JPH10233537A - 圧電積層体 - Google Patents

圧電積層体

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JPH10233537A
JPH10233537A JP9036278A JP3627897A JPH10233537A JP H10233537 A JPH10233537 A JP H10233537A JP 9036278 A JP9036278 A JP 9036278A JP 3627897 A JP3627897 A JP 3627897A JP H10233537 A JPH10233537 A JP H10233537A
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JP
Japan
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piezoelectric
electrode
laminated body
piezoelectric laminate
laminate
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JP9036278A
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English (en)
Inventor
Takao Katsumata
孝夫 勝又
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電極取り出し部の構造を改良することにより、
ケースの形状複雑化に伴うコスト高騰やケースとの隙間
の存在による放熱性低下の問題を解決する。 【解決手段】少なくとも一方の表面に内部電極層が34
形成された圧電板33を複数個積層してなる圧電積層体
3において、電極取り出し部4a、4bが、圧電積層体
3に圧電板33の積層方向に延設された孔35a、35
b内に設けられていることを特徴とする。この圧電積層
体3は、圧電板33及び内部電極層34のみからなる単
純な外周側面形状となる。このため、圧電積層体3を収
納するためのケース1の形状も単純化することができ
る。また、ケース1と圧電積層体3との間に隙間が形成
されないため、圧電積層体3の外周側面からの放熱性が
向上する。しかも、圧電積層体3の内部に設けられた電
極取り出し部4a、4bが放熱体として機能し得るた
め、圧電積層体3の内部からの放熱も期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電効果を利用し
た圧電アクチュエータとして用いられる圧電積層体に関
し、詳しくは電極取り出し部の構造を改良した圧電積層
体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁力を利用したアクチュエータ
に代わって、例えば、特開昭62−291187号公
報、実開昭64−30865号公報などに開示されてい
るように、圧電効果を利用した圧電アクチュエータが多
用されている。この圧電アクチュエータは発熱が少な
く、また小型で高速駆動が可能なため、各種の機械的駆
動素子として極めて有望である。ただ圧電効果による機
械的変位は本質的に極めて小さいので、大きな変位量を
得るために、内部電極層が表面に形成された複数の圧電
板をあるいは圧電板と電極板とを交互に多重に積層し、
それを絶縁保護層で被覆した構造の圧電積層体として提
供されている。
【0003】ところで、圧電板の内部電極層あるいは電
極板に外部から電圧を印加する場合、実開昭63−59
363号公報等に見られるように、通常、圧電積層体の
外周側面に電極取り出し部を設け、この電極取り出し部
を介して外部から内部電極層あるいは電極板に電圧を印
加するようにしている。具体的には、図14〜図16に
示すように、一方の表面に内部電極層81が形成された
圧電板82を複数積層してなる圧電積層体83の側周面
には、円周方向に180度離れて互いに対向し中心軸と
平行に延びる帯状の一対の外部電極84,84’が形成
されている。なお、外部電極84、84’はエポキシ樹
脂とAg粉を主成分とする導電樹脂よりなる。一方の外
部電極84の内部では、絶縁樹脂層85が内部電極層8
1の表出部に一つおきに形成され、180度反対側の他
方の外部電極84’の内部では、上記絶縁樹脂層85が
形成されていない内部電極層81の表出部に同様の絶縁
樹脂層85’が一つおきに形成されている。また各外部
電極84、84’の上方部には半径方向外方にはみ出す
膨出部84a、84a’が設けられ、この膨出部84
a、84a’にそれぞれ外部へ延びるリード線86、8
6’の一端が接続されている。そして、外部電極84、
