JPH10234339A - かつお塩辛の製造方法及び包装容器詰めかつお塩辛の製造方法 - Google Patents

かつお塩辛の製造方法及び包装容器詰めかつお塩辛の製造方法

Info

Publication number
JPH10234339A
JPH10234339A JP9043104A JP4310497A JPH10234339A JP H10234339 A JPH10234339 A JP H10234339A JP 9043104 A JP9043104 A JP 9043104A JP 4310497 A JP4310497 A JP 4310497A JP H10234339 A JPH10234339 A JP H10234339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bonito
salted
container
salt
inert gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9043104A
Other languages
English (en)
Inventor
Toyoichi Shinkai
豊一 新海
Katsuyoshi Watanabe
勝良 渡辺
Naoki Hara
直樹 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ninben Co Ltd
Original Assignee
Ninben Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ninben Co Ltd filed Critical Ninben Co Ltd
Priority to JP9043104A priority Critical patent/JPH10234339A/ja
Publication of JPH10234339A publication Critical patent/JPH10234339A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 かつお塩辛の酸化を防止するために食塩の添
加量を多くすると塩辛くなり過ぎる。 【解決手段】 かつおの内臓に食塩を混和して塩漬け処
理した後、これを減圧脱気又は不活性ガス置換した容器
内にて熟成させ、熟成の終了までを減圧脱気又は不活性
ガス置換された容器内で行なうようにした。塩漬け処理
した内臓を小片化処理して熟成させるようにした。内臓
を塩漬け処理するとき又は/及び熟成の初期に、発生し
た分離水を除去した後、不足する食塩を追加調整して熟
成させるようにした。前記製造方法により製造されたか
つお塩辛を、そのまま又は小片化処理した後、調味して
包装容器に充填し、密封した。同かつお塩辛を包装容器
に充填した後、減圧脱気又は不活性ガス置換して密封す
るか、脱酸素剤を備えたキャップで密封した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、かつおの内臓を原料と
するかつお塩辛(別称、酒盗又は飯盗)であって、特に
変敗や酸化を防止したかつお塩辛及び包装容器に詰めた
(包装容器詰め)かつお塩辛の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のかつお塩辛や包装容器詰めかつお
塩辛の製造方法では、かつおの内臓のうち胆嚢、脾臓を
除いた胃、腸、幽門垂、卵、白子、肝臓等を用い、胃腸
管内の汚物をはじめ、付着している血液、脂肪及び汚物
等を除去した後、よく水洗いして十分に水切りし、その
まま又は適宜の大きさに切る。次いで、このように前処
理したかつおの内臓に約30%(W/W)程度の食塩を
加えてよく混和した後、金属製、プラスチック製又は木
製等の容器(タンク、樽又は槽と呼ばれる)の中に直に
入れるか、或はこれらの容器にポリエチレンフィルムを
内装した中に入れて、塩漬けし、当初は毎日十分に攪拌
して食塩の浸透を促進し、表面に出てくる分離水を除き
ながら、その後継続して熟成させて仕上げている。この
ようにして熟成の終了したかつお塩辛は、更に小さく切
るなどして調味し、これを単に包装容器に詰めて製品と
するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のかつお塩辛の製
造方法における塩漬けや熟成は、かつおの内臓に含まれ
る自己消化酵素以外に、好気性菌である酵母菌、乳酸菌
及びその他の細菌も関与していると言われる。従って、
この方法は好気熟成や含気熟成と呼ばれ、酸化以外にも
異常発酵して変敗することもあるので、その変敗防止の
ために食塩添加量を多くし、少なくとも20%以上、普
通30%程度の高濃度としているから、得られる製品は
塩味の強いものとなる。尚、かつおの内臓に含まれる脂
肪や色素は非常に酸化され易く、なかでもその脂肪に含
まれる多価不飽和脂肪酸は、空気中の酸素により次第に
自動酸化して渋味や苦味を呈すると共に不快臭を発し、
かつお塩辛とした場合にも風味への影響は大きく、しか
も、その酸化生成物は衛生上からは好ましくないものと
なる。特に、十分に熟成されたかつお塩辛とするには、
常温においても少なくとも3カ月以上を要するので、従
来の好気熟成や含気熟成による方法では、酸化による品
質への影響を更に強く受けることになる。また、この多
価不飽和脂肪酸と筋肉色素であるミオグロビンの酸化が
進むと、かつお塩辛の色沢も変化して褐色や茶褐色へと
濃色化し、製品の外観も悪くなる。更に、前処理や塩漬
