.1%、εPL
−1を1.0%となるように調整しながら各種添加剤を
ブレンダーで均一混合した後、該混合物を50×50×
0.5mmの金型に充填し、200℃に設定したホット
プレスで該金型を19.61MPaの圧力で1分間加熱
圧縮することにより、ポリプロピレンシート−1を作成
した。 実施例2 εPL−1の代わりにεPL−2を用いた以外は、実施
例1に準拠してポリプロピレンシート−2を作成した。 実施例3 εPL−1の代わりにεPL−3を用いた以外は、実施
例1に準拠してポリプロピレンシート−3を作成した。 比較例1 εPL−1の代わりにεPL−4を用いた以外は、実施
例1に準拠してポリプロピレンシート−4を作成した。
1〜3および比較例1で得られたポリプロピレンシート
−1〜4のシートの外観を目視で観察した。その結果
は、表1の通りである。
含水率が小さくなればなる程、ポリプロピレンシート内
でのεPLの分散性が向上し、かつポリプロピレンシー
トの平滑性が向上することが分かる。反面、用いるεP
Lの含水率が15%を越えると、ポリプロピレンシート
内でのεPLの分散性が著しく低下し、かつポリプロピ
レンシートに気泡、肌荒れ、まだら模様等が発生し、平
滑性および外観を悪化すことが分かる。
した以外は、実施例1に準拠してポリプロピレンシート
−5を作成した。 実施例5 εPL−1を1.0%配合する代わりに、εPL−3を
0.5%配合した以外は、実施例1に準拠してポリプロ
ピレンシート−6を作成した。 比較例2 εPL−1を1.0%配合する代わりに、εPL−4を
0.5%配合した以外は、実施例1に準拠してポリプロ
ピレンシート−7を作成した。 実施例6 εPL−1を1.0%配合する代わりに、0.1%配合
した以外は、実施例1に準拠してポリプロピレンシート
−8を作成した。 実施例7 εPL−1を1.0%配合する代わりに、εPL−3を
0.1%配合した以外は、実施例1に準拠してポリプロ
ピレンシート−9を作成した。 比較例3 εPL−1を1.0%配合する代わりに、εPL−4を
0.1%配合した以外は、実施例1に準拠してポリプロ
ピレンシート−10を作成した。 実施例8 εPL−1を1.0%配合する代わりに、0.05%配
合した以外は、実施例1に準拠してポリプロピレンシー
ト−11を作成した。 実施例9 εPL−1を1.0%配合する代わりに、εPL−3を
0.05%配合した以外は、実施例1に準拠してポリプ
ロピレンシート−12を作成した。 比較例4 εPL−1を1.0%配合する代わりに、εPL−4を
0.05%配合した以外は、実施例1に準拠してポリプ
ロピレンシート−13を作成した。 比較例5 εPL−1を配合しなかった以外は、実施例1に準拠し
てポリプロピレンシート−14を作成した。
銀等無機抗菌剤の抗菌評価試験法(1995年)”に
定められた合成樹脂抗菌試験法である“フィルム密着
法”に準じて下記内容の抗菌性試験1を行った。まず、
前記の実施例1、3〜9および比較例1〜5で得られた
ポリプロピレンシート−1、3〜14を各々50×50
×0.5mmの大きさに切った後、その全面をエタノー
ルの滲み込んだ局方ガーゼで軽く2〜3回拭き、再び室
温にて乾燥して、試験片とした。また一方、普通ブイヨ
ン培地を滅菌精製水で500倍に希釈し、pHを7.0
±0.2に調整した「1/500培地」に、滅菌したピ
ペットで大腸菌(Escherichia coli、
IFO3972)を、培地中の生菌数が3.0×105
個/mLの濃度となるように試験菌液を調整した。次
に、試験片を各々滅菌シャーレへ入れ、その試験面に試
験菌液0.5mLを接種し、さらにその上に滅菌処理を
施したポリエチレン製フィルムを被せて蓋をした後、温
度35±1℃、相対湿度90%以上の条件で24時間培
養を行った。培養終了後、各々の試験片、該フィルムに
付着している菌をSCDLP培地(10mL)を用いて
滅菌シャーレ中に十分に洗い出し、この洗い出した液1
mL中の生菌数を標準寒天培地法により測定した。試験
終了後、下記計算式により増減値差を算出し、その結果
