JPH11291404A - 伸縮性複合フィルム - Google Patents

伸縮性複合フィルム

Info

Publication number
JPH11291404A
JPH11291404A JP9351398A JP9351398A JPH11291404A JP H11291404 A JPH11291404 A JP H11291404A JP 9351398 A JP9351398 A JP 9351398A JP 9351398 A JP9351398 A JP 9351398A JP H11291404 A JPH11291404 A JP H11291404A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
ethylene
weight
copolymer
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9351398A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidenori Ishizuka
英紀 石塚
Hideaki Toda
英明 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
Priority to JP9351398A priority Critical patent/JPH11291404A/ja
Publication of JPH11291404A publication Critical patent/JPH11291404A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸縮性に優れ、引張り破断時の強度及び伸度
が大きい使い捨て紙オムツ等におけるギャザー部材等に
使用可能なフィルムを提供する。 【解決手段】 (a)エチレン−α−オレフィン共重合
体ゴム30〜65%、(b)エチレン共重合体30〜6
5%及び(c)ポリエチレン5〜40%を含有する組成
物100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量部
を含有する樹脂組成物からなるフィルムと熱可塑性エラ
ストマーからなるフィルムを積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸縮性複合フィル
ムに関し、より詳しくは使い捨て紙オムツ等におけるギ
ャザー部材等に使用する伸縮性複合フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ベビー用、大人用の使い捨てオムツ、ギ
ャザー付ナプキン等の伸縮性が要求されるギャザーの部
材として、ポリウレタンフォーム、ポリウレタン系フィ
ルム、ポリウレタン弾性糸、スチレン系エラストマー等
の合成ゴムや天然ゴム等のゴム等、或いはそれらを不織
布等とホットメルト貼合したものが使われている。しか
し、ポリウレタンフォームは、強度が弱い、価格が高
い、各種不織布等と熱接着できない等の問題があり、ポ
リウレタン系フィルムは、一般的に伸縮強度が強すぎ
る、ホットメルト接着性が悪い、ブロッキングし易い、
製膜時に離型紙の使用を必要とする等の問題があり、ポ
リウレタン弾性糸は、ホットメルト接着性が悪い、熱接
着できない等の問題がある。又、天然ゴムは、価格面で
の優位性があるものの、ホットメルト接着性が極めて悪
い、熱接着できない等の問題がある。
【0003】又、エチレン−プロピレン共重合体ゴム等
のエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムとエチレン−
酢酸ビニル共重合体等のエチレン共重合体とからなる、
ホットメルト時の接着性や熱融着性に優れる部材も開発
されているが、ブロッキングし易いという性質があり、
その防止のために線状低密度ポリエチレン等を配合する
と、伸縮性が低下するという弊害がある。一方、天然ゴ
ムに近く、コストが易いスチレン系エラストマーやエチ
レン−α−オレフィン共重合体ゴム等も上記の素材に使
われているものの、それ単独ではフィルムがべたつくた
めに、製品としては全く不充分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記諸問題
を解決し、伸縮性に優れ、引張り破断時の強度及び伸度
が大きい使い捨て紙オムツ等におけるギャザー部材等に
使用可能なフィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
とエチレン共重合体とを、好ましくは更にポリエチレン
を、特に好ましくは更に無機充填剤ポリエチレンを、配
合した樹脂組成物からなるフィルムと、熱可塑性エラス
トマーからなるフィルムとを複合したフィルムが本発明
の目的を解決し得ることを見出だして、本発明を完成し
た。
【0006】すなわち、本発明は、(a)エチレン−α
