JPH10235679A - 長尺積層フィルムと薄膜インサート成形品の製造方法 - Google Patents

長尺積層フィルムと薄膜インサート成形品の製造方法

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JPH10235679A
JPH10235679A JP5708097A JP5708097A JPH10235679A JP H10235679 A JPH10235679 A JP H10235679A JP 5708097 A JP5708097 A JP 5708097A JP 5708097 A JP5708097 A JP 5708097A JP H10235679 A JPH10235679 A JP H10235679A
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molding
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Fujio Mori
富士男 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム自体や絵柄の伸縮のないインサート
フィルムを、任意の三次元形状の樹脂成形品にインサー
ト成形法によって接着することができる薄膜積層フィル
ムと薄膜インサート成形品の製造方法を提供する。 【解決手段】 長尺の延伸フィルム1上に、延伸フィル
ム1から剥離可能で厚さ10μm〜100μmの薄膜フ
ィルム3が全面に積層され、その上に絵柄層4を有する
印刷層6が全面または部分的に積層された長尺積層フィ
ルム7を用い、延伸フィルム1が剥離された状態の薄膜
フィルム3を射出成形用の金型内に送り込み、型閉めし
てキャビティに成形樹脂を射出し、樹脂成形品の成形と
同時に印刷層を挟んで薄膜フィルムと成形樹脂とを一体
化接着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンソールパネ
ル、センタークラフター、スイッチベースなどの自動車
内装品、ホイルキャップやモール等の自動車外装品など
の製造に適用する長尺積層フィルムとインサート成形品
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインサート成形品の製造方法とし
ては、次のようなものがある。100μm〜600μm
の厚手の長尺ベースフィルムが、テンションをかけられ
た状態でロールから巻き出されて別のロールに巻き取ら
れる間に、ベースフィルムに絵柄層を印刷し、乾燥や冷
却をして長尺のインサートフィルムを作成し、このイン
サートフィルムを加熱して3次元形状に真空成形加工し
た後、真空成形加工したインサートフィルムを射出成形
用の金型に載置し、型閉めしてキャビティに成形樹脂を
射出して、樹脂成形品の成形と同時にインサートフィル
ムを接着させる、いわゆるインサート成形(「成形同時
絵付け」ともいう。)する製造方法がある。この製造方
法では、このインサートフィルムの不要部分の切除を行
う場合は、射出成形用の金型に載置する前、あるいはイ
ンサート成形品を金型から取り出した後に行うことにな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は、イン
サートフィルムのベースフィルムが厚手であるため、
(a)インサートフィルムの真空成形加工に30秒から
数分と時間がかかったり、真空成形加工時における加熱
温度が高くなったりするので、コストがかかる。(b)
インサートフィルムの真空成形加工では屈曲角度の大き
い形状や微細な凹凸形状、立ち上がりの大きい樹脂成形
品の表面形状どおりに型どるいわゆる深しぼり形状など
の三次元形状に成形する場合は、フィルム自体が厚手で
折れ曲がりや変形がしにくいため、前記三次元形状に精
度良く成形するのが困難であり、所望形状のインサート