け処理後において、かつおの内臓を小さく切って用いる
程、その表面積が増大して空気との接触が大きくなり、
特に熟成期間は長いので、酸化の影響を受け易くなるか
ら、切らずにそのまま用いる場合が多い。従って、この
場合は食塩の浸透や脱水(分離水)作用及び熟成に長時
間を要することになる。このように、従来の製造方法で
は酸化による製品の風味や色沢の劣化を防止することは
誠に困難である。即ち、従来の製造方法のうち、比較的
良いとされるポリエチレンフィルムを内装した容器内で
の塩漬けや熟成でも、そのポリエチレンフィルムは容器
の腐蝕防止と容器の上部空間(ヘッドスペース)を少な
くする程度の効果で、完全密封して行なうものではな
く、しかも、塩漬け処理時や熟成の初期には毎日の攪拌
を必要とするので、外気からの酸素の侵入と接触は大き
く、まして、内臓片間や水分中の酸素は除去できないか
ら、酸化による品質の劣化を防ぐことはできない。特
に、仕込み単位量の少ない場合程空気との直接接触が多
くなり、酸化による影響も大きくなるので、一般的には
仕込み単位量が20Kg以下の場合には、食用に供する
品質の製品とすることは困難である。
【0004】しかも、このように酸化の影響を受けて熟
成されたかつおの塩辛を小さく切るなどして調味し、こ
れを単に包装容器に詰めて含気製品とするものであるか
ら、包装容器内の空気(酸素)によって、更に酸化が進
行して品質の劣化が強まる。
【0005】本発明は、前記した従来の問題点を解消
し、特に好気性菌による変敗と酸化による品質の劣化を
防止したかつお塩辛の製造方法及び包装容器詰めかつお
塩辛の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のうち、請求項1
記載のかつお塩辛の製造方法は、かつおの内臓を常法に
より前処理し、この内臓に所定量の食塩を混和して塩漬
け処理した後、これを減圧脱気又は不活性ガス置換した
容器内にて熟成させるようにした方法である。ここで、
常法により前処理するとは、先ず、魚体から取り出した
かつおの内臓のうち、胆嚢と脾臓を除き、残りの胃、
腸、幽門垂、卵、白子及び肝臓等を用い(優良品質のも
のとする場合には胃、腸及び幽門垂だけを用いることも
ある。)、次いで、特に胃腸管内の汚物をはじめ、付着
している皿液、脂肪及びその他の汚物等をできる限り除
去した後、よく水洗いして十分に水切りし、そのまま又
は適宜の大きさに切る迄の処理である。本発明では、こ
のように前処理した鰹の内蔵を用いるが、食塩の添加量
を好ましくは15〜20%と低くすることができるの
で、塩漬け処理や熟成期間が短縮され、製品の塩味も和
らぐ。この場合は、好気的状態で塩漬け処理するが、そ
の塩漬け処理期間は普通は5日前後であるから、酸化に
よる品質への影響は軽微である。しかも、塩漬け処理の
終了した後は減圧脱気又は不活性ガス置換した容器内に
入れて、嫌気的(無酸素又は低酸素)状態で熟成を行な
うので、その後の酸化による風味や色沢への影響は殆ど
ない。即ち、その容器内を減圧脱気する場合は勿論、不
活性ガス置換とする場合にも、一旦は真空ポンプ等によ
り減圧脱気した後に行なうので、その内臓片間や水分中
の酸素(空気)も十分に除去できる。それ故、仕込み量
が20Kg以下の少量でも、品質の良い製品とすること
が可能である。しかも、この減圧脱気操作により内臓片
相互の密着度が増し、食塩の溶解と浸透が促進されて早
く均一化することができ、同時に、塩漬け処理期間の短
いものや処理の不十分なもので、まだ除去すべき分離水
を多く含むものでは、その固形分が容器の底部側に、分
離水はその上部側に分れ易くなる。従って、分離水を早
くしかも容易に除去できる。又、前処理において、かつ
おの内臓を小さく切って用いても、酸化の影響を殆ど受
けず、その表面積が増大することにより、塩漬け処理時
や熟成の初期には食塩の浸透と脱水作用が促進され、分
離水の除去も容易で、その後の熟成も早まる。このよう
に、本発明では嫌気的(無酸素又は低酸素)状態が塩漬
け処理後から熟成の終了まで保持されるので、従来の好
気熟成や含気熟成のような好気性菌の異常発酵による変
敗及び酸化による風味や色沢の劣化は殆ど見られない。
【0007】本発明のうち、請求項2記載のかつお塩辛
の製造方法は、かっおの内臓を常法により前処理し、こ
の内臓に所定量の食塩を混和した後、これを減圧脱気又
は不活性ガス置換した容器内にて塩漬け処理し、その後
同容器内にて熟成させるようにした方法である。この製
造方法では、塩漬け処理の段階から熟成の終了までを嫌
気的(無酸素又は低酸素)状態で仕上げるので、請求項
1記載のかつお塩辛の製造方法の場合よりは更に効果的
に塩漬けされ、熟成される。特に、好気性菌の異常発酵
による変敗及び酸化による風味や色沢の劣化の危険は全
くなく、しかも食塩の溶解と浸透が促進されるので、脱
水作用の効果も高まって、分離水の除去や食塩分の均一
化が容易となり、塩漬け処理や熟成も更に早まる。
【0008】本発明のうち、請求項3記載のかつお塩辛
の製造方法は、かつおの内臓を常法により前処理し、こ
の内臓に、減圧脱気又は不活性ガス置換した容器内にて
所定量の食塩を混和し、これを減圧脱気又は不活性ガス
置換されていない容器内にて塩漬け処理した後、減圧脱
気又は不活性ガス置換した容器内にて熟成させるように
した方法である。この製造方法では塩漬け処理だけを酸
素中の好気的状態で行ない、常法により前処理した内臓
への食塩の混和と塩漬け処理後の熟成とを嫌気的(無酸
素又は低酸素)状態で行なうため、熟成のみを嫌気的
(無酸素又は低酸素)状態で行なう請求項1記載のかつ
