JP3564919B2 - 薄膜ガスバリア性フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材プラスチックフィルム面に無機酸化物の薄膜を形成してなる、酸素ガスバリア性及び水蒸気バリア性に優れた透明な薄膜ガスバリア性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プラスチックフィルムを基材とし、その表面に酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の無機酸化物の薄膜を形成した薄膜ガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装、食品や工業用品及び医薬品等の変質を防止するため包装用途に広く利用されている。また、薄膜ガスバリア性フィルムは、包装用途以外にも、近年、液晶表示素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、EL用基板、カラーフィルター等で使用する透明導電シートの一部などの新しい用途にも注目されている。
【0003】
そして、かかる薄膜ガスバリア性フィルムに関し、ガスバリア性の向上などを目的とした種々の改良検討がなされており、例えば、液晶性ポリエステルフィルムの幅方向の平均粗さを規定したもの(特開平3−176123)、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの両面の濡れ張力及び片面の面粗さを規定したフィルム(特開平4−216829)、珪素酸化物が基材のプラスチックフィルムの組織と混在させたフィルム(特開平4−115940)、蒸着原料の比重及び平均粒径を規定したフィルム(特開平6−57417、特開平7−34224)などが提案されている。また、薄膜ガスバリア性フィルムでの主に基材フィルムと薄膜との密着性改良として、基材フィルムに樹脂コート又はアンカーコートをしたもの(特開平3−86539、特開平3−231838、特開平3−278946等)も多く提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような方法で改良されたフィルムでも、食料品等の常温での長期保存が十分といえる酸素ガスバリア性及び水蒸気バリア性を有するフィルムを得るためには薄膜部分が厚くなる傾向があり、その結果として、薄膜のクラック発生、密着性低下、透明性、外観の低下、フィルムのカール等の問題が生じたり、また、コスト高にもなり、実用性の面でなお十分でない。また、薄膜の厚さを厚くしても、酸素ガスバリア性及び水蒸気バリア性の向上には限度があり、同じ膜厚でも更に高度なガスバリア性を有するフィルムが望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜部分を構成する粒子がより緻密に充填することで薄膜の厚さを薄くてもガスバリア性が顕著に向上することを見いだし、本発明に到達した。即ち、本発明は、プラスチックフィルムの少なくとも片面に無機酸化物から成る薄膜を形成した薄膜ガスバリア性フィルムにおいて、薄膜を構成する粒子の平均半径が20nm以下であり、かつ、該粒子の偏平率が0.10以下であることを特徴とする薄膜ガスバリア性フィルムに存する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の薄膜ガスバリア性フィルムの基材フィルムの原料としては、フィルムとして利用されるようなプラスチック原料であれば特に制限はない。具体的な例としては、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン(PO)系樹脂、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、(PEN)等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド(PA)系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリサルホン(PS)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、三フッ化塩化エチレン(PFA)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル(PVF)、パーフルオロエチレン−パーフロロプロピレン−パーフロロビニルエーテル三元共重合体(EPE)等のフッ素系樹脂、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物より成る樹脂組成物、このアクリレー化合物とチオール基を有するメルカプト化合物より成る樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート等のオリゴマーを多官能アクリレートモノマーに溶融せしめた樹脂組成物等の光硬化性樹脂、及びこれらの混合物などが挙げられる。なお、以上のプラスチック原料中には、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤等を添加することができる。
