JPH10234849A - 腹膜透析装置 - Google Patents

腹膜透析装置

Info

Publication number
JPH10234849A
JPH10234849A JP9061861A JP6186197A JPH10234849A JP H10234849 A JPH10234849 A JP H10234849A JP 9061861 A JP9061861 A JP 9061861A JP 6186197 A JP6186197 A JP 6186197A JP H10234849 A JPH10234849 A JP H10234849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dialysate
drainage
amount
liquid
peritoneal dialysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9061861A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3453270B2 (ja
Inventor
Minoru Suzuki
稔 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP06186197A priority Critical patent/JP3453270B2/ja
Publication of JPH10234849A publication Critical patent/JPH10234849A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3453270B2 publication Critical patent/JP3453270B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】透析治療の自動化が可能であり、また、操作性
が良く、安全にかつ最適な条件で透析治療を行うことが
できる腹膜透析装置を提供する。 【解決手段】腹膜透析装置1は、透析装置本体2と透析
液回路3とで構成されている。透析液回路3は、透析液
バッグ4a〜4e、加温用透析液バッグ5、トランスフ
ァーチューブセット6、カセット7、リザーバーバッグ
8、排液バッグ9a〜9dおよび各チューブを有し、透
析装置本体2は、バッグ収納部、クランプ部、制御手
段、表示部、操作部およびメモリーを有する。この腹膜
透析装置1では、透析液バッグ内に残存した透析液の排
液バッグへの移送を透析終了後に自動的に行う自動モー
ドと、前記移送を行うか否かを手動で選択し得る手動モ
ードとに設定でき、また、最後の排液終了後に再度、残
液の排液を行うことが可能な再排液モードに設定でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透析液を交換する
腹膜透析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、腹膜透析による治療法は、人工腎
臓による透析法に比し、装置、器具が小型で簡易であ
り、治療費も安いこと、腹膜癒着の防止が可能となった
こと、患者の負担が少ないこと等の理由から、注目され
ている。
【0003】この腹膜透析法のうち、特に連続的携帯式
腹膜透析法(continuous ambulatory peritoneal dialy
sis,以下、「CAPD」という)は、患者自身が自宅や
職場で透析液の容器(バッグ)の交換を行うことができ
るため、社会復帰がし易く、大いに注目されている。
【0004】このCAPDは、患者の腹腔内にカテーテ
ルチューブ(腹膜カテーテル)を留置し、このカテーテ
ルチューブの体外端にトランスファーチューブを接続
し、これに透析液の入った透析液バッグ(注液バッグ)
のバッグチューブを接続し、各チューブを通じてバッグ
内の透析液を腹腔内に注液し、所定時間透析を行った
後、腹腔内の透析液排液を前記各チューブを通じて、排
液バッグ内に回収するものである。なお、各チューブ同
士の接続は、両チューブの端部にそれぞれ装着された
雄、雌コネクタの嵌合により無菌的に行われる。
【0005】ところで、このCAPDにおいては、透析
液の腹膜内への注液は、透析液バッグを患者の腹部から
1m程度高い位置へ置き、その落差によって透析液を透
析液バッグから腹膜内へ移送している。また、腹膜内か
らの透析液排液の回収は、排液バッグを患者の腹部から
1m程度低い位置へ置き、その落差によって透析液を腹
膜内から排液バッグへ移送している。
【0006】しかしながら、このような透析液の注液、
排液方法では、例えば、患者が就寝中に腹膜透析を行う
場合、ベッドを用いて患者を床から70〜100cm程度
の高い位置に寝かせ、さらに、患者より1m程度高い位
置に透析液バッグをセットする必要があるため、装置全
体の高さが2m程度と大型なものとなり、取り扱いや運
搬がしにくいばかりか、就寝中の患者等により装置を転
倒させてしまうおそれがある。さらに、排液に必要な落
差を確保するため、患者の就寝位置(高さ)を自由に選
択することができないという欠点もある。
【0007】また、注液・排液が自動化されておらず、
その操作に手間がかかるとともに、常に適正な条件で透
析を行うことが保証されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透析
治療の自動化が可能であり、また、操作性が良く、安全
にかつ最適な条件で透析治療を行うことができる腹膜透
析装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(12)の本発明により達成される。
【0010】(1) 透析液が充填された少なくとも一
つの透析液容器と、透析液を回収する少なくとも一つの
排液回収容器とを含む透析液回路と、前記透析液容器を
起点とし、または、前記排液回収容器を終点として、透
析液を送液する送液手段と、透析に関する条件を表示す
る表示手段とを有し、患者側に透析液を供給するととも
に、その排液を回収するよう作動する腹膜透析装置であ
って、総注液量、総排液量、再排液量、平均貯留時間、
各サイクル毎の注液量、各サイクル毎の排液量、各サイ
クル毎の除水量、各サイクル毎の貯留時間、残り貯留時
間および残り透析時間のうちの少なくとも一つについ
て、前記表示手段により表示するか否かを設定する表示
項目設定手段を有することを特徴とする腹膜透析装置。
【0011】(2) 透析液が充填された少なくとも一
つの透析液容器と、透析液を回収する少なくとも一つの
排液回収容器とを含む透析液回路と、前記透析液容器を
起点とし、または、前記排液回収容器を終点として、透
析液を送液する送液手段とを有し、患者側に透析液を供
給するとともに、その排液を回収するよう作動する腹膜
透析装置であって、前記透析液容器内に残存した透析液
の前記排液回収容器への移送を透析終了後に自動的に行
う自動モードと、前記移送を行うか否かを手動で選択し
得る手動モードとに設定可能なことを特徴とする腹膜透
析装置。
【0012】(3) 透析液が充填された少なくとも一
つの透析液容器と、透析液を回収する少なくとも一つの
排液回収容器とを含む透析液回路と、前記透析液容器を
起点とし、または、前記排液回収容器を終点として、透
析液を送液する送液手段とを有し、患者側に透析液を供
給するとともに、その排液を回収するよう作動する腹膜
透析装置であって、最後の排液終了後に再度、残液の排
液を行うことが可能な再排液モードに設定可能なことを
特徴とする腹膜透析装置。
【0013】(4) 透析液が充填された少なくとも一
つの透析液容器と、透析液を回収する少なくとも一つの
排液回収容器とを含む透析液回路と、前記透析液容器を
起点とし、または、前記排液回収容器を終点として、透
析液を送液する送液手段と、前記送液手段による送液量
を設定する送液量設定手段とを有し、患者側に透析液を
供給するとともに、その排液を回収するよう作動する腹
膜透析装置であって、前記送液量の設定値の最小単位を
変更し得るよう構成されていることを特徴とする腹膜透
析装置。
【0014】(5) 透析液が充填された少なくとも一
つの透析液容器と、透析液を回収する少なくとも一つの
排液回収容器とを含む透析液回路と、前記透析液容器を
起点とし、または、前記排液回収容器を終点として、透
析液を送液する送液手段と、前記送液手段による送液量
を検出する送液量検出手段とを有し、患者側に透析液を
供給するとともに、その排液を回収するよう作動する腹
膜透析装置であって、前記送液量検出手段により検出さ
れた送液量に基づいて、送液の正常・異常を判断し、異
常と判断された場合には、送液を停止するよう構成され
ていることを特徴とする腹膜透析装置。
【0015】(6) 回収予定の初期排液量を設定する
初期排液量設定手段を有し、前記初期排液量が基準値以
下に設定されている場合には、初期排液に関し、前記送
液の停止を禁止するよう構成されている上記(5)に記
載の腹膜透析装置。
【0016】(7) 送液に関する情報を報知する報知
手段を有し、前記送液量検出手段により検出された送液
量に基づいて、送液の正常・異常を判断し、異常と判断
された場合には、それを前記報知手段により報知するよ
う構成されている上記(5)または(6)に記載の腹膜
透析装置。
【0017】(8) 回収予定の初期排液量を設定する
初期排液量設定手段を有し、前記初期排液量が基準値以
下に設定されている場合には、初期排液に関し、前記報
知手段による送液異常の報知を禁止するよう構成されて
いる上記(7)に記載の腹膜透析装置。
【0018】(9) 前記送液の正常・異常の判断は、
前記送液量検出手段により検出された送液量と、しきい
値とを比較して行われるよう構成されている上記(5)
ないし(8)のいずれかに記載の腹膜透析装置。
【0019】(10) 前記透析液回路は、透析液および
/またはその排液を一時的に貯留し得る少なくとも一つ
の一時貯留容器を有し、前記一時貯留容器を経由して、
透析液の供給および/またはその排液の回収を行う上記
(1)ないし(9)のいずれかに記載の腹膜透析装置。
【0020】(11) 前記送液手段は、前記一時貯留容
器の雰囲気を減圧状態および加圧状態とする減圧・加圧
装置である上記(10)に記載の腹膜透析装置。
【0021】(12) 前記透析液回路中の流路を切り替
える流路切替手段を有する上記(1)ないし(11)のい
ずれかに記載の腹膜透析装置。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の腹膜透析装置を添
付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明の腹膜透析装置の構成例を
模式的に示す斜視図である。同図に示す腹膜透析装置1
は、腹膜透析液を自動的に交換する療法(Automated Pe
ritoneal Dialysis,以下、「APD」という)に好適に
用いることができる自動腹膜透析装置、すなわち、腹膜
透析を行うに際し、患者の腹膜内(腹腔内)に透析液を
注入(供給)し、その排液を回収する装置である。
【0024】同図に示すように、腹膜透析装置1は、透
析装置本体2と、透析液回路3とで構成されている。
【0025】図2は、図1に示す腹膜透析装置1の透析
液回路3を示す図である。なお、図2では、透析液回路
3の一部は省略されている。
【0026】図1および図2に示すように、透析液回路
3は、透析液が充填された複数の透析液バッグ(透析液
容器)4a、4b、4c、4d、4eと、透析液を一時
的に貯留する加温用透析液バッグ(一時貯留容器)5
と、トランスファーチューブ18を含むトランスファー
チューブセット6と、カセット7と、透析液の排液(以
下単に「排液」という)を一時的に貯留するリザーバー
バッグ(一時貯留容器)8と、排液を回収する複数の排
液バッグ(排液回収容器)9a、9b、9c、9dと、
前記各バッグ等を所定の配置で接続するチューブ11〜
17、21〜23、コネクタ31〜33、分岐コネクタ
41〜46とを有している。
【0027】透析液バッグ4a、4b、4c、4d、4
eは、それぞれ、軟質ポリ塩化ビニルのような可撓性樹
