JP2002012911A - 溶鋼取鍋の不定形耐火物内張り構造 - Google Patents

溶鋼取鍋の不定形耐火物内張り構造

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 溶鋼取鍋の不定形耐火物内張り構造におい
て、付着物増加による取鍋内容積の低下(ビルドアッ
プ)の防止と、内張りの耐食性および耐スラグ浸透性の
向上を図る。 【解決手段】 耐火骨材組成をMgO・Al系ス
ピネル8〜30質量%、残部アルミナ主体とした流し込
み施工用不定形耐火物によって側壁部および敷部を内張
りし、それぞれ側壁部内張りと敷部内張りにおけるMg
O・Al系スピネルのうち平均粒径5μm以下の
スピネル超微粉が耐火骨材組成全体に占める割合を、側
壁部内張りにあっては、8〜17質量%とし、且つ、敷
部内張りにあっては、平均粒径5μm以下のスピネル超
微粉を含まないか、あるいは精々8質量%未満とし、且
つ敷部内張りのこのスピネル超微粉の割合を前記側壁部
内張りのスピネル超微粉より3質量%以上少なくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流し込み施工用不
定形耐火物によって形成した溶鋼取鍋の内張り構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年における溶鋼取鍋は、溶鋼温度の上
昇、滞湯時間の延長、ガス吹き込み攪拌等による操業の
過酷化によって内張りの損耗が著しい。また、間欠操業
に伴う側壁への付着物増加(ビルドアップ)による取鍋
内容積低下の問題もある。
【0003】この取鍋操業の過酷化による内張りの損耗
は、溶鋼・スラグのアタックによる通常の溶損に加え、
スラグ浸透による変質層厚みの増加が起因した溶損ある
いは構造的スポーリングを招く。また、ビルドアップ
は、スラグと耐火物の反応によって形成する比較的高融
点の生成物の側壁への付着によるものである。
【0004】一方、溶鋼取鍋の内張りは、施工性の面か
ら流し込み施工が一般的であり、これに使用される流し
込み施工用不定形耐火物(以下、流し込みと称する。)
としては、特開平1−87577号公報、特開平2−2
21155号公報などに記載のアルミナ−スピネル質流
し込み材から、耐用性により優れた例えば特開平8−2
975号公報等に記載のアルミナ−マグネシア質流し込
み材に移行しつつある。
【0005】このアルミナ−マグネシア質流し込み材
は、使用中の高温下でアルミナとマグネシアとがスピネ
ル(MgO・Al)生成反応を生じる。そして、
この反応で生成した微細スピネルがマトリックスを緻密
化し、耐食性および耐火物組織強度を向上させる効果が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このアルミナ
−マグネシア質流し込み材は前記スピネル生成反応に伴
う急激な膨張で亀裂が発生し、この亀裂の存在はスラグ
浸透が原因したビルドアップが生じやすい。このため、
アルミナ−マグネシア質流し込み材といえども、取鍋操
業の安定化においては決して十分なものではない。
【0007】一方、アルミナ−スピネル質流し込み材そ
のものも知られており、急激な膨張がなく施工体そのも
のは安定しているが、アルミナ−マグネシア質で見られ
るマトリックス部での微細スピネルの形成がない分、耐
食性および耐スラグ浸透性に劣るという欠点がある。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、アルミ
ナ−スピネル質がもつ容積安定性の維持と、アルミナ−
マグネシア質流し込み材で見られる微細スピネル生成に
よるマトリックス部の緻密化を併せ有する溶鋼取鍋の内
張り構造を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】溶鋼取鍋の内張りは、側
壁内張りと敷部内張りとに大別される。敷部は溶鋼の受
湯・排出に伴い、著しい熱衝撃を受ける。スラグは溶綱
湯面に浮遊することから側壁はスラグに接する機会が多
く、耐食性および耐スラグ浸透性の面で敷部よりも使用
条件が過酷である。このため、側壁内張りと敷部内張
り、それぞれの使用条件に見合う材質の選定が必要であ
