JPH10230534A - 射出圧縮成形方法およびこの方法に用いる射出圧縮成形用金型装置 - Google Patents

射出圧縮成形方法およびこの方法に用いる射出圧縮成形用金型装置

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JPH10230534A
JPH10230534A JP9036738A JP3673897A JPH10230534A JP H10230534 A JPH10230534 A JP H10230534A JP 9036738 A JP9036738 A JP 9036738A JP 3673897 A JP3673897 A JP 3673897A JP H10230534 A JPH10230534 A JP H10230534A
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    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ICカードのような薄肉部を有する製品を射
出圧縮成形するとき、薄肉部に相当する部分に充填され
た成形材料が圧縮を妨げるのを防ぐ。 【解決手段】 可動型13に、ICカードの薄肉部を形成
する可動入子51を組み付る。この可動入子51をスプリン
グ56により固定型11の方へ付勢する。可動入子51が固定
型11に突き当たった状態で、キャビティ13内に樹脂を充
填する。その後、キャビティ13の容積を小さくして、こ
のキャビティ13内の樹脂を圧縮する。この圧縮に伴う樹
脂の圧力の増大により可動入子51が移動し、固定型11か
ら離れる。この段階で初めて、前記薄肉部に相当する部
分に樹脂が充填され、この部分の樹脂が軟らかいうちに
樹脂が圧縮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば熱可塑性樹
脂などの成形に利用される射出圧縮成形方法およびこの
方法に用いる射出圧縮成形用金型装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】図5は、樹脂により成
形される薄肉製品の一例であるICカードPの本体部を
示している。このICカードPは、厚さが1.2mm 程度の
ほぼ矩形平板状になっており、一方の面が平坦面になっ
ているとともに、他方の面には凹部からなるICチップ
装着部P1が形成されている。このICチップ装着部P1の
中央部にはさらに凹部P2が形成されている。したがっ
て、ICカードPにおいて、ICチップ装着部P1は他の
部分よりも薄い薄肉部をなしており、凹部P2はさらに薄
い薄肉部をなしている。この凹部P2におけるICカード
Pの厚さは0.16mm程度である。
【0003】前記ICカードPのような薄肉製品の成形
では、充填不良や精度不良などの問題を生じやすいの
で、射出圧縮成形が利用されることもある。この射出圧
縮成形では、図6に実線で示すように、例えば、閉じた
固定型1と可動型2との間に形成されたキャビティ3内
に成形材料である溶融した熱可塑性樹脂を射出して充填
し(充填工程)、その後、鎖線で示すように、固定型1
と可動型2とをさらに閉じて、ICカードPとなるキャ
ビティ3内の樹脂を圧縮する(圧縮工程)。このように
最終的な製品形状よりも容積を大きくしたキャビティ3
内に樹脂を充填することにより充填不良を防ぐととも
に、その後、キャビティ3内の樹脂を圧縮することによ
り精度向上を図るものである。なお、図6において、4
はICチップ装着部P1を形成するための入子であり、こ
の入子4の先端面には、凹部P2を形成するための凸部5
が形成されている。そして、従来の金型装置において、
入子4は、可動型2に固定して設けられていた。
【0004】ところで、溶融した熱可塑性樹脂がキャビ
ティ3内に充填されるとき、このキャビティ3の壁面に
接する樹脂の表面層は、速く冷却して硬くなり、いわゆ
るスキン層を形成する。ところが、特にICカードPに
おける凹部P2のある部分は非常に薄いので、全体の厚さ
に対するスキン層の割合が高くなり、圧縮工程前にほぼ
