JPH10236996A - 光学活性なアンブレインの製造方法および該製造方法に有用な中間体化合物並びに該中間体化合物の製造方法 - Google Patents

光学活性なアンブレインの製造方法および該製造方法に有用な中間体化合物並びに該中間体化合物の製造方法

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JPH10236996A
JPH10236996A JP9054062A JP5406297A JPH10236996A JP H10236996 A JPH10236996 A JP H10236996A JP 9054062 A JP9054062 A JP 9054062A JP 5406297 A JP5406297 A JP 5406297A JP H10236996 A JPH10236996 A JP H10236996A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 香料として有用な光学活性な(+)−アンブ
レインを簡便、かつ安価に効率よく製造することができ
る方法を提供すること。 【解決手段】 (+)−アンブレノリドから簡便かつ効
率よく製造することができる下記式(2); 【化1】 (式中、符号Yは水酸基の保護基、また符号R’は有機
基を表す)で示される[(−)−1−[5’−有機スル
ホニル−4’−メチル−3’−ペンテニル]−1,2,
3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2
−置換ヒドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナ
フタレンに、(+)−γ−シクロゲラニルハライドをカ
ップリングした後脱スルホン化し、次いで、水酸基の保
護基を脱離することにより、上記課題が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下記式(1);
【化8】 で表される光学活性な(+)−アンブレインの製造方
法、該製造方法に有用な中間体化合物、並びに該中間体
化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性な(+)−アンブレインは、抹
香鯨から産する竜涎香(アンバーグリス)の主成分であ
り、自動的に酸化分解されることにより アンブロック
スをはじめとする有用な香気成分を生成する。従来、こ
の光学活性な(+)−アンブレインの製造方法として
は、下記の二例が知られている。 2、2 −ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン
のパン酵母還元によって得られる(+)−3−ヒドロキ
シ−2,2−ジメチルシクロヘキサノンから多工程を経
て(+)−γ−ホモシクロゲラニオ−ルに変換し(−)
−1−(3’−ブチニル)−2,2−ジメチル−6−メ
チレンシクロヘキサンに導く。別途、(±)−2−ヒド
ロキシ−5,5,8a−トリメチルヒドロナフタレン−
1−カルボン酸メチルを光学活性なナフチルエチルカ−
バメ−ト誘導体とし、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ−を用いて光学分割し、多工程を経て(−)−13,
14,15,16−テトラノル−8α,12−ラブダン
ジオ−ルに変換した後(−)−1,2,3,4,4a,
5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−(メトキシメ
チルオキシ)−2,5,5,8a−テトラメチル−1−
ナフタレンアセトアルデヒドに導く。次に、上記の
(−)−1−(3’−ブチニル)−2,2−ジメチル−
6−メチレンシクロヘキサンをジルコニウム触媒の存在
下有機アランに変換し、(−)−1,2,3,4,4
a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−(メトキ
シメチルオキシ)−2,5,5,8a−テトラメチル−
1−ナフタレンアセトアルデヒドを縮合し、脱アセトキ
シ化してアンブレイン(1)を合成する方法。[Liebig
s Ann. Chem., 361 (1990)参照] ファルネシル酢酸を閉環させて得られる(±)−アン
ブレノリドを天然アルカロイドであるキニンの塩として
光学分割して(+)−アンブレノリドを得、(−)−1
−[5’−アセトキシ−4’−メチル−3’−ペンテニ
ル]−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−
デカヒドロ−2−テトラピラニルオキシ−2,5,5,
8a−テトラメチルナフタレンに導く。別途、ステラの
方法により導いた(±)−γ−シクロゲラニオ−ルを塩
素化して(±)−γ−シクロゲラニルクロリドに導く。
次に、上記の(±)−γ−シクロゲラニルクロリドのグ
リニヤ−ル試薬と(−)−1−[5’−アセトキシ−
4’−メチル−3’−ペンテニル]−1,2,3,4,
4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−テトラ
ピラニルオキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフ
タレンを銅触媒の存在下縮合してジアステレオマ−混合
物を得、再結晶によりアンブレイン(1)を合成する方
法。[Agric. Biol. Chem. , 571 (1990).参照]
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法は(+)−γ−ホモシクロゲラニオ−ルの調製に
おいて多数の反応工程を必要とする上、精製操作が困難
であり、(−)−13,14,15,16−テトラノル
−8α,12−ラブダンジオ−ルの調製においても多工
程を必要とするので工業的製造法として適当でない。一
方、上記の方法は、(±)−γ−シクロゲラニルクロ
リドの調製において熟練した技術を必要とし、(+)−
アンブレノリドの調製においては、光学分割剤として高
価なキニンを(+)−アンブレノリドに対して1当量以
上必要とし、製造コスト上望ましくない。また、(±)
−γ−シクロゲラニルクロリドのグリニヤ−ル試薬と
(−)−1−[5’−アセトキシ−4’−メチル−3’
−ペンテニル]−1,2,3,4,4a,5,6,7,
8,8a−デカヒドロ−2−テトラピラニルオキシ−
2,5,5,8a−テトラメチルナフタレンを銅触媒の
存在下縮合する際、再現性よく良好な反応成績を得るに
は、非常に高度の技術を必要とするため、工業的に実施
する上で有利な方法とはいいがたい。
【0004】本発明者らは、かかる従来技術の問題点に
ついて鋭意研究の結果、アンブレノリドから簡便で収率
よく製造できる新規なスルホン化合物を製造し、これに
γ−シクロゲラニルハライドの光学活性体をカップリン
グさせる工程を経由する方法によれば、上記の式(1)
で表される光学活性なアンブレインを簡便、安価に効率
よく製造できることを見い出し本発明に至ったものであ
る。また、本発明者らは、光学活性(+)−アンブレノ
リドを効率よく製造できる方法ついてもさらに研究を進
め、新たな知見を得て、全く新規な製造経路を開発し
た。さらに、また、光学活性γ−シクロゲラニルハライ
ドの製造方法についても改良された方法を見い出すに至
ったのである、
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の上記
課題は、以下の各発明によりそれぞれ達成される。
【0006】(1)下記式(1);
【化9】 で示される光学活性な(+)−アンブレインの製造方法
であって、下記式(2);
【化10】 (式中、符号Yは水酸基の保護基、また、符号R1は有
機基を示す)で示される[(−)−1−[5’−有機ス
ルホニル−4’−メチル−3’−ペンテニル]−1,
2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ
−2−置換ヒドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチ
ルナフタレン化合物と、下記式(3);
【化11】 (式中、Xはハロゲン原子を示す)で示されるγ−シク
ロゲラニルハライドの光学活性体とをカップリングした
後、脱スルホン化して、下記式(17);
【化12】 (式中、符号Yは前記定義のとおりである)で示される
化合物を得、次いで、水酸基の保護基Yを脱離すること
を特徴とする、上記式(1)で示される光学活性な
(+)−アンブレインの製造方法。
【0007】(2)下記式(2);
【化13】 (式中、符号Yは水酸基の保護基、また、符号R1は有