を表2の”洗浄処理なし”の欄に示した。 抗菌無加工試料 A:接種直後の生菌数 B:定時間培養操作後の生菌数 抗菌加工試料 C:定時間培養操作後の生菌数 増減値差 = log(B/A) − log(C/
A) また、試験片を水道水で30分間流水洗浄(流速2L/
分)した後、前記の同様の方法で増減値差を算出した。
その結果を表2の”流水洗浄30分”の欄に示した。
9から得られた試験片(含水率15%以下のεPL配合
物)は、比較例1〜4から得られた試験片(含水率15
%を越えるεPL配合物)および比較例5(εPL無配
合物)と比較して、大腸菌に対しての抗菌効果が高く、
30分の流水洗浄を行った後であっても抗菌効果の持続
力が非常に優れていることが分かった。
ドウ球菌(Staphylococcus aureu
s、IFO12732)を使用した以外は、抗菌性試験
1に準じて抗菌試験を実施した。この試験に使用した試
験片は、前記抗菌性試験1と同様の実施例1、3〜9お
よび比較例1〜5である。該試験片の増減値差を算出し
た結果を、表3の”洗浄処理なし”の欄に示した。ま
た、該試験片を水道水で30分間流水洗浄(流速2L/
分)した後、該試験片の増減値差を算出した結果を、表
3の”流水洗浄30分”の欄に示した。
9から得られた試験片(含水率15%以下のεPL配合
物)は、比較例1〜4から得られた試験片(含水率15
%を越えるεPL配合物)および比較例5(εPL無配
合物)と比較して、黄色ブドウ球菌に対しての抗菌効果
が高く、30分の流水洗浄を行った後であっても抗菌効
果の持続力が非常に優れていることが分かった。
大日本インキ化学工業(株)社製)に対して、該不飽和ポ
リエステル樹脂が65%溶液となるように、スチレンモ
ノマーを添加して、液状の不飽和ポリエステル樹脂を得
た。次に、該不飽和ポリエステル樹脂100%に対し、
硬化剤を1.2%、促進剤5.0%、εPL−1を1.
0%添加し、これらが均一に溶解・分散するように撹拌
したのち、この混合溶液を50×50×0.5mmの金
型に注型して、40℃下で48時間熟成させて、不飽和
ポリエステル樹脂からなるシートモールディングコンパ
ウンドを作成した。次に、該シートモールディングコン
パウンドを150℃に設定したホットプレスを用い、
9.81MPaの圧力で15分間加熱圧縮することによ
り、不飽和ポリエステルシート−1を作成した。 実施例11 εPL−1の代わりに、εPL−2を用いた以外は、実
施例10に準拠して不飽和ポリエステルシート−2を作
成した。 実施例12 εPL−1の代わりに、εPL−3を用いた以外は、実
施例10に準拠して不飽和ポリエステルシート−3を作
成した。 比較例6 εPL−1の代わりに、εPL−4を用いた以外は、実
施例10に準拠して不飽和ポリエステルシート−4を作
成した。
10〜12および比較例6で得られた不飽和ポリエステ
ルシート−1〜4のシートの外観を目視で観察した。そ
の結果は、表4の通りである。
含水率が小さくなればなる程、不飽和ポリエステルシー
ト内でのεPLの分散性が向上し、かつ不飽和ポリエス
テルシートの平滑性が向上することが分かる。反面、用
いるεPLの含水率が15%を越えると、不飽和ポリエ
ステルシート内でのεPLの分散性が著しく低下し、か
つ不飽和ポリエステルシートに気泡、肌荒れ、まだら模
様等が発生し、平滑性および外観が顕著に悪化すること
が分かる。
した以外は、実施例10に準拠して不飽和ポリエステル
シート−5を作成した。 実施例14 εPL−1を1.0%配合する代わりに、εPL−3を
0.5%配合した以外は、実施例10に準拠して不飽和
ポリエステルシート−6を作成した。 比較例7 εPL−1を1.0%配合する代わりに、εPL−4を
0.5%配合した以外は、実施例10に準拠して不飽和
ポリエステルシート−7を作成した。 実施例15 εPL−1を1.0%配合する代わりに、0.1%配合
した以外は、実施例10に準拠して不飽和ポリエステル
シート−8を作成した。 実施例16 εPL−1を1.0%配合する代わりに、εPL−3を
0.1%配合した以外は、実施例10に準拠して不飽和
ポリエステルシート−9を作成した。 比較例8 εPL−1を1.0%配合する代わりに、εPL−4を