お塩辛の製造方法の場合よりも更に効果的に食塩の混和
及び熟成が行なわれる。特に、好気性菌の異常発酵によ
る変敗及び酸化による風味や色沢の劣化の危険は全くな
く、しかも食塩の溶解と浸透が促進されるので、脱水作
用の効果も高まって、分離水の除去や食塩分の均一化が
容易となり、塩漬け処理や熟成も更に早まる。
【0009】本発明のうち、請求項4記載のかつお塩辛
の製造方法は、かつおの内臓を常法により前処理し、こ
の内臓に、減圧脱気又は不活性ガス置換した容器内にて
所定量の食塩を混和し、これを減圧脱気又は不活性ガス
置換された容器内にて塩漬け処理した後、減圧脱気又は
不活性ガス置換した容器内にて熟成させる方法である。
この製造方法では前処理した内臓への食塩の混和から、
塩漬け処理及びその後の熟成までの全ての製造工程を嫌
気的(無酸素又は低酸素)状態で行なうため、熟成のみ
を嫌気的状態で行なう請求項1記載のかつお塩辛の製造
方法、塩漬け処理と熟成とを嫌気的状態で行なう請求項
2記載のかつお塩辛の製造方法、食塩の混和と熟成のみ
を嫌気的状態で行なう請求項3記載のかつお塩辛の製造
方法、のいずれの場合よりも更に効果的に食塩の混和、
塩漬け処理、熟成が行なわれる。特に、好気性菌の異常
発酵による変敗及び酸化による風味や色沢の劣化の危険
は全くなく、しかも食塩の溶解と浸透が促進されるの
で、脱水作用の効果も高まって、分離水の除去や食塩分
の均一化が容易となり、塩漬け処理や熟成も更に早ま
る。
【0010】本発明のうち、請求項5記載のかつお塩辛
の製造方法は、かつおの内臓を塩漬け処理した後、小片
化処理して熟成させるようにした方法である。この場合
の小片化処理は、かつおの内臓の前処理において、切ら
ずに又は切ったものでもまだ大き過ぎる切片を対象にし
て行なう。この小片化処理によって、その切片の表面積
が増大するから、食塩の浸透が促進されて早く均一化す
る。又、塩漬け処理期間の短いものや処理の不十分なも
ので、まだ除去すべき分離水を多く含むものでは、脱水
作用が早く、その分離水の除去も容易となり、その後の
熟成も早まる。
【0011】本発明のうち、請求項6記載のかつお塩辛
の製造方法は、前記製造方法において、かつおの内臓を
塩漬け処理するとき又は/及び熟成の初期に、発生した
分離水を除去した後、不足する食塩を追加調整して熟成
させるようにした方法である。この期間では分離水の除
去がたやすく、追加調整する食塩も容易に溶解して浸透
し、食塩分の均一化が計れる。特に、減圧脱気又は不活
性ガス置換した容器内にて行なう場合には、更に効果的
である。
【0012】本発明のうち、請求項7記載の包装容器詰
めかつお塩辛の製造方法は、前記製造方法により製造さ
れたかつお塩辛を、そのまま又は小片化処理した後、こ
れを調味して包装容器に充填し、密封するようにした方
法である。この場合の小片化処理は、食用に適した大き
さの切片とし、しかも、添加する調味料等がその切片に
分散、溶解又は浸透し易くして、調味の均一化を計るた
めである。尚、前処理や塩漬け処理後の小片化処理にお
いて、既にこのような処理が行なわれたものには適用し
ない。又、十分に熟成されたかつお塩辛においては、そ
の切片間に自己消化酵素の作用による蛋白質等の分解成
分(ベプチド等)が多く、これらの成分と含水分とがエ
マルジョン化して粘性を帯びた糊状となり、添加調味料
等が分散、溶解又は浸透し難くなるので、あまり大きな
切片では調味の均一化が計れない。
【0013】本発明のうち、請求項8記載の包装容器詰
めかつお塩辛の製造方法は、請求項5記載の製造方法に
おいて、かつお塩辛を包装容器に充填した後、減圧脱気
又は不活性ガス置換して密封するようにした方法であ
る。従って、小片化処理や調味の作用効果は請求項5記
載の製造方法の場合と同様であるが、請求項6の場合
は、かつお塩辛自体の製造過程とその包装容器詰めの双
方において、減圧脱気又は不活性ガス置換による嫌気的
(無酸素又は低酸素)状態が保持されるため、好気性菌
の異常発酵による変敗及び酸化による風味や色沢の劣化
防止効果が二重に作用することになる。
【0014】本発明のうち、請求項9記載の包装容器詰
めかつお塩辛の製造方法は、請求項5又は請求項6記載
の製造方法において、かつお塩辛が充填された包装容
器、又はかつお塩辛が充填され、更に、減圧脱気又は不
活性ガス置換された包装容器を、脱酸素剤を備えたキャ
ップで密封するようにした方法である。従って、包装容
器内に酸素があっても、その酸素は脱酸素剤に吸収さ
れ、包装容器内塩辛が酸化しにくくなり、また、酸化に
伴う他の品質劣化もしにくくなる。
【0015】
【発明の実施の形態1】本発明では、常法により前処理
したかつおの内臓を用い、先ず、この内臓に所定畳の食
塩を混和して塩漬け処理する。この場合の食塩は分離水
と共に除去される分もあり、しかも、かつおの内臓の前
処理状態や品質によりその含水分も異なるので、目的と
する食塩分に見合う食塩量とすることが望ましい。又、
食塩の添加量が少な過ぎると変敗し易く、多過ぎると塩
味が強くなると同時に、熟成も遅くなるので、好ましく
は15〜20%程度とするのがよい。
【0016】食塩とかつおの内臓とをよく混和し、耐腐
食性のある適宜の容器或は減圧脱気又は不活性ガス置換
のできる容器に入れ、できるだけ高温を避けて冷暗所に
て塩漬け処理するのがよい。この際、適宜の容器を用い
る場合には、内容物と空気接触する面積ができるだけ少
なく、しかも、内容物の出入、攪拌、分離水の除去等が
可能な形態(口径等)のものを選択し、一容器への仕込
み量も多いほど酸化による影響は少ない。