−オレフィン共重合体ゴム30〜70重量%及び(b)
エチレン共重合体70〜30重量%を含有する組成物か
らなるフィルム(A)と熱可塑性エラストマーからなる
フィルム(F)を積層してなる伸縮性複合フィルムを要
旨とする。又、本発明は、(a)エチレン−α−オレフ
ィン共重合体ゴム30〜65重量%、(b)エチレン共
重合体30〜65重量%及び(c)ポリエチレン5〜4
0重量%を含有する組成物からなるフィルム(B)と熱
可塑性エラストマーからなるフィルム(F)を積層して
なる伸縮性複合フィルムを要旨とする。更に、本発明
は、(a)エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム30
〜65重量%、(b)エチレン共重合体30〜65重量
%及び(c)ポリエチレン5〜40重量%を含有する組
成物100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量
部を含有する樹脂組成物からなるフィルム(C)と熱可
塑性エラストマーからなるフィルム(F)を積層してな
る伸縮性複合フィルムを要旨とする。又、本発明の複合
フィルムは、上記エチレン共重合体(b)が、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体及びエチレン−メタクリル酸エステル共重合体
から選ばれる共重合体であることを特徴とする。又、本
発明の複合フィルムは、上記ポリエチレン(c)が、密
度が0.915〜0.925g/cm3 であり、メルト
インデックスが0.5〜10g/10分であることを特
徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の伸縮性複合フィルムを形
成するフィルム(A)は、(a)エチレン−α−オレフ
ィン共重合体ゴム30〜70重量%及び(b)エチレン
共重合体70〜30重量%を含有する組成物からなるも
のである。又、本発明の伸縮性複合フィルムを形成する
フィルム(B)は、(a)エチレン−α−オレフィン共
重合体ゴム30〜65重量%、(b)エチレン共重合体
30〜65重量%及び(c)ポリエチレン5〜40重量
%を含有する組成物からなるものである。又、本発明の
伸縮性複合フィルムを形成するフィルム(C)は、
(a)エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム30〜6
5重量%、(b)エチレン共重合体30〜65重量%及
び(c)ポリエチレン5〜40重量%を含有する組成物
100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量部を
含有する樹脂組成物からなるものである。
【0008】上記各組成物の(a)成分のエチレン−α
−オレフィン共重合体ゴムは、エチレンとプロピレン、
1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィンとの共重
合体ゴム、更にそれらと1,3−ブタジエン、1,4−
ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペン
タジエン等のジエン化合物との共重合体ゴム等が使用可
能であるが、それらの中でも、エチレン−プロピレン共
重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴ
ムが好適である。エチレン−プロピレン共重合体ゴム
は、プロピレンの含有量は通常35〜70重量%であ
り、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムは、通
常エチレンの含有量は40〜65重量%、プロピレンの
含有量は25〜55重量%、ジエンの含有量は1〜15
重量%である。
【0009】又、上記各組成物の(b)成分のエチレン
共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体等が挙げられる。エチレン−
酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの含有量は通常10
〜40重量%であるが、特に酢酸ビニルの含有量が15
〜30重量%、メルトフローレイト(MFR:190
℃,荷重2.16kg)が0.8〜25g/10分のも
のが好ましい。エチレン−アクリル酸エステル共重合体
及びエチレン−メタクリル酸エステル共重合体(以下、
これらをエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体という。)としては、(メタ)アクリル酸エステル含
有量が5〜30重量%であり、メルトフローレイト(M
FR:190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g
/10分、特に2〜25g/10分のものが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリ
