JPH10236306A - ダンパ装置 - Google Patents

ダンパ装置

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JPH10236306A
JPH10236306A JP4603997A JP4603997A JPH10236306A JP H10236306 A JPH10236306 A JP H10236306A JP 4603997 A JP4603997 A JP 4603997A JP 4603997 A JP4603997 A JP 4603997A JP H10236306 A JPH10236306 A JP H10236306A
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Masamichi Sugihara
雅道 杉原
Kimiaki Sasaki
君章 佐々木
Kimimasa Nakano
公誠 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気体圧シリンダを用いた強制振子方式の振子
台車において、振子台車の傾斜駆動状態に応じて適切な
減衰力を発生するダンパ装置を低コストで提供する。 【解決手段】 振子電車の振子梁1と台車枠2の間にエ
アシリンダ3と並列に介装されるダンパ装置10におい
て、減衰力発生機構として、標準の減衰力を発生する低
圧減衰弁33と、大きな減衰力を発生する高圧減衰弁3
4とを備えるとともに、ダンパ装置10の伸張変位およ
び収縮変位のそれぞれにおいて、低圧減衰弁33への作
動油の流通を遮断する一対のソレノイドバルブ31、3
2を備え、このソレノイドバルブ31、32の開閉をバ
ルブコントローラ53で制御する。また、セミアクティ
ブタイプのダンパ200を、振子梁1と車体4との間に
介装し、ダンパ装置10と併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる振子台車
の振子の挙動を安定させるために用いられるダンパ装置
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、曲線走行時の乗り心地の向上
と高速走行の実現のために、曲線通過に際して車体を内
軌側に傾斜させるいわゆる振子電車が知られている。こ
のような振子電車には、いわゆる自然振子方式と、流体
圧シリンダや気体圧シリンダにより車体を強制的に傾斜
させる強制振子方式とがある。このうち、気体圧シリン
ダを用いた強制振子方式の振子電車は、例えば図16、
図17に示すようなものである。
【0003】図16に示すように、振子電車の車体4
は、空気バネ5を介して振子梁1上に支持される。この
振子梁1の弧状断面の底面1A側は、軸受け6を介し
て、同じく断面弧状の受け面2Aを備えた台車枠2上に
載置され、車体4のローリング方向に揺動可能に支持さ
れる。なお、この台車枠2の両側には車輪7が軸支され
ている。
【0004】さらに、この振子梁1と台車枠2との間に
はエアシリンダ3が介装され、このエアシリンダ3の基
端側が台車枠2側に、ロッド3Aの先端側が振子梁1側
に、それぞれ回動可能に軸支される。これにより振子梁
1は、エアシリンダ3の伸縮で、図に矢印で示すような
正方向(図の時計回り方向)または負方向(図の反時計
回り方向)へとローリングする。
【0005】具体的には、図17(a)に示すように、
振子梁1が台車枠2に対してローリング変位していない
中立位置にあるときには、エアシリンダ3は所定の長さ
に伸張されている。この中立位置を中心としてエアシリ
ンダ3を伸縮変位させることにより、振子梁1を台車枠
2に対してローリング変位させることができる。
【0006】すなわち、エアシリンダ3を中立位置から
短縮させれば、図17(b)に示すように、振子梁1に
支持されている車体4を、反時計回り(負方向)にロー
リングさせることができる。この場合の傾斜角度KKは
負の値で表す。
【0007】また、エアシリンダ3を中立位置からさら
に伸張させれば、図17(c)に示すように、振子梁1
に支持されている車体4を、時計回り(正方向)にロー
リングさせることができる。この場合の傾斜角度KKを
正の値で表す。
【0008】なお、台車枠1には図示されない振子スト
ッパが設けられ、この振子ストッパに、振子梁1側の図
示されないストッパ受けが当接することにより、振子梁
1のローリング変位範囲が規制されるようになってい
る。
【0009】さて、このように振子電車の車体4はエア
シリンダ3によりローリング操作されるが、車体4のロ
ーリング方向への振動を抑制するために、図16に示す
ように、振子梁1と台車枠2との間には、ダンパ装置1
10が介装される。なお、車体4と振子梁1の間には連
結部材201を介して、セミアクティブダンパ200が
介装されるが、これについては後述する。
【0010】この場合、このダンパ装置110の減衰力
はエアシリンダ3の作動状態に応じて適切に制御される
が、このような振子電車用のダンパ装置110として
は、例えば特開平8−133079号公報において、図
18に示すようなものが提案されている。
【0011】図示されるように、ダンパ装置110のダ
ンパシリンダ120内部は、仕切り板121とピストン
122とにより、基端側の一部にガスを封入したタンク
室123、中央のヘッド側油室124、ピストンロッド
130側のロッド側油室125に区画されている。さら
に、仕切り板121、ピストン122には、それぞれ逆
止弁126、127が設けられ、タンク室123からヘ
ッド側油室124への作動油の流入およびヘッド側油室
124からロッド側油室125ヘの作動油の流入のみが
許容されるようになっている。
【0012】このダンパシリンダ120は、基端側が振
子梁1側に、ピストンロッド130の先端が台車枠2に
それぞれ連結され、ダンパ装置110は、エアシリンダ
3の伸縮による振子梁1の台車枠2に対するローリング
に伴う振動を緩衝する。
【0013】このときのダンパ装置110の減衰力は、
ソレノイドバルブ131、132、133(SOL1、
SOL2、SOL3)の開閉を組み合わせで、大径オリ
フィス141、大径オリフィス142、中径オリフィス
143、および小径オリフィス144に対する作動油の
流れを制御することにより、これらのオリフィスのうち
作動油が流通するものの組み合わせにより与えられる減
衰力として、適切な大きさへと設定される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな図18のダンパ装置110では、ソレノイドバルブ
を3個必要とするので、装置が高コストとなってしま
う。これに対して、前述の特開平8−133079号公
報の図8に示される実施例では、ソレノイドバルブを1
個としたものが提案されているが、この実施例ではソレ
ノイドバルブの構成が複雑になり過ぎてしまうので、い
ずれにせよ装置の低コスト化を図ることは難しかった。
【0015】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、気体圧シリンダを用いた強制振子方式の
振子台車において、振子台車の傾斜駆動状態に応じて適