機基を示す)で示される[(−)−1−[5’−有機ス
ルホニル−4’−メチル−3’−ペンテニル]−1,
2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ
−2−置換ヒドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチ
ルナフタレン化合物。
【0008】(3)下記式(2);
【化14】 (式中、符号Yは水酸基の保護基、また、符号R1は有
機基を示す)で示される[(−)−1−[5’−有機ス
ルホニル−4’−メチル−3’−ペンテニル]−1,
2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ
−2−置換ヒドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチ
ルナフタレン化合物の製造方法であって、下記式(1
3);
【化15】 (式中、符号Yは水酸基の保護基、また、符号X’はハ
ロゲン原子を示す)で示される化合物に、式:R1SO2
H(式中、R1は前記定義のとおりである)で示される
スルフィン酸またはその塩を反応させることを特徴とす
る、上記式(2)で示される[(−)−1−[5’−有
機スルホニル−4’−メチル−3’−ペンテニル]−
1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒ
ドロ−2−置換ヒドロキシ−2,5,5,8a−テトラ
メチルナフタレン化合物の製造方法。
【0009】また、本発明者らは、γ−シクロゲラニル
ハライドの光学活性体について、改良された方法を見出
すに至っている。すなわち、下記式(3);
【化16】 (式中、Xはハロゲン原子を示す)で示されるγ−シク
ロゲラニルハライドの光学活性体{(1S)−(+)−
2,2−ジメチル−6−メチレン−1−[1’−(ハロ
ゲノ)メチル]シクロヘキサン}は、下記式(15);
【化17】 (式中、符号R2はアルキル基を示す)で示される(1
S)−(+)−2,2−ジメチル−6−メチレン−1−
シクロヘキサンカルボン酸アルキルエステルを還元して
下記式(16);
【化18】 で示される(1S)−(+)−2,2−ジメチル−6−
メチレン−1−シクロヘキサンメタノ−ルを得、次い
で、これをハロゲン化することにより、簡便かつ容易に
製造することができる。
【0010】さらに、本発明者らは、光学活性な(+)
−アンブレノリドを効率よく製造できる方法について研
究を進め、新たな知見を得て、新規な製造経路を開発し
た。すなわち、下記式(9);
【化19】 で示される光学活性(+)−アンブレノリド{(4a
R,6aS,10aS,10bR)−(+)−2,3,
4a,5,6,6a,7,8,9,10,10a,10
b−ドデカヒドロ−4a,7,7,10a−テトラメチ
ルナフト[2,1−b]ピラン−3−オン}は、下記式
(7);
【化20】 (式中、符号Y’は水酸基の保護基、また、符号Zは脱
離基をそれそれ示す)で示される化合物にマロン酸ジエ
ステルを反応させ、得られる下記式(8);
【化21】 (式中、符号Y’は、前記定義のとおりであり、また、
符号R’はアルキル基を示す)で示される縮合物を脱炭
酸反応に付すことにより、容易、かつ、効率よく製造で
きる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明により提供される光学活性
な(+)−アンブレイン(1)の新規な製造方法は、式
(2)で示される新規なスルホニル化合物と式(3)で
示されるγ−シクロゲラニルハライドの光学活性体か
ら、その大略を表す以下の反応工程図(A)に従って
(+)−アンブレイン(1)を製造する方法である。
【0012】
【化22】
【0013】上記において式(2)で示される新規なス
ルホニル化合物は、その大略を表す以下の反応工程図
(B)に従って製造できる。
【0014】
【化23】
【0015】また、式(3)で示されるγ−シクロゲラ
ニルハライドの光学活性体は、その大略を示す以下の反
応工程図(C)に従って製造することができる。
【0016】
【化24】
【0017】[光学活性な(+)−アンブレイン(1)
の合成]式(1)で示される光学活性な(+)−アンブ
レインは、式(2)で示されるスルホニル化合物と式
(3)で示されるγ−シクロゲラニルハライドの光学活
性体をカップリングした後、脱スルホン化することによ
って式(17)で示される化合物を得、さらに水酸基の
保護基Yを脱離することによって製造される。ここで式
(2);
【化25】 (式中、符号Yは水酸基の保護基、また、符号Rは有
機基を示す)で示されるスルホニル化合物と式(3);
【化26】 (式中、Xはハロゲン原子を示す)で示されるγ−シク
ロゲラニルハライドの光学活性体とのカップリング反応
は、液相中において有機アルカリ金属化合物の存在下で
実施することができる。
【0018】上記の式(2)中の符号Rで示される有
機基としては、置換されてもよいアルキル、アリール
基、アラルキル基等の基であれば特に制限はないが、置
換されてもよいフェニル基等の芳香族基であることが好
ましい。また、符号Yで示される水酸基の保護基として
は、アルコール性水酸基を保護する基であれば、特に制
限はなく、例えば、テトラヒドピラニル基、メトキシメ
チル基、エトキシエチル基等のエーテル系保護基が好ま
しく用いられる。符号Yで示される水酸基の保護基とし
ては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等のシ
リルエーテル系保護基を使用することもできる。また、
式(3)で示されるγ−シクロゲラニルハライドの光学
的活性体としては、(+)−γ−シクロゲラニルクロラ
イド、(+)−γ−シクロゲラニルブロマイド、(+)
−γ−シクロゲラニルアイオダイド等が用いられる。
【0019】使用される有機アルカリ金属化合物として
は、脂肪族炭化水素類のアルカリ金属化合物、例えば、
メタン、エタン、プロパン、ブタン等の低級脂肪族炭化
水素のリチウム、ナトリウム、カリウム化合物が好まし
く、特に、ブチルリチウムが好ましく用いられる。
【0020】反応は、溶媒の存在下で実施するのが好ま
しい。溶媒としては、ヘキサメチルホスホリックトリア
ミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドな
どの非プロトン性極性溶媒が好ましく、また、これらの
非プロトン性極性溶媒とジエチルエ−テル、テトラヒド
ロフランなどのエ−テル系溶媒との混合溶媒も好ましい
溶媒である。
【0021】反応温度は、特に制限はないが、−30℃
〜室温程度とするのがよい。
【0022】式(2)で示されるスルホニル化合物と式
(3)で示されるγ−シクロゲラニルハライドの光学活
性体との使用割合は、特に制限がないが、通常、式
(3)で示されるγ−シクロゲラニルハライドの光学的
活性体を式(2)で示されるスルホニル化合物に対して
等モルまたは過剰量使用することが好ましい。
【0023】次いで、上記カップリング反応で得られた
生成物は、通常公知の手段により精製した後、脱スルホ
ン化され、式(17)で示される化合物に変換される。
【0024】上記のおける脱スルホン化反応は、ソジウ
ムボロヒドリド(NaBH4)、ス−パ−ヒドリド[L
iAl(OEt)3H]などによるヒドリド還元;ナト
リウム−アマルガムやサマリウムアイオダイドを用いた
ラジカル条件での還元;リチウム・エチルアミン系のよ
うなアルカリ金属による還元反応によって行うことがで
きるが、特に、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)プロパン]パラジウム、ジクロロ[1,2−
ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジ
クロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパ
ン]パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィ
ノ)パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパ
ラジウムなどのパラジウム触媒存在下におけるソジウム
ボロヒドリド、ス−パ−ヒドリドなどによるヒドリド還
元[Chem. Lett.,451(1985)参照]によって実施するこ
とが望ましい。ナトリウム−アマルガムやサマリウムア
イオダイドを用いたラジカル条件で反応を行う場合やリ
チウム−エチルアミン系のようなアルカリ金属による還
元を行う場合には、二重結合が移動した14−(E)−
異性体が副生し得る。