脂製のシート材を袋状に成形してなるものであり、これ
らには、バッグ内に連通するチューブ11がそれぞれ接
続されている。各透析液バッグ4a、4b、4c、4
d、4eは、チューブ11が接続されている側を下側に
して、図示しないハンガーに吊り下げられている。
【0028】透析液バッグ4a、4b、4c、4d内に
は、それぞれ、同一の組成の透析液が充填されており、
透析液バッグ4e内には、透析液バッグ4a、4b、4
c、4d内の透析液とは異なる組成または濃度の透析液
(最終透析液)が充填されている。
【0029】各チューブ11には、それぞれ、コネクタ
31を介してチューブ12および13の一端が着脱自在
に接続され、各チューブ12の他端は、2股に分岐した
分岐コネクタ41および42の一端に接続されている。
各分岐コネクタ41および42の他端は、2股に分岐し
た分岐コネクタ43の一端に接続され、この分岐コネク
タ43の他端は、チューブ14の一端に接続されてい
る。
【0030】チューブ13および14の他端は、カセッ
ト7内で、チューブ15の一端に接続されている。チュ
ーブ15の他端には、コネクタ32を介してチューブ1
6の一端が着脱自在に接続され、このチューブ16の他
端は、加温用透析液バッグ5に接続されている。
【0031】また、チューブ15の途中には、カセット
7内で、チューブ17の一端が接続されている。チュー
ブ17の他端には、コネクタ33を介してトランスファ
ーチューブ18の一端が着脱自在に接続されている。こ
のトランスファーチューブ18の他端は、ジョイント3
4を介して患者300の腹膜内に留置されたカテーテル
チューブ19の一端と着脱自在に接続されている。
【0032】また、チューブ17の途中には、カセット
7内で、チューブ21の一端が接続されている。チュー
ブ21の他端は、リザーバーバッグ8に接続されてい
る。
【0033】排液バッグ9a、9b、9c、9dは、そ
れぞれ、軟質ポリ塩化ビニルのような可撓性樹脂製のシ
ート材を袋状に成形してなるものであり、これらには、
バッグ内に連通するチューブ22がそれぞれ接続されて
いる。各排液バッグ9a、9b、9c、9dは、チュー
ブ22が接続されている側が同方向に揃うように配置さ
れている。
【0034】各チューブ22は、2股に分岐した分岐コ
ネクタ44および45の一端に接続されている。各分岐
コネクタ44および45の他端は、2股に分岐した分岐
コネクタ46の一端に接続され、この分岐コネクタ46
の他端は、チューブ23の一端に接続されている。チュ
ーブ23の他端は、カセット7内で、チューブ21の途
中に接続されている。
【0035】カセット7には複数のチューブ押圧部材
(チューブ受部)70が設けられており、各チューブ1
3〜15、17、21および23は、カセット7内で、
これらのチューブ押圧部材(チューブ受部)70にセッ
トされている。このカセット7は、後述する透析装置本
体2のクランプ部57に着脱自在に装着される。そし
て、透析装置本体2のクランプ部57の各クランプ57
0により、各チューブ13〜15、17、21および2
3内の流路を開閉し、透析液回路3中の流路を切り替え
る。
【0036】なお、前記透析装置本体2のクランプ部5
7の各クランプ570の駆動、すなわち、前記透析液回
路3中の流路の切り替えは、後述する制御手段71によ
り制御される。
【0037】各チューブ12の途中には、それぞれ、チ
ューブ12内の流路を開閉するクレンメ35が、チュー
ブ13の途中には、チューブ13内の流路を開閉するク
レンメ36が、チューブ17の途中には、チューブ17
内の流路を開閉するクレンメ37が、各チューブ22の
途中には、それぞれ、チューブ22内の流路を開閉する
クレンメ38が、設置されている。
【0038】また、トランスファーチューブ18の途中
には、トランスファーチューブ18内の流路を開閉する
ローラークランプ39が設置されている。
【0039】前記各コネクタ31〜33は、それぞれ、
その着脱時にコネクタ内部の流路を無菌的に保持し得る
構成(例えば2重構造)となっている。また、ジョイン
ト34は、その着脱時にジョイント内部の流路を無菌的
に保持し得る構成(例えば2重構造)となっている。
【0040】本実施例における加温用透析液バッグ5お
よびリザーバーバッグ8は、いずれも可撓性(柔軟性)
を有する袋状のものであり、例えば、軟質樹脂製のシー
ト材の縁部を融着して袋状に成形してなるものである。
【0041】加温用透析液バッグ5およびリザーバーバ
ッグ8を構成するシート材としては、例えば、軟質ポリ
塩化ビニル、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィ
ン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポ
リブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエス
テル系樹脂、ポリアミド、ポリウレタン系、ポリエステ
ル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各
種樹脂、あるいはこれらのうちの2以上を適宜組み合わ
せた樹脂等が挙げられる。
【0042】なお、加温用透析液バッグ5およびリザー
バーバッグ8は、その全体が可撓性を有するものに限ら
ず、一部が可撓性を有し、変形して容積が変化するもの
であってもよい。
【0043】また、加温用透析液バッグ5およびリザー
バーバッグ8の容量は、患者の症例や、透析液バッグお
よび排液バッグの数(容量)等の諸条件により変動する
ため、特に限定されないが、通常、加温用透析液バッグ
5の容量として100〜3000ml程度のもの、特に1
500〜2000ml程度のものが好適に使用され、リザ
ーバーバッグ8の容量として100〜3500ml程度の
もの、特に1500〜2500ml程度のものが好適に使
用される。
【0044】各チューブ11〜17、21〜23、トラ
ンスファーチューブ18およびカテーテルチューブ19
は、それぞれ、可撓性(柔軟性)を有するものであるの
が好ましく、その構成材料としては、例えば、ポリ塩化
ビニル,ポリエチレン,ポリプロピレン,EVAのよう
なポリオレフィン系樹脂、PET,PBTのようなポリ
エステル系樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、シリコー
ン、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマ
ー、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体等の熱可
塑性樹脂、あるいはこれらのうちの2以上を適宜組み合
わせた樹脂等が挙げられる。
【0045】図3は、図1に示す腹膜透析装置1の透析
装置本体2を示す斜視図、図4は、図1に示す腹膜透析
装置1の透析装置本体2(フロントドアを開けた状態)
を示す正面図である。
【0046】これらの図に示すように、透析装置本体2
は、箱形のケーシング51を有している。このケーシン
グ51には、加温用透析液バッグ5およびリザーバーバ
ッグ8を収納するバッグ収納部52が形成されている。
【0047】ケーシング51の図3中上側には、バッグ
収納部52を開閉する蓋53が設けられており、この蓋
53を閉じると、バッグ収納部52が密閉される。そし
て、ケーシング51の正面の図3および図4中上側に
は、蓋53を閉じた状態に保持したり、また、それを解
除する蓋ロックレバー54が設置されている。
【0048】また、ケーシング51の正面には、操作パ
ネル55、設定パネル56、クランプ部57および電源
スイッチ(メインスイッチ)63が、それぞれ設けられ
ている。
【0049】クランプ部57は、前述した透析液回路3
におけるカセット7内のチューブ押圧部材70上のチュ
ーブを押圧するための複数のクランプ570を有してい
る。これらクランプ570は、クランプ部57にカセッ
ト7を装着したとき、チューブ押圧部材70と対向する
位置に配置されている。
【0050】また、ケーシング51の正面には、前記設
定パネル56を開閉する設定パネルカバー58と、前記
クランプ部57を開閉するフロントドア59と、セーフ
ティーレバー62とが、それぞれ設けられ、前記フロン
トドア59には、ドアレバー61が設けられている。
【0051】この場合、セーフティーレバー62を所定
方向に移動操作すると、フロントドア59のロックが解
除され、この状態でドアレバー61を引くと、フロント
ドア59が開く。
【0052】また、バッグ収納部52の底部には、加温
トレイ64が設置され、その図3中上側には、一端を中
心に回動自在に支持された仕切板65が設置されてい
る。
【0053】加温用透析液バッグ5は、加温トレイ64
上に載置され、蓋53を閉じた後、この加温トレイ64
で所定の温度になるように加温(加熱)される。仕切板
65は、加温用透析液バッグ5上に倒され、リザーバー
バッグ8は、その仕切板65上に載置される。
【0054】また、バッグ収納部52内には、加温用透
析液バッグ5を引っかけるフック66が形成されてい
る。
【0055】また、ケーシング51の上端部には、透析
液回路3のチューブ15および21が挿入して係止され
るチューブ溝67が形成され、ケーシング51の図3中
右側の側面には、チューブ17を挟持するキャップホル
ダー68が設けられている。
【0056】図5は、操作パネル55を示す正面図であ
る。同図に示すように、操作パネル55には、透析に関
する条件等を表示する表示部(表示手段)69と、開始
スイッチ551と、レポートスイッチ552と、停止ス
イッチ553と、開始ランプ554と、停止ランプ55
5と、警報ランプ556と、カセットランプ557と、
バッグ収納部蓋ランプ558と、注液適温ランプ559
とが、それぞれ設けられている。
【0057】表示部69は、例えば、液晶表示素子(L
CD)、CRT、EL等で構成することができる。
【0058】図6は、設定パネル56を示す正面図であ
る。同図に示すように、設定パネル56には、照度調整
スイッチ561と、治療設定確認スイッチ562と、治
療スイッチ563と、記憶スイッチ564と、時刻スイ
ッチ565と、排液パススイッチ566と、プラス
(+)スイッチ567と、マイナス(−)スイッチ56
8とが、それぞれ設けられている。
【0059】図7は、図1に示す腹膜透析装置1の透析
装置本体2の回路構成を示すブロック図である。
【0060】同図に示すように、透析装置本体2は、制
御手段71を内蔵している。制御手段71は、例えばマ
イクロコンピュータ(CPU)で構成されており、後述
する各工程を自動的に行うためのシーケンス制御等、腹
膜透析装置1の全体の制御を行う。
【0061】制御手段71には、表示部69、操作部7
2、ランプ駆動回路73、メモリー(ROM、RAM、
EEPROM)74、リアルタイムクロック75、ヒー
ター制御回路76、重量計測回路81、温度計測回路8
4、漏液検出回路86、ドアロック検出センサー87、
ポンプ制御回路88、クランプ制御回路92、電源回路
98、バッテリー101、停電検出回路102および安
全回路103が、それぞれ、電気的に接続(以下、単に
「接続」と言う)されている。
【0062】操作部72は、透析液の交換を行う際のモ
ードの選択や諸条件を設定するための操作等を行うもの
であり、前述した電源スイッチ63、開始スイッチ55
1、レポートスイッチ552、停止スイッチ553、照
度調整スイッチ561、治療設定確認スイッチ562、
治療スイッチ563、記憶スイッチ564、時刻スイッ
チ565、排液パススイッチ566、プラススイッチ5
67、マイナススイッチ568および図示しない各種ス
イッチを有している。
【0063】また、ランプ駆動回路73には、前述した
開始ランプ554、停止ランプ555、警報ランプ55
6、カセットランプ557、バッグ収納部蓋ランプ55
8および注液適温ランプ559が、それぞれ、接続され
ている。
【0064】前述したバッグ収納部52には、加温トレ
イ64に設けられたヒーター78、ヒーター78のサー
モスイッチ77、秤(ロードセル)79、温度センサー
(ヒーター用)82、温度センサー(バッグ用)83、
漏液センサー85およびドアロック検出センサー87
