JPH10236885A - 塩基性質吹付材 - Google Patents
塩基性質吹付材Info
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- JPH10236885A JPH10236885A JP9056907A JP5690797A JPH10236885A JP H10236885 A JPH10236885 A JP H10236885A JP 9056907 A JP9056907 A JP 9056907A JP 5690797 A JP5690797 A JP 5690797A JP H10236885 A JPH10236885 A JP H10236885A
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Abstract
を使用した吹付材において、その接着強度および耐食性
の改善を図る。 【解決手段】 軽焼マグネシア微粉0.5〜7wt%、
残部が天然マグネシアクリンカーおよび前記以外の耐火
物原料よりなる耐火性骨材と、結合剤を配合し、かつ前
記耐火性骨材に占める天然マグネシアクリンカーの割合
が10wt%以上の塩基性質吹付材。
Description
リンカー使用の塩基性質吹付材に関するものである。
空脱ガス炉などに設けられる耐火物を、吹付け補修する
ことが行なわれている。これに使用される吹付材は、通
常の耐火物と違って補修面に対する付着性(吹付け施工
時の付着率)および接着性(付着後の剥れ難さ)の特性
が要求される。また、吹付材は鋼製品の生産コスト低減
のために、低価格化が強く求められている。
めに、従来から種々提案がなされている。例えば特公平
5−80432号においては、結合剤として珪酸塩ある
いはリン酸塩を添加した吹付材が提案されている。
ら塩基性質が主流である。それに使用される塩基性骨材
は、不純物が少なく且つ安定した品質が補償される合成
品が一般的である。これに対し、天然塩基性骨材を使用
すると耐食性および接着性の低下を招く。特に接着性の
低下は、剥離損傷によって吹付材の寿命が著しく短くな
る。本発明は、低価格化のために天然マグネシアクリン
カーを使用した吹付材において、その接着強度および耐
食性の改善を図ることを目的とする。
ア微粉0.5〜7wt%、残部が天然マグネシアクリン
カーよりなる耐火性骨材と、結合剤を配合した塩基性質
吹付材である。合成マグネシアクリンカーは、海水から
得られた(一部には塩水の湖から採取する場合もある)
水酸化マグネシウムを1700〜2000℃程度の高温
で焼成して製造される。海水マグネシアクリンカーと称
されることもある。
に産出するマグネサイト(MgCO3)を1700〜2
000℃程度の高温で焼成することで製造される。この
焼成で炭酸が分解し、得られた天然マグネシアクリンカ
ーは見掛け気孔率5〜15%〔「日本学術振興会第12
4委員会試験法分科会によるマグネシアクリンカーの見
掛け気孔率の測定」に基づいて測定(以下、学振法と称
する)〕と多孔質組織である。
サイトが資源として国際的に豊富であり、しかも製造が
容易なことから安価である。したがって、吹付材はこれ
を骨材として配合することにより、低価格化を図ること
ができる。しかし、天然マグネシアクリンカーの使用
は、合成マグネシアクリンカーに比べて吹付材の接着性
および耐食性が劣る。これは、天然マグネシアクリンカ
ーが多孔質組織であることに一因する思われる。
に天然マグネシアクリンカーを使用する際、軽焼マグネ
シア微粉を特定量組み合わせることにより、その接着性
および耐食性の改善を図ったものである。本発明におい
て接着性および耐食性の改善理由は、以下のとおりと推
定される。
ために施工水を吸収する。単に天然マグネシアクリンカ
ーを骨材とした吹付材は、この天然マグネシアクリンカ
ーに吸収された水分が、吹付材の吹付後に炉熱を受けて
放出し、その水分放出時の応力で吹付材と補修面との接
着力を低下させる。
水酸化マグネシウムまたは炭酸マグネシウムを1300
℃程度以下(通常は700〜1000℃)で焼成して製
造される。マグネシアクリンカーの通常の焼成温度であ
る1700℃以上に比べて低温で焼成される。
凝集した状態の平均粒子径が約10μm以下(レーザー
回析法による測定)の微粉である。そして、層状の結晶
組織によって、結晶層間に施工水を取り込み、粘土のご
とき粘りを生じる。
吸収と共に、その粘性をもって天然マグネシアクリンカ
ーを包囲し、接着性低下の原因となる天然マグネシアク
リンカーによる施工水の吸収を抑制する。また、軽焼マ
グネシア微粉は施工水との反応で水和し〔MgO+H2
O→Mg(OH)2〕、その際の体積膨張が吹付材の乾燥
脱水の過程での収縮を抑制し、接着性低下の防止をより
確実なものとする。
和した後、300℃以上の加熱を受けると再びマグネシ
アとなるが〔Mg(OH)2→MgO+H2O↑〕、再生さ
れたこのマグネシアはきわめて微細粒子であることか
ら、吹付材組織のマトリックスに充填され、同時に天然