成形品が得られない。(c)インサートフィルムの不要
部の切除を行う場合は、厚手で切断しにくいので高出力
のレーザー光線処理や刃物による手作業が必要となり、
手間がかかるとともに、射出成形用の金型が切りカスを
かみやすい。よって、切りカスが混入したインサート成
形品ができてしまう。(d)インサートフィルムは厚手
で成形しにくいため真空吸引度の大きい装置が必要とな
るが、射出成形用の金型には形状に制約があり余分な装
置を組み込めない。よって、厚手のインサートフィルム
を射出成形用の金型内で真空成形することができない。
このため、射出成形の金型とは別に、真空成形加工用の
金型が余分に必要となり、コストがかかる。(e)上記
厚手のベースフィルムの欠点を回避するためにの長尺ベ
ースフィルムを100μm以下の薄膜にすると、絵柄層
を印刷する際に長尺ベースフィルムにかかるテンション
と乾燥時の熱などによってベースフィルムが伸縮してし
まい、絵柄の見当不良や熱シワが発生する。よって、薄
膜のベースフィルムに印刷が施されたインサート成形品
はできなかった。
【0004】この発明は上記の欠点を解決し、フィルム
自体や絵柄の伸縮のないインサートフィルムを、任意の
三次元形状の樹脂成形品にインサート成形法によって接
着することができる薄膜積層フィルムと薄膜インサート
成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】この発明は上記目的を達成するために、長
尺の延伸フィルム上に、延伸フィルムから剥離可能で厚
さ10μm〜100μmの薄膜フィルムが全面に積層さ
れ、その上に絵柄層を有する印刷層が全面または部分的
に積層されたことを特徴とする長尺積層フィルムとし
た。
【0006】また、この発明の長尺積層フィルムは薄膜
フィルムが耐候性を有するものでもよい。
【0007】この発明は上記目的を達成するために、前
記長尺積層フィルムを用い、延伸フィルムが剥離された
状態の薄膜フィルムを射出成形用の金型内に送り込み、
型閉めしてキャビティに成形樹脂を射出し、樹脂成形品
の成形と同時に印刷層を挟んで薄膜フィルムと成形樹脂
とを一体化接着させることを特徴とする薄膜インサート
成形品の製造方法とした。
【0008】また、この発明の薄膜インサート成形品の
製造方法では、射出成形用の金型内に送り込まれた薄膜
フィルムを金型のキャビティ形成面に密着させて三次元
形状に加工した後、型閉めするようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明についてさらに詳
しく説明する。この発明の長尺積層フィルム7は、長尺
の延伸フィルム1上に、延伸フィルム1から剥離可能で
厚さ10μm〜100μmの薄膜フィルム3が全面に積
層され、その上に絵柄層4を有する印刷層6が全面また
は部分的に積層されたものである(図1参照)。
【0010】長尺の延伸フィルム1は、熱によって伸縮
しにくいフィルムである。長尺の延伸フィルム1は、後
述する薄膜フィルム3に粘着してラミネートされ、薄膜
フィルム3との積層物としてロールに巻かれて印刷原反
として使用されるフィルムロールとなり、印刷原反の表
面に絵柄層4などを印刷する際のフィルムロール間のテ
ンションと乾燥時の熱とによって薄膜フィルム3の表面
が伸縮しないようにするためのものである。長尺の延伸
フィルム1は、後述する薄膜フィルム3と剥離可能とす
るために低粘着処理されたものでもよい。低粘着処理さ
れた延伸フィルム1としては、例えば、厚さ15〜10
0μmの延伸ポリエステルフィルム、延伸耐熱ポリエチ
レンフィルムなどがある。低粘着処理された延伸フィル
ム1は、たとえば、延伸フィルム1として、ロジン系、
テンペル系、石油系などの粘着付与樹脂とポリオレフィ
ン、ポリスチレンなどのホットメルト樹脂とが混入され
たものを用いることによって、延伸フィルム1自体が低
粘着性樹脂からなるものがある。低粘着処理は低粘着層
2を形成することによって行ってもよい。低粘着層2