ル酸と炭素数が1〜6個の低級脂肪族アルコールとのエ
ステルが望ましく、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等が例示
できるが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
メチルメタクリレート及びエチルメタクリレートが特に
望ましい。
【0010】更に、フィルム(B)及びフィルム(C)
の(c)成分のポリエチレンは、0.915〜0.95
0g/cm3 の密度を有している。このような密度を有
するポリエチレンには、密度が0.915〜0.925
g/cm3 の、高圧法で得られる低密度ポリエチレン、
チーグラー系触媒の存在下、微量の1−ブテン等のα−
オレフィンと共重合して得られる密度が0.920〜
0.930g/cm3 の、線状低密度ポリエチレン(L
−LDPE)、密度が0.926〜0.940g/cm
3 の中密度ポリエチレンが含まれるが、これらの中で
も、特に高圧法で得られる密度が0.915〜0.92
5g/cm3 で、メルトインデックス(MI:190
℃、荷重2.16kg)が0.5〜10g/10分、特
に0.5〜5g/10分の低密度ポリエチレンが望まし
い。
【0011】フィルム(C)の(d)成分の無機充填剤
としては、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、石
膏、カーボンブラック、マイカ、クレー、カオリン、シ
リカ、ケイソウ土等が挙げられる。これらの中でも、特
にタルク及び炭酸カルシウムが好ましい。これら無機充
填剤は、平均粒子径が0.5〜5μmの粒子状のものが
望ましく、その表面が脂肪酸等の表面処理剤で処理され
たものも使用可能である。
【0012】フィルム(A)を形成する樹脂組成物は、
(a)成分を30〜70重量%及び(b)成分を70〜
30重量%含有するものである。(a)成分が30重量
%未満では、フィルムにべと付き感を生じ、耐ブロッキ
ング性及び製膜安定性も悪くなり、70重量%を超える
と、押出しトルクが増大し、加工性が悪化することとな
る。
【0013】フィルム(B)を形成する樹脂組成物は、
(a)成分を30〜65重量%、(b)成分を30〜6
5重量%及び(c)成分を5〜40重量%含有するもの
である。(a)成分が30重量%未満では、フィルムに
べと付き感が残り、耐ブロッキング性が不十分となり、
65重量%を超えると、押出しトルクが増大し、加工性
が悪化することとなる。(b)成分が30重量%未満で
は、押出しトルクが増大し、加工性が悪くなり、65重
量%を超えると、溶融張力が低下し、製膜時のバブルの
安定性が悪くなる。(c)成分が5重量%未満では、製
膜時のバブルの安定性確保が不十分となると共に、スリ
ット巻(レコード巻)製品の保管時の耐ブロッキング性
が不十分となり、40重量%を超えると、フィルムの伸
長歪が大きくなる。
【0014】フィルム(C)を形成する樹脂組成物は、
(a)成分を30〜65重量%、(b)成分を30〜6
5重量%及び(c)成分を5〜40重量%含有する組成
物100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量部
を含有するものである。(a)成分、(b)成分及び
(c)成分の含有量が上記の範囲を外れると、上記フィ
ルム(B)を形成する樹脂組成物の場合と同じ問題があ
る。又、(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有
する組成物100重量部当り、(d)成分が5重量部未
満では、開口性、耐ブロッキング性が悪化し、40重量
部を超えると、柔軟性が不足し好ましくない。
【0015】上記(a)成分及び上記各樹脂組成物は、
上記各成分以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤
等の他の成分を適宜配合することができる。上記(a)
成分又は上記各樹脂組成物は、(a)成分、(b)成
分、(c)成分及び必要に応じて他の成分を添加し、例
えばヘンシェルミキサー又は高速ミキサー等を用いて予
めドライブレンドした後、例えば160〜220℃程度
の加熱下、押出機等を用いて溶融混練して押し出し、ペ
レット化することによって得られる。
【0016】上記各樹脂組成物からフィルム(A)、フ
ィルム(B)又はフィルム(C)とする方法は、多く行
われているT−ダイ押出機を用いる成形方法によっても
フラットなフィルムを成形することができるが、フィル
ムの縦と横の強度バランス及び薄膜の高速成形性(生産
性の向上)等を考慮すると、チューブ状のフィルムを成
形する空冷インフレーション成形法が好ましい。空冷イ
ンフレーション成形法は、樹脂温度140〜180℃
で、ブロー比2.0〜5.0で行うのが望ましい。
【0017】本発明の伸縮性複合フィルムを形成するフ
ィルム(F)は、熱可塑性エラストマーからなる。該エ
