JPH10230828A - 車両挙動制御装置 - Google Patents

車両挙動制御装置

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Publication number
JPH10230828A
JPH10230828A JP3498797A JP3498797A JPH10230828A JP H10230828 A JPH10230828 A JP H10230828A JP 3498797 A JP3498797 A JP 3498797A JP 3498797 A JP3498797 A JP 3498797A JP H10230828 A JPH10230828 A JP H10230828A
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JP
Japan
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control
wheel
pressure
vehicle
vehicle behavior
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JP3498797A
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English (en)
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Michiki Araki
道樹 荒木
Shinji Matsumoto
真次 松本
Hajime Kosaka
元 小坂
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輪制動力制御による車両挙動制御の実効性
を高められ、その制動制御の応答性の改善をすることが
できる、車両挙動制御装置を提供する。 【解決手段】 挙動制御目標値との偏差に応じ各車輪速
の制御圧を制御しアンチスピンモーメントを発生させる
本装置は、W/C圧が車両挙動制御またはドライバの操
作にかかわらず減圧され目標制御圧が零気圧を要求する
場合、制御可能な微小圧まで減圧が達成された時点で保
持に切換える手段aを有し、また例えば保持実行中に車
輪スリップ率が既定値をこえた場合は保持を禁止する手
段bを有する。制御液圧を0まで減圧してしまうと次回
昇圧時に装置に介在する液圧の初期増圧時の不感帯のた
めに制御に必要十分な制動圧を応答良く発生させえない
が、0まで減圧せずに微小液圧に保持し次の制御圧の昇
圧に備え、前記不感帯の発生を回避する。また選択的に
その保持を禁止し、状況に効果的にマッチさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両挙動制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両(自動車)の挙動制御装置と
して、種々の装置例が提案されているが、旋回等、操舵
中に発生しうるスピンやドリフトアウトといった好まし
からざる車両挙動を抑制し低減する車両挙動制御のう
ち、特に車輪の制動力を制御することを手段とした車両
挙動制御装置として、操舵角検出手段と、車輪速検出手
段と、ヨーレート検出手段と、操舵量およびタイヤのグ
リップ限界を検出する手段と、操舵量およびタイヤのグ
リップ限界に対応する目標ヨーレート設定手段と、各輪
ごとに設けられた制動手段とを有し、オーバーステアも
しくはアンダーステアといったタイヤのグリップの限界
を超える旋回状態に入った場合には、実ヨーレートが目
標ヨーレートに近づくように各輪の制動力制御によりモ
ーメントを発生させるよう構成された挙動制御装置が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる挙動制御装置に
よれば、車両を常にタイヤのグリップ域にて走行させる
ことが可能となるとともに、実ヨーレートが目標ヨーレ
ートを超えることを防止し、これにより車両のスピンや
ドリフトアウトといった好ましからざる旋回挙動を防止
することができるものである。しかるに、他方、このよ
うなタイプでは、車速がタイヤのグリップ限界車速を越
えると自動的に制動力が与えられるようになっているも
のの、各車輪に設けられたブレーキ機構の、例えばブレ
ーキロータやパッドとの間やパッドとキャリパとの間に
は非制動時には所定の間隙が存在し、そのために、後記
でも参照する図6に示すように各ブレーキ機構のブレー
キオイル量(横軸)−実制動圧(縦軸)特性は非線形性
を有し、ブレーキオイル量が増大しても実制動圧が実質
的に増大しない不感帯領域が存在するので、その不感帯
の存在ならびにその領域いかんでは挙動制御の開始時に
はそれに必要十分な制動圧を応答良く発生させることが
できないという問題がある(A)。
【0004】ゆえに、望ましいのは、前記不感帯あるい
はその大きさ等によらず、自動的な制動力付与に合わせ
て、車輪挙動制御における制御開始時でも制御に必要十
分な制動圧(制御制動力)を応答良く発生させることが
でき、こうした挙動制御のための制動制御の応答性の向
上を図ることである。
【0005】ここに、かかる問題を解決すべく挙動制御
のゲインを高く設定することが考えられるが、しかし、
これでは、挙動制御開始時に急増圧を確実に実行できて
も、目標圧力に対するオーバーシュートやその後のハン
チング等の発生が避けられず、車両挙動を目標の特性と
なるよう制御する場合に適切な制御圧での制御が困難と
なるという問題が生ずる(B)。
【0006】したがってまた、望ましいのは、車両挙動
制御でのそのような問題もを生ぜずに、かつ前記不感帯
による問題をも解消しつつ、前述の如くに応答の向上を
図ってその制動制御の応答性の改善をすることである。
【0007】一方、このような問題に対し、特開平8−
80824号公報(文献1)は、車輪に作用する横力を
検出もしくは推定し、油圧制御手段による増圧開始時に
おける横力が大きいほど、すなわちブレーキオイル−実
制動圧特性の不感帯領域が大きいほど油圧制御手段によ
る増圧時間が長くなるよう増圧変更手段によって増圧時
間を変更して、挙動制御の開始時はブレーキオイル量が
不感帯を越えるようホイールシリンダ内の圧力が増圧さ
れることにより、ノックバックに起因して挙動制御の応
答性が低下することを防ごうとする技術を提案してい
る。
【0008】しかしながら、この文献1のものでは、ブ
レーキロータとパッド間およびパッドとキャリパ間に存
在する隙間のために発生する不感帯はタイヤに横力が発
生していない場合でも存在するものであるため、前記方
法だけでは横力発生時以外の挙動制御の開始時不感帯を
考慮した制動圧を発生させることができない場合があ
る。また、ブレーキロータとパッド間およびパッドとキ
ャリパ間に存在する隙間以外にも、マスターシリンダや
アキュムレータといった液圧源からホイールシリンダの
間には、ブレーキホースやブレーキキャリパを始めとし
て、配管、バルブのヒスなど、液圧損失の原因となる要
素が他にも存在するため、同様に制動圧の応答性は改善
しきれない、という問題がでてくることになる(C)。
【0009】したがってさらに、望ましいのは、車両挙
動制御において、このような問題も解消でき、しかも、
挙動制御のゲインを高く設定する手法による問題もを生
ぜずに、かつまた不感帯による問題をも解消しつつ、応
