JPH10230579A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

Info

Publication number
JPH10230579A
JPH10230579A JP3482597A JP3482597A JPH10230579A JP H10230579 A JPH10230579 A JP H10230579A JP 3482597 A JP3482597 A JP 3482597A JP 3482597 A JP3482597 A JP 3482597A JP H10230579 A JPH10230579 A JP H10230579A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
sheet
layer
decorative sheet
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3482597A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Shimizu
和彦 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP3482597A priority Critical patent/JPH10230579A/ja
Publication of JPH10230579A publication Critical patent/JPH10230579A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩ビ系樹脂を使用しない化粧シートでありな
がら、ラミネートやラッピング加工、V加工、R加工等
の加工適性が良好で、表面が傷ついても高い抗菌性能を
保持する化粧シートを提供する。 【解決手段】 着色顔料又は着色顔料と充填剤を含有し
た不透明なオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂から
なる基材シート1上に任意の印刷インキ層2を設け、さ
らにその上に透明オレフィン系熱可塑性エラストマー樹
脂層を溶融押出しによりトップシート3として積層する
と同時にエンボス加工を施してなる化粧シートにおい
て、トップシート3を多層共押出しにより形成し、その
うちの最表面にくる層を抗菌剤を含有した抗菌樹脂層に
する。抗菌樹脂層の上にさらに抗菌剤を含有した表面樹
脂コート層4を形成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キッチン扉や台所
家具、或いは病院で用いられる家具や扉の表面化粧材と
して使用される抗菌性の化粧シートに関するものであ
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】特公昭63−5401
号公報や特公平4−28646号公報、特開平1−31
3533号公報に、化粧紙や化粧板等に防カビ性又は抗
菌性を付与するため、防カビ剤又は抗菌剤を該当素材中
に添加したり練り込んだりする方法、あるいは後工程に
て塗装する方法等が行われていたこと、また防カビ性及
び抗菌性を有する壁紙や化粧シートが開示されている。
このように従来は防カビ剤や抗菌剤をシート用樹脂に練
り込んだり、塗料に練り込んで後塗装する方法が採られ
ているが、抗菌剤は表層にのみあればよいので、シート
用樹脂に練り込む方法はコストの無駄があるという欠点
があり、また練り込み塗料を後塗装する方法では、耐摩
耗性、耐キズ性に富んだ持続性に優れるシートを得よう
とすると、相当の塗布量が必要であり、専用のコーター
が必要であったりグラビア印刷で塗り重ねて塗工する必
要が有り、工程として必ずしも最適とは言えない。
【0003】また、化粧シートの基材及びトップフィル
ムの素材として、塩化ビニルシートや塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体シート等が用いられてきた。これらのシ
ートは加工適性、印刷適性、エンボス適性に優れ、可塑
剤の添加量により硬度を容易に調節可能であり、また安
価である等の利点があった。しかしながら、このタイプ
の化粧シートにあっては、耐熱性が不足するとか、可塑
剤のブリードにより表面の耐汚染性が悪いと言う欠点が
ある。
【0004】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、塩ビ系樹
脂を使用しない化粧シートで、ラミネートやラッピング
加工、V加工、R加工ができ、表面に多少摩耗を受けて
もまた傷が付いても高い抗菌性能を保持する化粧シート
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の化粧シートは、着色顔料又は着色顔料と充
填材を含有した不透明なオレフィン系熱可塑性エラスト
マー樹脂からなる基材シート上に任意の印刷インキ層を
設け、さらにその上に透明オレフィン系熱可塑性エラス
トマー樹脂層を溶融押出しによりトップシートとして積
層すると同時にエンボス加工を施してなる化粧シートに
おいて、前記トップシートを多層共押出しにより形成
し、そのうちの最表面にくる層を抗菌剤を含有した抗菌
樹脂層としたことを特徴とする。そして、抗菌樹脂層の
上にさらに抗菌剤を含有した表面樹脂コート層を形成し
てもよい。
【0006】本発明の化粧シートはこのように基材シー
ト及び表面層にオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂
を採用することにより、これまでの塩ビ化粧シートと同
等の加工適性を有し、且つ表面が多少摩耗したりキズが
ついても抗菌性能に変化のない高い抗菌性を有するもの
となる。また、共押出しで表面層だけに抗菌剤を入れて
いるので、コスト的に必要最小限に抑えられる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係る化粧シートの一形態
を図1に示す。この化粧シートは、着色不透明なオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー樹脂からなる基材シート1
上に印刷インキ層2を設け、さらにその上に透明オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー樹脂層を溶融押出しにより
トップシート3として積層すると同時にエンボス加工を
施したものである。そして、このトップシート3を多層
共押出しにより形成し、そのうちの最表面にくる層を抗
