JP2003171184A - 耐食性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物用SiC、その製造方法及び不定形耐火物原料 - Google Patents

耐食性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物用SiC、その製造方法及び不定形耐火物原料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常に緻密で耐食性に優れたSiC含有不定
形耐火物を効率良く製造するためのSiC、その製造方
法および不定形耐火物原料を提供する。 【解決手段】 平均粒径が0.01〜3mmのSiCであ
り、粒径0.125mm以下のSiC中の遊離けい素含有量
が0.01〜0.5質量%で、更に遊離けい素と遊離けい酸の
合計の含有量が遊離けい酸換算で0.01〜2質量%、遊離
炭素含有量が0.01〜1.5質量%であることを特徴とする
不定形耐火物用SiC。そのSiCを製造する際に、S
iCをアルカリ洗浄、酸洗浄、炭化、窒化する方法。そ
のSiCを5〜80質量%、残部はアルミナ及び/又はス
ピネルからなる耐火骨材100質量%に対し、結合材とし
てアルミナセメントを外掛けで0.5〜10質量%添加した
不定形耐火物原料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属容器、溶
融金属処理装置、焼却炉等に使用する炭化珪素(SiC)
含有不定形耐火物の原料に適したSiCとその製造方
法、及び、そのSiCを用いた不定形耐火物原料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】工業的に使用されているSiCは、ほと
んどの場合、原料の珪石・珪砂と炭素材とをアチソン型
電気炉で通電加熱し、珪石・珪砂(SiO)を炭素
(C)で還元してSiCを合成するいわゆるアチソン法
によって製造されている。アチソン法によって比較的大
きなSiCインゴットを製造することが可能であり、目
的に応じて粉砕・分級してSiC原料として使用する。
得られたSiC原料中の不純物は、原料の珪石・珪砂と
炭素材の反応生成物、未反応残留物であるSi(遊離け
い素)、SiO(遊離けい酸)、C(遊離炭素)、又
は原料の珪石・珪砂と炭素材中の不純物や粉砕媒体から
の混入が起因となるFe、Alが主な成分となってい
る。
【0003】SiCは、溶融ガラスに対して化学的に安
定であり、耐酸化性が比較的大きく、酸化物と比較する
と熱膨張係数が小さく、高い硬度を有しているので、定
形耐火物や不定形耐火物用の原料、発熱体、研磨材とし
て主に使用されている。また、ファインセラミックス用
の原料やSiCの導電性を利用した塗料用の原料とし
て、粒径が1μm以下のSiC超微粉が利用される。
尚、塗料用のSiC原料は、特開平6−183717号
公報に示されるように、塗料中の水ガラスと反応する物
質を除去する目的で酸洗浄やアルカリ洗浄が実施される
場合がある。
【0004】SiCを使用した不定形耐火物としては、
アルミナ−SiC質、アルミナ−スピネル−SiC質、
アルミナ−SiC−C質、アルミナ−スピネル−SiC
−C質の材料等が有り、鉄鋼製造関連では高炉、混銑車
や溶銑鍋等の製銑工程で主に使用されている。例えば、
高炉出銑樋用としては、一般的にアルミナ−SiC−C
質不定形耐火物が用いられ、アルミナ、SiC、C以外
の原料としては、主に、アルミナセメント等の結合材、
炭化ホウ素やホウ珪酸系ガラス等の炭素の酸化防止材、
Al、有機発泡剤や有機繊維等の乾燥爆裂防止材等が添
加されている。
【0005】これらの不定形耐火物の成形方法として
は、流し込み法、吹付け法等がある。流し込み法では、
前記の原料と水をミキサーで混練後、所定形状に流し込
んで成形し、養生して形状付与する。また、吹付け法
は、乾式法、半乾式法、湿式法があり、例えば乾式法で
は、前記材料を圧縮空気によってホース圧送し、ホース
の出口直前で水と混合し、被施工体に吹付けて形状付与
する。吹付け法は、吹付けられた不定形材料を急速に硬
化させる必要があり、そのために前記原料の他に消石
灰、アルミン酸ソーダ、水ガラス等の急結剤が使用され
る。
【0006】成形された不定形耐火物は、加熱乾燥して
混練水を除去してから使用される。前記原料の中で乾燥
爆裂防止材は、乾燥時に急速加熱しても不定形耐火物内
部に大きな水蒸気圧が発生しないように、事前に水蒸気
の逃げ道となる通気経路を形成して、不定形耐火物の爆
裂や亀裂発生を防止する目的で添加される。Alは
(1)式に示すように養生時にアルミナセメント等によ
ってアルカリ性となった混練水と反応して水素ガスを発
生し、水素ガスが不定形耐火物から抜ける時に通気経路
を形成する。
【0007】 2Al + 2OH + 6HO → 2Al(OH) + 3H (1) 有機発泡剤は、同様に養生時にガスを発生し、ガスが不
定形耐火物から抜ける時に通気経路を形成する。有機繊
維は、加熱乾燥中の熱水への溶解や脱水収縮によって通
気経路を形成する。
【0008】このように乾燥爆裂防止材は、乾燥中に水
蒸気が不定形耐火物の外に抜けるための通気経路を事前
に形成して不定形耐火物の乾燥時の爆裂や亀裂発生を防
止するので、不定形耐火物の施工の観点からは優れた添
加材であるが、材料特性の観点からは欠点も有してい
る。通気経路を形成することによって乾燥時の爆裂や亀
裂発生を防止する方法なので、得られる不定形耐火物の
気孔径は大きくなり、耐酸化性や耐スラグ浸潤性の観点
からは好ましくない。また、Alと有機発泡剤は、不定
形耐火物の硬化が不十分な養生中に発生するガスによっ
て材料に微細なクラックを形成する場合があり、極端な
場合は、材料が大きく膨れる場合がある。有機繊維は混
練水分量を増加させると共に、有機繊維が加熱焼失した
部分は気孔となるので、得られる不定形耐火物の気孔径
と気孔率は大きくなる。つまり、乾燥爆裂防止材の添加
は、不定形耐火物中に欠陥を形成し気孔率を大きくする
ので、材料特性の観点からは好ましくない。
【0009】特開平6−183717号公報に開示され
たSiC粉末をアルカリ処理する発明は、平均粒径が1
μm以下の超微粉で、Si含有量が0.02質量%以下とい
う非常に高純度のSiCを対象としたカラーブラウン管
の内装用導電性塗料の原料に関し、水素ガス発生を防止
することを目的とするものであり、本発明が対象とする
不定形耐火物用SiCとは平均粒径、純度が異なり、養
生・乾燥中の不定形耐火物の爆裂や欠陥発生を防止し、
耐食性に優れた不定形耐火物を製造することについて、
何も記載されていない。
【0010】爆裂防止剤を使用しないで緻密化した不定
形耐火物は、時間をかけて乾燥すれば水蒸気圧による爆
裂を回避できるが、製造効率が非常に悪くなってしま
う。この場合、本出願人が特公昭54−32175号公
報や特願2001−117335号に開示したように、
マイクロ波を不定形耐火物に照射して内部加熱するマイ
クロ波乾燥を用いると、効率良く乾燥することが可能で
ある。
【0011】しかしながら、SiCを含有する不定形耐
火物は、爆裂防止剤の添加量を少なくし、かつ、緻密化