答の向上を図ってその制動制御の応答性を改善すること
ができるようにすることである。
【0010】本発明は、このような点に着目してなされ
たもので、従来の問題を良好に解消し、車輪制動力制御
による車両挙動制御の実効性を高められ、その制動制御
の応答性の改善をすることができる、車両挙動制御装置
を提供しようというものである。また、これにさらなる
改良を加え、上記車両挙動制御装置において、車輪スリ
ップや路面μ、車両挙動状態に応じての使い分けも行
え、対応性に富み、より状況にマッチした効果的なもの
とすることのできる、車両挙動制御装置を提供しようと
いうものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
車両挙動制御装置が提供される。すなわち、本発明車両
挙動制御装置は、前輪及び/又は後輪の各輪で制動制御
が可能で、車両挙動を目標の特性となるよう、制御対象
車輪の制動力を増減し目標値に制御する手段を有する車
両の挙動制御装置であって、前記制御対象車輪の制御目
標値が零の制御指令に対し、当該制御対象車輪の制御制
動力を零まで低減させずに微小レベルに保持して、次の
制動力増加制御に備えるよう制御する構成としてなる、
ことを特徴とするものである。
【0012】また、前記車両の車輪スリップ、走行路の
路面μ、車両挙動状態のいずれかに応じて、前記保持を
禁止する手段を、さらに含んで構成してなる、ことを特
徴とするものである。
【0013】また、本発明車両挙動制御装置は、操舵輪
の舵角を検出する舵角検出手段と、車輪速を検出する車
輪速検出手段と、車両に生ずる前後及び/又は横方向の
加速度を検出する加速度検出手段と、車両に生ずる回転
方向の速度を検出するヨーレート検出手段とを備え、こ
れら手段よりの入力値より車両モデルから算出される車
両挙動制御目標値との偏差に応じて各車輪速の制御圧を
制御することによりアンチスピンモーメントを発生させ
る車両の挙動制御装置であって、ホイールシリンダ圧が
前記車両挙動制御またはドライバの操作にかかわらず減
圧され目標制御圧が零気圧を要求する場合、制御可能な
微小圧まで減圧が達成された時点で保持に切り換える微
小液圧保持手段と、前記保持を実行中に車輪速のスリッ
プを監視し、スリップ率が既定値をこえた場合は前記微
小液圧保持手段を禁止する微小液圧保持禁止手段とを備
える、ことを特徴とするものである。
【0014】また、上記において、前記微小液圧保持禁
止手段に代えて、またはこれとともに、路面μを推定す
る路面μ推定手段と、前記路面μ推定手段により推定さ
れる路面μが極低μと判断される場合は、前記微小液圧
保持手段を前もって禁止する、微小液圧保持禁止手段と
を備える、ことを特徴とするものである。
【0015】また、前記微小液圧保持禁止手段に代え
て、またはこれとともに、舵角、ヨーレート、車両加速
度等から算出される車両挙動制御目標値により、現在制
御介入に至らないまでも、アンダーステアもしくはオー
バーステアのどちらの車両挙動状態に近いかを検出する
車両挙動状態検出手段と、前記車両挙動状態検出手段に
より検出される現在の車両挙動状態により、車両挙動制
御介入の可能性の高い輪を対象に前記微小液圧保持手段
による制御を許可し、その他の輪は前後微小液圧保持手
段を禁止する、微小液圧保持許可・禁止手段とを備え
る、ことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、前輪及び/又は後輪の
各輪で制動制御で車両挙動を目標の特性となるよう制御
対象車輪の制動力を増減し目標値に制御して挙動制御を
行うことができるとともに、不感帯あるいはその大きさ
によらず、制動力を上昇させてその挙動制御を行うに必
要十分な制御制動力を応答良く発生させるべく、制御対
象車輪の制御目標値が零の制御指令に対し、その制御対
象車輪の制御制動力を零まで低減させずに微小制御量に
保持しておいて、次の制動力上昇制御となる増加制御に
備えることができ、制御目標=零に対してかかる保持制
御をすることにより、制御制動力を実効性のある挙動制
御を行うのに必要なものにまで応答性良く増大させるこ
とが可能となる。よって、挙動制御開始時でも前記不感
帯の発生を回避することも可能で、前記した問題(A)
〜(C)を良好に解消することができる。従来なら、前
記の如く、一旦制御液圧を零気圧まで減圧してしまうと
次回昇圧時に車両挙動制御装置に介在する液圧の初期増
圧時の不感帯のために旋回挙動の制御に必要十分な制動
圧を応答良く発生させることができない。また、自動的
な制動力付与に合わせて、車輪挙動制御における制御開
始時に制御に必要十分な制動圧を応答良く発生させられ
ない。しかしながら、本発明によると、不感帯あるいは
その大きさ等によらず、自動的な制動力付与に合わせ
て、車輪挙動制御における制御開始時でも制御に必要十
分な制御制動力を応答良く発生させることができ、こう
した挙動制御のための制動制御の応答性の向上を図るこ
とができ、自動的な制動力付与による車両挙動制御装置
にも有利に適用できる車両挙動制御装置を実現し得る。
しかも、その際、挙動制御のゲインを高く設定する手法
の場合のような問題も伴わず、オーバーシュートやその
後のハンチング等の発生をも防ぎ、適切な制御制動力で
車両挙動を目標の特性となるよう制御しつつ、これを達
成できる。かつまた、前掲文献1記載の方法だけでは横
力発生時以外の挙動制御の開始時不感帯を考慮した制動
圧を発生させることができず、マスターシリンダやアキ
ュムレータ等の液圧源からホイールシリンダの間に存在
する液圧損失の原因となる要素のため制動圧の応答性は
改善しきれない等の問題がでてくるのに対し、このよう
な不利も生ぜず、車輪制動力制御による車両挙動制御の
実効性を高められ、その制動制御の応答性の改善をする
ことができる上記の車両挙動制御装置を実現し得る。本
発明において、上記保持制御で保持するのは、制御可能
な範囲内でのできうるかぎり小さい値が望ましく、した
がって、その制御可能な下限値もしくはその近傍値に設
定すると良い。
【0017】また、この場合において、好ましくは、請
求項2記載のように、車輪スリップ、路面μ、車両挙動
状態のいずれかに応じて、前記保持を禁止可能ともでき
るようにするのが良い。このようにすると、請求項1記
載の本発明車両挙動制御装置にさらに改良を加えること
ができ、上記作用効果のほか、路面μや車輪スリップ、
車両挙動状態に応じての、前記保持制御による機能、し
たがって車両挙動制御の開始時に介在しうるハード上の
不感帯はこれを回避可能で保持制御をすることによって
制御制動力を実効性のある挙動制御を行うのに必要な状
態にまで応答性良く増大させうる機能と、斯く保持制御
が行えることを前提としたその保持の禁止機能、したが
って制御対象車輪の制御目標値が零の制御指令に対し、
制御対象車輪の制御制動力を零まで低減させる状態との
適切な使い分けも可能となる。よって、この場合は、そ
れら要素などにもによらず一律その保持制御が機能して
しまうといったことを避けられ、上記制御応答性の面
と、それら状況要素をも加味し考慮した両者のより調和
のとれたきめの細かな高度な制御内容とし得て、対応性
に富み、より状況にマッチした効果的なものとすること
のできる。
【0018】また、本発明は、請求項3記載の如く、そ
の舵角検出手段、車輪速検出手段、加速度検出手段、ヨ
ーレート検出手段の各検出入力値より車両モデルから算