は、天然ゴム系、合成ゴム系、シリコーン系、アクリル
系などのホットメルト樹脂からなる粘着剤をリバースコ
ート、ロールコート、グラビア印刷などの方法条件で延
伸フィルム1上に形成する方法がある。低粘着処理によ
って、印刷時には、延伸フィルム1と後述する薄膜フィ
ルム3とは粘着されているが、1cm幅あたり1g〜1
00gの力をかけると、延伸フィルム1と後述する薄膜
フィルム3とを剥離することができるようになる。
【0011】薄膜フィルム3は、後述する射出成形用の
金型のキャビティ形成面12の三次元表面に密着しやす
く、前記延伸フィルム1から剥離可能な薄手のフィルム
のことである。薄膜フィルム3は、長尺の延伸フィルム
1上の全面または部分的に積層されたものである。薄膜
フィルム3は、例えば、厚さ30〜80μmのアクリル
フィルム、厚さ12〜25μmのフッ素フィルム、厚さ
10〜50μmのエチレンビニルアルコールフィルム、
厚さ10〜50μmのポリカーボネートフィルム、厚さ
50〜100μmの未延伸ポリエステルフィルム、厚さ
12〜100μmの未延伸ポリプロピレンフィルム、厚
さ20〜100μmの未延伸ポリブチレンテレフタレー
トフィルム、厚さ10〜100μmのセルロースアセテ
ートフィルム、厚さ10〜100μmのポリスチレンフ
ィルム、厚さ10〜100μmのポリ塩化ビニルフィル
ムなどがある。薄膜フィルム3の耐候性は、薄膜フィル
ム3にもともと備わっている場合もある。この場合は、
紫外線吸収剤が混入された樹脂などからなるフィルムを
用いる。薄膜フィルム3の耐候性は、薄膜フィルム3上
に耐候性層を形成することによって得る場合がある。耐
候性層は、フッ素またはアクリル樹脂からなる低温乾燥
性の透明コート剤をロールコート、リバースコート、オ
フセット印刷、グラビア印刷のような方法条件で薄膜フ
ィルム3上に形成するものである。また、薄膜フィルム
3が、低粘着処理されたものでもよい。延伸フィルム1
と薄膜フィルム3とは、低粘着層2を介してラミネート
法などにより積層するとよい。積層した後に薄膜フィル
ム3には、ミシン目などを入れておいてもよい。
【0012】絵柄を有する印刷層6は、薄膜フィルム3
の表面の全面または部分的に、印刷により積層された層
である。印刷層6は、文字や図形、記号などを部分的に
形成したり、インサート成形品表面の全体あるいは一部
を着色するための絵柄層4を有する層である。絵柄層4
は、顔料インキ層だけでなく、蒸着膜からなる金属蒸着
層や、パール顔料と樹脂バインダーなどからなる光輝性
顔料層、染料と樹脂バインダーとからなる染料インキ
層、後述する成形樹脂16つまり樹脂成形品19との接
着性を向上させるための接着インキ層などを有していて
もよい。接着層5は、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などからな
っていてもよい。印刷層6は、オフセット印刷法、グラ
ビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法や、
ロールコート法、スプレーコート法などのコート法など
により形成するとよい。
【0013】この発明の薄膜インサート成形品の製造方
法は、前記長尺積層フィルム7を用い、延伸フィルム1
が剥離された状態の薄膜フィルム3を射出成形用の金型
内に送り込み、型閉めしてキャビティに成形樹脂16を
射出し、樹脂成形品19の成形と同時に印刷層6を挟ん
で薄膜フィルム3と成形樹脂16とを一体化接着させる
ものである。射出成形用の金型内に送り込まれた薄膜フ
ィルム3を金型のキャビティ形成面12に密着させて三
次元形状に加工した後、型閉めするようにしてもよい。
【0014】まず、前記長尺積層フィルム7を用い、延
伸フィルム1が剥離された状態の薄膜フィルム3を射出
成形用の金型内に送り込む(図2参照)。つまり、前記
長尺積層フィルム7のうちの、延伸フィルム1と低粘着
層2とが剥離され薄膜フィルム3が露出した部分を射出
