JPH10228881A - イオントラップ質量分析計を用いた分析装置 - Google Patents
イオントラップ質量分析計を用いた分析装置Info
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- JPH10228881A JPH10228881A JP9030027A JP3002797A JPH10228881A JP H10228881 A JPH10228881 A JP H10228881A JP 9030027 A JP9030027 A JP 9030027A JP 3002797 A JP3002797 A JP 3002797A JP H10228881 A JPH10228881 A JP H10228881A
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Abstract
装置において、イオントラップ質量分析計のある室をい
ったん大気圧にさらした後でも測定再開までに時間を要
さず、且つ液滴を含むイオン以外の粒子がイオントラッ
プ質量分析計に直接入り込むことを防ぐことが可能な質
量分析装置を提供する。 【解決手段】 イオントラップ質量分析計14と検出器
11を別個のチャンバ−に配置させ、イオン源2から生
成したイオンを第1差動排気部5、第2差動排気部27、
さらに検出器11と偏向器10の存在する高真空部であ
る第3差動排気部を通過させた後、イオントラップ質量
分析計14の存在する第4室13に導入するという装置
構成を採用する。ここで質量分離されたイオンを入射方
向と同じ方向に引き出し、第3差動排気部に配置する検
出器で検出する。
Description
子イオン種の分離分析に有効なイオントラップ質量分析
計を用いた分析装置に関する。
オントラップ質量分析計は、お椀状の対向する一対のエ
ンドキャップ電極とド−ナツ状のリング電極とから構成
される。また、各電極を一定の間隔に保持するため、電
極間にはスペーサーとして石英リング等が用いられてい
る。このスペーサーには小さな複数個の孔(直径3mm程
度)が設けられており、外部からのバッファ−ガスの導
入やイオントラップ質量分析計内部の排気をその孔を通
して行うている。バッファーガスとは、イオントラップ
質量分析計に入射させたイオンの軌道を収束させるため
にイオントラップ質量分析計内部に導入する必要不可欠
なガスである。イオントラップ質量分析計内部のバッフ
ァーガスの圧力は、イオンの収束効率が最適となる10-3
−10-4Torr程度に保たれている。これはイオントラップ
質量分析計を含む高真空部を排気するポンプの排気量と
スペーサーの孔の大きさから調整される。
には検出器やイオンレンズなども同時に存在する。検出
器には高電圧を印加するため、高真空部の圧力は検出器
で放電が起きないように、およそ10-5から10-6Torr程度
に保たれている。
計では、点検保守や汚染除去を行うために高真空部をい
ったん大気圧にさらした場合には、測定を再開するまで
に10−12時間と長い時間を要するという大きな欠点があ
る。これは、スペーサーの小さい孔を通してイオントラ
ップ質量分析計内部を排気しまければならないためだ
が、イオントラップ質量分析計内部のバッファーガスの
圧力をイオンの収束効率が最適となる10-3−10-4Torr程
度に保つには、スペーサーの孔を必要以上に大きくする
ことは出来ない。
後段で検出器だけを他のチャンバーとは別のチャンバー
に配して、別個のポンプで排気するという装置構成が、
ラピッド・コミュニケーション・イン・マス・スペクト
ロメトリィ、1993年、第7号などに大気圧イオン化
法を用いたイオントラップ質量分析計として記載されて
いる。
されたイオントラップ質量分析計は、 大気圧のイオン
源で生成したイオンを真空中に取り込むための細孔か
ら、イオントラップ質量分析計のイオン入射孔までが一
直線上に配置されており、前記細孔から流入してくる液
滴を含むイオン以外の粒子が直接イオントラップ質量分
析計に入り込むため、イオントラップ質量分析計内部で
のイオンの収束作用を精密に制御することができず感度
調整が困難になると同時に、イオントラップ質量分析計
が汚染されやすくなりノイズが増加するという問題が生
じる。
トラップ質量分析計をいったん大気圧にさらした後でも
測定再開までに時間を要さず、液滴を含むイオン以外の