が、それぞれ、設置されている。
【0065】サーモスイッチ77およびヒーター78
は、ヒーター制御回路76に、秤(ロードセル)79
は、重量計測回路81に、温度センサー(ヒーター用)
82および温度センサー(バッグ用)83は、温度計測
回路84に、漏液センサー85は、漏液検出回路86
に、それぞれ、接続されている。
【0066】また、ポンプ制御回路88には、バッグ収
納部52の内部の圧力を調節するエアーポンプ・リーク
バルブ89と、バッグ収納部52の内部の圧力を検出す
る圧力センサー91とが、それぞれ、接続されている。
【0067】前記エアーポンプ・リークバルブ89およ
びポンプ制御回路88により、加温用透析液バッグ5お
よびリザーバーバッグ8の雰囲気を減圧状態および加圧
状態とする減圧・加圧装置(透析液バッグ4a〜4eを
起点、排液バッグ9a〜9dを終点とし、透析液を送液
する送液手段)が構成される。
【0068】なお、バッグ収納部52の内部を減圧状態
または加圧状態とするときには、前記リークバルブは閉
状態とされ、減圧状態または加圧状態から大気圧に復帰
するときには、リークバルブは開状態とされる。
【0069】また、前述したクランプ部57は、各クラ
ンプ570を駆動するクランプモーター93、クランプ
位置検出センサー94、カセット検出センサー95およ
びドアロック検出センサー96を有している。
【0070】これらクランプモーター93、クランプ位
置検出センサー94、カセット検出センサー95および
ドアロック検出センサー96は、それぞれ、クランプ制
御回路92に接続されている。
【0071】なお、前記クランプモーター93およびク
ランプ570により、透析液回路3中の流路を切り替え
る流路切替手段が構成される。
【0072】また、前記制御手段71により、表示項目
設定手段、送液量設定手段および初期排液量設定手段の
主機能が達成される。
【0073】次に、腹膜透析装置1の作用を説明する。
電源(AC100V)104からの電力は、電源トラン
ス97を介して、腹膜透析装置1に供給される。この場
合、電源104の電圧は、電源トランス97で所定の電
圧値に変更されて、電源回路98および停電検出回路1
02にそれぞれ印加される。
【0074】電源回路98からの電力は、透析装置本体
2の制御手段71および電力を必要とする各部(各電気
回路)にそれぞれ供給される。
【0075】また、電源回路98からの電力は、充電回
路99を介してバッテリー101に供給され、これによ
りバッテリー101が充電される。このバッテリー10
1に蓄積された電力は、電源スイッチ63がオフしてい
るときや、停電の際等に使用される。
【0076】停電検出回路102は、電源トランス97
からの印加電圧に基づいて停電を検出する。この停電検
出回路102からの信号(情報)は、制御手段71およ
び安全回路103に入力される。そして、安全回路10
3からの信号は、ヒーター制御回路76、ポンプ制御回
路88およびクランプ制御回路92に、それぞれ入力さ
れる。
【0077】図8は、図1に示す腹膜透析装置1の状態
推移図である。同図に示すように、電源スイッチ63が
オフの状態(S101)で、本体内部のスイッチ(操作
部72にある図示しないスイッチ)をテストモードに設
定し(切り替え)、電源スイッチ63をオンすると、テ
ストモードに設定される(S102)。
【0078】このテストモードでは、温度測定モード、
重量測定モード、クランプテストモード等に設定するこ
とができ、設定された各モードにおいて、それぞれ、所
定の測定やテストを行うことができる。
【0079】また、電源スイッチ63がオフの状態で、
本体内部のスイッチをパラメータ設定1に設定し、電源
スイッチ63をオンすると、パラメータ設定1に設定さ
れる(S103)。
【0080】このパラメータ設定1では、操作部72の
図示しないスイッチの操作により、主に、下記〜の
設定を行うことができる。
【0081】 貯留時間やサイクル数を中心に治療条
件(透析条件)を設定(入力)する治療設定方式(入力
方式)であるAタイプ/透析時間や総透析液量を中心に
治療条件を設定する治療設定方式であるBタイプの設
定。
【0082】 透析液バッグ4a〜4e内に残存した
透析液の排液バッグ9a〜9dへの移送を透析終了後に
自動的に行う自動モード/前記移送を行うか否かを手動
で選択し得る手動モードの設定。
【0083】 最後の排液(排液の回収)終了後に、
再度、残液(腹膜内に残存している透析液)の排液を行
うことが可能な再排液モードの設定。
【0084】 送液量の設定値の最小単位を、10mL
(小児用)/50mL(大人用)に設定。
【0085】 総注液量、総排液量、再排液量、平均
貯留時間、各サイクル毎の注液量、各サイクル毎の排液
量、各サイクル毎の除水量、各サイクル毎の貯留時間、
残り貯留時間および残り透析時間のそれぞれについて、
表示/非表示の設定。
【0086】また、電源スイッチ63がオフの状態で、
本体内部のスイッチをパラメータ設定2に設定し、電源
スイッチ63をオンすると、パラメータ設定2に設定さ
れる(S104)。
【0087】このパラメータ設定2では、操作部72の
図示しないスイッチの操作により、注液速度、排液速
度、後述する停電時の待機時間等の設定を行うことがで
きる。
【0088】また、電源スイッチ63がオフの状態か
ら、オンにすると、イニシャライズ(初期化)が行われ
る(S105)。
【0089】このイニシャライズでは、透析装置本体2
の各部についてのセルフチェック等が行われる。
【0090】前記イニシャライズにおけるセルフチェッ
クで異常なしと判断された場合には、クランプ制御回路
92によりクランプ部57の各クランプモーター93が
駆動され、これにより各クランプ570がそれぞれ開放
状態となるとともに、カセット検出センサー95によ
り、クランプ部57におけるカセット7の検出が行われ
る。カセット検出センサー95からの信号は、クランプ
制御回路92に入力され、さらにクランプ制御回路92
から制御手段71に入力される。
【0091】カセット7が検出されない場合、すなわ
ち、カセット7がクランプ部57に装着されていない場
合には、表示部69に、使用者(操作者)への指示メッ
セージとして、「カセットヲ セット」と表示され、ス
タンバイ(待機)状態となる(S106)。
【0092】一方、カセット7が検出された場合、すな
わち、前回使用した透析液回路3のカセット7が、クラ
ンプ部57に装着されている場合には、終了処理状態
(S113)となり、表示部69に、使用者(操作者)
への指示メッセージとして、「クランプヲスベテトジ,
テイシヲオス」と表示される。この場合には、所定の手
順に従って、使用済の透析液回路3のカセット7をクラ
ンプ部57から取り外す。
【0093】また、前記イニシャライズにおけるセルフ
チェックで異常ありと判断された場合には、エラー処理
が行われる(S111)。
【0094】このエラー処理では、警報ランプ556が
点灯するとともに、表示部69によりアラーム(警報)
表示が行われる。この場合、表示部69には、エラーに
対応するアラームの内容が表示される。
【0095】治療(透析)を行う場合、すなわち透析液
の交換を行う場合には、前記スタンバイ状態(S10
6)において、透析液回路3のカセット7をクランプ部
57に装着し、フロントドア59を閉じ、フロントドア
59をロックさせる。
【0096】クランプ部57では、ドアロック検出セン
サー96により、フロントドア59のロックの検出が行
われ、このドアロック検出センサー96からの信号は、
クランプ制御回路92に入力され、さらにクランプ制御
回路92から制御手段71に入力される。
【0097】フロントドア59がロックされている場合
には、カセットランプ557が点灯し、表示部69に、
使用者(操作者)への指示メッセージとして、「カイシ
スイッチヲ オス」と表示される。
【0098】次いで、開始スイッチ551をオンする
と、クランプ制御回路92によりクランプ部57の各ク
ランプモーター93が駆動され、これにより各クランプ
570がそれぞれ閉じる。
【0099】なお、クランプ570の動作中は、表示部
69に、使用者(操作者)への指示メッセージとして、
「クランプドウサチュウ」と表示され、その動作が完了
すると、表示部69に、使用者(操作者)への指示メッ
セージとして、「プライミングジュンビ」と表示され
る。
【0100】次いで、加温用透析液バッグ5をバッグ収
納部52の加温トレイ64上に載置し、仕切板65を倒
し、リザーバーバッグ8をこの仕切板65上に載置す
る。そして、蓋53を閉じ、蓋ロックレバー54により
蓋53をロックさせる。
【0101】バッグ収納部52では、ドアロック検出セ
ンサー87により、蓋53のロックの検出が行われ、こ
のドアロック検出センサー87からの信号は、制御手段
71に入力される。
【0102】蓋53がロックされている場合には、バッ
グ収納部蓋ランプ558が点灯する。
【0103】また、バッグ収納部52では、温度センサ
ー82によりヒーター78の温度が、温度センサー83
により加温用透析液バッグ5の温度が、それぞれ検出さ
れる。この場合、温度センサー82および83からの信
号は、それぞれ温度計測回路84に入力され、温度計測
回路84は、前記信号に基づいて、ヒーター78および
加温用透析液バッグ5の温度をそれぞれ計測する。これ
らヒーター78および加温用透析液バッグ5の温度情報
は、それぞれ制御手段71に入力される。
【0104】加温用透析液バッグ5の温度が予め設定さ
れた所定温度である場合には、注液適温ランプ559が
点灯する。
【0105】また、加温用透析液バッグ5の温度が予め
設定された所定温度より低い場合には、加温用透析液バ
ッグ5は、前記所定温度になるまでヒーター78で加温
される。この場合、制御手段71は、温度計測回路84
からのヒーター78および加温用透析液バッグ5の温度
情報に基づいて、ヒーター制御回路76により、ヒータ
ー78の駆動を制御する。なお、加温用透析液バッグ5
が加温されている間は、適温ランプ559が点滅する。
【0106】また、スタンバイ状態においては、各種の
設定を行うことができる。スタンバイ状態において時刻
スイッチ565をオンすると、時刻設定モードに設定さ
れ、時刻設定処理が行われる(S107)。
【0107】時刻設定処理では、プラススイッチ56
7、マイナススイッチ568および記憶スイッチ564
のうちの所定のスイッチを操作して、年、月、日、時、
分の設定を行う。
【0108】再度、時刻スイッチ565をオンすると、
通常モードに設定され、スタンバイ状態に戻る(S10
6)。なお、リアルタイムクロック75から制御手段7
1には、クロック(クロック信号)が入力されており、
制御手段71は、前記クロックに基づいて、時刻を表示
する。
【0109】また、スタンバイ状態において治療スイッ
チ563をオンすると、治療設定モードに設定され、治
療設定処理が行われる(S108)。
【0110】治療設定処理では、表示部69に設定項目
およびその設定値が表示される。この場合、プラススイ
ッチ567をオンする毎に、設定値がインクリメントさ
れ、マイナススイッチ568をオンする毎に、設定値が
デクリメントされる。
【0111】記憶スイッチ564をオンすると、表示さ
れている設定項目について、表示されている設定値に設
定され、その設定値がメモリー74に記憶される。そし
て、設定項目が、次の設定項目に切り替わり、表示部6
9に該設定項目およびその設定値が表示される。
【0112】この腹膜透析装置1における前記設定項目
は、治療パターン、初期排液量、注液量、貯留時間、最
終注液量、最終濃度変更、透析時間、総透析液量、総除
水量、サイクル数、初期注液量、タイダール量、タイダ
ール除水量等である。
【0113】ここで、腹膜透析装置1では、腹膜内への
透析液の注入(注液)、腹膜内での透析液の滞留(貯
留)、腹膜内からの排液の回収(排液)を1サイクルと
し、これを自動的に所定サイクル行う。なお、回収した
排液の量(排液量)と、注入した透析液の量(注液量)
との差を除水量と言う。
【0114】治療パターンには、NPD/CCPDと、
タイダール(TPD)との2種類がある。
【0115】NPDとは、夜間に行う腹膜透析を言う。
従って、NPDでは、昼間は、透析液を腹膜内に滞留さ