全体が硬くなってしまう。そのため、この凹部P2のスキ
ン層により圧縮が妨げられ、成形されたICカードPが
規格よりも厚くなってしまう問題を生じる。
【0005】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、ICカードのような薄肉部を有する製品
を射出圧縮成形するに際して、薄肉部に相当する部分に
充填された成形材料によって圧縮が妨げられることを防
止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
目的を達成するために、互いに開閉し型閉時に相互間に
製品形状のキャビティを形成する複数の型体を備えた金
型装置を用い、前記キャビティ内に成形材料を充填した
後、前記キャビティの容積を小さくすることによりこの
キャビティ内の成形材料を圧縮する射出圧縮成形方法に
おいて、前記複数の型体のうちの第1の型体に、他の第
2の型体に対して接近、離反し製品の薄肉部を形成する
可動入子を可動に組み付け、この可動入子が前記第2の
型体に接近した状態で前記キャビティ内に成形材料を充
填した後、前記可動入子を前記第2の型体から離反させ
るとともに、前記キャビティ内の樹脂を圧縮するもので
ある。
【0007】これにより、キャビティにおける製品の薄
肉部に相当する部分には、他の部分よりも遅れて成形材
料が充填され、薄肉部に相当する部分の成形材料がまだ
軟らかいうちにキャビティ内の樹脂が圧縮される。した
がって、薄肉部に相当する部分の成形材料により妨げら
れることなく、圧縮が円滑に行われる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明の射出
圧縮成形方法に用いる射出圧縮成形用金型装置であっ
て、互いに開閉し型閉時に相互間に製品形状のキャビテ
ィを形成する複数の型体を備え、これら複数の型体のう
ちの第1の型体に、他の第2の型体に対して接近、離反
し製品の薄肉部を形成する可動入子を可動に組み付ける
とともに、この可動入子をばねにより前記第2の型体へ
向けて付勢し、前記ばねが可動入子を付勢する力を、前
記キャビティ内に成形材料を充填するときには前記可動
入子が前記第2の型体に接近した状態が保たれ、かつ、
前記キャビティ内の成形材料を圧縮するときこの成形材
料の圧力により前記可動入子が前記第2の型体から離反
する大きさに設定したものである。
【0009】したがって、キャビティが空の状態では、
ばねの力により可動入子が第2の型体に接近した状態に
あり、この状態で、キャビティ内に成形材料が充填され
る。その後、キャビティ内の成形材料が圧縮されるが、
これに伴って、キャビティ内の成形材料の圧力が高まる
と、この圧力により、ばねの力に抗して可動入子が第2
の型体から離反し、キャビティにおける製品の薄肉部に
相当する部分に成形材料が充填される。
【0010】請求項3の発明は、請求項1の発明の射出
圧縮成形方法に用いる射出圧縮成形用金型装置であっ
て、互いに開閉し型閉時に相互間に製品形状のキャビテ
ィを形成する複数の型体を備え、これら複数の型体のう
ちの第1の型体に、他の第2の型体に対して接近、離反
し製品の薄肉部を形成する可動入子を可動に組み付ける
とともに、この可動入子を駆動する駆動手段を設け、当
初前記可動入子が前記第2の型体に接近した状態にな
り、前記キャビティ内に成形材料を充填する工程ないし
キャビティ内の成形材料を圧縮する工程の間に前記可動
入子が前記第2の型体から離反するように前記駆動手段
を制御する制御手段を備えたものである。
【0011】この制御手段の制御により、駆動手段は、
当初可動入子を第2の型体に接近した状態にし、この状
態で、キャビティ内に成形材料が充填される。しかし、
この充填の工程の間ないしその後キャビティ内の成形材
料を圧縮する工程の間に、制御手段の制御により、駆動
手段が可動入子を移動させて第2の型体から離反させ
る。これに伴い、キャビティにおける製品の薄肉部に相
当する部分に成形材料が充填される。
【0012】
【発明の実施形態】以下、本発明の第1実施例につい
て、図1から図3を参照しながら説明する。本実施例
は、一種の射出圧縮成形である高圧射出成形(型内計量