粒子がイオントラップ質量分析計に直接入り込むことを
防ぐ構成の質量分析計を提供することにある。
質量分析計を用いた分析装置として、プラズマイオン源
質量分析装置を考えると、従来の装置構成は、大気圧下
にあるプラズマイオン源、プラズマにより生成したイオ
ンを真空中に導入するための第1差動排気部(1Torr程
度)、第2差動排気部(10-3−10-4Torr程度)、そしてイオ
ンレンズや検出器の存在する高真空部(10-5−10-6Torr
程度)に分けられ、イオンを質量分離するためのイオン
トラップ質量分析計は高真空部に存在する。
質量分析計と検出器を別個のチャンバ−に配置させ、プ
ラズマイオン源から生成したイオンを第1差動排気部、
第2差動排気部、さらに検出器と偏向器の存在する高真
空部である第3差動排気部を通過させた後、イオントラ
ップ質量分析計の存在する第4室に導入するという装置
構成を採用する。ここで質量分離されたイオンを再び第
3差動排気部に引き出し、そこに配置する検出器で検出
する。
質量分析計の動作圧力範囲である10-3−10-4Torr程度に
維持する。必要であれば第4室にはバッファ−ガス(窒
素、ヘリウムなど)を添加する。このような構造にする
ことによって、石英リングなどのスペーサーを除去する
ことができ、イオントラップ質量分析計を開空間に出来
る。従って、イオントラップ質量分析計内部を大気圧に
さらした場合にも、容易に内部を排気することが可能に
なり、短時間で測定を再開できる。高電圧が印加される
検出器部分は高真空に維持されている第3差動排気部に
あるため、放電などの心配はない。さらに、偏向器を用
いて、イオンを真空中に取り込むための細孔とイオント
ラップ質量分析計のイオン入射孔とをオフラインに配置
することによって、液滴を含むイオン以外の粒子が直接
イオントラップ質量分析計に入り込むのを防ぐことが出
来る。従って、イオントラップ質量分析計内部でのイオ
ンの収束作用を精密に制御でき、またイオントラップ質
量分析計の汚染を緩和しノイズを低減することが出来
る。
オン源によって大気圧下でイオン化した後、真空領域に
導き、イオントラップ質量分析計を用いて質量分析を行
う質量分析装置に関する。装置の点検保守や汚染除去後
の測定再開までの時間短縮及び、イオントラップ質量分
析計の汚染やノイズ増加を防ぐことに特徴を有する発明
であり、微量物質の化学分析装置のために十分役立つも
のである。
を挙げ、図面を参照しながら説明する。
本発明を実施するための装置構成を図1を用いて説明す
る。
イオン源質量分析装置全体の構成を示した図である。試
料を含む溶液1はイオン源2に送液され、大気圧下でイ
オン化される。生成されたイオンは細孔3を通してロー
タリーポンプ4で1Torr程度に排気されている第1差動
排気部5に導入され、細孔6を通してターボ分子ポンプ
7で10-3−10-4Torr程度に排気されている第2差動排気
部27に導入される。さらにイオンは、細孔8を通して
ゲート9や偏向器10や検出器11が配置されている高
真空部12に導入される。このとき、偏向器10にはイ
オンを90度偏向させるように電圧を印加する。イオン
は高真空部12で偏向され、第4室13内部のイオント
ラップ質量分析計14に導入される。イオン以外の粒子
は電場の影響を受けないために直進し、イオントラップ
質量分析計14に入り込むことはない。高真空部10と
第4室13はターボ分子ポンプ15によって、それぞれ
10-5−10-6Torr程度と10-3−10-4Torr程度に排気されて
いる。この圧力差は排気口等コンダクタンスの大きさに
依存する。第4室13には外部よりヘリウムや窒素など
のバッファーガス16を導入できる。イオントラップ質
量分析計14に導入されたイオンは質量分離された後、
再び、同方向の高真空部12に取り出されて、高真空部
12内部の検出器11によって測定される。このとき偏
向器11には、イオンが第4室13から検出器に直進す
るような電圧を印加する。また、ゲート9にはイオント
ラップ質量分析計へのイオンの入射、取り出しのタイミ
ングに合わせそれぞれのイオン軌道が交錯しないように
電圧を印加する。
なっているため、いったん大気圧にさらしても、再度排
気して測定を開始するまでは短時間で済む。また、偏向
器を用いているのでイオン以外の粒子はイオントラップ
質量分析計13には導入されず、測定に影響を及ぼすこ
