JPH10237238A - 伸縮フィルム用樹脂組成物及びフィルム - Google Patents

伸縮フィルム用樹脂組成物及びフィルム

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JPH10237238A
JPH10237238A JP9225288A JP22528897A JPH10237238A JP H10237238 A JPH10237238 A JP H10237238A JP 9225288 A JP9225288 A JP 9225288A JP 22528897 A JP22528897 A JP 22528897A JP H10237238 A JPH10237238 A JP H10237238A
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ethylene
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Hideaki Toda
英明 戸田
Hidenori Ishizuka
英紀 石塚
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Tonen Chemical Corp
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Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リサイクルが可能で、有害物質の発生がない
焼却が可能な伸縮性の使い捨て紙オムツ等のギャザー部
材等に使用するフィルム用樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (a)密度0.86〜0.90g/cm
3 、メルトインデックス0.1〜50g/10分、重量
平均分子量/数平均分子量1.8〜2.8であり、炭素
数4〜8のα−オレフィンコモノマーを18%以上含有
する低密度ポリエチレン30〜80%、(b)エチレン
−メチル(メタ)アクリレート共重合体10〜60%、
(c)密度0.915〜0.950g/cm3 のポリエ
チレン5〜20%を含む組成物100部並びに(d)無
機充填剤5〜40部を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸縮フィルム用樹
脂組成物及びフィルムに関し、より詳しくは使い捨て紙
オムツ等におけるギャザー部材等に使用するフィルム用
樹脂組成物及びフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ベビー用、大人用の使い捨てオムツ、ギ
ャザー付ナプキン等のギャザーの部材は伸縮性が要求さ
れ、その部材としてポリウレタンフォーム、ポリウレタ
ン系フィルム、天然ゴム等を不織布等とホットメルト貼
合したものが使われている。しかし、ポリウレタンフォ
ームは、強度が弱く、価格が高い等の問題があり、ポリ
ウレタン系フィルムは、伸縮強度が強すぎる、ホットメ
ルト接着性が悪い、ブロッキングし易い、製膜時に離型
紙の使用を必要とする等の問題がある。又、天然ゴム
は、価格面での優位性はあるが、ホットメルト接着性、
熱接着性等に問題がある。更に、これら伸縮部材に共通
した欠点として、リサイクルができない、有害物質発生
のために焼却できないという大問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、リサイクル
が可能で、有害物質を発生させないで焼却が可能な伸縮
性の使い捨て紙オムツ等におけるギャザー部材等に使用
するフィルム用樹脂組成物及びフィルムを提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リサイク
ル及び焼却が可能な素材として、ポリオレフィン系エラ
ストマーに着目し、その一つとして、エチレンとα−オ
レフィンとの共重合体であり、非常に狭い分子量分布と
低い結晶化度に特色がある低密度ポリエチレンの上記ギ
ャザー部材への適用性について研究を行った。上記低密
度ポリエチレン単独では、フィルムがベト付いて製膜で
きなかったが、上記低密度ポリエチレンにエチレン−メ
チルアクリレート共重合体又はエチレン−メチルメタク
リレート共重合体を添加することにより、フィルムが不
透明になり、表面に適度な肌荒れが生じ、製膜が可能と
なり、更にポリエチレンを加えることにより製膜性が改
善され、その上に更に無機充填剤を加えることによりブ
ロッキングしにくくなり、しかも製膜された上記フィル
ムは、いずれも上記部材として要求される物性を満足で
きることを見出して、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、(a)密度が0.8
6〜0.90g/cm3 、メルトインデックスが0.1
〜50g/10分、重量平均分子量/数平均分子量が