圧縮成形)を例に採ったものであり、成形される製品は
前述したICカードPである。なお、図面においては、
分かりやすくするために、ICカードPの厚さを誇張し
て表してある。
【0013】まず、射出圧縮成形用金型装置の構成を説
明する。11は第2の型体としての固定型、12は第1の型
体としての可動型で、これら固定型11および可動型12
は、図示上下方向に移動して互いに開閉し、型閉時に相
互間に製品形状のキャビティ13を複数形成するものであ
る。なお、製品であるICカードPの厚さ方向が固定型
11および可動型12の型開閉方向に一致させてある。
【0014】前記固定型11は、射出成形機の固定側プラ
テン(図示していない)に取り付けられる固定側取り付
け板16と、この固定側取り付け板16の可動型12側の面に
固定された固定側受け板17とを有している。また、固定
側取り付け板16にはローケートリング18およびスプルー
ブッシュ19が固定されている。このスプルーブッシュ19
は、射出成形機に設けられた材料供給装置である加熱シ
リンダー装置のノズル20が接続されるもので、内部が材
料通路であるスプルー21になっており、固定側受け板17
を貫通して可動型12側へ突出している。
【0015】また、固定側受け板17の可動型12側には、
移動体である移動板26が前記型開閉方向に所定範囲移動
可能に支持されている。そして、固定側受け板17の可動
型12側にストッパー28とともにボルト29により固定され
たスリーブ30が移動板26を摺動自在に貫通している。な
お、ストッパー28は、可動型12側から移動板26に当たる
ことにより、この移動板26と固定型11の固定側受け板17
との間の最大隙間すなわち最大開き量を規制するもので
ある。また、固定側取り付け板16と移動板26との間に圧
縮状態で挟まれたスプリング31により、移動板26は、固
定側取り付け板16に対して可動型12の方へ付勢されてい
る。そして、前記スプルーブッシュ19の先端部が移動板
26に形成された貫通孔32に摺動自在に嵌合されている。
【0016】また、前記固定型11には、固定側取り付け
板16と固定側受け板17とにより挟まれて筒状のキャビテ
ィ入子36が固定されている。凸部をなすこのキャビティ
入子36は、固定側受け板17を貫通して可動型12側へ突出
しているとともに、移動板26に形成された貫通孔37を摺
動自在に貫通している。
【0017】前記可動型12は、射出成形機の可動側プラ
テンに取り付けられる可動側取り付け板(図示していな
い)と、この可動側取り付け板の固定型11側の面に固定
された可動側受け板41と、この可動側受け板41の固定型
11側の面に固定された可動側型板42とを有している。こ
の可動側型板42は、前記固定型11側の移動板26に突き当
たって閉じるものであるが、これら可動側型板42および
移動板26の相互の案内のために、移動板26にはガイド入
子43が固定されており、可動側型板42には、ガイド入子
43が摺動自在に嵌合される貫通孔44が形成されている。
そして、可動側型板42には、前記固定型11のキャビティ
入子36が挿脱自在にかつ摺動自在に嵌合される凹部45が
形成されている。これらキャビティ入子36と凹部45との
嵌合面は、前記型開閉方向と平行な柱面をなしている。
そして、最終的な製品形状のキャビティ13は、キャビテ
ィ入子36と凹部45とにより形成されるようになってい
る。すなわち、キャビティ入子36の先端面がICカード
Pの一方の面を形成し、凹部45の底面がICカードPの
他方の面を形成し、凹部45の内周面がICカードPの側
面を形成するものである。
【0018】さらに、閉じた移動板26と可動側型板42と
の間には、前記スプルー21に通じる材料通路であるラン
ナー46と、このランナー46からキャビティ13へのゲート
47とが形成されるようになっている。このゲート47は、
キャビティ入子36と凹部45とが互いに嵌合することによ
り閉じられるものである。なお、スプリング31が移動板
26を付勢する力は、ランナー46内の樹脂Rの圧力に抗し
て移動板26と可動型12とが閉じた状態が保たれる力に設
定してある。