とはない。
トラップ質量分析計14と、スペーサー17を用いて閉
空間になっているイオントラップ質量分析計とを比較し
ている。スペーサー17には外部からのバッファ−ガス
の導入やイオントラップ質量分析計内部の排気を行う孔
18があいている。それぞれのイオントラップ質量分析
計の電極はガイシ19によって整列される。各電極間の
間隔は、 閉空間になっているイオントラップ質量分析
計の場合、電極に直接スペーサー17を挟むことよって
固定するが、開空間になっているイオントラップ質量分
析計14の場合、ガイシ19にスペーサー20を挿入す
ることによって固定する。
の変化によるイオンの軌道変化を示している。偏向器1
0はQディフレクターと呼ばれるタイプのもので、4つ
の電極20、21、22、23から構成されている。電
極20、21、22、23に印加する電圧を調整する
と、イオンは軌道24を通って第2差動排気部から第4
室内部のイオントラップ質量分析計へと90度偏向する
場合と、軌道25を通って直進し第4室内部のイオント
ラップ質量分析計から高真空部の検出器へと直進する場
合を切り分けることができる。
イムチャートを示している。大気圧で生成されたイオン
が、第1差動排気部、第2差動排気部を通り、高真空部
で90度偏向されて第4室のイオントラップ質量分析計
に導入されているときには、ゲートには第2差動排気部
からのイオンを引き込む電圧が印加されONの状態になっ
ている。また、イオンをイオントラップ質量分析計内部
に閉じ込めてからスキャンし、質量分離して取り出すと
きには、ゲートには第2差動排気部のイオンを反射する
電圧が印加されOFFの状態になっている。
を実施するための装置構成を図5を用いて説明する。
イオン源質量分析装置全体の構成を示した図である。試
料を含む溶液1はイオン源2に送液され、大気圧下でイ
オン化される。生成されたイオンは細孔3を通してロー
タリーポンプ4で1Torr程度に排気されている第1差動
排気部5に導入され、細孔6を通してターボ分子ポンプ
7で10-3−10-4Torr程度に排気されている第2差動排気
部8に導入される。さらにイオンは、細孔8を通してゲ
ート9や偏向器10や検出器11が配置されている高真
空部12に導入される。このとき、偏向器10にはイオ
ンを90度偏向させるように電圧を印加する。イオンは
高真空部12で偏向され、第4室13内部のイオントラ
ップ質量分析計14に導入される。イオン以外の粒子は
電場の影響を受けないために直進し、イオントラップ質
量分析計14に入り込むことはない。高真空部10と第
4室13はターボ分子ポンプ15によって、それぞれ10
-5−10-6Torr程度と10-3−10-4Torr程度に排気されてい
る。この圧力差は排気口等コンダクタンスの大きさに依
存する。第4室13には外部よりヘリウムや窒素などの
バッファーガス16を導入できる。イオントラップ質量
分析計14に導入されたイオンは質量分離された後、導
入された方向と反対方向引き出される。再び、高真空部
12に取り出されて、高真空部12内部の検出器11に
よって測定される。
析計内部を大気圧にさらした場合にも、容易に内部を排
気することが可能になり、短時間で測定を再開できる。
さらに、液滴を含むイオン以外の粒子が直接イオントラ
ップ質量分析計に入り込むのを防ぎ、イオントラップ質
量分析計内部でのイオンの収束作用を精密に制御出来る
と同時に、イオントラップ質量分析計の汚染を緩和しノ
イズを低減することが出来る。
孔、4…ロータリーポンプ、5…第1差動排気部、7、
15…ターボ分子ポンプ、9…ゲート、10…偏向器、
11…検出器、12…高真空部、13…第4室、14…
イオントラップ質量分析計、16…バッファーガス、1
7…スペーサー、18…バッファ−ガス導入及び内部排
気孔、19…ガイシ、20、21、22、23…Qディ
フレクター電極、24、25…イオン軌道、27…第2
差動排気部。
Claims (9)
- 【請求項1】大気圧下におけるプラズマイオン源と、該
プラズマイオン源により生成したイオンを偏向器へ導入
するための第1差動排気室と、前記第1差動排気室の出
口側に隣接した第2排気室と、前記第2排気室に隣接し
て設けられた前記偏向器を収納した第3差動排気室と、
前記第3差動排気室でイオンが偏向され前記第3差動排
気室に隣接して設けられた第4室とを有し前記第4室に