すると、マイクロ波乾燥しても乾燥中に60℃以上で亀裂
が発生する場合や爆裂する場合がある。これは、下記
(2)式のようにSiC中に不純物として含まれる遊離
けい素が、不定形耐火物原料中のアルミナセメントや原
料によってアルカリ性となった混練水と反応して発生す
る水素ガスの圧力が原因となる。
【0012】 Si + 2OH + HO → SiO 2− + 2H (2) マイクロ波による加熱は、高精度の温度制御が可能であ
り、内部加熱なので乾燥中における材料の温度分布のバ
ラツキを非常に小さくすることが可能である。したがっ
て、材料全体を均一に温度制御することで、内部に発生
する水蒸気圧を制御し、水蒸気圧による亀裂の発生や爆
裂を防止することができる。ところが、(2)式による
水素ガスの発生は化学反応であり、温度によって制御す
ることが困難である。マイクロ波乾燥は、材料全体を均
一に加熱し、材料全体で(2)式により一斉に水素ガス
が発生することになり、通常の熱風乾燥よりも乾燥亀裂
や爆裂が発生し易くなる。
【0013】原料専門委員会報告集第61回(耐火物技
術協会、平成13年9月13日発行)第22頁「緻密質
キャスタブルブロックへの炭化珪素添加の問題点」に
は、Siを微量含むSiC微粉について、事前にアルカ
リ水溶液と反応させ、Siを除去することが爆裂防止に
有効であることが記載されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐食性、耐
スポーリング性に優れ、養生・乾燥中の不定形耐火物の
爆裂や欠陥を防止する乾燥性に優れた不定形耐火物を製
造するためのSiC、その製造方法及び不定形耐火物原
料を提供することを目的とする。特に、マイクロ波を利
用して効率良く乾燥することが可能な不定形耐火物を製
造するために必要なSiC、その製造方法及び不定形耐
火物原料を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】係る課題を解決するた
め、本発明の要旨とするところは、(1)平均粒径が0.0
1〜3mmのSiCであって、粒径0.125mm以下のSi
C中の遊離けい素含有量が0.01〜0.5質量%であること
を特徴とする耐食性、耐スポーリング性、乾燥性に優れ
た不定形耐火物用SiC、(2)平均粒径が0.01〜3mm
のSiCであって、粒径0.125mm以下のSiC中の遊
離けい素と遊離けい酸の合計の含有量が遊離けい酸換算
で0.01〜2質量%で、かつ遊離炭素含有量が0.01〜1.5質
量%であることを特徴とする前記(1)に記載の耐食
性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物用
SiC、(3)80℃のアルカリ水溶液中で24時間加熱し
た時に、SiCの単位質量当りのガス発生量が0.0055N
3/kg以下であることを特徴とする前記(1)又は
(2)に記載の耐食性、耐スポーリング性、乾燥性に優
れた不定形耐火物用SiC、(4)前記(1)〜(3)の
何れか1項に記載のSiCを製造する方法であって、S
iCをアルカリ水溶液で洗浄することを特徴とする耐食
性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物用
SiCの製造方法、(5)アルカリ水溶液が水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア
の1種又は2種以上からなる水溶液であることを特徴とす
る前記(4)に記載の耐食性、耐スポーリング性、乾燥
性に優れた不定形耐火物用SiCの製造方法、(6)ア
ルカリ水溶液での洗浄の前又は後に、酸の水溶液で洗浄
することを特徴とする前記(4)又は(5)に記載の耐食
性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物用
SiCの製造方法、(7)酸の水溶液が塩酸、硝酸、硫
酸、酢酸、燐酸、弗酸の1種又は2種以上からなる水溶液
であることを特徴とする前記(6)に記載の耐食性、耐
スポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物用SiC
の製造方法、(8)前記(1)〜(3)の何れか1項に記載
のSiCを製造する方法であって、SiCを弗酸と硝酸
を含む混酸水溶液で洗浄することを特徴とする耐食性、
耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物用Si
Cの製造方法、(9)前記(1)〜(3)の何れか1項に記
載のSiCを製造する方法であって、SiCを炭化雰囲
気中1200〜1800℃で加熱処理することを特徴とする耐食
性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物用
SiCの製造方法、(10)前記(1)〜(3)の何れか1
項に記載のSiCを製造する方法であって、SiCを窒
化雰囲気中1000〜1600℃で加熱処理することを特徴とす
る耐食性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐
火物用SiC原料の製造方法、(11)不定形耐火物原料
の最大粒径10mm以下の部分が、前記(1)〜(3)の何
れか1項に記載のSiCを5〜80質量%含有し、残部はア
ルミナ及び/又はスピネルからなる耐火骨材100質量%
に対し、結合材としてアルミナセメントを外掛けで0.5
〜10質量%添加したことを特徴とする耐食性、耐スポー
リング性、乾燥性に優れた不定形耐火物原料、(12)更
に、最大粒径10mm以下の耐火骨材100質量%に対し、
内掛けで炭素を0.5〜10質量%含有することを特徴とす
る前記(11)に記載の耐食性、耐スポーリング性、乾燥
性に優れた不定形耐火物原料、(13)更に、最大粒径10
mm以下の耐火骨材100質量%に対し、粒径10〜100mm
のアルミナ、スピネル、SiC、アルミナ及び/又はス
ピネル−SiC質、アルミナ及び/又はスピネル−Si
C−C質の材料の1種又は2種以上を外掛けで5〜100質量
%含有することを特徴とする前記(11)又は(12)に記
載の耐食性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定形
耐火物原料、(14)最大粒径10mm以下の耐火骨材100
質量%に対し、外掛けでAl、有機発泡剤、有機繊維の
何れか1種又は2種以上を合計で0.01〜1質量%含有する
ことを特徴とする前記(11)〜(13)の何れか1項に記
載の耐食性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定形
耐火物原料、(15)不定形耐火物原料を水と混練後、80
℃で24時間加熱した時に、不定形耐火物単位質量当りの
ガス発生量が0.0015Nm3/kg以下であることを特徴
とする前記(11)〜(14)の何れか1項に記載の耐食
性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物原
料、(16)マイクロ波乾燥に用いることを特徴とする前