【0019】また、この可動型12には、ICカードPの
ICチップ装着部P1および凹部P2を形成するための可動
入子51が前記型開閉方向へ所定範囲可動に組み付けられ
ている。この可動入子51は、固定型11と可動型12とが型
閉した状態で、可動側受け板41および可動側型板42に対
して移動することにより、固定型11のキャビティ入子36
に対して開閉するものである。可動入子51の組み付けの
ために、可動側型板42に通孔52が形成されているととも
に、可動側受け板41における可動側型板42側の面に、前
記通孔52よりも開口面積の大きい凹部53が形成されてい
る。この凹部53の底面はストッパー面54をなしている。
そして、可動入子51は、可動側型板42の通孔52内に摺動
自在に嵌合されており、また、可動入子51における可動
側受け板41の端部に形成された鍔部55が可動側受け板41
の凹部53内に摺動自在に嵌合されている。そして、可動
入子51は、その鍔部55が可動側型板42ないし凹部53のス
トッパー面54に突き当たることにより移動範囲が規制さ
れるようになっている。これとともに、可動入子51は、
可動側受け板41内に組み付けられたばねとしてのスプリ
ング56により固定型11の方へ常時付勢されている。そし
て、このスプリング56が可動入子51を付勢する力は、後
で詳述する充填工程に際して可動入子51がキャビティ入
子36に突き当たった状態に保たれ、圧縮工程に際してキ
ャビティ13内の樹脂の圧力により可動入子51がキャビテ
ィ入子36から離れる大きさに設定されている。このよう
に可動入子51は、先端部が可動側型板42の凹部45内に突
出するものであるが、可動入子51の先端面には、ICカ
ードPの凹部P2を形成する凸部57が形成されている。
【0020】つぎに、前記金型装置を用いた射出圧縮成
形方法について説明する。射出成形機の図示していない
型締装置は、まず比較的弱い一定の型締力で固定型11と
可動型12とを型閉する。このとき、図1に示すように、
固定型11側の移動板26と可動型12の可動側型板42とが突
き当たって閉じる。一方、固定型11の固定側受け板17と
移動板26とは所定の開き量A1をもって開いている。すな
わち、型締力とスプリング31の力とが釣り合っている。
そして、固定型11のキャビティ入子36は可動型12の凹部
45に嵌合しておらず、開いたゲート47によりランナー46
とキャビティ13とが互いに連通している。また、可動型
12の可動入子51は、スプリング56の付勢によりキャビテ
ィ入子36の先端面に突き当たって閉じた状態になる。
【0021】この状態で、加熱シリンダー装置のノズル
20からスプルー21へ成形材料である溶融した熱可塑性樹
脂を射出する。この樹脂は、スプルー21からランナー46
およびゲート47を通ってキャビティ13内に充填される
(充填工程)。このようにキャビティ13内に樹脂が充填
されるとき、この樹脂の量に応じて、固定側受け板17と
移動板26との開き量が適宜大きくなり、キャビティ13の
容積が大きくなる。この開き量は、型締力とスプリング
31の力およびキャビティ13内の樹脂の圧力との均衡によ
り決まる。これにより、キャビティ13内の樹脂の圧力が
一定に調整される(調圧工程)。一方、この調圧工程を
含めた充填工程の間、可動入子51は、スプリング56の付
勢によりキャビティ入子36に突き当たった状態に保たれ
る。なお、前述のように固定側受け板17と移動板26との
開き量が変化するのに伴い、可動入子51は、可動側型板
42および可動側受け板41に対して摺動する。
【0022】前記充填工程の完了後、型締装置が型締力
を強め、固定型11と可動型12とが最終的に閉じる。その
際、固定型11の固定側受け板17と移動板26とが閉じてい
く。それに伴い、キャビティ13の容積が小さくなってい
き、キャビティ13内の余分な樹脂は、まだ開いているゲ
ート47からランナー46へ戻り、金型装置内の樹脂は、加
熱シリンダー装置内に戻る。そして、図2に示すよう
に、キャビティ入子36が可動側型板42の凹部45に嵌合し
始めるとゲート47が閉じ、この時点で、キャビティ13内