84’とともに圧電積層体83の側周面を絶縁性の熱収
縮チューブ87で被覆し、これらが一体となって円筒状
のケース88内に収納されて圧電アクチュエータとされ
ている。なお、この圧電アクチュエータでは、一対の外
部電極84、84’及びリード線86、86’が電極取
り出し部を構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の圧
電アクチュエータでは、図14〜図16から明らかなよ
うに、電極取り出し部が圧電積層体83の相対向する両
外側部から半径方向外方に突出しているため、電極取り
出し部以外の部分でケース88と圧電積層体83(熱収
縮チューブ87)との間に、電極取り出し部が突出して
いる分だけ隙間Cができてしまう。このため、隙間Cに
おける空気の断熱効果により、圧電アクチュエータ駆動
時に圧電積層体83の内部に発生した熱の放熱性が低下
し、圧電アクチュエータが熱により特性劣化しやすくな
るという問題がある。
【0005】一方、電極取り出し部が外周側面に設けら
れた圧電積層体83を隙間なくケース88内に収納すれ
ば、隙間による上記放熱性低下を抑えることができる
が、このためにはケース88の内形状を電極取り出し部
を含む圧電積層体83の外形状に合わせる必要があり、
ケース88の形状複雑化に伴いコスト高を招くという問
題がある。
【0006】なお、上記外部電極84、84’はエポキ
シ樹脂とAg粉を主成分としており、その特性上150
℃を超えると接着強度が低下するため、内部電極層81
との接触が不安定となりアクチュエータの特性に悪影響
を与える。そのため、冷却機構を別途追加する必要があ
り、これによってもコスト高となる。本発明は上記実情
に鑑みてなされたものであり、電極取り出し部の構造を
改良することにより、ケースの形状複雑化に伴うコスト
高騰やケースとの隙間の存在による放熱性低下の問題を
解決しうる圧電積層体を提供することを解決すべき技術
課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の圧電積層体は、少なくとも一方の表面に内部電極層
が形成された圧電板を複数個積層してなり、該内部電極
層に電極取り出し部を介して外部から電圧が印加される
圧電積層体において、上記電極取り出し部は、上記圧電
積層体に上記圧電板の積層方向に延設された孔内に設け
られていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の圧電積層体は、少なくと
も一方の表面に内部電極層が形成された圧電板どうしを
複数個積層したもの、あるいは少なくとも一方の表面に
内部電極層が形成された圧電板と電極板とを交互に積層
したものとすることができる。なお、内部電極層は圧電
板の表裏両表面に形成されていてもよいし、圧電板の片
表面のみに形成されていてもよい。一般には、圧電積層
体の中間部では圧電体の表裏両表面に形成され、両端部
では圧電板の片表面のみに形成される。
【0009】圧電板は電圧の印加により歪みや応力を生
じる圧電体から形成されている。例えばペロブスカイト
結晶構造のPbTiO3 −PbZrO3 (PZT)系の
固溶体、BaTiO3 とPbTiO3 又はCaTiO3
との固溶体などの圧電体セラミックスから円板形状に形
成された、従来と同様のものが用いられる。内部電極層
の材料としては、圧電板に対して電圧を印加して圧電積
層体として必要な変位量を確保できるように、導電性に
優れた材料であれば特に限定されず、従来と同様銀ペー
スト等を用いることができる。
【0010】本発明の圧電積層体の特徴的な構成は、内
部電極層に外部から電圧を印加するための電極取り出し
部が、圧電積層体に圧電板の積層方向に延設された孔内
に設けられていることにある。この孔は、正極用の孔及
び負極用の孔として合計2つ設けられる。またこの孔
は、圧電積層体の一端側の端面から少なくとも圧電積層
体に含まれる全ての内部電極層を貫通するように設けら
れる。孔の内径としては、残存する圧電板の表面積の確
保により圧電積層体としての変位量をできるだけ大きく
する観点より、可能な範囲内で小さくすることが好まし
い。
【0011】電極取り出し部の具体的な構造としては、
各圧電板間に存在する内部電極層(この内部電極層の表
面に電極板が積層されている場合は、内部電極層及び電
極板)が一つおきに正極用の電極取り出し部又は負極用
の電極取り出し部と導通するように構成されていれば、
特に限定されない。例えば、アルミニウム等の軟質金属
よりなり、一端が閉塞され管壁に円周方向に延在するフ
ランジが複数突設された管状の接続導通管を準備する。
このフランジの形成位置については、円周方向に望まし
くは等間隔で2個以上配設されるとともに、これらの円
周フランジ群が接続導通管の軸方向に均一ピッチで配設
