JPH08293281A - 質量分析装置 - Google Patents

質量分析装置

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JPH08293281A
JPH08293281A JP7094719A JP9471995A JPH08293281A JP H08293281 A JPH08293281 A JP H08293281A JP 7094719 A JP7094719 A JP 7094719A JP 9471995 A JP9471995 A JP 9471995A JP H08293281 A JPH08293281 A JP H08293281A
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ion
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ions
ion source
mass spectrometer
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Application number
JP7094719A
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English (en)
Inventor
Takayuki Nabeshima
貴之 鍋島
Minoru Sakairi
実 坂入
Yasuaki Takada
安章 高田
Tsudoi Hirabayashi
集 平林
Hideaki Koizumi
英明 小泉
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】イオントラップ型質量分析部内でイオン‐分子
反応が起きることを防止し、分析部内にイオンを長時間
閉じ込め、蓄積することを可能にし、分析イオンの検出
効率を大きく向上させるイオントラップ型質量分析装置
を実現する。 【構成】イオントラップ型質量分析部1‐9の前段に独
立に電子衝撃イオン源部1‐3を設け、これにガスクロ
マトグラフ1‐1からの試料ガス分子を導入してイオン
化し、発生した試料分子のイオンをイオン導入部1‐5
を介してイオントラップ型質量分析部1‐9に導入す
る。そして、ここに長時間閉じ込めて蓄積した後、分析
部1‐9の電極1‐6,1‐7,1‐8に印加してある
高周波電圧値を一様に走査して、蓄積されたイオンを質
量ごとにイオン検出部1‐12に放出して試料分子の分
析を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、混合物の分離分析に有
効なガスクロマトグラフィー(GC)と質量分析法(M
S)とを結合した装置、すなわち、ガスクロマトグラフ
ィー/質量分析法(以下、GC/MSという)に代表さ
れるように、気相中に存在する混合試料を分離した後、
イオン化して質量分析を行なう装置に係り、例えば、臭
気などの原因となる大気中に含まれる微量成分の計測に
用いられる質量分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、質量分析の分野では、新しい分析
装置としてイオントラップ型質量分析装置が有望視され
ており、GC/MSにも応用されている。以下、イオン
トラップ型質量分析装置を応用したGC/MSをGC/
ITMSと記す。その一例としては、インターナショナ
ル・ジャーナル・オブ・マス・スペクトロメトリー,1
991年、106巻1頁に記載されている報告があげら
れる。次に、GC/ITMSの代表的な装置構成につい
て、図9を用いて説明する。
【0003】まず、試料は、ガスクロマトグラフ9‐1
から流出し、分離カラム9‐2を通して、エンドキャッ
プ電極9‐3、リング電極9‐4、エンドキャップ電極
9‐5からなるイオントラップ型質量分析部9‐6に導
入される。そして、電子銃9‐7から放出された電子の
電子衝撃により、導入されたガス中の試料分子はイオン
化され、イオントラップ型質量分析部9‐6内にイオン
が生成される。このイオントラップ型質量分析部9‐6
は、他の質量分析計とは異なり、上記電極に高周波電圧
を印加して、質量分析部9‐6内にイオンを一定時間閉
じ込める。その後、その高周波電圧値を一様に変化させ
ることによって、閉じ込められたイオンを質量ごとに順
に取り出し、それをイオン検出部9‐8により検出す
る。このようにして、イオントラップ型質量分析部9‐
6で質量分析されたイオンは、検出後、電流増幅されて
データ処理部9‐9に転送される。このデータ処理部で
は、得られたイオン電流情報をマススペクトルとしてモ
ニタ部9‐10に表示する。ここで、ガスクロマトグラ
フ9‐1、イオントラップ型質量分析部9‐6、電子銃
9‐7、イオン検出部9‐8は、制御部9‐11により