に一定量の樹脂が残る(計量工程)。なお、この計量工
程に際しても、可動入子51は、スプリング56の付勢によ
りキャビティ入子36に突き当たった状態に保たれる。
【0023】その後は、図3に示すように、固定側受け
板17と移動板26とが互いに突き当たるまで閉じ、それに
伴い、キャビティ13内の樹脂が加圧されて圧縮される
(圧縮工程)。その圧縮量は、計量工程の終了時点での
固定側受け板17と移動板26との開き量A2に等しい。ま
た、この圧縮工程に際して、キャビティ13内の樹脂の圧
力が高まると、この圧力が凸部57を除く可動入子51の先
端面に加わることにより、スプリング56の力に抗して、
可動入子51が移動し、キャビティ入子36から離れる。こ
のように、いったん可動入子51がキャビティ入子36から
離れれば、可動入子51の凸部57の先端面にも圧力が加わ
り、可動入子51は確実に移動し、最終的には可動入子51
の鍔部55が可動側受け板42のストッパー面54に突き当た
る。これにより、可動入子51が所定位置に位置規制され
る。そして、可動入子51とキャビティ入子36との間にで
きた隙間、すなわち、ICカードPのICチップ装着部
P1の凹部P2に相当する部分に樹脂が充填される。以上の
圧縮工程により、製品の密度が高められる他、樹脂の冷
却による固化に伴う収縮が補償される。
【0024】そして、キャビティ13内の樹脂が十分に冷
却して固化した後、型締装置により固定型11と可動型12
とが型開される。それに伴い、キャビティ13内の樹脂す
なわち成形されたICカードPとスプルー21およびラン
ナー46内で固化した樹脂Rは、まず固定型11から離れ
る。ついで、可動型12側に設けられた図示していないラ
ンナー突き出しピンがスプルー21およびランナー46内で
固化した樹脂Rを突き出して可動型12から離型させると
ともに、可動型12側に設けられた図示していない製品突
き出しピンがICカードPを突き出して可動型12から離
型させる。さらに、スプルー21およびランナー46内で固
化した樹脂Rおよび製品Pが取り出された後、再び型閉
が行われ、以上の工程が繰り返される。
【0025】以上のように、前記実施例の構成によれ
ば、調圧工程により、射出成形機から供給される樹脂の
量の誤差を吸収し、かつ、その後の計量工程において型
内計量を行うようにしたので、キャビティ13内に充填さ
れる樹脂の量を正確に制御でき、その後の圧縮工程によ
りキャビティ13内の樹脂を圧縮することとあいまって、
品質の安定した高精度のICカードPを成形できる。
【0026】また、前記可動入子51の動作のために、キ
ャビティ13におけるICカードPのICチップ装着部P1
およびその凹部P2に相当する部分すなわち薄肉部に相当
する部分には、他の部分よりも遅れて樹脂が充填される
ことにより、薄肉部に相当する部分の樹脂がまだ軟らか
いうちにキャビティ13内の樹脂が圧縮される。したがっ
て、薄肉部に相当する部分の樹脂により妨げられること
なく、圧縮が円滑に行われる。これにより、成形される
ICカードPの寸法精度も向上し、ICカードPの厚さ
を規格通りのものにできる。
【0027】しかも、可動入子51は、スプリング56の力
とキャビティ13内の樹脂の圧力との均衡により動作する
ようにしたので、可動入子51を動作させるための構成が
簡単であり、金型製作が容易になるとともに、安価にで
きる。
【0028】つぎに、本発明の第2実施例について、図
4を参照しながら説明する。なお、本第2実施例の射出
圧縮成形方法および射出圧縮成形用金型装置は、前記第
1実施例とほぼ同様の構成を有するものなので、この第
1実施例と対応する部分には同一符号を付して、その説
明を省略する。本第2実施例は、可動型12において、可
動入子51を駆動手段としての油圧アクチュエーター61に
より駆動するようにしたものである。この油圧アクチュ
エーター61は、油圧回路およびコンピューターなどによ
り構成された制御手段62により、固定型11および可動型
12の開閉と連動して制御されるようになっている。な
お、駆動手段としては、油圧アクチュエーター61の他、
電動機など、適宜のものを利用することができる。