成形用の金型内に送り込むとよい。あるいは、前記長尺
積層フィルム7から分離した薄膜フィルム3を射出成形
用の金型内に送り込んでもよい。送り込みの具体例とし
ては、長尺積層フィルム7をロール軸に一旦巻き取って
ロール状巻物とし、ロール状巻物から長尺積層フィルム
7を巻き出しながら、ターンロール18などを介して、
延伸フィルム巻き取り手段8などにより延伸フィルム1
を巻き取ることによって、長尺積層フィルム7の巻き出
しと、巻き出し端における延伸フィルム1と低粘着層2
との剥離とを連続的に行い、長尺積層フィルム7の巻き
出し端に薄膜フィルム3の露出部を形成するとよい。延
伸フィルム巻き取り手段8は、固定型11あるいは可動
型10の上方に設置してもよい。射出成形用の金型は、
樹脂を射出するゲート部15を有する固定型11と可動
型10などからなり、固定型11と可動型10とが型閉
めされることによって、固定型11および可動型10の
キャビティ形成面12によって囲まれた単数あるいは複
数のキャビティが形成されるものである。キャビティを
形成する凹部13は固定型11あるいは可動型10のい
ずれに形成されていてもよい。金型は、凹部13の周囲
で薄膜フィルム3を固定するクランプ部材14を有して
もよい(図2、3参照)。クランプ部材14は固定型1
1あるいは可動型10に設置されてもよい。薄膜フィル
ム3は、その印刷層6側が固定型11のキャビティ形成
面12に対向するように送り込んでもよいし、その印刷
層6側が可動型10のキャビティ形成面12に対向する
ように送り込んでもよい。
【0015】次に、薄膜フィルム3を金型のキャビティ
形成面12に密着するように三次元形状に加工してもよ
い(図3参照)。
【0016】薄膜フィルム3を三次元形状に加工するた
めには、薄膜フィルム3を加熱し軟化させ、金型のキャ
ビティ形成面12に密着させるとよい(図2)。加熱
は、薄膜フィルム3の熱分布が均一となり全体がまんべ
んなく軟化するようにおこなうとよい。たとえば、フィ
ルム軟化温度よりも約70℃高い温度がよい。薄膜フィ
ルム3は、厚みの薄いフィルムであるため低温で済み三
次元加工が迅速にできる。また、キャビティ形成面12
に形成された真空吸引孔20から薄膜フィルム3を真空
吸引してもよい。真空吸引する前に、キャビティ形成面
12の周囲でクランプ部材14などにより薄膜フィルム
3を固定して、キャビティ形成面12と薄膜フィルム3
との間を密閉してもよい。クランプ部材14でクランプ
する際、あるいは、クランプした後真空吸引する前に、
金型内の薄膜フィルム3を分断するなどして長尺積層フ
ィルム7から切り離してもよい。
【0017】三次元形状に加工する際、あるいは、後述
する射出成形用の金型の型閉めの際に、キャビティ形成
面12を覆う薄膜フィルム3を分断するなどして、長尺
積層フィルム7から切り離してもよい。あるいは、打ち
抜きなどによりトリミングしてもよい。切り離しやトリ
ミングは、金型に設けられたカッター刃やヒートカッタ
ーなどで行ってもよい。あるいは、金型の雄型と雌型と
のクリアランスを薄膜フィルム3の厚みより薄くして、
雄型と雌型との型閉め時の型締め力により行ってもよ
い。
【0018】次に、型閉めしてキャビティに成形樹脂1
6を射出し、樹脂成形品19の成形と同時に絵柄を有す
る印刷層6を挟んで薄膜フィルム3と成形樹脂16と一
体化接着させる(図4参照)。成形樹脂16としては、
ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチ
レン樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂など樹脂があ
る。薄膜フィルム3を三次元形状に加工していない場合
は、成形樹脂16の射出圧などによって、薄膜フィルム
3を金型のキャビティ形成面12に密着させることにな
る。樹脂成形品19を冷却した後、型開きして、薄膜イ
ンサート成形品を取り出す(図5参照)。この後、樹脂