菌剤を含有した抗菌樹脂層としたものである。図示の化
粧シートでは、抗菌樹脂層の上にさらに抗菌剤を含有し
た表面樹脂コート層4を形成している。
【0008】図2は化粧シートの別の形態を示すもの
で、この化粧シートでは、図1の層構成に加え、基材シ
ート1の表面にプライマー層5を設けるとともに、印刷
インキ層2を覆って易接着層6を設けてある。
【0009】基材シートに使用されるオレフィン系熱可
塑性エラストマーは以下に挙げる〜の6種類があ
る。
【0010】(A)ソフトセグメントとしての熱可塑
性エラストマーと(B)ハードセグメントとしてのオレ
フィン系樹脂とを単純ブレンドしたもの。具体的には、
オレフィン系樹脂として、ポリエチレン、エチレン・プ
ロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、ポ
リプロピレン、プロピレン・ブテン−1共重合体、ポリ
ブテン−1、ブテン−1・プロピレン・エチレン・3元
共重合体、ブテン−1・ヘキセン−1・オクテン−1・
3元共重合体、ポリメチルペンテン等の樹脂単独又は2
種以上混合したものが挙げられる。熱可塑性エラストマ
ーとしては各種ゴム類が挙げられ、ゴム類としては、ジ
エン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム等であるが、中でも
水素添加ジエン系ゴムが好ましい。
【0011】水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分
子の二重結合の少なくとも一部分に水素原子を付加させ
てなるもので、ポリオレフィン系樹脂の結晶化を抑え、
柔軟性、透明性をアップさせる役割がある。また、一般
にポリオレフィン系樹脂にジエン系ゴムを添加するとジ
エン系ゴムの二重結合のため、耐候性、耐熱性はジエン
系ゴム無添加のポリオレフィン系樹脂より低下するが、
本発明では、ジエン系ゴムの二重結合を水素で飽和させ
るため、ポリオレフィン系樹脂の耐候性、耐熱性の低下
もなく良好なものとなる。ジエン系ゴムとしては、イソ
プレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン
・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴ
ム、アクリロニトリル・イソプレンゴム、スチレン・ブ
タジエンゴム等がある。本発明の目的からは特にスチレ
ン・ブタジエンゴムが好ましい。
【0012】ゴム類の添加量としては、オレフィン系樹
脂の100重量部に対し、1〜90重量部程度とする。
1重量部未満だと、ゴム添加による弾性、伸び率、耐衝
撃性が不足し、Vカット加工、絞り加工等の折り曲げ加
工時に亀裂、割れを生じ易くなる。また90重量部を越
えると、弾性及び伸び率が大きくなりすぎ、印刷時の見
当合わせが不良になり好ましくない。
【0013】また、熱可塑性エラストマーとして、後述
する〜等のオレフィン系熱可塑性エラストマーを用
いてもよい。
【0014】特公平6−23278号公報に記載の如
き(A)数平均分子量Mnが25,000以上、且つ重
量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn
≦7の沸騰ヘプタン可溶ポリプロピレン10〜90重量
%(ソフトセグメント)と(B)メルトインデックスが
0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性ポリプロピ
レン90〜10重量%(ハードセグメント)との混合物
からなる軟質ポリプロピレン。
【0015】特公昭53−21021号公報に記載の
如き、(A)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテン等のオレフィン重合体(結晶性高分子)をハ
ードセグメントとし、(B)部分架橋したエチレン・プ
ロピレン共重合体ゴム、不飽和エチレン・プロピレン非
共軛ジエン三共重合体ゴム等のモノオレフィン共重合体
ゴムをソフトセグメントとし、これらを均一に配合し混
合してなるオレフィン系エラストマー。(B)/(A)
=50/50〜90/10(重量比)の割合で混合す
る。
【0016】特公昭53−34210号公報に記載の
如き(A)未架橋モノオレフィン共重合体ゴム(ソフト
セグメント)と(B)オレフィン共重合体(結晶性、ハ
ードセグメント)と架橋剤とを混合し、加熱し剪断応力
を加えつつ動的に部分架橋させてなるオレフィン系エラ
ストマー。(A)/(B)=60/40〜80/20
(重量比)である。
【0017】特公昭56−15751号公報等に記載
の如き、(A)アイソタクチックポリプロピレン、プロ
ピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共
重合体等のペルオキシドと混合、加熱すると分子量を減
じ、流動性を増すペルオキシド分解型オレフィン重合体
(ハードセグメント)と、(B)エチレン・プロピレン
共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・非共軛ジエン三
共重合体ゴム等のペルオキシドと混合加熱することによ
り、架橋して流動性が減じるペルオキシド架橋型モノオ
レフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)、(C)ポ
リイソブチレン、ブチルゴム等のペルオキシドと混合、
加熱しても架橋せず、流動性が不変のペルオキシド非架
橋型炭化水素ゴム(ソフトセグメント兼流動性改質成
分)、及び(D)パラフィン系、ナフテン系、芳香族系
等の鉱物油系軟化剤とを混合し、有機ペルオキシドの存
在下で動的に熱処理してなるオレフィン系エラストマ
ー。(A)が90〜40重量部、(B)が10〜60重
量部、(C)及び(D)が5〜100重量部の配合比と
なる。
【0018】特開平2−139232号公報に記載の
如き、エチレン・スチレン・ブチレン共重合体からなる
オレフィン系エラストマー。
【0019】所望により、これらのオレフィン系熱可塑
性エラストマーに紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、
酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤等が添加され
る。そして、オレフィン系熱可塑性エラストマーに着色
顔料又は着色顔料と充填剤を含有させたものを基材シー
トに使用する。
【0020】着色顔料は公知のものから抗菌剤との適性
を考慮して適宜選択して用いればよく、具体的には、チ