1.8〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−オレフ
ィンコモノマーを18重量%以上含有する低密度ポリエ
チレン30〜90重量%と、(b)エチレン−メチルア
クリレート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリ
レート共重合体10〜70重量%とを含有することを特
徴とする伸縮フィルム用樹脂組成物を要旨とする。
【0006】更に、本発明は、(a)密度が0.86〜
0.90g/cm3 、メルトインデックスが0.1〜5
0g/10分、重量平均分子量/数平均分子量が1.8
〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコ
モノマーを18重量%以上含有する低密度ポリエチレン
30〜80重量%と、(b)エチレン−メチルアクリレ
ート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート
共重合体10〜60重量%と、(c)密度が0.915
〜0.950g/cm3 のポリエチレン5〜20重量%
とを含有することを特徴とする伸縮フィルム用樹脂組成
物を要旨とする。
【0007】更に、本発明は、(a)密度が0.86〜
0.90g/cm3 、メルトインデックスが0.1〜5
0g/10分、重量平均分子量/数平均分子量が1.8
〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコ
モノマーを18重量%以上含有する低密度ポリエチレン
30〜80重量%、(b)エチレン−メチルアクリレー
ト共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共
重合体10〜60重量%及び(c)密度が0.915〜
0.950g/cm3 のポリエチレン5〜20重量%を
含有する組成物100重量部並びに(d)無機充填剤5
〜40重量部を含有することを特徴とする伸縮フィルム
用樹脂組成物を要旨とする。
【0008】又、本発明の組成物は、上記α−オレフィ
ンコモノマーが1−オクテンであり、かつその含有量が
20〜35重量%であることを特徴とする。又、本発明
の組成物は、エチレン−メチルアクリレート共重合体
は、メチルアクリレート含有量が5〜30重量%であ
り、メルトフローレイトが0.2〜50g/10分であ
ることを特徴とする。又、本発明の組成物は、エチレン
−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレ
ート含有量が5〜30重量%であり、メルトフローレイ
トが0.2〜50g/10分であることを特徴とする。
更に、本発明は、上記組成物を成形してなるフィルムを
要旨とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の伸縮フィルム用樹脂組成
物は、(I)(a)密度が0.86〜0.90g/cm
3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10分、重
量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であり、
炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを18重
量%以上含有する低密度ポリエチレン30〜90重量%
と、(b)エチレン−メチルアクリレート共重合体若し
くはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10〜7
0重量%とを含有することを特徴とする伸縮フィルム用
樹脂組成物、(II) (a)密度が0.86〜0.90g
/cm3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10
分、重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8で
あり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを
18重量%以上含有する低密度ポリエチレン30〜80
重量%と、(b)エチレン−メチルアクリレート共重合
体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体1
0〜60重量%と、(c)密度が0.915〜0.95
0g/cm3 のポリエチレン5〜20重量%とを含有す
ることを特徴とする伸縮フィルム用樹脂組成物、及び(I
II)(a)密度が0.86〜0.90g/cm3 、メル
トインデックスが0.1〜50g/10分、重量平均分
子量/数平均分子量が1.8〜2.8であり、炭素数が
4〜8個のα−オレフィンコモノマーを18重量%以上
含有する低密度ポリエチレン30〜80重量%、(b)
エチレン−メチルアクリレート共重合体若しくはエチレ