出される車両挙動制御目標値との偏差に応じて各車輪速
の制御圧を制御することによりアンチスピンモーメント
を発生させる車両挙動制御を行わせるとともに、ホイー
ルシリンダ圧が車両挙動制御またはドライバの操作にか
かわらず減圧され目標制御圧が零気圧を要求する場合、
制御可能な微小圧まで減圧が達成された時点で保持に切
り換える微小液圧保持制御を行わせる一方、斯く保持を
実行中に車輪速のスリップを監視し、スリップ率が既定
値をこえた場合はその微小液圧保持手段を禁止する微小
液圧保持禁止制御を行わせるよう構成して、好適に実施
でき、同様にして、前記問題を解消し得て、上記したの
と同様の作用効果を奏することができる。車両挙動制御
において一旦制御液圧を零気圧まで減圧してしまうとき
は、次回昇圧時に車両挙動制御装置に介在する液圧の初
期増圧時の不感帯のために旋回挙動の制御に必要十分な
制動圧を応答良く発生させることができないのに対し、
本発明にあってはこのようなこともなく、上記微小液圧
保持手段により制御液圧を零気圧まで減圧せずに微小液
圧に保持をして、次の制御圧の昇圧に備えることで、前
記不感帯の発生を回避することも可能となり、かつまた
上記微小液圧保持手段に対する微小液圧保持禁止手段を
も有することから、車輪スリップ率によらず一律微小液
圧保持手段が機能してしまうといったことも避けられ
る。したがってまた、本発明によれば、スピン抑制の車
両挙動制御の開始時に介在しうるハード上の不感帯を回
避するために、車輪スリップに応じて、スリップ率が上
記既定値を下回っていれば、前者の微小液圧保持制御を
適切に実行させることができて、目標制御圧=零に対し
て微小圧に液圧を保持せしめ制動圧を実効性のある挙動
制御を行うのに必要な値にまで応答性良く増圧せしめる
ことが可能となる一方で、当該保持制御中でも、もしス
リップ率がその既定値をこえるに至る状況になれば、こ
れにも適切に対応して得て後者の微小液圧保持禁止制御
を確実に実行させることができ、結果、常に該当すると
きは微小圧に保持してしまう態様の場合と比べ、上記制
動圧制御の応答性の面とスリップ回避との面を考慮した
両者のより調和のとれたきめの細かな高度な制御内容の
ものとして、本発明車両挙動制御装置を実現することが
可能となる。
【0019】本発明においてはまた、微小液圧保持およ
びその禁止制御を、当該車両の走行中のその走行路面の
路面μに応じたものとして、実行させることができる。
この場合において、好ましくは、請求項4記載のよう
に、路面μ推定手段と、かかる路面μ推定手段により推
定された路面μが極低μと判断された場合は、前記微小
液圧保持手段により微小液圧に保持したとしても車輪速
のスリップが発生する可能性が高いと予見されるため、
このときは前記微小液圧保持手段を前もって禁止する微
小液圧保持禁止手段とを備えるよう構成して、本発明は
実施でき、上記したのと同様の作用効果を奏することが
できる。さらには、このようにすると、走行中の路面μ
によらずに一律、強制的に微小液圧保持を行ってしまう
ことによる不用意な車輪スリップの発生が適切に避けら
れる。したがってまた、この場合も、常に該当するとき
は微小圧に保持してしまう態様の場合に比し、請求項3
記載のものとは異なる手段ながらも、同様にして効果的
な制御とできる。極低μでなければ前者の微小液圧保持
制御を、路面μが極低μなら後者の微小液圧保持禁止制
御を、それぞれ実行できる結果、極低μ路面で減圧制御
が要請されるその時、液圧が上記微小液圧をこえさらに
零気圧へと低下されうるよう、事前に保持禁止可能とな
らしめ得て、上記した制御応答性の面と、ここでは路面
μからみたスリップ発生の未然防止との面をも考慮した
両者のより調和のとれたきめの細かな高度な制御内容の
ものとして、本発明車両挙動制御装置を実現することが
可能となる。
【0020】さらに、本発明は、微小液圧保持およびそ
の禁止制御を、車両挙動状態量に応じて行わせることが
できる。この場合は、請求項5記載の如く、微小液圧保
持手段がたとえ全輪に実行されている状態でも、その状
態から、舵角、ヨーレート、車両加速度等から算出され
る車両挙動制御目標値により、現在制御介入に至らない
までも、アンダーステアもしくはオーバーステアのどち
らの車両挙動状態に近いかを検出し、斯く検出される現
在の車両挙動状態により、車両挙動制御介入の可能性の
高い輪のみ前記微小液圧保持手段の制御を許可し、その
他の輪は前後微小液圧保持手段を禁止するよう構成し
て、本発明は好適に実施でき、上記したのと同様の作用
効果を奏することができる。加えて、このようにする
と、さらにより一層きめ細かで高度な制御内容のものと
して、本発明車両挙動制御装置を実現することが可能と
なり、微小液圧保持手段による制御が全輪に実行されて
いる状態からでも、その制御対象車輪個々を対象とし
て、かつ現にアンダーステア傾向気味にあるかオーバー
ステア傾向気味にあるかのステア特性傾向からみて、各
輪ごと適切に選択的にその微小液圧の保持、禁止をする
ことができる。結果、その予測に合わせて、あらかじめ
次に生起されることとなるかもしれないステア特性をも
考慮して、車両挙動制御介入の可能性が高くて、この先
現に車両挙動制御が介入するに至ったとしたなら、その
液圧が制御されるべきその予測車両挙動制御に必要な車
輪側に対しては、実効性のある挙動制御を行うのに必要
な値にまで応答性良く増圧させることが可能となるよ
う、それに備えて前もって上記微小液圧保持はこれを行
わしめ、そうでなければ、上記微小液圧保持禁止を実行
させうるような選択制御も可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1は、本発明の一実施例の構成を
示す図である。適用する車両は、本実施例では、前後輪
とも左右の制動力(ブレーキ力)を独立に制御できる4
チャンネル(4ch)ブレーキシステムのものとする。
【0022】図中、1はブレーキペダルであり、また、
2はブレーキの倍力装置としてのブースタ、3はリザー
バ、4は液圧源(ブレーキぺダル操作対応圧発生の液圧
発生源)としてのマスターシリンダ(M/C)をそれぞ
れ示す。また、10,20は車両の左右前輪、30,4
0は左右後輪をそれぞれ示す。また、図示例では、圧力
源(液圧源)としてマスターシリンダ4に並列してアキ
ュムレータ70、アキュムレータ蓄圧用ポンプ72とモ
ータ71があり、切り換え弁60,61,62,63に
よって上流圧(元圧)をマスターシリンダ4とアキュム
レータ70で切り換える。これらは、自動的に車輪に制
動力を与える制動力付与の用に供することができる。
【0023】各車輪10,20,30,40のブレーキ
機構は、例えば前述したブレーキロータ、パッド、キャ
リパ等によるものであってよく、ブレーキディスクと、
ブレーキ圧を受けてブレーキパッドがディスクを摩擦挟
持し制動するホイールシリンダ(W/C)11,21,
31,41を備える。そして、それらホイールシリンダ
に液圧を供給される時、各車輪は対応する制動力で制動
されるものとする。マスターシリンダ4とそれら4輪の
各ホイールシリンダ11,21,31,41との間に
は、ここでは、車両挙動制御用アンチスキッド装置が備
わっている。本制御装置は、したがって、4chアンチ
スキッドシステムでもあり、アンチスキッド(ABS)
作動時には車輪ロックを回避するためのアクチュエータ
としても機能する。
【0024】図示例では、各輪ごとのチャンネルにイン
レットバルブ12,22,32,42およびアウトレッ