記(11)〜(15)の何れか1項に記載の耐食性、耐スポ
ーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物原料、にあ
る。
【0016】尚、本発明において、粒径0.125mm以下
のSiCとは,0.125mmのJISふるいを通過したS
iCのことである。また、0.125mmより大きい粒径は
JISふるいで測定し、0.125mm以下の粒径は堀場製
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定し、それ
らの値から算出したメジアン粒径を平均粒径と定義す
る。
【0017】SiCの遊離けい素量、遊離けい酸量及び
遊離炭素量は、JIS−R6124の炭化けい素研削材
の化学分析方法に従って測定した値と定義する。また、
遊離けい酸量に換算した遊離けい素と遊離けい酸の合計
の含有量は、2.139×(遊離けい素量)+(遊離けい酸
量)と定義する。
【0018】また、本発明でSiCとは文中で特に断り
のない限り不定形耐火物原料に用いる炭化けい素原料の
ことをいい、化学式で表されるSiCの他にSi等の不
純物を含有する状態のものを指す。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明者らは、SiCを含有する
不定形耐火物の耐食性を向上させることを目的とし、不
定形耐火物の緻密化とマトリックス部の低融点物生成量
低減の観点から、SiC,そのSiCを使用した不定形
耐火物と乾燥方法について検討した。
【0020】以下、本発明について、詳細に説明する。
【0021】前記(1)に係る発明において、不定形耐
火物に使用するSiCは、平均粒径が0.01〜3mmであ
り、その中で粒径0.125mm以下の部分について、遊離
けい素含有量が0.01〜0.5質量%であり、また、前記
(2)に係る発明においては、更に、遊離けい素と遊離
けい酸の合計の含有量が遊離けい酸換算で0.01〜2質量
%で、かつ、遊離炭素含有量が0.01〜1.5質量%とす
る。このように規定したSiCを使用すると、非常に緻
密で耐食性と耐スポーリング性が高く、急速に乾燥する
ことが可能なSiC含有不定形耐火物を製造することが
できる。
【0022】まず、本発明のSiCは、平均粒径を0.01
〜3mmとする。平均粒径が0.01mm未満のSiCを不
定形耐火物原料に使用した場合には、超微粉領域に偏る
ことになり、一方、平均粒径が3mmを超えるSiCを
不定形耐火物原料に使用した場合には、粗粒領域に偏る
ことになる。このように、SiCが不定形耐火物原料の
超微粉領域あるいは粗粒領域に偏ることになると、不定
形耐火物を施工する時に必要な流動性が得られなくなる
ばかりか、不定形耐火物にSiCを添加する目的である
溶融スラグに対する化学的安定性向上や低熱膨張性付与
の効果が得られない。
【0023】次に、SiCの中で粒径0.125mm以下の
部分について、遊離けい素含有量を0.01〜0.5質量%、
好ましくは0.01〜0.3質量%とする。粒径が0.125mm以
下以下の遊離けい素含有量が0.5質量%を超えると、緻
密なSiC含有不定形耐火物は乾燥中に亀裂や爆裂が発
生するが、これは以下の理由によると考えられる。アチ
ソン法では、珪石・珪砂(SiO2)を炭素(C)で還元し
てSiCインゴットを製造するが、その際に、SiCイ
ンゴットのSiC結晶中や結晶粒界に微細な遊離けい素
が生成する。不定形耐火物の原料となるSiCは、その
SiCインゴットを粉砕して得られるため、SiC中の
遊離けい素は、SiCの粒子の内部や表面に存在する場
合と、粉砕過程で遊離けい素単独の微粒子になって存在
する場合がある。粉砕によって、単独相の粒子として存
在する遊離けい素はSiCの微粉部に存在し、微粉部の
粒径の小さいSiCは遊離けい素がSiC粒子の表面に
現れている確率が大きくなっている。したがって、Si
Cの微粉部に存在する遊離けい素は、周囲を純粋なSi
Cで囲まれてないものが多いので、不定形耐火物原料中
のアルミナセメントや原料によってアルカリ性となった
混練水と接触し、不定形耐火物の乾燥過程で60℃以上に
なると(2)式によって活発に水素ガスが発生し、緻密
な不定形耐火物の乾燥亀裂や爆裂の発生原因となる。ま
た、不定形耐火物原料に使用するSiCの場合、効果と
コストの観点から、粒径が0.125mm以下のSiC中の
遊離けい素含有量を0.01質量%未満にする必要はない。
【0024】前記(2)に係る発明において、SiCの
中で粒径0.125mm以下の部分について、遊離けい素と
遊離けい酸の合計の含有量を遊離けい酸換算で0.01〜2
質量%、好ましくは0.01〜1質量%とする。遊離けい酸
換算の遊離けい素と遊離けい酸の合計の含有量が2質量
%より多くなると、SiC含有不定形耐火物の耐食性と
耐スポーリング性が小さくなるが、これは以下の理由に
よると考えられる。粒径が0.125mm以下の微粉部の遊
離けい素は、前述したようにSiC粒子の表面に現れて
いる場合が多く、不定形耐火物中で酸化するとけい酸と
なる。また、遊離けい酸は、主にアチソン法でSiCイ
ンゴットを製造する際の原料である珪石が還元されずに
残ったものである。この微粉部のけい酸(SiO2)量が多
くなると、不定形耐火物原料の骨材からのAl2O3あるい
はMgO、アルミナセメントからのCaOから形成されるAl2O
3-CaO-SiO2系あるいはAl2O3-CaO-MgO-SiO2系の低融物の
生成量が多くなり、耐食性が低下すると共に稼動面側の
加熱された部分が過焼結して耐スポーリング性(耐熱衝
撃性)が低下することになると考えられる。また、不定
形耐火物原料に使用するSiCの場合、効果とコストの
観点から、粒径が0.125mm以下のSiC中の遊離けい
素と遊離けい酸の合計の含有量を遊離けい酸換算で0.01
質量%未満にする必要はない。
【0025】次に、SiCの中で粒径0.125mm以下の
部分について、遊離炭素含有量を0.01〜1.5質量%、好
ましくは0.01〜1質量%とする。遊離炭素含有量が1.5質
量%より大きくなると、炭化けい素含有不定形耐火物の
耐食性が小さくなるが、これは以下の理由によると考え
られる。遊離炭素は、主にアチソン法でSiCインゴッ
トを製造する際の原料である炭素源の黒鉛やコークスが
残ったものや、生成したSiCが高温に曝されて分解生
成したものである。粒径0.125mm以下のSiC中の遊
離炭素量が多くなると、そのSiCを含有する不定形耐
火物は、施工に必要な流動性を得るための混練水量が多
くなる。その結果、不定形耐火物の乾燥後、不定形耐火
物中で混練水が占めていた部分は気孔となるので、混練
水量が多くなると不定形耐火物は気孔率が大きくなり耐
食性が低下することになる。また、不定形耐火物原料に
使用するSiCの場合、効果とコストの観点から、粒径
が0.125mm以下の遊離炭素含有量を0.01質量%未満に
する必要はない。
【0026】前記(1)又は(2)に係る発明におい
て、SiCの中で粒径0.125mmより大きい部分につい
ては、遊離けい素含有量、遊離けい素と遊離けい酸の合
計の含有量、及び遊離炭素含有量は、通常アチソン法で