せない。すなわち、NPDでは、注液から治療を開始
し、排液で治療を終了する(後述する初期排液および最
終注液を行わない)。
【0116】また、CCPDとは、連続腹膜透析を言
う。従って、CCPDでは、排液から治療を開始し、注
液で治療を終了する(後述する初期排液および最終注液
を行う)。
【0117】なお、治療パターンをNPD/CCPDに
設定し、かつ初期排液量および最終注液量を0に設定す
ると、NPDに設定される。また、治療パターンをNP
D/CCPDに設定し、かつ初期排液量および最終注液
量を0以外に設定すると、CCPDに設定される。
【0118】また、タイダールとは、排液の際、腹膜内
に透析液を一部残存させ、この状態で、次のサイクルの
注液を行う腹膜透析を言う。
【0119】初期排液とは、排液から治療を開始する場
合の最初の排液を言う。初期排液量とは、排液から治療
を開始する場合の最初の予測排液量を言う。
【0120】注液量とは、各サイクルで注入される透析
液量を言う。貯留時間とは、各サイクルで注入された透
析液が、腹膜内に滞留している時間を言う。但し、注液
に要する時間(注液時間)および排液に要する時間(排
液時間)は、それぞれ含まれない。
【0121】最終注液とは、注液で治療を終了する場合
の最後の注液を言う。最終注液量とは、注液で治療を終
了する場合の最後の注液量を言う。
【0122】最終濃度変更とは、最終注液において、各
サイクルで使用される透析液と異なる濃度の透析液を使
用することを言う。
【0123】透析時間とは、1回の治療に要する時間を
言う。但し、最終注液および初期排液が行われる場合に
は、これら最終注液時間および初期排液時間が含まれ
る。
【0124】総透析液量とは、1回の治療に使用する透
析液の総量を言う。但し、最終注液が行われる場合に
は、その最終注液量が含まれる。
【0125】総除水量とは、タイダールの場合の予測さ
れる除水の総量を言う。但し、初期排液量と最終注液量
とから算出される除水量は含まれない。
【0126】サイクル数とは、注液、貯留、排液を1回
のサイクルとしたときの1回の治療におけるサイクルの
回数をいう。但し、初期排液および最終注液は含まれな
い。
【0127】初期注液量とは、タイダールの場合の初回
に注入される透析液量を言う。タイダール量とは、タイ
ダールの場合の2回目以降の各サイクルで注入される透
析液量を言う。
【0128】タイダール除水量とは、タイダールの場合
の各サイクルでの予測除水量を言う。この予測除水量、
すなわちタイダール除水量と、前記タイダール量との和
が、理論的な各サイクルでのタイダール排液量となる。
但し、最終サイクルでの排液量は、理論的に、タイダー
ル除水量と、初期注液量との和になる。
【0129】なお、送液量の設定値の最小単位が10mL
に設定されている場合には、送液量、すなわち、注液
量、最終注液量、総透析液量、初期注液量およびタイダ
ール量の設定値は、それぞれ、10mL単位で増減するこ
とができる(例えば、0mL、10mL、20mL、30mL、
40mL、・・・)。
【0130】また、送液量の設定値の最小単位が50mL
に設定されている場合には、送液量、すなわち、注液
量、最終注液量、総透析液量、初期注液量およびタイダ
ール量の設定値は、それぞれ、50mL単位で増減するこ
とができる(例えば、0mL、50mL、100mL、150
mL、200mL、・・・)。
【0131】以下、具体的に、治療設定処理における動
作を説明する。なお、代表的に、治療設定方式がAタイ
プに設定されており、治療パターンをNPDに設定する
場合、すなわち、Aタイプ・NPDパターンの場合の治
療条件の設定について説明する。
【0132】図9は、Aタイプ・NPDパターンにおけ
る治療条件の設定例およびこの設定における腹膜透析装
置1の動作を示す図(表およびグラフ)である。なお、
図9中下側のグラフの縦軸は、腹膜内の透析液量であ
り、横軸は、時間である。
【0133】この治療設定処理では、図9の設定項目一
覧に記載されている項目(設定項目)、すなわち、治療
パターン、初期排液量、注液量、貯留時間、サイクル
数、最終注液量および最終濃度変更について、それぞれ
設定する。
【0134】前述したように、スタンバイ状態において
治療スイッチ563をオンすると、治療設定モードに設
定される。現在記憶されている治療パターン(例えば、
「NPD/CCPD」または、「タイダール」)が表示
部69に表示される。
【0135】プラススイッチ567またはマイナススイ
ッチ568をオンする毎に、設定値が、「NPD/CC
PD」と、「タイダール」とに交互に切り替わり、表示
部69に、「チリョウパターン NPD/CCPD」
と、「チリョウパターン タイダール」とが、交互に表
示される。
【0136】記憶スイッチ564をオンすると、治療パ
ターンが、表示部69に表示されている設定値、すなわ
ち「NPD/CCPD」または「タイダール」に設定さ
れ、その表示されている設定値がメモリー74に記憶さ
れる。そして、設定項目が、次の設定項目、すなわち初
期排液量に切り替わり、表示部69に、「ショキハイエ
キリョウ」の文字と、その設定値とが表示される。
【0137】この場合、プラススイッチ567をオンす
る毎に、初期排液量の設定値がインクリメントされ、マ
イナススイッチ568をオンする毎に、初期排液量の設
定値がデクリメントされる。
【0138】記憶スイッチ564をオンすると、初期排
液量が、表示部69に表示されている設定値に設定さ
れ、その設定値がメモリー74に記憶される。そして、
設定項目が、次の設定項目、すなわち注液量に切り替わ
り、表示部69に、「チュウエキリョウ」の文字と、そ
の設定値とが表示される。
【0139】この場合、プラススイッチ567をオンす
る毎に、注液量の設定値がインクリメントされ、マイナ
ススイッチ568をオンする毎に、注液量の設定値がデ
クリメントされる。
【0140】記憶スイッチ564をオンすると、注液量
が、表示部69に表示されている設定値に設定され、そ
の設定値がメモリー74に記憶される。そして、設定項
目が、次の設定項目、すなわち貯留時間に切り替わり、
表示部69に、「チョリュウジカン」の文字と、その設
定値とが表示される。
【0141】この場合、プラススイッチ567をオンす
る毎に、貯留時間の設定値がインクリメントされ、マイ
ナススイッチ568をオンする毎に、貯留時間の設定値
がデクリメントされる。
【0142】記憶スイッチ564をオンすると、貯留時
間が、表示部69に表示されている設定値に設定され、
その設定値がメモリー74に記憶される。そして、設定
項目が、次の設定項目、すなわちサイクル数に切り替わ
り、表示部69に、「サイクルスウ」の文字と、その設
定値とが表示される。
【0143】この場合、プラススイッチ567をオンす
る毎に、サイクル数の設定値がインクリメントされ、マ
イナススイッチ568をオンする毎に、サイクル数の設
定値がデクリメントされる。
【0144】記憶スイッチ564をオンすると、サイク
ル数が、表示部69に表示されている設定値に設定さ
れ、その設定値がメモリー74に記憶される。そして、
設定項目が、次の設定項目、すなわち最終注液量に切り
替わり、表示部69に、「サイシュウチュウエキリョ
ウ」の文字と、その設定値とが表示される。
【0145】この場合、プラススイッチ567をオンす
る毎に、最終注液量の設定値がインクリメントされ、マ
イナススイッチ568をオンする毎に、最終注液量の設
定値がデクリメントされる。
【0146】記憶スイッチ564をオンすると、最終注
液量が、表示部69に表示されている設定値に設定さ
れ、その設定値がメモリー74に記憶される。そして、
設定項目が、次の設定項目、すなわち最終濃度変更に切
り替わり、表示部69に、「サイシュウノウドヘンコウ
アリ」または、「サイシュウノウドヘンコウ ナシ」
と表示される。
【0147】この場合、プラススイッチ567またはマ
イナススイッチ568をオンする毎に、設定値が、「ア
リ」と、「ナシ」とに交互に切り替わり、表示部69
に、「サイシュウノウドヘンコウ アリ」と、「サイシ
ュウノウドヘンコウ ナシ」とが、交互に表示される。
【0148】記憶スイッチ564をオンすると、最終濃
度変更が、表示部69に表示されている設定値、すなわ
ち「アリ」または「ナシ」に設定され、その設定値がメ
モリー74に記憶される。そして、設定項目が、次の設
定項目(初めの設定項目)、すなわち治療パターンに切
り替わり、表示部69に、「チリョウパターン NPD
/CCPD」または、「チリョウパターン タイダー
ル」と表示される。
【0149】以下、前記と同様に、プラススイッチ56
7をオンする毎に、設定値がインクリメントされ、マイ
ナススイッチ568をオンする毎に、設定値がデクリメ
ントされる。そして、記憶スイッチ564をオンする
と、表示されている設定項目について、表示されている
設定値に設定され、その設定値がメモリー74に記憶さ
れるとともに、設定項目が、次の設定項目に切り替わ
り、表示部69に該設定項目およびその設定値が表示さ
れる。
【0150】制御手段71は、これらの設定値から、図
9の計算項目一覧に記載されている項目(計算項目)、
すなわち、透析時間および総透析液量の理論値をそれぞ
れ算出し、メモリー74に記憶する。
【0151】再度、治療スイッチ563をオンすると、
通常モードに設定され、スタンバイ状態に戻る(S10
6)。
【0152】ここで、治療設定確認スイッチ562をオ
ンすると、前述した各設定項目の設定値および各計算項
目の理論値をそれぞれ確認することができる。
【0153】すなわち、治療設定確認スイッチ562を
オンすると、表示部69に、治療パターンが表示され
る。そして、再度、治療設定確認スイッチ562をオン
すると、表示が切り替わり、表示部69に、初期排液量
が表示される。
【0154】以下、前記と同様に、治療設定確認スイッ
チ562をオンする毎に、表示が切り替わる。この場
合、前記初期排液量の後は、注液量、貯留時間、サイク
ル数、最終注液量、最終濃度変更、透析時間および総透
析液量が順次表示される。そして、治療設定確認スイッ
チ562をオンしてから60秒経過すると、元の表示に
戻る。
【0155】スタンバイ状態において開始スイッチ55
1をオンすると、透析処理が行われる(S109)。
【0156】この場合、開始スイッチ551をオンする
と、まず、プライミング(S201)が行われる。プラ
イミングが終了すると、表示部69に、「プライミング
カンリョウ」と表示される。
【0157】次いで、開始スイッチ551をオンする
と、予め設定されている治療条件に応じて、初期排液
(S202)、注液(S203)、貯留(S204)、
排液(S205)および最終注液(S206)のうちの
所定の動作がなされる。
【0158】図9に示す治療設定例の場合には、図9中
下側のグラフに示すように、注液(S203)、貯留
(S204)および排液(S205)のサイクルを5回
繰り返す。
【0159】そして、再排液モードに設定されている場
合には、最後の排液(図9に示す治療設定例では5回目
の排液)が終了した後に、開始スイッチ551をオンす
ると、再度、残液の排液(S205)が行われる。
【0160】なお、腹膜透析装置1の動作中は、開始ラ
ンプ554が点滅し、腹膜透析装置1が停止すると、開
始ランプ554が消灯するとともに、停止ランプ555
が点灯する。
【0161】以下、前記初期排液(S202)、注液
(S203)、貯留(S204)、排液(S205)お
よび最終注液(S206)の際の動作をそれぞれ説明す
る。
【0162】透析処理では、圧力センサー91によりバ
ッグ収納部52内の圧力が検出され、この圧力センサー
91からの信号(圧力情報)は、ポンプ制御回路88に
入力され、さらにポンプ制御回路88から制御手段71
に入力される。
【0163】また、秤79により加温用透析液バッグ5
およびリザーバーバッグ8の重量が検出される。この場
合、秤79からの信号は、重量計測回路81に入力さ
れ、重量計測回路81は、前記信号に基づいて、加温用
透析液バッグ5およびリザーバーバッグ8の重量を計測
する。この加温用透析液バッグ5およびリザーバーバッ
グ8の重量情報は、制御手段71に入力される。なお、
前記秤79および重量計測回路81により、送液量を検