【0025】脱スルホン化生成物である式(17)で示
される化合物から、水酸基の保護基Yを脱離することに
より、光学活性な(+)−アンブレインを高収率で製造
することができる。この水酸基の保護基Yの脱離は、例
えばYがテトラヒドロピラニル基である場合には、酸性
条件下での加水分解など、使用した保護基Yの種類に応
じた適切な周知の手段を適用することにより行われる。
【0026】[(−)−1−[5’−トリルスルホニル
−4’−メチル−3’−ペンテニル]−1,2,3,
4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−テ
トラピラニルオキシ−2,5,5,8a−テトラメチル
ナフタレン(2)の合成]式(2)で示される化合物
は、反応工程図(B)に従って合成される。
【0027】すなわち、本発明では、式(13)で示さ
れる(1R,2R,4aS,8aS,3’E)−(+)
−1−[5’−ヒドロキシ−4’−メチル−3’−ペン
テニル]−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8
a−デカヒドロ−2−置換ヒドロキシ−2,5,5,8
a−テトラメチルナフタレンをそのハロゲン化誘導体
(式(14)で示される化合物)に変換し、次いで、式
1SO2H(式中、R1は前記定義とおりである)で示
されるスルフィン酸またはその塩と反応させて式(2)
で示されるスルホニル化合物を製造することができる。
【0028】また、本発明では、(+)−アンブレノリ
ド(9)から、反応工程図(B)に従った方法で、再現
性よく、かつ、高収率に、式(2)で示されるスルホニ
ル化合物を製造することができる。
【0029】さらに、本発明者らは、式(7)で表され
るデカリン誘導体、例えば、(1S,2R,4aS,8
aS)−(−)−(1,2,3,4,4a,5,6,
7,8,8a−デカヒドロ−2−テトラヒドロピラニル
オキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフチル)メ
チルメタンスルホネート、を原料化合物として、簡便な
方法で、式(9)で示される(+)−アンブレノリドを
合成する方法についても見出しており、この一連の工程
より、式(2)で示されるスルホニル化合物および光学
活性な(+)−アンブレイン(1)を製造する方法も、
本発明の態様に包含される。
【0030】上記の方法において出発原料として用いる
式(7)のデカリン誘導体、例えば、(1S,2R,4
aS,8aS)−(−)−(1,2,3,4,4a,
5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−テトラヒドロ
ピラニルオキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフ
チル)メチルメタンスルホネート、は、公知の方法[Te
trahedron Asymmetry, 7, 1695 (1996)参照]に記載さ
れた方法に従って容易に製造できる。式(7)における
水酸基の保護基Y’は、テトラヒドロピラニル基に特に
限定されるものではなく、他の周知の水酸基を保護する
基、例えば、メトキシメチル基、エトキシエチル基など
の他のエ−テル系保護基、トリメチルシリル基、トリエ
チルシリル等のシリルエーテル系保護基など、を用いる
ことができる。また、式(7)における脱離基(Z)と
しては、メタンスルホニルオキシ基に限定されるもので
はなく、脂肪族並びに芳香族系スルホニルオキシ基(例
えば、ベンゼンスルホニルオキシ基等)などのスルホン
酸エステル基、あるいは、ピバロイル基を始めとするカ
ルボン酸エステル基などを特に制限なく使用することが
できる。
【0031】式(7)で示されるデカリン誘導体に、マ
ロン酸ジエステルを縮合させて、式(8)で示されるジ
エステルを製造する。この縮合反応は、適切な溶媒中で
塩基の存在下に実施することができる。この際に用いら
れる塩基としては、リチウムヒドリド、ナトリウムヒド
リド、カリウムヒドリド、カリウムt−ブトキシドなど
があげられる。また、使用可能な溶媒としてはヘキサメ
チルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシド、
ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン、エ−テ
ル、テトラヒドロフランなどが挙げられるが、これらの
中でも高極性のものが望ましい。また、触媒として18
−クラウン−6等のクラウンエ−テルを添加して反応を
実施してもよい。
【0032】次いで、式(8)で示されるジエステルを
加水分解し、次いで得られた生成物に対して脱炭酸反応
を行うことにより(+)−アンブレノリド(9)を得る
ことができる。式(8)で示されるジエステルの加水分
解反応は、一般に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
などの塩基の存在下に実施される。また、式(8)で示
されるジエステルの加水分解反応は、一般に、メタノー
ル、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル系溶媒中で実施される。式(8)で示
されるジエステルの加水分解生成物は、通常、精製する
ことなく脱炭酸反応に供される。この脱炭酸反応は、一
般に、トルエン、ベンゼン、キシレン等の溶媒中、80
℃以上の温度において実施することができる。
【0033】本発明においては、以下の工程に従って、
(+)−アンブレノリド(9)から式(2)で示される
スルホニル化合物を製造することができる。
【0034】まず、(+)−アンブレノリド(9)を還
元することにより式(10)で示されるラクト−ルを製
造する。この際の還元手段としては、ラクトン環の開環
を起こすことなく、ラクトン環のカルボニル基のみを選
択的に水酸基に還元できるものであればよく、公知の手
段を特段制限なく利用することができ、例えば、トルエ
ン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルムなどの溶媒
中で、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBA
L;(i−Bu)2AlH)、リチウムジエトキシアル
ミニウム(Li(OEt)2AlH2)などの還元剤を用
いて実施することが好ましい。
【0035】上記において得られた式(10)で示され
るラクトールは、 式;RP=CH(CH)COR” (式中の符号Rは置換基を有していてもよい芳香族炭化
水素基、R”はアルキル基)で示されるホスホラン化合
物、例えば、1−(メトキシカルボニル)エチリデント
リフェニルホスホラン、1−(エトキシカルボニル)エ
チリデントリフェニルホスホラン、を縮合させることに
より式(11)で示される化合物に変換される。この反
応は、トリエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、
テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒などの、溶媒中
で、式(10)で示されるラクトールと上記のホスホラ
ン化合物をほぼ等モル量で反応させることにより、高収
率で行うことができる。このとき新たに形成される炭素
−炭素二重結合のE/Z 比は16/1から18/1程
度であり、選択的に反応が進行する。生成した両異性体
はシリカゲルカラムクロマトグラフィ−や再結晶等の手
段により分離でき、式(11)で示される化合物を高純
度で得ることができる。
【0036】式(11)で示される化合物は、その水酸
基を適切な保護基で保護することによって式(12)で
示される化合物に変換される。ここで使用される保護基
としうは、式(2)で示されるスルホニル化合物を経て
式(17)で示される化合物に至る一連の反応条件を考
慮して、水酸基の保護基として公知のものの中から適切
なものが選択されるが、例えば、テトラヒドロピラニル
エ−テル、メトキシメチルエ−テル、エトキシエチルエ
−テルなどのエ−テル系保護基が好ましく用いられる。
【0037】式(12)で示される化合物は、そのエス
テル部分(CO2R”)を選択的に還元することにより
式(13)で示される不飽和アルコ−ルに変換される。
式(12)で示される化合物のエステル部分を選択的に
還元する手段としては、公知の方法を特に制限なく使用
することができるが、金属水素化物を用いる還元手段を
適用することが好ましい。具体的には、ソジウムボロヒ
ドリド(NaBH4)、リチウムアルミニウムヒドリド
(LiAlH4)、ジイソブチルアルミニウムヒドリド