タン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チ
タン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリ
ン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレ
ッド4R、フタロシアニンブルー等の有機顔料、或い
は、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被
覆雲母、塩基性炭酸亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢顔料
等が用いられる。充填剤としては、一般にプラスチック
の充填剤として用いられるもの、例えば、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、タルク、クレー、珪藻土、シリ
カ、酸化チタン等の無機充填剤を使用する。基材シート
の着色は用途に応じて着色透明又は不透明(隠蔽性)着
色する。基材シートの着色は一般的に被着体の表面を隠
蔽することが可能なことから着色不透明が好ましい。
【0021】紫外線吸収剤、光安定剤は、樹脂により良
好な耐候性(耐光性)を付与するためのものであり、そ
の添加量は紫外線吸収剤、光安定剤とも通常0.5〜1
0重量%程度である。一般的には紫外線吸収剤と光安定
剤とを併用するのが好ましい。紫外線吸収剤としては、
ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エス
テル等の有機物、又は0.2μm径以下の微粒子状の酸
化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いる
ことができる。光安定剤としては、ビス−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート
等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系
ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を用いることができ
る。
【0022】なお、基材シートとトップシートの密着強
度は紫外線により経時的に劣化するため、製造時に化粧
シートとしての初期密着強度を確保するだけでは不十分
であり、ウェザ・オ・メーター2000時間(プラック
パネル63℃)照射後においてもなおかつ化粧シートと
して十分な密着強度をもたせるためには、トップシート
に紫外線吸収剤を添加するとよい。この紫外線吸収剤と
しては、種々の検討の結果、ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤を0.1重量%以上添加するか、或いはヒンダ
ードアミン系紫外線吸収剤を0.1重量%以上添加する
とよい。
【0023】熱安定剤としては、フェノール系、サルフ
ァイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、ア
ミン系等公知のものが用いられ、これらは熱加工時の熱
変色等の劣化の防止性をより向上させる。
【0024】難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム等の粉末が用いられ、これらは難燃性
を付与する必要がある場合に添加する。
【0025】さらに本発明で使用する基材シートとして
好ましいものは、高密度ポリエチレン樹脂、熱可塑性エ
ラストマー、着色剤及び無機充填剤からなるシートが挙
げられる。該シートによれば、化粧シートとして要求さ
れる性能、すなわち、ポリ塩化ビニル並みの熱成形
性、耐クリープ変形性、耐寒折曲げ強度、耐有機
溶剤性、破断時伸度、耐衝撃強度、適度な曲げ弾
性率、易接着性を満足するものが得られる。
【0026】上記高密度ポリエチレンとしては、比重が
0.94〜0.96のポリエチレンであって、低圧法で
得られる結晶化度が高く分子に枝別れ構造の少ない高分
子を用いるのがより好ましい。また、上記熱可塑性エラ
ストマーとしては、ジエン系ゴム、水素添加ジエンゴ
ム、オレフィンエラストマー等が挙げられる。熱可塑性
エラストマーの添加量としては基材シート中に10〜6
0重量%、好ましくは30重量%程度である。10重量
%より少ないと一定荷重時伸度の変化が急崚になり過
ぎ、また破断時伸度、耐衝撃性の低下が生じ、60重量
%より多いと透明性、耐候性及び耐クリープ性の低下が
生じる。上記無機充填剤としては、前記したものと同様
のものが用いられ、基材シート中に5〜60重量%程
度、好ましくは30重量%程度添加される。添加量が5
重量%より少ないと耐クリープ変形性及び易接着性の低
下が生じ、60重量%より多いと破断時伸度及び耐衝撃
性の低下が生じる。着色剤としては、前記したものと同
様のものが用いられる。
【0027】表面の透明オレフィン系熱可塑性エラスト
マーとして好ましいものは、上述したオレフィン系熱可
塑性エラストマーの説明で挙げたもので、アイソタク
チックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンと
の混合系からなる、複合立体構造を有する無色又は着色
透明な軟質ポリプロピレン系樹脂からなるシートであ
る。上記複合立体構造を有する軟質ポリプロピレン樹脂
からなるシートによれば、化粧シートとして要求される
性能、すなわち、耐クリープ変形性、耐有機溶剤
性、破断時伸度、耐衝撃強度、適度な曲げ弾性
率、良好な透明性、耐候性(エンボス加工等に伴う
加熱と冷却が加わっても再結晶による白化や濁りを生じ
ない)を満足するものが得られる。この軟質ポリプロピ
レン系樹脂としては、具体的には、(A)(イ)マグネ
シウム、チタン、ハロゲン原子及び電子供与体を必須成
分として含有する固体触媒成分、(ロ)有機アルミニウ
ム化合物及び(ハ)一般式〔化1〕
【化1】 (式中のR1 は炭素数1〜20のアルキル基、R2 は炭
素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロソ基、m
は1〜6の整数、nは0又は1〜(6−m)の整数であ
る)で表されるアルコキシ基含有芳香族化合物の組み合
わせからなる触媒の存在下、プロピレンを重合させるこ
とにより得られる、数平均分子量(Mn)が25,00
0以上で、且つ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)が7以下の沸騰ヘプタン
可溶性ポリプロピレン(アタクチックポリプロピレン)
10〜90重量%と、(B)メルトインデックスが0.
