JP3805493B2 - 伸縮フィルム用樹脂組成物及びフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮フィルム用樹脂組成物及びフィルムに関し、より詳しくは使い捨て紙オムツ等におけるギャザー部材等に使用するフィルム用樹脂組成物及びフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ベビー用、大人用の使い捨てオムツ、ギャザー付ナプキン等のギャザーの部材は伸縮性が要求され、その部材としてポリウレタンフォーム、ポリウレタン系フィルム、天然ゴム等を不織布等とホットメルト貼合したものが使われている。
しかし、ポリウレタンフォームは、強度が弱く、価格が高い等の問題があり、ポリウレタン系フィルムは、伸縮強度が強すぎる、ホットメルト接着性が悪い、ブロッキングし易い、製膜時に離型紙の使用を必要とする等の問題がある。又、天然ゴムは、価格面での優位性はあるが、ホットメルト接着性、熱接着性等に問題がある。更に、これら伸縮部材に共通した欠点として、リサイクルができない、有害物質発生のために焼却できないという大問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、リサイクルが可能で、有害物質を発生させないで焼却が可能な伸縮性の使い捨て紙オムツ等におけるギャザー部材等に使用するフィルム用樹脂組成物及びフィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、リサイクル及び焼却が可能な素材として、ポリオレフィン系エラストマーに着目し、その一つとして、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、非常に狭い分子量分布と低い結晶化度に特色がある低密度ポリエチレンの上記ギャザー部材への適用性について研究を行った。
上記低密度ポリエチレン単独では、フィルムがベト付いて製膜できなかったが、上記低密度ポリエチレンにエチレン−メチルアクリレート共重合体又はエチレン−メチルメタクリレート共重合体を添加することにより、フィルムが不透明になり、表面に適度な肌荒れが生じ、製膜が可能となり、更にポリエチレンを加えることにより製膜性が改善され、その上に更に無機充填剤を加えることによりブロッキングしにくくなり、しかも製膜された上記フィルムは、いずれも上記部材として要求される物性を満足できることを見出して、本発明を完成した。
【0006】
更に、本発明は、(a)密度が0.86〜0.90g/cm3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10分、重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを18重量%以上含有する低密度ポリエチレン30〜80重量%と、(b)エチレン−メチルアクリレート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10〜60重量%と、(c)密度が0.915〜0.950g/cm3 のポリエチレン5〜20重量%とを含有することを特徴とする伸縮フィルム用樹脂組成物を要旨とする。
【0007】
更に、本発明は、(a)密度が0.86〜0.90g/cm3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10分、重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを18重量%以上含有する低密度ポリエチレン30〜80重量%、(b)エチレン−メチルアクリレート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10〜60重量%及び(c)密度が0.915〜0.950g/cm3 のポリエチレン5〜20重量%を含有する組成物100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量部を含有することを特徴とする伸縮フィルム用樹脂組成物を要旨とする。
【0008】
又、本発明の組成物は、上記α−オレフィンコモノマーが1−オクテンであり、かつその含有量が20〜35重量%であることを特徴とする。
又、本発明の組成物は、エチレン−メチルアクリレート共重合体は、メチルアクリレート含有量が5〜30重量%であり、メルトフローレイトが0.2〜50g/10分であることを特徴とする。
又、本発明の組成物は、エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレート含有量が5〜30重量%であり、メルトフローレイトが0.2〜50g/10分であることを特徴とする。
