JPH10236054A - ボールペンチップ - Google Patents
ボールペンチップInfo
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- JPH10236054A JPH10236054A JP9037900A JP3790097A JPH10236054A JP H10236054 A JPH10236054 A JP H10236054A JP 9037900 A JP9037900 A JP 9037900A JP 3790097 A JP3790097 A JP 3790097A JP H10236054 A JPH10236054 A JP H10236054A
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Abstract
ク供給量を所定のボールペンチップに期待される所期の
インク所要量に正確に適合させることができ、インク通
路におけるインクの連続性およびインク保持性も従来例
より更に有効な構成とすることのできるボールペンチッ
プを提供すること。 【解決手段】 金属製のパイプ2の先端近傍を、外周面
の周方向3箇所以上より、軸心内方に押圧変形して形成
したボール受座3aとなる前記パイプ内の複数の突出部
3と、前記パイプの先端を内方に押圧変形して形成した
先端縁部とによって、前記パイプ内にボール5を抱持し
たボールペンチップ1であって、前記パイプの後端から
インク誘導芯7をその先端が前記突出部の後部および前
記ボールの後部に臨むようにしてパイプ内に挿入し、周
方向に隣り合う前記の全突出部は、それぞれ互いに前記
パイプの内周面から軸心内方への途中までの一定長領域
を密接する密接部6をもって、前記パイプの内周面に沿
った間隙を形成しないようにして連接されていることを
特徴とする。
Description
に係り、特に、水性インク用ボールペンチップあるいは
低粘度〜中粘度インク用ボールペンチップに好適なボー
ルペンチップに関する。更に詳細には、金属製のパイプ
の先端近傍を外周面の周方向3箇所以上より、軸心内方
に押圧変形して形成したボール受座となる前記パイプ内
の複数の突出部と、前記パイプの先端を内方に押圧変形
して形成した先端縁部とによって前記パイプ内にボール
を抱持したボールペンチップに関する。
いては、各種の提案が成されている。例えば、実公平1
−1101号公報および特開平8−11476号公報に
おいては、パイプ内に形成されている複数の突出部の間
に間隙を形成して、インク供給側から先端部のボール側
へのインク流量を確保するようにしている。また、特開
平6−312596号公報、米国特許第3162941
号明細書、特開昭53−82532号公報、実開昭57
ー108981号公報についても、ほぼインク流量を確
保する点において同様の構成のボールペンチップが開示
されている。
01号公報によれば「金属パイプの端部近傍に軸方向ほ
ぼ同位置の外側面の3箇所以上より軸心方向に押圧変形
してボール受座となる凹部を形成し、前記パイプ端部を
曲げ加工してボールを抱持してなるボールペンチップに
おいて、前記凹部はパイプ内部においては軸心に向かっ
て突出している山形の突出部となっており、前記突出部
の山の頂点の各々は横断面において互いに毛細管サイズ
の間隔をあけて、軸心を中心として正多角形状に軸心を
取り囲んで中心孔を形成しており、前記突出部間には前
記中心孔に連通して、前記正多角形の一辺にほぼ等しい
幅の間隙が形成されており、前記パイプのボールと反対
側の端部から前記中心孔より大径の端面を有する棒状の
インキ誘導芯が前記端面を前記突出部の後面に当接して
パイプ内に挿入されてなる水性インキ用ボールペンチッ
プ」が開示されている。
来例には、以下のような欠点があった。
ついては充分な量を確保する視点に比重を置きすぎてい
て過剰供給の傾向があった。例えば、水性インクに代表
される低粘度インクまたは中粘度インクを用いる場合に
は、インク供給量が充分すぎて、むしろ過剰供給とな
り、にじんだり、筆記線幅が大きくなりすぎたり、濃す
ぎたりする不都合があり、所定のボールペンチップに本
来期待される所期のインク所要量に適合しない例があっ
た。
mmのボールペンチップを用いて筆記した時に、両者の
筆記太さの違いを見分けることができないというよう
に、使用するボール径に当然期待される筆記線幅を満足
しない過剰供給インク量は、商品価値そのものを低下さ
せるものであった。
おいて、筆記使用時に求められる途切れのないインクフ
ロー、即ちインクの連続性と、ペン先を上向きにした筆
記や放置および衝撃等により起こるインク柱の分断や途
切れに耐えるインクの保持性とを合わせ持たせるため
に、毛細管作用が有効に働く毛細管サイズ(通常、0.