【0029】そして、成形に際して、調圧工程を含めた
充填工程時には、図4に鎖線で示すように、制御手段62
により制御される油圧アクチュエーター61の駆動により
可動入子51は、固定型11のキャビティ入子36に突き当た
って閉じた状態になっている。その後、計量工程の途中
あるいは圧縮工程の開始時などの適当な時点で、実線で
示すように、油圧アクチュエーター61の駆動により可動
入子51が移動してキャビティ入子36から離れる。この段
階で初めて、キャビティ13におけるICカードPの薄肉
部に相当する部分に樹脂が充填される。したがって、前
記第1実施例と同様、薄肉部に相当する部分の樹脂によ
り妨げられることなく、圧縮が円滑に行われる。
【0030】また、本第2実施例では、キャビティ13内
の樹脂の圧力とは関係なく、油圧アクチュエーター61に
より可動入子51を駆動するので、この可動入子51を確実
に動作させることができる。これとともに、可動入子51
の動作のタイミングを任意に設定できる。すなわち、圧
縮工程中に限らず、充填工程中あるいは計量工程中など
の適宜の時点で可動入子51をキャビティ入子36から離し
て、キャビティ13におけるICカードPの薄肉部に相当
する部分に樹脂を充填することができる。
【0031】さらに、樹脂の圧力を利用して可動入子51
を動作させる場合には、この可動入子51に型開閉方向に
おいて樹脂の圧力を受ける部分が必要であり、製品の薄
肉部の形状によっては、可動入子51を固定型11に突き当
てることができない。これに対して、本第2実施例のよ
うに、油圧アクチュエーター61により可動入子51を駆動
するのであれば、薄肉部の形状により制約を受けること
はない。
【0032】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、圧縮工程前、可動入子51が固定型11の
キャビティ入子36に突き当たるようにしたが、必ずしも
可動入子が固定型に突き当たる必要はなく、可動入子と
固定型との間に隙間があってもよい。また、前記実施例
では、可動型12に製品の薄肉部を形成する可動入子51を
組み付けていたが、固定型の方に製品の薄肉部を形成す
る可動入子を組み付けることも可能である。また、前記
実施例では、成形される製品がICカードであったが、
本発明は、ICカード以外にも、他の部分よりも厚さの
薄い薄肉部を有する製品一般の成形に利用できる。さら
に、前記実施例では、高圧射出成形を例に採って説明し
たが、本発明は、高圧射出成形以外の射出圧縮成形にも
利用できる。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明の射出圧縮成形方法によ
れば、互いに開閉する複数の型体のうちの第1の型体
に、他の第2の型体に対して接近、離反し製品の薄肉部
を形成する可動入子を組み付け、この可動入子が第2の
型体に接近した状態でキャビティ内に成形材料を充填し
た後、可動入子を第2の型体から離反させるとともに、
キャビティ内の樹脂を圧縮するので、薄肉部に相当する
部分の成形材料がまだ軟らかいうちにキャビティ内の樹
脂を圧縮でき、したがって、薄肉部に相当する部分に充
填された成形材料によって圧縮が妨げられることを防止
でき、成形される製品の寸法精度も向上できる。
【0034】請求項2の発明の射出圧縮成形用金型装置
によれば、可動入子をばねにより第2の型体へ向けて付
勢し、ばねが可動入子を付勢する力を、キャビティ内に
成形材料を充填するときには可動入子が第2の型体に接
近した状態が保たれ、かつ、キャビティ内の成形材料を
圧縮するときこの成形材料の圧力により可動入子が第2
の型体から離反する大きさに設定したので、請求項1の
発明の方法を実施でき、また、成形材料の圧力を利用す
ることにより、可動入子を動作させるための構成を簡単
にでき、金型製作が容易になるとともに、安価にでき
る。
【0035】請求項3の発明の射出圧縮成形用金型装置
によれば、可動入子を駆動する駆動手段と、当初可動入
子が第2の型体に接近した状態になり、キャビティ内に
成形材料を充填する工程ないしキャビティ内の成形材料
を圧縮する工程の間に可動入子が第2の型体から離反す