更に、本発明は、上記組成物を成形してなるフィルムを要旨とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の伸縮フィルム用樹脂組成物は、(I)(a)密度が0.86〜0.90g/cm3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10分、重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを18重量%以上含有する低密度ポリエチレン30〜90重量%と、(b)エチレン−メチルアクリレート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10〜70重量%とを含有することを特徴とする伸縮フィルム用樹脂組成物、(II) (a)密度が0.86〜0.90g/cm3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10分、重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを18重量%以上含有する低密度ポリエチレン30〜80重量%と、(b)エチレン−メチルアクリレート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10〜60重量%と、(c)密度が0.915〜0.950g/cm3 のポリエチレン5〜20重量%とを含有することを特徴とする伸縮フィルム用樹脂組成物、及び(III) (a)密度が0.86〜0.90g/cm3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10分、重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを18重量%以上含有する低密度ポリエチレン30〜80重量%、(b)エチレン−メチルアクリレート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10〜60重量%及び(c)密度が0.915〜0.950g/cm3 のポリエチレン5〜20重量%を含有する組成物100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量部を含有するものである。
【0010】
(a)成分の低密度ポリエチレンは、密度が0.86〜0.90g/cm3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10分、重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを18重量%以上含有するものである。上記のα−オレフィンコモノマーの内でも、1−オクテンが望ましく、又、その含有量が20〜35重量%、特に22〜30重量%のものが望ましい。α−オレフィンコモノマーの含有量が18重量%未満では、充分な柔軟性を得られない。(a)成分は、メルトインデックス(MI:190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10分、望ましくは0.5〜20g/10分のものが用いられる。MIが0.1g/10分未満だと、製膜時にトルクが増大して、極端なメルトフラクチャーが発生し、50g/10分を超えると、バブルが不安定となり、フィルムの製膜安定性が悪化する。
【0011】
(a)成分の直鎖状低密度ポリエチレンは、分子量分布の目安となる重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が1.8〜2.8と小さいところに特徴があるが、このようなポリエチレンは、分子量分布の幅を狭くすることができるメタロセン触媒を用いて製造したものが好ましい。
上記メタロセン触媒とは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の遷移金属をπ電子系のシクロペンタジエニル基又は置換シクロペンタジエニル基等を含有する不飽和環状化合物ではさんだ構造の化合物であるメタロセンと、アルミニウム化合物等の助触媒とを組合わせたものである。
【0012】
(a)成分は、例えばチタノセン、ジルコノセン等のメタロセンを、助触媒であるアルキルアルミノキサン、アルキルアルミニウム、アルミニウムハライド、アルキルアルミニウムルハライド等のアルミニウム化合物で活性化したメタロセン触媒の存在下、エチレン及びコモノマーの炭素数が4〜8個のα−オレフィン、好ましくは1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等、特に好ましくは1−オクテンを溶液重合することによって製造することができる。
【0013】
(b)成分は、エチレン−メチルアクリレート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体である。エチレン−メチルアクリレート共重合体は、メチルアクリレート含有量が5〜30重量%であり、メルトフローレイト(MFR:190℃、荷重2.16kg)が0.2〜50g/10分、特に2〜25g/10分のものが好ましい。エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレート含有量が5〜30重量%であり、メルトフローレイト(MFR:190℃、荷重2.16kg)が0.2〜50g/10分、特に2〜25g/10分のものが好ましい。