ラストマーとしては、スチレン系エラストマー、上記
(a)成分としてのエチレン−α−オレフィン共重合体
ゴム、密度が0.86〜0.90g/cm3 、メルトイ
ンデックスが0.1〜50g/10分、重量平均分子量
/数平均分子量が1.8〜2.8であり、炭素数が4〜
8個のα−オレフィンコモノマーを18重量%以上含有
する低密度ポリエチレン等が挙げられる。
【0018】スチレン系エラストマーとしては、スチレ
ンを主体とする重合体ブロックとブタジエンやイソプレ
ン等の共役ジエンを主体とする重合体ブロックとのブロ
ック共重合体及びこのブロック共重合体の水素添加物が
挙げられる。その具体例としては、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共
重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体(SIS)、SBSの水素添加物であるス
チレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体
(SEBS)、SISの水素添加物であるスチレン−エ
チレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SE
PS)等を挙げることができる。これらの中でも、SB
S、SIS、SEBS、SEPS等の3成分ブロック共
重合体が好ましい。これらのブロック共重合体は、いず
れもそのスチレン重合体ブロックの含有量が50重量%
以下で、メルトフローレイト(MFR:230℃、荷重
2.16kg)が0.5〜8.0g/10分のものが望
ましい。スチレン重合体ブロックの含有量が50重量%
を超えると、得られるフィルムが硬く、歪みが大きくな
るので好ましくない。又、MFRが0.5g/10分未
満では、フィルム製膜時の押出しトルクが増大し、フィ
ルム表面が鮫肌状となる原因となり、8.0g/10分
を超えると、溶融張力が低下し、製膜時のバブル安定性
が低下することとなり好ましくない。スチレン系エラス
トマーは1種に限らず、2種以上併用することができ
る。
【0019】上記熱可塑性エラストマーとして使用する
ことができる上記の低密度ポリエチレンとしては、該ポ
リエチレンを形成する上記のα−オレフィンコモノマー
が1−オクテンであるものが望ましく、又、その含有量
が20〜35重量%のものが特に望ましい。α−オレフ
ィンコモノマーの含有量が18重量%未満では、充分な
柔軟性を得られない。(a)成分は、メルトインデック
ス(MI:190℃、荷重2.16kg)が0.1〜5
0g/10分、望ましくは0.5〜20g/10分のも
のが用いられる。MIが0.1g/10分未満だと、製
膜時にトルクが増大して、極端なメルトフラクチャーが
発生し、50g/10分を超えると、バブルが不安定と
なり、フィルムの製膜安定性が悪化する。該ポリエチレ
ンは、分子量分布の目安となる重量平均分子量/数平均
分子量(Mw/Mn)が1.8〜2.8と小さいところ
に特徴があるが、このようなポリエチレンは、分子量分
布の幅を狭くすることができるメタロセン触媒を用いて
製造したものが好ましい。
【0020】上記メタロセン触媒とは、チタン、ジルコ
ニウム、ハフニウム等の遷移金属をπ電子系のシクロペ
ンタジエニル基又は置換シクロペンタジエニル基等を含
有する不飽和環状化合物ではさんだ構造の化合物である
メタロセンと、アルミニウム化合物等の助触媒とを組合
わせたものである。該ポリエチレンは、例えばチタノセ
ン、ジルコノセン等のメタロセンを、助触媒であるアル
キルアルミノキサン、アルキルアルミニウム、アルミニ
ウムハライド、アルキルアルミニウムルハライド等のア
ルミニウム化合物で活性化したメタロセン触媒の存在
下、エチレン及びコモノマーの炭素数が4〜8個のα−
オレフィン、好ましくは1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン等、特に好ましくは1−オクテンを溶
液重合することによって製造することができる。
【0021】上記熱可塑性エラストマーからフィルム
(F)とする方法は、通常のプラスチックフィルムの成
形方法に従えば良く、例えば、上記のフィルム(A)、
フィルム(B)又はフィルム(C)の成形方法と同様に
しても良い。フィルム(F)の厚さは、本発明の複合フ
ィルムの用途により適宜選択されるが、通常は10〜1
00μmである。
【0022】本発明の伸縮性複合フィルムは、上記フィ
ルム(A)、フィルム(B)又はフィルム(C)(以
下、それらの代表としてのフィルム(A)で説明す
る。)と、上記フィルム(F)を積層したものである。
両者の積層は、フィルム(A)とフィルム(F)を接着
剤を介して接合するドライラミネーション法、一方のフ
ィルムの上に他方のフィルムの溶融原料樹脂をフィルム
状に押出して接合する押出しコーティング法、フィルム
(A)とフィルム(F)の両溶融原料樹脂を同時にフィ