制御される。また、装置の内部は、排気部9‐12によ
って真空に保たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来技
術によるGC/ITMSにおいては、イオントラップ型
質量分析部9‐6内に試料ガスを導入してからイオン化
を行なっているので、次のような問題が発生する。
【0005】すなわち、イオントラップ型質量分析部9
‐6内には、電子衝撃で生成されたイオンと、まだイオ
ン化されていない中性分子や他の不純物の中性分子が同
時に存在する。このため、これらのイオンと中性分子と
がイオン‐分子反応を起こし、イオンから中性分子に電
荷やプロトンが移行し、測定されるイオンが、分析対象
とする試料分子のものであるかどうかを、正確に把握す
ることが難しくなる。
【0006】従来は、このようなイオン‐分子反応が起
こらないように、イオントラップ型質量分析部9‐6内
にイオンを閉じ込めておく時間を、イオン‐分子反応の
反応時間よりも短くして、測定を行なっている。このた
め、長時間イオンを閉じ込めておくことができず、イオ
ンの検出効率が大幅に低下する。
【0007】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたもので、イオントラップ型質量分析部内でイオン‐
分子反応が起きることを防止し、分析部内にイオンを長
時間閉じ込めておくことを可能にし、イオンの検出効率
を大きく向上させることのできる質量分析装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明においては、一対のエンドキャップ電極とリ
ング電極とからなり、これらの電極に高周波電圧を印加
してイオンを閉じ込めるイオントラップ型質量分析部を
有する質量分析装置において、このイオントラップ型質
量分析部の前段に独立に電子衝撃イオン源部を設ける。
そして、このイオン源部内に中性の試料分子を導入して
電子衝撃によりイオン化し、このイオンをイオントラッ
プ型質量分析部に送り、そこで質量分析を行なう。この
とき、電子衝撃イオン源部とイオントラップ型質量分析
部との間に、上記イオン源部から送出されたイオンビー
ムの軌道を修正、及び収束し、上記質量分析部内にイオ
ンを打ち込むイオン導入部を設ける。そして、このイオ
ン導入部では、イオン源部からイオンを放出する孔の中
心軸と、質量分析部にイオンを導入するエンドキャップ
電極の孔の中心軸とを相互にずらして、イオンのみを質
量分析部に導入する。
【0009】また、電子衝撃イオン源部においては、試
料分子を外部から導入する孔の中心軸とイオン源部から
イオンを放出する孔の中心軸とは、少しずらして平行
に、あるいは直交して設ける。また、この電子衝撃イオ
ン源部に試料分子を導入する手段としては、気相中の混
合試料を分離するガスクロマトグラフを用いる場合と、
このイオン源部に少なくとも1段の差動排気部を設け、
これを介して大気圧下にある試料分子を直接導入する場
合とがある。このとき、イオントラップ型質量分析部の
後段にあるイオン検出部の真空度を低下させないため
に、前段の電子衝撃イオン源部とイオントラップ型質量
分析部とをイオンの通気孔を介して別チャンバー内に設
置し、別系統の排気部で排気する。
【0010】また、イオン源部としては、上記の電子衝
撃による試料分子のイオン化の他に、予め電子衝撃で生
成したイオンの中に試料分子を導入し、イオン‐分子反
応により試料分子をイオン化する化学イオン源部を質量
分析部の前段に独立に設けることもできる。
【0011】
【作用】従来技術の質量分析装置においては、イオント
ラップ型質量分析部内にイオンと中性分子とが同時に存
在するため、この質量分析部内でイオン‐分子反応が起
き、測定したイオンが、分析対象とする試料分子のもの
であるかどうかを正確に把握することが困難であった。
【0012】これに対して、本発明では、上記のよう
に、イオン源部をイオントラップ型質量分析部の前段に
独立して設け、イオン源部でイオン化したイオンのみを
イオン通気孔を通過させて質量分析部内に導入してい
る。このため、イオントラップ型質量分析部内に中性分
子が入るのを防ぐことができ、質量分析部内でのイオン
‐分子反応の発生を未然に防止することができる。その
結果、イオントラップ型質量分析部内にイオンを長時間
閉じ込めて蓄積することが可能になり、イオンの検出効
率を著しく向上させることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る質量分析装置の実施例に
ついて、図面を用いて説明する。
【0014】まず、図1は、本発明に係る電子衝撃イオ
ン源を用いた場合のGC/ITMS装置全体の構成を示
す図である。ここで、ガスクロマトグラフ1‐1から流
出した試料ガスは、分離カラム1‐2を通って電子衝撃