切な減衰力を発生するダンパ装置を低コストで提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、車体を支
持する振子梁と、この振子梁を介して前記車体をローリ
ング方向に傾斜可能に支持する台車枠と、前記振子梁と
台車枠との間に介装され伸縮変位して前記振子梁を前記
台車枠に対して傾斜させる気体圧シリンダとを備える振
子台車の前記振子梁と台車枠との間に介装され前記振子
梁の傾斜に追随して伸縮変位する油圧ダンパ装置におい
て、シリンダのピストン両側に画成された両油室を結ぶ
作動油通路に介装され作動油の流通に減衰力を付与する
低圧減衰弁と、この低圧減衰弁と並列に設けられ作動油
の流通に前記低圧減衰弁に比較して大きな減衰力を付与
する高圧減衰弁と、前記低圧減衰弁の両側に介装された
第1および第2のソレノイドバルブと、これらの第1、
第2のソレノイドバルブよりも前記低圧減衰弁側である
低圧減衰弁の両側と一方の油室との間にそれぞれ介装さ
れた方向の異なる逆止弁と、前記第1、第2のソレノイ
ドバルブを選択的に開閉させる制御手段とを備えた。
【0017】第2の発明は、車体を支持する振子梁と、
この振子梁を介して前記車体をローリング方向に傾斜可
能に支持する台車枠と、前記振子梁と台車枠との間に介
装され伸縮変位して前記振子梁を前記台車枠に対して傾
斜させる気体圧シリンダとを備える振子台車の前記振子
梁と台車枠との間に介装され前記振子梁の傾斜に追随し
て伸縮変位する油圧ダンパ装置において、シリンダのピ
ストン両側に画成された両油室を結ぶ並列な作動油通路
にそれぞれ介装され作動油の流通に減衰力を付与する2
個の低圧減衰弁と、これらの各低圧減衰弁と直列に設け
られた第1および第2のソレノイドバルブと、これらの
各低圧減衰弁と直列に介装された方向の異なる逆止弁
と、シリンダのピストン両側に画成された両油室を結ぶ
並列な作動油通路にそれぞれ介装され作動油の流通に前
記低圧減衰弁に比較して大きな減衰力を付与する2個の
高圧減衰弁と、これらの各高圧減衰弁と直列に介装され
た方向の異なる逆止弁と、前記第1、第2のソレノイド
バルブを選択的に開閉させる制御手段とを備えた。
【0018】第3の発明は、前記低圧減衰弁または前記
高圧減衰弁をシリンダのピストン内部に内蔵させた。
【0019】第4の発明は、前記車体と振子梁との間に
介装され車体の振動方向に伸縮するときの減衰力を極小
に設定できるセミアクティブダンパを備えた振子台車に
おいて、第1の発明から第3の発明のいずれかひとつの
ダンパ装置を備えた。
【0020】第5の発明では、前記セミアクティブダン
パは、車体の振動と同一方向の減衰力を車体の振動速度
にしたがって可変できる。
【0021】
【作用】本発明では、振子台車が気体圧シリンダにより
ローリング駆動されたときの振子台車の振動はダンパ装
置により減衰されるが、このダンパ装置は、減衰力を発
生させるための機構である高圧減衰弁と低圧減衰弁とを
備え、通常は低圧減衰弁に基づく減衰力が作用する一
方、ダンパ装置の伸張または収縮時には、それぞれ第1
のソレノイドバルブまたは第2のソレノイドバルブによ
り、低圧減衰弁側への作動油の流通を遮断し、低圧減衰
弁と並列に設けられた高圧減衰弁側に作動油を流通させ
て、高圧減衰弁に基づく大きな減衰力を発生させる。こ
の場合、制御手段は、気体圧シリンダの変位方向に対し
て逆方向となるダンパ装置の伸張または収縮方向に対し
て高圧減衰弁に基づく大きな減衰力が作用するように、
ソレノイドバルブのON/OFF(閉鎖/開放)を制御
するので、結局、ダンパ装置は気体圧シリンダによる振
子梁のローリング駆動方向には低圧減衰弁に基づく標準
的な減衰力のみを与えて、気体圧シリンダによるローリ
ング駆動を阻害しない一方で、このローリング駆動と反
対方向に対しては高圧減衰弁に基づく大きな減衰力を作
用させて、振子梁の動きを規制する結果、振子台車の車
体の挙動を安定させることができるが、このようなダン
パ装置を構成するために、ソレノイドバルブは2個しか
必要とされず、また、これらのソレノイドバルブは閉鎖
および開放の2つのポジションを備えるだけでよく複雑
化される訳でもないので、ダンパ装置の低コスト化を図
ることができ、また装置の製造も容易である。
【0022】さらに詳しくは、第1の発明では、制御手
段が第1または第2のソレノイドバルブの一方を閉鎖す
ることにより、ダンパ装置の伸縮いずれかで、低圧減衰
弁への作動油の流れがソレノイドバルブと逆止弁により
遮断され、作動油は高圧減衰弁を介して流通するように
でき、ダンパ装置の減衰力を高めることができる。ま
た、この第1の発明では、低圧減衰弁および高圧減衰弁
は各1個しか必要とされず、さらに装置の低コスト化を
図ることができる。
【0023】また第2の発明では、逆止弁の働きによ
り、一方の油室から他方の油室への作動油の流れは一方
の低圧減衰弁を介して、また、他方の油室から一方の油
室ヘの作動油の流れは他方の低圧減衰弁を介して行われ
るようになっているので、制御手段が第1または第2の
ソレノイドバルブの一方を閉鎖したときには、この閉鎖
された側のソレノイドバルブと直列な低圧減衰弁を介し
ての作動油の流れは禁止される結果、この方向の作動油
の流れは低圧減衰弁と並列な高圧減衰弁を介して行わ
れ、ダンパ装置の減衰力が高められる。
【0024】また第3の発明では、低圧減衰弁または高
圧減衰弁がピストンに内蔵されるので、ダンパ装置の小
型化を図り得る。
【0025】一方、第4の発明では、前記第1から第3
の発明のダンパ装置を備えた振子台車において、車体と
振子梁との間に介装されたセミアクティブダンパの減衰
力は、車体の振動方向に伸縮するときに極小に設定され
るので、振子台車が直線走行時または長いカーブ走行で
の車体傾斜固定走行時において、ダンパ装置の減衰力を
伸縮両方向ともにに強めることにより振子梁と台車間の
ふらつきを防止するとともに、振子梁と車体間に設けら
れたセミアクティブダンパは、台車側の振動のうち車体
の振動と反対方向の振動のみを車体側に伝達されるの
で、結局、振子台車は、車体振動が抑制され、走行安定
性が高められる。
【0026】また第5の発明では、セミアクティブダン
パの車体の振動と反対方向の伸縮についての減衰力を、
車体振動の速度にしたがって可変とできるので、セミア
クティブダンパを介しての車体振動の抑制を適切に行う
ことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態について説明する。
【0028】図1〜図4は本発明の実施の形態を示すも
ので、図1は本発明のダンパ装置を示す断面図、図2は
図1のA−A断面図、図3はダンパ装置10の油圧回路
構成を示した構成図、図4は本発明のダンパ装置10の
制御部(ダンパコントローラ)の構成を示すブロック構
成図である。なお、本発明のダンパ装置10は、図16
〜図18に示す従来例のダンパ装置110と同様に、エ
アシリンダ3と並列に振子電車の振子梁1と台車枠2と
の間に介装されるものである。
【0029】図1に示すように、ダンパ装置10はダン
パシリンダ20を備える。ダンパ装置10は、このダン
パシリンダ20から伸縮自在に伸び出すピストンロッド
22先端のアイ部材22Aにおいて振子梁1側に、ま