【0014】
本発明で使用される(c)成分のポリエチレンは、密度が0.915〜0.950g/cm3 のものであり、望ましくはメルトインデックス(MI:190℃、荷重2.16kg)が0.5〜10g/10分のものである。このような密度を有するポリエチレンには、密度が0.925g/cm3 以下の、高圧法で得られる低密度ポリエチレン、チーグラー系触媒の存在下、微量の1−ブテン等のα−オレフィンと共重合して得られる密度が0.920〜0.930g/cm3 の、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、密度が0.926〜0.940g/cm3 の中密度ポリエチレンが含まれるが、これらの中でも特に高圧法で得られる低密度ポリエチレンが望ましい。
【0015】
(d)成分の無機充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、石膏、カーボンブラック、マイカ、クレー、カオリン、シリカ、ケイソウ土等が挙げられる。これらの中でも、特にタルク及び炭酸カルシウムが好ましい。これら無機充填剤は、平均粒子径が0.5〜5μmの粒子状のものが望ましく、その表面が脂肪酸等の表面処理剤で処理されたものも使用可能である。
【0016】
本発明の伸縮フィルム用樹脂組成物(I)は、(a)成分を30〜90重量%、(b)成分を10〜70重量%含有するものである。(a)成分が30重量%未満では、フィルムの伸縮性が不十分となり、90重量%を超えるとフィルムにタック性が生じ、ベトつき感が発生する。(b)成分が10重量%未満では、製膜時のトルクが増加して、フィルム面に極端なメルトフラクチャーが発生し、70重量%を超えると、フィルム製膜時のバブルの安定性が悪くなる。
【0017】
又、本発明の伸縮フィルム用樹脂組成物(II)は、(a)成分を30〜80重量%、(b)成分を10〜60重量%、(c)成分を5〜20重量%含有するものである。
(a)成分が30重量%未満では、フィルムの柔軟性が劣り、80重量%を超えると、インフレーションフィルム法での製膜時の開口性や製膜安定性が悪くなる。(b)成分が10重量%未満では、製膜時のトルクが大きく、メルトフラクチャーが発生し、60重量%を超えると、製膜時にピンホール等が発生し、製膜化が困難となる。(c)成分が5重量%未満では、インフレーションフィルム法での製膜時のバブル安定性が悪くなり、20重量%を超えると、フィルムを伸長した時(100%伸長時)の歪みが増大する。
【0018】
更に、本発明の伸縮フィルム用樹脂組成物(III)は、(a)成分を30〜80重量%、(b)成分を10〜60重量%及び(c)成分を5〜20重量%含有する組成物100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量部を含有するものである。
【0019】
(a)成分が30重量%未満では、フィルムの柔軟性が不足し、80重量%を超えると、インフレーション法による製膜時の開口性、製膜安定性が悪化する。(b)成分が10重量%未満では、製膜時のトルクが大きく、メルトフラクチャーが発生し、60重量%を超えると、製膜時にピンホール等が発生し、製膜化が困難となる。(c)成分が5重量%未満では、インフレーション法による製膜時のバブルの安定性が悪くなり、20重量%を超えると、フィルムを伸長した時(100%伸長時)の歪みが増大する。又、(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する組成物100重量部当り、(d)成分が5重量部未満では、開口性、耐ブロッキング性が悪化し、40重量部を超えると、柔軟性が不足し好ましくない。
【0020】
本発明の上記各組成物は、上記各成分以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等の他の成分を適宜配合することができる。
本発明の上記各組成物は、上記各成分及び必要に応じて他の成分を添加し、例えばヘンシェルミキサー又は高速ミキサー等を用いて予めドライブレンドした後、例えば180〜230℃程度の加熱下、押出機等を用いて溶融混練して押し出し、ペレット化することによって得られる。
【0021】
更に、本発明は、上記各伸縮フィルム用樹脂組成物を成形してなるフィルムを要旨とする。該組成物を成形してフィルムとする方法としては、通常のプラスチック成形方法であるT−ダイ押出機によってもフラットなフィルムを成形することができるが、フィルムの縦と横の強度バランス及び薄膜の高速成形性(生産性の向上)等を考慮すると、チューブ状のフィルムを成形する空冷インフレーション成形法が好ましい。空冷インフレーション成形法は、樹脂温度150〜180℃で、ブロー比2.0〜5.0で行うのが望ましい。