【0017】一方、減圧脱気又は不活性ガス置換のでき
る容器を用いる場合には、その嫌気的(無酸素又は低酸
素)状態を保持して行なうので、酸化の影響を受けない
から、内容物の出入、攪拌、分離水の除去が可能なもの
であればよく、容器の形態や仕込み量はあまり考慮しな
くてもよい。
【0018】尚、食塩の脱水作用によって発生する分離
水の除去は、塩漬け処理時から遅くとも熟成の初期迄に
しないと、自己消化酵素の作用による分解成分の水分へ
の溶出量が増えるに従い、粘性が高くなって分離水とは
なり難く、無理して除去すれば、旨味等の分解成分をも
除去することになる。又、分離水の除去が不十分の場合
には、熟成後や包装容器詰め製品が水っぽいものとな
り、しかも、固液分離や風味変化を起こして品質の低下
を生ずる。
【0019】又、塩漬け処理時や熟成の初期の分離水
は、その食塩分がまだかつおの内臓よりは高く、分離水
を除去することは全体の食塩分を低下させることにな
る。従って、当初の目的とする製品の食塩分を保持する
ためには、その不足分を追加調整する必要がある。しか
し、この塩分調整は遅くとも熟成の初期迄にしないと、
自己消化酵素による分解成分の水分への溶出量が増える
に従い、食塩が十分に溶解しなくなり食塩分の均一化が
計れない。
【0020】塩漬け処理期間は内臓片の鮮度と大きさ、
食塩添加量、環境温度等によっても異なるが、普通、常
温では5日前後である。この期間は、塩漬け処理中のか
つおの内臓を、少なくとも1日1〜2回はよく攪拌し、
食塩の溶解と浸透を促進させて均一化を計り、やがて食
塩の脱水作用で分離水が生ずるから、これを除去する。
同時に、その不足する食塩を追加して調整する。
【0021】更に、減圧脱気又は不活性ガス置換した容
器内にて、嫌気的(無酸素又は低酸素)状態で塩漬け処
理する場合、その攪拌、分離水の除去及び食塩の追加調
整を自動的に処理する機構を有しない容器では、当然の
ことながら容器内の減圧や不活性ガス置換の状態を一時
解除して行ない、その後再び元の状態に戻し、これを繰
り返して行ないながら、塩漬け処理を継続する。
【0022】塩漬け処理の終了は、目的とする最終製品
の固形分や粘性を考慮して決めるが、塩漬け工程中で
も、かつおの内臓の自己消化酵素の分解作用は進行する
ので、分離水の発生が少なくなったり、その液性として
の濁りの増加や粘性の生ずる直前を見計らって塩漬け処
理の終点とする。
【0023】次いで、適宜の容器内で塩漬け処理を終了
したかつおの内臓は、その後滅圧脱気又は不活性ガス置
換できる容器に移し、又、減圧脱気又は不活性ガス置換
した容器内で塩漬け処理を終了したかつおの内臓は引続
き、何れもその容器内で嫌気的(無酸素又は低酸素)状
態を保持しながら熟成させる。即ち、減圧脱気状態で行
なう場合には、容器内を真空ポンプ等によりできるだけ
脱気し、減圧度を高める程よく、不活性ガス置換状態で
行なう場合には、同様にして容器内を一旦できるかぎり
減圧脱気した後、不活性ガスを導入置換して行なう。
【0024】この際、塩漬け処理終了後のかつおの内臓
を、そのまま又は小片化処理した後に熟成させてもよ
い。この場合の小片化処理は、かつおの内臓の前処理に
おいて、切らずに又は切ったものでもまだ大き過ぎる切
片を対象にして行なうが、包丁、カッター、チョッパー
又は専用細切機等どのような器具や装置を用いてもよ
く、その小片化処理片の大きさも適宜とする。この小片
化処理によって、その切片の表面積が増大するから、食
塩の浸透が促進されて早く均一化する。又、塩漬け処理
期間の短いものや処理の不十分なもので、まだ除去すべ
き分離水を多く含むものでは、脱水(分離水)が早く、
分離水の除去も容易となり、その後の熟成も早まると同
時に、風味の良い製品となる。
【0025】尚、熟成に用いる容器(塩漬け処理の場合
の一部と同じ)は、減圧脱気や不活性ガス置換の操作と
その嫌気的(無酸素又は低酸素)状態の保持が可能で、
しかも耐腐蝕性であれば、どのような材質や形態でもよ
く、例えば材質としては金属、木材、陶器、合成樹脂又
はこれらを腐蝕防止材で表面コート処理したもの等で、
形態としては円筒状、箱状、樽状、釜状又は袋状等があ
る。
【0026】又、使用する不活性ガス(塩漬け処理の場
合の一部と同じ)としては、窒素ガス又は炭酸ガス又は
これらの混合ガス等がある。
【0027】熟成の初期には、少なくとも1日1回はよ
く攪拌し、かつお内臓片の脱水状態、食塩分及び自己消
化酵素の作用度等によっても異なるが、必要に応じて分
離水の除去や食塩の追加調整を行なって、食塩分や内臓
片等の均一化を計る。これらの操作を自動的に処理する
機構を有しない容器では、塩漬け処理の場合と同様に、
容器の減圧や不活性ガス置換の状態を一時解除して行な
い、その後再び元の状態に戻し、これを繰り返して行な
いながら、熟成を継続する。
【0028】尚、塩漬け処理で十分な攪拌、脱水処理
(分離水の除去)及び食塩の追加調整等が終了したも
の、或は熱成が進行して分離水の発生が少なく、食塩の
追加調整の必要が無くなったもの等については、自己消
化酵素の分解作用を促進させる程度の適宜の攪拌のみで
よい。この場合の攪拌には、袋状容器での揉む操作も含
む。
【0029】又、熟成は塩漬け処理の場合と同様に、で
きるだけ高温を避けて冷暗所にて、自己消化酵素の分解
作用をじっくりと行なわせることが重要である。従っ
て、十分に熟成されたかつお塩辛とするには、その熟成
期間は少なくとも3ケ月を要することになる。熟成の終
了は内臓片(切片)が滑らかに柔軟化し、殆ど固液分離
せず、好ましい独特の風味を呈するようになった時点で