工業的に製造されているSiCの範囲であれば問題ない
が、0.125mm以下の部分と同じ規定範囲を満足するこ
とが好ましい。
【0027】特開平6−183717号公報、及び原料
専門委員会報告集第61回(耐火物技術協会、平成13
年9月13日発行)第22頁「緻密質キャスタブルブロ
ックへの炭化珪素添加の問題点」には、SiCをアルカ
リ洗浄によって遊離けい素を除去する方法が記載されて
いる。前記(1)に係る発明は所定粒径以下のSiC中
の遊離けい素濃度のみを規制することによって、また、
前記(2)に係る発明は上記遊離けい素だけなく、遊離
けい酸および遊離炭素も除去することによって、更に緻
密で耐食性と耐熱衝撃性が良好な不定形耐火物を製造す
ることを可能とする点で異なる。
【0028】前記(3)に係る発明において、不定形耐
火物に使用するSiCは、100gのSiCを,200gの5
質量%水酸化ナトリウム水溶液中80℃で24時間加熱した
時に、SiCの単位質量当りのガス発生量が0.0055Nm
3/kg以下であることとする。
【0029】SiCの単位質量当りのガス発生量が0.00
55Nm3/kgを超えると、非常に緻密な不定形耐火物
は、乾燥中に亀裂が発生する場合や爆裂する場合があ
る。特に、好ましくは、SiCの単位質量当りのガス発
生量が0.003Nm3/kg以下、更に好ましくは0.002N
3/kg以下であることが望ましい。特に、マイクロ
波を利用して乾燥する場合は、0.002Nm3/kg以下で
あることが望ましい。
【0030】前記(4)に係る発明において、上記の条
件を満たすSiCは、通常のアチソン法でインゴットを
製造し、粉砕・分級後、アルカリ水溶液で洗浄して得る
ことができる。このアルカリ洗浄によって、アルカリ水
溶液と接触した遊離けい素と遊離けい酸は、それぞれ
(2)式と(3)式に従って溶解除去される。
【0031】 SiO + 2OH → SiO 2− + HO (3) (2)式の遊離けい素の溶解速度は大きいので、SiC
中の遊離けい素は、原料専門委員会報告集第61回(耐
火物技術協会、平成13年9月13日発行)第22頁
「緻密質キャスタブルブロックへの炭化珪素添加の問題
点」に示されているように、SiCをアルカリ溶液に浸
漬するだけで比較的簡単に除去できる。
【0032】それと比較して、(3)式の遊離けい酸の
溶解速度は小さいので、本発明の規定を満たしたSiC
を得るためには、高温でアルカリ洗浄したり、アルカリ
洗浄中に攪拌することが有効である。アルカリ洗浄後、
炭化けい素原料を水洗することが好ましく、その後乾燥
する。
【0033】SiC中の遊離炭素は、アルカリ洗浄と水
洗の工程で除去することができる。SiCとアルカリ水
溶液を混合した際に一部の遊離炭素が水溶液表面に浮か
ぶので、それを除去する。また、水洗を実施する場合
は、十分に撹拌することが望ましい。撹拌することで、
SiC中の遊離炭素が比重差で分離され、除去すること
ができる。SiC中の遊離炭素を積極的に除去する目的
で、水簸あるいは比重選鉱を実施することもできる。
【0034】粒径0.125mm以下のSiCのみを予め分
級した後にアルカリ水溶液で洗浄してもよい。
【0035】前記(5)に係る発明において、アルカリ
水溶液は、取り扱いの容易性やコストの観点から水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモ
ニアの1種又は2種以上からなる水溶液を用いることが好
ましい。アルカリ水溶液の濃度は、0.5〜20質量%好ま
しくは5〜15質量%の範囲が好適である。濃度がこの範
囲より低い場合は、多量のアルカリ水溶液が必要であ
り、また処理に時間がかかり過ぎるので、非能率的であ
る。濃度がこの範囲を超えると強アルカリとなって取り
扱いに対する危険度が高くなり、好ましくない。
【0036】前記(6)に係る発明において,アルカリ
水溶液での洗浄の前又は後に酸の水溶液で洗浄すること
で、SiCの不純物である鉄含有量を減少させることが
できる。鉄は不定形耐火物中で酸化物となって低融点物
生成の原因となるので、その含有量は少ない方が良い。
【0037】前記(7)に係る発明において、酸の水溶
液は取り扱いの容易性やコストの観点から塩酸、硝酸、
硫酸、酢酸、燐酸、弗酸の1種又は2種以上からなる水溶
液を使用することが好ましい。酸水溶液の濃度は、0.5
〜20質量%の範囲が好適である。濃度がこの範囲より低
い場合は、多量の酸水溶液が必要であり、また処理に時
間がかかり過ぎるので、非能率的である。濃度がこの範
囲を超えると強酸となって取り扱いに対する危険度が高
くなり、好ましくない。酸洗浄は、処理温度を上げるこ
とや攪拌することによって、処理時間を短縮することが
できる。
【0038】アルカリ洗浄および酸洗浄の後は、SiC
をアルカリ水溶液中もしくは酸水溶液中で沈殿させ、上
澄み液を除去し、乾燥する。また、必要に応じて、アル
カリ洗浄または酸洗浄の後、水洗によってアルカリ、酸
を除去する工程を加える。前述したように、アルカリ洗
浄、酸洗浄、水洗の工程を工夫することで、SiC中の
遊離炭素量を低下させることができる。
【0039】前記(8)に係る発明において、SiCは
通常のアチソン法でインゴットを製造し、粉砕・分級
後、弗酸と硝酸を含む混酸水溶液で洗浄して得ることが
できる。
【0040】SiC中の遊離けい素と遊離けい酸は、弗
酸と硝酸を含む混酸水溶液に溶解する。同時に、この酸
処理によって、SiCの不純物であるFe含有量を減少
させることができる。酸水溶液の濃度は、0.5〜20質量
%の範囲が好適である。濃度がこの範囲より低い場合
は、多量の酸水溶液が必要であり、また処理に時間がか
かり過ぎるので、非能率的である。濃度がこの範囲を超
えると強酸となって取り扱いに対する危険度が高くな
り、好ましくない。酸洗浄は、処理温度を上げることや
攪拌することによって、処理時間を短縮することができ
る。酸洗浄後、SiCを水洗することが好ましく、その
後乾燥する。前述したように、SiC中の遊離炭素は、
酸洗浄と水洗の工程で除去することができる。SiC
は、酸水溶液と混合した際に一部の遊離炭素が水溶液表
面に浮かぶので、それを除去する。また、水洗を実施す
る場合は、十分に撹拌することが望ましい。撹拌するこ
とで、SiC中の遊離炭素が比重差で分離され、除去す
ることができる。SiC中の遊離炭素を積極的に除去す
る目的で、水簸あるいは比重選鉱を実施することもでき
る。
【0041】前記(9)に係る発明において,SiCは
通常のアチソン法でインゴットを製造し、粉砕・分級
後、SiCを炭化雰囲気中1200〜1800℃で加熱処理して
得ることができる。例えば、一酸化炭素ガス中あるいは
炭化水素ガスと水素ガスの混合ガス中でSiCを加熱す
ると、SiC中の遊離けい素と遊離けい酸は炭化けい素
に変化する。炭化処理温度が1200℃より低いとSiC化
が不十分であり、一方1800℃より高い温度での炭化処理
は効果とコストの観点から必要ないので、1200〜1800℃
とする。SiC中の遊離炭素は、前述したように、水
洗、水簸あるいは比重選鉱を実施することで減量するこ
とができる。
【0042】前記(10)に係る発明において,SiCは