ルム状に押出して接合する共押出しコーティング法等の
通常の積層法で行われる。本発明の伸縮性複合フィルム
は、フィルム(A)とフィルム(F)のみの2層構造以
外に、例えばフィルム(A)/フィルム(F)/フィル
ム(A)、フィルム(F)/フィルム(A)/フィルム
(F)、フィルム(A)/フィルム(F)/フィルム
(A)/フィルム(F)/フィルム(A)等の3層以上
の多層構造にしても良いことは言うまでもない。
【0023】上記複合フィルムの厚さは、その用途によ
り適宜選択され、特定するものではないが、通常は20
〜300μmである。従って、該複合フィルムを構成す
るフィルム(A)とフィルム(F)の各々の厚さは、そ
れらの合計厚さが上記複合フィルムの厚さに対応するよ
うに任意に設定すれば良いが、フィルム(A)の厚さを
フィルム(F)のそれよりも薄くした方が望ましく、通
常フィルム(A)の厚さは5〜50μm、フィルム
(F)の厚さは10〜100μmである。
【0024】本発明の複合フィルムは上記の構成からな
るが、そのもの単独、或いは他の部材と積層して、その
伸縮性を利用できる種々の用途に使用できる。例えば、
更に、上記のスリットした伸縮フィルムにホットメルト
接着剤等を塗布したテープとし、このテープを伸縮した
状態で不織布、織布、プラスチックフィルム又はシー
ト、及びこれらの積層体に接着し、テープの伸縮を緩和
すれば、例えばオムツ等のギャザー部材、伸縮性湿布材
用基材等とすることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。樹脂組成物を調製する際に用いた各成分 (a)成分 エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(エクソン
化学(株)製,商品名ビスタロン3708;MI0.1
g/10分,密度0.87g/cm3 ) (b)成分 (b)−1成分:エチレン−酢酸ビニル共重合体(日本
ユニカー(株)製,商品名NUCポリエチレンコポリマ
ーDQDJ3269,酢酸ビニル含有量28重量%,M
I20g/10分,密度0.95g/cm3 ) (b)−2成分:エチレン−メチルアクリレート共重合
体(エクソン化学(株)製,商品名OptimaTC−
130,メチルアクリレート含有量21重量%,MI2
0.0g/10分,密度0.940g/cm3 ) (b)−3成分:エチレン−エチルアクリレート共重合
体(日本ユニカー(株)製,商品名NUCポリエチレン
PPDJ9169,エチルアクリレート含有量28重量
%,MI20g/10分) (b)−4成分:エチレン−メチルメタクリレート共重
合体(住友化学工業(株)製,商品名アクリフトWH3
03,MFR7.0g/10分,DSC融点89℃,溶
解度指数9.3,メチルメタクリレート含有量18重量
%) (c)成分 高圧法低密度ポリエチレン(日本ユニカー(株)製,商
品名NUCポリエチレンDFD0148;MI6.0g
/10分,密度0.923g/cm3 ) (d)成分 炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製,商品名PO
フィラー150B;平均粒子径1μm)
【0026】フィルム(F)を製膜する際に用いた熱可
塑性エラストマー (f)−1:スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体エラストマー(SBS)(シェルジャパン社
製,商品名クレイトンDKX−405,スチレンブロッ
ク含有量26重量%,MFR2.5g/10分・190
℃,密度0.94g/cm3 ) (f)−2:スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体エラストマー(SIS)(テキサコポリマー社
製,商品名VECTOR4211,スチレンブロック含
有量30重量%,MFR2.6g/10分・230℃,
密度0.94g/cm3 ) (f)−3:スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン
ブロック共重合体エラストマー(SEBS)(旭化成
(株)製,商品名H1052,スチレンブロック含有量
20重量%,MFR5.0g/10分・230℃,密度
0.89g/cm3 ) (f)−4:メタロセン触媒を用いて製造された低密度
ポリエチレン(ダウケミカル社製,商品名エンゲージE
G8150;MI0.5g/10分,密度0.868g
/cm3 ,Mw/Mn2.15,1−オクテン含有量2
8重量%) (f)−5:エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴ
ム(三井石油化学(株)製,商品名タフマーP028
0;MI2.9g/10分,密度0.87g/cm3
【0027】(実施例1) (1)樹脂組成物の製造 (a)成分54重量部、(b)−1成分36重量部、
(c)成分10重量部及び(d)成分10重量部をスー
パーフローター(カワタ(株)製、型式SFC−50)