されている。この軸方向のピッチは、正極用の接続導通
管及び負極用の接続導通管を上記圧電積層体の孔内に配
設した際、各圧電板間に存在する内部電極層(この内部
電極層の表面に電極板が積層されている場合は、内部電
極層及び電極板)が一つおきに正極用の接続導通管のフ
ランジ又は負極用の接続導通管のフランジと導通しうる
ように、圧電板2枚分の厚さと略同等(厳密に言えば、
この2枚の圧電板間に存在する内部電極層等の厚さを加
えたもの)とされている。なお、一方の接続導通管の上
記円周フランジ群の軸方向の位置は、他方の接続導通管
の上記円周フランジ群の軸方向の位置と上記ピッチの半
分の大きさ分だけずれている。また、各接続導通管の外
周側面のフランジが形成されていない部分は絶縁材料が
フランジの突出量と同等の厚さで塗布されており、各フ
ランジ間が該絶縁材料で充填されている。そして、上記
圧電積層体の孔内にそれぞれ接続導通管を挿入して、各
接続導通管の開口端部が圧電積層体の一端部から突出す
るように配設し、各接続導通管の開口端部から油圧等の
流体圧力を導入して各接続導通管を拡径する。これによ
り、接続導通管に設けられたフランジが圧電積層体の内
部電極層等に一つおきに導通される。そして、各接続導
通管に正極用のリード線、負極用のリード線をそれぞれ
接続することにより、電極取り出し部を構成することが
できる。
【0012】また、電極取り出し部の他の構成例は、以
下の通りである。耐熱性の高い絶縁材料よりなり、一端
が閉塞され管壁に複数の小孔が貫設された管状の接続導
通管を準備する。この小孔の形成位置については、円周
方向に望ましくは等間隔で2個以上配設されるととも
に、これらの円周小孔群が接続導通管の軸方向に均一ピ
ッチで配設されている。この軸方向のピッチは、正極用
の接続導通管又は負極用の接続導通管を上記圧電積層体
の孔内に配設した際、各圧電板間に存在する内部電極層
(この内部電極層の表面に電極板が積層されている場合
は、内部電極層及び電極板)が一つおきに正極用の接続
導通管の小孔又は負極用の接続導通管の小孔と対向しう
るように、圧電板2枚分の厚さと略同等(厳密に言え
ば、この2枚の圧電板間に存在する内部電極層等の厚さ
を加えたもの)とされている。なお、正極用の接続導通
管の上記円周小孔群の軸方向の位置は、負極用の接続導
通管の上記円周小孔群の軸方向の位置と上記ピッチの半
分の大きさ分だけずれている。そして、上記圧電積層体
の孔内にそれぞれ接続導通管を挿入して、各接続導通管
の開口端部が圧電積層体の一端部から突出するように配
設し、各接続導通管の開口端部からそれぞれ溶融した低
融点金属を注入、充填後、冷却する。これにより、接続
導通管に設けられた小孔を介して、接続導通管内に充填
された低融点金属が圧電積層体の内部電極層等に一つお
きに導通される。そして、各接続導通管に正極用のリー
ド線、負極用のリード線をそれぞれ接続することによ
り、電極取り出し部を構成することができる。
【0013】なお、低融点金属よりなる棒状部材を準備
し、この外周側面に耐熱性の高い絶縁材料をコーティン
グした後、このコーティング層に低融点金属まで貫通す
る小孔を上記と同様に貫設したものを上記圧電積層体の
孔内に挿入、配設し、その後低融点金属を加熱溶融、冷
却することによっても、上記と同様の構成の電極取り出
し部を製造することができる。
【0014】以上の構成を有する本発明の圧電積層体
は、内部電極層に電圧を印加するための電極取り出し部
が圧電積層体の内部に設けられた孔内に配設されている
ため、この圧電積層体の外周側面形状は、積層された圧
電板及び内部電極層のみからなる単純な外周側面形状と
なる。このため、本発明の圧電積層体を収納するための
ケース形状は単純なものとすることができ、ケース形状
の複雑化に伴うコスト高騰の問題を解決することが可能
となる。
【0015】また、電極取り出し部を圧電積層体の外周
側面に設けていないことから、単純なケース形状であっ
てもケースと圧電積層体との間に隙間が形成されない。
このため、圧電積層体の外周側面からケースを介して効
率的に外部に放熱することができる。したがって、ケー
スと圧電積層体との隙間の存在による放熱性低下の問題
を解決することができる。さらに、圧電積層体の内部に
設けられた電極取り出し部が放熱体として機能し得るた
め、圧電積層体の外周側面からの放熱だけでなく、圧電
積層体の内部からの放熱も期待できる。したがって、本
発明の圧電積層体は、熱により特性劣化を効果的に抑え
ることができ、耐久性向上に有利となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の圧電積層体を実施例により具
体的に説明する。 (実施例1)図1〜図10に示す本実施例は、本発明の
圧電積層体を接合型PZT圧電アクチュエータに適用し