成形品からはみ出た薄膜フィルム3のバリ17を除去し
てもよい(図6参照)。バリ17を除去するには、手で
はぎ取る方法、レーザーで切段する方法などがある。薄
膜フィルム3は弱い力ではぎ取ることができる。レーザ
ー光線処理であっても短時間、低出力での処理が可能で
ある。
【0019】
【実施例】
実施例1 以下の条件で、金属色のセンターオーナメントを製造し
た。長尺積層フィルムの長尺の延伸フィルムは、低粘着
処理された厚さ150μmのポリエチレンフィルムを用
いた。長尺の薄膜フィルムは、厚さ12μmのフッ素フ
ィルムを用いた。印刷層は、光輝性顔料層、接着層から
なり、薄膜フィルムと光輝性顔料層との間に金属蒸着層
を積層した。金属蒸着層は、厚さ400Åのアルミ蒸着
膜とした。光輝性顔料層は、アルミ顔料入りフッ素・ア
クリル樹脂系インキを用いてグラビア印刷法で形成し
た。接着層は、塩素化ポリプロピレン樹脂系インキを用
いてグラビア印刷法で形成した。印刷においては、10
0℃の温度で乾燥後常温に冷却した。この長尺積層フィ
ルムをロール軸に一旦巻き取ってロール状巻物とした。
このロール状巻物を、射出成形用の金型の上部に設置し
た。次に、ロール状巻物から長尺積層フィルムを巻き出
し、連続して延伸フィルムおよび低粘着層と、薄膜フィ
ルムおよび印刷層との剥離を行い、長尺積層フィルムに
薄膜フィルムが露出した部分を形成しながら、連続し
て、露出した薄膜フィルムの部分を前記金型の可動型の
キャビティ形成面の正面に挿入した。次に、キャビティ
形成面の周囲でクランプ部材により薄膜フィルムを固定
して、この薄膜フィルムを三次元形状に真空成形加工し
金型のキャビティ形成面に密着させた後、薄膜フィルム
をヒートカッターで分断して、ロール状巻物の長尺積層
フィルムから切り離した。真空成形加工は、250℃の
ヒーターで薄膜フィルムを160度程度に加熱しなが
ら、1.5気圧の真空吸引力でセンターオーナメントの
表面形状に真空成形で行った。成形加工時間は4秒であ
った。次に固定型と可動型とを型閉めして形成されたキ
ャビティに、成形温度220℃〜240℃、金型温度3
0℃〜50℃で、ポリプロピレン樹脂を成形樹脂として
射出成形した。ポリプロピレン樹脂成形品を冷却した
後、ポリプロピレン樹脂成形品の周囲のベロ状となった
薄膜フィルムを手で切除しバリ取りをした。このときの
切除する力は、1cm幅あたり50gと非常に弱い力で
できた。これにより、金属色の薄膜フィルムが接着され
た15mm厚のセンターオーナメントを得た。
【0020】実施例2 以下の条件で、木目柄のコンソールパネルを製造した。
長尺積層フィルムの長尺の延伸フィルムは、低粘着処理
された厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを用いた。長尺の薄膜フィルムは、厚さ50μm
のアクリルフィルムを用いた。印刷層は、木目導管柄
層、木目下地層、接着層からなる。木目導管柄層は、カ
ーボンブラック入りアクリル樹脂系インキを用いてグラ
ビア印刷法で形成した。木目下地層は、ベンガラ入りア
クリル樹脂系インキを用いてスクリーン印刷法で形成し
た。接着層は、ビニル樹脂系インキを用いてスクリーン
印刷法で形成した。印刷においては、105℃の温度で
乾燥後常温に冷却した。この長尺積層フィルムをロール
軸に一旦巻き取ってロール状巻物とした。このロール状
巻物を、射出成形用の金型の上部に設置した。次に、ロ
ール状巻物から長尺積層フィルムを巻き出し、1cmあ
たり2.5gの引き剥がし力で延伸フィルムおよび低粘
着層と薄膜フィルムとの剥離を連続して行い、長尺積層
フィルムに薄膜フィルムの露出部を形成しながら、連続
して、印刷層が形成された薄膜フィルムを前記金型の可
動型のキャビティ形成面の正面に挿入した。次に、キャ
ビティ形成面の周囲でクランプ部材により薄膜フィルム
を固定する際に、薄膜フィルムをヒートカッターで分断
して長尺積層フィルムから切り離し、この薄膜フィルム