2〜0.3mm)に形成したインク通路(一般的に中心
孔および間隙、すきま、スリット、インク溝等と称され
る)を複数の突出部の間にパイプの軸方向に貫通するよ
うに形成することを必須として構成していた。
いては、ボールペンチップに対して、インク供給に関
し、適正なインク供給量と、確実なインクの連続性およ
び保持性を実現する手段が要望されている。
であり、ボールペンチップのインク供給に関し、インク
供給量を所定のボールペンチップに期待される所期のイ
ンク所要量に正確に適合させることができ、インク通路
におけるインクの連続性およびインク保持性も従来例よ
り更に有効な構成とすることのできるボールペンチップ
を提供することを目的とする。
耐磨耗性の向上を図ることができるとともに、インク供
給状態、ボール受座の強度、耐磨耗性の状態等の設計要
請に応じて、自由に、ボール受座のボール支承方式を選
択、設定、展開できるボールペンチップを提供すること
を目的とする。
本発明に係るボールペンチップは、金属製のパイプの先
端近傍を、外周面の周方向3箇所以上より、軸心内方に
押圧変形して形成したボール受座となる前記パイプ内の
複数の突出部と、前記パイプの先端を内方に押圧変形し
て形成した先端縁部とによって、前記パイプ内にボール
を抱持したボールペンチップであって、前記パイプの後
端からインク誘導芯をその先端が前記突出部の後部およ
び前記ボールの後部に臨むようにしてパイプ内に挿入
し、周方向に隣り合う前記の全突出部は、それぞれ互い
に前記パイプの内周面から軸心内方への途中までの一定
長領域を密接する密接部をもって、前記パイプの内周面
に沿った間隙を形成しないようにして連接されているこ
とを特徴とする。
ペンチップを用いたボールペンにおいては、ボールペン
内部のインク貯蔵部から供給されるインクは、インク誘
導芯を経てボール受座を形成する突出部の後部まで誘導
され、インク誘導芯と突出部および密接部とボールの後
部となるボール下面とによって囲まれて形成されるイン
ク溜め兼通路に貯溜されたり、ここを経由して、ボール
の回転により筆記対象に供給される。
ける通路面積は、パイプの外周面から軸心内方への押圧
変形されている複数の突出部によりパイプの内周円の面
積より狭められており、かつ突出部の軸方向の前後にわ
たってパイプ内周面に沿った間隙をなくし、貫通が阻止
されているため、インクの流動が確実に抑制調整され、
インクの供給量を適正に加減調節できる。
および密接部、ボール下面等の相互関係によって形成さ
れるインク溜め兼通路の通路空間について、意図的にこ
れらの形状または配置を設定することにより、狭くした
り、広くしたりすることができ、更に微細に調整するこ
とができる。
は、各突出部間の密接部はそれぞれ軸心内方向および軸
長方向に所定の広がりを有する接合面をもって接合して
パイプ内周面に沿った間隙をなくし、貫通を阻止してい
る。従って、この密接部が介在しない従来例において
は、前記接合面の最大軸方向長さに相当するインク柱が
必ず形成されていたが、本発明においてはこの部分のイ
ンク柱を確実に省略することができるために、突出部間
に存在するインク柱の軸長方向長さを短縮することがで
き、従来のボールペンチップでしばしば起こったいわゆ
るインク柱の分断を確実に防止することができる。
全体的に見た場合に、当該通路空間におけるいかなる内
のり寸法も、インク誘導芯、突出部および密接部、ボー
ル下面等のいずれか同志の間を隔てる最短距離を、毛細
管作用が有効に作用する毛細管サイズを超えないように
自由に設定できるため、通路空間全体として強力な毛細
管作用を有しインクの連続性およびインク保持性が確保
される。
部の形状またはパイプの軸長方向に対する位置を同一ま
たは非同一にすることで、ボール受座およびインク通路
は前記従来のボールペンチップの単純な貫通方式の場合
と比較して、様々に変化可能で有用な種々の空間的立体
的構成を採用することができる。
パイプ先端側に、それぞれ線状または円錐凹面状または