出する送液量検出手段が構成される。
【0164】また、温度センサー82および83により
ヒーター78および加温用透析液バッグ5の温度が、そ
れぞれ検出される。この場合、温度センサー82および
83からの信号は、それぞれ温度計測回路84に入力さ
れ、温度計測回路84は、前記信号に基づいて、ヒータ
ー78および加温用透析液バッグ5の温度をそれぞれ計
測する。これらヒーター78および加温用透析液バッグ
5の温度情報は、それぞれ制御手段71に入力される。
【0165】また、漏液センサー85によりバッグ収納
部52内における液漏れが検出され、この漏液センサー
85からの信号は、漏液検出回路86に入力され、この
漏液検出回路86からの液漏れの情報が、制御手段71
に入力される。
【0166】制御手段71は、前記秤79および圧力セ
ンサー91からの情報等に基づいて、各クランプ570
の作動(開閉動作)と、エアーポンプ・リークバルブ8
9のエアーポンプおよびリークバルブの作動とをそれぞ
れ制御し、透析液回路3の各流路内の液流通状態を所望
に設定する(透析液回路3中の流路を切り替える)とと
もに、温度センサー82、83からの情報に基づいて、
ヒーター78の作動を制御し、加温用透析液バッグ5内
の透析液の温度を設定温度付近に維持する。
【0167】前記注液(S203)または最終注液(S
206)の際は、透析液がチューブ15から17へ流れ
るように、クランプモーター93の駆動を制御し、所定
のクランプ570を開く。そして、エアーポンプ・リー
クバルブ89の駆動を制御し、バッグ収納部52内の圧
力を加圧状態にする。これにより、加温用透析液バッグ
5内の圧力が上昇し、加温用透析液バッグ5内の加温さ
れた透析液が、チューブ16、15、17、トランスフ
ァーチューブ18およびカテーテルチューブ19を通っ
て、患者300の腹膜内に注入される。
【0168】患者300への透析液の注入に際しては、
例えば以下のようにして透析液の流量を制御することが
できる。秤79により加温用透析液バッグ5の総重量を
単位時間毎に検出し、その減少率から単位時間当たりの
加温用透析液バッグ5からの透析液流出量(=透析液注
入量)を求め、この流出量が予め設定された設定流出量
と等しくなるようにバッグ収納部52内の圧力を調整す
る。この場合、圧力センサー91の検出値に基づいて、
バッグ収納部52内の圧力が、予め設定された上限値を
超えないよう制御することもできる。また、透析液の加
温用透析液バッグ5からの流出が定常状態に達したとき
は、前述したように、圧力センサー91の検出値に基づ
いて、バッグ収納部52内の圧力を一定に保持するよう
調整することもできる。このような圧力調整は、例えば
リークバルブの開閉により行う。
【0169】秤79により検出された加温用透析液バッ
グ5の透析液流出量が、予め設定された透析液の1回の
注入量(目標注入量)に相当する重量に到達したか否か
を判断し、これに到達したら、クランプモーター93の
駆動を制御し、すべてのクランプ570を閉じ、エアー
ポンプを停止し、リークバルブを開状態とする。これに
より、バッグ収納部52内は、大気圧に復帰する。
【0170】また、前記貯留(S204)の際は、クラ
ンプモーター93の駆動を制御し、すべてのクランプ5
70を閉じ、この状態で所定時間(例えば、30〜60
0分程度)経過する。
【0171】この貯留中に、透析液がチューブ14から
15へ流れるように、クランプモーター93の駆動を制
御し、所定のクランプ570を開く。また、必要に応じ
て、透析液がチューブ13から15へ流れるように、ク
ランプモーター93の駆動を制御し、所定のクランプ5
70を開く。そして、エアーポンプ・リークバルブ89
の駆動を制御し、バッグ収納部52内の圧力を減圧状態
にする。これにより、加温用透析液バッグ5内の圧力が
低下し、各透析液バッグ4a〜4d内の透析液が、チュ
ーブ11、12、14、15および16を通って、加温
用透析液バッグ5内に導入される。また、必要に応じ
て、透析液バッグ4e内の透析液が、チューブ11、1
3、15および16を通って、加温用透析液バッグ5内
に導入される。
【0172】加温用透析液バッグ5への透析液の導入に
際しては、例えば以下のようにして透析液の流量を制御
することができる。秤79により加温用透析液バッグ5
の総重量を単位時間毎に検出し、その増加率から単位時
間当たりの加温用透析液バッグ5への透析液流入量を求
め、この流入量が予め設定された設定流入量と等しくな
るようにバッグ収納部52内の圧力を調整する。この場
合、圧力センサー91の検出値に基づいて、バッグ収納
部52内の圧力が、予め設定された下限値を超えないよ
う制御することもできる。また、透析液の加温用透析液
バッグ5への流入が定常状態に達したときは、前述した
ように、圧力センサー91の検出値に基づいて、バッグ
収納部52内の圧力を一定に保持するよう調整すること
もできる。このような圧力調整は、例えばリークバルブ
の開閉により行う。
【0173】秤79により検出された加温用透析液バッ
グ5の総重量(透析液流出量)が、予め設定された透析
液の1回の注入量(目標注入量)が導入されたときの重
量(設定重量)に到達したか否かを判断し、これに到達
したら、クランプモーター93の駆動を制御し、すべて
のクランプ570を閉じ、エアーポンプを停止し、リー
クバルブを開状態とする。これにより、バッグ収納部5
2内は、大気圧に復帰する。
【0174】次いで、ヒーター78の駆動を制御して、
加温用透析液バッグ5内の透析液を予め設定された所定
の温度に加温する。このとき、前述したように、温度セ
ンサー82、83にて検出された温度情報に基づいて、
加温用透析液バッグ5内の透析液の温度が前記設定温度
付近に維持されるように、ヒーター制御回路76によ
り、ヒーター78の駆動を制御する(ヒーター78のオ
ン・オフの制御または出力(発熱量)の制御を行う)。
なお、サーモスイッチ77はヒータ制御回路76の過昇
防止用として設けられている。
【0175】また、前記排液(S205)または初期排
液(S202)の際は、排液がチューブ17から21へ
流れるように、クランプモーター93の駆動を制御し、
所定のクランプ570を開く。そして、エアーポンプ・
リークバルブ89の駆動を制御し、バッグ収納部52内
の圧力を減圧状態にする。これにより、リザーバーバッ
グ8内の圧力が低下し、患者300内の排液が、カテー
テルチューブ19、トランスファーチューブ18、チュ
ーブ17および21を通って、リザーバーバッグ8内に
導入される。
【0176】リザーバーバッグ8への排液の導入に際し
ては、例えば以下のようにして排液の流量を制御するこ
とができる。秤79によりリザーバーバッグ8の総重量
を単位時間毎に検出し、その増加率から単位時間当たり
のリザーバーバッグ8への排液流入量を求め、この流入
量が予め設定された設定流入量と等しくなるようにバッ
グ収納部52内の圧力を調整する。この場合、圧力セン
サー91の検出値に基づいて、バッグ収納部52内の圧
力が、予め設定された下限値を超えないよう制御するこ
ともできる。また、排液のリザーバーバッグ8への流入
が定常状態に達したときは、前述したように、圧力セン
サー91の検出値に基づいて、バッグ収納部52内の圧
力を一定に保持するよう調整することもできる。このよ
うな圧力調整は、例えばリークバルブの開閉により行
う。
【0177】秤79により検出されたリザーバーバッグ
8の総重量が、予め設定された重量(設定重量)に到達
したか否かを判断し、これに到達したら、クランプモー
ター93の駆動を制御し、すべてのクランプ570を閉
じ、エアーポンプを停止し、リークバルブを開状態とす
る。これにより、バッグ収納部52内は、大気圧に復帰
する。
【0178】次いで、排液がチューブ21から23へ流
れるように、クランプモーター93の駆動を制御し、所
定のクランプ570を開く。そして、エアーポンプ・リ
ークバルブ89の駆動を制御し、バッグ収納部52内の
圧力を加圧状態にする。これにより、リザーバーバッグ
8内の圧力が上昇し、リザーバーバッグ8内の排液が、
チューブ21、23および22を通って、排液バッグ9
a〜9d内に導入、回収される。
【0179】排液バッグ9a〜9dへの排液の回収に際
しては、例えば以下のようにして排液の流量を制御する
ことができる。秤79によりリザーバーバッグ8の総重
量を単位時間毎に検出し、その減少率から単位時間当た
りのリザーバーバッグ8からの排液流出量を求め、この
流出量が予め設定された設定流出量と等しくなるように
バッグ収納部52内の圧力を調整する。この場合、圧力
センサー91の検出値に基づいて、バッグ収納部52内
の圧力が、予め設定された上限値を超えないよう制御す
ることもできる。また、排液のリザーバーバッグ8から
の流出が定常状態に達したときは、前述したように、圧
力センサー91の検出値に基づいて、バッグ収納部52
内の圧力を一定に保持するよう調整することもできる。
このような圧力調整は、例えばリークバルブの開閉によ
り行う。
【0180】秤79により検出されたリザーバーバッグ
8の総重量が、予め設定された排液残量(例えば、リザ
ーバーバッグ8内の排液残量が0)に相当する重量に到
達したか否かを判断し、これに到達したら、クランプモ
ーター93の駆動を制御し、すべてのクランプ570を
閉じ、エアーポンプを停止し、リークバルブを開状態と
する。これにより、バッグ収納部52内は、大気圧に復
帰する。
【0181】また、リザーバーバッグ8への排液の導入
および排液バッグへの移送を患者300からの排液の流
入がなくなるまで(所定の重量変化量)繰り返す。
【0182】治療(透析)中は、通常表示が行われる。
この場合、現在の工程、現在のサイクル数、現在の年月
日、現在の時刻等が、表示部69に表示される。
【0183】また、この腹膜透析装置1では、治療中
に、透析状態を確認することができる。すなわち、治療
中に、レポートスイッチ552をオンすると、表示部6
9に、総注液量、総排液量、再排液量、平均貯留時間、
各サイクル毎の注液量、各サイクル毎の排液量、各サイ
クル毎の除水量、各サイクル毎の貯留時間、残り貯留時
間および残り透析時間のうちの予め選択されている項目
と、初期排液量と、注液量と、排液量と、総除水量と、
最終注液量とが表示される。
【0184】具体的には、治療中にレポートスイッチ5
52をオンすると、まず、表示部69に、初期排液量が
表示される。初期排液中は、排液されている量が表示さ
れ、初期排液後は、初期排液された量が表示される。
【0185】再度、レポートスイッチ552をオンする
と、表示が切り替わり、表示部69に、注液量が表示さ
れる。注液中は、今回のサイクルで注液されている量が
表示され、注液中以外は、今回のサイクルで注液された
量が表示される。
【0186】再度、レポートスイッチ552をオンする
と、表示が切り替わり、表示部69に、排液量が表示さ
れる。排液中は、今回のサイクルで排液されている量が
表示され、排液中以外は、前回のサイクルで排液された
量が表示される。
【0187】再度、レポートスイッチ552をオンする
と、表示が切り替わり、表示部69に、総除水量(前回
のサイクルまでに除水された総量)が表示される。
【0188】以下、前記と同様に、レポートスイッチ5
52をオンする毎に、表示が切り替わる。この場合、前
記総除水量の後は、最終注液量と、総注液量、総排液
量、再排液量、平均貯留時間、各サイクル毎の注液量、
各サイクル毎の排液量、各サイクル毎の除水量、各サイ
クル毎の貯留時間、残り貯留時間および残り透析時間の
うちの予め選択されている項目とが、順次表示される。
【0189】この腹膜透析装置1では、レポートスイッ
チ552をオンしてから60秒経過すると、前述した通
常表示に戻る。
【0190】治療、すなわち透析が終了すると、終了処
理が行われる(S113)。この場合、透析液バッグ内
に残存した透析液の排液バッグへの移送を行うか否かを
手動で選択し得る手動モードに設定されている場合に
は、開始スイッチ551をオンすると、残存した透析液
の排出処理(余った透析液の排出処理)が行われる(S
114)。この排出処理では、表示部69に、「アマッ
タトウセキエキノハイシュツ」と表示され、透析液バッ
グ4a〜4eおよび各チューブ内に残存した透析液が、