マグネシアクリンカーの表面の多孔質組織に係止され、
吹付材組織を緻密かつ強固し、その結果、吹付材の耐食
性を向上させる。軽焼マグネシア微粉がもつ以上の効果
は、天然マグネシアクリンカーとの組み合わせと、吹付
材としての用途における特有のものである。
クリンカーは、化学成分でMgOが80wt%以上のも
のが好ましい。見掛け気孔率は、5〜15%(学振法)
程度である。その粒度は、従来の吹付材に使用される耐
火性骨材と同様に、密充填組織の施工体が得られるよう
に、粗粒、中粒、微粒に適宜調整して使用する。
組成の吹付材をベースに、骨材中に占める軽焼マグネシ
ア微粉の割合のみを変化させ(軽焼マグネシアの増減に
合わせて粒径0.15mm以下の天然マグネシアクリン
カー割合を増減させた)、吹付材の接着性の変化を示し
たものである。同図から、軽焼マグネシア微粉の特定量
の配合が接着性の向上に効果があることが確認できる。
すなわち、耐火性骨材に占める軽焼マグネシア微粉の割
合が0.5wt%未満では接着性の効果が不十分であ
り、7wt%を超えると粘性が高くなり過ぎてが低下す
る。同グラフには示していないが、7wt%を超えると
付着性も低下する。
大きい。これは、平均粒子径が約10μm以下の微粒子
であることだけでなく、同じ粒径に調整したマグネシア
クリンカーに比べても大きい。本発明で使用する軽焼マ
グネシア微粉は、その中でも特にBET比表面積が5〜
250m2/gのものが最適である。BET比表面積が
5m2/g未満では接着性および耐食性の効果が不十分
となる。250m2/gを超えると他の骨材との混合性
が悪くなるためか、この場合も接着性および耐食性の効
果が低下傾向にある。
材において、軽焼マグネシア微粉のBET比表面積のみ
を変化させ、軽焼マグネシア微粉のBET比表面積と吹
付材の接着性との関係を示したものである。接着性につ
いては、同図の結果からも軽焼マグネシア微粉のBET
比表面積が5〜250m2/gの範囲において特に優れ
ていることが確認できる。
性の試験方法は、実施例の欄に示したものと同様にし
た。本発明は耐火性骨材として、以上のとおり天然マグ
ネシアクリンカーおよび軽焼マグネシア微粉の配合を必
須とするが、さらに前記以外の耐火物原料を組み合わせ
使用してもよい。組み合わせ使用の耐火物原料として
は、塩基性質では合成マグネシアクリンカー、合成また
は天然のドロマイトクリンカー、苦灰石、合成スピネル
クリンカー、電融マグネシア、電融ドロマイト、電融ス
ピネルなどである。非塩基性質では、アルミナ、シリ
カ、アルミナ−シリカ、ムライトなどであり、これらも
天然品、合成品のいずれでもよい。また、珪石、石灰
石、粘土、クロム鉱、ジルコン、ジルコニア、炭素、炭
化物、ほう化物、窒化物、各種れんが屑などでもよい。
特に揮発シリカを0.5〜7wt%配合すると、施工水
の低減に効果がある。
ネシア微粉以外の耐火性骨材を組み合わせ使用する場
合、耐火性骨材に占める天然マグネシアクリンカーの割
合は10wt%以上とし、好ましくは20〜80wt%
である。天然マグネシアクリンカーの割合が10wt%
未満では、本発明における吹付材の低価格化のみなら
ず、接着性の効果に劣る。また、80wt%を超えると
耐食性に低下傾向が見られ、タンデッシュコーティング
材のように高寿命化が要求されない場合は問題ないが、
通常の溶融金属容器の内張り補修には十分なものではな
い。
例えばリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、リン酸
カリ、リン酸カルシウムなどのリン酸塩、珪酸ソーダ、
メタ珪酸イ酸ソーダ、珪酸カリなどの珪酸塩、あるいは
ピッチ、フェノール樹脂、アルミナセメント、ポルトラ
ンドセメントなどであり、骨材に対して外掛けで1〜1
5wt%添加する。また、結合剤の種類によっては、さ
らに硬化促進剤を添加する。硬化促進剤としては、消石
灰などがある。
の添加物として知られている例えばファイバー類、金属
粉、分散剤、乳酸アルミニウム、CMC、粘土などを添
加してもよい。ファイバー類の具体例は、ビニロン(ア
セタール化しないものも含む)、紙繊維、セピオライ
ト、ステンレスファイバーなどである。
して吹付ける湿式法、施工水分をノズル内で添加する乾
式法のほか、予め施工水分を添加混合して吹付ける湿式
法において硬化剤または結合剤のみをノズル内で添加す
る方法などが知られている。本発明の吹付材はいずれの
方法にも使用できる。
1は、各例で使用した骨材の化学分析値と見掛け気孔率
(学振法)である。
試験結果である。試験方法は以下のとおり。 付着性;表面温度1000℃に加熱したマグネシア−カ
ーボン質のれんが積み垂直壁に乾式法によって吹付け、
付着率を求めた。
質レンガの上に、縦・横・深さ各40mmの枠を乗せ、
この枠に加水混練した吹付材を流し込み、1000℃で
15分加熱後、接着曲げ強さを測定した。接着強さ=全
圧(kg)/断面積(cm2)で表した。
形後、回転侵食試験によって侵食寸法を測定した。侵食
剤は、転炉スラグと鋼を重量割合で半々に混合したも