球面凹面状または角錐平面状等の各種のボール受座を適
宜選択形成して、目的に沿った支承方式をとるとともに
インク溜め兼通路の通路面積または通路寸法をより微細
に、かつより自由に設定することができ、より精緻なイ
ンク供給量の制御、より強力なインクの連続性と保持性
の確保ができる。即ち、所定のボールペンチップについ
て、所期の目的に合わせて、線状のボール受座および角
錐平面上のボール受座を形成することによりほぼ点接触
で、円錐凹面状のボール受座を形成することにより、ほ
ぼ線接触で、球面凹面状のボール受座を形成することに
より、ほぼ面接触で、それぞれボールを支承するように
選択構成することができる。また、これによってボール
受座への良好なインク供給がボール受座の強度および耐
磨耗性の向上を合わせて実現することができる。
ら図13を参照して説明する。
ルペンチップの製造工程を示し、図5から図12それぞ
れは本発明に係るボールペンチップの実施形態を示す。
なお、図2おいて断面を示すハッチングは、図面が不明
瞭になるために、図示を省略する。
程に沿って説明する。
程の一工程を示す要部縦断面図である。図1において、
パイプ2には予め所要の角度で先端を面取りされて円錐
状のテーパー面21が形成されている。パイプ2の先端
には、中子ピン101が嵌合されている。中子ピン10
1はパイプの内周面22に嵌合する中子ピン円柱部10
2と、その先に中子ピン円錐部103を有している。
所以上から、それぞれポンチ200によって軸心内方
(矢印方向)へ押圧変形して、パイプ2内に複数の突出
部3を形成する。
パイプ2の先端から抜き、ポンチ200も軸心外方へと
後退させて、パイプ2は図4に示す次工程へと移行す
る。
端側にボール5を挿入し、回転するカシメ具100のカ
シメ部100aに、パイプ2の先端の円錐状のテーパ面
21を押圧して、内方へ変形させて先端縁部21aを形
成する。即ち、突出部3は3箇以上集合して総体として
ボール受座3aを形成し、先端縁部21aとによってボ
ール5を抱持し、ボールペンチップ1とされる。
例示するように、先の尖った円錐状(θは円錐角)であ
ってもよく、先の丸い円錐状、円錐の先端を切除した円
錐台状等であってもよく、更には角錐状、角錐台状等で
あってもよく、また対称形、非対称形を問わない。ま
た、周方向にそれぞれ配設されるポンチ200の形状は
全て同一であってもなくても良い。
プ2の軸長方向に対する位置は同一位置であってもなく
ても良い。
に押圧変形してパイプ2内に形成される突出部3の形状
(形と大きさ)は、様々な形状とすることができるとと
もに、周方向に3箇所以上配設された、それぞれの突出
部3の形状は同一または同一でなく形成されうる。
する位置も同一または同一ではなく形成されうる。
より、突出部3の大きさを任意に設定しうることは言う
におよばない。
突出部3は、ポンチ200の押圧変形の度合いによっ
て、特に中子ピン円錐部103との相互関係によってお
おむね次の三態様とすることができる。
であり、突出部3の形状はほぼ山形の突出部3となる場
合で例示する。
プ2の軸長方向に対する位置は同一の場合で例示する。
ンチ200による押圧度合いが未だ少なく、中子ピン円
錐部103とは無関係に、各突出部31がいわば小さく
形成される場合である。このとき山形の突出部31の形
状、位置とも、ポンチ200の押圧度合いのみによって
決まり、ボール受座を形成する山形の突出部31はパイ
プ2の軸心(ボール球心とほぼ同じ)と軸長方向につい
て、同一の位置関係にあるとは限らず、ボールを均等に
支承しない不安があり、ボールペンチップとしては好ま
しい態様とは言えず利用されることは少ない。
ンチ200の先端円錐角θを適宜選定し、また押圧変形
の度合いを矢印方向に増減調整して、山形の突出部32
の先端側の稜線32aの一部または全部が、中子ピン円
錐部103の母線104に、丁度接するように調整して
形成された場合である。この場合のボールを支承する方