ある。この時のかつお塩辛の水分は65%前後となる。
【0030】このようにして熟成されたかつお塩辛のう
ち、前処理や塩漬け処理後の小片化処理において、既に
食用に適した大きさの切片とされているものはそのまま
で、それよりも大きい切片(内臓片)のものは、小片化
処理してから調味する。この場合の食用に適した大きさ
の切片とは、長さ及び幅が共に7mm前後とするのがよ
く、その小片化処理には包丁、カッター、チョッパー又
は専用細切機等どのような器具や装置を用いてもよい。
【0031】食用に適した大きさの切片に小片化処理さ
れたかつお塩辛は、適宜の風味や色沢となるように調味
する。この場合の調味材料としては、各種のものが使用
できる。しかも、固体、液体、粘性体等の性状は問わな
いので、例えば、調味料としては食塩、糖類、エキス
類、蛋白加水分解物類、食酢類、酒類、化学調味料類、
その他の発酵調味科や食品添加物等、風味材料としては
香辛料類、果汁類、海藻類、木の実類、穀類等、食用着
色料としては天然色素や合成色素がある。これらを単独
に又は複数組合わせて使用してもよい。
【0032】次いで、このようにして調味したかつお塩
辛は、その後包装容器に充填して密封し、包装容器詰め
かつお塩辛とする。この場合、包装容器に充填した後、
減圧脱気又は不活性ガス置換して密封するか、或は、用
いる包装容器がキャップ等により密封するものの場合
は、脱酸素剤を備えたキャップを使用すれば、更に品質
保持効果のある包装容器詰めかつお塩辛とすることがで
きる。
【0033】
【発明の実施の形態2】この実施の形態2は基本的には
実施の形態1と同じであり、異なるのは、常法により前
処理したかつおの内臓へ所定畳の食塩を混和するとき
に、その内臓を、耐腐食性のある容器或は適宜の他の容
器であって減圧脱気又は不活性ガス置換した容器に入
れ、その内部で食塩の混和を行なうようにしたことであ
る。
【0034】
【発明の実施の形態3】この実施の形態3は基本的には
実施の形態1と同じであり、異なるのは、常法により前
処理したかつおの内臓への食塩の混和、その内臓の塩漬
け処理、その後の熟成の全ての工程を耐腐食性のある容
器或は適宜の他の容器であって減圧脱気又は不活性ガス
置換した容器内で行なうようにしたことである。
【0035】
【試験例1】本発明の試験の一つとして、図1に示すフ
ローチャート1の通り行なった。即ち、かつおの内臓を
利用部と非利用部とに分け、利用部を小片化処理Aし、
この内臓に食塩を混和(図1に示すフローチャート1の
塩量1の工程で、表1の塩量1の食塩を混和)して常温
で5日間塩漬け処理し、この間に1日1回撹拌し、分離
水を除去した。その後にそれに食塩を混和(図1に示す
フローチャート1の塩量2の工程で、表1の塩量2の食
塩を混和)し、それを減圧脱気又は不活性ガス置換した
容器内にて常温で3ケ月間熟成させた。この間に1日1
回撹拌した。この試験の各種条件及び結果は表1に示さ
れる通りである。図1に示すフローチャート1の小片化
処理Aは表1の小片化時期Aのように行ない、熟成は表
1のCの状態で行なった。前記熟成用の容器には給排気
バルブ付きガラス製の嫌気ジャーで、内経135mm×内
高315mmのものを使用した。減圧脱気又は不活性ガス
置換は攪拌、分離水除去毎に実施した。
【0036】
【試験例2】本発明の試験の一つとして、図2に示すフ
ローチャート2の通り行なった。即ち、かつおの内臓を
利用部と非利用部とに分け、利用部に食塩を混和(図2
に示すフローチャート2の塩量1の工程で、表1の塩量
1の食塩を混和)して常温で5日間塩漬け処理し、この
間に1日1回撹拌し、分離水を除去した。その後、これ
を小片化処理Bし、それに食塩を混和(図2に示すフロ
ーチャート2の塩量2の工程で、表1の塩量2の食塩を
混和)し、その後にそれを、減圧脱気又は不活性ガス置
換した容器内にて常温で3ケ月間熟成させた。この間に
1日1回撹拌した。この試験の各種条件及び結果は表1
に示される通りである。前記の小片化処理Bは表1の小
片化時期Bのように行ない、熟成は表1のCの状態で行
なった。前記熟成用の容器には給排気バルブ付きガラス
製の嫌気ジャーで、内経135mm×内高315mmのもの
を使用した。減圧脱気又は不活性ガス置換は攪拌、分離
水除去毎に実施した。
【0037】この試験において、鰹の内臓から非利用部
(肝臓、脾臓、胆嚢、生殖巣、消化管内容物、その他)
を取り去った残りの利用部1(胃、腸、幽門垂)は47
%であった。
【0038】仕込み量は利用部1と塩量1の和である。
塩量1は仕込み時に添加した食塩量、塩量2は塩分調整
時に追加した食塩量である。また、仕込み量から収量ま
での減少分は、利用部1に塩量1を加え、塩漬け処理及
び熟成の初期迄に生じた分離水が主である。尚、歩留り
は利用部1と収量より算出した。
【0039】
【風味等の官能坪価】評価は仕込み時より1ケ月、2ケ
月 3ケ月経過後について行った。 1ケ月後 *表1の欄1、4、7、10(対照区)が若干酸化して
いる。 *表1の他の欄2、5、6、8、9、11、12(試験
区)は、ほぼ変わらない。 *全体に未熟成のため、味は苦み残る。
【0040】2ケ月後 *表1の1、4、7、10(対照区)は著しい変色、酸
化臭、液分の分離が多く、特に試験区1、4は異常発酵
による変敗気味であり、食用には適さないものと判定
し、これらの試験区(対照区)はこの時点で評価作業を
打ち切った。*その他は全て、酸化変敗等は見られな
い。塩分15%区(試験区2、3、5、6)の方が塩分
18%区(試験区8、9、11、12)より、醸された
香りが若干強い傾向にある。苦みは塩分18%区の方が