通常のアチソン法でインゴットを製造し、分級後、Si
Cを窒化雰囲気中1000〜1600℃で加熱処理して得ること
ができる。例えば、窒素ガス中、窒素ガスと水素ガスの
混合ガス中あるいはアンモニアガス中でSiCを加熱す
ると、SiC中の遊離けい素と遊離けい酸はSi
(窒化けい素)あるいはSiON(酸窒化けい素)
に変化するする。窒化処理温度が1000℃より低いとSi
化あるいはSiON化が不十分であり、一方
1600℃より高いとSiが昇華するので、1000〜16
00℃とする。SiC中の遊離炭素は、前述したように、
水洗、水簸あるいは比重選鉱を実施することで減量する
ことができる。
【0043】前記(11)に係る発明において,不定形耐
火物原料の粒径10mm以下の部分が、前記(1)〜(3)
の何れか1項に記載のSiC5〜80質量%と残部がアルミ
ナ及び/又はスピネルからなる耐火骨材100質量%から
なり、前記(12)に係る発明では,更に内掛けで炭素を
0.5〜10質量%含有する耐火骨材100質量%からなり、そ
れぞれの耐火骨材100質量%に対し、結合材としてアル
ミナセメントを外掛けで0.5〜10質量%添加する。不定
形耐火物原料の粒径10mm超の部分は特に限定しないの
で、粒径10mmを超える原料を含有するものだけでな
く、含有しないものも前記(11)又は(12)に係る発明
の範囲内とする。
【0044】このようにして調整した不定形耐火物原料
は、非常に緻密な不定形耐火物を製造することが可能で
あり、耐食性、耐スポーリング性、乾燥性に優れたアル
ミナ及び/又はスピネル−SiC質不定形耐火物、また
は、アルミナ及び/又はスピネル−SiC−C質不定形
耐火物を得ることができる。
【0045】ここでSiCは、前記の条件を満たすSi
Cを粒径10mm以下の耐火骨材100質量%に対して内掛
けで5〜80質量%使用する。使用量が5質量%より少ない
と溶融スラグに対する耐食性や耐スポーリング性が低下
し、80質量%を超えると溶融した鉄に対する耐食性が低
下する。
【0046】アルミナは、電融又は焼結アルミナ、仮焼
アルミナ、焼成ボ−キサイト、ばん土頁岩等のアルミナ
含有量が80質量%以上のアルミナ質耐火骨材の中から1
種又は2種以上を使用する。
【0047】スピネルは、電融又は焼結スピネル、仮焼
スピネル等のスピネル質耐火骨材の中から1種又は2種
以上を使用する。このスピネルは、コモンタイプ、アル
ミナリッチタイプのいずれでも良い。また、テルミット
法によって、鉄−バナジウム合金の製造過程により副生
する廃滓に代表されるMgO−Al23系バナジウム滓
をスピネルとして使用することもできる。
【0048】アルミナ及び/又はスピネルの合計の使用
量は、粒径10mm以下の耐火骨材100質量%に対して内
掛けで10〜80質量%とすることが好ましい。使用量が10
質量%より少ないと溶融した鉄に対する耐食性が低下
し、80質量%を超えると溶融スラグに対する耐食性や耐
スポーリング性が低下する。
【0049】炭素は、ピッチ、メソフェーズピッチ、カ
ーボンブラック、人造黒鉛、鱗状黒鉛、土状黒鉛、コー
クス、無煙炭等の中から1種又は2種以上を、耐火骨材
100質量%に対して内掛けで0.5〜10質量%使用する。緻
密な不定形耐火物を得るためには、ピッチ、メソフェー
ズピッチ、カーボンブラックを使用することが好まし
い。炭素は、溶融スラグに濡れ難い性質を利用して、ス
ラグ浸潤を防止する目的等で使用する場合が有るが、使
用量が0.5質量%より少ないとその様な効果が得られな
い。また、使用量が10質量%を超えると混練水分量が多
くなって緻密な不定形耐火物が得られなくなる。
【0050】その他の耐火骨材として、電融又は合成ム
ライト、シリマナイト、アンダリューサイト、カイヤナ
イト、シャモット、粘土、ロー石、珪石、溶融シリカ、
蒸発シリカ等の珪酸質微粒子、電融又は焼結マグネシ
ア、電融又は焼結ジルコニア、ジルコン、クロム鉱、電
融又は焼結マグネシア−ライム、電融ジルコニア−ムラ
イト、電融アルミナ−ジルコニア、窒化珪素、窒化珪素
鉄、チタニア等の耐火原料及び、アルミナ及び/又はス
ピネル−SiC質、アルミナ及び/又はスピネル−Si
C−C質等の材料を粒径10mm以下の耐火骨材100質量
%中に内掛けで30質量%以内の範囲で使用することがで
きる。
【0051】尚、本発明における耐火骨材100質量%と
は、前記の粒径10mm以下のアルミナ、スピネル、炭
素、及び、その他の耐火骨材の合計使用量を100質量%
とした値である。これらの耐火骨材は、不定形耐火物と
して適する粒度構成に調整して使用する。また、その他
の耐火骨材として使用することができるアルミナ及び/
又はスピネル−SiC質、アルミナ及び/又はスピネル
−SiC−C質等の材料は、前記材質の実炉未使用、あ
るいは、実炉使用後の定形れんが、あるいは、不定形耐
火物を粒径10mm以下に調整して用いることが可能であ
る。無論、前記材質となるように前記の耐火原料を粒径
10mm以下に成形して用いることができる。
【0052】アルミナセメントは、例えばJIS規格の
1種、2種もしくは3種等に分類されるものの中から1
種又は2種以上を、耐火骨材100質量%に対して外掛け
で0.5〜10質量%使用する。使用量が0.5質量%より少な
いと不定形耐火物の強度が小さくなり、10質量%を超え
ると耐食性が低下する。アルミナセメントは結合材とし
て使用するが、その他の結合材としてリン酸塩、ケイ酸
塩、マグネシアセメント、乳酸アルミニウム、グリコー
ル酸アルミニウム、乳酸−グリコール酸アルミニウム等
を組み合わせて用いても良い。
【0053】その他、不定形耐火物原料に一般に添加さ
れている分散剤等の添加剤、酸化防止材、金属ファイバ
ー、乾燥爆裂防止材等は、必要に応じて使用することが
できる。
【0054】添加剤は、例えば分散剤として、トリポリ
リン酸、ヘキサメタリン酸、ウルトラポリリン酸、酸性
ヘキサメタリン酸、ポリメタリン酸等の縮合リン酸、ホ
ウ酸、炭酸等の無機酸及びその塩類や、クエン酸、酒石
酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリカルボン
酸、スルホン酸、リグニンスルホン酸、メラミンスルホ
ン酸、ポリスチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸
等の有機酸及びその塩類等の中から1種又は2種以上
を、耐火骨材100質量%に対して外掛けで0.01〜1質量
%程度添加することができる。その他の添加剤として、
硬化促進剤、硬化遅延剤、増粘剤等を耐火骨材100質量
%に対して外掛けで0.01〜1質量%程度添加することが
できる。
【0055】酸化防止材は、加熱時の炭素の酸化を防止
する目的で、炭化ホウ素、窒化珪素、ホウ化ジルコニウ
ム、ホウ化カルシウム、リン酸ガラス、ホウ珪酸ガラ
ス、ホウリン酸ガラス等を耐火骨材100質量%に対して
外掛けで0.01〜5質量%程度使用することできる。ま
た、酸化防止材として、Al、Si、Al−Si合金等
の金属を耐火骨材100質量%に対して外掛けで0.01〜10
質量%程度添加することができるが、その場合、混練、
養生、乾燥中に金属が水と反応しないように、例えば金