を用いてドライブレンドした後、2軸混練押出機(日本
製鋼所(株)製、型式TEX−30)を用いて175℃
で溶融混練して、樹脂組成物ペレットを得た。 (2)複合フィルムの製造 (1)で得られた樹脂組成物を得られる複合フィルムの
外層及び内層になるように、又、上記(f)−1成分を
得られる複合フィルムの中間層になるように、それぞれ
下記の空冷インフレーション3層製膜装置に下記の条件
で供給して、厚さ50μm、折径600mm(ブローア
ップ比2.5)のチューブ状複合フィルムを製造すると
共に、長さ60mの紙管に巻き取り、試料フィルムを得
た。得られた試料フィルムの物性その他を下記の方法で
評価し、それらの結果を表2に示した。
【0028】製膜装置 ・押出機 外層 プラコー社製 50mm径 中間層 プラコー社製キーフェル 45mm径 内層 モダンマシナリー社製 50mm径 ・ダイ 150mm径3層スパイラルダイ ・製膜条件及びサンプル仕様 製膜温度 160〜180℃ 引取速度 10m/分 外層/中間層/内層厚さ比 1/4/1フィルム物性の測定 50%伸長時強度:JIS L1096に準拠し、下
記の機器及び条件で測定した。 使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製) 測定サンプルサイズ:25mm×150mm チャック間隔:100mm 引張速度:300mm/分 測定雰囲気:23℃,50%RH 100%伸長時強度:JIS L1096に準拠し、
と同条件で測定した。 150%伸長時強度:JIS L1096に準拠し、
と同条件で測定した。 150%2サイクル伸長後の残留歪:JIS L10
96に準拠し、と同条件で測定した。 破断時強度及び伸度:JIS L1096に準拠し、
下記の機器及び条件で測定した。 使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製) 測定サンプルサイズ:25mm×150mm チャック間隔:50mm 引張速度:300mm/分 測定雰囲気:23℃,50%RHフィルムの開口性の評価 判定基準は以下の通りである。 ○:製膜後その両耳をスリットしたフィルムが、簡単に
2枚に剥がれる。 ×:上記フィルムを2枚に剥がそうとしても全く剥がれ
ず、破れてしまう。バブル安定性 判定基準は以下の通りである。 ○:折幅が一定である。 ×:バブルが上下、左右に変動し、折幅変化が大きい。原反の繰出し性 判定基準は以下の通りである。 ○:良好に繰出しができ、かつ巻き芯まで繰出しができ
るもの。 ×:フィルが剥がれにくく、スムーズな繰出しができな
いか、巻き芯に巻き込まれて、繰出しができないもの。
【0029】(実施例2〜10)表1に示す(a)成
分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分を表1に示
す割合で用いて、実施例1と同様にして樹脂組成物を得
た。得られた樹脂組成物を得られるフィルムの内外層に
なるように、又、表1に示す(f)成分を得られるフィ
ルムの中間層になるようにそれぞれ用いた以外は、実施
例1と同様にして複合フィルムを得、それらのフィルム
について物性を測定し、それらの結果を表2及び表3に
示した。
【0030】(比較例1)実施例1で用いた樹脂組成物
を得られるフィルムの内外層及び中間層になるように用
いた以外は、実施例1と同様にして複合フィルムを得、
そのフィルムについて物性を測定し、それらの結果を表
3に示した。
【0031】(比較例2)実施例2で用いた樹脂組成物
を得られるフィルムの内外層及び中間層になるように用
いた以外は、実施例1と同様にして複合フィルムを得、
そのフィルムについて物性を測定し、それらの結果を表
3に示した。
【0032】(比較例3)(f)−1成分を得られるフ
ィルムの内外層及び中間層になるように用いた以外は、
実施例1と同様にして複合フィルムを得、そのフィルム
について物性を測定し、それらの結果を表3に示した。
【0033】(比較例4)(f)−4成分を得られるフ
ィルムの内外層及び中間層になるように用いた以外は、
実施例1と同様にして複合フィルムを得、そのフィルム
について物性を測定し、それらの結果を表3に示した。
【0034】
【表1】
【表2】
【表3】 表2及び表3から明らかなように、本発明に係る樹脂組
成物から安定して伸縮性フィルムを製膜することができ
る。又、得られた複合フィルムは、熱可塑性エラストマ
ーを使用しないで製膜した比較例1及び2の複合フィル
ムに比べて、伸長後の残留歪が小さく、破断時強度が大
きく、又、各伸長時の行きと戻り及びMD方向とTD方
向の強度差がいずれも小さいという効果を示している。
更に、熱可塑性エラストマーのみから製膜した比較例3
及び4の複合フィルムは、本発明の複合フィルムに比べ
て、一見その物性が優れているようにも見えるが、フィ
ルムの開口性が×であるように、フィルムを2枚に剥が
すことができないことから、その物性は2枚のフィルム