1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性ポリプロピレン
(アイソタクチックポリプロピレン)90〜10重量%
とからなる軟質ポリプロピレン樹脂組成物が挙げられ
る。
【0028】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物は、破
断伸び(Tb )が400%以上、好ましくは500〜7
00%、100%伸長後の残留伸び(PS100 )が80
%以下、好ましくは50〜75%、及び破断時応力(M
B )と降伏時応力(MY )との比(MB /MY )が1.
0以上、好ましくは1.5〜3.5の範囲にあることが
望ましい。
【0029】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物におい
ては、(A)成分のアタクチックポリプロピレンとし
て、沸騰ヘプタンに可溶性であって、数平均分子量(M
n)が25,000以上、好ましくは30,000〜6
0,000の範囲にあり、且つ重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが7以下、好
ましくは2〜6の範囲にあるものが用いられる。このM
nが25,000未満のものやMw/Mn比が7を超え
るものでは、得られる樹脂における該アタクチックポリ
プロピレンの力学特性への寄与効果が十分に発揮され
ず、得られる樹脂の破断時応力(MB )と降伏時応力
(MY )との比が1.0未満になったり、100%伸長
後の残留伸び(PS100 )が80%を超えたりして望ま
しくない。
【0030】この(A)成分のアタクチックポリプロピ
レンはプロピレンの単独重合体であってもよいし、プロ
ピレン単位と40重量%以下、好ましくは30重量%以
下の他の炭素数2〜30のα−オレフィン単位とを含有
するプロピレン共重合体であってもよい。また、このア
タクチックポリプロピレンは1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。このような(A)成
分のアタクチックポリプロピレンは公知の方法(特公平
6−23278号公報等)によって製造することができ
る。
【0031】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物におい
ては、(B)成分として、メルトインデックス(MI)
が0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性の結晶性
アイソタクチックポリプロピレンが用いられる。このメ
ルトインデックスが0.1g/10分未満では溶融特性
が低く、シート成形が困難になるし、4g/10分を超
えると機械的強度が不十分となってVカット加工が良好
に行えなくなる虞れがある。上記(B)成分のアイソタ
クチックポリプロピレンは、アイソタクチックの立体規
則性を有するプロピレン単独重合体であってもよいし、
該立体規則性を有するプロピレンと他のα−オレフィン
との共重合体であってもよい。このα−オレフィンとし
ては炭素数2〜8のもの、例えばエチレン、ブテン−1
ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などが好ま
しく、中でもエチレン及びブテン−1が好適である。ま
た該共重合体としては、前記のα−オレフィン単位を通
常40重量%以下、好ましくは30重量%以下含有する
ブロック共重合体やランダム共重合体が用いられる。
【0032】この(B)成分のアイソタクチックポリプ
ロピレンの好ましいものとしては、プロピレン単独重合
体、及びエチレン単位1〜30重量%、好ましくは3〜
25重量%を含有するプロピレンとエチレンとのランダ
ム共重合体又はブロック共重合体が挙げられる。このよ
うなアイソタクチックポリプロピレンの製造は従来の結
晶性ポリプロピレンの製造と同様に行うことができる。
【0033】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物におい
ては、この(B)成分のアイソタクチックポリプロピレ
ンは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。また、前記(A)成分のアタクチックポリプ
ロピレンと(B)成分のアイソタクチックポリプロピレ
ンは、(A)成分の含有量が10〜90重量%、好まし
くは25〜80重量%で、(B)成分の含有量が90〜
10重量%、好ましくは75〜20重量%になるような
割合で用いられる。該(A)成分の含有量が10重量%
未満では、樹脂の降伏時応力(MY )が大きくなりすぎ
て、破断時応力(MB )と降伏時応力(MY )との比M
B /MY 比が1.0未満となり、且つ100%伸長後の
残留伸び(PS100 )も80%より大きくなってしま
う。一方含有量が90重量%を超えると破断時応力(M
B )が小さくなりすぎて、該MB /MY 比が1.0未満
となり、且つ機械的強度が低下する虞れがある。また、
(B)成分の比率を高くすることにより、得られる軟質
ポリプロピレンのヤング率は高くなる。(A)成分と
(B)成分の特に好ましい比率は1:1である。
【0034】さらに基材シートとそこに積層するトップ
シートの2層構造を、基材シートを上述した高密度ポリ
エチレン樹脂、熱可塑性エラストマー、着色剤、及び無
機充填剤からなるシートとし、トップシートを上述した
アイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプ
ロピレンとの混合系からなる無色又は着色透明な軟質ポ
リプロピレン系樹脂からなるシートとすることで、それ