る。
【0010】本発明においては、溶鋼取鍋の内張り構造
の側壁内張りと敷部内張りに不定形耐火物としてスピネ
ル超微粉を適量添加したアルミナ−スピネル質流し込み
材を適用した。
【0011】しかし、スピネル超微粉はその反応性の高
さから耐火物組織の過焼結を招き、著しい熱衝撃を受け
る敷部内張りにおいては耐スポーリング性を低下し、結
局は耐用性に劣ることになる。そこで、スピネル超微粉
を適量添加したアルミナ−スピネル質流し込み材を側壁
内張りに使用し、敷部の内張りはスピネル超微粉を添加
しないかあるいは特定量以下にしたアルミナ−スピネル
質流し込み材とし、この両者の組み合わせ構造が溶鋼取
鍋の内張り全体としての耐用性が格段に向上するという
知見を得て、本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は、耐火骨材組成をMg
O・Al系スピネル8〜30質量%、残部アルミ
ナ主体とした流し込み施工用不定形耐火物によって側壁
部および敷部を内張りし、それぞれ側壁部内張りと敷部
内張りにおけるMgO・Al 系スピネルのうち平
均粒径5μm以下のスピネル超微粉が耐火骨材組成全体
に占める割合を、側壁部内張りにあっては8〜17質量
%とし、且つ、敷部内張りにあっては、平均粒径5μm
以下のスピネル超微粉を含まないか、あるいは精々8質
量%未満とし、且つ敷部内張りのこのスピネル超微粉の
割合を前記側壁部内張りのスピネル超微粉より3質量%
以上少なくしたことを特徴とする。
【0013】側壁部内張りにおけるスピネル超微粉は、
マトリックスの緻密化による耐食性、耐スラグ浸透性に
効果をもつ。このスピネル超微粉は耐火物使用中にスピ
ネル反応で生成するものではなく、予め存在しているこ
とで、アルミナ−マグネシア質流し込み材の場合に見ら
れる急激な膨張の問題がない。したがって、耐スポーリ
ングにも優れている。
【0014】一方、敷部内張りはスピネル超微粉を添加
しないかあるいは特定量以下にしたことで過焼結を抑制
し、受湯時の著しい熱衝撃に対しても耐スポーリング性
の低下を防止する。
【0015】敷部内張りは基本的にスピネル超微粉を添
加しないことで過焼結を防止し、受湯時の激しい熱衝撃
に対しても優れた耐スポーリング性を発揮する。なお、
敷部内張りは側壁内張りと違ってスラグラインと常に接
しないことで、耐食性において耐スラグ浸透性の影響は
少ない。
【0016】溶鋼取鍋はその操業において溶鋼を排出し
た後、敷部に付着した地金除去を酸素洗浄によって行う
ことがある。酸素洗浄は地金の溶融温度が1800℃以
上の超高温になることから、敷部内張りにスピネル超微
粉の添加で酸素洗浄に対する耐食性の向上を図ることが
好ましい。しかし、その場合も敷部内張りの耐スポーリ
ング性を確保するため、スピネル超微粉の割合は、耐火
骨材組成全体に対して8質量%未満にすることが必要で
ある。
【0017】ビルドアップは側壁内張りにおいて生じる
現象である。本発明におけるスピネル超微粉は予め添加
したものであるため、側壁内張りにおいてアルミナ−マ
グネシア質流し込み材に見られる亀裂発生がなく、ビル
ドアップの原因となるスラグ浸透が防止され、耐ビルド
アップ性にも優れた効果をもつ。
【0018】溶鋼取鍋は溶鋼温度、二次精錬処理等の操
業条件によって、側壁部内張りでのスピネル超微粉の添
加量を本発明で限定した範囲内で適宜変化させることが
できる。例えば溶鋼温度が低いあるいは二次精錬処理時
間が短い等、操業条件が比較的厳しくない場合は、側壁
部内張りにおけるスピネル超微粉の割合を押さえること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明で使用する流し込み材にお
いて、耐火骨材としてのスピネルは、MgO・Al
を主成分とした焼結品あるいは電融品とする。Mg
O、Al それぞれの割合は必ずしもスピネル理論
組成である必要はなく、例えばMgOの割合が8〜30
質量%のものが使用できる。
【0020】耐火骨材組成に占めるスピネルの割合は、
8質量%未満で耐食性、耐スラグ浸透性に劣り、30質
量%を超えると耐スラグ浸透性が低下する。
【0021】アルミナは電融品、焼結品のいずれでもよ