ン−メチルメタクリレート共重合体10〜60重量%及
び(c)密度が0.915〜0.950g/cm3 のポ
リエチレン5〜20重量%を含有する組成物100重量
部並びに(d)無機充填剤5〜40重量部を含有するも
のである。
【0010】(a)成分の低密度ポリエチレンは、密度
が0.86〜0.90g/cm3 、メルトインデックス
が0.1〜50g/10分、重量平均分子量/数平均分
子量が1.8〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−
オレフィンコモノマーを18重量%以上含有するもので
ある。上記のα−オレフィンコモノマーの内でも、1−
オクテンが望ましく、又、その含有量が20〜35重量
%、特に22〜30重量%のものが望ましい。α−オレ
フィンコモノマーの含有量が18重量%未満では、充分
な柔軟性を得られない。(a)成分は、メルトインデッ
クス(MI:190℃、荷重2.16kg)が0.1〜
50g/10分、望ましくは0.5〜20g/10分の
ものが用いられる。MIが0.1g/10分未満だと、
製膜時にトルクが増大して、極端なメルトフラクチャー
が発生し、50g/10分を超えると、バブルが不安定
となり、フィルムの製膜安定性が悪化する。
【0011】(a)成分の直鎖状低密度ポリエチレン
は、分子量分布の目安となる重量平均分子量/数平均分
子量(Mw/Mn)が1.8〜2.8と小さいところに
特徴があるが、このようなポリエチレンは、分子量分布
の幅を狭くすることができるメタロセン触媒を用いて製
造したものが好ましい。上記メタロセン触媒とは、チタ
ン、ジルコニウム、ハフニウム等の遷移金属をπ電子系
のシクロペンタジエニル基又は置換シクロペンタジエニ
ル基等を含有する不飽和環状化合物ではさんだ構造の化
合物であるメタロセンと、アルミニウム化合物等の助触
媒とを組合わせたものである。
【0012】(a)成分は、例えばチタノセン、ジルコ
ノセン等のメタロセンを、助触媒であるアルキルアルミ
ノキサン、アルキルアルミニウム、アルミニウムハライ
ド、アルキルアルミニウムルハライド等のアルミニウム
化合物で活性化したメタロセン触媒の存在下、エチレン
及びコモノマーの炭素数が4〜8個のα−オレフィン、
好ましくは1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン等、特に好ましくは1−オクテンを溶液重合すること
によって製造することができる。
【0013】(b)成分は、エチレン−メチルアクリレ
ート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート
共重合体である。エチレン−メチルアクリレート共重合
体は、メチルアクリレート含有量が5〜30重量%であ
り、メルトフローレイト(MFR:190℃、荷重2.
16kg)が0.2〜50g/10分、特に2〜25g
/10分のものが好ましい。エチレン−メチルメタクリ
レート共重合体は、メチルメタクリレート含有量が5〜
30重量%であり、メルトフローレイト(MFR:19
0℃、荷重2.16kg)が0.2〜50g/10分、
特に2〜25g/10分のものが好ましい。
【0014】本発明で使用される(c)成分のポリエチ
レンは、密度が0.915〜0.950g/cm3 のも
のであり、望ましくはメルトインデックス(MI:19
0℃、荷重2.16kg)が0.5〜10g/10分の
ものである。このような密度を有するポリエチレンに
は、密度が0.925g/cm3 以下の、高圧法で得ら
れる低密度ポリエチレン、チーグラー系触媒の存在下、
微量の1−ブテン等のα−オレフィンと共重合して得ら
れる密度が0.920〜0.930g/cm3 の、線状
低密度ポリエチレン(L−LDPE)、密度が0.92
6〜0.940g/cm3 の中密度ポリエチレンが含ま
れるが、これらの中でも特に高圧法で得られる低密度ポ
リエチレンが望ましい。
【0015】(d)成分の無機充填剤としては、タル
ク、炭酸カルシウム、ゼオライト、石膏、カーボンブラ
ック、マイカ、クレー、カオリン、シリカ、ケイソウ土
等が挙げられる。これらの中でも、特にタルク及び炭酸
カルシウムが好ましい。これら無機充填剤は、平均粒子
径が0.5〜5μmの粒子状のものが望ましく、その表
面が脂肪酸等の表面処理剤で処理されたものも使用可能
である。
【0016】本発明の伸縮フィルム用樹脂組成物(I)
は、(a)成分を30〜90重量%、(b)成分を10
〜70重量%含有するものである。(a)成分が30重
量%未満では、フィルムの伸縮性が不十分となり、90
重量%を超えるとフィルムにタック性が生じ、ベトつき
感が発生する。(b)成分が10重量%未満では、製膜
時のトルクが増加して、フィルム面に極端なメルトフラ
クチャーが発生し、70重量%を超えると、フィルム製
膜時のバブルの安定性が悪くなる。
【0017】又、本発明の伸縮フィルム用樹脂組成物
(II)は、(a)成分を30〜80重量%、(b)成分