ぞれのシートに前記した化粧シートに求められる諸条件
を分担して持たせることができ、実用性の高い本発明の
化粧シートが得られる。
【0035】抗菌剤としては下記〜に記載のものが
使用できる。 抗菌性のAg+ ,Cu2+,Zn2+,Hg+ ,Ni2+
Cd2+等の金属イオン(特にAg+ が人体に無害であり
効果の持続性が高いので、安全性、実績面から望まし
い。)を、ゼオライト、アパタイト、ガラス、シリカゲ
ル、リン酸塩、リン酸ジルコニウム等のイオン交換体
(中でも特にゼオライト、燐酸ジルコニウムが実績、信
頼性が高い。)にイオン交換可能に担持させたもの(特
公昭63−54013号公報、特開平4−300975
号公報、特許第2529574号公報等に開示)。な
お、金属イオン含有量は、Ag+ の場合は0.1〜15
重量%、Cu2+又はZn2+の場合は0.1〜8重量%が
好ましい。 上記において、抗菌性イオンとして金属イオンに更
にアンモニウムイオンを加えたもの(特公平4−286
46号公報、特許第2529574号公報等に開示)。 抗菌性を有する有機化合物、例えばP−アミノベンゼ
ンスルホンアミド、スルファチアゾール、スルファピリ
ジン、スルファダイアジン等のスルファ剤、ジメチルジ
チオカルバメード、エチレンビスジチオカルバメート等
のジチオカルバミン酸塩、2−(2−フリル)−3−
(5−ニトロ−2フリル)アクリルアミド等。 抗菌性及び防黴性を有するトリメトキシシリルプロピ
ルオクタデシルアンモニウムクロライド、10.10’
−オキシビスフェノキシアルシン、2−(4−チアゾリ
ル)−ベンズイミダゾール、ビス(2−ピリジルチオ−
1−オキシド)亜鉛、2−N−オクチル−4−イソチア
ゾリン−3−オン、2,3,5,6−チトクロロ−4−
(メチルチオ)−フタルイミド、N−(フルオロジクロ
ロメチルチオ)フロルイミド、グリセオフルビン、トリ
コマイシン、アンホテリシンB等。 抗生物質、例えばフェノキシメチルペニシリン、ジク
ロキサシリン等のペニシリン、セファロチン、セファゾ
リン等のセファロスポリン、硫酸ストレプトマイシン、
パロモマイシン(硫酸塩)等のストレプトマイシン、エ
リスロマイシン、ジョサマイシン等のエリスロマイシ
ン、テトラサイクリン、硝酸ロリテトラサイクリン等の
テトラサイクリン、クロラムフェニコール、チアンフェ
ニコール・アミノ酢酸エステル塩酸塩等のクロラムフェ
ニコール等。
【0036】抗菌樹脂層における抗菌剤の含有量は1〜
30重量%で、抗菌剤を担持した粒子を樹脂に混ぜて使
用する場合は1〜20重量%の含有量とする。また、抗
菌樹脂層の厚さは5〜30μmとし、Tダイ押出し機に
て多層共押出しし、抗菌樹脂層が最表面にくるようにし
て基材シートに積層する。
【0037】印刷インキ層に用いるインキとしては、ト
ップシートとの間に易接着層を設ける場合は、塩素化ポ
リエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化オレフィ
ン系インキ、アミド系インキ、ウレタン系インキ、酢酸
ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース
系樹脂など一般的なオレフィン用のインキを用いる。易
接着層を設けない場合にはウレタン系高温反応型(15
0〜250℃)のインキが好適である。
【0038】印刷インキ層の模様としては、木目模様、
石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学図形、文字、記
号、線画、各種抽象模様等が挙げられるが、全面ベタ印
刷等でもよい。
【0039】基材シートの表面にインキ密着性を向上さ
せるためのプライマー層を設けることにより、印刷イン
キのベヒクルの選択の幅が広がる。同様のことは印刷イ
ンキ層と易接着層との間についても言えるが、工程数が
増すため必要とする密着強度との兼ね合いで決定する。
プライマー層の樹脂としては、アクリル、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩
素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が用いられ
るが、特にポリウレタンが好ましい。
【0040】上記の基材シートとトップシートとの積層
は、ダブリング或いはダブリングエンボス等の熱融着に
よって行う。ダブリングエンボスに使用するエンボス版
は、例えば木材表面の如き凹凸の状態を電鋳法により写
し取って導管のエンボス模様を形成してなるもの、或い
は、例えば木材表面の如き凹凸の状態を写真製版法によ
り写し取って作成した原版を用いてフォトエッチング法
により導管のエンボス模様を形成してなるものが好まし
い。また、例えば石目柄の場合には割れ目等を含む石材
表面の凹凸の状態を同様に写し取ることができる。この
ようなエンボス版を用いて加熱加圧成形して凹陥模様を
形成するものである。
【0041】トップシート表面における凹陥模様の凹部
に着色剤を充填してもよく、この着色剤としては、例え
ば、セラック、コーバル、ダンマル、ロジン、ロジンエ
ステル等の天然樹脂又はその変成樹脂類、ニトロセルロ
ース、アセチルセルロース、エチルセルロース、ベンジ
ルセルロース等のセルロース誘導体類、フェノール系樹
脂、尿素系樹脂、フタル酸系樹脂、マレイン酸系樹脂、
メラミン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール、エポキシ系樹脂、シリコン樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、その他の合成樹脂類、その他塩化ゴム、環化ゴ