【0007】
以上のプラスチック原料から得られるフィルムは、未延伸フィルムでもよいし延伸フィルムでもよい。また、他のプラスチックフィルムと積層されていてもよい。
かかるプラスチックフィルムは、従来公知の一般的な方法により製造することができる。例えば、原料樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して、急冷することにより実質的に無定型で配向していない未延伸フィルムを製造することができる。また、延伸フィルムは、この未延伸フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの従来公知の一般的な方法により、フィルムの流れ(縦軸)方向又はフィルムの流れ方向とそれに直角な(横軸)方向に延伸することにより製造することができる。延伸倍率は、適宜原料のプラスチックにより選択することができるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
【0008】
プラスチックフィルムの厚さは、薄膜ガスバリア性フィルムの基材としての機械強度、可撓性、透明性等、用途に応じ、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲で選択される。また、フィルムの幅や長さは特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができる。
更に、該フィルムには、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、薄膜とフィルムとの密着性を向上させるためにアンカーコート処理などを行うことができる。かかる処理は、フィルムの製造途中又は製造された後の二次加工処理等により行うことができる。
【0009】
アンカーコート処理によれば、薄膜とフィルムとの密着性を向上させることができるが、その結果として良好なガスバリア性が発現しやすくなるという点でも望ましいといえる。アンカーコート層の厚さは、使用するフィルムの表面凹凸に合わせ、0.005〜5μmの範囲とするのが好ましい。0.005μm未満では、塗布むらが生じやすく、一方、5μmを越えると基材フィルムとアンカーコート層との密着性が悪くなる傾向があるのであまり好ましくない。アンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂及びアルキルチタネート等を単独あるいいは2種以上を併せて使用することができる。また、これらには従来公知の添加剤を加えることもできる。
【0010】
一方、本発明の薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜層を形成する無機酸化物は、金属、非金属、亜金属の酸化物であり、具体例としては、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸化銀、酸化金、酸化クロム、珪素酸化物、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化バリウム等が挙げられるが、珪素酸化物、酸化アルミニウムが、高度な酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性及び透明性とを兼ね備え、かつ、工業的に安価であるので特に好ましい。かかる珪素酸化物、酸化アルミニウムは各々単独で使用してもよいし、混合物として使用してもよい。なお、無機酸化物には、微量の金属、非金属、亜金属単体やそれらの水酸化物、また、可撓性を向上させるために適宜炭素又はフッ素が含まれていてもよい。
【0011】
本発明の薄膜ガスバリア性フィルムは、以上のようなフィルムと無機酸化物の薄膜とから成るが、その薄膜を構成する粒子の平均半径が20nm以下であることを要する。半径が20nm以下になると酸素ガスバリア性及び水蒸気バリア性が向上するが、その理由として、薄膜中で粒子が高密度で充填し、また基材フィルムの表面凹凸を隙間なく効率的に被覆できるようになるためと推定される。本発明における薄膜の粒子の半径とは、薄膜を形成する平均的粒子の半径を意味するものであり、その下限は特に限定はないが、平均半径は小さいほど望ましく、好ましくは15nm以下、特に好ましくは10nm以下である。なお、ここでの薄膜を構成する粒子の平均半径とは、基材のフィルム上に形成された薄膜を構成する無機酸化物の各粒子の平均半径を意味し、蒸着前の無機粒子の平均半径を意味するものではない。
【0012】
また、本発明の薄膜ガスバリア性フィルムを規定する重要な要件として、粒子偏平率が0.10以下、好ましくは0.08以下であることを必要である。かかる偏平率とは、粒子の偏平化の度合いが大きいを示す指標であって、偏平率が0.10以下より小さいと、薄膜中の粒子がより隙間なく緻密に充填され易いため、より高度な酸素ガスバリア性及び水蒸気バリア性を発現するものと推定される。