た、ダンパシリンダ20基端側のアイ部材20Aにおい
て台車枠2側に、それぞれ回動自在に連結される。
【0030】この場合、ダンパ装置10は、エアシリン
ダ3が伸縮に関して中立位置にあるときにはピストンロ
ッド22の伸縮に関して中立位置にあり、エアシリンダ
3が伸張したときにはともに伸張し、エアシリンダ3が
収縮したときにはともに収縮するように設置される。な
お、このようなエアシリンダ3の伸縮方向(車体4の傾
斜方向)と、ダンパ装置10の伸縮方向との関係は、ダ
ンパ装置10の取り付け方法により反転させることもで
き、この場合は、以下の説明をダンパシリンダ20の伸
び方向と縮み方向との取り扱いを逆にして組み立てれば
よいことは当然である。
【0031】ダンパシリンダ20の内部は、摺動自在の
ピストン21により、ピストンロッド22側のロッド側
油室23と、ダンパシリンダ20基端側のピストン側油
室24とに区画される。この場合、ロッド側油室23と
ピストン側油室24間の作動油の流通は、ピストン22
に内蔵された逆止弁25により、ピストン側油室24か
らロッド側油室23に向かう流れのみが許容されるよう
になっている。
【0032】一方、図3に示すように、ロッド側油室2
3からダンパシリンダ20外側に延びる油路28と、ピ
ストン側油室24からダンパシリンダ20外側に延びる
油路29は、低圧側油路38と高圧側油路39とで接続
されている。この低圧側油路38には、ソレノイドバル
ブ31(SOL1)、低圧減衰弁33、およびソレノイ
ドバルブ32(SOL2)が介装され、また、高圧側油
路39には、高圧減衰弁34が介装されている。
【0033】さらに、油路29はタンク40側に連通
し、また逆止弁41が介装され、ピストン側油室24か
ら油路29ヘの作動油の逆流は禁止されている。
【0034】なお、低圧減衰弁33は作動油の流通に対
して所定の標準の減衰力を与える弁であり、具体的には
リリーフ弁や絞り弁等が用いられる。また、高圧減衰弁
34は作動油の流通に対して所定の強い減衰力を与える
弁であり、低圧減衰弁33と同様に、具体的にはリリー
フ弁や絞り弁が用いられる。
【0035】ピストン側油室24には油路29とは別に
油路27が連通しており、この油路27は、ピストン側
油室24側ヘの作動油の流れを阻止する逆止弁42を介
して油路38のソレノイドバルブ31と低圧減衰弁33
の間に、また、ピストン側油室24からの作動油の流れ
を阻止する逆止弁43を介して油路38の低圧減衰弁3
3とソレノイドバルブ32の間に、それぞれ接続される
(図2参照)。
【0036】ダンパ装置10の油圧回路構成は以上のと
おりであるが、このような油圧回路構成による作動油の
流れについては、後述の図5〜図8の説明において詳細
に述べる。
【0037】さて、ソレノイドバルブ31、32の開閉
は、図4に示すダンパコントローラ53により制御され
る。
【0038】この図4に示されるように、エアシリンダ
3の伸縮変位を検出する変位計49からの変位信号HS
は、振子制御装置51に入力される。この振子制御装置
51はマイクロコンピュータを備えるもので、車両が走
行する線区の曲線データをあらかじめ記憶しており、例
えばATS地上子で車両の現在位置を検出することによ
り車両が曲線路に進入したと認識したときには、曲線デ
ータから適切な車体4の傾斜(ローリング)を演算し、
これに基づいて振子指令信号IFを出力する。なお、振
子指令信号IFとしては、例えば正方向に何度というよ
うに、車体がとるべき具体的な傾斜角度(目標傾斜角
度)に相当する角度指令信号IKが出力される。
【0039】この振子指令信号IFは、振子制御バルブ
52と、ダンパコントローラ53の判断部54とに、そ
れぞれ入力される。
【0040】このように振子指令信号IFが入力された
振子制御バルブ52は、この振子指令信号IFに基づい
てエアシリンダ3への空気の給排を調節し、この結果、
エアシリンダ3の伸縮変位が適切に制御される。
【0041】一方、マイクロコンピュータを備えた判断
部54は、入力された振子指令信号IFに基づいて演算
した所定の指令パターンとしての出力を、駆動回路5
5、56に入力する。これらの駆動回路55、56は、
判断部54からの出力(指令パターン)に基づいて、そ
れぞれソレノイドバルブ31、32(SOL1、SOL
2)のポジションを切り換える。このようなソレノイド
バルブ31、32の開閉の組み合わせの切り換えによ
り、ダンパ装置10内での作動油の流れが制御され、ピ
ストンロッド22の伸縮両方向への減衰力の強弱が設定
される。
【0042】なお、この場合、振子指令信号IFに基づ
いた減衰力制御の方式(指令パターンの選択までの手
順)としては、後述する図10のフローチャートに示す
角度制御と、図11のフローチャートに示す偏差制御と
を択一的に選択することができる。
【0043】判断部54の指令パターンには、図5〜図
8に示すように、パターンA〜パターンDの4パターン
がある。なお、この図5〜図8では、OFF(開放状
態)のソレノイドバルブは白抜きで、ON(閉鎖状態)
のソレノイドバルブは黒抜きで表現する。また、ダンパ
シリンダ20の伸張時の作動油の流れを実線の矢印で、
収縮時の作動油の流れを破線の矢印で、それぞれ示して
ある。
【0044】これらの指令パターンを順次説明すれば、
まずパターンAは、図5に示すように、ソレノイドバル
ブ31(SOL1)とソレノイドバルブ32(SOL
2)を共にOFF(開放状態)とする指令パターンであ
る。
【0045】これにより、ダンパ装置10の伸張変位時
には、ロッド側油室23から作動油が排出され、この作
動油は、ソレノイドバルブ31、低圧減衰弁33、ソレ
ノイドバルブ32を通ってピストン側油室24に流入す
る。また、このときダンパシリンダ20から伸び出した
ピストンロッド22の体積分の作動油は、逆止弁41を
通ってタンク40からピストン側油室24内に流入す
る。
【0046】一方、ダンパ装置10の収縮変位時には、
ピストン側油室24から作動油が排出され、この作動油
はピストン21に設けられた逆止弁25を通ってロッド
側油室23に流入する。また、このときピストンロッド
22がダンパシリンダ20内に収縮して来た体積分の作
動油は、逆止弁42から低圧減衰弁33、ソレノイドバ
ルブ32を通ってタンク40側へ排出される。
【0047】したがって、このパターンAでは、ダンパ
装置10には、伸縮両方向ともに低圧減衰弁33に基づ
く標準の減衰力が設定され、パッシブダンパと同様の働
きをする。
【0048】本発明では、減衰力制御がフェイルして、
強制振子方式を止めて自然振子方式とするときに、この
指令パターンAが選択される。
【0049】パターンBは、図6に示すように、ソレノ
イドバルブ31をON(閉鎖状態)、ソレノイドバルブ
32をOFF(開放状態)とする指令パターンである。
【0050】これにより、ダンパ装置10の伸張変位時
にロッド側油室23から排出された作動油は、閉鎖状態
のソレノイドバルブ31を迂回して、高圧減衰弁34お
よび逆止弁41を通って、ピストン側油室24に流入す
る。また、このときピストンロッド22の伸張体積分の
作動油が、タンク40からピストン側油室24に流入す
る。
【0051】一方、ダンパ装置10の収縮変位時に排出
