JPH10231815A - ロック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 常に蓋体の完全閉蓋状態を維持することがで
きるようにする。 【解決手段】 被施蓋体と、この被施蓋体の開口部を開
閉自在に施蓋する蓋体との一方に、スライド部材を摺動
自在に設け、その他方に係止部材を固定し、この係止部
材にスライド部材を所定のロック解除位置からロック位
置への摺動にて係止させて被施蓋体と蓋体とを完全閉蓋
状態にて互いにロック可能にするとともに、蓋体の開蓋
状態におけるスライド部材がロック位置範囲内にあると
きに、蓋体の閉蓋動作にてスライド部材と係止部材とが
互いに突当たる当接部位を傾斜面に形成することによ
り、蓋体の開蓋状態から閉蓋動作に伴う押圧力にてスラ
イド部材をロック解除方向に摺動可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば蓋付き収
納箱などに利用されるロック装置に関し、特に、摺動自
在なスライド部材と係止部材とのロック構造に工夫を施
すことにより、常に蓋体の完全閉蓋状態が維持されるよ
うにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のロック装置においては、
図５に示すように、例えば被施蓋体となる収納箱１０の
上方開口部１１を、上下開閉方向Ｘに回動可能にしてな
る蓋体２０にて施蓋しロックするロック機構１として、
図６に示すように、収納箱１０もしくは蓋体２０の一
方、例えば蓋体２０側にスライド部材２を摺動自在に設
け、その他方の収納箱１０側に係止部材３を固定すると
ともに、この係止部材３の突起片３１にスライド部材２
の爪片２１を噛持させて係止させることにより、蓋体２
０を完全閉蓋状態にロックしてなる構成を有するものが
ある。

【０００３】そして、このようなロック機構１を解除す
る場合には、図７及び図８に示すように、スライド部材
２をロック位置Ｌ１からロック解除位置Ｌ２まで水平方
向に沿う摺動方向Ｙに摺動させることにより行なうよう
になっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来構造のロック装置では、蓋体２０の開蓋状態にお
いて、スライド部材２の爪片２１がロック位置範囲Ｌ内
にあるときに蓋体２０を閉蓋動作させると、図９に示す
ように、スライド部材２の爪片２１と係止部材３の突起
片３１の上部とが互いに突当たるために、蓋体２０を完
全に閉蓋させることができない。

【０００５】しかも、この状態で、蓋体２０を無理に閉
蓋動作させると、その押圧力Ｐでスライド部材２の爪片
２１が変形したり、折損し易いという問題があった。

【０００６】この発明の目的は、常に蓋体の完全閉蓋状
態を維持することができるようにしたロック装置を提供
することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明は、被施蓋体と、この被施蓋体の開口
部を開閉自在に施蓋する蓋体との一方に、スライド部材
を摺動自在に設け、その他方に係止部材を固定してなる
とともに、この係止部材に前記スライド部材を所定のロ
ック解除位置からロック位置への摺動にて係止させ、前
記被施蓋体と蓋体とを完全閉蓋状態にて互いにロック可
能にしてなるロック装置において、前記蓋体の開蓋状態
における前記スライド部材がロック位置範囲内にあると
きに、前記蓋体の閉蓋動作にて前記スライド部材と係止
部材とが互いに突当たる当接部位を傾斜面に形成すると
ともに、前記蓋体の開蓋状態から閉蓋動作に伴う押圧力
にて前記スライド部材をロック解除方向に摺動可能にし
てなることを特徴とするものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
１から図４に示す図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、この発明の実施の形態において、図５から図９に
示す従来構造のロック装置と構成が重複する部分は同一
符号を用いて説明する。

【０００９】この発明に係るロック装置のロック機構１
は、図１及び図２に示すように、収納箱１０の上方開口
部１１を上下開閉方向Ｘに回動可能にして施蓋してなる
蓋体２０側にスライド部材２を摺動自在に設け、他方の
収納箱１０側に係止部材３を固定するとともに、この係
止部材３の突起片３１にスライド部材２の爪片２１を噛
持させて係止させることにより、前記蓋体２０を完全閉
蓋状態にロックしてなる構成を有する。

【００１０】そして、前記ロック機構１を解除する場合
には、図３に示すように、前記スライド部材２をロック
位置Ｌ１からロック解除位置Ｌ２まで水平方向に沿う摺
動方向Ｙに摺動させることにより行なわれるようになっ
ている。