0.1%配合した以外は、実施例10に準拠して不飽和
ポリエステルシート−10を作成した。 実施例17 εPL−1を1.0%配合する代わりに、0.05%配
合した以外は、実施例10に準拠して不飽和ポリエステ
ルシート−11を作成した。 実施例18 εPL−1を1.0%配合する代わりに、εPL−3を
0.05%配合した以外は、実施例10に準拠して不飽
和ポリエステルシート−12を作成した。 比較例9 εPL−1を1.0%配合する代わりに、εPL−4を
0.05%配合した以外は、実施例10に準拠して不飽
和ポリエステルシート−13を作成した。 比較例10 εPL−4を配合しなかった以外は、実施例10に準拠
して不飽和ポリエステルシート−14を作成した。
ピレンシートの代わりに、前記の実施例10、12〜1
8および比較例6〜10で得られた不飽和ポリエステル
シート−1、3〜14を用いた以外は、抗菌性試験1に
準じて抗菌試験を実施し、該試験片の増減値差を算出し
た結果を、表5の”洗浄処理なし”の欄に示した。ま
た、該試験片を水道水で30分間流水洗浄(流速2L/
分)した後、該試験片の増減値差を算出した結果を、表
5の”流水洗浄30分”の欄に示した。
2〜18から得られた試験片(含水率15%以下のεP
L配合物)は、比較例6〜9から得られた試験片(含水
率15%を越えるεPL配合物)および比較例10(ε
PL無配合物)と比較して、大腸菌に対しての抗菌効果
が高く、30分の流水洗浄を行った後であっても抗菌効
果の持続力が非常に優れていることが分かった。
ピレンシートの代わりに、前記の実施例10、12〜1
8および比較例6〜10で得られた不飽和ポリエステル
シート−1、3〜14を用い、大腸菌の代わりに黄色ブ
ドウ球菌(Staphylococcus aureu
s、IFO12732)を使用した以外は、抗菌性試験
1に準じて抗菌試験を実施し、該試験片の増減値差を算
出した結果を、表6の”洗浄処理なし”の欄に示した。
また、該試験片を水道水で30分間流水洗浄(流速2L
/分)した後、該試験片の増減値差を算出した結果を、
表6の”流水洗浄30分”の欄に示した。
2〜18から得られた試験片(含水率15%以下のεP
L配合物)は、比較例6〜9から得られた試験片(含水
率15%を越えるεPL配合物)および比較例10(ε
PL無配合物)と比較して、黄色ブドウ球菌に対しての
抗菌効果が高く、30分の流水洗浄を行った後であって
も抗菌効果の持続力が非常に優れていることが分かっ
た。
小さい抗菌剤を使用しているため、親水性の乏しい物質
に対しての使用が可能である。また、該組成物は、外観
を損なうことなく、耐洗浄、耐洗濯性に優れた成形品を
得ることができる。従って、本発明の抗菌性樹脂組成物
は、抗菌性を求められる種々の成形品やフィルム、シー
ト、繊維製品等の樹脂成形品およびペンキ等の塗料やイ
ンキに広く好適に利用することができ、得られた成形品
は、繰り返し使用してもその抗菌効果が持続し、長期使
用にも好適なものである。また、本発明には、抗菌剤と
して、抗菌性に優れ、食品保存料としても使用できるε
PLを用いているので、使用に際して、人体に対する危
険性が極めて低い。
Claims (4)
- 【請求項1】合成樹脂に含水率が15重量%以下のε−
ポリリジンもしくはε−ポリリジン塩を含有させた抗菌
性樹脂組成物。 - 【請求項2】ε−ポリリジンもしくはε−ポリリジン塩
の含水率が8重量%以下である請求項1記載の抗菌性樹
脂組成物。 - 【請求項3】請求項1記載の抗菌性樹脂組成物を用いて
得られる抗菌性樹脂成形品。 - 【請求項4】請求項2記載の抗菌性樹脂組成物を用いて
得られる抗菌性樹脂成形品。
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- 1997-02-26 JP JP05845897A patent/JP3580071B2/ja not_active Expired - Fee Related
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