JPH0938759A - ダイカスト方法およびダイカスト用金型装置 - Google Patents

ダイカスト方法およびダイカスト用金型装置

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JPH0938759A
JPH0938759A JP19187395A JP19187395A JPH0938759A JP H0938759 A JPH0938759 A JP H0938759A JP 19187395 A JP19187395 A JP 19187395A JP 19187395 A JP19187395 A JP 19187395A JP H0938759 A JPH0938759 A JP H0938759A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャビティ内に充填される金属材料の圧力や
量を正確に制御する。 【解決手段】 固定型32は、基体38に対して移動体46が
移動可能になっている。弱い型締力で型閉して、キャビ
ティ34内に金属材料を充填する。ダイカスト機からの金
属材料の供給を続けると、金属材料の圧力により、基体
38と移動体46および可動型33とが若干開く。これによ
り、ダイカスト機からの金属材料の量のばらつきを吸収
し、キャビティ34内の金属材料の圧力を一定にする。つ
ぎに、強い型締力で型閉して、基体38と移動体46とを閉
じる。それに伴い、キャビティ34内の金属材料はダイカ
スト機側へ戻る。基体38の凸部58が可動型33の凹部64に
嵌合し、ゲート67が閉じた時点で、キャビティ34内に一
定量の金属材料が残る。その後、キャビティ34内の金属
材料は圧縮される。 【効果】 ランナー66やオーバーフロー部の金属材料を
後加工により切除する必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材料のダイカスト
方法およびダイカスト用金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカストにおいては、金型内に形成し
た製品形状のキャビティ内に溶融した金属材料を充填
し、これを冷却して固化させることにより、製品を成形
するようにしている。
【0003】図5は、従来のダイカスト用金型装置を示
している。同図において、1は固定型、2は可動型で、
これら固定型1および可動型2は、互いに開閉するもの
である。そして、型閉した固定型1および可動型2間に
は、キャビティ3と、湯道であるランナー4と、このラ
ンナー4からキャビティ3へのゲート5と、オーバーフ
ロー部6と、キャビティ3からオーバーフロー部6への
ベント路7とが形成されるようになっている。
【0004】そして、ダイカストに際しては、型閉後、
ダイカスト機の射出シリンダーなどの材料供給装置から
溶融した金属材料がランナー4へ供給され、このランナ
ー4からゲート5を通ってキャビティ3内に流入し、充
填される。このとき、キャビティ3内などにあった空気
などのガスは、ベント路7およびオーバーフロー部6を
通って、金型外へ排出される。そして、図5(b)に鎖
線で示すように、金属材料は、キャビティ3からベント
路7を通ってオーバーフロー部6の一部にも流れ込む。
その後、金型内の金属材料が冷却、固化した後、型開が
行われ、キャビティ3内の金属材料すなわち製品がラン
ナー4およびオーバーフロー部6内で固化した金属材料
とともに取り出される。これらランナー4およびオーバ
ーフロー部6内で固化した金属材料は、後加工により製
品から切除される。
【0005】このように、従来のダイカスト方法におい
ては、後加工によりランナー4やオーバーフロー部6の
金属材料を処理しなければならず、手間がかかる。な
お、ガスを抜くためのベント路7は金属材料が入り込め
ない程度の幅のものとして、オーバーフロー部を設けて
いない金型装置もあるが、ランナー4の金属材料の処理
はやはり必要である。
【0006】ところで、金属材料は冷却に伴って収縮す
るから、キャビティ3内に金属材料を充填した後も、例
えば、材料供給装置による加圧によってしばらくキャビ