されるピストン側油室24の作動油は、ピストン21に
設けた逆止弁25を通ってロッド側油室23に流入する
とともに、ピストンロッド22の侵入体積分の作動油
は、逆止弁42から低圧減衰弁33、ソレノイドバルブ
32を通って、タンク40へと排出される。
【0052】したがって、このパターンBでは、ダンパ
装置10には、伸張方向には高圧減衰弁34に基づく強
い減衰力が設定される一方、収縮方向には低圧減衰弁3
3に基づく標準の減衰力が設定されることになる。
【0053】本発明では、振子梁1がエアシリンダ3に
より負方向(反時計回り方向)にローリング駆動される
ときに、すなわちエアシリンダ3およびダンパ装置10
が収縮して行くときに、このパターンBが選択される。
これにより、振子制御装置51からの指示に応じたエア
シリンダ3の収縮変位が、ダンパ装置10により阻害さ
れることはなく、エアシリンダ3は円滑に収縮作動を行
う。一方、振子制御装置51からの指示に反する方向の
エアシリンダ3の伸張変位に対しては、ダンパ装置10
により強い減衰力が付与され、この方向への車体4の動
きが阻止される。このため、ローリング方向への車体4
の挙動は安定したものとなる。
【0054】パターンCは、図7に示すように、ソレノ
イドバルブ31をOFF(開放状態)、ソレノイドバル
ブ32をON(閉鎖状態)とする指令パターンである。
【0055】これにより、ダンパ装置10の伸張変位時
にロッド側油室23から排出された作動油は、開放状態
のソレノイドバルブ31および低圧減衰弁33を通り、
逆止弁43を圧し開いてピストン側油室24に流入す
る。また、ピストンロッド22の伸張体積分の作動油
は、逆止弁41を通ってタンク40からピストン側油室
24へと流入する。
【0056】一方、ダンパシリンダ20の収縮変位時に
ピストン側油室24から排出される作動油は、ピストン
21に設けられた逆止弁25を通って、ロッド側油室2
3に流入する。また、このとき、ピストンロッド22の
侵入体積分の作動油は、閉鎖状態のソレノイドバルブ3
2を迂回して、高圧減衰弁34を通って、タンク40へ
と排出される。
【0057】したがって、このパターンCでは、ダンパ
装置10には、パターンBとは逆に、伸張方向には低圧
減衰弁33に基づく標準的な減衰力が設定される一方、
収縮方向には高圧減衰弁34に基づく強い減衰力が設定
されることになる。
【0058】本発明では、振子梁1がエアシリンダ3に
より正方向(時計回り方向)にローリング駆動されると
きに、すなわちエアシリンダ3およびダンパ装置10が
伸張して行くときに、このパターンCが選択される。こ
れにより、ダンパ装置10は、振子制御装置51からの
指示に応じたエアシリンダ3の伸張変位方向には弱い減
衰力を与え、車体4のローリング駆動を阻害しない一
方、振子制御装置51からの指示に反する方向のエアシ
リンダ3の収縮変位方向に対しては、ダンパ装置10に
より強い減衰力を付与することで車体4の動きを阻止
し、結果として車体4の挙動を安定させる。
【0059】パターンDは、図8に示すように、ソレノ
イドバルブ31、32を共にON(閉鎖状態)とする指
令パターンである。
【0060】これにより、ダンパシリンダ20の伸張変
位時にロッド側油室23から排出された作動油は、閉鎖
状態のソレノイドバルブ31を迂回して、高圧減衰弁3
4を通って、ピストン側油室24に流入する。また、ピ
ストンロッド22の伸張体積分の作動油は、逆止弁41
を介してタンク40からピストン側油室24へと流入す
る。
【0061】一方、ダンパシリンダ20の収縮変位時に
ピストン側油室24から排出される作動油は、ピストン
21に設けられた逆止弁25を通って、ロッド側油室2
3に流入するとともに、ピストンロッド22の侵入体積
分の作動油は、閉鎖状態のソレノイドバルブ32を迂回
して、高圧減衰弁34を通って、タンク40へと排出さ
れる。
【0062】したがって、このパターンDでは、ダンパ
装置10には、伸縮両方向に対して、高圧減衰弁34に
基づく強い減衰力が与えられる。
【0063】本発明では、車両の直線走行時または長い
カーブ走行における車体傾斜固定走行時に、この指令パ
ターンDが選択される。これにより、ダンパ装置10の
強い減衰力で車両4のふらつきを抑制し、直線走行時ま
たは車体傾斜固定走行時の走行安定性を向上させる。
【0064】なお、図9には、各パターンごとのソレノ
イドバルブ31、32(SOL1、2)のON/OFF
と、ダンパ装置10の伸び方向および縮み方向の減衰力
の強弱とを一覧表で示してある。
【0065】図10は、角度指令制御の手順を示すフロ
ーチャートである。なお、このフローチャートは、所定
時間毎に繰り返して実行されるものである。
【0066】この角度指令制御のルーチンが開始される
と、まずステップ1において、ダンパコントローラ53
の判断部54は、角度指令信号IKの入力の有無により
フェール判定を行う。ここで、フェールとは、例えば振
子制御装置51がATS地上子の信号の受信不良などで
車両の現在位置を確定できない場合など、振子制御装置
51側の事情で振子指令信号IFの出力がなされない状
態である。したがって、判断部54は、角度指令信号I
Kの入力がなければフェールであると判断し、角度指令
信号IKの入力があればフェールでないと判断する。
【0067】このステップ1においてフェールとの判定
がなされた場合には、ステップ7に進み、判断部54
は、駆動回路55、56に指令パターンAを出力し、ダ
ンパ装置10の伸縮両方向の減衰力をパッシブタイプの
ダンパと同等(標準)の減衰力に設定してルーチン終了
する。
【0068】一方、このステップ1においてフェールで
ないとの判定がなされた場合には、ステップ2に進み、
角度指令値IKが0度であるか否か(すなわち、直線走
行中であるか否か)が判断される。
【0069】このステップ2で角度指令値IKが0度で
ある(直線走行である)と判断されたならば、ステップ
8に進み、指令パターンをパターンDとして、ダンパ装
置10の減衰力を伸縮両方向に対して強め、ルーチン終
了する。これにより、直線走行中の車体4のふらつきが
防止される。
【0070】一方、このステップ2で角度指令値が0度
でない(直線走行でない)と判断されたならば、ステッ
プ4に進み、この今回の角度指令値IKと前回の角度指
令値IKとの差θを演算する。
【0071】さらに、ステップ5において、このθが0
であるか否か(すなわち、角度指令値が前回から変化し
たか否か)が判定される。
【0072】このステップ5においてθ=0と判定され
たとき(すなわち、角度指令値IKに変化がないとき)
には、ステップ9に進み、前回の指令パターンをそのま
ま維持する指令を行い、ルーチン終了する。
【0073】一方、ステップ5においてθ=0でないと
判定されたときには、ステップ5に進み、θの値の正負
が判定される。
【0074】このステップ5でθが正の値である(すな
わち、車両4を正の方向にローリングさせる必要があ
る)と判定されたならば、ステップ10に進み、判断部
54から指令をパターンCとして、ルーチン終了する。
【0075】一方、ステップ5でθが負の値である(す
なわち、車両4を負の方向にローリングさせる必要があ