((i−Bt)2AlH)などが挙げられるが、特に、
リチウムアルミニウムヒドリドなどの安価な金属水素物
を使用することが望ましい。この際炭素−炭素二重結合
の還元は認められない。この反応は、ジエチルエ−テ
ル、テトラヒドロフラン等のエ−テル系溶媒やトルエ
ン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒を用いて実施す
ることが好ましい。
【0038】式(13)で示される不飽和アルコール
は、ハロゲン化することにより式(14)で示されるハ
ロゲン化誘導体とした後、式(2)で示されるスルホニ
ル化合物に変換される。式(13)で示される不飽和ア
ルコールのハロゲン化は、リチウムクロリドの存在下に
メタンスルホニルクロリド[J. Org. Chem., 36, 3044
(1971)参照]やp−トルエンスルホニルクロライド等の
芳香族スルホニルハライドを反応させる方法[Tetrahed
ron lett., 393(1984)参照]などの反応条件が穏やかな
手段を用いることが望ましい。式(14)で示されるハ
ロゲン化誘導体の式(2)で示されるスルホニル化合物
への変換は、一般に、式:RSOH(式中、R1
前記定義のとおりである)で示されるスルフィン酸また
はその塩と該ハロゲン化誘導体を溶媒中で反応させるこ
とによって実施される。上記スルフィン酸の塩として
は、例えば、p−トルエンスルフィン酸ナトリウムやベ
ンゼンスルフィン酸ナトリウムなどが挙げられ、また、
溶媒としては、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、
ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、トルエ
ン、ベンゼン、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン
などが挙げられるが、これらの中でも極性の高い溶媒が
好ましく用いられる。
【0039】[γ−シクロゲラニルハライドの光学活性
体(3)合成]式(3)で示されるγ−シクロゲラニル
ハライドの光学活性体は、式(4)で示される化合物を
出発原料として反応工程図(C)に従って合成される。
上記において、式(4)で示される化合物は、公知の方
法[Helv. Chim. Acta, 1752 (1952)参照]に従って容
易に製造できる。式(4)で示される化合物は、ウィッ
ティヒ反応によってカルボニル基(C=O)をビニル基
(=C=CH2)に変化することにより式(5)で示さ
れる化合物に導くことができる。この際、ウィッティヒ
反応においては、メチルブロミドやメチルアイオダイド
から誘導されるホスホニウム塩などが用いられる。この
ウィッティヒ反応は、一般に、トルエン、ベンゼン等の
芳香族炭化水素系溶媒やジエチルエ−テル、テトラヒド
ロフランなどのエ−テル系溶媒中で実施される。上記の
ウィッティヒ反応で得られた式(5)で示される化合物
は光学活性体の混合物であるが、かかる化合物から公知
の方法[Helv. Chim. Acta, 539 (1995)参照]に従っ
て、式(6)で示される光学活性な化合物を経て、光学
活性な式(15)で示される化合物を得ることができ
る。かくして得られた式(15)で示される化合物を還
元することにより式(16)で示される光学活性なアル
コ−ルを得る。この還元反応は、通常、ジエチルエ−テ
ル、テトラヒドロフラン等のエ−テル系溶媒やトルエ
ン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒などの溶媒中に
おいて、金属水素化物を用いて行われる。かかる金属水
素化物としては、例えば、ソジウムボロヒドリド、リチ
ウムアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウム
ヒドリドなどが挙げられるが、これらの中でも、安価な
リチウムアルミニウムヒドリドが望ましい。上記で得ら
れた式(16)で示される光学活性なアルコ−ルは、公
知の方法[Can.J.Chem.,46,86-87 (1968)参照]に従っ
て、式(3)で示されるγ−シクロゲラニルハライドの
光学活性体[(+)−γ−シクロゲラニルハライド]に
変換される。
【0040】なお、本発明では、クロリド、ブロミド、
アイオダイド等いずれの(+)−γ−シクロゲラニルハ
ライドも用いることができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例において、旋光度の値はクロロ
ホルム溶液として測定したものであり、また、1H−N
MRは、重クロロホルム(CDCl3)中、テトラメチ
ルシラン(TMS)を基準としたケミカルシフトの値で
ある。 〔実施例1〕(+)−アンブレノリド[(4aR,6a
S,10aS,10bR)−(+)−2,3,4a,
5,6,6a,7,8,9,10,10a,10b−ド
デカヒドロ−4a,7,7,10a−テトラメチルナフ
ト[2,1−b]ピラン−3−オン][式(9)で示さ
れる化合物]の製造。 マロン酸ジメチル(0.330g,2.50mmol)
をナトリウムメトキシド(0.148g,2.74mm
ol)のメタノール(5ml)溶液に室温下で加え、得
られた溶液を30℃にて30分間撹拌した後、(1S,
2R,4aS,8aS)−(−)−(1,2,3,4,
4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−テトラ
ヒドロピラニルオキシ−2,5,5,8a−テトラメチ
ルナフチル)メチルメタンスルホネ−ト([式(7)で
示される化合物](0.403g,1.00mmol)
のヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)
(8ml)溶液と18−クラウン−6の20mgを加
え、68℃にて12時間撹拌した。その後、得られた反
応混合液を冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液中
に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。得られたジエチ
ルエーテル抽出液を飽和食塩水で洗浄し、次いで無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒を留去
し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー[溶
媒:ヘキサン−酢酸エチル=10:1−5:1(体積
比)]で精製し、式(8)で示されるジエステルを1.
2:1のジアステレオマー混合物として0.189g
(収率43%)得た。次に水酸化カリウム(0.085
g,1.5mmol)のエタノール(3ml)溶液に、
上記で得られた式(8)で示されるジエステル(0.1
89g,0.431mmol)のエタノール(2ml)
溶液を加え、55℃にて1.5時間撹拌した。その後、
得られた反応混合液を室温まで冷却した後、1規定塩酸
中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。得られたジエ
チルエーテル抽出液を飽和食塩水で洗浄し、次いで無水
硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒を留去
した。得られた残渣をトルエン(5ml)に溶解させ、
得られたトルエン溶液を95℃にて5分間撹拌した。得
られた反応液を室温まで冷却した後、減圧下にて溶媒を
留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
[溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=6:1−2:1(体積
比)]で精製し、(+)−アレブレノリド(9)0.1
05g(収率:92.1%)を得た。
【0042】上記で得られた化合物の物性値を以下に示
す。式(8)で示されるジエステル ;IR(film)ν(c
m-1):1738(s, C=O), 1150 (m, C-O), 1020 (m, C-O)1 H−NMR (300 MHz) δ(ppm):0.77 and 0.78 (3H
in total, s each, CH 3), 0.81 (3H, s, CH 3), 0.85 a
nd 0.85 (3H in total, s each, CH 3), 1.23 and1.31
(3H in total, s each, CH 3), 1.1-2.1 (21H, m), 3.41
-3.50 (1H, m, CHH-O), 3.71 and 3.73 (3H in total,