【0013】
以上の本発明の薄膜ガスバリア性フィルムで規定する薄膜を構成する粒子の平均半径と偏平率は、原子間力顕微鏡(以下「AFM」という。)により測定したAFM凹凸像を解析することにより求めることができる。AFMとしては、Digital Instruments社、セイコー電子工業社、Topometrix社等から市販されている装置をそのまま使用することができる。この場合、Q.Zong,D.Innis,K.Kjoller and V.B.Elings、 Surf.Sci.Letter,(1993) Vol.290,p688〜692に説明のある共振モードに相当する測定モードが採用される。例えば、Digital Instruments社製の装置NanoScope(c) を使用した場合にはタッピングモードで、また、セイコー電子工業社製SPI3700を使用した場合にはダイナミックフォースモードで測定を実施するとよい。
【0014】
薄膜表面の粒子の偏平率は、例えば、セイコー電子工業製SPI3700を使用した場合は、それにより測定したAFM凹凸像について、基材のプラスチックフィルムに由来する大きな凹凸やうねりを平滑化する処理として、該AFM装置に付属のソフトウエアで3次の傾斜自動補正処理を行い、次いで、任意に選択した1〜数個の粒子について、装置付属のソフトウエアでライン解析を行い、粒子の断面データから、粒子の底面半径rと粒子の高さzを求め、z/rを計算する。本願では、同様にして解析した粒子100個分のz/rの平均値を持って、特に薄膜ガスバリア性フィルムの粒子の偏平率と定義した。また、上記で解析した粒子100個分の粒子の底面半径rの平均値を持って、薄膜を構成する粒子の平均半径と定義した。
【0015】
上記のライン解析において、任意の粒子を選択するときは、異常に大きく又は小さく見える粒子は省き、且つ、選択する粒子の直径を通すように、即ちそれら粒子の頂点と粒子の端を含むようにして解析する線分を設定する。
以下図面を用いて説明するに、図1にライン解析する際のx−y画面の粒子の拡大模式図を、図2にライン解析の線分の断面図を示す。測定点は、それぞれ(x,y,z)値を持っており、図1において粒子の頂点をB(x,y,z)と粒子の端の点をA(x,y,z)及びC(x,y,z)とすると、解析する粒子の線分は、下記の式(1)、(2)満たす断面像を与えるものでなければならない。但し、選択する線分のベースにうねりが存在する場合は、うねりのカットオフ値(λc)以下のデータを落とした表示を用いてもよい。
【0016】
【数1】
|z−z|≦0.05z ・・・(1)
【数2】
0.9r≦r≦1.1r ・・・(2)
【0017】
ここで、薄膜表面の粒子の底面半径rと粒子の高さzは、点Aと点B、または点Cと点Bの2点間のどちらかを選択し、解析する。ここでは点Aと点Bを用いて説明するに、薄膜表面の粒子の底面半径rは、点Aと点Bの距離であり、下記式(3)で表される値(nm)である。また、薄膜表面の粒子の高さzは、点Aと点B、または点Cと点Bの2点間の高低差であり、下記式(4)で表される値(nm)である。
【0018】
【数3】
r=[(x−x+(y−y1/2 ・・・(3)
【数4】
z=|z−z| ・・・(4)
【0019】
以上の本発明の薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜の厚さは特に制限はなく、無機酸化物の種類等によっても異なるが、酸素ガスバリア性及び水蒸気バリア性、更には経済性を考慮すると、薄膜の厚さは5〜50nmが好ましい。更に高度な酸素ガスバリア性や水蒸気バリア性を得るためには薄膜の厚さを厚くすればよいが、薄膜の厚さが5nm未満では薄膜が島状になって薄膜が形成されない箇所が生ずる可能性があり均一な膜が得られない傾向があるので余り好ましくない。また、包材に用いる薄膜ガスバリア性フィルムは一般に透明性が高いことが望まれる。この場合のフィルムの全光線透過率は通常85%以上、好ましくは90%以上のものが要求されるが、本発明の薄膜ガスバリア性フィルムは、薄膜の厚さを上記の5〜50nmの範囲においてかかる基準を容易に満たすことができる。
【0020】
本発明の薄膜ガスバリア性フィルムにおいて、基材のプラスチックフィルムに薄膜を形成する方法としては、得られた薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜を構成する粒子の平均半径が20nm以下であり、かつ、該粒子の偏平率が0.10以下であるように公知の蒸着方法の条件を最適化すればよい。具体的な蒸着方法としては、抵抗加熱法、高周波誘導加熱法、電子ビーム照射加熱法又はレーザー加熱法による真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法等が採用できる。また、薄膜を形成する蒸着材料としては、金属単体や無機酸化物又はそれらの混合物が使用でき、金属単体の場合は、酸素ガスを導入することにより、形成された薄膜が無機酸化物となる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の内容及び効果を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。なお、以下の実施例におけるフィルムの測定及び評価の方法は以下の通りである。