を10〜60重量%、(c)成分を5〜20重量%含有
するものである。(a)成分が30重量%未満では、フ
ィルムの柔軟性が劣り、80重量%を超えると、インフ
レーションフィルム法での製膜時の開口性や製膜安定性
が悪くなる。(b)成分が10重量%未満では、製膜時
のトルクが大きく、メルトフラクチャーが発生し、60
重量%を超えると、製膜時にピンホール等が発生し、製
膜化が困難となる。(c)成分が5重量%未満では、イ
ンフレーションフィルム法での製膜時のバブル安定性が
悪くなり、20重量%を超えると、フィルムを伸長した
時(100%伸長時)の歪みが増大する。
【0018】更に、本発明の伸縮フィルム用樹脂組成物
(III)は、(a)成分を30〜80重量%、(b)成分
を10〜60重量%及び(c)成分を5〜20重量%含
有する組成物100重量部並びに(d)無機充填剤5〜
40重量部を含有するものである。
【0019】(a)成分が30重量%未満では、フィル
ムの柔軟性が不足し、80重量%を超えると、インフレ
ーション法による製膜時の開口性、製膜安定性が悪化す
る。(b)成分が10重量%未満では、製膜時のトルク
が大きく、メルトフラクチャーが発生し、60重量%を
超えると、製膜時にピンホール等が発生し、製膜化が困
難となる。(c)成分が5重量%未満では、インフレー
ション法による製膜時のバブルの安定性が悪くなり、2
0重量%を超えると、フィルムを伸長した時(100%
伸長時)の歪みが増大する。又、(a)成分、(b)成
分及び(c)成分を含有する組成物100重量部当り、
(d)成分が5重量部未満では、開口性、耐ブロッキン
グ性が悪化し、40重量部を超えると、柔軟性が不足し
好ましくない。
【0020】本発明の上記各組成物は、上記各成分以外
に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等の他の成分を
適宜配合することができる。本発明の上記各組成物は、
上記各成分及び必要に応じて他の成分を添加し、例えば
ヘンシェルミキサー又は高速ミキサー等を用いて予めド
ライブレンドした後、例えば180〜230℃程度の加
熱下、押出機等を用いて溶融混練して押し出し、ペレッ
ト化することによって得られる。
【0021】更に、本発明は、上記各伸縮フィルム用樹
脂組成物を成形してなるフィルムを要旨とする。該組成
物を成形してフィルムとする方法としては、通常のプラ
スチック成形方法であるT−ダイ押出機によってもフラ
ットなフィルムを成形することができるが、フィルムの
縦と横の強度バランス及び薄膜の高速成形性(生産性の
向上)等を考慮すると、チューブ状のフィルムを成形す
る空冷インフレーション成形法が好ましい。空冷インフ
レーション成形法は、樹脂温度150〜180℃で、ブ
ロー比2.0〜5.0で行うのが望ましい。
【0022】フィルムの厚さは、各種用途により適宜選
択されるが、通常150μm以下にするのが好ましい。
より好ましいフィルムの厚さは20〜60μmである。
フィルムの厚さが150μmを超えると、30mm幅以
上のフィルムではフィルムが硬くなり好ましくない。上
記の製膜方法では、例えば空冷インフレーション製膜装
置によりフィルムを作成し、所定幅にスリットしてシー
ト状或いはテープ状の巻取製品とする。又、延伸工程を
通してもよい。
【0023】更に、上記のスリットした伸縮フィルムに
ホットメルト接着剤等を塗布したテープとし、このテー
プを伸縮した状態で不織布、織布、プラスチックフィル
ム又はシート、及びこれらの積層体に接着し、テープの
伸縮を緩和すれば、例えばオムツ等のギャザー部材、伸
縮性湿布材用基材等とすることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。本発明の組成物を調製する際に用いた各成分、製膜
安定性の評価及び得られたフィルムの物性の測定方法は
下記の通りである。組成物を調製する際に用いた各成分 (a)成分 (a)−1:メタロセン触媒を用いて製造された低密度
ポリエチレン(ダウケミカル社製,商品名エンゲージE
G8150;MI0.5g/10分,密度0.868g
/cm3 ,Mw/Mn2.15,1−オクテン含有量2
8重量%) (a)−2:メタロセン触媒を用いて製造された低密度
ポリエチレン(ダウケミカル社製,商品名エンゲージE
G8200;MI4.6g/10分,密度0.871g
/cm3 ,Mw/Mn1.96,1−オクテン含有量2
4重量%) (b)成分 (b)−1:エチレン−メチルアクリレート共重合体
(エクソン化学(株)製,商品名TC−130;MFR
20.0g/10分,密度0.940g/cm3 ,メチ
ルアクリレート含有量21重量%) (b)−2:エチレン−メチルアクリレート共重合体
(エクソン化学(株)製,商品名TC−110;MFR
2.0g/10分,密度0.940g/cm3 ,メチル
アクリレート含有量21重量%) (b)−3:エチレン−メチルメタクリレート共重合体