属表面を被覆する等の処置が必要である。
【0056】金属ファイバーは不定形耐火物使用中の亀
裂発生の低減を目的として、鋼製やステンレス製等のフ
ァイバーを耐火骨材100質量%に対して外掛けで0.1〜10
質量%程度添加することができる。形状は長さ10〜50m
m、断面長さ0.1〜1mmの線状とすることが好ましい。
【0057】後述する(14)の発明のように、本発明に
おいて乾燥爆裂防止材として、Al粉末、有機発泡剤、
有機繊維等の何れか1種又は2種以上を添加することが
できるが、これらを添加すると気孔径及び気孔率が大き
くなるので、無添加とすることが好ましい。
【0058】更に、前記(13)に係る発明において、10
mm以下の耐火骨材100質量%に対し、粒径10〜100mm
のアルミナ、スピネル、SiC、アルミナ及び/又はス
ピネル−SiC質、アルミナ及び/又はスピネル−Si
C−C質の材料の1種又は2種以上を外掛けで5〜100質量
%添加して使用することができる。アルミナとスピネル
は、前記の耐火骨材用のアルミナ及びスピネルと同材質
のものを用いることができる。SiCは、通常のアチソ
ン法で製造したものを使用する。SiC中の遊離けい素
含有量、遊離けい素と遊離けい酸の合計の含有量と遊離
炭素含有量は、通常アチソン法で工業的に製造されてい
るSiCの範囲であれば問題ないが、0.125mm以下の
部分と同じ規定範囲を満足することが好ましい。
【0059】アルミナ及び/又はスピネル−SiC質、
アルミナ及び/又はスピネル−SiC−C質の材料は、
前記の耐火骨材用のアルミナ、スピネル、SiC、炭素
が主原料の材料であり、結合材や前記のその他の耐火骨
材等を内掛けで30質量%以内の範囲で含有することがで
きる。
【0060】アルミナ及び/又はスピネル−SiC質、
アルミナ及び/又はスピネル−SiC−C質の材料は、
前記材質の実炉未使用、あるいは、実炉使用後の定形れ
んが、あるいは、不定形耐火物を粒径10〜100mmに調
整して用いることができる。また、前記材質となるよう
に前記の耐火原料を粒径10〜100mmに成形して用いる
ことができる。
【0061】更に、粒径10〜100mmのその他の組成の
原料、例えば前記のその他の耐火骨材やマグネシア−C
質材料のようなその他の組成の材料の1種又は2種以上
を、耐火骨材100質量%に対して外掛けで20質量%以内
であれば,添加して使用することができる。
【0062】前記(14)に係る発明において、乾燥爆裂
防止材として、Al粉末、有機発泡剤、有機繊維等の何
れか1種又は2種以上を合計で耐火骨材100質量%に対
して0.01〜1質量%使用することができる。有機発泡剤
は、例えばアゾジカルボンアミド等が有り、また、有機
繊維は、ビニロン(ポリビニールアルコールを含む)、
レーヨン、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、
ポリエチレンなどの高分子有機繊維が有る。
【0063】ただし、Al粉末、有機発泡剤、有機繊維
は、前述したように不定形耐火物中に欠陥を形成し気孔
径及び気孔率を大きくするので、緻密な不定形耐火物を
製造する場合は、耐火骨材100質量%に対して,Alは
0.1質量%以下、有機発泡剤は0.1質量%以下、有機繊維
は0.1質量%以下とすることが望ましい。
【0064】前記(15)に係る発明において、本発明の
不定形耐火物原料は、水と混練後、80℃で24時間加熱し
た時に、不定形耐火物単位質量当りのガス発生量が0.00
15Nm3/kg以下、好ましくは0.001Nm/kg以
下、更に好ましくは0.0005Nm /kg以下であること
とする。ガス発生量が0.0015Nm3/kgより多い場
合、緻密な不定形耐火物は乾燥中に亀裂が発生する場合
や爆裂する場合がある。
【0065】不定形耐火物の成形は、従来と同様に、本
発明の粒径10mm以下の不定形耐火物原料100質量%に
対して混練水を外掛け3〜10質量%程度添加・混合し、
流し込み法あるいは吹き付け法等によって実施する。流
し込み成形の場合は、混練水が3〜7質量%好ましくは3
〜5質量%となるように調整して、緻密な不定形耐火物
を得る。吹付け法では、吹付けた不定形材料を急速に硬
化させる必要があり、そのために前記原料の他に消石
灰、アルミン酸ソーダ、水ガラス等の急結剤を使用す
る。
【0066】前記(16)に係る発明において、本発明の
不定形耐火物原料は成形後、養生、乾燥してから使用さ
れるが、マイクロ波を利用した乾燥に用いることに適し
ている。(2)式に従って、SiC中の遊離けい素が原
因となって発生する水素ガスは、乾燥中に60℃以上の
温度になると急激に発生量が多くなる。マイクロ波を利
用した乾燥は、効率の良い内部加熱方法であり、均一加
熱が可能な乾燥方法であるが、均一加熱であるために、
乾燥中に不定形耐火物の内部は均一に60℃以上に達
し、不定形耐火物の内部全体で一斉に水素ガスが発生す
ることになる。したがって、マイクロ波を利用した乾燥
は、従来の外部加熱による乾燥の場合よりも、この水素
ガスが原因となる内部ガス圧の上昇が大きく、乾燥中に
亀裂や爆裂の発生が生じやすい。本発明の不定形耐火物
原料は、SiC中の遊離けい素が原因となる水素ガスの
発生が少ないので、マイクロ波を利用して緻密な不定形
耐火物を効率良く乾燥することができる。
【0067】
【実施例】実施例1 表1は、本発明の実施例と比較例のSiCを示す。
【0068】「粒子径」は、0.125mm以上の粒径はJ
ISふるいで測定し、0.125mm以下の粒径は堀場製レ
ーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した。平均
粒径は、メジアン粒径を示す。
【0069】「遊離けい素(質量%)」、「遊離けい酸
(質量%)」、「遊離炭素(質量%)」、「全鉄(質量
%)」は、JIS−R6124の炭化珪素研削材の化学
分析法にしたがって測定した値である。「遊離けい酸換
算の遊離けい素+遊離けい酸(質量%)」は、前記の
「遊離けい素(質量%)」と「遊離けい酸(質量%)」
より、2.139×(遊離けい素量)+(遊離けい酸量)と
算出した値である。
【0070】「ガス発生量」は、下記の手順でアルカリ
処理、酸処理、混酸処理、炭化処理あるいは窒化処理し
て得たSiCをV型コーンミキサーで1時間混合した
後、SiCと10質量%水酸化ナトリウム水溶液を質量比
1:2で混合し、80℃で24時間加熱した時のSiC単位
質量当りのガス発生量を示す。
【0071】
【表1】
【0072】実施例A〜FとLは、アルカリ処理を実施
して得たSiCであり,実施例GとHはアルカリ処理と
酸処理を実施して得たSiCである。表中の「1)アル
カリ処理と2)酸処理」の欄は、アルカリ処理を実施し
たものは「1)」、アルカリ処理後に酸処理を実施した
ものは「1)→2)」、酸処理後にアルカリ処理を実施
したものは「2)→1)」と記入している。
【0073】アルカリ処理は、下記の手順で実施した。
先ず、10質量%水酸化ナトリウム水溶液あるいは10質量
%水酸化カリウム水溶液とSiCを質量比1:1で混合
し、その際に水溶液表面に浮いた粉末を除去した。その
