JPH10235777A - 薄膜ガスバリア性ポリプロピレンフィルム - Google Patents

薄膜ガスバリア性ポリプロピレンフィルム

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JPH10235777A
JPH10235777A JP4361497A JP4361497A JPH10235777A JP H10235777 A JPH10235777 A JP H10235777A JP 4361497 A JP4361497 A JP 4361497A JP 4361497 A JP4361497 A JP 4361497A JP H10235777 A JPH10235777 A JP H10235777A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性等に優れ
た透明な薄膜ガスバリア性ポリプロピレンフィルムを提
供する。をを使用したものより軽量で、液晶ディスプレ
イ製造の際にガラス基板プロセスを利用することが可能
で、耐衝撃性にも優れた透明導電性シートを提供する。 【解決手段】 二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少な
くとも片面に無機酸化物から成る薄膜を形成した薄膜ガ
スバリア性ポリプロピレンフィルムにおいて、薄膜表面
の粗さRmsが3.5nm以下であり、かつ、形成され
た薄膜を構成する粒子の平均粒径が20nm以下である
ことを特徴とする薄膜ガスバリア性ポリプロピレンフィ
ルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム上に無機酸化物の薄膜を形成してなる酸
素ガスバリア性、水蒸気バリア性等に優れた透明な薄膜
ガスバリア性ポリプロピレンフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プラスチックフィルムを基材
とし、その表面に酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、酸化珪素等の無機酸化物の薄膜を形成した薄膜ガス
バリア性フィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断
を必要とする物品の包装、食品や工業用品及び医薬品等
の変質を防止するため包装用途に広く利用されている。
そして、かかる薄膜ガスバリア性フィルムに関し、ガス
バリア性の向上などを目的とした種々の改良検討がなさ
れており、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの
両面の濡れ張力及び片面の面粗さを規定したフィルム
(特開平4−216829)、珪素酸化物が基材のプラ
スチックフィルムの組織と混在させたフィルム(特開平
4−115940)、蒸着原料の比重及び平均粒径を規
定したフィルム(特開平6−57417、特開平7−3
4224)などが提案されている。また、薄膜ガスバリ
ア性フィルムでの主に基材フィルムと薄膜との密着性改
良として、基材フィルムに樹脂コート又はアンカーコー
トをしたもの(特開平3−86539、特開平3−23
1838、特開平3−278946等)も多く提案され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】薄膜ガスバリア性フィ
ルムにおける基材としては種々のプラスチックフィルム
が利用可能であるが、ポリプロピレンフィルムは、加工
性やガスバリア性の面で大きな問題がなく、かつ、安価
で汎用性のものとして最も有望な基材プラスチックフィ
ルムの一つと考えられる。しかしながら、従来のポリプ
ロピレンフィルムを用いた薄膜ガスバリア性フィルム
は、特異的に水蒸気バリア性は良いが、酸素ガスバリア
性は低い傾向にあるという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上記問題点にに鑑み、水蒸気バリア性のみならず酸素ガ
スバリア性も良好である薄膜ガスバリア性ポリプロピレ
ンフィルムを提供することを目的として鋭意検討を行っ
た結果、該フィルムにおける特定物性がそのガスバリア
性能に大きな影響を与えていることを見いだし、本発明
に到達した。即ち、本発明は、二軸延伸ポリプロピレン
フィルムの少なくとも片面に無機酸化物から成る薄膜を
形成した薄膜ガスバリア性ポリプロピレンフィルムにお
いて、薄膜表面の粗さRmsが3.5nm以下であり、
かつ、形成された薄膜を構成する粒子の平均粒径が20
nm以下であることを特徴とする薄膜ガスバリア性ポリ
プロピレンフィルムに存する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の薄膜ガスバリア性フィルムにおける基材フィル
ムのポリプロピレンフィルムの原料としては、プロピレ
ンの単独重合体以外に、プロピレンと他のα−オレフィ
ン(エチレン、ブテン等)の共重合体あるいはポリプロ