式は、線状(稜線32a状)のボール受座3aであり点
接触となる。
ンチ200の押圧変形の度合いを、前記第二態様より更
に増して、山形の突出部33の先端側がポンチ200と
中子ピン円錐部103に適宜狭圧され、圧潰されて、中
子ピン円錐部103の山形の突出部33への圧痕ともい
うべき上部円錐凹面33aが形成される場合である。こ
の場合のボールを支承する方式は、円錐凹面33a状の
ボール受座3aで、線接触となる。
の山形突出部32および33はそれぞれ中子ピン円錐部
103を基準として形成されるため、パイプ2の軸心
(ボール球心とほぼ同じ)と軸長方向について、同一の
位置関係に保持されることとなり、ボールが各山形突出
部32および33に均等に載せられることになり、ボー
ルを一様に支承しうるボール受座3aが形成されること
になる。
(稜線32a状のボール受座)を形成し、図4に示す工
程を経て製造されたボールペンチップ1aを図5に示
す。また、図3に示す前記第三態様のボール受座3a
(円錐凹面33a状のボール受座)を形成し、図4に示
す工程を経て製造されたボールペンチップ1bを図6に
示す。
成、作用、効果を図5による第1実施形態として説明す
る。
記したように、突出部32は、周方向6箇所であり、そ
れぞれ形状は同一であり、パイプ2の軸長方向に対する
位置(以下、軸長方向位置という)も同一であり、ボー
ル5の支承方式は線状のボール受座(点接触)の場合の
例を示す。
互いに密接する密接部6をもって連接させられている。
ポンチ200により押圧変形され、隣り合う山形の突出
部32が生成する過程において、内周上互いに逆方向よ
りいわば折り返されて、相互に密接したものと言える。
図5(a)においては、密接部6はほぼ三角形状をして
おり、同図(b)および(c)においては、パイプ2の
押圧変形以前のほぼ内周面から、ほぼ軸心方向への途中
までに亙る密接部6の線分を有することを特徴とする。
出部32の軸長方向に前後にわたってパイプ2の内周面
22に沿った間隙をなくし、貫通を阻止している。
導心7が、突出部32の後部に当接するようにして、突
出部32の後部およびボール5の後部となる下面に臨む
ようにしてパイプ2内に挿入されている。一方、突出部
32は先端側で稜線32aからなるボール受座3aとし
てボール下面5aを支承している。即ち、突出部32お
よび密接部6、インク誘導心7、ボール下面5aによっ
て囲まれた空間からなるインク溜め兼通路8が形成され
ている。
面における通路面積は、突出部32および密接部6によ
るパイプ2の軸心内方への環状の狭窄により、当然パイ
プ2の内周面積より狭い。
レス鋼(SUS304,SUS303,SUS321
等)を用いるとよく、ボール5の材質としては、超硬合
金、セラミックス、ルビー、ステンレス鋼等を用いると
よく、インク誘導芯7としては、繊維束の樹脂加工体、
外部および内部に軸方向の毛細管溝を形成した棒状体、
連続気泡を有するプラスチック多孔棒状体およびその他
の線状体等を用いるとよい。
ールペンにおいては、ボールペン内部のインク貯蔵部か
ら供給されるインクは、インク誘導心7を経て、ボール
受座を形成する突出部32の後部に誘導され、インク溜
め兼通路8に貯留されまたはこれを経由し、ボール5の
回転により、筆記対象に供給される。
供給量に関しては、インク供給経路の多くの要素が互い
に関連し、関与するのであるが、本発明のボールペンチ
ップ1aは、特に支配的な影響を有する稜線32aから
なるボール受座3a回りとインク溜め兼通路8に注目す
るものである。
は、インク溜め兼通路8において、パイプ2の内周面積
よりせまい通路横断面積により流路を狭められ、パイプ
2の内周面22に沿っては、貫通できず流れの方向を変
えられ、また3箇以上(6箇所)の突出部32および密
接部6によって形成される各々の合流路および分岐路等
によって、いわゆる流体力学的な種々の流路抵抗を受け
て、抑制され、インク供給量は、過剰に供給されること