を重ねた状態で測定したものであって、決して優れてい
るとはいえないものである。それよりも、バブル安定
性、フィルムの開口性、原反の繰出し性の総てが×であ
るように、熱可塑性エラストマー単独からは、実質商業
的に製膜できないことを示している。
【0035】
【発明の効果】本発明の複合フィルムは、衛生用品、例
えば使い捨ておむつ等のギャザーやギャザー付きナプキ
ン等、伸縮性湿布材用基材、衣料用等の部材に要求され
る物性を保持していること以外に、機器類や生活用品、
例えばスリッパ、サンダル等の滑り止め材、指パッチ
材、テープ等の巻芯構造体用部材、又、無臭であること
から手術用ドレープ等の医療用部材として有効であり、
剥離強度(開口性)、ブロッキング度が小さいことか
ら、製品を一定の環境下で長期間保管することができ
る。そして、複合フィルムの一方のフィルムはインフレ
ーション法で安定して製膜することができると共に、製
膜時のチューブの口開き性も良好である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エチレン−α−オレフィン共重合
    体ゴム30〜70重量%及び(b)エチレン共重合体7
    0〜30重量%を含有する組成物からなるフィルム
    (A)と熱可塑性エラストマーからなるフィルム(F)
    を積層してなる伸縮性複合フィルム。
  2. 【請求項2】 (a)エチレン−α−オレフィン共重合
    体ゴム30〜65重量%、(b)エチレン共重合体30
    〜65重量%及び(c)ポリエチレン5〜40重量%を
    含有する組成物からなるフィルム(B)と熱可塑性エラ
    ストマーからなるフィルム(F)を積層してなる伸縮性
    複合フィルム。
  3. 【請求項3】 (a)エチレン−α−オレフィン共重合
    体ゴム30〜65重量%、(b)エチレン共重合体30
    〜65重量%及び(c)ポリエチレン5〜40重量%を
    含有する組成物100重量部並びに(d)無機充填剤5
    〜40重量部を含有する樹脂組成物からなるフィルム
    (C)と熱可塑性エラストマーからなるフィルム(F)
    を積層してなる伸縮性複合フィルム。
  4. 【請求項4】 上記エチレン共重合体は、エチレン−酢
    酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
    合体及びエチレン−メタクリル酸エステル共重合体から
    選ばれる共重合体である請求項1ないし請求項3のいず
    れかに記載の伸縮性複合フィルム。
  5. 【請求項5】 上記ポリエチレンは、密度が0.915
    〜0.925g/cm3 であり、メルトインデックスが
    0.5〜10g/10分であることを特徴とする請求項
    2ないし請求項4のいずれかに記載の伸縮性複合フィル
    ム。
JP9351398A 1998-04-06 1998-04-06 伸縮性複合フィルム Pending JPH11291404A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9351398A JPH11291404A (ja) 1998-04-06 1998-04-06 伸縮性複合フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9351398A JPH11291404A (ja) 1998-04-06 1998-04-06 伸縮性複合フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11291404A true JPH11291404A (ja) 1999-10-26

Family

ID=14084437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9351398A Pending JPH11291404A (ja) 1998-04-06 1998-04-06 伸縮性複合フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11291404A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016167242A1 (ja) * 2015-04-15 2016-10-20 日東電工株式会社 伸縮性フィルムおよびそれを含む物品
CN107531916A (zh) * 2015-04-15 2018-01-02 日东电工株式会社 伸缩性膜以及包含其的制品
WO2019176796A1 (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 三井化学株式会社 エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を含む積層体、並びにエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016167242A1 (ja) * 2015-04-15 2016-10-20 日東電工株式会社 伸縮性フィルムおよびそれを含む物品