の。侵食温度は1650℃とした。試験結果は溶損寸法
で示し、数値が大きいものほど溶損が大きい。
れんがを内張りした250t転炉の熱間吹付け補修に使
用した。吹付け装置は乾式吹付ガン。吹付補修層の耐用
性を耐用チャージ数によって求めた。
ものである。表3は、骨材に塩基性質原料と非塩基性原
料とを組み合わせたものである。その試験結果から、天
然マグネシアクリンカーを骨材とした吹付材において、
軽焼マグネシア微粉を本発明の範囲内で組み合わせた本
発明実施例は、いずれも接着性および耐食性に優れてい
る。付着性のついてもそん色がない。また、その効果は
実機試験の結果からも確認できる。
主材とし、軽焼マグネシア微粉を配合しない比較例1、
比較例3、比較例4、比較例9、比較例10および比較
例11は、接着性および耐食性に著しく劣る。 合成マ
グネシアクリンカー主体にした比較例2は耐食性に優れ
るが、接着性に劣り、結局は実機試験において十分な耐
用性が得られない。また、合成マグネシアクリンカー主
体とすることで、本発明の低価格化の効果が不十分とな
る。
が本発明範囲での限定量より少なく、接着性に劣る。比
較例6は軽焼マグネシア微粉の配合割合が逆に多過ぎる
もので、接着性および耐食性に劣る
軽焼マグネシア微粉との組み合わせであり、接着性およ
び耐食性において、軽焼マグネシア微粉を配合したこと
による本発明のような顕著な向上は見られない。比較例
8は天然マグネシアクリンカーの割合が少ないために、
本発明による効果が不十分である。
用した塩基性質吹付材において、その接着強度および耐
食性を改善したものである。その結果、吹付材に必要な
前記の特性に優れた低価格の吹付材を提供することがで
きる。最近の海外からの低価格の炉材に対抗するために
も、本発明の産業的価値は大きい。
吹付材において、軽焼マグネシア微粉の配合割合と吹付
材の接着性との関係を示したグラフである。
吹付材において、軽焼マグネシア微粉のBET比表面積
と吹付材の接着性との関係を示したグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 軽焼マグネシア微粉0.5〜7wt%、
残部が天然マグネシアクリンカーよりなる耐火性骨材
と、結合剤を配合した塩基性質吹付材。 - 【請求項2】 軽焼マグネシア微粉0.5〜7wt%、
残部が天然マグネシアクリンカーおよび前記以外の耐火
物原料よりなる耐火性骨材と、結合剤を配合し、かつ前
記耐火性骨材に占める天然マグネシアクリンカーの割合
が10wt%以上の塩基性質吹付材。 - 【請求項3】 軽焼マグネシア微粉がBET比表面積5
〜250m2/gである請求項1または2記載の塩基性
質吹付材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9056907A JPH10236885A (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 塩基性質吹付材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9056907A JPH10236885A (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 塩基性質吹付材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10236885A true JPH10236885A (ja) | 1998-09-08 |
Family
ID=13040534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9056907A Pending JPH10236885A (ja) | 1997-02-24 | 1997-02-24 | 塩基性質吹付材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10236885A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017518943A (ja) * | 2014-04-15 | 2017-07-13 | リフラクトリー・インテレクチュアル・プロパティー・ゲー・エム・ベー・ハー・ウント・コ・カーゲー | 耐火セラミックバッチ、この種のバッチの使用及び冶金溶融器 |
-
1997
- 1997-02-24 JP JP9056907A patent/JPH10236885A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017518943A (ja) * | 2014-04-15 | 2017-07-13 | リフラクトリー・インテレクチュアル・プロパティー・ゲー・エム・ベー・ハー・ウント・コ・カーゲー | 耐火セラミックバッチ、この種のバッチの使用及び冶金溶融器 |
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