なく、適正に調整されうる。
流路および分岐路は、突出部32および密接部6の個
数、形状(形と大きさ)等を意図的に増減調整すること
により、さらに微細に設定調整しうる。
の連続性と保持性とについて説明する。
ば起こったインク溜め兼通路内におけるインクの分断、
特に突出部間に密接部をもたないことによる突出部間の
軸長方向に長い間隙部分に発生していたいわゆるインク
柱の分断は、本発明のボールペンチップ1aにおいては
確実に防止される。
路8においては、突出部32間の各密接部6は、パイプ
2の径方向にも軸長方向にも亙る所定大の面積を有して
いて、特にパイプ内周面22に沿った長いインク柱の存
在を阻止するからである。
て、総合的に見た場合に、空間内のいかなる通路寸法
も、これを構成するインク誘導心7、突出部32および
密接部6、ボール下面5a等のいずれか同志の間を隔て
る最短距離を毛細管作用が有効に作用する毛細管サイズ
(一般的には0.2〜0.3mm以下)を超えないよう
に意図的に設定できるため、空間全体として、強力な毛
細管作用を有し、いわゆるインクの連続性およびインク
の保持性が確保される。
おいては、インクの供給に関し、適正なインク供給量
と、確実なインク連続性およびインク保持性が実現でき
る。
なボール受座の強度および耐磨耗性について説明する。
実施形態)においては、前記したように、突出部32
は、周方向6箇所、形状は同一、軸長方向位置も同一、
ボールの支承方式は線状のボール受座3a(点接触;支
承点32b)の場合を示す。
ンチップ(図13a,bを参照)を比較の対象として念
頭に置きつつ、本発明の第1実施形態を観察すると、従
来のボールペンチップにおいては、間隙であったところ
を利用して、新たに突出部32を追加増設した構成であ
ることがわかる。
3箇所の突出部32の間の間隙を埋めて、新たにもう3
箇所の突出部32を増設し、支承箇所を2倍にしたこと
になる。
ップも本実施形態と同じ線状のボール受座(同条件)と
して比較すれば、本実施形態によるボールペンチップの
ボール受座の支承能力は明らかに増強されている。特
に、本第1実施形態の場合においては、ボール受座の強
度および耐磨耗性は、従来に比べて略2倍と言える。
の強度および耐磨耗性も、本第1実施形態と同様に従来
に比べ優れていることは同様である。
明する。
示す。
33は周方向6箇所であり、形状は同一であり、軸長方
向の位置も同一であるが、ボールの支承方式のみは、前
記第1実施形態とは異なり、円錐凹面33a状のボール
受座3a(線接触)の場合を例示するものである。
ボール5の支承方式が線状のボール受座3a(支承点3
2b)が、円錐凹面33a状のボール受座3a(支承線
33b)に代わっていることである。
たことは、線状のボール受座(点接触)は、ボールの回
転が容易、かつ、なめらかである長所を有する反面、点
でボールを支承するために摩耗が早いという短所があ
り、円錐凹面状のボール受座(線接触)は、点接触と後
記する面接触との中間にあり、適度な負荷能力とインク
による潤滑作用があり、従ってボール受座の強度および
耐磨耗性の面から好ましいとされている。
する球面凹面状のボール受座(面接触)は、ボールの負
荷能力が大きく好ましいと言われたり、実際には接触面
へのインク供給が少なく潤滑の観点から良いとは言えな
いとも言われたりする。
現は、たぶんに比較的相対的なものであり、絶対的では
ないが、それぞれに、一面的特性、作用、効果を表現し
ていると解すればよいと思われる。
らのボールの支承方式については、設計目的に沿う方式
を自由に選択して利用することができる。
て、円錐凹面33a状のボール受座3a(支承線33
b)の応用が可能であることを示す。
利点としては、突出部33の形状、円錐凹面33a状の
ボール受座3aの形状、支承線33bの長さ等を種々に
意図的に設定し、調整することにより、インクの供給と
ボール受座3aの強度および耐磨耗性を勘案した、目的
にあったボールペンチップ1bを得ることができること