ティ3への金属材料の供給を続け、収縮分の金属材料が
補われるようにしなければならない。
【0007】オーバーフロー部6がない場合、従来の金
型装置では、キャビティ3の容積が一定であるため、キ
ャビティ3内に充填された金属材料の圧力や量は、基本
的にダイカスト機側の制御によって決定されることにな
る。そのため、ダイカスト機側の制御に誤差があれば、
そのまま、キャビティ3内に充填された金属材料の圧力
や量に誤差を生じることになる。この誤差を解消するに
は、射出シリンダーなどの制御を精密にすることが考え
られるが、誤差の生じる要因は温度、金属材料自体の性
質のばらつきなど、さまざまである。例えば、射出シリ
ンダーからキャビティ3までは長い湯道があるが、この
湯道において発生する誤差があれば、かりに射出シリン
ダーの制御を精密にしても、キャビティ3内に充填され
た金属材料の圧力や量に誤差を生じることになる。この
誤差は、製品重量のばらつきなどの不良をもたらす。
【0008】一方、オーバーフロー部6がある場合に
は、このオーバーフロー部6に余分な金属材料が排出さ
れることにより、キャビティ3内に充填される金属材料
の圧力や量はより安定化する。しかし、前述のように、
オーバーフロー部6の金属材料の後処理が必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
ダイカスト用金型装置では、ゲートが常時開放の構造に
なっていたため、ランナーなどの材料通路部分の金属材
料を後加工により処理しなければならない問題があっ
た。また、キャビティの容積は一定であるため、特にオ
ーバーフロー部を設けていない場合には、キャビティ内
に充填される金属材料の圧力や量を正確に制御しにくい
問題があった。一方、オーバーフロー部を設けた場合に
は、オーバーフロー部の金属材料を後加工により処理し
なければならない問題があった。
【0010】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、充填不足を生じることなく、材料通路や
オーバーフロー部の金属材料の後加工による処理を不要
にすることを第1の目的とする。さらに、キャビティ内
に充填される金属材料の圧力や量を正確に制御できるよ
うにすることを第2の目的とする。また、ガス抜きのた
めの構成を簡単にすることを第3の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のダイカ
スト方法は、前記第1の目的を達成するために、互いに
開閉し型閉時に相互間にキャビティを形成する複数の型
体と、このキャビティの容積を調整する容積調整手段と
を備え、この容積調整手段がキャビティの容積を小さく
するのに伴って材料通路からキャビティへのゲートが閉
じる構成とした金型装置を用いる。そして、まず容積を
大きくしたキャビティ内に材料供給装置から材料通路へ
供給される溶融した金属材料を充填する充填工程を行
う。この充填工程の後にキャビティの容積を小さくして
このキャビティ内の金属材料をゲートが閉じるまで材料
供給装置側へ戻す計量工程を行う。この計量工程の後に
キャビティの容積をさらに所定容積まで小さくしてこの
キャビティ内の金属材料を圧縮する圧縮工程を行うもの
である。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の発明のダイ
カスト方法において、前記第2の目的をも達成するため
に、前記充填工程と計量工程との間に、材料供給装置よ
りキャビティへの金属材料の供給を続け、この供給に応
じてキャビティの容積を適当量大きくすることにより、
キャビティ内の金属材料の圧力を調整する調圧工程を加
えたものである。
【0013】請求項3の発明のダイカスト用金型装置
は、前記第3の目的をも達成するために、互いに開閉し
型閉時に相互間にキャビティを形成する複数の型体を備
え、いずれかの型体は、他の型体に突き当たって閉じる
閉鎖部材と、この閉鎖部材を摺動自在に貫通して設けら
れキャビティを形成する圧縮部材とを有し、材料通路か
らキャビティへのゲートは、前記圧縮部材がキャビティ
の容積を小さくする方向へ移動するのに伴い圧縮部材に