る)と判定された場合には、ステップ6に進み、判断部
54からの指令をパターンBとして、ルーチン終了す
る。
【0076】このステップ6または10の処理により、
ダンパ装置10の減衰力は、エアシリンダ3による駆動
方向では標準に設定される一方、駆動と反対方向では強
く設定され、車両4の挙動は安定する。
【0077】図11は、偏差制御の手順を示すフローチ
ャートである。このフローチャートも、所定時間毎に繰
り返して実行されるものである。
【0078】この偏差制御ルーチンが開始されると、ま
ずステップ21において、判断部54は、偏差指令信号
のIHの入力の有無によりフェール判定を行う。ここ
で、フェールとは、角度指令制御の場合と同様に、振子
制御装置51側の事情で振子指令信号IFの出力がなさ
れない状態であり、判断部54は、角度指令信号IKの
入力がなければフェールであると判断し、角度指令信号
IKの入力があればフェールでないと判断する。
【0079】このステップ21においてフェールとの判
定がなされた場合には、ステップ27に進み、判断部5
4は、駆動回路55、56に指令パターンAを出力す
る。これにより、ダンパ装置10の伸縮両方向の減衰力
をパッシブタイプのダンパと同等(標準)として、ルー
チン終了する。
【0080】一方、このステップ21においてフェール
でないとの判定がなされた場合には、ステップ22に進
み、傾斜角度指令値(目標傾斜角度)IKと、変位計4
9により検出された実際の傾斜角度との偏差Hが求めら
れる。
【0081】さらに、ステップ23に進み、この偏差H
の絶対値と所定の不感帯値Sの大きさを比較する。ここ
で、不感帯値Sは設計により設定されるもので、不感帯
値Sよりも微小な絶対値の偏差Hは、例えば車体4の振
動などで発生している誤差に過ぎないと見做して、ダン
パ装置10の減衰力を変化させないように判断するため
の定数である。
【0082】したがって、このステップ23で偏差Hの
絶対値が不感帯値Sより小さいと判断された場合には、
ステップ8に進み、判断部54は指令パターンDを出力
して、ルーチン終了する。これにより、ダンパ装置10
の減衰力は伸縮両方向ともに強く設定され、車体4のふ
らつきが防止される。
【0083】一方、ステップ23で偏差Hの絶対値が不
感帯値Sよりも大きいと判断された場合には、ステップ
24に進み、この偏差Hの正負が判定される。
【0084】このステップ24で偏差が正の値である
(すなわち、車両4をさらに正の方向にローリングさせ
る必要がある)と判断されたならば、ステップ26に進
み、判断部54からの指令をパターンCとして、ルーチ
ン終了する。
【0085】一方、このステップ24で偏差が負の値で
ある(すなわち、車両4を負の方向にローリングさせる
必要がある)と判断されたならば、ステップ25に進
み、判断部54からの指令をパターンBとして、ルーチ
ン終了する。
【0086】このステップ25または26の処理によ
り、ダンパ装置10の減衰力は、エアシリンダ3による
駆動方向では標準に設定される一方、駆動と反対方向で
は強く設定され、車両4の挙動は安定する。
【0087】つぎに全体的な作用を説明する。
【0088】振子電車の振子制御装置51は、あらかじ
め記憶されている走行線区の曲線データと、例えばAT
S地上子で検出される現在位置から、振子電車の車体4
がとるべきローリング方向への傾斜角度を算出し、これ
に基づいて振子制御バルブ52に振子指令信号IFを出
力し、振子制御バルブ52の開閉によりエアシリンダ3
ヘの空気の給排を調節する。
【0089】このようにしてエアシリンダ3が伸縮し、
車体4はローリング駆動されるが、この場合、振子指令
信号IFは、ダンパ装置10のダンパコントローラ53
内の判断部54にも入力される。
【0090】判断部54は、角度指令制御または偏差制
御の制御手順にしたがって、駆動回路55、56に所定
の指令パターン(A〜D)を出力し、駆動回路55、5
6は、ダンパ装置10内のソレノイドバルブ31、32
(SOL1、SOL2)を各指令パターンにしたがって
開閉する。このようにして切り換えられるソレノイドバ
ルブ31、32(SOL1、SOL2)のON/OFF
(閉鎖/開放)の組み合わせにより、低圧減衰弁33お
よび高圧減衰弁34を流通する作動油の流れが制御さ
れ、ダンパ装置10の減衰力は、図9に示すように、伸
び方向と縮み方向のそれぞれで変更される。
【0091】この場合、角度指令制御または偏差制御に
よる、エアシリンダ3による車体4のローリング駆動時
におけるダンパ装置10の減衰力の設定(指令パターン
の選択)は、エアシリンダ3によるローリング駆動の方
向には標準の減衰力を与えるように、また、エアシリン
ダ3によるローリング駆動と反対の方向には強い減衰力
を与えるように行われる。したがって、ダンパ装置10
は、エアシリンダ3によるローリング駆動を阻害しない
一方、望ましくない方向(エアシリンダ3の駆動方向と
反対方向)の変位には強い減衰力を発生させるので、車
体4の挙動は安定したものとできる。
【0092】また、このダンパ装置10は、伸びおよび
縮み方向の減衰力を切り換える4つのパターンを得るた
めに、2個のソレノイドバルブしか必要とせず、またソ
レノイドバルブの構造を複雑化することもないので、装
置の低コスト化を図ることができる。
【0093】図12は、本発明の他の実施の形態を示す
構成図である。
【0094】本実施の形態では、図3のダンパ装置10
に代えてダンパ装置60が用いられる。
【0095】このダンパ装置60では、ダンパシリンダ
61のピストン62は特に弁を内蔵せず、ロッド63側
のロッド側油室64とピストン側油室65間の作動油の
流通は、ダンパシリンダ61外部の油圧回路においての
みなされる。
【0096】このダンパ装置60においても、ダンパシ
リンダ61の伸び方向と縮み方向での減衰定数を、図9
と同様に、強弱を組み合わせた4つのパターンで切り換
えることができる。
【0097】すなわち、ダンパシリンダ61の収縮時に
標準の減衰力を持たせたいときには、ソレノイドバルブ
66(SOL1に相当)を開放しておけば、ピストン側
油室65から排出された作動油は、ソレノイドバルブ6
6、低圧減衰弁68、逆止弁75を介してロッド側油室
64に流入し、またピストンロッド63の侵入体積分の
作動油は、逆止弁75の手前でそのままタンク70側へ
と逃がされ、ダンパ装置60の減衰力は低圧減衰弁68
に基づく標準のものとなる。
【0098】一方、ダンパシリンダ61の収縮時に強い
減衰力を持たせたいときには、ソレノイドバルブ66を
閉鎖しておけば、ピストン側油室65から排出された作
動油は、逆止弁73から高圧減衰弁71、逆止弁75を
通ってロッド側油室64へと流入するほかなく、ダンパ
装置60の減衰力を高圧減衰弁71に基づく強いものと
することができる。
【0099】また、ダンパシリンダ61の伸張時に標準
の減衰力を持たせたいときには、ソレノイドバルブ67
(SOL2に相当)を開放しておけば、ロッド側油室6
4からの作動油は、ソレノイドバルブ67、低圧減衰弁
69、逆止弁76のルートで、ピストン側油室65に流
入するので、減衰力としては低圧減衰弁69に基づく標
準のものが与えられる。
【0100】一方、ダンパシリンダ61の伸張時に強い