s each, CO2-CH 3), 3.73 and 3.75 (3H intotal, s eac
h, CO2-CH 3), 3.82-3.87 and 3.90-3.95 (1H, m, CHH-
O), 4.06-4.09 and 4.16-4.19 [1H in total, m each,
CH-(CO2CH3)2], 4.83 and 4.86 (1Hin total, m each,
O-CH-O)
【0043】(+)−アレブレノリド(9); mp: 142−143℃ [α]D 21: +34.5 (c 1.00) IR (KBr)ν(cm-1): 1738 (s, C=O), 1190 (m), 115
9 (m), 1125 (s, C-O),1043 (s, C-O), 970 (s)1 H−NMR (400 MHz) δ(ppm): 0.82 (3H, s, CH 3),
0.85 (3H, s, CH 3), 0.90 (3H, s, CH 3), 1.38(3H, s,
CH 3), 0.9-1.75 (13H, m), 2.03 (1H, dt, J= 3.2, 1
2.8 Hz), 2.54 [1H, ddd, J=8.4, 9.2, 9.3 Hz, CHHC(=
O)], 2.67 [1H, ddd, J=2.9, 8.5, 18.8 Hz, CHH(C=O)] 高分解能マススペクトル: m/z
【0044】〔実施例2〕(4aR,6aS,10a
S,10bR)−(−)−2,3,4a,5,6,6
a,7,8,9,10,10a,10b−ドデカヒドロ
−4a,7,7,10a−テトラメチル−ナフト[2,
1−b]ピラン−3−オ−ル[式(10)で示される化
合物]の製造 (+)−アレブレノリド(9)(0.377g,1.4
3mmol)のトルエン(20ml)溶液に、ジイソブ
チルアルミニウムヒドリド(1.0M、トルエン溶液、
1.6ml、1.6mmol)を−65℃にて加え、同
温度で1時間撹拌した後、メタノール0.1mlおよび
飽和酒石酸ナトリウム水溶液を加え、得られた混合物を
室温にて2時間撹拌し、次いでクロロホルムで抽出し
た。クロロホルム抽出液を飽和食塩水で洗浄し、次いで
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒を
留去し、得られた残渣をベンゼンで再結晶することによ
って、式(10)で示されるラクトール0.270g
(収率:71.1%)を無色の結晶として得た。この化
合物の物性値を以下に示す。
【0045】mp:196−197℃ [α]D 21: −9.2 (c 0.2) IR (KBr)ν(cm-1):3370 (br. s, OH), 1120 (s,C-
O), 1055 (s, C-O) cm-11H−NMR (400 MHz) δ(pp
m):0.74 and 0.74 (3H in total, s each, CH 3),0.80
(3H, s, CH 3), 0.87 (3H, s, CH 3), 1.28 and 1.28 (3H
in total, s each, CH 3), 1.1-1.75 (14H, m), 1.81
(1H, dt, J = 3.1, 12.5 Hz), 1.99-2.05 (1H, m), 2.6
5 (1H, br, OH), 4.98 (1H, ddd, J = 2.6, 7.1, 8.4 H
z, CH-OH)
【0046】〔実施例3〕(1R,2R,4aS,8a
S,3’E)−(+)−1−[4’−カルボキシメチル
−4’−メチル−3−ヘキシル]−1,2,3,4,4
a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2,5,5,
8a−テトラメチルナフタレン−2−オ−ル [式(1
1)で示される化合物]の製造 1−(メトキシカルボニル)エチリデントリフェニルホ
スホラン(1.5g,4.3mmol)のベンゼン(1
5ml)溶液に、式(10)で示されるラクトール
(0.793g,2.98mmol)を加え、得られた
混合物を70℃にて15時間撹拌した後、減圧下にて溶
媒を留去した。得られた残渣から大部分のトリフェニル
ホスフィンオキシド(Ph3PO)を再結晶(溶媒:ト
ルエン−ヘキサン)によって除去した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー[溶媒:ヘキサン−酢酸エチル
=10:1−4:1(体積比)]、次いで再結晶(溶
媒:ジイソプロピルエーテル−ヘキサン)で精製し、式
(11)で示される化合物0.903g(収率:90.
1%)を白色結晶として得た。この化合物の物性値を以
下に示す。
【0047】mp: 85℃ [α]D 21:+5.8 (c 1.05) IR (KBr)ν(cm-1): 3500 (br. s, OH), 1705 (s, C
=O)1 H−NMR (400 MHz) δ(ppm):0.77 (6H, s, C
H 3), 0.87 (3H, s, CH 3), 1.15 (3H, s, CH 3), 0.9-1.7
5 (14H, m), 1.83 (3H, d, J = 1.4 Hz, CH=C-CH 3),1.8
4 (1H, dt, J = 3.3, 12.4 Hz), 2.17-2.32 (2H, m, CH
2-CH=C), 3.73 (3H,s, CO2-CH 3), 6.80 (1H, dt, J =
1.7, 7.0 Hz, CH2-CH=C) 高分解能マススペクトル: m/z
【0048】〔実施例4〕(1R,2R,4aS,8a
S,3’E)−(+)−1−[4’−カルボキシメチル
−4’−メチル−3−フェニル]−1,2,3,4,4
a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−テトラピ
ラニルオキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフタ
レン[式(12)で示される化合物]の製造 式(11)で示される化合物(0.338g,1.00
mmol)および3,4−ジヒドロ−2H−ピラン
(0.32ml,3.5mmol)のジクロロメタン
(40ml)溶液に触媒量のp−トルエンスルホン酸を
加え、0℃にて1時間撹拌した後、得られた反応混合物
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、ジエチルエ
ーテルで抽出した。ジエチルエーテル抽出液を飽和食塩
水で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー[溶媒:ヘキサン−酢酸エ
チル=20:1−8:1(体積比)]で精製し、式(1
2)で示される化合物0.392g(収率:92.7
%)を1:1のジアステレオマー混合物として得た。得
られた式(12)で真される化合物の物性値を以下に示
す。
【0049】[α]D 21:+2.7 (c 1.06 ) IR (KBr)ν(cm-1): 1710 (s, C=O), 1120 (s, C-O),
1070 (s, C-O), 1025 (s, C-O)1 H−NMR (300 MHz) δ(ppm): 0.77 and 0.78 (3H
in total, s each, CH 3), 0.80 and 0.81 (3H in tota
l, s each, CH 3), 0.85 and 0.85 (3H in total,s eac
h, CH 3), 1.13 and 1.21 (3H in total, s each, CH 3),
1.82 (3H, CH=C-CH 3), 0.9-2.0 (20H, m), 2.10-2.50
(2H, m, CH 2-CH=C), 3.38-3.47 (1H, m, CHH-O), 3.73
and 3.73 (3H in total, s each, CO2-CH 3), 3.82-3.9
8 (1H, m, CHH-O), 4.80 and 4.89 (1H in total, m ea
ch, O-CH-O), 6.80 (1H, m, CH2-CH=C) 高分解能マススペクトル: m/z
【0050】〔実施例5〕(1R,2R,4aS,8a
S,3’E)−(+)−1−[5’−ヒドロキシ−4’
−メチル−3−ペンテニル]−1,2,3,4,4a,
5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−テトラピラニ
ルオキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフタレン
[式(13)で示される化合物]の製造 実施例4で得られた式(12)で示される化合物(0.