(住友化学工業(株)製,商品名アクリフト WH30
3;MFR7.0g/10分,DSC融点89℃,溶解
度指数9.3,メチルメタクリレート含有量18重量
%) (C)成分 (C)−1:高圧法低密度ポリエチレン(日本ユニカー
(株)製,商品名NUC8506;MI0.8g/10
分,密度0.922g/cm3 ) (d)成分 (d)−1:タルク(林化成(株)製,商品名ミクロン
ホワイト5000S;平均粒子径2.6μm,嵩密度
0.28g/cm3 ) (d)−2:炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)
製,商品名POフィラー150B;平均粒子径2.2μ
m)
【0025】製膜安定性の評価 実施例1のインフレーション法により製膜し、以下の基
準で評価した。 ○:バブル安定して製膜できる。 △:一時的に製膜できるが、バブルのしわ、破損の発生
等により連続製膜できない。 ×:製膜できない。 なお、実施例9〜14においては、上記と同様にして製
膜し、以下の基準で評価した。 ◎:バブルの揺れ、歪み、しわが無く、非常に安定して
製膜できる。 ○:バブルの横揺れが少しあるが、ほぼ安定して製膜で
きる。 △:一時的に製膜できるが、バブルのしわ、破損の発生
等により連続製膜できない。 ×:製膜できない。
【0026】フィルムの物性の測定方法 50%伸長時強度:JIS L1096に準拠し、下
記の機器及び条件で測定した。 使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製) 測定サンプルサイズ:25mm×150mm チャック間隔:100mm 引張速度:300mm/分 測定雰囲気:23℃,50%RH 100%伸長時強度:JIS L1096に準拠し、
と同条件で測定した。 破断時強度:JIS L1096に準拠し、下記の機
器及び条件で測定した。 使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製) 測定サンプルサイズ:25mm×150mm チャック間隔:50mm 引張速度:300mm/分 測定雰囲気:23℃,50%RH 破断時伸度:JIS L1096に準拠し、と同条
件で測定した。 100%伸長時後の1サイクル歪み:JIS L10
96に準拠し、と同条件で測定した。なお、上記〜
については、フィルムの縦方向(MD)について測定
したものである。 開口性:紙管に巻き取った原反フィルムの内、比較的
外側部分をカッターで横方向(TD)に切断し、インフ
レーションチューブ内面同志を180度方向に引張り、
その剥離強度をJIS L1096に準拠して以下の条
件で3回測定し、その平均値を開口性の尺度とした。 使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製) 試験片サイズ:55mm×200mm チャック間隔:50mm 引張速度:300mm/分 測定雰囲気:23℃,50%RH ブロッキング度:紙管に巻き取ったインフレーション
フィルムの内、比較的外側部分をカッターで横方向(T
D)に切断してフラットフィルムとした。このシートの
積層体を、55mm×200mmの大きさに切断してブ
ロッキング度測定用の試料とした。次に、200mm×
300mmの大きさのガラス板の上に厚さ90μmのコ
ピー用紙を置き、その上に上記試料を一枚ずつ20枚、
重ね合わせた後、その上に180mm×200mm×8
mmの大きさで、重さ830gのガラス板、更に重さ5
kgの重しを乗せ、40℃のギヤーオーブン中に7日間
保管し、保管後の試料間の180度剥離強度を上記と
同様な方法で測定し、その値をブロッキング度の尺度と
した。 熱収縮率:インフレーションフィルムを縦方向(M
D)に300mm、横方向(TD)に55mm切断して
得た試験片を段ボール箱の中に入れ、これを40℃のオ
ーブン中に4日間保管した。保管前後のフィルムの縦方
向の長さを測定し、次の式で熱収縮率を求めた。 熱収縮率(%)=[(保管前のフィルムの長さ−保管後
のフィルムの長さ)/保管前のフィルムの長さ]×10
【0027】(実施例1)(a)−2成分60重量部と
(b)−1成分40重量部をスーパーフローター(カワ
タ(株)製、型式SFC−50)を用いてドライブレン
ドした後、2軸混練押出機(日本製鋼所(株)製、型式
TEX−30)を用いて170℃で溶融混練して、本発
明の組成物からなるペレットを得た。得られた組成物を
用いて、空冷インフレーション製膜装置により、ブロー
アップ比3.2の条件で厚さ30μm×折幅500mm
のフィルムを製造し、チューブ状で30mの長さにカセ
巻取りし、本発明のフィルムを得た。製膜時バブルは安
定していた。得られたフィルムについて上記の試験法に
則り物性を測定し、それらの結果を表2に示した。
【0028】(実施例2〜4)(a)−2成分及び/又
は(b)−1成分を表1に示す成分に代え、それらの配