ム、合成ゴム等ゴム誘導体等をビヒクルの構成材料と
し、ビヒクル中に着色剤、沈降性硫酸バリウム等の体質
顔料、可塑剤等を添加してなる塗料若しくはインキが用
いられる。そして、透明熱可塑性樹脂シートにアクリル
シートを用いた場合には、アクリル系又はウレタン系水
性エマルジョンタイプの透明乃至不透明着色インキを使
用するのが好ましい。
【0042】この着色塗料或いはインキは、ロールコー
ト或いはナイフコートにてシート表面凹部にコーティン
グした後、ドクターブレード或いはワイピングペーパー
等で掻き取ることにより、シート凸部のコーティングし
た着色塗料若しくはインキを除去し、凹部にのみ着色塗
料若しくはインキを残すようにして充填する。ここにお
いて、凹部の部分にのみ塗料若しくはインキ組成物が残
るように塗料若しくはインキ組成物の粘度、ロールの回
転数、ドクターの刃先角度、厚み、シートスピード、ワ
イピングペーパーのスピード、ゴムロールの硬度等を調
製することが必要である。この着色塗料若しくはインキ
の色調は、例えば木目柄の場合には導管と同一若しくは
類似であり、また、例えば石目柄の場合には割れ目と同
一若しくは類似であることが望ましい。
【0043】化粧シート表面の艶を調節するため表面樹
脂コート層を施す場合があるが、一般に樹脂塗布量は数
μm厚であるためキズが付いた場合は下のトップシート
までキズが届いてしまう。これを防止するためには表面
樹脂コート層とその下の樹脂層の両方に抗菌剤を含有し
ておく必要がある。この場合、下地の抗菌樹脂層は表面
樹脂コート層の厚み分だけ薄くてもよい。この表面樹脂
コート層としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、
エポキシ樹脂などの透明又は半透明な樹脂が使用され、
トップシートの表面側にアクリル樹脂を用いた場合に
は、アクリル系又はウレタン系水性エマルジョンタイプ
のものを使用するのが好ましい。そして、グラビアコー
ト、或いはロールコート、ナイフコート、エアーナイフ
等の方法で塗工する。
【0044】本発明で製造される化粧シートは各種用途
の表面装飾材として使用できる。例えば、壁、床、天井
等の建築物内装材、間仕切、家具等の什器、自動車、電
車等の車輛内装材、厨房、浴槽、浴室等の住設器機、
袋、箱等の容器等の表面に積層して用いられる。特に抗
菌性という観点から、病院、食堂、浴室の内装、食品関
係の容器、厨房、浴槽等の用途に適するものである。
【0045】
【実施例】
(実施例1)オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂か
らなる厚さ100μmの基材シート(日本石油化学製
「ソフトレックス」)に、塩化ビニル系樹脂インキ(昭
和インク工業所製「化X」)を用いて柾目柄印刷を施し
て印刷シートとした。
【0046】上記印刷シートにおける印刷面の上に、多
層押出し機により溶融状態の透明オレフィン系熱可塑性
エラストマーを2層で押し出してトップシートとして積
層し、これと同時にエンボス加工を施した。この実施例
では、印刷面側の層に出光石油化学工業製「E−260
0」を使用し、最表面側の層はこれに銀イオン系のゼオ
ライト抗菌剤(シナネン製「ゼオミック」)を5重量%
含有させたものを使用した。この抗菌剤は、粒径分布が
2〜5μm、銀含有量が2.5重量%、亜鉛含有量が1
4.5重量%である。積層したトップシートにおける基
材シート側の透明オレフィン系熱可塑性エラストマー樹
脂層の厚さは80μm、抗菌樹脂層の厚さは20μmで
ある。
【0047】(実施例2)実施例1で得られた化粧シー
トにワイピング処理と表面樹脂コート層を形成して意匠
性に優れた化粧シートを得た。具体的には、エンボス加
工面にコロナ処理を施した後、アクリルウレタン系の着
色インキ(昭和インク工業所製「W−141」)でワイ
ピング処理を施した。また、表面コート樹脂としてウレ
タン系樹脂(昭和インク工業所製「OP、No.8
0」)に抗菌剤(シナネン製「ゼオミック」)を5重量
%含有させたものを使用した。
【0048】(実施例3)オレフィン系熱可塑性エラス
トマー樹脂からなる厚さ100μmの基材シート(日本
石油化学製「ソフトレックス」)に、2液硬化型ポリエ
ステルからなる樹脂インキ(昭和インク工業所製「AF
S」を用いてプライマー層を形成し、その上から同様に
して柾目柄印刷を施し、その上から塩化ビニル系樹脂イ
ンキ(昭和インク工業所製「化X」)を用いて柾目柄印
刷を施して印刷シートとした。
【0049】上記印刷シートにおける印刷面の上に、多
層押出し機により溶融状態の透明オレフィン系熱可塑性
エラストマーを3層で押し出してトップシートとして積
層し、これと同時にエンボス加工を施した。この実施例
では、印刷面側に易接着層として三井石油化学工業製
「アドマーQF305」を使用し、中間層に出光石油化
学工業製「E−2600」を使用し、最表面側の層はこ
れに銀イオン系のゼオライト抗菌剤(シナネン製「ゼオ
ミック」)を5重量%含有させたものを使用した。積層
したトップシートにおける易接着層の厚さは20μm、
中間層の厚さは60μm、抗菌樹脂層の厚さは20μm
である。
【0050】(実施例4)実施例3で得られた化粧シー
トに、実施例と同様にしてワイピング処理と表面樹脂コ
ート層を形成して意匠性に優れた化粧シートを得た。
【0051】(比較例1)実施例1において、抗菌樹脂
層を形成するのに用いた樹脂から抗菌剤を除いた樹脂を
使用してトップシートを積層し、その他は実施例1と同
様にして化粧シートを作製した。
【0052】(比較例2)実施例2に於いて、表面樹脂
コートとして抗菌剤を添加していないものを用いて化粧
シートを作製した。その他は実施例2と同様にした。