392g,0.932mmol)を常法に従い、ジエチ
ルエーテル中、リチウムアルミニウムヒドリド20mg
を用いて還元し、得られた粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー[溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=1
0:1−4:1(体積比)]で精製し、式(13)で示
される不飽和アルコール0.352g(収率:96.2
%)を1:1のジアステレオマー混合物として得た。得
られた式(13)で示される不飽和アルコールの物性値
を以下に示す。
【0051】[α]D 21:−5.9 (c 0.95 ) IR (film)ν(cm-1): 3400 (br. s, OH), 1125 (s, C-
O), 1070 (m, C-O), 1020 (s, C-O)1 H−NMR (300 MHz) δ(ppm):0.77 and 0.78 (3H i
n total, s each, CH 3),0.80 and 0.81 (3H in total,
s each, CH 3), 0.85 and 0.89 (3H in total, seach, C
H 3), 1.12 and 1.19 (3H in total, s each, CH 3), 1.6
4 (3H, s, CH=C-CH 3), 0.9-2.4 (23H, m), 3.39-3.51
(1H, m, CHH-O), 3.84-4.02 (3H, m, CHH-O and CH 2O
H), 4.78 and 4.89 (1H in total, m each, O-CH-O),
5.45 (1H, m,CH 2-CH=C) 高分解能マススペクトル: m/z
【0052】〔実施例6〕(1R,2R,4aS,8a
S,3’E)−(+)−1−[5’−トリルスルホニル
l−4’−メチル−3’−ペンテニル]−1,2,3,
4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−テ
トラヒドロピラニルオキシ−2,5,5,8a−テトラメ
チルナフタレン[式(2)で示されるスルホニル化合
物]の製造 塩化リチウム(0.095g,2.2mmol)と炭酸
水素ナトリウム(0.20g)のジメチルホルムアミド
(DMF)(15ml)溶液に、0℃にて、実施例5で
得られた式(13)で示される不飽和アルコール(0.
274g,0.698mmol)と2,6−ルチジン
(0.35ml,3.0mmol)のDMF(1ml)
溶液を加え、同温度で50分撹拌した後、メタンスルホ
ニルクロリド(0.16ml,2.1mmol)を加
え、得られた混合物を0℃にて2.5時間撹拌し、次い
で得られた反応液に水およびジエチルエーテルを加え、
ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル抽出液
を水、飽和硫酸銅水溶液、水および飽和食塩水で順次洗
浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧
下にて溶媒を留去して、得られた残渣をシリカゲル薄層
クロマトグラフィー[溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=
5:1(体積比)]で精製し、式(14)で示されるハ
ロゲン化誘導体を得た。得られた式(14)で示される
ハロゲン化誘導体を直ちにDMF(5ml)に溶解さ
せ、得られたDMF溶液にp−トルエンスルホン酸ナト
リウム(0.35g,2.0mmol)を加え、室温に
て12時間撹拌した後、得られた反応混合物を水中に注
ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル抽
出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、次いで無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒を留去
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー[溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=12:1−5:1
(体積比)]で精製し、式(2)で示されるスルホニル
化合物0.213 g[収率:57.5%、式(13)
で示される不飽和アルコールを基準とする。]を1:1
のジアステレオマー混合物として得た。得られた化合物
の物性値を以下に示す。
【0053】式(14)で示されるハロゲン化誘導体: IR (film)ν(cm-1): 1670 (w, C=C), 820 (m, C=C)
【0054】式(2)で示されるスルホニル化合物: [α]D 21:+0.6 (c 0.64 ) IR (film)ν(cm-1): 1620 (m, C=C), 1340 cm-1 [s,
S(=O)2], 1155 [s, S(=O)2], 840 (m, aromatic)1 H−NMR (300 MHz) δ(ppm):0.77 (6H, CH 3), 0.8
4 and 0.85 (3H in total, s each, CH 3), 1.09 and 1.
16 (3H in total, s each, CH 3), 1.73 and 1.75(3H in
total, s each, CH=C-CH 3), 0.9-2.2 (22H, m) 2.42
(3H, s, Ph-CH 3),3.38-3.48 (1H, m, CHH-O), 3.68 (2
H, s, CH 2SO2Tol), 3.80-3.96 (1H, m, CHH-O), 4.76 a
nd 4.85 (1H in total, m each, O-CH-O), 5.02 (1H,
m, CH2-CH=C), 7.28-7.34 (2H, m, aromatic) 7.70 and
7.72 (2H in total, d, J = 8.5 Hz, aromatic) 高分解能マススペクトル: m/z
【0055】〔実施例7〕メチル(±)−2,2−ジメ
チル−6−メチレン−1−シクロヘキサンカルボキシレ
−ト[式(5)で示される化合物]の製造 メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(52.5
g,147mmol)とカリウムt−ブトキシド(1
7.5 g,156 mmol)のトルエン(350m
l)溶液を3時間加熱還流し、次いで室温まで冷却し、
同温度で3時間静置した後、上澄をデカンテーションに
より分離し、別途調製した式(4)で示される化合物
(12.5g,67.8mmol)のトルエン(80m
l)溶液に加え、室温にて撹拌した。上記において上澄
みを分離した後の残留物にトルエン(200ml)を加
えて撹拌し、2時間静置することによってさらにメチル
フェニルホスホニウムブロミドより誘導されるイリドを
抽出し、得られたイリドのトルエン溶液を、イリドの黄
色の消失速度が遅くなるまで4時間かけて、先に分離し
た上澄みと式(4)で示される化合物の反応液に加え、
さらに30分撹拌した。得られた反応混合物を水に注
ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル抽
出液を水、飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩
水で順次洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、減圧下にて溶媒を留去した。得られた残渣から大
部分のトリフェニルホスフィンオキシド(Ph3PO)
を再結晶(溶媒:トルエン−ヘキサン)によって除去し
た後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶媒:ペ
ンタン−酢酸エチル=100:1−80:1(体積
比)]、次いで蒸留(105℃,30mmHg)によっ
て精製し、式(5)で示される化合物10.9g(収
率:88.1%)を得た。この化合物の物性値を以下に
示す。
【0056】IR (film)ν(cm-1): 3070 [w, (C=)C-
H], 1740 (s, C=O), 1650 (m, C=C), 895 (m, C=CH2)1 H−NMR (400 MHz) δ(ppm):0.93 (3H, CH 3) and
0.97 (3H, CH3), 1.20-1.30 (1H, m), 1.45-1.70 (2H,
m), 1.79-1.89 (1H, m), 2.07-2.16(1H, m), 2.42-2.51
(1H,m), 2.89 (1H, s), 3.65 (3H, s), 4.73 (1H, s,
C=CHH), 4.85 (1H, s, C=CHH). 高分解能マススペクトル: m/z
【0057】〔実施例8〕(1S)−(+)−2,2−
ジメチル−6−メチレン−1−シクロヘキサンカルボン
酸[式(6)で示される化合物]の製造 上記で得られた式(5)で示される化合物(10.9
g、59.8mmol)を公知の方法[Helv. Chim. Ac
ta, 539 (1995) 参照]に従って加水分解して遊離のカ
ルボン酸とし、次いで(S)−1−フェニルエチルアミ
ンを用いて光学分割することにより、式(6)で示され
る光学活性な化合物を4.12g得た。この化合物の物
性値を以下に示す。
【0058】mp:63℃ [α]D 21:+125.0 (c 0.11) IR (KBr)ν(cm-1): 2950 (br. s, C=O), 1700 (s, C=
O), 900 (s, C=CH2)1 H−NMR (300 MHz) δ(ppm):0.95 (3H, CH 3), 1.0
3 (3H, CH 3), 1.20-1.29(1H, m), 1.44-1.70 (2H, m),
1.79-1.92 (1H, m), 2.08-2.18 (1H, m), 2.41-2.54 (1
H,m), 2.89 (1H,s), 4.82 (1H, s, C=CHH), 4.90 (1H,
s, C=CHH), 9.9-11.0 (1H, br, CO 2H) 高分解能マススペクトル: m/z
【0059】〔実施例9〕メチル(1S)−(+)−
2,2−ジメチル−6−メチレン−1−シクロヘキサン
カルボキシレート[式(15)で示される化合物]の製
造 実施例8で得られた式(6)で示される化合物(0.1
67g,0.993mmol)を常法によってジエチル
エーテル中、ジアゾメタンと反応させることによりメチ
ルエステル化し、得られた粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー[溶媒ペンタン−酢酸エチル=10
0:1−80:1(体積比)]で精製し、式(15)で
示される光学活性な化合物0.180g(収率:99.