たものである。この圧電アクチュエータは、円筒状のケ
ース1と、絶縁材料よりなる熱収縮チューブ2と、圧電
積層体3と、正極用の電極取り出し部4a及び負極用の
電極取り出し部4bとから主として構成されている。以
下、本実施例に係る圧電アクチュエータの詳細な構成に
ついて、その製造方法とともに説明する。
【0017】圧電積層体3は、上下両端に配設された上
インシュレータ31及び下インシュレータ32と、圧電
体よりなり58枚積層された圧電板33と、下インシュ
レータ32の上面及び圧電板33の片面(上面)のみに
形成された厚さ5μmの内部電極層34とから構成され
ている。この圧電積層体3は以下のように製造した。ま
ず、直径17mm、厚さ2.5mmの円板状のPZTを
2枚準備し、エタノール又はアセトンで脱脂洗浄後、一
方を上インシュレータ31とした。また、他方の円板状
のPZTの片面のみにAgペーストを印刷、乾燥して、
片面のみに内部電極層34が形成された下インシュレー
タ32を製作した。
【0018】次に、直径17mm、厚さ0.5mmの円
板状のPZTを58枚準備し、各円板状のPZTをエタ
ノール又はアセトンで脱脂洗浄後、片面のみにAgペー
ストを印刷、乾燥して、片面のみに内部電極層34が形
成された58枚の圧電板33を製作した。なお、上記圧
電板33は圧電定数(d33)が550×10-12 m/V
の特性を有している。
【0019】上記下インシュレータ32を内部電極層3
4が上面となるように配置し、58枚の圧電板33を内
部電極層34が上面となるようにそれぞれ積層し、さら
にその上に上インシュレータ31を積層した。そして、
圧電板33の積層方向に1MPaの圧力を加えた状態で
電気炉に入れ、600℃で15分加熱して圧着した。そ
の後、円筒研削盤で外周側面を、平面研削盤で両端面を
それぞれ研削加工して、外径寸法が直径16mm、軸方
向長さが34mmの圧電積層体3を製作した。次に、上
記圧電積層体3に2個の貫通孔35a,35bを超音波
加工により貫設した。なお、貫通孔35a、35bは、
圧電積層体3の中心線を通る線上に軸対称位置に配設さ
れている。そして、各貫通孔35a、35bにそれぞれ
正極用の電極取り出し部4a、負極用の電極取り出し部
4bを挿入した。
【0020】この正極用(負極用)の電極取り出し部4
a(4b)は、一端が閉塞され管壁に円周方向に延在す
る複数のフランジ41a(41b)が一体的に突設され
た軟質金属としてのアルミニウムよりなる管状の接続導
通管42a(42b)と、接続導通管42a(42b)
の閉塞端面及び外周側面のフランジ41a(41b)が
形成されていない部分にフランジ41a(41b)の突
出量と同等の厚さでエポキシ樹脂(絶縁材料)が塗布、
充填された絶縁部43a(43b)とから構成されてい
る。
【0021】なお、接続導通管42a(42b)の開口
端側で圧電積層体3から上方に突出する部分は、他の部
分と比べて外径が若干小さくされた小径部44a(44
b)とされている。これは、本実施例の圧電アクチュエ
ータを他の装置に組み付けたとき、PZT製の圧電板3
3全体に均等な荷重をかけるためである。すなわち、接
続導通管42a(42b)の突出部分が小径にされてい
ないと、圧電アクチュエータを他の装置に組み付けた場
合、他の装置には電極取り出し部4a(4b)を収容す
る電極取り出し部4a(4b)より若干大きな寸法の穴
が必要となるが、電極取り出し部4a(4b)と他の装
置との間には隙間がある分だけ、上インシュレータ31
と他の装置とが接触していない部分が生じる。そのため
接触部分(すなわち荷重が加わっている部分)と非接触
部分(すなわち荷重が加わっていない部分)という差が
生じてしまい、圧電板33に対して部分的に偏った荷重
がかかってしまう。そこで、接続導通管42a(42
b)の突出部分を小径部44a(44b)とすることに
より、上インシュレータ31に均等に他の装置が接触で
きるため、圧電板33全体に均等な荷重をかけることが
可能となる。
【0022】また、複数のフランジ41a(41b)の
形成位置は、円周方向に等間隔で4個配設され、これら
の円周フランジ群が接続導通管42a(42b)の軸方
向に均一ピッチで配設されている。この軸方向のピッチ
は、正極用の接続導通管42a、負極用の接続導通管4
2bを上記圧電積層体3の貫通孔35a、35b内にそ
れぞれ配設した際、各圧電板33間に存在する内部電極
層34が一つおきに正極用の接続導通管42aのフラン
ジ41a又は負極用の接続導通管42bのフランジ41
bと導通しうるように、圧電板33の2枚分の厚さと同
等(1mm)とされている。なお、正極用の接続導通管
42aのフランジ41aの数は30とされ、負極用の接
続導通管42bのフランジ41bの数は29とされてい
る。また、負極用の接続導通管42bの上記円周フラン