【0053】(比較例3)実施例3において、抗菌樹脂
層を形成するのに用いた樹脂から抗菌剤を除いた樹脂を
使用してトップシートを積層し、その他は実施例3と同
様にして化粧シートを作製した。
【0054】(比較例4)実施例4に於いて、表面樹脂
コートとして抗菌剤を添加していないものを用いて化粧
シートを作製した。その他は実施例4と同様にした。
【0055】(抗菌性試験)上記各実施例で作製した化
粧シートと各比較例で作製した化粧シートについて下記
の方法で細菌に対する抑制効果を試験した。 試験菌株 ・エッシェリシア・コリ(Escherichia coli IFO 3301)
(大腸菌、以下「E.coli」と記す) ・メチシリン レジスタント スタフィロコッカス・ア
ウレウス (MethicillinResistant Staphylococcus aure
us)(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、以下「MRS
A」と記す) 試験菌液の調整 普通ブイヨン培地(栄研化学(株)製)で35℃、16
〜20時間振盪培養した試験菌の培養液を滅菌燐酸緩衝
液で20,000倍に希釈して菌液とした。また、菌液
は別途生菌数を測定した。 抗菌性試験 検体(化粧シート)の抗菌性塗膜面、或いは抗菌剤を混
合してなるシートの表面に菌液1mlを滴下し、25℃
で24時間保存後に菌数を測定して、検体の抗菌性能を
判定した。なお、対照試料としてシャーレに菌液1ml
を滴下し、同様に試験した。 生菌数の測定 24時間保存した検体及び対照試料をSCDLP(Soy
Casein Digest Lecithin Polysorbate)培地(日本製薬
(株)製)10mlで洗い出し、この洗い出し液につい
て標準寒天培地(栄研化学(株)製)を用いた混釈平板
培養法(35℃、2日間培養)により生菌数を測定し、
検体及び対照試料当たりの菌数を算出した。
【0056】試験結果は表1に示すとおりで、実施例で
作製した化粧シートは殺菌効果が優れており、本発明で
製造する化粧シートの抗菌性能が実証できた。
【0057】
【表1】
【0058】すなわち、実施例1〜4で作製した化粧シ
ートでは、24時間後の時点で、E.coliについて
は初期菌数1.2×105 個からそれぞれ30個と80
個に、MRSAについては初期菌数1.7×105 個か
らそれぞれ10個以下と30個に減少しており、E.c
oli及びMRSAに対する化粧シートの殺菌率は9
9.99%以上である。これに対して、各比較例で作製
した化粧シートでは、E.coli及びMRSAに対す
る殺菌率は殆ど変化なく、殺菌効果は不十分である。
(通常、微生物を殺菌する場合、初期菌数から2桁や3
桁の殺菌率、すなわち殺菌率99%や99.9%では殺
菌効果が十分とは言い難い。)
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
衛生的な環境を必要とする場所で使用する各種備品(家
電製品、キッチン扉、家具等)の表面化粧材として、ラ
ミネートやラッピング加工、V加工、R加工等の加工適
性が良好で、且つ表面に多少摩耗を受けてもまた傷が付
いても高い抗菌性能を保持する化粧シートを安価に供給
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化粧シートの一形態を示す断面図
である。
【図2】本発明に係る化粧シートの別の形態を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 基材シート 2 印刷インキ層 3 トップシート 4 表面樹脂コート層 5 プライマー層 6 易接着層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色顔料又は着色顔料と充填材を含有し
    た不透明なオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂から
    なる基材シート上に任意の印刷インキ層を設け、さらに
    その上に透明オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂層
    を溶融押出しによりトップシートとして積層すると同時
    にエンボス加工を施してなる化粧シートにおいて、前記
    トップシートを多層共押出しにより形成し、そのうちの
    最表面にくる層を抗菌剤を含有した抗菌樹脂層としたこ
    とを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 抗菌樹脂層の上にさらに抗菌剤を含有し
    た表面樹脂コート層を形成した請求項1に記載の化粧シ
    ート。
JP3482597A 1997-02-19 1997-02-19 化粧シート Pending JPH10230579A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3482597A JPH10230579A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 化粧シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3482597A JPH10230579A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 化粧シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10230579A true JPH10230579A (ja) 1998-09-02