である。
ては、前記第1実施形態と同様であるので説明を省略す
る。
cを図7(a,b)について説明する。
形状は同一でなく、軸長方向の位置は同一であり、ボー
ル5の支承方式は円錐凹面34a状のボール受座3a
(線接触34b)の場合を例示し、前記第2実施形態と
構成において異なる点は、突出部34Aと突出部34B
の形状が同一でないことである。
したようにポンチ200の先端形状と押圧度合い等によ
って、様々な形状(形と大きさ)とすることができる。
図示するように、突出部34Aについては、頂部に丸み
をもたせて大きくし、かつ円錐凹面34a状のボール受
座を形成し、突出部34Bについては、全体的に小さく
し、かつボール受座は形成しないようにしたものであ
る。もちろん突出部34Bを軸長方向に長く形成するこ
とにより突出部34Bを部分的にまた全面的にボール受
座とすることも可能である。
は、突出部34Aおよび突出部34Bの形状、特に大き
さの比を相互に変えることにより、インク溜め兼通路8
のパイプ2の横断面における通路面積を大小さまざまに
変化調整可能となり、またパイプ2の軸長方向において
もパイプ内周面22に沿った貫通阻止の度合いを目的に
沿って種々に設定でき、通路寸法を意図的に自由に形成
することができる。従って、前記したように、さらにイ
ンクの供給量と、インクの連続性および保持性を広範
に、大きな自由度をもって、縦横に設定することができ
る。
るため、強度および耐磨耗性を前記従来のボールペンチ
ップと比べ同等以上に確保したり増強することができ
る。
いては、前記実施形態等と同等であるので説明を省略す
る。
dを図8(a,b)について説明する。
形状は同一で、軸長方向の位置が同一ではなく、ボール
の支承方式は線状のボール受座3a(点接触)の場合を
例示したものであり、特徴的な点は、突出部35Aおよ
び突出部35Bの形状は同一であるが、軸長方向の位置
が同一でなく、互いに同図(a)においてδだけずれて
いることである。このずらすことにより、主にボール5
の支承を担当する突出部35Aと、主にインクの供給通
路を担当する突出部35Bとに役割を分担させることに
なり、支承部の形成とインクの供給通路の形成を個別に
行うことができる。
点は、一般的にボールペンの使用によって進行するボー
ル受座の摩耗によって、ボールがパイプの軸長方向に没
入し、インクの供給通路、特に前記分岐通路が縮小され
るが、予め突出部35Bの先端側とボール下面5a間の
分岐通路寸法を摩耗分に相当する長さを軸長方向に大き
く取っておくこと、即ち前記δを適宜に大きくすること
で、その影響の度合いを減じることができることであ
る。
て、安定したインクの供給量を保持することができる。
寸法が、パイプ2の軸長方向に、突出部35Aと突出部
35Bがずれた分だけ拡大し、毛細管作用を減じインク
の連続性および保持性を弱めるのではないかという懸念
があるが、通常ボール受座の使用期間中の摩耗量は僅少
であり、突出部35Aと突出部35Bを大きくずらす必
要はなく、通路寸法の拡大を抑えて、毛細管サイズ内に
収めることは十分可能である。
いては、前記実施形態等と同等であるの説明を省略す
る。
eを図9(a,b)について説明する。
で、形状は同一ではなく、軸長方向の位置も同一ではな
く、ボールの支承方式は線状のボール受座3a(点接
触)の場合を例示したものであり、突出部36Aは形状
が大きく、軸長方向の位置がパイプ2の先端側にあり、
突出部36Bは形状が小さく、軸長方向の位置がパイプ
2の後部側にあるため互いに同図(a)においてδだけ
ずれていることである。このずらすことにより、前記第
4実施形態と同様に、主にボール5の支承を担当する突
出部36Aと、主にインクの供給通路を担当する突出部
36Bとに役割を分担させることになり、支承部の形成
とインク供給通路の形成を個別に行うことができる。
れる利点も、前記第4実施形態と同様である。
あったインク溜め兼通路8の通路寸法がパイプ2の軸長