後、80℃に加熱して所定時間撹拌後、中性になるまで十
分に撹拌しながら水洗を繰り返した。水酸化ナトリウム
水溶液でアルカリ処理したSiCは「1)水酸化ナトリ
ウム」の欄に、水酸化カリウム水溶液でアルカリ処理し
たSiCは「1)水酸化カリウム」の欄に、それぞれア
ルカリ処理の時間を記入している。
【0074】また、酸処理は、下記の手順で実施した。
先ず、10質量%硫酸水溶液とSiCを質量比1:1で混
合し、その際に水溶液表面に浮いた粉末を除去した。そ
の後、80℃に加熱して所定時間撹拌後、中性になるまで
十分に撹拌しながら水洗を繰り返した。「2)硫酸」の
欄に酸処理の時間を記入している。
【0075】実施例Iは、メタンガスと水素ガスが5:
1の割合の混合ガス気流中1400℃で熱処理して得たSi
Cであり、実施例Jは、窒素ガスと水素ガスが5:1の
割合の混合ガス気流中1300℃で熱処理して得たSiCで
ある。
【0076】実施例Kは、5質量%フッ酸と5質量%硝酸
の混酸水溶液で処理して得たSiCであり、下記の手順
で実施した。先ず、混酸水溶液とSiCを質量比1:1
で混合し、その際に水溶液表面に浮いた粉末を除去し
た。その後、50℃に加熱して所定時間撹拌後、中性にな
るまで十分に撹拌しながら水洗を繰り返した。「混酸処
理(フッ酸+硝酸)」の欄に酸処理の時間を記入してい
る。
【0077】比較例Mは、下記の手順でアルカリ処理し
て得たSiCである。先ず、10質量%水酸化ナトリウム
水溶液とSiCを質量比1:1で混合し、そのまま静置
して0.5時間80℃に加熱後、上澄みの水溶液を排出し、
水洗を2回実施した。アルカリ処理が不十分で、遊離け
い素、遊離けい酸、遊離炭素の含有量が本発明の規定よ
り多い例であり、ガス発生量が多い。
【0078】また、比較例Nは、アルカリ処理は実施例
A〜Eと同じ手順で実施したが、平均粒径が本発明の規
定より小さいSiCの例である。 実施例2 表2と表3に本発明の不定形耐火物原料の実施例を、表
4に比較例を示す。有機繊維としてビニロン繊維を使用
し、有機発泡剤としてアゾジカルボンアミドを使用し
た。
【0079】表中の「ガス発生量」の欄は、養生後の不
定形耐火物を湿潤状態80℃で24時間加熱した時の不定形
耐火物単位質量当りのガス発生量を示す。ガス発生量
は、表に示した割合の不定形耐火物原料と水とを混練
後、2kgを三角フラスコに充填して24hr養生し、その後
三角フラスコ内に0.3kgの水を加え,前記条件で加熱し
た時、加熱中に発生するガスを水上置換法で採取して計
量した。尚、混練と養生は、25℃で実施した。
【0080】表中の「乾燥後の亀裂の有無」の欄は、表
に示した割合の不定形耐火物原料と水とを混練後、500
×500×300mmの形状に流し込み成形し、24hr養生して
から脱枠した後に、マイクロ波乾燥あるいは熱風乾燥を
実施した時に、爆裂あるいは亀裂発生があった場合は
「有」、無かった場合は「無」と記入している。「乾燥
方法」の欄は、マイクロ波乾燥した不定形耐火物は「M
W」、熱風乾燥した不定形耐火物は「熱風」と記入して
いる。マイクロ波乾燥は、ステンレス製のアプリケータ
ー(内寸が1000×1000×1000mm)内に不定形耐火物を
設置し、2.45GHzのマイクロ波を照射すると共に、不
定形耐火物の中央部より10〜20℃低い温度の空気をアプ
リケーター内に送り込んで、不定形耐火物から発生する
水蒸気をアプリケーター外に排出する方法で実施した。
加熱は、中央部温度が図1に示したスケジュールとなる
ようにマイクロ波の出力を調整した。熱風乾燥は、不定
形耐火物を設置した乾燥機に送り込む熱風温度を、図1
に示したスケジュールとなるように調整して実施した。
【0081】表中の「圧縮強度」、「見掛け気孔率」、
「溶損指数」は、前記の方法で乾燥した500×500×300
mm形状の不定形耐火物の中央部から試験片を切り出し
て測定した値を示す。「圧縮強度」と「見掛け気孔率」
は、40×40×40mmの試験片で測定した。「溶損指数」
は、侵食剤として高炉スラグと銑鉄を用いた高周波内張
り法で1550℃において測定した溶損量について、実施例
5の溶損量を100とした指数で示した値であり、指数が小
さいほど溶損量が小さく耐食性が高いことを表してい
る。
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】実施例1〜20は、本発明の不定形耐火物原
料であり、緻密で耐食性が良好なSiC含有不定形耐火
物を製造することが可能であった。
【0086】比較例1は、使用したSiC中の遊離けい
素含有量、遊離けい酸含有量、遊離炭素含有量が本発明
の規定より多い例である。同一配合の実施例3〜11と比
較すると、施工に必要な混練水量が多いために緻密な不
定形耐火物を得ることができなかった。また、不定形耐
火物乾燥中に発生するガス量が多いために、乾燥亀裂が
発生した。比較例2は、平均粒径が本発明の規定より小
さいSiCを使用した不定形耐火物原料であり、実施例
と比較すると溶損量が大きかった。比較例3は、SiC
の使用量が本発明の規定より少ない場合であり、実施例
と比較すると溶損量が大きかった。比較例4は、アルミ
ナセメントの使用量が本発明の規定より少ない場合であ
り、非常に強度が小さく、物性値測定用サンプルを切り
出すことができなかった。比較例5は、アルミナセメン
トの使用量が本発明の規定より多い場合であり、実施例
と比較すると溶損量が大きかった。
【0087】
【発明の効果】本発明の耐食性、耐スポーリング性、乾
燥性に優れた不定形耐火物用SiC、その製造方法及び
不定形耐火物原料は、極めて緻密で耐食性が高いSiC
含有不定形耐火物を製造することが可能であり、近年に
おける溶融金属容あるいは溶融金属処理装置の操業条件
の過酷化と、耐火物原単位の低減とに対応できる耐火物
材料として、その産業的価値はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱温度のスケジュールを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平 初雄 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 新保 章弘 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 (72)発明者 齋藤 吉俊 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 松井 泰次郎 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 杉山 一行 福岡県北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎播磨株式会社内 (72)発明者 礒部 利弘 福岡県北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎播磨株式会社内 (72)発明者 田中 泰邦 福岡県北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎播磨株式会社内 (72)発明者 友納 弘義 福岡県北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎播磨株式会社内 Fターム(参考) 4G033 AA02 AA09 AA14 AA17 4G046 MA14 MB02 MB08 MC11