ピレンと他のα−オレフィン(エチレン、ブテン等)の
ブレンド物であって構わない。また、該原料中には、公
知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑
剤、滑剤、フィラー、着色剤等を添加することができ
る。
【0006】ポリプロピレンフィルムを二軸延伸する方
法としては、従来公知の一般的な方法が採用できる。例
えば、先ず、原料を押し出し機により溶融し、環状ダイ
やTダイにより押し出して、急冷することにより実質的
に無定型で配向していない未延伸フィルムを製造する。
その後、この未延伸フィルムをテンター式逐次二軸延
伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸
延伸などの方法により、フィルムの流れ(縦軸)方向及
びフィルムの流れ方向とそれに直角な(横軸)方向に延
伸することにより製造することができる。延伸倍率は、
適宜ポリプロピレン原料により選択することができる
が、通常、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍
が好ましい。
【0007】二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚さ
は、通常5〜500μmの範囲で選ぶことができるが、
機械強度と可撓性の点から10〜100μmの範囲が好
ましい。該フィルムの幅や長さには、特に制限はなく、
適宜用途に応じて選択することができる。更に、該フィ
ルムには、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、
グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理等の従来公知の
方法による表面処理や、薄膜とフィルムとの密着性を向
上させるためにアンカーコート処理などを行うことがで
きる。かかる処理は、二軸延伸プロピレンフィルムの製
造途中又は製造された後の二次加工処理等により行うこ
とができる。
【0008】アンカーコート処理によれば、薄膜とフィ
ルムとの密着性を向上させることができるが、その結果
として良好なガスバリア性が発現しやすくなるという点
でも望ましいといえる。アンカーコート層の厚さは、使
用する二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面凹凸に合
わせ、0.005〜5μmの範囲とするのが好ましい。
0.005μm未満では、塗布むらが生じやすく、一
方、5μmを越えると基材フィルムとアンカーコート層
との密着性が悪くなる傾向があるのであまり好ましくな
い。アンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イ
ソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチ
レンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ
樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂及びアルキ
ルチタネート等を単独あるいいは2種以上を併せて使用
することができる。また、これらには従来公知の添加剤
を加えることもできる。
【0009】一方、本発明の薄膜ガスバリア性フィルム
の薄膜層を形成する無機酸化物は、金属、非金属、亜金
属の酸化物であり、具体例としては、酸化アルミニウ
ム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化
カルシウム、酸化カドミウム、酸化銀、酸化金、酸化ク
ロム、珪素酸化物、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、
酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケ
ル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ビスマス、酸化マ
グネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化バナ
ジウム、酸化バリウム等が挙げられるが、珪素酸化物、
酸化アルミニウムが、高度な酸素ガスバリア性、水蒸気
バリア性及び透明性とを兼ね備え、かつ、工業的に安価
であるので特に好ましい。かかる珪素酸化物、酸化アル
ミニウムは各々単独で使用してもよいし、混合物として
使用してもよい。なお、無機酸化物には、微量の金属、
非金属、亜金属単体やそれらの水酸化物、また、可撓性
を向上させるために適宜炭素又はフッ素が含まれていて
もよい。
【0010】本発明の薄膜ガスバリア性ポリプロピレン
フィルムは、以上の二軸延伸ポリプロピレンフィルムと
無機酸化物の薄膜とから成る。具体的には、二軸延伸ポ
リプロピレンフィルムの少なくとも片面に無機酸化物か
ら成る薄膜を形成し、その薄膜表面の粗さRmsが3.