減衰力を持たせたいときには、ソレノイドバルブ67を
閉鎖しておけば、ロッド側油室64からの作動油は、逆
止弁74、高圧減衰弁72、逆止弁76のルートで、ピ
ストン側油室65に流入し、減衰力は高圧減衰弁72に
基づく強いものが与えられる。
【0101】したがって、ソレノイドバルブ66、67
を共に閉鎖とすれば、ロッド側油室64とピストン側油
室65との間の作動油の流通は高圧減衰弁71または7
2を介してなされ、ダンパ装置60の減衰定数を伸縮両
方向に高めるられる。
【0102】このように、このダンパ装置60において
も、エアシリンダ3の作動状態に応じて伸縮方向の減衰
力を適切に切り換えることが可能であり、また、ソレノ
イドバルブも2個しか必要としないので、装置の低コス
ト化を図ることができる。
【0103】図13は、本発明のさらに他の実施の形態
を示す構成図である。
【0104】この実施の形態のダンパ装置80では、ダ
ンパシリンダ81のピストン82に、高圧減衰弁83、
84と逆止弁85、86とが内蔵されている。ここで、
逆止弁86は、ロッド87側のロッド側油室88からピ
ストン側油室89への作動油の逆流を阻止するもので、
高圧減衰弁84と直列に接続される。また、逆止弁85
は、ピストン側油室89からロッド側油室88への作動
油の逆流を阻止するもので、高圧減衰弁83と直列に接
続される。
【0105】また、ピストン側油室89からタンク90
ヘの油路には、ソレノイドバルブ91、低圧減衰弁92
および逆止弁96が介装され、ロッド側油室88からタ
ンク90ヘの油路には、ソレノイドバルブ94、低圧減
衰弁95および逆止弁93が介装される。また、タンク
90からロッド側油室88およびピストン側油室89へ
の作動油の流通は、それぞれ逆止弁93、96を介して
行われるようになっている。
【0106】このような構成により、このダンパ装置8
0においては、ダンパシリンダ81の伸び方向と縮み方
向での減衰定数を、強弱を組み合わせた3つのパターン
で切り換えることができる。なお、この場合、SOL1
にはソレノイドバルブ91が、SOL2にはソレノイド
バルブ94がそれぞれ対応する。
【0107】すなわち、ソレノイドバルブ91、94を
共に開放とした場合には、ロッド側油室88とピストン
側油室89との間の作動油の流通は、低圧減衰弁92ま
たは95を介してなされるので、ダンパ装置80の減衰
定数は伸縮両方向に対して標準となる。
【0108】また、ソレノイドバルブ91を開放、ソレ
ノイドバルブ94を閉鎖としたときには、ダンパシリン
ダ81の伸張時のロッド側油室88からピストン側油室
89ヘの作動油の流通は高圧減衰弁83を介してなさ
れ、ダンパ装置80は伸張方向に対してのみ減衰定数が
高められる。
【0109】また、ソレノイドバルブ91を閉鎖、ソレ
ノイドバルブ94を開放としたときには、ダンパシリン
ダ81の収縮時のピストン側油室69からロッド側油室
88ヘの作動油の流通は高圧減衰弁84を介してなさ
れ、ダンパ装置80は収縮方向に対してのみ減衰定数が
高められる。
【0110】したがって、このダンパ装置80において
も、エアシリンダ3の作動状態にあわせて、これらの指
令パターンから適切なものを選択すれば、車体4の望ま
しいローリング変位に対しては標準の減衰力を与え、望
ましくない方向のローリング変位に対しては強い減衰力
を与えるようにすることができる。
【0111】また、このダンパ装置80においても、ソ
レノイドバルブは2個しか必要とされず、装置の低コス
ト化を図ることが可能である。
【0112】さて、本発明のダンパ装置(例えば、以上
に説明したようなダンパ装置10、60、80)は、セ
ミアクティブタイプの左右動ダンパと併用することが可
能である。これにより、特に車体のローリング駆動と反
対方向へのセミアクティブタイプの左右動ダンパの効き
を強めることができるとともに、直線走行時または長い
カーブにおける車体傾斜固定走行時において伸縮両方向
ともに強減衰力のパターンを選択することで車体のふら
つきを防止することができ、セミアクティブ左右動ダン
パの効果を高めることができる。
【0113】以下、これについて詳述する。図16に示
すように、セミアクティブタイプの左右動ダンパ(セミ
アクティブダンパ)200は、その一端を振子梁1側に
連結されるとともに、他端を連結部材201を介して車
体4側に連結される。図14には、このようなセミアク
ティブダンパ200の一例を示す。
【0114】図示されるように、ダンパシリンダ210
はピストン211により、ピストンロッド212側のロ
ッド側油室213と、ピストン側油室214に画成され
る。ピストン211には、逆止弁215が内蔵され、こ
の逆止弁215はピストン側油室214からロッド側油
室213への作動油の流れのみを許容する。
【0115】ロッド側油室213からタンク219に至
る作動油通路には、ソレノイドバルブ221、222、
223(SOL11、12、13)が直列に介装され、
これらのソレノイドバルブ221、222、223には
それぞれオリフィス224、225、226が並列に接
続される。
【0116】これらのソレノイドバルブのうち、ソレノ
イドバルブ221、222(SOL11、12)は、O
FF状態(非通電時)では閉鎖で作動油はそれぞれオリ
フィス224、225側に迂回して流通する一方、ON
状態(通電時)で開放となり作動油を流通させるように
なっている。またソレノイドバルブ223は、これとは
逆に、OFF状態では開放で作動油を流通させる一方、
ON状態では閉鎖となり作動油をオリフィス226側に
迂回させる。
【0117】また、オリフィス224、225、226
の径は、オリフィス224よりもオリフィス225が大
きく、またオリフィス225よりもオリフィス226が
大きく設定され、オリフィス224、225、226の
順で、作動油の流通に対して大きな減衰力を発生させる
ようになっている。
【0118】さらに、ロッド側油室213からピストン
側油室214へ至る作動油通路にはソレノイドバルブ2
17(SOL14)が介装され、ON状態(通電時)で
は開放となる一方、OFF状態(非通電時)にはロッド
側油室213側からピストン側油室214側への作動油
の流通を禁止するチェック弁として作用する。また、ピ
ストン側油室214からタンク219に至る作動油通路
にはソレノイドバルブ218(SOL15)が介装さ
れ、OFF状態(非通電時)ではピストン側油室214
からタンク219への作動油の逆流を防止するチェック
弁として作用する一方、ON状態(通電時)では開放と
なるようになっている。
【0119】このような構成により、セミアクティブダ
ンパ200は、各ソレノイドバルブ(SOL11〜SO
L15)に対する開閉の指令パターンを変更することに
よって、図15の図表に示すように、伸縮方向について
種々の減衰力を設定することができる。
【0120】具体的には、図15のパターン0〜7に示
す各パターンによりソレノイドバルブ221、222、
223(SOL11、12、13)をON/OFFする
ことで、図15の右側2欄に示すように、伸縮両方向に
対してオリフィス224、224、226の組み合わせ
により発生する種々の減衰力を発生させることができ
る。なお、この場合、ソレノイドバルブ217、218