を三次元形状に真空成形加工し金型のキャビティ形成面
に密着させた。真空成形加工は、250℃のヒーターで
薄膜フィルムを加熱しながら、1.5気圧の真空吸引力
でコンソールパネルの表面形状に真空成形で行った。成
形加工時間は3秒であった。次に固定型と可動型とを型
閉めして形成されたキャビティに、成形温度255℃〜
285℃、金型温度40℃〜70℃で、アクリロニトリ
ルブタジエンスチレン樹脂を成形樹脂として射出成形し
た。アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂成形品を
冷却した後、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂
成形品の周囲のベロ状となった薄膜フィルムを手で剥が
しバリ取りをした。このとき手で剥がす力は、1cm幅
あたり100〜200gと非常に弱い力でできた。これ
により、木目柄の薄膜フィルムが接着された8mm厚の
コンソールパネルを得た。
【0021】実施例3 以下の条件で、シルバー色のサイドマットガードを製造
した。長尺積層フィルムの長尺の延伸フィルムは、低粘
着処理された厚さ125μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを用いた。長尺の薄膜フィルムは、厚さ7
0μmの未延伸のポリプロピレンフィルムを用いた。印
刷層は、光輝性顔料層、下地顔料層、接着層からなる。
光輝性顔料層は、アルミ顔料入りウレタン樹脂系インキ
を用いてリバースコート法で形成した。下地顔料層は、
グレー色のウレタン樹脂に、酸化チタン10部/カーボ
ンブラック1部の割合で混ぜ合わせたインキを用いてリ
バースコート法で形成した。接着層は、塩素化ポリプロ
ピレン樹脂系インキを用いてリバースコート法で形成し
た。印刷においては、85℃の温度で乾燥後常温に冷却
した。この長尺積層フィルムをロール軸に一旦巻き取っ
てロール状巻物とした。このロール状巻物を、射出成形
用の金型の上部に設置した。次に、ロール状巻物から長
尺積層フィルムを巻き出し、1cm幅あたり2.5gの
引き剥がし力でもって延伸フィルムおよび低粘着層と薄
膜フィルムとの剥離を連続して行い、長尺積層フィルム
に薄膜フィルムの露出部を形成しながら、連続して、薄
膜フィルムを前記金型の可動型のキャビティ形成面の正
面に挿入した。次に、キャビティ形成面の周囲でクラン
プ部材により薄膜フィルムを固定して、この薄膜フィル
ムを三次元形状に真空成形加工し金型のキャビティ形成
面に密着させた後、薄膜フィルムをヒートカッターで分
断して、ロール状巻物の長尺積層フィルムから切り離し
た。真空成形加工は、250℃のヒーターで薄膜フィル
ム部を130度程度に加熱しながら、1.5気圧の真空
吸引力でセンターオーナメントの表面形状に真空成形で
行った。成形加工時間は約10秒であった。次に固定型
と可動型とを型閉めして形成されたキャビティに、成形
温度220℃〜240℃、金型温度30℃〜50℃で、
ポリプロピレン樹脂を成形樹脂として射出成形した。ポ
リプロピレン樹脂成形品を冷却した後、ポリプロピレン
樹脂成形品の周囲のベロ状となった薄膜フィルムを手で
剥がしバリ取りをした。このとき手で剥がす力は、1c
m幅あたり200〜500gであった。これにより、シ
ルバー色の薄膜フィルムが接着された大きさが0.7平
方メートルのサイドマットガードを得た。
【0022】以上のいずれの実施例でも、長尺積層フィ
ルムの印刷時には、長尺積層フィルムに絵柄の伸縮や見
当不良、熱シワなどは見受けられなかった。また、薄膜
フィルムの真空成形加工は10秒以下の短い時間ででき
た。また、薄膜フィルムの真空成形加工では屈曲角度の
大きい形状や微細な凹凸形状、立ち上がりの大きいセン
ターオーナメント表面の細かい凹凸やコンソールパネル
の孔部の深い溝などの三次元形状に成形しても、薄膜フ
ィルムが薄手で折れ曲がりや変形しやすいため、前記三