CN107531916A (zh) * 2015-04-15 2018-01-02 日东电工株式会社 伸缩性膜以及包含其的制品
US10772984B2 (en) 2015-04-15 2020-09-15 Nitto Denko Corporation Elastic porous film and article
US11305034B2 (en) 2015-04-15 2022-04-19 Nitto Denko Corporation Stretchable film and product including same
WO2019176796A1 (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 三井化学株式会社 エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を含む積層体、並びにエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物
KR20200123191A (ko) * 2018-03-16 2020-10-28 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 에틸렌·α-올레핀·비공액 폴리엔 공중합체 조성물을 포함하는 적층체, 및 에틸렌·α-올레핀·비공액 폴리엔 공중합체 조성물
JPWO2019176796A1 (ja) * 2018-03-16 2021-03-25 三井化学株式会社 エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を含む積層体、並びにエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物
US11312114B2 (en) 2018-03-16 2022-04-26 Mitsui Chemicals, Inc. Laminate including ethylene/α-olefin/non-conjugated polyene copolymer composition, and ethylene/α-olefin/non-conjugated polyene copolymer composition
TWI805713B (zh) * 2018-03-16 2023-06-21 日商三井化學股份有限公司 含有乙烯.α-烯烴.非共軛多烯共聚合體組成物之積層體、及乙烯.α-烯烴.非共軛多烯共聚合體組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20120219814A1 (en) Methods of Improving Polyethylene Stretch Films
KR20020060270A (ko) 에틸렌계 공중합체 조성물로 된 성형체
US20120217682A1 (en) Methods of Improving the Physical Properties of Polyolefin Films
JP7251153B2 (ja) ストレッチ包装用フィルム
JPH11151782A (ja) 伸縮性複合フィルム、弾性ひも及び弾性糸
KR102603770B1 (ko) 실런트용 수지 조성물, 적층체, 포장재 및 포장 용기
JP2017087467A (ja) ストレッチ包装用フィルム
JP2021030501A (ja) ストレッチ包装用フィルム
JP5730745B2 (ja) ストレッチ包装用フィルム
JPH11291404A (ja) 伸縮性複合フィルム
JP3471434B2 (ja) 積層体
JP3794967B2 (ja) ハンド包装用ストレッチフィルム及びその製造方法
JP2014076543A (ja) ストレッチ包装用フィルム
JP3953713B2 (ja) 包装用ストレッチフィルム
JP5882974B2 (ja) ストレッチ包装用フィルム
JP2022063198A (ja) ストレッチ包装用フィルム
JP5529446B2 (ja) 熱接着性剥離フィルム及び包装材
JP3961194B2 (ja) 食品包装用ストレッチフィルム
JP2003019778A (ja) ポリプロピレン系多層ラップフィルム
JP2020114889A (ja) 接着性樹脂組成物および積層体
JPH11245338A (ja) 伸縮性複合フィルム
JP5749140B2 (ja) ストレッチ包装用フィルム
CN113727852A (zh) 多层共挤出膜和包括该多层共挤出膜的制品
JP5660980B2 (ja) ストレッチ包装用フィルム
JP4175963B2 (ja) ポリオレフィン系積層軟質シート