若干少ない。
【0041】3ケ月後 *対照区以外の全ての試験区においては、酸化、変敗等
は見られなかった。 *対照区以外の全ての試験区において、若干苦み残るが
旨味が感じられ、醸された好ましい香りとなった。塩分
18%区(試験区8、9、11、12)の方が苦みが少
なく感じられた。旨味は塩分15%区(試験区2、3、
5、6)の方が若干強く感じられた。熟成はこの時点で
終了とした。
【0042】
【試験例3】前記試験例1、2において得られたかつお
塩辛のうち、試験区2、6、8、12を用いて、下記の
調味料を使用して調味した後、ガラス瓶及びツイストキ
ャップからなる包装容器に充填して密封し、室温に放置
して、経時的に1ケ月、2ケ月、3ケ月、4ケ月、5ケ
月、6ケ月後の風味等を官能評価した。評価は10点採
点法とし、始発時を10として、風味等の低下に従って
減点して評価した。その結果は表2の通りであった。ま
た、それぞれの一部を5℃の冷蔵庫に保管し、参考サン
プルとした。尚、従来の製造方法による対照区は、酸化
や変敗の影響が強く使用できなかった。
【0043】調味料の割合は次の通りである。 グルタミン酸ナトリウム 2g ポリリン酸ナトリウム 2g ソルビトール(粉末) 9g 唐辛子アルコール 0.4ml 酒精発酵調味料 15ml 醸造酢 5ml 食用赤色3号 0.025g 前記調味料+かつお塩辛1kgの割合にて、混合調味し
た。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のかつお塩辛の製
造方法は、次のような効果がある。 1.従来のような好気熟成や含気熟成による方法ではな
く、減圧脱気又は不活性ガス置換を利用した嫌気的熟成
による方法であるため、かつおの内臓に含まれる自己消
化酵素の分解作用のみによるものであるから、円滑な熟
成ができると同時に、均質な製品が得られる。 2.好気的状態で塩漬け処理するが、その塩漬け処塩期
間は普通には5日前後であるから、酸化等による影響は
軽微である。しかも、その後は嫌気的熟成によるもので
あるから、好気性菌の関与がなく、異常発酵による変敗
の危険はない。それ故、比較的低塩分(好ましくは15
〜20%)とすることもできるので、塩漬け処理や熟成
期間も短縮され、製品の塩味も和らぐ。 3.嫌気的(無酸素又は低酸素)状態を得るため、容器
内を減圧脱気する場合は勿論、不活性ガス置換とする場
合にも、一旦は真空ポンプ等により減圧脱気した後に行
なうので、内臓片間や水分中の酸素(空気)も十分に除
去できる。 4.前記減圧脱気操作により、内臓片相互の密着度が増
し、食塩の溶解と浸透が促進されて早く均一化すること
ができ、塩漬け処理期間の短いものや処理の不十分なも
ので、まだ除去すべき分離水を多く含むものでは、その
固形分が容器の底部側に、分離水はその上部側に分れ易
くなる。従って、分離水を早くしかも容易に除去でき
る。 5.嫌気的熟成であるから、非常に酸化し易いかつおの
内臓の脂肪や色素の酸化が防止される。従って、酸化に
よる渋味、苦味、不快臭等の発生がなく、しかも、色沢
が変化して褐色や茶褐色へと濃色化することもなく、衛
生的で、風味や外観の優れた製品が得られる。 6.嫌気的熟成であるから、仕込み量が20Kg以下の
少量でも、品質の良い製品とすることが可能である。 7.前処理や塩漬け処理後において、かつおの内臓を小
さく切って用いたとしても、嫌気的(無酸素又は低酸
素)状態で熟成するものであるから、好気性菌の関与や
酸化による影響もなく、これにより、食塩の浸透や脱水
(分離水)作用及び熟成期間が短縮できる。
【0047】本発明の請求項2記載のかつお塩辛の製造
方法は、次のような効果がある。 1.塩漬け処理時から熟成の終了迄を、嫌気的(無酸素
又は低酸素)状態で行なうものであるから、請求項1の
場合よりも、その効果は更に強くなる。 2.特に、好気性菌の異常発酵による変敗及び酸化によ
る風味や色沢の劣化は全くなく、しかも食塩の溶解と浸
透が促進されるので、脱水作用の効果も高まって、分離
水の除去や食塩分の均一化が容易となり、塩漬け処理や
熟成の期間は更に短縮され、風味豊かな製品が得られ
る。
【0048】本発明の請求項3記載のかつお塩辛の製造
方法は、次のような効果がある。 1.常法により前処理した内蔵への食塩の混和を、減圧
脱気又は不活性ガス置換された容器内(嫌気的状態:無
酸素又は低酸素)で行なうため、請求項1の場合よりも
その効果は更に強くなる。 2.特に、好気性菌の異常発酵による変敗及び酸化によ
る風味や色沢の劣化は全くなく、しかも食塩の溶解と浸
透が促進されるので、脱水作用の効果も高まって、分離
水の除去や食塩分の均一化が容易となり、塩漬け処理や
熟成の期間は更に短縮され、風味豊かな製品が得られ
る。
【0049】本発明の請求項4記載のかつお塩辛の製造
方法は、次のような効果がある。 1.常法により前処理した内蔵への食塩の混和から、熟
成の終了までを、減圧脱気又は不活性ガス置換された容
器内(嫌気的状態:無酸素又は低酸素)で行なうため、
請求項1、2の場合よりもその効果は更に強くなる。 2.特に、好気性菌の異常発酵による変敗及び酸化によ
る風味や色沢の劣化は全くなく、しかも食塩の溶解と浸
透が促進されるので、脱水作用の効果も高まって、分離
水の除去や食塩分の均一化が容易となり、塩漬け処理や
熟成の期間は更に短縮され、風味豊かな製品が得られ
る。
【0050】本発明の請求項5記載のかつお塩辛の製造
方法は、次のような効果がある。 1.塩漬け処理後のかつおの内臓を、適宜の大きさに小
片化処理して、これを減圧脱気又は不活性ガス置換した