い。また、微粉部には仮焼品を使用してもよい。アルミ
ナのうち、ばん土けつ岩、ボーキサイト等の天然原料は
Al 純度が低いことから、これらを使用する場合
は一部にとどめ、Al純度が高い合成品を主体に
することが好ましい。
【0022】耐火骨材組成に占めるアルミナの割合は、
前記スピネルが占める残部の主体となるが、好ましくは
70〜92質量%である。
【0023】側壁部内張りは前記アルミナ−スピネル質
において、耐火骨材組成全体に占める割合で、MgO・
Al系スピネルのうち平均粒径5μm以下さらに
好ましくは2μm以下のスピネル超微粉を8〜17質量
%とする。このスピネル超微粉の割合が8質量%未満で
は耐スラグ浸透性の効果に劣り、17質量%を超えると
耐スポーリング性が低下する。
【0024】敷部内張りは基本的にはスピネル超微粉を
添加しないが、酸素洗浄による地金除去時の溶損を防止
するためにスピネル超微粉を適量添加してもよい。その
際は、敷部内張りの耐火骨材組成におけるスピネルのう
ち平均粒径5μm以下のスピネル超微粉を8質量%未満
とし、且つ敷部内張りのこのスピネル超微粉の割合を前
記側壁部内張りでのスピネル超微粉の割合より3質量%
以上少なくする。
【0025】敷部内張りの耐火骨材組成におけるスピネ
ル超微粉の割合は溶鋼取鍋の操業条件によって調整でき
る。操業条件が厳しくない場合はスピネル超微粉の割合
が比較的多くてもよい。しかし、敷部内張りでの耐スポ
ーリング性の効果を顕著にするために、この敷部内張り
におけるスピネル超微粉の割合は前記のように側壁部内
張りより3質量%以上少なくすることが必要である。
【0026】ここで使用するスピネル超微粉について、
その製造方法は特に限定されない。例えば仮焼アルミ
ナ、水酸化アルミニウム等のアルミナ源と軽焼マグネシ
ア、水酸化マグネシウム等のマグネシア源とを任意の割
合で混合し、焼成後、微粉砕して得る。
【0027】耐火骨材としての一般的なスピネルの焼成
温度は通常1800〜2000℃であるが、本発明で使
用するスピネル超微粉は活性度あるいは微粉砕が容易等
により、例えば1600℃以下さらに好ましくは110
0〜1500℃といった低温焼成品の使用が好ましい。
【0028】スピネル超微粉の化学組成は、例えばMg
O:20〜30質量%、残部がAl 主体とする。
MgOが多過ぎると施工水との水和の問題があり、好ま
しくない。
【0029】なお、このスピネル超微粉の平均粒径の測
定は、例えばレーザー式粒度分布測定器で行うことがで
きる。
【0030】本発明で使用する流し込み材に使用する耐
火骨材は、スピネルおよびアルミナを主体にするが、さ
らに例えばマグネシアを組み合わせ使用してもよい。マ
グネシアを組み合わせる場合は、耐スポーリング性を低
下させないために耐火骨材の合量100質量%に占める
割合で5質量%以下が好ましい。特に敷部の内張りに対
するマグネシアの量は耐スポーリング性を損なわないよ
うに少なくすることが必要である。また、マグネシアを
組み合わせた場合は、それに合わせてスピネル超微粉以
外のスピネルの割合を低減させる必要がある。
【0031】耐火骨材組成として他にもシリカ、ムライ
ト、カルシア、マグネシア−カルシア、ジルコン、ジル
コニア、クロミア、炭素、炭化物、窒化物、ほう化物、
粘土、ムライト等を一部に組み合わせてもよいが、これ
らは熱間強度を低下させる原因となりやすいので耐火骨
材組成に占める割合で5質量%以下の範囲で調整する。
【0032】各耐火骨材の粒径は、本発明で使用するス
ピネル超微粉の割合を考慮した上で、従来の流し込み材
と同様に、粗粒,中粒、微粒に調整する。
【0033】耐火骨材以外の添加物については従来材質
と特に変わりがない。例えば、耐火粗大粒、分散剤、硬
化促進剤、硬化遅延剤、乾燥促進剤、Al等の金属粉、
揮発シリカ、塩基性乳酸アルミニウム、ガラス粉、ピッ
チ粉、有機質ファイバー、炭素質ファイバー、金属質フ
ァイバー(例えばステンレス鋼ファイバー)、セラミッ
クファイバー等を添加してもよい。
【0034】耐火粗大粒は耐スポーリング性の向上を主
の目的とする。具体的な材質は、アルミナ、スピネル等
の焼結品、電融品あるいはこれらを主材とした耐火物廃
材が挙げられる。その粒径は通常10〜50mmであ