トバルブ13,23,33,43を有し、また、リザー
バ8,9と、モータ5駆動のポンプ6,7とを要素とし
て含み、これらをブレーキホース等により図示のように
配管、接続して油圧回路を構成する。
【0025】マスターシリンダ4からこれらホイールシ
リンダ11〜41へ至るブレーキ液圧系において、前輪
(フロント)ブレーキ系では、マスターシリンダ液路
は、これをインレットバルブ12,22個々に接続し、
それらインレットバルブ12,22からは各ホイールシ
リンダ側の液路を経て前輪10,20の各ホイールシリ
ンダ11,21に至らしめる。後輪(リア)ブレーキ系
も、同様に、マスターシリンダ液路は、これをインレッ
トバルブ32,42個々に接続し、それらインレットバ
ルブ32,42からは各ホイールシリンダ側の液路を経
て後輪30,40の各ホイールシリンダ31,41に至
らしめる。
【0026】前輪の各ホイールシリンダ11,21に接
続の各ホイールシリンダ液路は、それぞれ途中から分岐
し、それら分岐液路をアウトレットバルブ13,23を
介して前輪用リサーバ8に接続するとともに、前輪用ポ
ンプ6を通して、上流側のマスターシリンダ液路へ接続
する。また、後輪の各ホイールシリンダ31,41に接
続のホイールシリンダ液路も同様、それぞれ途中から分
岐し、それら分岐液路をアウトレットバルブ33,43
を介して後輪用リサーバ9に接続するとともに、後輪用
ポンプ7を通して、上流側のマスターシリンダ液路へ接
続する。
【0027】インレットバルブ12,22,32,42
は、上流側と下流側の差圧により駆動されるインレット
バルブであり絞りによる緩増圧をつくる。アウトレット
バルブ13,23,33,43は電磁弁である。これ
は、常態(ソレノイド非通電状態)で図示の第1の位置
にあってそのバルブ入出力ポート間の接続、したがって
対応リザーバ8,9との接続を断ち、その切り換え時、
該入出力ポート間を接続する第2の位置、したがってホ
イールシリンダを対応リザーバ8,9へ接続させる位置
をとる、2ポート2位置の電磁弁である。このバルブ
は、例えばアンチスキッド制御時、および後述の車両挙
動制御時において該当するとき、対応ホイールシリンダ
のブレーキ液をリザーバに導いてホイールシリンダ圧
(W/C圧)を減圧する弁として用いられる。
【0028】通常のブレーキングの状態では、各バルブ
の図示位置において、ドライバによるブレーキぺダル1
の踏み込み操作により各ホイールシリンダにマスターシ
リンダ4からの液圧を供給される時、そのマスターシリ
ンダ圧(M/C圧)はマスターシリンダ液路、各インレ
ットバルブ、およびホイールシリンダ液路を通してその
まま伝わり、よって、ブレーキ液圧(制動液圧P)を元
圧であるマスターシリンダ液圧に向け増圧でき、各車輪
は個々に制動されて、通常のブレーキングが行える。
【0029】このような制動時、各チャンネルのアウト
レットバルブ13,23,33,43は、それを開閉す
るよう作動させると、その開弁位置では対応リザーバ
8,9への分岐液路をその開作動の期間の間開通させ、
対応ホイールシリンダのブレーキ液は該リザーバへ導か
れて抜かれる。また、その閉弁位置をとる期間は該リザ
ーバとの連通を断って上記のブレーキ液圧の抜きを遮断
する。かくして、こうしたバルブ開閉駆動制御で、ブレ
ーキ液圧を対応リザーバへ逃がして低下させる減圧状態
となる。
【0030】減圧によってリザーバ8,9に溜まったブ
レーキ液は、モータ5によって駆動されるポンプ6,7
によってインレットバルブ12,22,32,42の上
流に戻される。そして、戻されたブレーキ液は、増圧の
用に供される。
【0031】車両挙動制御装置の各バルブはコントロー
ラ50の出力信号によって制御される。コントローラ5
0には、各輪10,20,30,40に配した車輪速検
出用の車輪速センサ51,52,53,54からの信号
Vw1(前輪左側),Vw2(前輪右側),Vw3(後
輪左側),Vw4(後輪右側)をそれぞれ入力する。ま
た、コントローラ50には、本実施例では、車両に生ず
る加速度を検出する車両加速度センサ55、車両に生ず
る回転方向の速度(ヨーレイトψ)を検出するヨーレー
トセンサ56、操舵輪の舵角(操舵角θ)を検出する舵
角センサ57、マスターシリンダ液圧を検出するM/C
圧センサ59のそれぞれより検出して得られる値、およ
びブレーキスイッチ(SW)58の信号も入力される。
ここに、車両加速度センサ55は、前後および横方向の
加速度(前後方向の加速度Xg,横方向の加速度Yg)
を検出する構成とすることができる。各センサ51〜5
4,55〜57は、車両の走行状態(旋回状態を含む)
をみるのに用いることができる。また、M/C圧センサ
59は、元圧となる上流圧のマスターシリンダ圧の検出
ほか、同様の上流圧となるアキュムレータ圧の検出にも
用いることができる。また、ブレーキSW58は、ブレ
ーキぺダル1の踏み込み操作の有無の検出、したがって
ブレーキぺダル踏み込みによる制動時かどうかの検出に
用いることができる。
【0032】上記コントローラ50は、入力検出回路
と、演算処理回路と、該演算処理回路で実行される後述
に一例を示す車両挙動制御の制御プログラムおよびその
他の制御プログラム、並びに演算結果等を格納する記憶
回路と、制御信号を出力する出力回路等とを含んでな
る。
【0033】コントローラ50は、本実施例では、ブレ
ーキング時、ABS制御が作動する制動場面では、入力
情報を基に、車輪の制動ロックを防止すべく制御対象車
輪のバルブ駆動パルスを出力し対応ホイールシリンダ液
圧の減圧、増圧をもって車輪制動力を制御する。この場
合において、本例の如き4チャンネル4センサ方式のA
BS制御なら、基本的には、前後左右4輪の各チャンネ
ルごとの車輪速情報Vwi(i=1〜4)を得、車輪速
より車体速度を推定し、車輪加速度を用いる場合にあっ
てはさらに各輪ごと車輪速より車輪加速度をも算出し、
かかる車輪速、車輪加速度、車体速度より目標の増減圧
量を求め、対応車輪のホイールシリンダ液圧を制御する
ことで、制動時の車輪ロックを回避する制御を行うこと
ができる。
【0034】コントローラ50はまた、上記ABS制御
とともに、または単独で、旋回等での不所望の車両挙動
を抑制し乃至低減するべく、該コントローラへの入力情
報に基づき車両挙動制御を実行する。この場合におい
て、かかる制御は車輪の制動力を制御することによって
これを行うものとし、車両挙動を目標の特性となるよ
う、制御対象車輪の制動力を増減し目標値に制御する挙
動制御を実行するが、さらに、制御対象車輪の制御目標
値が零の制御指令に対し、当該制御対象車輪の制御制動
力を零まで低減させずに微小レベルに保持して、次の制
動力増加制御に備えるよう制御する付加制御をも実行す
る。また、好ましくは、コントローラ50は、一定条件
下で、上記保持を禁止するものとし、この場合の付加制
御では、当該走行中の車両の走行路面の路面μや車輪ス
リップ、車両挙動状態のいずれか一又は二以上に応じ
て、かかる禁止制御をも実行することができる。
【0035】図2に示すものは、そのような車両挙動制
御のための図1に示した実施例システムでの機能の概要
の一例をブロックとして表したものである。図2(基本
概念図)中、s1は該制御に必要な各種入力値を得るセ
ンサ値入力部、s2は車両挙動制御目標液圧演算部、s
4はソレノイドバルブ駆動パルス演算部(液圧サー
ボ)、s5はソレノイドバルブ駆動パルス出力部をそれ