容器内で、嫌気的(無酸素又は低酸素)状態で熟成させ
るものであるから、その切片の表面積が増大し、食塩の
浸透が促進されて、早く均一化する。 2.小片化処理により、食塩の脱水作用が早く、まだ分
離水を多く含むものでは、その除去が容易となり、その
後の熟成も早まる。 3.切片の表面積が増大しても、嫌気的(無酸素又は低
酸素)状態で熱成させるので、好気性菌の関与や酸化に
よる品質劣化が防止できる。
【0051】本発明の請求項6記載のかつお塩辛の製造
方法は、次のような効果がある。 1.塩漬け処理時や熟成の初期では、食塩の脱水作用に
よって生ずる分離水の除去が容易で、この時期以降では
自己消化酵素による分解成分が溶出し、分離水となり難
い。無理して除去すれば、旨味等の分解成分をも除去す
ることになる。 2.この時期に分離水の除去を十分に行なえば、熟成後
や包装容器詰めの製品は水っぽいものとならず、固液分
離や風味変化による品質低下も防止できる。 3.分離水の除去により不足する食塩分は、この時期に
食塩を追加して調整すれば、容易に溶解して浸透し、そ
の均一化が計れる。 4.特に、減圧脱気又は不活性ガス置換した容器内にて
行なえば、分離水の発生と除去及び追加食塩の溶解、浸
透、均一化等が更に早まる。
【0052】本発明の請求項7記載の包装容器詰めかつ
お塩辛の製造方法は、次のような効果がある。 1.この場合の小片化処理は、食用に適した大きさの切
片とするものであり、適宜の大きさでよいが、例えば、
長さ及び幅が共に7mm 前後とすれば、その塩味度からも
味わい易いものとなる。 2.小片化処理により、食用に適した大きさの切片とす
れば、添加する調味料等がその切片に分散、溶解又は浸
透し易くなって、調味の均一化を計ることができる。 3.小片化処理することにより、調味したかつお塩辛を
包装容器詰めとする際、その計量が正確にでき、しか
も、充填や密封も円滑に行なえる。
【0053】本発明の請求項8記載の包装容器詰めかつ
お塩辛の製造方法は、次のような効果がある。 1.前記請求項7の場合の効果に加え、調味したかつお
塩辛を包装容器に充填した後に、滅圧脱気又は不活性ガ
ス置換して密封するものであるから、品質保持効果の高
い包装容器詰めかつお塩辛の製品とすることができる。 2.特に、この場合は、かつお塩辛自体の製造過程とそ
の包装容器詰めの双方において、減圧脱気又は不活性ガ
ス置換による嫌気的(無酸素又は低酸素)状態が保持さ
れるため、好気性菌の異常発酵による変敗及び酸化によ
る風味や色沢の劣化防止効果が二重に作用することにな
る。
【0054】本発明の請求項9記載の包装容器詰めかつ
お塩辛の製造方法は、かつお塩辛を充填した包装容器
を、脱酸素剤を備えたキャップで密封したので、包装容
器に酸素が残っていてもその酸素は脱酸素剤に吸収さ
れ、包装容器内のかつお塩辛の酸化と、それに伴う品質
劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験例1におけるフローチャートを示
す説明図。
【図2】本発明の試験例2におけるフローチャートを示
す説明図。
【表1】
【表2】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】かつおの内臓を常法により前処理し、この
    内臓に所定量の食塩を混和して塩漬け処理した後、これ
    を減圧脱気又は不活性ガス置換した容器内にて熟成させ
    ることを特徴とするかつお塩辛の製造方法。
  2. 【請求項2】かつおの内臓を常法により前処理し、この
    内臓に所定量の食塩を混和した後、これを減圧脱気又は
    不活性ガス置換した容器内にて塩漬け処理し、その後同
    容器内にて熟成させることを特徴とするかつお塩辛の製
    造方法。
  3. 【請求項3】かつおの内臓を常法により前処理し、この
    内臓に、減圧脱気又は不活性ガス置換した容器内にて所
    定量の食塩を混和し、これを減圧脱気又は不活性ガス置
    換されていない容器内にて塩漬け処理した後、減圧脱気
    又は不活性ガス置換した容器内にて熟成させることを特
    徴とするかつお塩辛の製造方法。
  4. 【請求項4】かつおの内臓を常法により前処理し、この
    内臓に、減圧脱気又は不活性ガス置換した容器内にて所
    定量の食塩を混和し、これを減圧脱気又は不活性ガス置
    換された容器内にて塩漬け処理した後、減圧脱気又は不
    活性ガス置換した容器内にて熟成させることを特徴とす
    るかつお塩辛の製造方法。
  5. 【請求項5】かつおの内臓を塩漬け処理した後、小片化
    処理して熟成させることを特徴とする請求項1乃至請求
    項4記載の夫々のかつお塩辛の製造方法。
  6. 【請求項6】かつおの内臓を塩漬け処理するとき又は/
    及び熟成の初期に、発生した分離水を除去した後、不足
    する食塩を追加調整して熟成させることを特徴とする請
    求項1乃至請求項5記載の夫々のかつお塩辛の製造方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6記載の夫々のかつお
    塩辛の製造方法により製造されたかつお塩辛を、そのま
    ま又は小片化処理した後、これを調味して包装容器に充
    填し、密封することを特徴とする包装容器詰めかつお塩
    辛の製造方法。
  8. 【請求項8】かつお塩辛を包装容器に充填した後、減圧
    脱気又は不活性ガス置換して密封することを特徴とする
    請求項7記載の包装容器詰めかつお塩辛の製造方法。