より閉じられる位置に設け、キャビティから外部へガス
を逃すガスベントは、前記閉鎖部材と圧縮部材との間の
隙間により形成したものである。
【0014】
【作用】請求項1の発明のダイカスト方法では、キャビ
ティ内に金属材料を充填した後に、容積調整手段により
キャビティの容積を小さくしてゲートを閉じ、キャビテ
ィ内に残った金属材料と材料通路内の金属材料とを金型
装置内で切断する。その後は、材料供給装置からキャビ
ティ内には金属材料が供給されないが、同じ容積調整手
段によりキャビティの容積をさらに小さくし、このキャ
ビティ内の金属材料を圧縮することにより、金属材料の
固化に伴う収縮が補償される。
【0015】さらに、請求項2の発明のダイカスト方法
では、充填工程に引き続く調圧工程において、材料供給
装置より金型装置への金属材料の供給を続けるが、金型
装置内により多くの金属材料が供給されるほど、容積調
整手段によりキャビティの容積が大きくなる。これによ
り、材料供給装置より供給される成形材料の量に誤差が
あっても、この誤差が吸収され、キャビティ内の金属材
料の圧力は一定に調整される。一方、調圧工程が終了し
た時点で、キャビティ内の金属材料の量は一定していな
いが、その後の計量工程において、キャビティの容積が
小さくなるのに伴い、キャビティ内の余分な金属材料が
材料供給装置側へ戻り、ゲートが閉じた時点で、キャビ
ティ内には一定量の金属材料が残る。こうして、調圧工
程および計量工程により、キャビティ内に充填される金
属材料の圧力および量が正確に制御されることになる。
【0016】請求項3の発明のダイカスト用金型装置
は、前記請求項1および請求項2の発明のダイカスト方
法を実施するためのもので、閉鎖部材および圧縮部材に
より、キャビティの容積を調整する容積調整手段を構成
している。すなわち、閉鎖部材を他の型体に突き当てて
閉じた状態で、閉鎖部材に対してキャビティを形成する
圧縮部材を移動させることにより、キャビティの容積を
調整するものである。また、圧縮部材がキャビティの容
積を小さくする方向へ移動するのに伴い、圧縮部材によ
りゲートが閉じられる。そして、ダイカスト時には、充
填工程において、閉鎖部材とこの閉鎖部材を摺動自在に
貫通した圧縮部材との間の隙間により形成されたガスベ
ントによって、キャビティから外部へガスが逃される。
【0017】
【発明の実施形態】以下、本発明の一実施例について、
図1から図4を参照しながら説明する。本実施例は、図
4に示すようなホットチェンバー式のダイカスト機を用
いるものである。図4において、11は材料供給装置で、
この材料供給装置11は、加熱溶融槽12内に加圧室13が設
けられており、この加圧室13の先端部にノズル14が設け
られている。そして、加圧室13内には、油圧シリンダー
からなる射出シリンダー15のプランジャー16が摺動自在
に嵌合している。
【0018】また、21は型締装置で、この型締装置21
は、固定側プラテン22および可動側プラテン23を有して
いる。この可動側プラテン23は、タイバー24に沿って図
示左右方向に移動自在になっており、油圧シリンダー25
によりトグル機構26を介して駆動されるものである。こ
の油圧シリンダー25は、サーボ弁などからなる駆動制御
装置27により駆動が制御され、型締力を調整可能になっ
ている。そして、固定側プラテン22には、金型装置31の
うちの固定型32が取り付けられ、可動側プラテン23に
は、同可動型33が取り付けられる。なお、前記型締装置
21および材料供給装置11は、コンピューターなどの制御
装置により総合的に制御されるようになっている。
【0019】つぎに、金型装置31の構成を図1から図3
に基づいて詳しく説明する。なお、図1および図2にお
いて、太い線のハッチングで示してあるのは、亜鉛合金
あるいはアルミニウム合金などの製品となる金属材料で
ある。一対の型体である固定型32および可動型33は、可
動側プラテン23の移動により互いに開閉し、型閉時に相
互間に製品形状のキャビティ34を形成するものである。
なお、成形される製品Pは円板状のものであり、その軸
方向が固定型32および可動型33の型開閉方向に一致させ
てある。