排液バッグ9a〜9dに移送、回収される。
【0191】また、透析液バッグ内に残存した透析液の
排液バッグへの移送を透析終了後に自動的に行う自動モ
ードに設定されている場合には、治療、すなわち透析が
終了すると、表示部69に、「アマッタトウセキエキノ
ハイシュツ」と表示され、透析液バッグ4a〜4eおよ
び各チューブ内に残存した透析液が、排液バッグ9a〜
9dに移送、回収される。
【0192】前記残存した透析液の排出処理が終了する
と、表示部69に、「チリョウシュウリョウ クランプ
ヲスベテトジ、テイシヲオス」と表示される(S11
3)。
【0193】この腹膜透析装置1では、治療終了後に、
透析結果を確認することができる。すなわち、治療終了
後に、レポートスイッチ552をオンすると、表示部6
9に、総注液量、総排液量、再排液量、平均貯留時間、
各サイクル毎の注液量、各サイクル毎の排液量、各サイ
クル毎の除水量、各サイクル毎の貯留時間、残り貯留時
間および残り透析時間のうちの予め選択されている項目
と、初期排液量と、総除水量と、最終注液量とが表示さ
れる。
【0194】具体的には、レポートスイッチ552をオ
ンすると、まず、表示部69に、初期排液量が表示され
る。
【0195】再度、レポートスイッチ552をオンする
と、表示が切り替わり、表示部69に、総除水量が表示
される。
【0196】以下、前記と同様に、レポートスイッチ5
52をオンする毎に、表示が切り替わる。この場合、前
記総除水量の後は、最終注液量と、総注液量、総排液
量、再排液量、平均貯留時間、各サイクル毎の注液量、
各サイクル毎の排液量、各サイクル毎の除水量、各サイ
クル毎の貯留時間、残り貯留時間および残り透析時間の
うちの予め選択されている項目とが、順次表示される。
【0197】なお、表示項目を選択することができるの
で、表示が煩雑となるのを回避し、必要な項目のみを表
示することができる。
【0198】この腹膜透析装置1では、停止スイッチ5
53をオンするまでは、前記の表示がなされ、停止スイ
ッチ553をオンすると、表示部69に、「クランプド
ウサチュウ」と表示され、クランプ部57のすべてのク
ランプ570が閉じる。そして、このクランプ動作が完
了すると、表示部69に、「カセットヲ ハズス」と表
示される。
【0199】また、この腹膜透析装置1では、治療を一
時停止(一時中断)することができる。
【0200】治療中に、停止スイッチ553をオンする
と、一時停止処理が行われる(S112)。
【0201】この一時停止処理では、表示部69に、
「クランプドウサチュウ」と表示され、クランプ部57
のすべてのクランプ570が閉じる。そして、このクラ
ンプ動作が完了すると、表示部69に、「テイシチュ
ウ」と表示される。
【0202】開始スイッチ551をオンすると、治療が
再開される(S109)。この場合、前記治療は、停止
する直前に実行されていた工程から続行される。
【0203】また、制御手段71は、秤79および重量
計測回路81により検出された送液量等に基づいて、送
液の正常・異常を判断する。そして、異常と判断された
場合、すなわち異常が生じた場合には、エラー処理が行
われる(S111)。
【0204】このエラー処理では、警報ランプ556の
点灯と、表示部69へのアラーム(警報)表示とを行
い、クランプ部57のすべてのクランプ570を閉じる
とともに、バッグ収納部52内を大気圧状態に復帰さ
せ、送液を停止する。これにより、透析における安全性
が確保される。
【0205】例えば、前述した加温用透析液バッグ5、
リザーバーバッグ8の重量検出の結果、加温用透析液バ
ッグ5からの透析液流出量が急激に減少した場合、また
は所定時間経過しても加温用透析液バッグ5内の透析液
が予め設定された透析液残量に到達しない場合や、リザ
ーバーバッグ8への排液流入量が急激に減少した場合、
または所定時間経過してもリザーバーバッグ84内の排
液が予め設定された目標排液量に到達しない場合には、
例えばチューブ17やトランスファーチューブ18の閉
塞等の異常事態が発生したものと判断し、すべてのクラ
ンプ570を閉じるとともに、バッグ収納部52内を大
気圧状態に復帰させる。
【0206】そして、この異常事態を報知するために、
警告を発する。すなわち、警報ランプ556を点灯する
とともに、表示部69ヘの表示を行う。この場合、表示
部69には、現在の工程(異常が生じた時の工程)と、
エラーに対応するアラームの内容と、現在までのサイク
ル数と、Aタイプ/Bタイプの別とが表示される。な
お、前記表示部69により、送液に関する情報を報知す
る報知手段が構成される。
【0207】ここで、本実施例では、送液の正常・異常
の判断は、秤79により検出された送液量と、しきい値
とを比較して行われる。すなわち、秤79により検出さ
れた送液量がしきい値以下の場合には、異常事態と判断
され、前記エラー処理が行われる。
【0208】前記送液量としては、例えば、注液量、排
液量、初期排液量、最終注液量、初期注液量、タイダー
ル量等が挙げられる。
【0209】前記エラー状態において、開始スイッチ5
51をオンすると、治療が再開される。この場合、前記
治療は、停止する直前に実行されていた工程から続行さ
れる。
【0210】また、初期排液量が基準値以下に設定され
ている場合、本実施例では、初期排液量がその設定値
(送液量の設定値)の最小単位に設定されている場合
(送液量の設定値の最小単位が50mL(大人用)に設定
されているときは、初期排液量が50mLに設定されてい
る場合、送液量の設定値の最小単位が10mL(小児用)
に設定されているときは、初期排液量が10mLに設定さ
れている場合)には、初期排液に関し、エラー処理(警
報ランプ556の点灯、表示部69へのアラーム表示、
すべてのクランプ570を閉じて送液を停止すること
等)を禁止する。
【0211】これにより、この腹膜透析装置1では、初
期排液量が分からない場合、特に、初期排液量が少な
く、かつ初期排液量が分からない場合でも、初期排液量
をその設定値の最小単位に設定することにより、透析液
の交換、すなわち、初期排液から注液への移行を円滑に
行うことができる。
【0212】また、この腹膜透析装置1では、前述した
ように、停電検出回路102により停電の検出が行われ
ている。
【0213】停電になると、電源トランス97から停電
検出回路102への印加電圧が0となり、停電検出回路
102からの信号が、制御手段71および安全回路10
3にそれぞれ入力される。この場合、制御手段71は、
バッテリー101から電力が供給されるように、図示し
ない所定のスイッチを切り替えるとともに、停電処理を
実行する(S110)。
【0214】停電処理では、安全回路103は、クラン
プ制御回路92、ポンプ制御回路88およびヒータ制御
回路76により、すべてのクランプ570を閉じ、バッ
グ収納部52内を大気圧状態に復帰させるとともに、ヒ
ーター78を停止させる。そして、この状態で待機す
る。
【0215】予め設定されている待機時間(例えば、1
〜30分程度)内に停電から復帰した場合には、治療が
再開される。この場合、前記治療は、停止する直前に実
行されていた工程から続行される。
【0216】また、予め設定されている待機時間を経過
しても停電している場合には、前述したエラー処理が行
われる(S111)。
【0217】前述したエラー状態または一時停止状態
で、停止スイッチ553を5秒以上オンすると、治療を
強制的に終了(中止)し、表示部69には、「チリョウ
チュウシ」と表示される。
【0218】そして、前述したように、レポートスイッ
チ552をオンする毎に、初期排液量と、総除水量と、
最終注液量と、予め選択されている項目とが順次表示さ
れる。
【0219】前述したように、停止スイッチ553をオ
ンすると、「クランプドウサチュウ」と表示され、クラ
ンプ部57のすべてのクランプ570が閉じる。そし
て、このクランプ動作が完了すると、表示部69に、
「カセットヲ ハズス」と表示される。電源スイッチ6
3をオフすると、電源がオフの状態になる(S10
1)。
【0220】以上説明したように、腹膜透析装置1によ
れば、腹膜透析の開始から終了までを自動的に行うこと
ができるので、例えば、就寝中に患者が起きて流路の切
り替えを行うといった手間がかからない。
【0221】また、総注液量、総排液量、再排液量、平
均貯留時間、各サイクル毎の注液量、各サイクル毎の排
液量、各サイクル毎の除水量、各サイクル毎の貯留時
間、残り貯留時間および残り透析時間のうちの予め選択
されている項目と、初期排液量と、総除水量と、最終注
液量とを表示することができるので、透析の結果を容易
に把握することができる。この場合、表示項目を選択す
ることができるので、表示が煩雑となるのを回避し、必
要な項目のみを表示することができる。
【0222】また、透析液バッグ内に残存した透析液の
排液バッグへの移送を透析終了後に自動的に行うことが
できる自動モードと、透析液バッグ内に残存した透析液
の排液バッグへの移送を行うか否かを手動で選択し得る
手動モードとに設定可能であるので、汎用性が広い。
【0223】また、再排液モードに設定可能であるの
で、より高い治療効果が得られる。また、送液量の設定
値の最小単位を変更、すなわち、10mL/50mLに設定
することができるので、各透析条件を細かく、適正値に
設定することができ、これにより最適な治療を行うこと
ができる。
【0224】また、異常が生じた場合には、エラー処理
が行われ、停電の場合には、停電処理が行われるので、
安全性が高い。
【0225】また、患者300への透析液の注液および
患者300からの排液の回収の際の液移送を、それぞ
れ、加温用透析液バッグ5の雰囲気の加圧およびリザー
バーバッグ8の雰囲気の減圧により行うため、液流通を
得るための落差を確保する必要がなく、患者の就寝位置
(高さ)を自由に選択することができる。
【0226】また、透析液バッグおよび排液バッグの双
方に患者の就寝位置からの落差を確保する必要がないた
め、装置の小型化が図れ、就寝中に誤って装置を転倒さ
せるという事故も防止できる。
【0227】以上、本発明の腹膜透析装置を、図示の構
成例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意
の構成のものに置換することができる。
【0228】例えば、本発明では、送液異常の報知が、
音声やブザーで行われるように構成されていてもよい。
【0229】また、本発明では、送液手段は、例えば、
ローラーポンプで構成されていてもよい。
【0230】また、本発明では、透析液回路のパター
ン、すなわち、チューブの接続関係や、バッグの数は、
図示のものに限定されない。
【0231】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の腹膜透析
装置によれば、表示項目を選択することができるので、
表示が煩雑となるのを回避し、必要な項目のみを表示す
ることができるとともに、操作が簡素化される。
【0232】また、透析液容器内に残存した透析液の排
液回収容器への移送を透析終了後に自動的に行う自動モ
ードと、前記移送を行うか否かを手動で選択し得る手動
モードとに設定可能であるので、汎用性が広い。
【0233】また、最後の排液終了後に再度、残液の排
液を行うことが可能な再排液モードに設定可能であるの
で、より高い治療効果が得られる。
【0234】また、送液量の設定値の最小単位を変更し
得るので、透析条件を適正値に設定することができ、こ
れにより最適な治療を行うことができる。
【0235】また、送液量検出手段により検出された送
液量に基づいて、送液の異常を検出し、送液の停止や、
送液異常の報知を行うよう構成されているので、安全性
が高い。
【0236】また、初期排液量が基準値以下に設定され
ている場合には、初期排液に関し、送液の停止や、送液
異常の報知を禁止するよう構成されているので初期排液
量が少量でわからない場合にも、治療を円滑に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の腹膜透析装置の構成例を模式的に示す
斜視図である。
【図2】図1に示す腹膜透析装置の透析液回路を示す図
である。
【図3】図1に示す腹膜透析装置の透析装置本体を示す