4%)を得た。この化合物の旋光度は次のとおりであ
る。 [α]D 21:+101.3 (c 0.10).
【0060】〔実施例10〕(1S)−(+)−2,2
−ジメチル−6−メチレン−1−シクロヘキサンメタノ
ール[式(16)で示される化合物]の製造 実施例9で得られた式(15)で示される化合物(0.
180g,0.988mmol)を常法に従い、ジエチ
ルエーテル中、リチウムアルミニウムヒドリド20mg
で還元し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー[溶媒:ペンタン−酢酸エチル=10:1
−4:1(体積比)]で精製して、式(16)で示され
る化合物0.138g(収率:90.6%)を得た。こ
の式(16)で示される化合物の物性値を以下に示す。
【0061】[α]D 21:+23.7 (c 0.31) IR (film)ν(cm-1): 3375 (br. s, OH), 3070 [w, (C
=)C-H], 1645 (m, C=C),885 (s, C=CH2)1 H−NMR (300 MHz) δ(ppm): 0.87 (3H, CH 3), 0.
96 (3H, CH 3), 1.20-1.62 (4H, m), 2.04 (1H, dd, J=
4.7, 10.9 Hz), 2.08-2.15 (2H, m), 3.64 (1H, t, J =
10.4, CHHOH), 3.72 (1H, dd, J = 4.7, 10.4 Hz, CHH
OH), 4.76 (1H, m,C=CHH), 4.96 (1H, m, C=CHH) 低分解能マススペクトル(EIms)m/z [relative intens
ity(%)]: 154 (M+, 5),136 ([M-H2O]+, 58), 69 (10
0).
【0062】〔実施例11〕(1S)−(+)−2,2
−ジメチル−6−メチレン−1−[1’−(クロロ)メ
チル]シクロヘキサン[式(3)で示される化合物(X
=Cl)]の製造 実施例10で得られた式(16)で示される化合物
(1.54g,10.0mol)を、公知の方法[Can.
J. Chem.,46,86-87(1968)参照]に従って、トリオクチ
ルホスフィンの存在下、四塩化炭素中、75℃の条件で
塩素化し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー[溶媒:ペンタン−酢酸エチル=10:1
−4:1(体積比)]で精製し、式(3)で示される化
合物(X=Cl)1.38g(収率:80.0%)を得
た。この化合物の物性値を以下に示す。
【0063】bp: 70℃(45mmHg) IR (film)ν(cm-1): 3070 [w, (C=)CミH], 1645 (m, C
=C), 895 (s, C=CH2)1 H−NMR (300 MHz) δ(ppm):0.86 (3H, CH 3), 1.0
0 (3H, CH 3), 1.25-1.66(4H, m), 2.02-2.20 (3H, m),
3.58 (1H, t, J = 11.0, CHHCl), 3.78 (1H, dd, J =
3.6, 11.0 Hz, CHHCl), 4.72 (1H, s, C=CHH), 4.94 (1
H, s, C=CHH) 低分解能マススペクトル(EIms)m/z[relative intensi
ty(%)]: 174 (M++2, 4), 172 (M+, 12), 69 (100).
【0064】〔実施例12〕(1S)−(+)−2,2
−ジメチル−6−メチレン−1−[1’−(ブロモ)メ
チル]シクロヘキサン[式(3)で示される化合物(X
=Br)]の製造 実施例10で得られた式(16)で示される化合物
(3.09g,20.0mmol)のピリジン(10m
l)溶液に、メタンスルホニルクロリド(2.3ml,
30.0mmol)を加え、0℃にて1時間撹拌した
後、水、ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテ
ル抽出液を水、飽和硫酸銅水溶液、水および飽和食塩水
で順次洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲ
ル薄層クロマトグラフィー[溶媒:ヘキサン−酢酸エチ
ル=5:1(体積比)]で精製し、式(16)で示され
る化合物のメタンスルホネート誘導体を得た。得られた
メタンスルホネート誘導体を直ちにDMF(10ml)
に溶解させた。得られたDMF溶液に臭化ナトリウム
(4.0g,39mmol)を加え、90℃にて5時間
撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、水に
注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル
抽出液を飽和食塩水で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒を留去した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:
ペンタン)、次いで蒸留(105℃,40mmHg)で
精製し、式(3)で示される化合物(X=Br)2.2
7g[収率:52.2%、式(16)で示される化合物
を基準とする]を得た。得られた化合物の物性値を以下
に示す。
【0065】式(16)で示される化合物のメタンスル
ホネ−ト誘導体: IR (film)ν(cm-1): 3075 [w, (C=)C-H], 1650 (m, C
=C), 1360 [s, S(=O)2],1175 [s, S(=O)2], 895 (s, C=
CH2)1 H−NMR (300 MHz) δ(ppm): 0.88 (3H, CH 3), 1.
01 (3H, CH 3), 1.25-1.62 (4H, m), 2.03-2.28 (3H,
m), 2.99 (3H, SO2CH 3), 4.33 (1H, t, J = 9.9 Hz, CH
HOMs), 4.43 (1H, dd, J = 4.7, 9.9 Hz, CHHOMs), 4.7
0 (1H, s, C=CHH),4.91 (1H, s, C=CHH)
【0066】式(3)で示される化合物(X=Br); IR (film)ν(cm-1): 3075 [w, (C=)C-H], 1645 (m, C
=C), 895 (s, C=CH2) H−NMR (300 MHz) δ(ppm):0.86 (3H, CH 3), 1.
01 (3H, CH 3), 1.24-1.60 (4H, m), 2.02-2.25 (3H,
m), 3.43 (1H, dd, J=10.2, 10.2 Hz, CHHBr), 3.71 (1
H, dd, J=3.6, 10.2 Hz, CHHBr), 4.70(1H, s, C=CHH),
4.94(1H, s, C=CHH) 低分解能マススペクトル(EIms)m/z [relative intens
ity(%)]: 218 (M++2,5), 216 (M+, 5), 137 ([M-B
r]+, 82), 81 (100).