イオントラップ型質量分析計を具備することを特徴とす
るイオントラップ質量分析計を用いた分析装置。 - 【請求項2】大気圧下におけるプラズマイオン源と、該
プラズマイオン源により生成したイオンを偏向器へ導入
するための第1差動排気室と、前記第1差動排気室の出
口側に隣接した第2排気室と、前記第2排気室に隣接し
て設けられた前記偏向器を収納した第3差動排気室と、
前記第3差動排気室でイオンが偏向され前記第3差動排
気室に隣接して設けられた第4室とを有し前記第4室に
リング電極とエンドギャップとを所定の間隔に開放され
保持する構造を有するイオントラップ型質量分析計を具
備することを特徴とするイオントラップ質量分析計を用
いた分析装置。 - 【請求項3】前記第3差動排気室に検出器を設けたこと
を特徴とする請求項1記載のイオントラップ質量分析計
を用いた分析装置。 - 【請求項4】大気圧下におけるプラズマイオン源と、該
プラズマイオン源により生成したイオンを偏向器へ導入
するための第1差動排気室と、第2排気室と、前記第2
排気室に隣接して設けられた前記偏向器を収納した第3
差動排気室と、前記第3差動排気室でイオンが偏向され
前記前記第3差動排気室に隣接したイオントラップ型質
量分析計を有する第4室を有し、前記第3差動排気室の
圧力が第4室の圧力より低いことを特徴とするイオント
ラップ質量分析計を用いた分析装置。 - 【請求項5】前記第3差動排気室の圧力が10-5以下で
あることを特徴とする請求項4記載のイオントラップ質
量分析計を用いた分析装置。 - 【請求項6】大気圧下におけるプラズマイオン源と、該
プラズマイオン源により生成したイオンを偏向器へ導入
するための第1差動排気室と、第2排気室と、前記第2
排気室に隣接して設けられた前記偏向器を収納した第3
差動排気室と、前記第3差動排気室でイオンが偏向され
前記前記第3差動排気室に隣接したイオントラップ型質
量分析計を有する第4室を有し、前記第1差動排気室の
圧力が前記第2排気室の圧力より高く、前記第2排気室
の圧力が前記第3差動排気室の圧力より高く、前記第3
差動排気室の圧力が第4室の圧力より低いことを特徴と
するイオントラップ質量分析計を用いた分析装置。 - 【請求項7】大気圧下におけるプラズマイオン源と、該
プラズマイオン源により生成したイオンを高真空に取り
込むための第1差動排気部、第2差動排気部と、検出器
を設けた高真空部と、イオンを質量分析するためのイオ
ントラップ質量分析計とを有する質量分析装置におい
て、 第1差動排気部と第2差動排気部に隣接する室に検出器を
配置させ、前記室に隣接する第2の室にイオントラップ
質量分析計を配置させることを特徴とするイオントラッ
プ質量分析計を用いた分析装置。 - 【請求項8】大気圧下におけるプラズマイオン源と、該
プラズマイオン源により生成したイオンを高真空に取り
込むための第1差動排気部、第2差動排気部と、検出器を
設けた高真空部と、イオンを質量分析するためのイオン
トラップ質量分析計とを有する質量分析装置において、 イオントラップ質量分析計にイオンを入射した方向と同
方向からイオンを取り出すことを特徴とするイオントラ
ップ質量分析計を用いた分析装置。 - 【請求項9】大気圧下におけるプラズマイオン源と、該
プラズマイオン源により生成したイオンを高真空に取り
込むための第1差動排気部、第2差動排気部と、検出器を
設けた高真空部と、イオンを質量分析するためのイオン
トラップ質量分析計とを有する質量分析装置において、 イオントラップ質量分析計にイオンを入射した方向と逆
方向からイオンを取り出すことを特徴とするイオントラ
ップ質量分析計を用いた分析装置。
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JP03002797A JP3648906B2 (ja) | 1997-02-14 | 1997-02-14 | イオントラップ質量分析計を用いた分析装置 |
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JP03002797A Expired - Fee Related JP3648906B2 (ja) | 1997-02-14 | 1997-02-14 | イオントラップ質量分析計を用いた分析装置 |
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