【0020】前記固定型32は、固定側プラテン22に取り
付けられる固定側取り付け板36と、この固定側取り付け
板36の可動型33側の面に固定された固定側受け板37とを
有しており、これら固定側取り付け板36および固定側受
け板37により圧縮部材である基体38を構成している。ま
た、固定側取り付け板36にはローケートリング39および
スプルーブッシュ40が固定されている。このスプルーブ
ッシュ40は、材料供給装置11のノズル14が接続されるも
ので、内部が材料通路であるスプルー41になっており、
固定側受け板37を貫通して可動型33側へ突出している。
【0021】また、固定側受け板37の可動型33側には、
閉鎖部材である移動板46が前記型開閉方向に所定範囲移
動可能に支持されている。この支持のために、固定側受
け板37の可動型33側にストッパー48とともにボルト49に
より固定されたスリーブ50が移動板46を摺動自在に貫通
している。なお、ストッパー48は、可動型33側から移動
板46に当たることにより、この移動板46と基体38との間
の最大隙間すなわち最大開き量を規制するものである。
また、固定側取り付け板36と移動板46との間に圧縮状態
で挟まれた付勢手段であるスプリング51により、移動板
46は、基体38に対して可動型33の方へ付勢されている。
そして、前記スプルーブッシュ40の先端部が移動板46に
形成された貫通孔52に摺動自在に嵌合されている。
【0022】また、前記基体38には、固定側取り付け板
36と固定側受け板37とにより挟まれてピン56が固定され
ているが、このピン56は、固定側受け板37を貫通して可
動型33側へ突出しており、ピン56の先端側は、移動板46
に形成された貫通孔57に摺動自在に嵌合されている。そ
して、ピン56の先端部は、移動板46よりも可動型33側へ
突出できる凸部58をなしている。
【0023】前記可動型33は、前記固定型32の移動板46
に突き当たって閉じる可動側型板61を有している。これ
ら可動側型板61および移動板46の相互の案内のために、
移動板46にはガイドピン62が固定されており、可動側型
板61には、ガイドピン62が摺動自在に嵌合される貫通孔
63が形成されている。
【0024】そして、可動側型板61には、前記固定型32
の凸部58が挿脱自在に嵌合される凹部64が形成されてい
る。凸部58と凹部64との嵌合面は、型開閉方向と平行な
柱面をなしている。そして、最終的な製品形状のキャビ
ティ34は、凸部58と凹部64とにより形成されるようにな
っている。すなわち、凸部58の先端面が製品Pの一端面
を形成し、凹部64の底面が製品Pの他端面を形成し、凹
部64の内周面が製品Pの外周面を形成するものである。
そして、閉じた固定型32の移動板46と可動側型板61とが
固定型32の基体38に対して移動することにより、キャビ
ティ34の容積が連続的に変化するようになっており、こ
うして、キャビティ34の容積を調整する容積調節手段が
構成されている。
【0025】また、閉じた固定型32の移動板46と可動型
33の可動側型板61との間には、前記スプルー41をキャビ
ティ34に連通させる材料通路であるランナー66およびゲ
ート67が形成されるようになっている。移動板46の可動
型33側の面には、凸部58を囲む円環状の窪部68が形成さ
れている。この窪部68は、前記ランナー66に連通してお
り、このランナー66の一部およびこのランナー66からキ
ャビティ34へのゲート67を形成するものである。このゲ
ート67は、固定型32の凸部58が可動型33の凹部64に嵌合
することにより閉じられるものである。なお、スプリン
グ51が移動板46を付勢する力は、ランナー66内の金属材
料の圧力に抗して移動板46と可動型33とが閉じた状態が
保たれる力に設定してある。
【0026】ところで、前記固定型32において、基体38
のピン56の外周面と移動板46の貫通孔57の内周面との間
の隙間Cは、前記窪部68に臨む可動型33側で0.1mm 程度
に設定されている。この隙間Cの大きさは、溶融した金
属材料は入り込めないが、空気などのガスは通れるよう
に設定されたものである。こうして、前記隙間Cによ