<薄膜表面の粒子の偏平率>
原子間力顕微鏡(AFM)として、セイコー電子工業製SPI3700を使用し、ダイナミックフォースモードで、実施例及び比較例で得られた薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜面を1μm×1μmの面積をx、y方向とも512分割で測定したAFM凹凸像について、3次の傾斜自動補正処理を行った後、任意の粒子を選択し、ライン解析を行って、薄膜表面の粒子の断面像から粒子の高さzと粒子半径rを解析し、z/rを求めた。そして、粒子100個分のz/rの平均値を、薄膜ガスバリア性フィルムを構成する粒子の偏平率の値とした。この際、測定に用いるカンチレバーは、磨耗や汚れのない状態のものを用いた。また、測定する箇所は、フィルム中の滑剤やフィラー等による高さ数10nmの突起及び深さ数10nmの窪みのない箇所とした。
【0022】
<薄膜を構成する粒子の平均半径
上記の薄膜表面の粒子の偏平率のライン解析の際に測定した粒子100個分のrの平均値として求めた。
<薄膜の厚さ>
実施例及び比較例により得られた薄膜ガスバリア性フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(日立製作所製、H−600型)で観察し、薄膜の厚さを測定した。
<酸素透過率>
ASTMD−3985に準拠して、酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN100)を使用し、温度25℃、相対湿度95%の条件下で測定した。
【0023】
<水蒸気透過率>
水蒸気透過率測定装置(モダンコントロール社製、Permatran−W1)を使用して、温度40℃、相対湿度90%の条件下で測定した。
<透明性>
光度計(NIPPON DENSHOKU社製NDH−300A)により全光線透過率を測定した。
【0024】
実施例1
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイアホイルヘキスト(株)製、H−500、厚さ12μm)のコロナ処理面に、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL)と飽和ポリエステル(東洋紡績(株)製バイロン300)を混合し、塗布層の平均厚さ約0.1μmで塗布して、アンカーコートを施した。このフィルムの塗布面に、巻取り式真空蒸着装置を使用し、蒸着材料としてSiO(住友シチックス(株)製)を高周波誘導加熱源(日本真空技術(株)製最大出力5.04KVA)を用い、加熱出力55%で蒸発させ、圧力2x10−5Torr、蒸着間距離300mmの条件下で、膜厚20nmの珪素酸化物の薄膜が形成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表−1に示す。
【0025】
実施例2
実施例1において、加熱出力を80%に代えた他は、同様な方法で珪素酸化物の薄膜が形成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表−1に示す。
実施例3
実施例1において、蒸着間距離を450mmに代えた他は、同様な方法で珪素酸化物の薄膜が形成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表−1に示す。
実施例4
実施例1において、酸素ガスを導入し圧力を1x10−4Torrに代えた他は、同様な方法で珪素酸化物の薄膜が形成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表−1に示す。
【0026】
実施例5
実施例1において、加熱を抵抗加熱方式に代え、ルツボ温度を1350℃にし蒸着を行った他は、同様な方法で珪素酸化物の薄膜が形成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表−1に示す。
実施例6
実施例1において、アンカーコート剤を、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸92モル%、ソジウムスルホイソフタル酸8モル%、グリコール成分としてエチレングリコール75モル%、ジエチレングリコール25モル%から成る水分散性100部と水1900部から成る水性のコート剤に代えた他は、同様な方法で珪素酸化物の薄膜が形成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表−1に示す。
【0027】
比較例1
実施例1において、加熱出力を30%に代えた他は、同様な方法で珪素酸化物の薄膜が形成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表−1に示す。