る。添加量は、耐火性骨材100質量%に対する外掛け
で40質量%以下、好ましくは10〜35質量%であ
る。多過ぎると施工時の流動性の低下で密充填組織が得
られない。
【0035】有機質ファイバーは急激な昇温時の施工体
爆裂を防止する。例えばビニロン、ポリビニルアルコー
ル、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンなどの高分子有機質とする。長さは1
〜10mmが好ましい。その添加量は耐火骨材の合量1
00質量%に対して外掛け0.05〜1質量%が好まし
い。少ないと耐スポーリング性の効果が得られず、多い
と耐食性の低下を招く。
【0036】敷部内張りは受湯時の熱衝撃応力を緩和す
るために鋼ファイバー、ステンレス鋼ファイバー等の金
属質ファイバーの添加が特に好ましい。敷部内張りに金
属質ファイバーを添加する場合、その割合は耐火骨材組
成100質量%に対し外掛け0.5〜4質量%が好まし
い。
【0037】結合剤はアルミナセメントが最も好ましい
が、これに限らずマグネシアセメント、乳酸アルミニウ
ム等でもよい。その割合は耐火骨材100質量に対し外
掛け1〜15質量%が好ましい。
【0038】分散剤は流動性付与のために最も一般的に
使用される。その具体例は、トリポリリン酸ソーダ、ヘ
キサメタリン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ、酸
性ヘキサメタリン酸ソーダ、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ
などの無機塩、クエン酸ソーダ、酒石酸ソーダ、ポリア
クリル酸ソーダ、スルホン酸ソーダ、ポリメタリン酸
塩、ポリカルボン酸塩、β−ナフタレンスルホン酸塩
類、ナフタリンスルフォン酸等である。耐火骨材組成1
00質量%に対して0.01〜0.5質量%程度添加さ
れる。
【0039】流し込み材の施工は、以上の組成全体に対
して外掛け4〜8質量%程度の施工水を添加・混合して
行われる。施工時には、充填性を高めるためにバイブレ
ータにより振動を付与するのが好ましい。また、溶鋼容
器等に中子を使用して直接施工する他、予め流し込み施
工して得たプレキャストブロックとして内張りしてもよ
い。
【0040】側壁内張りの頂部に位置するスラグライン
は、耐スラグ侵食性に優れた耐火物を配置することが好
ましい。その材質は例えばMgO−C質、MgO−Cr
質、ロー石等のれんが材質、あるいはMgO−C
aO質等の不定形耐火物材質から、取鍋の操業条件に合
わせて適宜選択使用する。
【0041】施工性の面から本発明では敷部内張の全体
を本発明で限定した敷部内張り用材質とすることが好ま
しいが、必要によっては敷部のうち湯当り部に耐溶鋼落
下衝撃性に優れた他の材質を配置してもよい。
【0042】側壁部および敷部の内張りは本発明の流し
込み材を直接施工してもよいし、背面にパーマ内張りを
介在してもよい。また、この内張り構造は新規な内張り
施工、使用後の継ぎ足し施工のいずれにも適応できる。
【0043】
【実施例】表1に本発明の実施例とその試験結果を示
す。表2は、比較例とその試験結果を示す。同表におい
て、側壁部に対しスピネル超微粉を含まない比較例1と
スピネル超微粉の割合が少ない比較例2と、側壁部、敷
部ともスピネル超微粉の割合が多い比較例3を示す。比
較例4は、側壁部がスピネル超微粉を含むスピネル全体
の割合が本発明より多く、比較例5は側壁部にアルミナ
−マグネシア質を使用したもので、また、比較例6は側
壁部のスピネル超微粉の平均粒径が大きい例を示し、さ
らに、比較例7は側壁部、敷部共にスピネル超微粉を規
定量の範囲外添加したもので、敷部のスピネル超微粉を
多く含む例を示す。
【0044】それぞれの流し込み材は、100トン溶鋼
取鍋における内張り構造に適用し、敷部を厚さ約180
〜200mmで内張りした後、中子を用いて側壁部を厚
さ約100mmをもって内張りした。この内張りは敷
部、側壁部共に振動を付与しつつ流し込み施工した。次
いで、24時間養生後、1000℃で加熱熱乾燥し、施
工を完了した。
【0045】
【表1】
【表2】 表1の試験結果が示すように、実施例はいずれも敷部に
おける損耗速度が小さく、また、側壁についてはビルド