り、キャビティ34内から外部へガスを逃すガスベント71
が形成されている。
【0027】なお、図示していないが、可動型33には、
型開に伴い、成形された製品Pおよびランナー66内で固
化した金属材料を突き出して離型させる突き出し機構が
設けられている。
【0028】つぎに、ダイカストの方法について説明す
る。材料供給装置11の加熱溶融槽12では、金属材料が加
熱により常時溶融状態になっている。
【0029】型締装置21は、まず弱い一定の型締力F1で
固定型32と可動型32とを型閉する。このとき、図1
(a)に示すように、固定型32の移動板46と可動型33と
が突き当たって閉じる。一方、固定型32の基体38と移動
板46とは初期開き量A1をもって開いているが、ストッパ
ー48は移動板46には当たっていない。すなわち、型締力
F1とスプリング51の力Gとが釣り合っている。また、固
定型32の凸部58は可動型33の凹部64に嵌合しておらず、
開いたゲート67によりランナー66と容積がある程度大き
くなっているキャビティ34とが連通している。この状態
で、材料供給装置11において射出シリンダー15のプラン
ジャー16を前進させることにより、加圧室13からノズル
14を介して金型装置31のスプルー41へ溶融した金属材料
(溶湯)を射出する。この金属材料は、スプルー41から
ランナー66およびゲート67を通ってキャビティ34内に充
填される(充填工程)。このとき、固定型32の基体38の
ピン56の外周面と移動板46の貫通孔57の内周面との間の
隙間からなるガスベント71を通って、キャビティ34内か
ら外部へガスが排出される。このガスは、開いた基体38
と移動板46との間の隙間を通って金型装置31外へ出る。
【0030】この充填工程に引き続いて、型締力はF1の
まま、材料供給装置11においては、プランジャー16が所
定位置まで前進したことが検出されるまで、あるいは、
プランジャー16が前進限まで前進するまで射出工程が続
けられる。すなわち、材料供給装置11から金型装置31へ
の金属材料の供給がなお続くが、それに伴い、金型装置
31内の金属材料の圧力により、図1(b)に示すよう
に、油圧がクローズされていない型締装置21が与えてい
る型締力F1に抗して、固定型32の基体38に対し移動板46
および可動型33が開く方向に変位する。こうしてキャビ
ティ34の容積が適当量大きくなることにより、発生した
内圧が解除される。そして、基体38と移動板46との間の
拡大した開き量A2は、金型装置31内の金属材料の圧力と
型締力との均衡により決まる。より詳しくは、型締力F1
と、スプリング51の力Gおよび金型装置31内の金属材料
が移動板46および可動型33を後退させる力Hとの釣り合
いによって開き量A2が決まる。この開き量A2は、金型装
置31内により多くの金属材料が供給されるほど大きくな
る。換言すれば、材料供給装置11より供給される金属材
料の量に誤差があっても、前記開き量の変化により誤差
が吸収され、キャビティ34内の金属材料の圧力が調整さ
れて一定になる(調圧工程)。こうして、キャビティ34
内の金属材料の圧力を正確に制御できることになる。
【0031】なお、開き量がA1からA2に大きくなること
によりスプリング51の力Gは若干弱くなり、また、可動
型33とともにトグル機構26が押し戻されることにより油
圧シリンダー25が与える型締力も若干変化し得るが、こ
れらスプリング51の力Gや型締力の変化は、無視できる
ほどに小さなものである。すなわち、移動板46および可
動型33の変移に応じて変化するスプリング51の力Gや型
締力と釣り合う金属材料の圧力のばらつきは、一定の容
積のキャビティに異なる量の金属材料を充填したときに
生じる圧力のばらつきに比べれば、ずっと小さい。
【0032】また、前記調圧工程において、固定型32の
基体38と移動板46および可動型33とを開くように作用す
る金属材料の圧力は、固定型32については、型開閉方向
と平行な方向において基体38にかかる圧力である。これ
が調圧に関わる圧力である。これに対して、前記実施例
の金型装置31では、ランナー66を固定型32の移動板46と
可動型33との間に形成したので、基体38と移動板46およ