ぞれ示す。基本的には、例えば、これら手段により、操
舵輪の舵角を検出する舵角検出手段と、車輪速を検出す
る車輪速検出手段と、車両に生ずる前後および横方向の
加速度を検出する加速度検出手段と、車両に生ずるヨー
レートを検出するヨーレート検出手段とを備え、上記各
種入力値より車両モデルから算出される車両挙動制御目
標値との偏差に応じて各車輪速の制御圧を制御すること
によりアンチスピンモーメントを発生させる車両挙動制
御装置を構成することができるが、かかる車両挙動制御
装置において、上記各部s1,s2,s4,s5のほか
に、付加制御手段s3を備える。該付加制御手段は、微
小液圧保持手段aを有し、また該当するときは、路面μ
推定手段c、車両挙動状態検出手段e、微小液圧保持禁
止手段b,d,fを含んで構成できる。
【0036】微小液圧保持手段aは、上述した構成の車
両挙動制御装置において、ホイールシリンダ圧が前記車
両挙動制御またはドライバの操作にかかわらず減圧され
目標制御圧が零気圧を要求する場合、制御可能な微小圧
まで減圧が達成された時点で保持に切り換える微小液圧
の保持手段として用いることができる。すなわち、制動
力制御による車両挙動制御において、一旦制御液圧を零
気圧まで減圧してしまうと次回昇圧時に車両挙動制御装
置に介在する液圧の初期増圧時の不感帯のために旋回挙
動の制御に必要十分な制動圧を応答良く発生させること
ができないため、かかる微小液圧保持手段aにより制御
液圧を零気圧まで減圧せずに微小液圧に保持をして、次
の制御圧の昇圧に備えることで、前記不感帯の発生を回
避することが可能となる。本車両挙動制御は、図1のブ
レーキぺダル踏み込みによる制動時(ABS制御作動中
を含む)でも実行でき、ブレーキぺダル踏み込みによら
ない、前記したアキュムレータ系(60〜63,70〜
72)に基づく自動的な制動力付与制御の単独実施の場
合でも実行できる。
【0037】また、微小液圧保持手段aと、前記保持を
実行中に車輪速のスリップを監視し、スリップ率が既定
値を越えた場合は前記微小液圧保持手段aの作動(機
能)を禁止する微小液圧保持禁止手段bとを備えると、
車輪スリップ率によらず、一律、目標制御圧=0の指令
に対して強制的に微小液圧保持手段aが機能してしまう
といったことを避けられる(第1の微小液圧保持禁
止)。したがって、常に該当するときは微小圧に保持し
てしまう態様の場合と比べ、上記制御の応答性の面とス
リップ回避との面を考慮した両者のより調和のとれたき
めの細かな高度な制御内容として、本車両挙動制御装置
の狙いを達成することが可能となる。
【0038】また、路面μ推定手段cは、車両走行中の
路面μを推定する推定手段であり、かかる路面μ推定手
段cと、その路面μ推定手段cにより推定された路面μ
が所定値以下の極低μと判断された場合は、前記微小液
圧保持手段aにより微小液圧に保持したとしても車輪速
のスリップが発生する可能性が高いと予見されるため、
このときは前記微小液圧保持手段aの作動を前もって禁
止する微小液圧保持禁止手段dとを備えると、路面μに
よらずに一律、目標制御圧=0の指令に対して強制的に
微小液圧保持を行ってしまうことによる不用意な車輪ス
リップの発生が避けられる(第2の微小液圧保持禁
止)。したがって、この場合も、常に該当するときは微
小圧に保持してしまう態様の場合と比べ、効果的な制御
内容とでき、事前に禁止可能とし、同様にして、上記制
御の応答性の面と、路面μからみたスリップ発生の未然
防止との面をも考慮した両者のより調和のとれたきめの
細かな高度な制御内容として、本車両挙動制御装置の狙
いを達成することが可能となる。
【0039】また、上記車両挙動制御装置において、前
記微小液圧保持手段aによる作動が全輪(ここに、本シ
ステム例では、制御対象車輪全輪は前後左右の4輪すべ
てとできる)に実行されている状態から、舵角、ヨーレ
ート、車両加速度等から算出される車両挙動制御目標値
により、現在制御介入に至らないでも、アンダーステア
(U.S)もしくはオーバーステア(O.S)のどちら
の車両挙動状態に近いかを検出する車両挙動状態検出手
段eと、その車両挙動状態検出手段eにより検出された
現在の車両挙動状態により、車両挙動制御介入の可能性
の高い輪(一または二輪以上を含む)のみ前記微小液圧
保持手段aの作動を許可し、その他の輪(一または二輪
以上を含む)は前記微小液圧保持手段aの作動を禁止す
る微小液圧保持許可、禁止手段fとを備えると、より一
層きめ細かで高度な制御内容として、本車両挙動制御装
置の狙いを達成することが可能となる。この場合は、上
記の如くに制御対象車輪個々独立に、かつ現にU.S傾
向気味にあるかO.S傾向気味にあるかのステア特性傾
向からみて、選択的にその微小液圧の保持、禁止ができ
る。結果、その予測に合わせて、あらかじめ次に生起さ
れることとなるかもしれないステア特性をも考慮して、
車両挙動制御介入の可能性が高くて、この先現に車両挙
動制御が介入するに至ったとしたなら、その液圧が制御
されるべきその予測車両挙動制御に必要な車輪側に対し
ては、実効性のある挙動制御を行うのに必要な値にまで
応答性よく増圧させることが可能となるよう、それに備
えて事前に上記微小液圧保持を行わしめ、そうでなけれ
ば、上記微小液圧保持禁止(第1の微小液圧保持禁止及
び/又は第2の微小液圧保持禁止)を実行させうるよう
な選択制御が可能となる(第3の微小液圧保持禁止)。
【0040】上記各種センサ値入力部s1は、本実施例
においては、図1のセンサ51〜57およびコントロー
ラ50の一部を含んで構成できる。また、コントローラ
50は、車両挙動制御目標液圧演算部s2、ソレノイド
バルブ駆動パルス演算部s4、ソレノイドバルブ駆動パ
ルス出力部s5、および付加制御手段s3を構成し、ま
た、本実施例の車両挙動制御装置においては、付加制御
手段s3は、微小液圧保持手段aのみならず、上述した
手段c、手段e、および各手段b,d,fをも備えるも
のとしてある。
【0041】図3〜図5は、コントローラ50により実
行される、上記保持制御およびその禁止制御処理を含む
車両挙動制御のための制御プログラムの一例のフローチ
ャートである。
【0042】図3,4において、図3に示すフローチャ
ートは車両挙動制御による目標液圧算出を行うルーチン
である。本プログラム例では、これを以下のようにして
行うものとする。まず、旋回走行状態推定ルーチンのス
テップs100において、車輪速度センサ51〜54よ
り入力されるパルスを読み取り車輪速の算出が行われる
(車輪速Vw作成)。次のs101では、その他走行状
態を表す各種センサ55〜57より操舵角θ、前後およ
び横方向の加速度Xg(前後G),Yg(横G)、ヨー
レートψを取り込む。
【0043】次に、ステップs102にて擬似車体速度
Viを算出する。本実施例では、各輪の車輪速Vwi
(i=1〜4)にフィルタをかけ、より車体速度に近い
Vwfi(i=1〜4)を各輪で算出し、制動時/非制
動時などの条件により、各Vwfiから最も大きいもの
を選択するなどして最も車体速度に近いVwf(車体速
度中間値と呼ぶ)を算出し、さらにこのVwf値をもと
に擬似車体速度Viを求める通常のABSで用いられる
方法と、前後Gセンサ入力値を積分することにより求め
られる値に補正を加えて擬似車体速度Viを求める方法
とを併用してVi値を算出することとする(擬似車体速
Vi作成)。
【0044】次に、ステップs103では、前記横加速