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.01〜3mmのSiCであっ
    て、粒径0.125mm以下のSiC中の遊離けい素含有量
    が0.01〜0.5質量%であることを特徴とする耐食性、耐
    スポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物用Si
    C。
  2. 【請求項2】 平均粒径が0.01〜3mmのSiCであっ
    て、粒径0.125mm以下のSiC中の遊離けい素と遊離
    けい酸の合計が遊離けい酸換算で0.01〜2質量%で、か
    つ遊離炭素含有量が0.01〜1.5質量%であることを特徴
    とする請求項1に記載の耐食性、耐スポーリング性、乾
    燥性に優れた不定形耐火物用SiC。
  3. 【請求項3】 80℃のアルカリ水溶液中で24時間加熱し
    た時に、SiCの単位質量当りのガス発生量が0.0055N
    3/kg以下であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の耐食性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定
    形耐火物用SiC。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載のSiC
    を製造する方法であって、SiCをアルカリ水溶液で洗
    浄することを特徴とする耐食性、耐スポーリング性、乾
    燥性に優れた不定形耐火物用SiCの製造方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ水溶液が水酸化ナトリウム、水
    酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアの1種又は2
    種以上からなる水溶液であることを特徴とする請求項4
    に記載の耐食性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不
    定形耐火物用SiCの製造方法。
  6. 【請求項6】 アルカリ水溶液での洗浄の前又は後に、
    酸の水溶液で洗浄することを特徴とする請求項4又は5に
    記載の耐食性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定
    形耐火物用SiCの製造方法。
  7. 【請求項7】 酸の水溶液が塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、
    燐酸、弗酸の1種又は2種以上からなる水溶液であること
    を特徴とする請求項6に記載の耐食性、耐スポーリング
    性、乾燥性に優れた不定形耐火物用SiCの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜3の何れか1項に記載のSiC
    を製造する方法であって、SiCを弗酸と硝酸を含む混
    酸水溶液で洗浄することを特徴とする耐食性、耐スポー
    リング性、乾燥性に優れた不定形耐火物用SiCの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜3の何れか1項に記載のSiC
    を製造する方法であって、SiCを炭化雰囲気中1200〜
    1800℃で加熱処理することを特徴とする耐食性、耐スポ
    ーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物用SiCの製
    造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3の何れか1項に記載のSi
    Cを製造する方法であって、SiCを窒化雰囲気中1000
    〜1600℃で加熱処理することを特徴とする耐食性、耐ス
    ポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物用SiCの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 不定形耐火物原料の最大粒径10mm以
    下の部分が、請求項1〜3の何れか1項に記載のSiCを5
    〜80質量%含有し、残部はアルミナ及び/又はスピネル
    からなる耐火骨材100質量%に対し、結合材としてアル
    ミナセメントを外掛けで0.5〜10質量%添加したことを
    特徴とする耐食性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた
    不定形耐火物原料。
  12. 【請求項12】 更に、最大粒径10mm以下の耐火骨材
    100質量%に対し、内掛けで炭素を0.5〜10質量%含有す
    ることを特徴とする請求項11に記載の耐食性、耐スポー
    リング性、乾燥性に優れた不定形耐火物原料。
  13. 【請求項13】 更に、最大粒径10mm以下の耐火骨材
    100質量%に対し、粒径10〜100mmのアルミナ、スピネ
    ル、SiC、アルミナ及び/又はスピネル−SiC質、
    アルミナ及び/又はスピネル−SiC−C質の材料の1
    種又は2種以上を外掛けで5〜100質量%含有することを
    特徴とする請求項11又は12に記載の耐食性、耐スポーリ
    ング性、乾燥性に優れた不定形耐火物原料。
  14. 【請求項14】 最大粒径10mm以下の耐火骨材100質
    量%に対し、外掛けでAl、有機発泡剤、有機繊維の何
    れか1種又は2種以上を合計で0.01〜1質量%含有するこ
    とを特徴とする請求項11〜13の何れか1項に記載の耐食
    性、耐スポーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物原
    料。
  15. 【請求項15】 不定形耐火物原料を水と混練後、80℃
    で24時間加熱した時に、不定形耐火物単位質量当りのガ
    ス発生量が0.0015Nm3/kg以下であることを特徴と
    する請求項11〜14の何れか1項に記載の耐食性、耐スポ
    ーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物原料。
  16. 【請求項16】 マイクロ波乾燥に用いることを特徴と
    する請求項11〜15の何れか1項に記載の耐食性、耐スポ
    ーリング性、乾燥性に優れた不定形耐火物原料。
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