  9. 【請求項9】かつお塩辛が充填された包装容器、又はか
    つお塩辛が充填され、更に、減圧脱気又は不活性ガス置
    換された包装容器を、脱酸素剤を備えたキャップで密封
    することを特徴とする請求項7又は請求項8記載の包装
    容器詰めかつお塩辛の製造方法。
JP9043104A 1997-02-27 1997-02-27 かつお塩辛の製造方法及び包装容器詰めかつお塩辛の製造方法 Pending JPH10234339A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9043104A JPH10234339A (ja) 1997-02-27 1997-02-27 かつお塩辛の製造方法及び包装容器詰めかつお塩辛の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9043104A JPH10234339A (ja) 1997-02-27 1997-02-27 かつお塩辛の製造方法及び包装容器詰めかつお塩辛の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10234339A true JPH10234339A (ja) 1998-09-08

Family

ID=12654538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9043104A Pending JPH10234339A (ja) 1997-02-27 1997-02-27 かつお塩辛の製造方法及び包装容器詰めかつお塩辛の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10234339A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020182403A (ja) * 2019-05-07 2020-11-12 株式会社しいの食品 釣り餌および釣り餌の製造方法
JP2021036858A (ja) * 2019-08-31 2021-03-11 株式会社しいの食品 常温保存可能な釣り餌の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020182403A (ja) * 2019-05-07 2020-11-12 株式会社しいの食品 釣り餌および釣り餌の製造方法
JP2021036858A (ja) * 2019-08-31 2021-03-11 株式会社しいの食品 常温保存可能な釣り餌の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007306875A (ja) 魚醤油とその製造方法
JP2008283880A (ja) 魚醤油およびその製造方法。
JP2003219839A (ja) 水産練製品を原料とした水産発酵食品の製造方法
JPH10234339A (ja) かつお塩辛の製造方法及び包装容器詰めかつお塩辛の製造方法
KR102040395B1 (ko) 해초류 소곱창의 제조방법 및 이에 의해 제조된 해초류 소곱창
JP2006254836A (ja) ヨーグルト入りイカの塩辛及びその製造方法
CN113383942A (zh) 一种发酵辣椒酱及其制备方法
CN104621514A (zh) 一种薯类鲜叶下饭菜的生产方法
KR20160023350A (ko) 갈치액젓의 제조방법
RU2180786C1 (ru) Способ производства мясорастительных консервов
RU2818113C1 (ru) Способ посола филе деликатесных рыб
KR102555635B1 (ko) 차돌 수육의 제조방법 및 그에 따른 차돌 수육
RU2180486C1 (ru) Способ производства мясорастительных консервов
RU2182429C2 (ru) Способ производства мясорастительных консервов
KR980008001A (ko) 짓고추의 속성제조방법과 그 제품을 이용한 식품
KR20160088559A (ko) 탄산수 물김치 및 이의 제조 방법
RU2182430C2 (ru) Способ производства мясорастительных консервов
JP6390016B2 (ja) γ−アミノ酪酸(GABA)を豊富に含有する干したくあん製品の製造方法
RU2182428C2 (ru) Способ производства мясорастительных консервов
RU2182778C2 (ru) Способ производства мясорастительных консервов
RU2182784C2 (ru) Способ производства мясорастительных консервов
RU2182779C2 (ru) Способ производства мясорастительных консервов
CN115191580A (zh) 一种保存周期长的辣白菜生产方法
RU2182775C2 (ru) Способ производства мясорастительных консервов
RU2182787C2 (ru) Способ производства мясорастительных консервов