【0022】
フィルムの厚さは、各種用途により適宜選択されるが、通常150μm以下にするのが好ましい。より好ましいフィルムの厚さは20〜60μmである。フィルムの厚さが150μmを超えると、30mm幅以上のフィルムではフィルムが硬くなり好ましくない。上記の製膜方法では、例えば空冷インフレーション製膜装置によりフィルムを作成し、所定幅にスリットしてシート状或いはテープ状の巻取製品とする。又、延伸工程を通してもよい。
【0023】
更に、上記のスリットした伸縮フィルムにホットメルト接着剤等を塗布したテープとし、このテープを伸縮した状態で不織布、織布、プラスチックフィルム又はシート、及びこれらの積層体に接着し、テープの伸縮を緩和すれば、例えばオムツ等のギャザー部材、伸縮性湿布材用基材等とすることができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
本発明の組成物を調製する際に用いた各成分、製膜安定性の評価及び得られたフィルムの物性の測定方法は下記の通りである。
組成物を調製する際に用いた各成分
(a)成分
(a)−1:メタロセン触媒を用いて製造された低密度ポリエチレン(ダウ ケミカル社製,商品名エンゲージEG8150;MI0.5g/10分,密度0.868g/cm3 ,Mw/Mn2.15,1−オクテン含有量28重量%)
(a)−2:メタロセン触媒を用いて製造された低密度ポリエチレン(ダウ ケミカル社製,商品名エンゲージEG8200;MI4.6g/10分,密度0.871g/cm3 ,Mw/Mn1.96,1−オクテン含有量24重量%)
(b)成分
(b)−1:エチレン−メチルアクリレート共重合体(エクソン化学(株)製,
商品名TC−130;MFR20.0g/10分,密度0.940g/cm3 ,メチルアクリレート含有量21重量%)
(b)−2:エチレン−メチルアクリレート共重合体(エクソン化学(株)製,
商品名TC−110;MFR2.0g/10分,密度0.940g/cm 3 ,メチルアクリレート含有量21重量%)
(b)−3:エチレン−メチルメタクリレート共重合体(住友化学工業(株)製,商品名アクリフト WH303;MFR7.0g/10分,DSC融点89℃,溶解度指数9.3,メチルメタクリレート含有量18重量%)
(C)成分
(C)−1:高圧法低密度ポリエチレン(日本ユニカー(株)製,商品名NUC8506;MI0.8g/10分,密度0.922g/cm3
(d)成分
(d)−1:タルク(林化成(株)製,商品名ミクロンホワイト5000S;平均粒子径2.6μm,嵩密度0.28g/cm3
(d)−2:炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製,商品名POフィラー150B;平均粒子径2.2μm)
【0025】
製膜安定性の評価
参考例1のインフレーション法により製膜し、以下の基準で評価した。
○:バブル安定して製膜できる。
△:一時的に製膜できるが、バブルのしわ、破損の発生等により連続製膜できない。
×:製膜できない。
なお、実施例9〜14においては、上記と同様にして製膜し、以下の基準で評価した。
◎:バブルの揺れ、歪み、しわが無く、非常に安定して製膜できる。
○:バブルの横揺れが少しあるが、ほぼ安定して製膜できる。
△:一時的に製膜できるが、バブルのしわ、破損の発生等により連続製膜できない。
×:製膜できない。
【0026】
フィルムの物性の測定方法
▲1▼50%伸長時強度:JIS L1096に準拠し、下記の機器及び条件で測定した。
使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製)
測定サンプルサイズ:25mm×150mm
チャック間隔:100mm
引張速度:300mm/分
測定雰囲気:23℃,50%RH
▲2▼100%伸長時強度:JIS L1096に準拠し、▲1▼と同条件で測定した。
▲3▼破断時強度:JIS L1096に準拠し、下記の機器及び条件で測定した。
使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製)
測定サンプルサイズ:25mm×150mm
チャック間隔:50mm
引張速度:300mm/分
測定雰囲気:23℃,50%RH
▲4▼破断時伸度:JIS L1096に準拠し、▲3▼と同条件で測定した。
▲5▼100%伸長時後の1サイクル歪み:JIS L1096に準拠し、▲1▼と同条件で測定した。
なお、上記▲1▼〜▲5▼については、フィルムの縦方向(MD)について測定したものである。
▲6▼開口性:紙管に巻き取った原反フィルムの内、比較的外側部分をカッターで横方向(TD)に切断し、インフレーションチューブ内面同志を180度方向に引張り、その剥離強度をJIS L1096に準拠して以下の条件で3回測定し、その平均値を開口性の尺度とした。
使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製)
試験片サイズ:55mm×200mm