ジ群の軸方向の位置は、正極用の接続導通管42aの上
記円周フランジ群の軸方向の位置と上記ピッチの半分の
大きさ分(0.5mm)だけずれている。
【0023】このような構成の正極用の電極取り出し部
4a、負極用の電極取り出し部4bを圧電積層体3の貫
通孔35a、35bにそれぞれ挿入し、各接続導通管4
2a、42bの小径部44a、44bが圧電積層体3の
上端部から突出するように配設した後、各接続導通管4
2a、42bの開口端部から油圧を導入して各接続導通
管42a、42bを拡径した。これにより、各接続導通
管42a、42bに設けられたフランジ41a、41b
が圧電積層体3の内部電極層34に一つおきに導通され
る。そして、各接続導通管42a、42bに図示しない
正極用のリード線、負極用のリード線をそれぞれ接続す
ることにより、電極取り出し部4a、4bを製作した。
【0024】その後、熱収縮チューブ2を圧電積層体3
の外周側面に被覆した。この熱収縮チューブ2は圧電積
層体3の内部電極層34同士や、内部電極層34と外部
とのショートを防ぐもので絶縁材料よりなる。なお、熱
収縮チューブ2の被覆は、電極取り出し部4a、4bを
圧電積層体3内に配設する前に行ってもよい。最後に、
これらの一体品を円筒状のケース1内に収納して、本実
施例に係る圧電アクチュエータを完成した。
【0025】(評価)上記実施例1に係る圧電アクチュ
エータの側面中央部と、側面中央部から中心部に向けて
延設した直径0.5mmの穴内とに熱電対を設置し、こ
の状態で注入エネルギー:120mJ、駆動周波数:1
30Hzでアクチュエータを駆動して側面中央部及び中
心部における到達温度を測定した。得られた結果を表1
に示す。なお、比較のため、図14〜図16に示す従来
の圧電アクチュエータについても同様に測定した。その
結果を表1に併せて示す。
【0026】
【表1】 表1から明らかなように、本実施例に係る圧電アクチュ
エータは、側面中央部及び中心部のいずれにおいても、
従来のものと比べて到達温度が低かった。側面中央部に
ついては、従来の圧電アクチュエータでは圧電積層体8
3とケース88との間に隙間Cが存在しており、この隙
間Cにおける空気の断熱効果により放熱性が低下したの
に対し、本実施例に係る圧電アクチュエータでは圧電積
層体3がケース1内に隙間無く収納されているためこの
ような隙間による放熱性低下がなかったためと考えられ
る。また中心部については、本実施例に係る圧電アクチ
ュエータでは電極取り出し部4a、4bが放熱体として
機能したためと考えられる。
【0027】(実施例2)また、電極取り出し部の他の
構成例は、以下の通りである。図11〜図13に示す本
実施例は、正極用(負極用)の電極取り出し部4a(4
b)の構造を改良したこと以外は上記実施例1と同様で
ある。本実施例に係る正極用(負極用)の電極取り出し
部5a(5b)は、一端が閉塞され管壁に複数の小孔5
1a(51b)が貫設された耐熱性の高い絶縁材料(エ
ポキシ又はポリイミド樹脂等)よりなる管状の正極用の
接続導通管52a(52b)と、この接続導通管52a
(52b)内に充填され、小孔51a(51b)内に浸
入して圧電積層体3の内部電極層34に一つおきに導通
される複数の導通突起部53a(53b)が一体的に形
成された充填金属部54a(54b)とから構成されて
いる。
【0028】なお、接続導通管52a(52b)の開口
端側で圧電積層体3から上方に突出する部分は、上記実
施例1と同様、他の部分と比べて外径が若干小さくされ
た小径部55a(55b)とされている。この電極取り
出し部5a(5b)は以下のように製造した。まず、一
端が閉塞され管壁に複数の小孔51a(51b)が貫設
された耐熱性の高い絶縁材料よりなる管状の接続導通管
52a(52b)を準備した。複数の小孔51a(51
b)の形成位置は、円周方向に等間隔で4個配設され、
これらの円周小孔群が接続導通管52a(52b)の軸
方向に均一ピッチで配設されている。この軸方向のピッ
チは、正極用の接続導通管52a、負極用の接続導通管
52bを上記圧電積層体3の貫通孔35a、35b内に
それぞれ配設した際、各圧電板33間に存在する内部電
極層34が一つおきに正極用の接続導通管52aの小孔
51a又は負極用の接続導通管52bの小孔51bと対
向しうるように、圧電板33の2枚分の厚さと同等(1
mm)とされている。なお、正極用の接続導通管52a
においては、円周方向に配設された小孔51aの円周小
孔群が軸方向に30列並び、負極用の接続導通管52b
においては、円周方向に配設された小孔51bの円周小
孔群が軸方向に29列並ぶように配設されている。ま
た、負極用の接続導通管52bの上記円周小孔群の軸方
向の位置は、正極用の接続導通管52aの上記円周小孔
群の軸方向の位置と上記ピッチの半分の大きさ分(0.