5nm以下、好ましくは2.5nm以下、特に好ましく
は2.0nm以下である。薄膜の表面粗さは、基材フィ
ルムの粗さと薄膜を形成する粒子の大きさ及び薄膜の厚
さ等の影響を受けると考えられるが、Rmsが3.5n
m以下であると概ね平坦な薄膜となり、これに対応して
フィルム全体としての酸素ガスバリア性及び水蒸気バリ
ア性が良好となる。
【0011】なお、ここでの薄膜表面の粗さは、通常市
販されている原子間力顕微鏡(以下「AFM」とい
う。)により測定したAFM凹凸像を粗さ解析により求
めた粗さRms(自乗平均平方根粗さ)の値である。A
FMとしては、DigitalInstruments
社、セイコー電子工業社 Topometrix社等か
ら市販されている装置をそのまま使用することができ
る。この粗さRmsの測定では、Q.Zong,D.I
nnis,K.Kjoller and V.B.El
ings、 Surf.Sci.Letter,(19
93) Vol.290,p688〜692に説明のあ
る共振モードに相当する測定モードが採用される。例え
ば、Digital Instruments社製の装
置NanoScope〓を使用した場合にはタッピング
モードで、また、セイコー電子工業社製SPI3700
を使用した場合にはダイナミックフォースモードで測定
を実施するとよい。
【0012】薄膜表面の粗さの測定では、薄膜ガスバリ
ア性フィルムの薄膜面を1μm×1μmの面積を測定し
たAFM凹凸像についてフラット処理を行った後、粗さ
解析を行ってRms粗さの値を求める。ここに、フラッ
ト処理とは、2次元データにつき、基準面に対して1
次、2次又は3次元の関数で傾きの補正を処理すること
をいい、粗さ解析により求めた粗さRmsは以下の式
(1)により求めることができる。式(1)において、
Zi=f(x,y)で、x,yの座標は0から511の
512点ずつ、即ち、N=512x512、約25万点
での高さ(粗さ)の粗さRmsである。
【0013】
【数1】 −−−(1)
【0014】また、本発明の薄膜ガスバリア性ポリプロ
ピレンフィルムでは、形成された薄膜を構成する粒子の
平均粒径が20nm以下であることを要する。粒径が2
0nm以下になると酸素ガスバリア性及び水蒸気バリア
性が向上するが、その理由として、薄膜中で粒子が高密
度で充填し、また基材フィルムの表面凹凸を隙間なく効
率的に被覆できるようになるためと推定される。本発明
における薄膜の粒子の粒径とは、薄膜を形成する平均的
粒子の粒子径を意味するものであり、その下限は特に限
定はないが、平均粒径は小さいほど望ましく、好ましく
は15nm以下、特に好ましくは10nm以下である。
なお、ここでの薄膜を構成する粒子の平均粒径とは、基
材の二軸延伸ポリプロピレンフィルム上に形成された薄
膜を構成する無機酸化物の各粒子の平均粒径を意味し、
蒸着前の無機粒子の平均粒径を意味するものではない。
【0015】形成された薄膜の粒子の粒径は、前記の薄
膜表面の粗さを測定したと同様のAFM使用し、それに
より測定したAFM凹凸像を解析することにより得られ
る。例えば、AFM凹凸像について、基材の二軸延伸ポ
リプロピレンフィルムに由来する大きな凹凸やうねりを
平滑化する処理として、AFM置に付属のソフトウエア
であるローラーフィルター処理を行い、次いで、グレイ
ンサイズ解析を行って、平均グレインサイズ(nm2
を求め、それと等価な円面積の半径(nm)を算出した
値を粒径とする。ここに、グレインとは、画像処理した
AFM凹凸像の断面をある高さで区切って(スライスし
て)二値化したときに、島状になって現れる高い方の部
分を指し、スライスする高さはグレイン数が最大になる
高さを採用する。
【0016】以上の本発明の薄膜ガスバリア性フィルム
の薄膜の厚さは特に制限はなく、無機酸化物の種類等に
よっても異なるが、酸素ガスバリア性及び水蒸気バリア
性、更には経済性を考慮すると、薄膜の厚さは10〜5
0nmが好ましい。更に高度な酸素ガスバリア性や水蒸
気バリア性を得るためには薄膜の厚さを厚くすればよい
が、薄膜の厚さが10nm未満では薄膜が島状になって
薄膜が形成されない箇所が生ずる可能性があり均一な膜
が得られない傾向があるので余り好ましくない。
【0017】また、包材に用いる薄膜ガスバリア性フィ
ルムは一般に透明性が高いことが望まれる。この場合の
フィルムの全光線透過率は通常85%以上、好ましくは
90%以上のものが要求されるが、本発明の薄膜ガスバ
リア性フィルムは、薄膜の厚さを上記の10〜50nm
の範囲においてかかる基準を容易に満たすことができ
る。
【0018】本発明の薄膜ガスバリア性フィルムにおい
て、基材の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに薄膜を形
成する方法としては、得られた薄膜ガスバリア性フィル
ムの薄膜表面の粗さRmsが3.0nm以下、かつ薄膜