方向に拡大し、毛細管作用を減じ、インク連続性および
保持性を弱めるのではないかという懸念もない。なぜな
らば、突出部36Bを、パイプ2の軸長方向において、
突出部36A内に収めることができるため、通路寸法の
軸長方向の拡大は起こらず、毛細管サイズ内に収まるか
らである。
いては、前記実施形態等と同等であるので説明を省略す
る。
を図10(a,b)について説明する。
において、ボール5の支承方式について、さらに球面凹
面37a状のボール受座3a(面接触)が形成可能であ
ることを示すものであり、前記図1と異なる点は、中子
ピン201がパイプ2の内周面22に嵌合する中子ピン
円柱部202を有する点は同様だが、その先に中子ピン
球部203を有していることである。
ンとして抱持するボール5の直径とほぼ同じとする。
ル受座3aを形成する工程を示し、同図(b)は、この
ようにして形成されたボール受け座3aを示し、突出部
は周方向6箇所であり、形状は同一であり、パイプ2の
軸長方向の位置も同一であり、ボールの支承方式は球面
凹面37a状のボール受座3a(面接触)の場合を例示
する。この場合、各突出部37の形状は同一であっても
なくても、またパイプ2の軸長方向の位置も同一であっ
てもなくても良い。構成において特徴的な点は、ボール
5の支承方式が、前記した線状のボール受座(点接点)
および円錐凹面状のボール受座(線接触)とは異なり、
球面凹面37a状のボール受座(面接触)である点であ
る。
施形態において説明したように、設計目的に沿う方式を
自由に選択できる。この意味において、本実施形態にお
いて、球面凹面37a状のボール受座3a(支承面37
b)の形成(応用)が可能であることを示す。
なわち面接触について、今少し説明を付加すると、ボー
ル5の支承方式を当初点接触または線接触で開始したと
しても、ボールペンの使用に伴い、ボール受座3aは大
なり小なり摩耗し、いずれは面接触に近いものとなるこ
とは自明なのであるが、前記したボール受座3a回りお
よびインク溜め兼通路8に関し、インク供給とボール受
座3aの強度および耐磨耗性を勘案し、少なくとも使用
開始時のため、または使用期間中のための最適な支承方
式の選択の幅の拡大は好ましいことである。
いては、前記実施形態等と同等であるので説明を省略す
る。
gを図11(a,b)について説明する。
において、ボールの支承方式について、さらに角錐平面
38a状のボール受座3a(点接触)が形成可能である
ことを示し、前記実施形態等と異なる点は、中子ピン3
01がパイプ内周面22に嵌合する中子ピン円柱部30
2を有する点は同様だが、その先に中子ピン六角錐部3
03を有していることである。
箇所で、形状は同一であり、パイプ2の軸長方向の位置
も同一であり、ボールの支承方式は、六角錐平面38a
上のボール受座3a(点接触38b)の場合を例示す
る。この場合、突出部38の形状は同じであってもなく
ても、またパイプ2の軸長方向の位置も同じであっても
なくても良い。
承方式が前記した線状のボール受座(点接点)および円
錐凹面状のボール受座(線接触)、球面凹面状のボール
受座(面接触)に加えて、同じ点接触ではあっても、線
状のボール受座とは異なる角錐平面状のボール受座も形
成することができ、種々の応用が可能であることを示し
たものである。
は、同じ点接触でボールペンの使用を開始しても、摩耗
の進行に伴う面接触への移行速度と支承面積の拡がり方
はそれぞれ異なることである。どちらを選択するかは設
計目的に応じて選択すればよいことである。
いては、前記実施形態等と同等であるので説明を省略す
る。
hを図12(a〜c)について説明する。
で、形状は同一で、軸長方向の位置も同一で、ボールの
支承方式は、三角錐平面39a状のボール受座3a(点
接触)の場合を例示する。
平な突出部39、密接部6、三角錐平面39a状のボー
ル受座3a、支承点39bをもって形成されており、例
えばボールペンのボール径が比較的小さく、筆圧等によ