アップ防止効果に優れている。なお、側壁は後述する比
較例の場合も同様であるが、ビルドアップの原因ともな
る付着物の存在で損耗されていない。そして、側壁部、
敷部の耐用性にバランスが取れていることで、内張り全
体としての寿命が格段に向上している。
【0046】これに対して、表2の試験結果に示すよう
に、比較例1と比較例2は、スラグ浸透が原因でビルド
アップが大きく、取鍋内容積の低下によって耐用性に劣
る。また、比較例3は側壁部、敷部のいずれもスポーリ
ングによる剥離が大きく、耐用性に劣る。比較例4は側
壁部のビルドアップが大きい。比較例5はビルドアップ
が著しい。また、比較例6は、スラグ浸透抑制の効果に
劣り、ビルドアップが大きく、さらに、比較例7は敷部
のスポーリング損傷が大きい結果を示している。
【0047】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は溶鋼取鍋におけ
る側壁、敷部の各使用条件に見合う材質を見出し、それ
らを側壁、敷部の各部位に内張りしたものであるので、
溶鋼取鍋の内張り全体としての耐用性が向上できる。ま
た、側壁、敷部のいずれの内張り材質も基本的にはアル
ミナ−スピネル質であり、使用原料の種類、品質管理等
での共通性が高く、耐火物の製造および内張り施工を効
率的に行うことができる。
【0048】溶鋼取鍋の内張りは施工の省力化のため、
側壁、敷部共に流し込み施工するオール不定形耐火物が
今後ますます普及することが予想される。本発明の内張
り施工技術は基本的には各部位共にアルミナ−スピネル
質であることで、オール不定形耐火物がもつ施工の省力
化を損なうこともない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 35/66 C04B 35/66 S F27D 1/00 F27D 1/00 N D 1/16 1/16 F (72)発明者 礒部 利弘 北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎播 磨株式会社第二製造事業部八幡不定形工場 内 (72)発明者 笠原 始 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵株 式会社広畑製鐵所内 (72)発明者 福谷 富士夫 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵株 式会社広畑製鐵所内 Fターム(参考) 4E014 BA02 BC01 4G033 AA02 AA03 AA24 BA01 4K002 BB02 BC10 4K051 AA06 AB03 AB05 BB03 BE03 LC01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火骨材組成が、MgO・Al
    スピネル8〜30質量%を含み、残部がアルミナ主体と
    する流し込み施工用不定形耐火物によって側壁部および
    敷部を内張りし、それぞれ側壁部内張りと敷部内張りに
    おけるMgO・Al系スピネルのうち平均粒径5
    μm以下のスピネル超微粉が耐火骨材組成全体に占める
    割合を、側壁部内張りにあっては8〜17質量%とし、
    敷部内張りにあっては平均粒径5μm以下のスピネル超
    微粉を含まないことを特徴とする溶鋼取鍋の不定形耐火
    物内張り構造。
  2. 【請求項2】 耐火骨材組成が、MgO・Al
    スピネル8〜30質量%を含み、残部がアルミナ主体と
    する流し込み施工用不定形耐火物によって側壁部および
    敷部を内張りし、それぞれ側壁部内張りと敷部内張りに
    おけるMgO・Al系スピネルのうち平均粒径5
    μm以下のスピネル超微粉が耐火骨材組成全体に占める
    割合を、側壁部内張りにあっては8〜17質量%とし、
    敷部内張りにあっては、8質量%未満であって、且つ、
    側壁部内張りより3質量%以上少なくしたことを特徴と
    する溶鋼取鍋の不定形耐火物内張り構造。
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