の粒子の粒径が20nm以下になるように公知の蒸着方
法の条件を最適化すればよい。具体的な蒸着方法として
は、抵抗加熱法、高周波誘導加熱法、電子ビーム照射加
熱法又はレーザー加熱法による真空蒸着法、イオンプレ
ーティング法、スパッタリング法、CVD法等が採用で
きる。また、薄膜を形成する蒸着材料としては、金属単
体や無機酸化物又はそれらの混合物が使用でき、金属単
体の場合は、酸素ガスを導入することにより、形成され
た薄膜が無機酸化物となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の内容及び効果を実施例により
更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り以下の例に限定されるものではない。なお、以下の実
施例におけるフィルムの測定及び評価の方法は以下の通
りである。 <薄膜表面の粗さ(粗さRms)>原子間力顕微鏡(A
FM)として、Digital Instrument
s社製のNano Scope〓を使用し、タッピング
モードで、実施例及び比較例で得られた薄膜ガスバリア
性フィルムの薄膜面を1μm×1μmの面積を測定した
AFM凹凸像についてフラット処理を行った後、粗さ解
析を行ってRms粗さを求めた。この際、測定に用いる
カンチレバーは、Nano Probe製の磨耗や汚れ
のない状態のものを用いた。また、測定する箇所は、フ
ィルム中の滑剤やフィラー等による高さ数10nmの突
起及び深さ数10nmの窪みのない箇所とした。
【0020】<薄膜を構成する粒子の平均粒径>薄膜表
面の粗さと同様に測定したAFM凹凸像に対して、先
ず、基材の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに由来する
大きな凹凸やうねりを平滑化する処理として、同装置の
画像処理法の1つであるローラーフィルター処理を行っ
た。次いで、グレインサイズ解析を行って、平均グレイ
ンサイズ(nm2)を求め、それと等価な円面積の半径
(nm)を算出し、これを粒子の平均粒径とした。 <薄膜の厚さ>実施例及び比較例により得られた薄膜ガ
スバリア性フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(日立製
作所製、H−600型)で観察し、薄膜の厚さを測定し
た。
【0021】<酸素透過率>ASTMD−3985に準
拠して、酸素透過率測定装置(モダンコントロール社
製、OX−TRAN100)を使用し、温度25℃、相
対湿度95%の条件下で測定した。 <水蒸気透過率>水蒸気透過率測定装置(モダンコント
ロール社製、Permatran−W1)を使用して、
温度40℃、相対湿度90%の条件下で測定した。 <透明性>光度計(NIPPON DENSHOKU社
製NDH−300A)により全光線透過率を測定した。
【0022】実施例1 基材フィルムとして二軸延伸ポリプロピレンフィルム
(二村三昌(株)製FOK、厚さ20μm)を使用し、
そのコロナ処理面にイソシアネート化合物(日本ポリウ
レタン工業(株)製;コロネートL)と飽和ポリエステ
ル(東洋紡績(株)製、バイロン300)を混合し、約
0.2μmの厚さで塗布してアンカーコートを施し、こ
のアンカーコート面に、巻取り式真空蒸着装置を使用
し、蒸着材料としてSiO(住友シチックス(株)製)
を高周波誘導加熱方式で蒸発させ、圧力1x10-4To
rrの条件下で、厚さ25nmの珪素酸化物の薄膜を形
成させた薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄
膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表−1に示す。
【0023】実施例2 実施例1において、蒸着時の圧力を2x10-5Torr
に代えた他は同様な方法で珪素酸化物の薄膜を形成させ
た薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガス
バリア性フィルムの物性結果を表−1に示す。 実施例3 実施例1において、基材フィルムを2軸延伸ポリプロピ
レンフィルム(本州製紙(株)製PY−102、厚さ2
5μm)のコロナ面に、ジカルボン酸成分としてテレフ
タル酸92モル%、ソジウムスルホイソフタル酸8モル
%、グリコール成分としてエチレングリコール75モル
%、ジエチレングリコール25モル%から成る水分散性
100部と水1900部から成る水性のコート剤を、厚
さ約0.1μmで塗布したフィルムに代え、そのアンカ
ーコート面に薄膜形成した他は同様な方法で珪素酸化物
の薄膜を形成させた薄膜ガスバリア性フィルムを得た。
得られた薄膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表−1
に示す。