び可動型33とを開くように作用する金属材料の圧力は、
ほぼキャビティ34のみにおいて基体38にかかる(正確に
は、スプルーブッシュ40を含む)。したがって、キャビ
ティ34を基準に調圧がなされることになる。一方、ラン
ナー66内の金属材料の圧力は、移動板46と可動型33
とを開くように作用するが、ランナー66内の金属材料の
圧力にはスプリング51の力が抗し、移動板46と可動型33
とが閉じた状態に保たれる。これは、次の計量工程でも
同様である。
【0033】調圧工程の終了後、型締装置21は、型締力
をF2に強める。これにより、固定型32の基体38と移動板
46とが閉じていく。それに伴い、容積の小さくなってい
くキャビティ34内の余分な金属材料は、まだ開いている
ゲート67からランナー66へ戻り、金型装置31内の金属材
料は、材料供給装置11の加圧室13内に戻る。その分、プ
ランジャー16は後退する。そして、図2(a)に示すよ
うに、固定型32の凸部58が可動型33の凹部64に嵌合し始
めるとゲート67が閉じ、この時点で、キャビティ34内に
一定量の金属材料が残ることになる(計量工程)。
【0034】計量工程の後、図2(b)に示すように、
固定型32の基体38と移動板46とが互いに突き当たるまで
閉じ、それに伴い、キャビティ34の容積が所定容積まで
小さくなる。これにより、キャビティ34内の金属材料が
加圧されて圧縮される(圧縮工程)。その圧縮量Bは、
計量工程の終了時点での基体38と移動板46との開き量A3
に等しい。
【0035】前記調圧工程が終了した時点では、キャビ
ティ34の容積すなわちキャビティ34内の金属材料の量は
一定していない。しかし、その後の計量工程において、
前述のようにキャビティ34内の金属材料がランナー66へ
戻り、ゲート67が閉じた瞬間には、キャビティ34内に一
定量の金属材料が残る。こうして、調圧工程および計量
工程により、キャビティ34内に充填される金属材料の圧
力および量が正確に制御されることになる。
【0036】ところで、金型装置31において、ランナー
66を固定型32の基体38ではなく移動板46と可動型33との
間に形成したことにより、計量工程において、ランナー
66の容積は変化しない。したがって、容積が小さくなっ
ていくキャビティ34からランナー66へ金属材料が円滑に
戻り、キャビティ34内の金属材料の圧力が確実に一定に
保たれる。これとともに、型閉の動作も速くできる。
【0037】また、移動板46に、凸部58を囲んで、ラン
ナー66の一部およびゲート67を形成する窪部68を形成し
たので、ゲート67付近の金属材料の冷却が遅れ、これに
より、計量工程に際して、キャビティ34からランナー66
へ金属材料がよりいっそう円滑に戻る。これに対して、
もし窪部68がなく、ゲートが単なるサイドゲートになっ
ていたとすると、一般的にキャビティ内の金属材料の冷
却は固定型と可動型との分割面に近い位置がより速く進
むために、ゲート付近の金属材料の冷却、固化も比較的
速く進むことから、キャビティからランナーへ金属材料
が円滑に戻らないおそれがある。なお、前記窪部68の効
果を十分に出すには、窪部68を製品Pの肉厚に見合う程
度の大きさにする必要がある。
【0038】型閉に伴いゲート67が閉じた後には圧縮工
程となって、キャビティ34内の金属材料は圧縮される
が、計量工程において、キャビティ34内に一定の圧力で
一定量の金属材料が残されることにより、圧縮も円滑に
行われる。そして、ゲート67が閉じた後は、材料供給装
置11からキャビティ34内には金属材料が供給されない
が、前記圧縮により、キャビティ34内の金属材料の冷却
による固化に伴う収縮が補償される。もちろん、圧縮に
は、金型装置31内における冷却時間を短くできるなどの
効果もある。
【0039】そして、キャビティ34内の金属材料が十分
に冷却して固化した後、型締装置21により固定型32と可
動型33とが型開される。それに伴い、キャビティ34内の
金属材料すなわち製品Pとランナー66およびスプルー41
内で固化した金属材料は、まず固定型32から離れる。つ
いで、突き出し機構により、ランナー66およびスプルー