5mm)だけずれている。
【0029】このような構成の正極用(負極用)の接続
導通管52a(52b)を圧電積層体3の貫通孔35a
(35b)に挿入し、接続導通管52a(52b)の小
径部55a(55b)が圧電積層体3の上端部から突出
するように配設した後、電気炉内で170℃に加熱し
た。そして、この状態で各接続導通管52a(52b)
の開口端部からそれぞれ溶融した低融点金属(本実施例
では、Pb90/Sn10よりなるはんだを用いた)を
注入、充填後、冷却した。これにより、接続導通管52
a(52b)に設けられた小孔51a(51b)を介し
て、接続導通管52a(52b)内に浸入、充填された
低融点金属よりなる導通突起部53a(53b)が圧電
積層体3の内部電極層34に一つおきに導通された。そ
して、各接続導通管52a、52bに図示しない正極用
のリード線、負極用のリード線をそれぞれ接続すること
により、電極取り出し部5a、5bを製作した。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の圧電積層体
によれば、電極取り出し部が圧電積層体の内部に配設さ
れているので、圧電積層体の側周面の形状を単純とし
て、圧電積層体収納用のケースの形状を単純形状とする
ことができるので、ケースの形状複雑化に伴うコスト高
を防止することができる。また、単純形状のケースであ
っても圧電積層体をケースに隙間無く収納することがで
きることから、圧電積層体の側周面における放熱性を良
好に確保することが可能となり、しかも圧電積層体に内
接された電極取り出し部により内部冷却が可能となるの
で、圧電積層体の熱による特性劣化を極めて効果的に抑
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る圧電アクチュエータの
縦断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る圧電アクチュエータの
横断面図である。
【図3】本発明の実施例1に係り、圧電体等の斜視図で
ある。
【図4】本発明の実施例1に係り、圧電体等を積層する
状態を説明する斜視図である。
【図5】本発明の実施例1に係り、圧電積層体に孔を貫
設した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例1に係り、圧電積層体に孔を貫
設した状態を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例1に係り、電極取り出し部の斜
視図である。
【図8】本発明の実施例1に係り、電極取り出し部の断
面図である。
【図9】本発明の実施例1に係り、圧電積層体の孔に電
極取り出し部を配設した状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施例1に係り、圧電積層体の孔に
電極取り出し部を配設した状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例2に係り、電極取り出し部を
構成する接続導通管の斜視図である。
【図12】本発明の実施例2に係り、電極取り出し部を
構成する接続導通管の断面図である。
【図13】本発明の実施例2に係り、圧電積層体に熱収
縮性チューブを被覆した状態を示す断面図である。
【図14】従来の圧電アクチュエータの縦断面図であ
る。
【図15】従来の圧電アクチュエータの一部断面図であ
る。
【図16】従来の圧電アクチュエータの平面図である。
【符号の説明】
1:ケース、 2:熱収縮チューブ、 3:圧電積層
体、4a,4b,5a,5b:電極取り出し部、 3
1,32:インシュレータ 33:圧電板、 34:内部電極層、 35a,35
b:貫通孔 41a,41b:フランジ、 42a,42b, 52
a,52b:接続導通管 43a,43b:絶縁部、 51a,51b:小孔,5
3a,53b:導通突起部、 54a,54b:充填金
属部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の表面に内部電極層が形
    成された圧電板を複数個積層してなり、該内部電極層に
    電極取り出し部を介して外部から電圧が印加される圧電
    積層体において、 上記電極取り出し部は、上記圧電積層体に上記圧電板の
    積層方向に延設された孔内に設けられていることを特徴
    とする圧電積層体。
JP9036278A 1997-02-20 1997-02-20 圧電積層体 Pending JPH10233537A (ja)

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