度Yg、擬似車体速度Viおよびヨーレートψから車両
の横滑り加速度βddが次式により算出される。
【数1】βdd=Yg−V・ψ ・・・(1)
【0045】また、次のステップs104では、前記車
両の横滑り加速度βddを積分することにより車両の横
滑り速度βdが、さらにステップs105においては、
車両の前後方向速度である擬似車体速度Viと前記車両
の横滑り速度βdとの比βd/Viとして車体のスリッ
プ角(横滑り角)βが演算される。
【0046】次に、ステップs106では、前記操舵角
θと前記擬似車体速度Viから目標ヨーレートψ* の算
出が行われる。ここに、目標ヨーレートψ* は、各車輪
において予定したコーナリングフォースが発揮され、ニ
ュートラルステアが得られているとした場合に実現され
るヨーレートであり、操舵角θと擬似車体速度Viから
求められるマップを持つなどして算出してもよい。
【0047】次に、ステップs107では、車両の旋回
状態に対応する状態量として、目標ヨーレートψ* と実
ヨーレートψとの偏差(またはその変化量)および前記
スリップ角β(またはスリップ角速度βd)を算出する
(ヨーレイト偏差等車両挙動状態値X演算)。そして、
続く目標制御液圧P* 演算処理のステップs108で
は、ステップs107で算出した状態量をもとに車両挙
動制御を行う。これらの値の用い方は任意であり、例え
ば走行状態に応じて変更される制御ゲインを付加して上
記各値の線形和をとり、その値を目標制御液圧P* に換
算し、以降ステップs200(図4)から説明を行う液
圧サーボを通して制御を行う方法とする。
【0048】図4に示された制動圧制御を行う液圧サー
ボルーチンのステップs200においては、まず、制御
目標液圧P* が後述の液圧サーボで算出される現在のホ
イールシリンダ液圧Ppresに比べて小さいか否か、
つまり必要とされている制御圧変化が減圧であるかを増
圧であるかを判別する。その結果、Ppres>P*
成立せず、ステップs200の答が否定(N)なら、要
求されているのは増圧制御と判断し、ステップs201
〜s203をスキプして制御液圧変化量ΔP* 算出ステ
ップs204へ進む。他方、Ppres>P* が成立
し、ステップs200の答が肯定(Y)の場合、したが
って必要とされている制御圧変化が減圧である場合は、
かかるホイールシリンダ液圧の減圧指令において、制御
目標液圧が零気圧を要求する場合は制御可能な微小圧ま
で減圧が達成された時点で保持に切り換えられるよう下
記内容の処理を実行する。
【0049】すなわち、この場合は、次にステップs2
01へ進み、本ステップs201において、さらに、そ
の制御目標液圧P* が制御可能な微小圧Pminよりも
大きいか否かを判別する。ここで、微小圧力Pminの
値は、以下に示す液圧サーボの精度に応じて決定される
ものであるが、零気圧に下がってしまわなければできる
かぎり小さい値が望ましい。図1でのブレーキシステム
のハード構成の説明の如く、減圧の際、ホイールシリン
ダ11〜41のブレーキ液は、各対応リザーバ8,9)
へ導かれて抜かれるものである。ここに、図6に示すよ
うなブレーキ油液量の増大に対するホイールシリンダ液
圧の不感帯の存在は、一度、ホイールシリンダ液圧を零
気圧まで抜いてしまえば、ホイールシリンダ液圧上昇さ
せるよう増圧制御(ステップs200の答が否定の場
合)をなすにあたり、その初期増圧時の不感帯のため応
答性が低下せしめる。本プログラム例では、このため、
たとえ前記ステップs108で制御目標液圧P* =0が
算出されても、零気圧まで抜かずにその手前のあからじ
め定める微小圧値で保持させるようするものであるが、
これはまた、そのレベルから速やかに立ち上げて、以後
のホイールシリンダ液圧の高応答の増圧制御の実行を確
保し、前もってそれに備えるものでもある。よって、そ
の値Pminは、適用する車両のブレーキシステムに応
じ、制御可能な下限値もしくはその近傍値に設定される
よう、上述の如く零気圧に下がってしまわない範囲で、
できるだけ小さい値が望ましい。
【0050】ステップs201の判断に結果、その答が
否定でPmin>P* の場合は、制御目標液圧が零気圧
を要求していないことから、ステップs202,s20
3をスキップして、制御目標値はそのP* 値そのままを
適用してステップs204による制御液圧変化量ΔP*
算出へ直接処理を進める一方、その答が肯定で、制御目
標液圧P* が制御可能な微小圧Pminよりも小さい場
合は、今回の減圧により達成されるホイールシリンダ液
圧は微小圧Pminよりも小さい値でほぼ零気圧に下が
ることになる。これがため、上述のような観点から、か
かる場合の対応として、ホイールシリンダ液圧の零気圧
までの減圧を行わせず、前記不感帯の発生を回避するよ
う、本プログラム例では、ステップs203によって制
御目標値をその微小圧値自体に切り換え変更する処理を
設け、しかして本ステップs203を経てステップs2
04以下を液圧制御を実行させることでホイールシリン
ダ液圧を該微小液圧に保持するようになす。さらには、
ここで、上記に加えて、該ステップs203に先立ち微
小圧保持許可判断を行わせるステップs202をも組み
合わせて設けてあり、これにより、上記微小液圧保持と
その保持の禁止をも行わせるようにしてある。
【0051】よって、上記の如く制御目標液圧P* が小
さくて零気圧まで下がることとなるような場合、本プロ
グラム例では、この時は、まず、ステップs202に進
み、各種センサ入力値から推定される状態量に応じて、
制御目標液圧P* を目標微小圧Pminに変更してもよ
いかを判断する。そして、この判断の結果(微小圧保持
許可(ステップs202の答が肯定)、微小圧保持不許
可(ステップs202の答が否定))も加味してステッ
プs203実行の可否を決定する。ここに、この判断
は、車両挙動制御の要求が無くなり目標液圧が発生して
いない状態の時に、ホイールシリンダ液圧を完全に零気
圧まで抜いてしまうか、もしくは微小圧Pminに保持
させるかの判断と言い換えることができ、ステップs3
00(図5)以降のサブルーチンにてその一例の詳細は
説明される。
【0052】しかして、ステップs202により肯定判
断が出力された場合は、ステップs203にて、P*
Pminにより制御目標液圧P* を微小圧力Pminに
変更する。そして、この場合は、以降、微小圧力Pmi
nを制御目標値としてステップs204以下を実行す
る。しからざれば、その小さい制御目標液圧P* 値はそ
のままとして、つまり前記ステップs108で算出の制
御指令値通りとしてステップs204以下を実行するも
のである。
【0053】かくして、前記ステップs108での算出
制御目標液圧P* 値が零気圧を要求する場合でも、制御
可能な微小圧Pminまで減圧が達成された時点で保持
に切り換えられることとなり、一旦ホイールシリンダ液
圧を零気圧まで減圧してしまうと、次回昇圧時に図6の
ような液圧の初期増圧時の不感帯のために旋回挙動の制
御に必要十分な制動圧を応答良く発生させることができ
ないところ、制御ホイールシリンダ液圧を零気圧まで減
圧せずに微小液圧Pminに保持をして、次の制御ホイ
ールシリンダ液圧の昇圧に備えることができる。よっ
て、各車輪10〜40のブレーキ機構が前記構成のよう
なものであっても、また、図1の如くに各要素をブレー
キホース等により配管、接続して油圧回路を構成するア
クチュエータを備える場合でも、不感帯の発生を回避す