(SOL14、15)は常にOFFとなっている。
【0121】一方、図15のパターン8に示すように、
ソレノイドバルブ217(SOL14)をONすると、
ピストンロッド212の伸張時には、ロッド側油室21
3からの作動油は、ソレノイドバルブ217を介してピ
ストン側油室214へと流れ込み、発生する減衰力は極
小(略0)となる。なお、この場合、ソレノイドバルブ
218(SOL15)はOFFであるので、ピストンロ
ッド212の収縮時には、ピストンロッド212の収縮
分の作動油がオリフィス224、225、226側を通
ってタンク219に流出するので、パターン0〜7と同
じく、ソレノイドバルブ221、222、223のON
/OFFの組み合わせにより、種々の減衰力が発生す
る。
【0122】また、図15のパターン9に示すように、
ソレノイドバルブ218(SOL15)をONすると、
ピストンロッド212の収縮時には、ピストンロッド2
12の収縮分の作動油はソレノイドバルブ18からタン
ク219へ逃がされ、発生する減衰力は極小(略0)と
なる。なお、ソレノイドバルブ217(SOL14)は
OFFであるので、ピストンロッド212の伸張時に
は、ロッド側油室213からの作動油がオリフィス22
4、225、226側を通ってタンク219に流出する
ので、パターン0〜7と同じく、ソレノイドバルブ22
1、222、223のON/OFFの組み合わせによ
り、種々の減衰力が発生する。
【0123】そして、車体4が左右(正または負)いず
れかの方向に振られた場合、セミアクティブダンパ20
0は、車体4に対して、台車枠2の車体4の振動と反対
方向の振動のみを伝達するように、車体4の揺れ方向に
対応するセミアクティブダンパ200の伸縮方向の減衰
力を極小に設定するとともに、反対方向の減衰力をその
ときの車体4の左右振動速度に応じて、振動速度が大き
ければ減衰力を大きくするように、振動速度が小さけれ
ば減衰力を小さくするように設定する。すなわち、ソレ
ノイドバルブ217または218をONにして、セミア
クティブダンパ200の車体4の揺れと同一方向の減衰
力を極小とするとともに、ソレノイドバルブ221、2
22、223のON/OFF操作により、車体4の揺れ
と反対方向の減衰力を適切なものに設定する。
【0124】このようなセミアクティブダンパ200の
減衰力の制御を繰り返し実行することにより、台車枠2
の左右方向の振動を利用して、車体4の左右振動を抑制
することができる。なお、このような車体4の振動抑制
は、台車枠2の左右振動の振動周波数が、車体4の左右
振動の振動周波数よりも数倍高いものであるために可能
となる。
【0125】この場合、セミアクティブダンパ200を
従来のパッシブタイプ(減衰力非可変)のダンパ装置1
10と併用したのでは、セミアクティブダンパ200の
十分な性能を発揮することはできない。すなわち、振子
電車では台車枠2と車体4の間に振子梁1が介装されて
いるので、台車枠2の左右振動が、台車枠2と振子梁1
との間の軸受け6において吸収されてしまい(すなわ
ち、台車枠2と振子梁1の相対運動によって吸収されて
しまい)、上述のようにセミアクティブダンパ200が
台車枠2の左右振動を車体4の振動抑制に利用すること
ができない。すなわち、台車枠2と振子梁1はエアシリ
ンダ3およびダンパ装置110によって連結されてはい
るが、エアシリンダ3内の圧縮性の大きなエアおよび振
子動作に支障がないように小さな減衰力しか与えられて
いないダンパ装置110では、台車枠2と振子梁1との
間の相対運動の抑制効果は期待できない。
【0126】これに対して、本発明のダンパ装置10
(または60、または80)とセミアクティブダンパ2
00を併用したときには、セミアクティブダンパ200
の効果を十分引き出すようにすることができる。すなわ
ち、振子動作時以外の状況では、ダンパ装置10(また
は60、または80)の伸縮両方向の減衰力を大きくす
るパターンを採用すれば、台車枠2と振子梁1とを剛体
的に連結することができ、台車枠2側の左右振動の大部
分を、振子梁1と車体4との間に介装されたセミアクテ
ィブダンパ200へと伝えることができる。したがっ
て、セミアクティブダンパ200は、前述したように、
この台車枠2側からの左右振動を利用して、車体4の左
右振動を抑制することができ、結果として、その性能を
十分に発揮することが可能となる。
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、振子台車が気体圧シリ
ンダによりローリング駆動されたときの振子台車の振動
はダンパ装置により減衰されるが、このダンパ装置は、
減衰力を発生させるための機構である高圧減衰弁と低圧
減衰弁とを備え、通常は低圧減衰弁に基づく減衰力が作
用する一方、ダンパ装置の伸張または収縮時には、それ
ぞれ第1のソレノイドバルブまたは第2のソレノイドバ
ルブにより、低圧減衰弁側への作動油の流通を遮断し、
低圧減衰弁と並列に設けられた高圧減衰弁側に作動油を
流通させて、高圧減衰弁に基づく大きな減衰力を発生さ
せる。この場合、制御手段は、気体圧シリンダの変位方
向に対して逆方向となるダンパ装置の伸張または収縮方
向に対して高圧減衰弁に基づく大きな減衰力が作用する
ように、ソレノイドバルブのON/OFF(閉鎖/開
放)を制御するので、結局、ダンパ装置は気体圧シリン
ダによる振子梁のローリング駆動方向には低圧減衰弁に
基づく標準的な減衰力のみを与えて、気体圧シリンダに
よるローリング駆動を阻害しない一方で、このローリン
グ駆動と反対方向に対しては高圧減衰弁に基づく大きな
減衰力を作用させて、振子梁の動きを規制する結果、振
子台車の車体の挙動を安定させることができるが、この
ようなダンパ装置を構成するために、ソレノイドバルブ
は2個しか必要とされず、また、これらのソレノイドバ
ルブは閉鎖および開放の2つのポジションを備えるだけ
でよく複雑化される訳でもないので、ダンパ装置の低コ
スト化を図ることができ、また装置の製造も容易であ
る。
【0128】さらに詳しくは、第1の発明では、制御手
段が第1または第2のソレノイドバルブの一方を閉鎖す
ることにより、ダンパ装置の伸縮いずれかで、低圧減衰
弁への作動油の流れがソレノイドバルブと逆止弁により
遮断され、作動油は高圧減衰弁を介して流通するように
でき、ダンパ装置の減衰力を高めることができる。ま
た、この第1の発明では、低圧減衰弁および高圧減衰弁
は各1個しか必要とされず、さらに装置の低コスト化を
図ることができる。
【0129】また第2の発明では、逆止弁の働きによ
り、一方の油室から他方の油室への作動油の流れは一方
の低圧減衰弁を介して、また、他方の油室から一方の油
室ヘの作動油の流れは他方の低圧減衰弁を介して行われ
るようになっているので、制御手段が第1または第2の
ソレノイドバルブの一方を閉鎖したときには、この閉鎖
された側のソレノイドバルブと直列な低圧減衰弁を介し
ての作動油の流れは禁止される結果、この方向の作動油
の流れは低圧減衰弁と並列な高圧減衰弁を介して行わ
れ、ダンパ装置の減衰力が高められる。
【0130】また第3の発明では、低圧減衰弁または高
圧減衰弁がピストンに内蔵されるので、ダンパ装置の小
型化を図り得る。