次元形状に精度良く成形できた。また、薄膜フィルムの
分断やバリ取りの場合は、薄膜フィルムが薄手で切断し
やすい。また、薄膜フィルムが薄手で成形しやすいた
め、射出成形用の金型に低出力の真空吸引装置を容易に
組み込めた。
【0023】
【発明の効果】この発明は、伸縮しにくい長尺延伸フィ
ルムと薄膜フィルムの積層物を原反として印刷層を形成
して長尺積層物を得、長尺積層物から露出され三次元形
状に成形しやすい印刷層を有する薄膜フィルムのみの部
分を、射出成形用の金型内に送り込み、キャビティ内に
成形樹脂を射出し、印刷層を有する薄膜フィルムと樹脂
成形品とを接着させるものである。したがって、印刷層
の形成時には、伸縮しにくい長尺延伸フィルムと薄膜フ
ィルムの積層物上に印刷できるため、印刷層の絵柄の伸
縮や見当不良が発生せず、長尺積層フィルムに熱シワな
どは発生しない。一方、伸縮しにくい長尺延伸フィルム
と薄膜フィルムの長尺積層フィルムから剥離された薄膜
フィルムは薄手である。このため、薄膜フィルムの三次
元形状への加工が短時間でできる。また、薄膜フィルム
の三次元形状への加工では屈曲角度の大きい形状や微細
な凹凸形状などの三次元形状に成形しても精度良く成形
できる。また、バリ取りが弱い力で簡単にできる。ま
た、低出力の真空吸引装置を射出成形用の金型に容易に
組み込める。得られるインサート成形品は薄膜フィルム
で覆われているため、フィルムの異物感がないにもかか
わらず、絵柄を有する印刷層が保護されたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の長尺積層フィルムの一実施例を示
す断面図である。
【図2】 この発明の薄膜インサート成形品の製造方法
の工程の一つを示す断面図である。
【図3】 この発明の薄膜インサート成形品の製造方法
の工程の一つを示す断面図である。
【図4】 この発明の薄膜インサート成形品の製造方法
の工程の一つを示す断面図である。
【図5】 この発明の製造方法によって得られる薄膜イ
ンサート成形品を示す断面図である。
【図6】 この発明の製造方法によって得られる薄膜イ
ンサート成形品を示す断面図である。
【符号の説明】
1 延伸フィルム 2 低粘着層 3 薄膜フィルム 4 絵柄層 5 接着層 6 印刷層 7 長尺積層フィルム 8 延伸フィルム巻き取り手段 10 可動型 11 固定型 12 キャビティ形成面 13 凹部 14 クランプ部材 15 ゲート部 16 成形樹脂 17 バリ 18 ターンロール 19 樹脂成形品 20 真空吸引孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺の延伸フィルム上に、延伸フィルム
    から剥離可能で厚さ10μm〜100μmの薄膜フィル
    ムが全面に積層され、その上に絵柄層を有する印刷層が
    全面または部分的に積層されたことを特徴とする長尺積
    層フィルム。
  2. 【請求項2】 薄膜フィルムが耐候性を有するものであ
    る請求項1に記載の長尺積層フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2に記載の長尺積層フ
    ィルムを用い、延伸フィルムが剥離された状態の薄膜フ
    ィルムを射出成形用の金型内に送り込み、型閉めしてキ
    ャビティに成形樹脂を射出し、樹脂成形品の成形と同時
    に印刷層を挟んで薄膜フィルムと成形樹脂とを一体化接
    着させることを特徴とする薄膜インサート成形品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 射出成形用の金型内に送り込まれた薄膜
    フィルムを金型のキャビティ形成面に密着させて三次元
    形状に加工した後、型閉めする請求項3に記載の薄膜イ
    ンサート成形品の製造方法。
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