41内で固化した金属材料および製品Pが突き出されて可
動型33から離れる。さらに、ランナー66およびスプルー
41内で固化した金属材料および製品Pが取り出された
後、再び型閉が行われ、以上の工程が繰り返される。
【0040】以上のように、前記実施例の構成によれ
ば、金型装置31内で行われる調圧工程および計量工程に
より、キャビティ34内に充填される金属材料の圧力およ
び量を容易に正確に制御でき、したがって、重量のばら
つきなどのない品質の安定した高精度の製品Pを得られ
る。
【0041】また、金型装置31において、ランナー66を
固定型32の移動板46と可動型33との間に形成したことに
より、キャビティ34を基準に調圧が行われ、また、計量
工程ではキャビティ34内の金属材料が円滑にランナー66
へ戻ることにより、キャビティ34内に充填される金属材
料の圧力および量をより正確に制御できる。
【0042】さらに、移動板46に、凸部58を囲んで、ラ
ンナー66の一部およびゲート67を形成する窪部68を形成
したことにより、計量工程時、キャビティ34内の金属材
料をいっそう円滑にランナー66へ戻せる。
【0043】また、ゲート67を閉じることにより、キャ
ビティ34内の金属材料とランナー66内の金属材料とを切
断するので、ランナー66の金属材料を後加工により切除
処理する必要がない。これとともに、前述のように調圧
工程および計量工程によってキャビティ34内に充填され
る金属材料の圧力および量を正確に制御できることによ
り、金型装置31にオーバーフロー部が不要になるので、
このオーバーフロー部の金属材料の後加工による処理も
必要ない。
【0044】さらに、固定型31の基体38と移動板46とな
どからなる容積調整手段により、ゲート67を閉じるのと
圧縮とをともに行うので、金型装置31の構成を簡単にで
きる。また、固定型32の基体38と移動板46との間の隙間
によりガスベント71を形成したので、金型装置31におい
てガス抜きのための構成を簡単にでき、無駄のない構成
の金型装置31とできる。このように固定型32の基体38と
移動板46との間の隙間によりガスベント71を形成するこ
とは、金属材料は樹脂材料などに比べて流れにくく、基
体38のピン56の外周面と移動板46の貫通孔57の内周面と
の間の隙間を0.1mm 程度にしても、ここに金属材料が入
り込まないことにより可能になるものである。
【0045】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、ホットチェンバー式のダイカスト機を
用いた場合を例に採って説明したが、ダイカスト機に
は、コールドチェンバー式のものも用いられる。すなわ
ち、材料供給装置は、各種のものを用いられる。また、
型締装置も、前記実施例のようなトグル式のものの他、
油圧シリンダーのピストンを可動側プラテンに直結した
直圧式のものなど、各種のものを用いられる。型締装置
の駆動源も、油圧シリンダーに限らず、電動モーターな
どであってもよい。
【0046】さらに、金型装置も、前記実施例のものに
は限らない。例えば、移動板46を付勢する付勢手段とし
ては、スプリング51の他、エアシリンダーなどを用いる
こともできる。また、前記実施例では、ランナー66およ
びゲート67を固定型32と可動型33との間に形成したが、
これに限るものではない。例えば、製品形状が許すなら
ば、固定型において型開閉方向で可動型側に向かって開
口したダイレクトゲートを採用することも可能である。
この場合、可動型に設けた凸部がダイレクトゲートに嵌
合してこれを閉じるようにすればよい。
【0047】そして、成形される製品も円板状のものに
限らず、リング状のものあるいはさらに複雑な形状のも
のなど、各種形状の製品の成形に、本発明を適用でき
る。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、充填工程の後
の計量工程において、容積調整手段によりキャビティの
容積を小さくしてゲートを閉じるので、材料通路の金属
材料を後加工により処理する必要がない。また、計量工
程の後に、同じ容積調整手段によりキャビティの容積を
さらに小さくしてキャビティ内の金属材料を圧縮するの