チャック間隔:50mm
引張速度:300mm/分
測定雰囲気:23℃,50%RH
▲7▼ブロッキング度:紙管に巻き取ったインフレーションフィルムの内、比較的外側部分をカッターで横方向(TD)に切断してフラットフィルムとした。
このシートの積層体を、55mm×200mmの大きさに切断してブロッキング度測定用の試料とした。
次に、200mm×300mmの大きさのガラス板の上に厚さ90μmのコピー用紙を置き、その上に上記試料を一枚ずつ20枚、重ね合わせた後、その上に180mm×200mm×8mmの大きさで、重さ830gのガラス板、更に重さ5kgの重しを乗せ、40℃のギヤーオーブン中に7日間保管し、保管後の試料間の180度剥離強度を上記▲6▼と同様な方法で測定し、その値をブロッキング度の尺度とした。
▲8▼熱収縮率:インフレーションフィルムを縦方向(MD)に300mm、横方向(TD)に55mm切断して得た試験片を段ボール箱の中に入れ、これを40℃のオーブン中に4日間保管した。保管前後のフィルムの縦方向の長さを測定し、次の式で熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=[(保管前のフィルムの長さ−保管後のフィルムの長さ)/保管前のフィルムの長さ]×100
【0027】
参考例1
(a)−2成分60重量部と(b)−1成分40重量部をスーパーフローター(カワタ(株)製、型式SFC−50)を用いてドライブレンドした後、2軸混練押出機(日本製鋼所(株)製、型式TEX−30)を用いて170℃で溶融混練して、本発明の組成物からなるペレットを得た。得られた組成物を用いて、空冷インフレーション製膜装置により、ブローアップ比3.2の条件で厚さ30μm×折幅500mmのフィルムを製造し、チューブ状で30mの長さにカセ巻取りし、本発明のフィルムを得た。製膜時バブルは安定していた。得られたフィルムについて上記の試験法に則り物性を測定し、それらの結果を表2に示した。
【0028】
参考例2〜4
(a)−2成分及び/又は(b)−1成分を表1に示す成分に代え、それらの配合割合を表1に示すようにした以外は、参考例1と同様にして組成物を得た。得られた組成物を用いて参考例1と同様にして表2に示す厚さのフィルムを得、それらのフィルムについて物性を測定し、それらの結果を表2に示した。
【0029】
(比較例1)
成分(a)−2のみを用いて、参考例1と同様にしてフィルムを製造しようとしたが、フィルムとすることができなかった。
【0030】
(比較例2,3)
(b)−1成分の代わりに(d)−1成分又は(c)−1成分を用いた以外は、参考例1と同様にして組成物を得た。得られた組成物を用いて参考例1と同様にしてフィルムを得、そのフィルムについて物性を測定し、それらの結果を表2に示した。
【0031】
【表1】
Figure 0003805493
【表2】
Figure 0003805493
表2から明らかなように、本発明の組成物から安定して伸縮性フィルムを製膜することができ、製膜されたフィルムは、伸縮性フィルムに要求される伸長強度、歪み及び破断強度、伸度を満たしていると共に、剥離強度(開口性)、ブロッキング度が小さいという効果を示す。
【0032】
(実施例5)
(a)−1成分、(b)−1成分及び(c)−1成分を表3に示す配合割合で用いて参考例1と同様にして組成物を得た。得られた組成物を用いて参考例1と同様にしてフィルムを得、そのフィルムについて物性を測定し、それらの結果を表4に示した。
【0033】
(実施例6)
実施例5において、(a)−1成分、(b)−1成分及び(c)−1成分の配合割合を表3に示すようにした以外は、参考例1と同様にして組成物を得た。得られた組成物を用いて参考例1と同様にしてフィルムを得、そのフィルムについて物性を測定し、それらの結果を表4に示した。
【0034】
(実施例7)
実施例5において、(a)−1成分及び(b)−1成分を表1に示す成分に代え、それら及び(c)−1成分の配合割合を表3に示すようにした以外は、参考例1と同様にして組成物を得た。得られた組成物を用いて参考例1と同様にしてフィルムを得、そのフィルムについて物性を測定し、それらの結果を表4に示した。
【0035】
(実施例8)
実施例5において、(b)−2成分を(b)−3成分に代え、(a)−1成分及び(b)−3成分の配合割合を表3に示すようにした以外は、参考例1と同様にして組成物を得た。得られた組成物を用いて参考例1と同様にしてフィルムを得、そのフィルムについて物性を測定し、それらの結果を表4に示した。
【0036】
【表3】
Figure 0003805493
【表4】
Figure 0003805493
表4から明らかなように、本発明の組成物から製膜されたフィルムは、伸縮フィルムに要求される伸長強度、歪み及び破断強度、伸度を満たしており、安定して製膜することができ、剥離強度(開口性)、ブロッキング度が小さく、容易に製膜することができる。
【0037】
(実施例9)