斜視図である。
【図4】図1に示す腹膜透析装置の透析装置本体(フロ
ントドアを開けた状態)を示す正面図である。
【図5】図1に示す腹膜透析装置の操作パネルを示す正
面図である。
【図6】図1に示す腹膜透析装置の設定パネルを示す正
面図である。
【図7】図1に示す腹膜透析装置の透析装置本体の回路
構成を示すブロック図である。
【図8】図1に示す腹膜透析装置の状態推移図である。
【図9】本発明において、Aタイプ・NPDパターンに
おける治療条件の設定例およびこの設定における腹膜透
析装置の動作を示す図(表およびグラフ)である。
【符号の説明】
1 腹膜透析装置 2 透析装置本体 3 透析液回路 4a〜4e 透析液バッグ 5 加温用透析液バッグ 6 トランスファーチューブセット 7 カセット 70 チューブ押圧部材 8 リザーバーバッグ 9a〜9d 排液バッグ 11〜17 チューブ 18 トランスファーチューブ 19 カテーテルチューブ 21〜23 チューブ 31〜33 コネクタ 34 ジョイント 35〜38 クレンメ 39 ローラクランプ 41〜46 分岐コネクタ 51 ケーシング 52 バッグ収納部 53 蓋 54 蓋ロックレバー 55 操作パネル 551 開始スイッチ 552 レポートスイッチ 553 停止スイッチ 554 開始ランプ 555 停止ランプ 556 警報ランプ 557 カセットランプ 558 バッグ収納部蓋ランプ 559 注液適温ランプ 56 設定パネル 561 照度調整スイッチ 562 治療設定確認スイッチ 563 治療スイッチ 564 記憶スイッチ 565 時刻スイッチ 566 排液パススイッチ 567 プラススイッチ 568 マイナススイッチ 57 クランプ部 570 クランプ 58 設定パネルカバー 59 フロントドア 61 ドアレバー 62 セーフティーレバー 63 電源スイッチ 64 加温トレイ 65 仕切板 66 フック 67 チューブ溝 68 キャップホルダー 69 表示部 71 制御手段 72 操作部 73 ランプ駆動回路 74 メモリー 75 リアルタイムクロック 76 ヒーター制御回路 77 サーモスイッチ 78 ヒーター 79 秤 81 重量計測回路 82 温度センサー(ヒーター用) 83 温度センサー(バッグ用) 84 温度計測回路 85 漏液回路 86 漏液検出回路 87 ドアロック検出センサー 88 ポンプ制御回路 89 エアーポンプ・リークバルブ 91 圧力センサー 92 クランプ制御回路 93 クランプモーター 94 クランプ位置検出センサー 95 カセット検出センサー 96 ドアロック検出センサー 97 電源トランス 98 電源回路 99 充電回路 101 バッテリー 102 停電検出回路 103 安全回路 104 電源 300 患者

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透析液が充填された少なくとも一つの透
    析液容器と、透析液を回収する少なくとも一つの排液回
    収容器とを含む透析液回路と、 前記透析液容器を起点とし、または、前記排液回収容器
    を終点として、透析液を送液する送液手段と、 透析に関する条件を表示する表示手段とを有し、 患者側に透析液を供給するとともに、その排液を回収す
    るよう作動する腹膜透析装置であって、 総注液量、総排液量、再排液量、平均貯留時間、各サイ
    クル毎の注液量、各サイクル毎の排液量、各サイクル毎
    の除水量、各サイクル毎の貯留時間、残り貯留時間およ
    び残り透析時間のうちの少なくとも一つについて、前記
    表示手段により表示するか否かを設定する表示項目設定
    手段を有することを特徴とする腹膜透析装置。
  2. 【請求項2】 透析液が充填された少なくとも一つの透
    析液容器と、透析液を回収する少なくとも一つの排液回
    収容器とを含む透析液回路と、 前記透析液容器を起点とし、または、前記排液回収容器
    を終点として、透析液を送液する送液手段とを有し、 患者側に透析液を供給するとともに、その排液を回収す
    るよう作動する腹膜透析装置であって、 前記透析液容器内に残存した透析液の前記排液回収容器
    への移送を透析終了後に自動的に行う自動モードと、前
    記移送を行うか否かを手動で選択し得る手動モードとに
    設定可能なことを特徴とする腹膜透析装置。
  3. 【請求項3】 透析液が充填された少なくとも一つの透
    析液容器と、透析液を回収する少なくとも一つの排液回
    収容器とを含む透析液回路と、 前記透析液容器を起点とし、または、前記排液回収容器
    を終点として、透析液を送液する送液手段とを有し、 患者側に透析液を供給するとともに、その排液を回収す
    るよう作動する腹膜透析装置であって、 最後の排液終了後に再度、残液の排液を行うことが可能
    な再排液モードに設定可能なことを特徴とする腹膜透析
    装置。
  4. 【請求項4】 透析液が充填された少なくとも一つの透
    析液容器と、透析液を回収する少なくとも一つの排液回
    収容器とを含む透析液回路と、 前記透析液容器を起点とし、または、前記排液回収容器
    を終点として、透析液を送液する送液手段と、 前記送液手段による送液量を設定する送液量設定手段と
    を有し、 患者側に透析液を供給するとともに、その排液を回収す
    るよう作動する腹膜透析装置であって、 前記送液量の設定値の最小単位を変更し得るよう構成さ
    れていることを特徴とする腹膜透析装置。
  5. 【請求項5】 透析液が充填された少なくとも一つの透
    析液容器と、透析液を回収する少なくとも一つの排液回
    収容器とを含む透析液回路と、 前記透析液容器を起点とし、または、前記排液回収容器
    を終点として、透析液を送液する送液手段と、 前記送液手段による送液量を検出する送液量検出手段と
    を有し、 患者側に透析液を供給するとともに、その排液を回収す
    るよう作動する腹膜透析装置であって、 前記送液量検出手段により検出された送液量に基づい
    て、送液の正常・異常を判断し、異常と判断された場合
    には、送液を停止するよう構成されていることを特徴と
    する腹膜透析装置。
  6. 【請求項6】 回収予定の初期排液量を設定する初期排
    液量設定手段を有し、 前記初期排液量が基準値以下に設定されている場合に
    は、初期排液に関し、前記送液の停止を禁止するよう構
    成されている請求項5に記載の腹膜透析装置。
  7. 【請求項7】 送液に関する情報を報知する報知手段を
    有し、 前記送液量検出手段により検出された送液量に基づい
    て、送液の正常・異常を判断し、異常と判断された場合
    には、それを前記報知手段により報知するよう構成され
    ている請求項5または6に記載の腹膜透析装置。
  8. 【請求項8】 回収予定の初期排液量を設定する初期排
    液量設定手段を有し、 前記初期排液量が基準値以下に設定されている場合に
    は、初期排液に関し、前記報知手段による送液異常の報
    知を禁止するよう構成されている請求項7に記載の腹膜
    透析装置。
  9. 【請求項9】 前記送液の正常・異常の判断は、前記送
    液量検出手段により検出された送液量と、しきい値とを
    比較して行われるよう構成されている請求項5ないし8
    のいずれかに記載の腹膜透析装置。
  10. 【請求項10】 前記透析液回路は、透析液および/ま
    たはその排液を一時的に貯留し得る少なくとも一つの一
    時貯留容器を有し、前記一時貯留容器を経由して、透析
    液の供給および/またはその排液の回収を行う請求項1
    ないし9のいずれかに記載の腹膜透析装置。
  11. 【請求項11】 前記送液手段は、前記一時貯留容器の
    雰囲気を減圧状態および加圧状態とする減圧・加圧装置
    である請求項10に記載の腹膜透析装置。
  12. 【請求項12】 前記透析液回路中の流路を切り替える
    流路切替手段を有する請求項1ないし11のいずれかに
    記載の腹膜透析装置。
JP06186197A 1997-02-28 1997-02-28 腹膜透析装置 Expired - Lifetime JP3453270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06186197A JP3453270B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 腹膜透析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06186197A JP3453270B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 腹膜透析装置

Related Child Applications (4)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001143845A Division JP3443107B2 (ja) 2001-05-14 2001-05-14 腹膜透析装置
JP2001143846A Division JP3443108B2 (ja) 2001-05-14 2001-05-14 腹膜透析装置
JP2002126876A Division JP3443117B2 (ja) 2002-04-26 2002-04-26 腹膜透析装置
JP2003007741A Division JP3828080B2 (ja) 2003-01-16 2003-01-16 腹膜透析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10234849A true JPH10234849A (ja) 1998-09-08
JP3453270B2 JP3453270B2 (ja) 2003-10-06

Family

ID=13183327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06186197A Expired - Lifetime JP3453270B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 腹膜透析装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3453270B2 (ja)

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003000704A (ja) * 2001-06-19 2003-01-07 Terumo Corp 腹膜透析装置
JP2003205031A (ja) * 2002-01-15 2003-07-22 Terumo Corp 腹膜透析支援システム
JP2003525084A (ja) * 2000-02-28 2003-08-26 ガンブロ ルンデイア アクチーボラグ Pd循環装置のための方法および装置
WO2006054720A1 (ja) * 2004-11-18 2006-05-26 Jms Co., Ltd. 自動腹膜灌流装置とその排液制御方法
JP2006343254A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Aichi Tokei Denki Co Ltd 腹膜透析用電磁流量計及び腹膜透析装置
JP2007105159A (ja) * 2005-10-12 2007-04-26 Toray Medical Co Ltd 照明装置付き人工透析装置
US7452346B2 (en) 2001-01-08 2008-11-18 Gambro Lundia Ab Coupling device and medical line set including same
JP2011115609A (ja) * 2011-03-07 2011-06-16 Terumo Corp 腹膜透析装置
WO2011162229A1 (ja) * 2010-06-25 2011-12-29 ニプロ株式会社 血液透析装置