比較例2
実施例1において、蒸着間距離を250mmに代えた他は、同様な方法で珪素酸化物の薄膜が形成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表−1に示す。
比較例3
実施例1において、酸素ガスを導入し圧力を7x10−4Torrに代えた他は、同様な方法で珪素酸化物の薄膜が形成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの物性結果を表−1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003564919
【0029】
実施例7
実施例1において、蒸着材料をAl(三菱化学(株)製)、加熱を電子ビーム方式に代え、酸素ガスを導入し圧力2x10-4Torrに代えた他は、同様な方法で酸化アルミニウムの薄膜が形成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜を構成する粒子の平均半径は7.5nm、粒子の偏平率は0.065、酸素透過率は0.3cc/m2 ・24hr・atm 、水蒸気透過率は3.5g/m 2 ・24hr・atm 及び全光線透過率は90%であった。
【0030】
実施例8
実施例1において、基材のプラスチックフィルムをポリエーテルサルホン(PES)フィルム(住友ベークライト製、スミライトFS、厚さ50μm)に代え、膜厚40nmの薄膜を形成させた他は、同様な方法で珪素酸化物の薄膜が形成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜を構成する粒子の平均半径は11.8nm、粒子の偏平率は0.075、酸素透過率は0.2cc/m2 ・24hr・atm 、水蒸気透過率は0.3g/m 2 ・24hr・atm 及び全光線透過率は88%であった。
【0031】
実施例9
実施例1において、基材のプラスチックフィルムをポリフッ化ビニル(PVF)フィルム(デュポンジャパン製テドラー100BG30UT、厚さ25μm)に代え、膜厚50nmの薄膜を形成させた他は、同様な方法で珪素酸化物の薄膜が形成された薄膜ガスバリア性フィルムを得た。得られた薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜を構成する粒子の平均半径は12.2nm、粒子の偏平率は0.055、酸素透過率は0.1cc/m2 ・24hr・atm 、水蒸気透過率は0.1g/m 2 ・24hr・atm hr及び全光線透過率は89%であった。
得られた薄膜ガスバリア性フィルムについて、前記した方法による薄膜表面の粒子の偏平率、酸素透過率、水蒸気透過率及び透明性を測定及び評価し、表1に示した。
【0032】
【発明の効果】
本発明の薄膜ガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素等に対するガスバリア性に優れており、内容物が水分や酸素による変質を嫌う食品、医薬品、薬品、香料などを密封する容器、包装用途として様々な形態に加工して使用することができる。また、本発明の薄膜ガスバリア性フィルムは、他のプラスチックフィルムや紙等と積層して使用したり、薄膜の上に硬化膜層をつけて使用することができ、上記の用途の他にも透明導電シート等にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜を構成する粒子をライン解析する際のx−y画面の粒子の拡大模式図を示す。
【図2】薄膜ガスバリア性フィルムの薄膜を構成する粒子をライン解析する際の線分の断面図を示す。

Claims (6)

  1. プラスチックフィルムの少なくとも片面に無機酸化物から成る薄膜を形成した薄膜ガスバリア性フィルムにおいて、薄膜を構成する粒子の平均半径が20nm以下であり、かつ、該粒子の偏平率が0.10以下であることを特徴とする薄膜ガスバリア性フィルム。
  2. 粒子の偏平率が0.08以下であることを特徴とする請求項1の薄膜ガスバリア性フィルム。
  3. プラスチックフィルムがポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1又は2の薄膜ガスバリア性フィルム。
  4. 薄膜の厚さが〜50nmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの薄膜ガスバリア性フィルム。
  5. 全光線透過率が85%以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの薄膜ガスバリア性フィルム。
  6. アンカーコート処理したプラスチックフィルム面に無機酸化物から成る薄膜が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの薄膜ガスバリア性フィルム。
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