ることが可能となり、従来の問題は解消でき、車輪制動
力制御による車両挙動制御の実効性を高め、その制動制
御の応答性の改善を図れる。また、この狙いに加え、ス
テップs202で微小圧保持許可判断を行わせること
で、その保持制御を禁止することもでき、以下に述べる
ような路面μ、車輪スリップ、車両挙動状態に応じての
使い分けも行え、対応性に富み、より状況にマッチした
効果的なものとすることができる。
【0054】図5を参照するに、図5に示された微小液
圧保持許可判断ルーチンのステップs300において
は、まず路面μの推定を行う。路面μ推定にはいくつか
の方法があるが、例えばABS制御作動中ならば、その
時の制御液圧の平均値をとるなどしてその値をロック圧
としてμ換算を行うことが可能であり、または前後加速
度Xg、横加速度Ygのベクトル和(Xg2 +Yg2
1/2 からμを算出しても良い。次のステップs301で
は、ステップs100で算出した車輪速Vwと、ステッ
プs102で算出した擬似車体速Viとから車輪スリッ
プ率s(=1−Vw/Vi)を算出する。
【0055】しかして、ここでは、次にステップs30
2において、前記ステップs300で算出した路面μ推
定値を、路面μに関しての所定判別値であるしきい値μ
threと比較する。ここに、しきい値μthreは、
極低μであるかどうかについての判別値として設定で
き、その比較の結果、当該車両が走行中の走行路の路面
μが非常に極低μと推定された場合(ステップs302
の答が否定)は、目標制御圧=0に対して強制的に微小
圧保持を行うと不用意な車輪スリップが発生してしまう
ことが予見されることからステップs308に進み、微
小圧保持不許可、すなわち微小圧保持禁止とする(ステ
ップs202の答は否定)。他方、極低μでなければ、
この極低μであるがゆえのかかる禁止処理は行わない。
これにより、微小圧保持を前もって禁止ができ、結果、
路面μに応じて、応答性改善が実現できるとともに、上
記不用意な車輪スリップの発生も回避できる等、前記し
た狙いをより良好に達成できる。
【0056】一方、本プログラム例では、路面μが極低
μではないと判定した場合(ステップs302の答が肯
定)は、さらにステップs303に進み、ステップs3
01で算出した車輪スリップ率sを、該スリップ率に関
しあらかじめ設定したしきい値sthreと比較する。
sthreは、ABS本来の目標スリップであるVws
より小さい値とする。そして、その結果、ステップs3
03の答が否定の場合、すなわち路面μが或る程度高い
にもかかわらず、値sthreを越える不用意な車輪ス
リップが発生している場合(図7)は、同様にステップ
s308に進み、微小圧保持不許可、すなわち微小圧保
持禁止とする(ステップs202の答は否定)。これに
より、微小圧保持を実行中でも、車両スリップを監視
し、スリップ率が値sthreを越えた場合は微小圧保
持を禁止することができ、結果、車輪スリップにも応じ
て、応答性改善が実現できるとともに、路面μが或る程
度高いにもかかわらず値sthreを越える不用意な車
輪スリップが発生するような場合には、ホイールシリン
ダ液圧を完全に零気圧まで抜くことを可能として前記し
た狙いをより良好に達成できる。
【0057】さらに、本プログラム例では、車輪スリッ
プが発生してない場合(ステップs303の答が肯定)
は、ステップs304に進み、ここでは、前記ステップ
s107において算出した車両挙動状態量Xにより現在
の車両挙動がO.S(オーバーステア)側にあるU.S
(アンダーステア)側にあるかを判断する。このルーチ
ンに入っているのはステップs201で判断したように
制御目標圧がほぼ零となっている場合であるから、車両
はN.S(ニュートラルステア)に近いと考えられる
が、僅かなO.SまたはU.S発生時には車両挙動制御
介入に至らないため、この範囲での車両挙動状態を判断
する。
【0058】上記のように、現在の車両挙動状態がO.
SまたはU.Sのどちらの状態に近いかを検出し、その
結果、O.Sの場合はステップs305(対U.S制御
介入予定輪選択)に、U.Sの場合はステップs306
(対O.S制御介入予定輪選択)に進んで、この先車両
挙動制御が介入した場合に制御される輪を選択する。制
御輪は、例えばO.Sの場合はアンチスピンモーメント
の発生、U.Sの場合は制動力とアンチスピンモーメン
トの発生のために図8に示すように選択する。ここに、
図8は左旋回状態を示し、同図右部は、前輪右20に制
動力を付与し、同左部は、前輪右20、前輪左10、後
輪左30のぞれぞれに対し、この順で小、中、大の制動
力を付与することを表す。
【0059】しかして、上記ステップs305、ステッ
プs306を受けてステップs307にて微小圧保持許
可輪の選択を行うが、ここで、微小圧保持許可輪とする
のは前記制御介入予定輪と同じ輪とする。よって、車両
挙動制御介入の可能性の高い輪を対象に微小圧保持制御
を許可することができる。そして、ステップs309に
て微小圧保持許可と判定し本ルーチンを抜け、前記ステ
ップs203またはステップs204へ進み液圧サーボ
を通してソレノイドバルブ駆動パルスの出力を行う。
【0060】かくて、微小圧保持が全輪に実行されてい
る状態から、前記算出車両挙動状態量Xにより、現在制
御介入に至っていないものの、現在の車両挙動状態は
O.SまたはU.Sのどちらに近いかにも応じ、車両挙
動制御介入の可能性の高い輪のみ微小圧保持を許可し、
その他の輪は微小圧保持を禁止することができ、結果、
車両挙動状態量にも応じて、応答性改善が実現できると
ともに、この先車両挙動制御が介入した場合に制御され
ることとなるその予測に合わせ、あらかじめステア特性
をも考慮して、車輪個々独立に適切に微小圧保持および
その保持禁止を選択的に行うことを可能にして、さらに
前記した狙いをより良好に達成できる。
【0061】図4に戻り、上述した微小圧保持許可判断
ルーチン(図5)実行の後、ステップs203を経てス
テップs204へ進むと、またはステップs200,s
201,s202から直接ステップs204へ進むと、
本ステップs204以降では、液圧サーボによりソレノ
イドバルブ駆動時間を演算し目標圧達成を行う。本プロ
グラム例ではこれを例えば次のようにして実行すること
とする。
【0062】ステップs205に示す液圧サーボはステ
ップs204において算出する現在のホイールシリンダ
液圧と前記車両挙動制御により求めた目標制御液圧P*
との偏差である制御液圧変化量ΔP* を達成するために
必要なソレノイドバルブ駆動パルス・デューティ比αI
N、αOUTを演算するものである。αIN、αOUT
はパルス出力周期T(例えばT=50msec)中のイ
ンレットバルブ、アウトレットバルブを開いている時間
であり、例えばαIN=10msecなどとして定義す
る。
【0063】液圧サーボ内には、図9のようなアクチュ
エータ増減圧特性を持っており、これは例えば単純にソ
レノイドバルブをフルオープン(DT=T)した時の増
圧および減圧の液圧変化をマップ化したものである。こ
の増減圧特性マップに対し駆動するソレノイドバルブの
上流圧(増圧弁の場合はM/C圧あるいはアキュムレー
タ(70)圧、減圧弁の場合は現在のW/C圧)と、下
流圧(増圧弁の場合は現在のW/C圧、減圧弁の場合は
リザーバ(8,9)大気開放のため零気圧)を入力とし
て、ソレノイドバルブ駆動パルス・デューティ比αI
N、αOUTが算出される。また、上記プロセスを逆に