合割合を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様
にして組成物を得た。得られた組成物を用いて実施例1
と同様にして表2に示す厚さのフィルムを得、それらの
フィルムについて物性を測定し、それらの結果を表2に
示した。
【0029】(比較例1)成分(a)−2のみを用い
て、実施例1と同様にしてフィルムを製造しようとした
が、フィルムとすることができなかった。
【0030】(比較例2,3)(b)−1成分の代わり
に(c)−1成分又は(c)−2成分を用いた以外は、
実施例1と同様にして組成物を得た。得られた組成物を
用いて実施例1と同様にしてフィルムを得、そのフィル
ムについて物性を測定し、それらの結果を表2に示し
た。
【0031】
【表1】
【表2】 表2から明らかなように、本発明の組成物から安定して
伸縮性フィルムを製膜することができ、製膜されたフィ
ルムは、伸縮性フィルムに要求される伸長強度、歪み及
び破断強度、伸度を満たしていると共に、剥離強度(開
口性)、ブロッキング度が小さいという効果を示す。
【0032】(実施例5)(a)−1成分、(b)−1
成分及び(c)−1成分を表3に示す配合割合で用いて
実施例1と同様にして組成物を得た。得られた組成物を
用いて実施例1と同様にしてフィルムを得、そのフィル
ムについて物性を測定し、それらの結果を表4に示し
た。
【0033】(実施例6)実施例5において、(a)−
1成分、(b)−1成分及び(c)−1成分の配合割合
を表3に示すようにした以外は、実施例1と同様にして
組成物を得た。得られた組成物を用いて実施例1と同様
にしてフィルムを得、そのフィルムについて物性を測定
し、それらの結果を表4に示した。
【0034】(実施例7)実施例5において、(a)−
1成分及び(b)−1成分を表1に示す成分に代え、そ
れら及び(c)−1成分の配合割合を表3に示すように
した以外は、実施例1と同様にして組成物を得た。得ら
れた組成物を用いて実施例1と同様にしてフィルムを
得、そのフィルムについて物性を測定し、それらの結果
を表4に示した。
【0035】(実施例8)実施例5において、(b)−
2成分を(b)−3成分に代え、(a)−1成分及び
(b)−3成分の配合割合を表3に示すようにした以外
は、実施例1と同様にして組成物を得た。得られた組成
物を用いて実施例1と同様にしてフィルムを得、そのフ
ィルムについて物性を測定し、それらの結果を表4に示
した。
【0036】
【表3】
【表4】 表4から明らかなように、本発明の組成物から製膜され
たフィルムは、伸縮フィルムに要求される伸長強度、歪
み及び破断強度、伸度を満たしており、安定して製膜す
ることができ、剥離強度(開口性)、ブロッキング度が
小さく、容易に製膜することができる。
【0037】(実施例9)(a)−1成分41重量部、
(b)−1成分41重量部、(c)−1成分9重量部及
び(d)−1成分9重量部をスーパーフローター(カワ
タ(株)製、型式SFC−50)を用いてドライブレン
ドした後、2軸混練押出機(日本製鋼所(株)製、型式
TEX−30)を用いて170℃で溶融混練して、本発
明の組成物からなるペレットを得た。得られた組成物を
用いて、空冷インフレーション製膜装置により、ブロー
アップ比3.2の条件で厚さ30μm×折幅500mm
のフィルムを製造し、チューブ状で30mの長さにカセ
巻取りし、本発明のフィルムを得た。製膜時バブルは安
定していた。得られたフィルムについて上記の試験法に
則り物性を測定し、それらの結果を表6に示した。
【0038】(実施例10〜14)(a)−1成分、
(b)−1成分及び/又は(d)−1成分を表1に示す
成分に代え、それらの配合割合を表5に示すようにした
以外は、実施例9と同様にして組成物を得た。得られた
組成物を用いて実施例1と同様にして表6に示す厚さの
フィルムを得、それらのフィルムについて物性を測定
し、それらの結果を表6に示した。
【0039】
【表5】
【表6】 表6から明らかなように、本発明の組成物から安定して
伸縮性フィルムを製膜することができ、又、製膜された
フィルムは、伸縮性フィルムに要求される伸長強度、歪
み及び破断強度、伸度を満たしていると共に、剥離強度
(開口性)、ブロッキング度、更には熱収縮率が小さい
という効果を示す。
【0040】
【発明の効果】本発明の組成物を用いることにより、安
定して伸縮性フィルムを製膜することができると共に、
製膜時のチューブの口開き性を改善することができる。
又、得られた伸縮性フィルムは、使い捨てオムツのギャ
ザー等の部材に要求される物性を保持していること以外
に、無臭であることから手術用ドレープ等の医療用部材
として有効であると共に、滑りにくいことから滑り止め
材、指パッチ材等に使用可能であり、剥離強度(開口
性)、ブロッキング度、熱収縮率が小さいことから、製
品を一定の環境下で長期間保管することができる。更
に、本発明の組成物及びフィルムは、ポリオレフィン系
ポリマーからなることから、この組成物を用いて成形す