【0024】実施例4 実施例2において、アンカーコート剤としてエチレン−
ビニルアルコール共重合体樹脂(日本合成化学工業
(株)製ソアノール30L)を用いて、約0.5μmの
厚さで塗布した他は同様な方法で珪素酸化物の薄膜が形
成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄
膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表−1に示す。 実施例5 実施例1において、蒸着材料にAl(三菱化学(株)
製)を用い、電子ビーム加熱方式で、酸素ガスを導入し
圧力2x10-4Torrの条件で、厚さ25nmの酸化
アルミニウム薄膜を形成させた他は同様な方法で薄膜ガ
スバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性
フィルムの物性結果を表−1に示す。
【0025】比較例1 実施例1において、基材フィルムをアンカーコートを施
していない2軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村三昌
(株)製FOK、厚さ20μm)に代え、フィルムのコ
ロナ処理面に薄膜形成を行った他は同様な方法で珪素酸
化物の薄膜を形成させた薄膜ガスバリア性フィルムを得
た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表
−1に示す。
【0026】比較例2 実施例1において、メルトフローレート2.3g/10
分のポリプロピレン樹脂を210℃でTダイ押し出し機
を使用して、溶融、押し出させ、60℃のキャストロー
ルに密着急冷させた後、130℃でロール式延伸機にて
縦方向に5倍延伸し、一軸延伸フィルムを作製し、得ら
れたフィルムを数10cm長さに切り取り、その片面に
実施例1で使用したアンカーコート剤を同様に塗布し、
卓上延伸機にて155℃で未延伸方向である横方向に5
倍延伸し、160℃で熱固定処理を行って作製した二軸
延伸ポリプロピレンフィルム使用した他は同様な方法で
珪素酸化物を形成させた薄膜ガスバリア性フィルムを得
た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表
−1に示す
【0027】
【表1】 注)上記表−1において、酸素透過率と水蒸気透過率の単位は(cc/m2・24hr ・ atm)である。
【0028】
【発明の効果】本発明の薄膜ガスバリア性ポリプロピレ
ンフィルムは、水蒸気バリア性のみならず酸素ガスバリ
ア性も優れており、内容物が水分や酸素による変質を嫌
う食品、医薬品、薬品、香料などを密封する容器、包装
用途として様々な形態に加工して使用することができ
る。また、本発明の薄膜ガスバリア性フィルムは、他の
プラスチックフィルム、プラスチックシート、紙等と積
層して使用するなど種々の包装用品に応用できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少な
    くとも片面に無機酸化物から成る薄膜を形成した薄膜ガ
    スバリア性ポリプロピレンフィルムにおいて、薄膜表面
    の粗さRmsが3.5nm以下であり、かつ、形成され
    た薄膜を構成する粒子の平均粒径が20nm以下である
    ことを特徴とする薄膜ガスバリア性ポリプロピレンフィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 薄膜表面の粗さRmsが2.5nm以下
    であることを特徴とする請求項1の薄膜ガスバリア性ポ
    リプロピレンフィルム。
  3. 【請求項3】 薄膜を構成する粒子の平均粒径が15n
    m以下であることを特徴とする請求項1又は2の薄膜ガ
    スバリア性ポリプロピレンフィルム。
  4. 【請求項4】 薄膜の厚さが10〜50nmであること
    を特徴とする請求項1ないし3いずれかの薄膜ガスバリ
    ア性ポリプロピレンフィルム。
  5. 【請求項5】 無機酸化物が珪素酸化物及び/又は酸化
    アルミニウムであることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかの薄膜ガスバリア性ポリプロピレンフィル
    ム。
  6. 【請求項6】 アンカーコート処理した二軸延伸ポリプ
    ロピレンフィルム面に無機酸化物から成る薄膜が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    の薄膜ガスバリア性ポリプロピレンフィルム。
  7. 【請求項7】 全光線透過率が85%以上であることを
    特徴とする請求項1ないし6のいずれかの薄膜ガスバリ
    ア性ポリプロピレンフィルム。
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