辿ることによりソレノイドバルブ駆動パルス・デューテ
ィ比αIN、αOUTで弁を駆動した時の液圧変動量を
算出することも可能である。
【0064】次に、ステップs206では、実際にソレ
ノイドバルブを駆動した時間から、前記液圧サーボの算
出プロセスから、パルス出力周期Tの間で達成される液
圧変動ΔPを現在のホイールシリンダ圧に相対的に加減
していくことにより、PW/C=PW/C (現在)+ΔPと
して推定ホイールシリンダ圧値PW/C を算出する。むろ
ん、この値はホイールシリンダ圧センサにより検出した
値を用いるとしても可能である。本推定ホイールシリン
ダ圧は、前記ステップs200からのルーチンで用いら
れている現在のホイールシリンダ圧Ppresとして使
用するものである。そして、最後にステップs207に
て、ソレノイドバルブ駆動信号出力手段にてバルブ駆動
信号の出力を行い、本ルーチンを終了する。
【0065】なお、ステップs100〜ステップs30
9は、制御周期ごとに随時制御目標を算出するルーチン
であり、制御指令を出力後再びステップs100に戻っ
て計算を行うことになる。そして、該当するときは、上
記で述べてきたとおり、微小圧保持およびその禁止が実
行される。
【0066】このようにして、本実施例の構成によれ
ば、スピン抑制の車両挙動制御の開始時に介在しうるハ
ード上の不感帯を回避することができ、またこれを良好
に実現するために、各入力値より推定される路面μや車
輪スリップ、車両挙動状態量に応じて、目標液圧=0に
対して微小圧に液圧を保持することにより、制動圧を実
行性のある挙動制御を行うのに必要な値にまで応答性よ
く増圧させることが可能となるものであるが、もとよ
り、それら路面μ、車輪スリップ、車両挙動状態量のそ
れぞれすべてに関し図4の如き微小圧保持許可判断ルー
チンを組み込まなくても本発明は実施可能であり、路面
μ、車輪スリップ、車両挙動状態量個々に関し、単独
で、またはいずれか2つの組合せの態様で実施できる。
【0067】また、本発明は、以上の実施の形態に限定
されるものではない。例えば、実施例では、適用する車
両は、前後輪とも左右の制動力独立に制御できる4ch
ブレーキシステムのものとしたが、これに限らず、3c
hブレーキシステムでもよい。また、車両挙動制御用ア
ンチスキッド装置について説明したが、車両挙動制御装
置は、図1に示した構成のものに限らないこともいうま
でもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すシステム図であ
る。
【図2】同実施例における制御内容の基本概念の一例を
機能ブロックとして表す図である。
【図3】同実施例のコントローラにより実行される制御
プログラムの一例を示すもので、その一部を示すフロー
チャートである。
【図4】同じく、同プログラムの他の一部を示すフロー
チャートである。
【図5】同プログラムに適用できる、微小液圧保持許可
判断ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】同実施例の作用の説明に供する特性図である。
【図7】同じく、その説明に供する図である。
【図8】同じく、その説明に供する図である。
【図9】同じく、その説明に供する図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 ブースタ 3,8,9 リザーバ 4 マスターシリンダ 5 モータ 6,7 ポンプ 10,20 左右前輪 30,40 左右後輪 11,21,31,41 ホイールシリンダ 12,22,32,42 インレットバルブ(メカ式) 13,23,33,43 アウトレットバルブ(電磁
弁) 50 コントローラ 51,52,53,54 車輪速センサ 55 車両加速度センサ 56 ヨーレートセンサ 57 舵角センサ 58 ブレーキSW 59 マスターシリンダ(M/C)圧センサ 60,61,62,63 切り換え弁 70 アキュムレータ 71 モータ 72 ポンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪及び/又は後輪の各輪で制動制御が
    可能で、車両挙動を目標の特性となるよう、制御対象車
    輪の制動力を増減し目標値に制御する手段を有する車両
    の挙動制御装置であって、 前記制御対象車輪の制御目標値が零の制御指令に対し、
    当該制御対象車輪の制御制動力を零まで低減させずに微
    小レベルに保持して、次の制動力増加制御に備えるよう
    制御する構成としてなる、ことを特徴とする車両挙動制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記車両の車輪スリップ、走行路の路面
    μ、車両挙動状態のいずれかに応じて、前記保持を禁止
    する手段を、さらに含んで構成してなる、ことを特徴と
    する請求項1記載の車両挙動制御装置。
  3. 【請求項3】 操舵輪の舵角を検出する舵角検出手段
    と、車輪速を検出する車輪速検出手段と、車両に生ずる
    前後及び/又は横方向の加速度を検出する加速度検出手
    段と、車両に生ずる回転方向の速度を検出するヨーレー
    ト検出手段とを備え、 これら手段よりの入力値より車両モデルから算出される
    車両挙動制御目標値との偏差に応じて各車輪速の制御圧
    を制御することによりアンチスピンモーメントを発生さ
    せる車両の挙動制御装置であって、 ホイールシリンダ圧が前記車両挙動制御またはドライバ
    の操作にかかわらず減圧され目標制御圧が零気圧を要求
    する場合、制御可能な微小圧まで減圧が達成された時点
    で保持に切り換える微小液圧保持手段と、 前記保持を実行中に車輪速のスリップを監視し、スリッ
    プ率が既定値をこえた場合は前記微小液圧保持手段を禁
    止する微小液圧保持禁止手段とを備える、ことを特徴と
    する車両挙動制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の車両挙動制御装置におい
    て、前記微小液圧保持禁止手段に代えて、またはこれと
    ともに、 路面μを推定する路面μ推定手段と、 前記路面μ推定手段により推定される路面μが極低μと
    判断される場合は、前記微小液圧保持手段を前もって禁
    止する、微小液圧保持禁止手段とを備える、ことを特徴
    とする車両挙動制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4記載の車両挙動
    制御装置において、前記微小液圧保持禁止手段に代え
    て、またはこれとともに、 舵角、ヨーレート、車両加速度等から算出される車両挙
    動制御目標値により、現在制御介入に至らないまでも、
    アンダーステアもしくはオーバーステアのどちらの車両
    挙動状態に近いかを検出する車両挙動状態検出手段と、 前記車両挙動状態検出手段により検出される現在の車両
    挙動状態により、車両挙動制御介入の可能性の高い輪を
    対象に前記微小液圧保持手段による制御を許可し、その
    他の輪は前後微小液圧保持手段を禁止する、微小液圧保
    持許可・禁止手段とを備える、ことを特徴とする車両挙
    動制御装置。
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