【0131】一方、第4の発明では、前記第1から第3
の発明のダンパ装置を備えた振子台車において、車体と
振子梁との間に介装された減衰力可変ダンパの減衰力
は、車体の振動方向に伸縮するときに極小に設定される
ので、振子台車が直線走行時または長いカーブ走行での
車体傾斜固定走行時において、ダンパ装置の減衰力を伸
縮両方向ともにに強めることにより振子梁と台車間のふ
らつきを防止するとともに、振子梁と車体間に設けられ
たセミアクティブダンパは、台車側の振動のうち車体の
振動と反対方向の振動のみを車体側に伝達されるので、
結局、振子台車は、車体振動が抑制され、走行安定性が
高められる。
【0132】また第5の発明では、セミアクティブダン
パの車体の振動と反対方向の伸縮についての減衰力を、
車体振動の速度にしたがって可変とできるので、セミア
クティブダンパを介しての車体振動の抑制を適切に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図2】同じく図1のA−A断面図である。
【図3】同じく油圧回路構成を示す構成図である。
【図4】同じくブロック構成図である。
【図5】同じく指令パターンAにおける作動油の流通を
示す油圧回路図である。
【図6】同じく指令パターンBにおける作動油の流通を
示す油圧回路図である。
【図7】同じく指令パターンCにおける作動油の流通を
示す油圧回路図である。
【図8】同じく指令パターンDにおける作動油の流通を
示す油圧回路図である。
【図9】同じく各指令パターンにおけるソレノイドバル
ブのON/OFFと、減衰力の強弱を示す図表である。
【図10】同じく角度指令制御の手順を示すフローチャ
ートである。
【図11】同じく偏差制御の手順を示すフローチャート
である。
【図12】本発明の他の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図13】同じくさらに他の実施の形態を示す構成図で
ある。
【図14】セミアクティブダンパの油圧回路構成を示す
構成図である。
【図15】セミアクティブダンパに対する各指令パター
ンにおけるソレノイドバルブのON/OFFと、減衰力
の強弱を示す図表である。
【図16】振子電車を示す断面図である。
【図17】振子電車のローリング駆動の様子を示す説明
図である。
【図18】従来のダンパ装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 振子梁 2 台車枠 3 エアシリンダ 4 車体 10 ダンパ装置 20 ダンパシリンダ 21 ピストン 22 ピストンロッド 23 ロッド側油室 24 ピストン側油室 31 ソレノイドバルブ 32 ソレノイドバルブ 33 低圧減衰弁 34 高圧減衰弁 41 逆止弁 42 逆止弁 43 逆止弁 53 ダンパコントローラ 54 判断部 55 駆動回路 56 駆動回路 60 ダンパ装置 61 ダンパシリンダ 62 ピストン 63 ピストンロッド 64 ロッド側油室 65 ピストン側油室 66 ソレノイドバルブ 67 ソレノイドバルブ 68 低圧減衰弁 69 低圧減衰弁 71 高圧減衰弁 72 高圧減衰弁 73 逆止弁 74 逆止弁 75 逆止弁 76 逆止弁 80 ダンパ装置 81 ダンパシリンダ 82 ピストン 83 高圧減衰弁 84 高圧減衰弁 85 逆止弁 86 逆止弁 87 ピストンロッド 88 ロッド側油室 89 ピストン側油室 91 ソレノイドバルブ 92 低圧減衰弁 93 逆止弁 94 ソレノイドバルブ 95 低圧減衰弁 96 逆止弁 200 セミアクティブダンパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 君章 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 中野 公誠 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体を支持する振子梁と、この振子梁を介
    して前記車体をローリング方向に傾斜可能に支持する台
    車枠と、前記振子梁と台車枠との間に介装され伸縮変位
    して前記振子梁を前記台車枠に対して傾斜させる気体圧
    シリンダとを備える振子台車の前記振子梁と台車枠との
    間に介装され前記振子梁の傾斜に追随して伸縮変位する
    油圧ダンパ装置において、 シリンダのピストン両側に画成された両油室を結ぶ作動
    油通路に介装され作動油の流通に減衰力を付与する低圧
    減衰弁と、 この低圧減衰弁と並列に設けられ作動油の流通に前記低
    圧減衰弁に比較して大きな減衰力を付与する高圧減衰弁
    と、 前記低圧減衰弁の両側に介装された第1および第2のソ
    レノイドバルブと、 これらの第1、第2のソレノイドバルブよりも前記低圧
    減衰弁側である低圧減衰弁の両側と一方の油室との間に
    それぞれ介装された方向の異なる逆止弁と、 前記第1、第2のソレノイドバルブを選択的に開閉させ
    る制御手段と、 を備えたことを特徴とするダンパ装置。
  2. 【請求項2】車体を支持する振子梁と、この振子梁を介
    して前記車体をローリング方向に傾斜可能に支持する台
    車枠と、前記振子梁と台車枠との間に介装され伸縮変位
    して前記振子梁を前記台車枠に対して傾斜させる気体圧
    シリンダとを備える振子台車の前記振子梁と台車枠との
    間に介装され前記振子梁の傾斜に追随して伸縮変位する
    油圧ダンパ装置において、 シリンダのピストン両側に画成された両油室を結ぶ並列
    な作動油通路にそれぞれ介装され作動油の流通に減衰力
    を付与する2個の低圧減衰弁と、 これらの各低圧減衰弁と直列に設けられた第1および第
    2のソレノイドバルブと、 これらの各低圧減衰弁と直列に介装された方向の異なる
    逆止弁と、 シリンダのピストン両側に画成された両油室を結ぶ並列
    な作動油通路にそれぞれ介装され作動油の流通に前記低
    圧減衰弁に比較して大きな減衰力を付与する2個の高圧
    減衰弁と、 これらの各高圧減衰弁と直列に介装された方向の異なる
    逆止弁と、 前記第1、第2のソレノイドバルブを選択的に開閉させ
    る制御手段と、 を備えたことを特徴とするダンパ装置。
  3. 【請求項3】前記低圧減衰弁または前記高圧減衰弁をシ
    リンダのピストン内部に内蔵させたことを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載のダンパ装置。
  4. 【請求項4】前記車体と振子梁との間に介装され車体の
    振動方向に伸縮するときの減衰力を極小に設定できるセ
    ミアクティブダンパを備えた振子台車において、請求項
    1から請求項3のいずれかひとつに記載のダンパ装置を
    備えたことを特徴とする振子台車。
  5. 【請求項5】前記セミアクティブダンパは、車体の振動
    と同一方向の減衰力を車体の振動速度にしたがって可変
    できることを特徴とする請求項4に記載の振子台車。
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