る負荷が少ない場合には、突出部39の周方向箇所が少
なくて製作しやすく利用することができる。
いては、前記実施形態等と同等であるので説明を省略す
る。
されるものではなく、必要に応じて種々変更することが
可能である。例えば、前記各実施形態においては、突出
部の数を3個または6個としたが、これを4個、5個そ
の他の数としてもよく、更に偶数個、奇数個としてもよ
いことはもちろんである。
ンチップは、このように構成され作用するものであるか
ら、ボールペンチップのインク供給に関し、インク供給
量を所定のボールペンチップに期待される所期のインク
所要量に正確に適合させることができ、インク通路にお
けるインクの連続性およびインク保持性も従来例より更
に有効な構成とすることができ、更に、ボール受座の強
度および耐磨耗性の向上を図ることができるとともに、
インク供給状態、ボール受座の強度、耐磨耗性の状態等
の設計要請に応じて、自由に、ボール受座のボール支承
方式を選択、設定、展開できるボールペンチップを得る
ことができる等の効果を奏する。
の製造工程の一工程を示す要部縦断面図
の製造工程の更に進行した工程を示す要部縦断面図
の製造工程の更に進行した工程を示す要部縦断面図
の製造工程の更に進行した工程を示す要部縦断面図
実施形態を示す要部縦断面図、(b)は(a)のA−A
線に沿った断面図、(c)は(a)のB−B線に沿った
断面図
ンチップの他の実施形態を示す図5(a)および(b)
と同様の図
ンチップの更に他の実施形態を示す図5(a)および
(b)と同様の図
ンチップの更に他の実施形態を示す図5(a)および
(b)と同様の図
ンチップの更に他の実施形態を示す図5(a)および
(b)と同様の図
更に他の実施形態を示す図3と同様の図、(b)は図5
の(b)と同様の図
ペンチップの更に他の実施形態を示す図10(a)およ
び(b)と同様の図
ペンチップの更に他の実施形態を示す図5(a)および
(b)と同様の図、また(c)は図2と同様の図
チップを示す図5(a)および(b)と同様の図
ボールペンチップ 2 パイプ 3 突出部 3a ボール受座 5 ボール 5a ボール下面 6 密接部 7 インク誘導芯 8 インク溜め兼通路 21a パイプの先端縁部 31〜39 突出部 32a 稜線 33a,34a 円錐凹面 37a 球面凹面 200 ポンチ
Claims (3)
- 【請求項1】 金属製のパイプの先端近傍を、外周面の
周方向3箇所以上より、軸心内方に押圧変形して形成し
たボール受座となる前記パイプ内の複数の突出部と、前
記パイプの先端を内方に押圧変形して形成した先端縁部
とによって、前記パイプ内にボールを抱持したボールペ
ンチップであって、前記パイプの後端からインク誘導芯
をその先端が前記突出部の後部および前記ボールの後部
に臨むようにしてパイプ内に挿入し、周方向に隣り合う
前記の全突出部は、それぞれ互いに前記パイプの内周面
から軸心内方への途中までの一定長領域を密接する密接
部をもって、前記パイプの内周面に沿った間隙を形成し
ないようにして連接されていることを特徴とするボール
ペンチップ。 - 【請求項2】 前記突出部の形状またはパイプの軸長方
向に対する位置は、それぞれ同一または非同一に形成さ
れていることを特徴とする請求項1に記載のボールペン
チップ。 - 【請求項3】 前記突出部のパイプ先端側には、それぞ
れほぼ線状または円錐凹面状または球面凹面状または角
錐平面状のボール受座が形成されていることを特徴とす
る請求項1または請求項2に記載のボールペンチップ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1997
- 1997-02-21 JP JP03790097A patent/JP3789584B2/ja not_active Expired - Fee Related
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