るように駆動手段を制御する制御手段とを備えたので、
請求項1の発明の方法を実施でき、また、可動入子を確
実に動作させることができ、可動入子の動作のタイミン
グも任意に最適に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出圧縮成形用金型装置の第1実施例
を示す充填工程時の断面図である。
【図2】同上計量工程時の断面図である。
【図3】同上圧縮工程時の断面図である。
【図4】本発明の射出圧縮成形用金型装置の第2実施例
を示す断面図である。
【図5】成形される製品であるICカードの斜視図であ
る。
【図6】従来の射出圧縮成形用金型装置の一例を示す断
面図である。
【符号の説明】
11 固定型(第2の型体) 12 可動型(第1の型体) 13 キャビティ 51 可動入子 56 スプリング(ばね) 61 油圧アクチュエーター(駆動手段) 62 制御手段 P ICカード(製品) P1 薄肉部をなすICチップ装着部 P2 薄肉部をなす凹部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに開閉し型閉時に相互間に製品形状
    のキャビティを形成する複数の型体を備えた金型装置を
    用い、前記キャビティ内に成形材料を充填した後、前記
    キャビティの容積を小さくすることによりこのキャビテ
    ィ内の成形材料を圧縮する射出圧縮成形方法において、
    前記複数の型体のうちの第1の型体に、他の第2の型体
    に対して接近、離反し製品の薄肉部を形成する可動入子
    を可動に組み付け、この可動入子が前記第2の型体に接
    近した状態で前記キャビティ内に成形材料を充填した
    後、前記可動入子を前記第2の型体から離反させるとと
    もに、前記キャビティ内の樹脂を圧縮することを特徴と
    する射出圧縮成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の射出圧縮成形方法に用い
    る射出圧縮成形用金型装置であって、互いに開閉し型閉
    時に相互間に製品形状のキャビティを形成する複数の型
    体を備え、これら複数の型体のうちの第1の型体に、他
    の第2の型体に対して接近、離反し製品の薄肉部を形成
    する可動入子を可動に組み付けるとともに、この可動入
    子をばねにより前記第2の型体へ向けて付勢し、前記ば
    ねが可動入子を付勢する力を、前記キャビティ内に成形
    材料を充填するときには前記可動入子が前記第2の型体
    に接近した状態が保たれ、かつ、前記キャビティ内の成
    形材料を圧縮するときこの成形材料の圧力により前記可
    動入子が前記第2の型体から離反する大きさに設定した
    ことを特徴とする射出圧縮成形用金型装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の射出圧縮成形方法に用い
    る射出圧縮成形用金型装置であって、互いに開閉し型閉
    時に相互間に製品形状のキャビティを形成する複数の型
    体を備え、これら複数の型体のうちの第1の型体に、他
    の第2の型体に対して接近、離反し製品の薄肉部を形成
    する可動入子を可動に組み付けるとともに、この可動入
    子を駆動する駆動手段を設け、当初前記可動入子が前記
    第2の型体に接近した状態になり、前記キャビティ内に
    成形材料を充填する工程ないしキャビティ内の成形材料
    を圧縮する工程の間に前記可動入子が前記第2の型体か
    ら離反するように前記駆動手段を制御する制御手段を備
    えたことを特徴とする射出圧縮成形用金型装置。
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GB2544717A (en) * 2015-09-25 2017-05-31 Gr8 Eng Ltd Injection Moulding Method
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