Family

ID=12424987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3482597A Pending JPH10230579A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 化粧シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10230579A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000301673A (ja) * 1999-04-20 2000-10-31 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート
JP2000301672A (ja) * 1999-04-20 2000-10-31 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート
JP2007168447A (ja) * 2007-02-15 2007-07-05 Toppan Printing Co Ltd 抗菌化粧シート
JP2012237090A (ja) * 2012-09-12 2012-12-06 Dainippon Printing Co Ltd 防カビ性を有する発泡壁紙
EP2990195B1 (de) * 2014-08-25 2019-05-01 Profol Kunststoffe GmbH Geprägte und schmelzekaschierte mehrschichtverbundfolie
US10696471B2 (en) 2017-10-31 2020-06-30 Medline Industries, Inc. Enclosure for gloves with antimicrobial ink coating and methods for making the same

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000301673A (ja) * 1999-04-20 2000-10-31 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート
JP2000301672A (ja) * 1999-04-20 2000-10-31 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート
JP2007168447A (ja) * 2007-02-15 2007-07-05 Toppan Printing Co Ltd 抗菌化粧シート
JP2012237090A (ja) * 2012-09-12 2012-12-06 Dainippon Printing Co Ltd 防カビ性を有する発泡壁紙
EP2990195B1 (de) * 2014-08-25 2019-05-01 Profol Kunststoffe GmbH Geprägte und schmelzekaschierte mehrschichtverbundfolie
US10464283B2 (en) 2014-08-25 2019-11-05 Profol Kunstsoffe GmbH Embossed and hot-melt laminated multilayer composite film
US10696471B2 (en) 2017-10-31 2020-06-30 Medline Industries, Inc. Enclosure for gloves with antimicrobial ink coating and methods for making the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1839835B1 (en) Decorative sheets
CN1267288C (zh) 金属化喷墨基材和含有它的制品
KR101816875B1 (ko) 폴리프로필렌 친환경 바닥재 및 이의 시공방법
JPH10217407A (ja) 化粧シート及びその製造方法
JPH11262983A (ja) 抗菌性化粧シート
JPH10230579A (ja) 化粧シート
JPH1158643A (ja) 抗菌性化粧シート
JP2001181413A (ja) 化粧シート
JP3720933B2 (ja) 抗菌性化粧シート
JPH11147292A (ja) 積層シート及びそれを用いた化粧シート
JPH10119197A (ja) 抗菌性能を有する化粧シート
JPH10157026A (ja) 化粧シート
JP4199988B2 (ja) 化粧シート
JP4108185B2 (ja) 化粧シート
JP3912831B2 (ja) 化粧シートの製造方法
JPH11262980A (ja) 化粧シートおよびその製造方法
JPH10250013A (ja) 帯電防止性化粧シート
JP4125829B2 (ja) 化粧シート
JPH11240116A (ja) 化粧シート
JP2000129206A (ja) 上塗り層用組成物及び化粧シート
JPH11147293A (ja) 高接着性化粧シート
JP2001162744A (ja) 化粧シート
MXPA04011079A (es) Pelicula de liberacion de sello frio con resistencia al desgaste mejorada.
JP2000094593A (ja) 化粧シート
JP7375270B2 (ja) 樹脂シート