【0067】〔実施例13〕(1R,2R,4aS,8
aS,3’E,1”S)−(+)−1−[6’−
(2”,2”−ジメチル−6”−メチレンシクロヘキシ
ル)−4’−メチル−3−ヘキシル]−1,2,3,
4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−テ
トラヒドロピラニルオキシ−2,5,5,8a−テトラ
メチルナフタレン[式(17)で示される化合物]の製
造 n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液,0.48
ml,0.76mmol)を、実施例6で得られた式
(2)で示されるスルホニル化合物(0.336g,
0.633mmol)をテトラヒドロフラン(THF)
(1.5ml)とヘキサメチルホスホリックトリアミド
HMPA(1.5ml)の混合溶媒に溶解してなる溶液
に、−30℃にて加え、15分間撹拌した。次に、得ら
れた混合物に、−30℃にて、実施例12で得られた式
(3)で示される化合物(X=Br)(0.22g,
1.0mmol)のTHF(0.1ml)溶液を加え、
得られた反応混合物を10℃まで3時間かけて昇温し
た。得られた反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注
ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル抽
出液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩
水で順次洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、減圧下にて溶媒を留去し、得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー[溶媒:ヘキサン−酢酸
エチル=10:1−5:1(体積比)]で精製し、カッ
プリング生成物0.135g(収率:約32%)を得る
とともに、式(2)で示されるスルホニル化合物0.1
97g(収率:58.6%)を回収した。次いで、前記
で得られたカップリング生成物と該カップリング生成物
に対して10mol%となる量のジクロロ[1,2−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム[P
dCl2(dppp)]のTHF(3ml)に溶解して
なる溶液に、0℃にてリチウムトリエチルボロヒドリド
(LiHBEt3)(1.0M、THF溶液,0.81
ml,0.81mmol)を加え、0℃にて8時間撹拌
した。得られた混合物に3規定の水酸化ナトリウム水溶
液(1.5ml)と少量のシアン化カリウムを加え、3
0分間撹拌した後、塩化ナトリウムおよびジエチルエー
テルを加え、ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエ
ーテル抽出液を飽和食塩水で洗浄し、次いで無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、減圧下にて溶媒を留去し、得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶
媒:ヘキサン−酢酸エチル=100:1−50:1(体
積比)]で精製し、式(17)で示される化合物0.0
98g[収率:30%、式(2)で示されるスルホニル
化合物を基準とする]を得た。この化合物の物性値を以
下に示す。
【0068】[α]D 21:+8.0 (c 0.25 ) IR (film)ν(cm-1): 3070 [w, (C=)C-H], 1645 (w, C
=C), 1125 (m, C-O), 1020 (m, C-O,) 885 (m, C=CH2)1 H−NMR (300 MHz) δ(ppm): 0.78 and 0.79 (3H
in total, s each, CH 3), 0.81 and 0.82 (3H in tota
l, s each, CH 3), 0.84 (3H, s, CH 3), 0.86 and0.86
(3H in total, s each, CH 3), 0.92 (3H, s, CH 3), 1.1
5 and 1.21 (3H intotal, s each, CH 3), 1.60 (3H, s,
CH=C-CH 3), 0.9-2.15 (33H, m), 3.43-3.51 (1H, m, C
HH-O), 3.93-4.00 (1H, m, CHH-O), 4.55 (1H, d, 2.4,
C=CHH), 4.75 (1H, m, C=CHH), 4.84 and 4.92 (1H in
total, m each, O-CH-O), 5.15 (1H, m, CH2-CH=C) 高分解能マススペクトル: m/z
【0069】〔実施例14〕実施例13と同様の操作に
よって、式(2)で示されるスルホニル化合物(0.1
19g,0.224mmol)と実施例11で得られた
式(3)で示される化合物(X=Cl)(0.086
g,0.5mmo,l)をカップリングさせ、次いで脱
スルホン化反応を行い、式(17)で示される化合物
0.041g[収率:36%、式(2)で示されるスル
ホニル化合物を基準とする]を得た。
【0070】〔実施例15〕(+)−アンブレイン
(1)の製造 実施例13または実施例14で得られた式(17)で示
される化合物(0.050g,0.097mmol)の
メタノール(1ml)溶液に、ビス(トリメチルシリ
ル)サルフェ−ト(1mg)のジクロロエタン(1m
l)溶液を加え、室温にて2分間撹拌した。得られた反
応混合物にピリジン(0.02ml)を加え、減圧下に
て溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲル薄層クロマ
トグラフィー[溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=10:1
(体積比)]で精製し、(+)アンブレイン(1)0.
033g(収率:79%)を得た。得られた化合物の物
性値を以下に示す。
【0071】mp:81-82℃[mp:81.5-82.5℃(文献
値)(Liebigs Ann. Chem., 361(1990))参照] [α]D 21:+17.2 (c 0.20 ) ([α]D:+18.7 (c 0.6
3)(文献値)[LiebigsAnn. Chem.,361(1990) 参照]) IR (KBr)ν(cm-1): 3400 (br. s, OH), 3075 [w, (C
=)C-H], 1650 (w, C=C),890 (s, C=CH2)1 H−NMR (300 MHz) δ(ppm):0.78 (6H, s, CH 3),
0.83 (3H, s, CH 3), 0.86 (3H, s, CH 3), 0.91 (3H, s,
CH 3), 1.13 (3H, s, CH 3), 1.60 (3H, s, CH=C-CH 3),
0.9-2.12 (28H, m), 4.53 (1H, s, C=CHH), 4.74 (1H,
s, C=CHH), 5.15(1H, dt, J = 1.1, 7.1 Hz, CH2-CH=C) 高分解能マススペクトル: m/z
【0072】また、上記のカラムクロマトグラフィーに
よる精製により、下記の物性を有する少量の(Z)−異性
体も得られた。1 H−NMR (300 MHz) δ(ppm):0.78 (6H, s, CH 3),
0.83 (3H, s, CH 3), 0.87 (3H, s, CH 3), 0.94 (3H, s,
CH 3), 1.25 (3H, s, CH 3), 1.61 (3H, s, CH=C-CH 3),
0.9-2.12 (28H, m) 4.54 (1H, m, C=CHH), 4.74 (1H,
m, C=CHH), 5.10 (1H, m, CH2-CH=C)
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、(+)−アンブレノリ
ドから容易に誘導することができる新規なスルホン化合
物(2)を経る新規な反応工程により、香料として有用
な光学活性な(+)−アンブレンを簡便、かつ安価に効
率よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07M 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1); 【化1】 で示される光学活性な(+)−アンブレインの製造方法
    であって、下記式(2); 【化2】 (式中、符号Yは水酸基の保護基、また、符号R1は有
    機基を示す)で示される[(−)−1−[5’−有機ス
    ルホニル−4’−メチル−3’−ペンテニル]−1,
    2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ
    −2−置換ヒドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチ
    ルナフタレン化合物と、下記式(3); 【化3】 (式中、Xはハロゲン原子を示す)で示されるγ−シク
    ロゲラニルハライドの光学活性体とをカップリングした
    後、脱スルホン化して、下記式(17); 【化4】 (式中、符号Yは前記定義のとおりである)で示される
    化合物を得、次いで、水酸基の保護基Yを脱離すること
    を特徴とする、上記式(1)で示される光学活性な
    (+)−アンブレインの製造方法。
  2. 【請求項2】下記式(2); 【化5】 (式中、符号Yは水酸基の保護基、また、符号R1は有
    機基を示す)で示される[(−)−1−[5’−有機ス
    ルホニル−4’−メチル−3’−ペンテニル]−1,
    2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ
    −2−置換ヒドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチ
    ルナフタレン化合物。
  3. 【請求項3】下記式(2); 【化6】 (式中、符号Yは水酸基の保護基、また、符号R1は有
    機基を示す)で示される[(−)−1−[5’−有機ス
    ルホニル−4’−メチル−3’−ペンテニル]−1,
    2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ
    −2−置換ヒドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチ
    ルナフタレン化合物の製造方法であって、下記式(1
    3); 【化7】 (式中、符号Yは前記定義のとおりであり、また、符号
    X’はハロゲン原子を示す)で示される化合物に、式:
    1SO2H(式中、R1は前記定義のとおりである)で
    示されるスルフィン酸またはその塩を反応させることを
    特徴とする、上記式(2)で示される[(−)−1−
    [5’−有機スルホニル−4’−メチル−3’−ペンテ
    ニル]−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a
    −デカヒドロ−2−置換ヒドロキシ−2,5,5,8a
    −テトラメチルナフタレン化合物の製造方法。
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