る際に発生する屑や不良品、不要となった成形品のリサ
イクルが可能であり、有害物質を発生せずに焼却するこ
とができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)密度が0.86〜0.90g/c
    3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10分、
    重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であ
    り、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを1
    8重量%以上含有する低密度ポリエチレン30〜90重
    量%と、(b)エチレン−メチルアクリレート共重合体
    若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10
    〜70重量%とを含有することを特徴とする伸縮フィル
    ム用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)密度が0.86〜0.90g/c
    3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10分、
    重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であ
    り、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを1
    8重量%以上含有する低密度ポリエチレン30〜80重
    量%と、(b)エチレン−メチルアクリレート共重合体
    若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10
    〜60重量%と、(c)密度が0.915〜0.950
    g/cm3 のポリエチレン5〜20重量%とを含有する
    ことを特徴とする伸縮フィルム用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (a)密度が0.86〜0.90g/c
    3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10分、
    重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であ
    り、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを1
    8重量%以上含有する低密度ポリエチレン30〜80重
    量%、(b)エチレン−メチルアクリレート共重合体若
    しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10〜
    60重量%及び(c)密度が0.915〜0.950g
    /cm3 のポリエチレン5〜20重量%を含有する組成
    物100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量部
    を含有することを特徴とする伸縮フィルム用樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 上記α−オレフィンコモノマーが1−オ
    クテンであり、かつその含有量が20〜35重量%であ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
    に記載の伸縮フィルム用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 上記エチレン−メチルアクリレート共重
    合体は、メチルアクリレート含有量が5〜30重量%で
    あり、メルトフローレイトが0.2〜50g/10分で
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれ
    かに記載の伸縮フィルム用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 上記エチレン−メチルメタクリレート共
    重合体は、メチルメタクリレート含有量が5〜30重量
    %であり、メルトフローレイトが0.2〜50g/10
    分であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のい
    ずれかに記載の伸縮フィルム用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載の伸縮フィルム用樹脂組成物を成形してなるフィル
    ム。
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