(a)−1成分41重量部、(b)−1成分41重量部、(c)−1成分9重量部及び(d)−1成分9重量部をスーパーフローター(カワタ(株)製、型式SFC−50)を用いてドライブレンドした後、2軸混練押出機(日本製鋼所(株)製、型式TEX−30)を用いて170℃で溶融混練して、本発明の組成物からなるペレットを得た。
得られた組成物を用いて、空冷インフレーション製膜装置により、ブローアップ比3.2の条件で厚さ30μm×折幅500mmのフィルムを製造し、チューブ状で30mの長さにカセ巻取りし、本発明のフィルムを得た。製膜時バブルは安定していた。得られたフィルムについて上記の試験法に則り物性を測定し、それらの結果を表6に示した。
【0038】
(実施例10〜14)
(a)−1成分、(b)−1成分及び/又は(d)−1成分を表1に示す成分に代え、それらの配合割合を表5に示すようにした以外は、実施例9と同様にして組成物を得た。得られた組成物を用いて参考例1と同様にして表6に示す厚さのフィルムを得、それらのフィルムについて物性を測定し、それらの結果を表6に示した。
【0039】
【表5】
Figure 0003805493
【表6】
Figure 0003805493
表6から明らかなように、本発明の組成物から安定して伸縮性フィルムを製膜することができ、又、製膜されたフィルムは、伸縮性フィルムに要求される伸長強度、歪み及び破断強度、伸度を満たしていると共に、剥離強度(開口性)、ブロッキング度、更には熱収縮率が小さいという効果を示す。
【0040】
【発明の効果】
本発明の組成物を用いることにより、安定して伸縮性フィルムを製膜することができると共に、製膜時のチューブの口開き性を改善することができる。又、得られた伸縮性フィルムは、使い捨てオムツのギャザー等の部材に要求される物性を保持していること以外に、無臭であることから手術用ドレープ等の医療用部材として有効であると共に、滑りにくいことから滑り止め材、指パッチ材等に使用可能であり、剥離強度(開口性)、ブロッキング度、熱収縮率が小さいことから、製品を一定の環境下で長期間保管することができる。
更に、本発明の組成物及びフィルムは、ポリオレフィン系ポリマーからなることから、この組成物を用いて成形する際に発生する屑や不良品、不要となった成形品のリサイクルが可能であり、有害物質を発生せずに焼却することができる。

Claims (6)

  1. (a)密度が0.86〜0.90g/cm、メルトインデックスが0.1〜50g/10分、重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを18重量%以上含有する低密度ポリエチレン30〜80重量%と、(b)エチレン−メチルアクリレート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10〜60重量%と、(c)密度が0.915〜0.950g/cmのポリエチレン5〜20重量%とを含有することを特徴とする、ギャザー部材用伸縮フィルム用樹脂組成物。
  2. (a)密度が0.86〜0.90g/cm、メルトインデックスが0.1〜50g/10分、重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを18重量%以上含有する低密度ポリエチレン30〜80重量%、(b)エチレン−メチルアクリレート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10〜60重量%及び(c)密度が0.915〜0.950g/cmのポリエチレン5〜20重量%を含有する組成物100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量部を含有することを特徴とする、ギャザー部材用伸縮フィルム用樹脂組成物。
  3. 上記α−オレフィンコモノマーが1−オクテンであり、かつその含有量が20〜35重量%であることを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の伸縮フィルム用樹脂組成物。
  4. 上記エチレン−メチルアクリレート共重合体は、メチルアクリレート含有量が5〜30重量%であり、メルトフローレイトが0.2〜50g/10分であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の伸縮フィルム用樹脂組成物。
  5. 上記エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレート含有量が5〜30重量%であり、メルトフローレイトが0.2〜50g/10分であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の伸縮フィルム用樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の伸縮フィルム用樹脂組成物を成形してなるギャザー部材用フィルム。
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