JP2012011260A (ja) * 2002-05-24 2012-01-19 Baxter Internatl Inc 自動化透析システム
JP2012040445A (ja) * 2011-12-02 2012-03-01 Terumo Corp 腹膜透析装置
JP2013188414A (ja) * 2012-03-15 2013-09-26 Fujitsu Ltd プログラム、および情報処理装置
WO2014162489A1 (ja) * 2013-04-01 2014-10-09 テルモ株式会社 自動腹膜透析装置
JP2015100557A (ja) * 2013-11-26 2015-06-04 テルモ株式会社 可搬型腹膜透析装置
US9504778B2 (en) 2002-05-24 2016-11-29 Baxter International Inc. Dialysis machine with electrical insulation for variable voltage input
US9514283B2 (en) 2008-07-09 2016-12-06 Baxter International Inc. Dialysis system having inventory management including online dextrose mixing
CN106421950A (zh) * 2016-09-28 2017-02-22 北京智立医学技术股份有限公司 一种用于腹膜透析的装置
US9582645B2 (en) 2008-07-09 2017-02-28 Baxter International Inc. Networked dialysis system
US9675744B2 (en) 2002-05-24 2017-06-13 Baxter International Inc. Method of operating a disposable pumping unit
CN110944691A (zh) * 2017-07-18 2020-03-31 费森尤斯医疗护理德国有限责任公司 用于在血液治疗后排空流出物袋的方法和装置

Cited By (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003525084A (ja) * 2000-02-28 2003-08-26 ガンブロ ルンデイア アクチーボラグ Pd循環装置のための方法および装置
US7452346B2 (en) 2001-01-08 2008-11-18 Gambro Lundia Ab Coupling device and medical line set including same
JP2003000704A (ja) * 2001-06-19 2003-01-07 Terumo Corp 腹膜透析装置
JP2003205031A (ja) * 2002-01-15 2003-07-22 Terumo Corp 腹膜透析支援システム
JP2012011260A (ja) * 2002-05-24 2012-01-19 Baxter Internatl Inc 自動化透析システム
US10751457B2 (en) 2002-05-24 2020-08-25 Baxter International Inc. Systems with disposable pumping unit
US10137235B2 (en) 2002-05-24 2018-11-27 Baxter International Inc. Automated peritoneal dialysis system using stepper motor
US9511180B2 (en) 2002-05-24 2016-12-06 Baxter International Inc. Stepper motor driven peritoneal dialysis machine
US9775939B2 (en) 2002-05-24 2017-10-03 Baxter International Inc. Peritoneal dialysis systems and methods having graphical user interface
US9744283B2 (en) 2002-05-24 2017-08-29 Baxter International Inc. Automated dialysis system using piston and negative pressure
US9675744B2 (en) 2002-05-24 2017-06-13 Baxter International Inc. Method of operating a disposable pumping unit
US9504778B2 (en) 2002-05-24 2016-11-29 Baxter International Inc. Dialysis machine with electrical insulation for variable voltage input
WO2006054720A1 (ja) * 2004-11-18 2006-05-26 Jms Co., Ltd. 自動腹膜灌流装置とその排液制御方法
JP2006343254A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Aichi Tokei Denki Co Ltd 腹膜透析用電磁流量計及び腹膜透析装置
JP2007105159A (ja) * 2005-10-12 2007-04-26 Toray Medical Co Ltd 照明装置付き人工透析装置
US9690905B2 (en) 2008-07-09 2017-06-27 Baxter International Inc. Dialysis treatment prescription system and method
US10561780B2 (en) 2008-07-09 2020-02-18 Baxter International Inc. Dialysis system having inventory management including online dextrose mixing
US9514283B2 (en) 2008-07-09 2016-12-06 Baxter International Inc. Dialysis system having inventory management including online dextrose mixing
US9582645B2 (en) 2008-07-09 2017-02-28 Baxter International Inc. Networked dialysis system
WO2011162229A1 (ja) * 2010-06-25 2011-12-29 ニプロ株式会社 血液透析装置
JP2011115609A (ja) * 2011-03-07 2011-06-16 Terumo Corp 腹膜透析装置
JP2012040445A (ja) * 2011-12-02 2012-03-01 Terumo Corp 腹膜透析装置
JP2013188414A (ja) * 2012-03-15 2013-09-26 Fujitsu Ltd プログラム、および情報処理装置
WO2014162489A1 (ja) * 2013-04-01 2014-10-09 テルモ株式会社 自動腹膜透析装置
JPWO2014162489A1 (ja) * 2013-04-01 2017-02-16 テルモ株式会社 自動腹膜透析装置
JP2015100557A (ja) * 2013-11-26 2015-06-04 テルモ株式会社 可搬型腹膜透析装置
CN106421950A (zh) * 2016-09-28 2017-02-22 北京智立医学技术股份有限公司 一种用于腹膜透析的装置
CN110944691A (zh) * 2017-07-18 2020-03-31 费森尤斯医疗护理德国有限责任公司 用于在血液治疗后排空流出物袋的方法和装置
JP2020527418A (ja) * 2017-07-18 2020-09-10 フレセニウス・メディカル・ケア・ドイチュラント・ゲーエムベーハー 血液処理後に排液バッグを空にするための方法およびデバイス
US11724019B2 (en) 2017-07-18 2023-08-15 Fresenius Medical Care Deutschland Gmbh Method and devices for emptying an effluent bag after blood treatment

Also Published As

Publication number Publication date
JP3453270B2 (ja) 2003-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3828080B2 (ja) 腹膜透析装置
JP3453270B2 (ja) 腹膜透析装置
JP3113889B2 (ja) 空の供給容器およびチューブ閉塞の認識のための検知器を備えた自動腹膜透析システム
EP1582227B1 (en) Peritoneal dialysis apparatus
JP3113887B2 (ja) ポンピングカセットを使用する腹膜透析システム
JP3113886B2 (ja) 内蔵空気隔離および除去を備えた液体分配およびポンプカセットを使用する腹膜透析システム
JP3103982B2 (ja) 腹膜透析システム
US20090012453A1 (en) Mobile dialysis system having supply container detection
US20090012454A1 (en) Dialysis system having non-invasive temperature sensing
US20090012457A1 (en) Dialysis system having disposable cassette and interface therefore
US20090012455A1 (en) Dialysis system having supply container autoconnection
JP2006218130A (ja) 腹膜透析装置、透析液セットおよび腹膜透析装置の制御方法
AU2019200631B2 (en) Dialysis monitors and methods of operation
JP2020527418A (ja) 血液処理後に排液バッグを空にするための方法およびデバイス
AU2014350343A1 (en) Dialysis monitors and methods of operation
JP4066242B2 (ja) 腹膜透析装置及びその制御方法
JP2008000552A (ja) 腹膜透析装置、腹膜透析セットおよび腹膜透析装置の制御方法
JP3443107B2 (ja) 腹膜透析装置
JP3443117B2 (ja) 腹膜透析装置
JP3443108B2 (ja) 腹膜透析装置
JP4231666B2 (ja) 腹膜透析装置及びその制御方法
JP4101577B2 (ja) 腹膜透析装置及び制御方法
US20230293793A1 (en) Wearable automated peritoneal dialysis device
JPH0724062A (ja) 透析液交換装置
JP2006218131A (ja) 腹膜透析装置、透析液セットおよび腹膜透析装置の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070718

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080718

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100718

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term