【００１１】また、前記スライド部材２及び係止部材３
には、傾斜面２１Ａ，３１Ａがそれぞれ形成され、これ
らの傾斜面２１Ａ，３１Ａを前記蓋体２０の開蓋状態に
おける前記スライド部材２がロック位置範囲Ｌ内にある
ときに、前記スライド部材２の爪片２１と係止部材３の
突起片３１とが互いに突当たる当接部位に形成されてい
る。

【００１２】すなわち、前記スライド部材２及び係止部
材３のそれぞれに形成された傾斜面２１Ａ，３１Ａは、
図４に示すように、前記２０蓋体の開蓋状態から閉蓋動
作に伴う無理な押圧力Ｐで前記スライド部材２をロック
解除方向Ｙ１に摺動可能し、これによって、前記蓋体２
０を常に完全な閉蓋状態が維持されるようにしてなると
ともに、従前のような前記スライド部材２の爪片２１の
変形や折損を防止してなるものである。

【００１３】なお、上記の実施の形態において、ロック
機構１を構成するスライド部材２及び係止部材３の双方
に傾斜面２１Ａ，３１Ａを形成したが、スライド部材２
及び係止部材３のいずれか一方でも良い。

【００１４】また、上記の実施の形態におけるロック機
構１は、スライド開閉自在な蓋体にも応用可能である。

【００１５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明は、被施蓋体と、この被施蓋体の開口部を開閉自在に
施蓋する蓋体との一方に、スライド部材を摺動自在に設
け、その他方に係止部材を固定し、この係止部材にスラ
イド部材を所定のロック解除位置からロック位置への摺
動にて係止させて被施蓋体と蓋体とを完全閉蓋状態にて
互いにロック可能にするとともに、蓋体の開蓋状態にお
けるスライド部材がロック位置範囲内にあるときに、蓋
体の閉蓋動作にてスライド部材と係止部材とが互いに突
当たる当接部位を傾斜面に形成することにより、蓋体の
開蓋状態から閉蓋動作に伴う押圧力にてスライド部材を
ロック解除方向に摺動可能にしてなることから、蓋体を
常に完全な閉蓋状態に維持することができる。

【００１６】しかも、従前のようなスライド部材の爪片
の変形や折損を防止することができるとともに、バネ等
を使用することなく簡単な部品構成で済む。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明に係るロック装置の実施の形態を示
す説明図。

【図２】 図１のＡ−Ａ線における要部拡大断面図。

【図３】 同じく蓋体のロック解除時の説明図。

【図４】 同じく蓋体の閉蓋動作状態を示す説明図。

【図５】 従来のロック装置を備えた収納箱の説明図。

【図６】 図５のＢ−Ｂ線における要部拡大断面図。

【図７】 同じく従来の蓋体のロック時の説明図。

【図８】 同じく従来の蓋体のロック解除時の説明図。

【図９】 同じく従来の蓋体の閉蓋動作状態を示す説明
図。

【符号の説明】

１・・・ロック機構、 ２・・・スライド部材、 ２１・・・爪片、 ３・・・係止部材、 ３１・・・突起片、 １０・・・被施蓋体（収納箱）、 １１・・・開口部、 ２０・・・蓋体、 Ｌ１・・・ロック位置、 Ｌ２・・・ロック解除位置、 Ｌ・・・ロック位置範囲、 Ｐ・・・蓋体の閉蓋動作による押圧力、 Ｘ・・・蓋体の開閉方向、 Ｙ・・・スライド部材の摺動方向、 Ｙ１・・・ロック解除方向。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被施蓋体と、この被施蓋体の開口部を開閉
   自在に施蓋する蓋体との一方に、スライド部材を摺動自
   在に設け、その他方に係止部材を固定してなるととも
   に、この係止部材に前記スライド部材を所定のロック解
   除位置からロック位置への摺動にて係止させ、前記被施
   蓋体と蓋体とを完全閉蓋状態にて互いにロック可能にし
   てなるロック装置において、 前記蓋体の開蓋状態における前記スライド部材がロック
   位置範囲内にあるときに、前記蓋体の閉蓋動作にて前記
   スライド部材と係止部材とが互いに突当たる当接部位を
   傾斜面に形成するとともに、 前記蓋体の開蓋状態から閉蓋動作に伴う押圧力にて前記
   スライド部材をロック解除方向に摺動可能にしたことを
   特徴とするロック装置。