で、ゲートが閉じた後の金属材料の固化に伴う収縮を補
償でき、充填不足を生じるようなことがない。さらに、
金型装置において、ゲートを閉じるのと圧縮とを同じ容
積調節手段により行うので、金型装置の構成を簡単にで
きる。
【0049】さらに、請求項2の発明によれば、キャビ
ティの容積を調整することによりキャビティ内の金属材
料の圧力を調整する調圧工程を行い、その後、前記計量
工程を行うので、キャビティ内に充填される金属材料の
圧力および量を容易に正確に制御でき、したがって、品
質の安定した高精度の製品を得られる。しかも、金型装
置にオーバーフロー部を設ける必要がないので、オーバ
ーフロー部の金属材料の後加工による処理も必要ない。
【0050】請求項3の発明によれば、キャビティの容
積調整手段を構成する閉鎖部材と圧縮部材との間の隙間
により、キャビティから外部へガスを逃すガスベントを
形成したので、金型装置においてガス抜きのための構成
を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すダイカスト用金型装置
の一部の断面図で、(a)は充填工程時、(b)は調圧
工程時を示している。
【図2】同上ダイカスト用金型装置の一部の断面図で、
(a)は計量工程時、(b)は圧縮工程時を示してい
る。
【図3】同上キャビティ付近の拡大図で、(a)は断面
図、(b)は固定型の正面図である。
【図4】同上ダイカストに用いる装置全体の一部を断面
にした側面図である。
【図5】従来のダイカスト用金型装置の一例を示すもの
で、(a)は断面図、(b)は可動型の正面図である。
【符号の説明】
31 金型装置 32 固定型(型体) 33 可動型(型体) 34 キャビティ 38 基体(圧縮部材) 46 移動板(閉鎖部材) 66 ランナー(材料通路) 67 ゲート 71 ガスベント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29C 45/26 9268−4F B29C 45/26 45/56 9350−4F 45/56

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに開閉し型閉時に相互間にキャビテ
    ィを形成する複数の型体と、このキャビティの容積を調
    整する容積調整手段とを備え、この容積調整手段がキャ
    ビティの容積を小さくするのに伴って材料通路からキャ
    ビティへのゲートが閉じる構成とした金型装置を用い、 容積を大きくしたキャビティ内に材料供給装置から材料
    通路へ供給される溶融した金属材料を充填する充填工程
    と、 この充填工程の後にキャビティの容積を小さくしてこの
    キャビティ内の金属材料をゲートが閉じるまで材料供給
    装置側へ戻す計量工程と、 この計量工程の後にキャビティの容積をさらに所定容積
    まで小さくしてこのキャビティ内の金属材料を圧縮する
    圧縮工程とを備えたことを特徴するダイカスト方法。
  2. 【請求項2】 前記充填工程と計量工程との間に、材料
    供給装置よりキャビティへの金属材料の供給を続け、こ
    の供給に応じてキャビティの容積を適当量大きくするこ
    とにより、キャビティ内の金属材料の圧力を調整する調
    圧工程を加えたことを特徴する請求項1記載のダイカス
    ト方法。
  3. 【請求項3】 互いに開閉し型閉時に相互間にキャビテ
    ィを形成する複数の型体を備え、いずれかの型体は、他
    の型体に突き当たって閉じる閉鎖部材と、この閉鎖部材
    を摺動自在に貫通して設けられキャビティを形成する圧
    縮部材とを有し、材料通路からキャビティへのゲート
    は、前記圧縮部材がキャビティの容積を小さくする方向
    へ移動するのに伴い圧縮部材により閉じられる位置に設
    け、キャビティから外部へガスを逃すガスベントは、前
    記閉鎖部材と圧縮部材との間の隙間により形成したこと
    を特徴とするダイカスト用金型装置。
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