イオン源部1‐3に送られる。電子衝撃イオン源部1‐
3に導入された試料ガスは、電子銃1‐4から放出され
る電子による電子衝撃でイオン化される。電子衝撃イオ
ン源部1‐3には電圧が印加されており、生成したイオ
ンはイオン導入部1‐5に放出される。イオン導入部1
‐5で収束、軌道修正されたイオンは、エンドキャップ
電極1‐6の開口部を通して、イオントラップ型質量分
析部1‐9内に導入される。イオントラップ型質量分析
部1‐9はエンドキャップ電極1‐6、リング電極1‐
7、エンドキャップ電極1‐8とから構成されている。
このイオントラップ型質量分析部1‐9内のガス圧は、
イオンの閉じ込め効率に影響を及ぼす。従来のGC/M
Sのように試料ガスを直接イオントラップ型質量分析部
1‐9内に導入している場合には、その導入量を調節す
ることによって、ガス圧を最適な値に制御できるが、本
発明では、試料分子から生成したイオンだけしかイオン
トラップ型質量分析部1‐9内に導入しないので、ガス
圧を最適な値に制御するための別の機構を設けなければ
ならない。このため、ガス圧の調節は、イオン‐分子反
応を起こさないで、かつ、イオンの軌道に影響を与えな
い、例えば、ヘリウムのような不活性ガスをイオントラ
ップ型質量分析部1‐9内に導入することによって行な
う。これを実現するために、イオントラップ型質量分析
部1‐9には、ダンピングガス導入部1‐10より配管
1‐11を通してヘリウムなどのダンピングガスを内部
に引き込むことが可能な構造が設けられている。そし
て、イオントラップ型質量分析部1‐9内に導入された
イオンは、電極1‐6,1‐7,1‐8に印加される高
周波電圧によって一定時間そこに閉じ込められ蓄積され
る。その後、高周波電圧値を一様に走査することによっ
て、閉じ込めたイオンを質量ごとに取り出し、それをイ
オン検出部1‐12により検出する。こうして質量分析
されたイオンは、検出後、増幅されて、データ処理部1
‐13に転送される。このデータ処理部では、得られた
情報をマススペクトルとして、モニタ部1‐14に表示
する。ここで、ガスクロマトグラフ1‐1、電子銃1‐
4、イオン導入部1‐5、イオントラップ型質量分析部
1‐9、イオン検出部1‐12は、制御部1‐15によ
り制御される。また、電子衝撃イオン源部1‐3を含む
チャンバーとイオントラップ型質量分析部1‐9を含む
チャンバーとは、イオン通気孔を介して接続されてお
り、それぞれのチャンバーは、別系統の排気部1‐1
6,1‐17によって排気されている。こうすることに
よって、一層余分な分子の流入を防ぐことができる。
【0015】次に、図2は、本発明に係る電子衝撃イオ
ン源を用いた他の質量分析装置全体の構成を示す図であ
る。これは、大気中のガス分子を差動排気によって装置
内部に取り込んでイオン化し、その成分について質量分
析する装置である。第1フランジ2‐1と第2フランジ
2‐2とで囲まれた領域は、荒引き用真空ポンプを用い
た排気部2‐3によって、10から0.001Torrの範
囲に排気されており、第2フランジ2‐2の後段の電子
衝撃イオン源部1‐3を含む領域は、さらに別の排気部
2‐4によって排気されている。これらのフランジ、及
び排気部2‐3,2‐4から形成される差動排気部によ
り、大気中のガス分子は第1フランジ2‐1の開口部を
通って装置内部に引き込まれ、さらには第2フランジ2
‐2の開口部を通って電子衝撃イオン源部1‐3に引き
込まれる。ここで第1フランジ及び第2フランジの開口
部には、汚染防止のため、それぞれ加熱用のヒーター2
‐5,2‐6が接続されている。次に、電子衝撃イオン
源部1‐3に引き込まれた大気中のガス分子は、電子銃
1‐4から放出される電子による電子衝撃でイオン化さ
れ、イオン導入部へと送られる。以下、図1に示したG
C/ITMSと同様にして、分析イオンを検出すること
ができる。これにより、例えば、大気中に含まれる悪臭
の原因となるトリメチルアミンなどの微量成分を検出す
ることが可能になる。なお、図1と図2の場合とでは、
試料ガス分子の導入方法が異なるが、差動排気によって
大気中のガス分子を導入する装置においても、イオン源
部に分離カラムを取り付け、ガスクロマトグラフから試
料ガス分子を切り替えて導入できるようにしてもよい。
【0016】次に、図3は、図1及び図2に示した質量
分析装置の電子衝撃イオン源部1‐3の構成を示した図
である。試料ガス3‐1は中性で、ガスクロマトグラフ
から電子衝撃イオン源部1‐3に導入される。導入され
た試料ガス3‐1は、電子銃より放出された電子3‐2
により電子衝撃でイオン化される。そして、電子衝撃イ
オン源部1‐3内部の電極3‐3,3‐4に電圧を印加
すると、試料分子イオン3‐5は、イオン導入部へと放
出される。図では、試料を外部から導入するための孔の
中心軸3‐6と、電子衝撃イオン源部からイオンを放出
するための孔の中心軸3‐7とは直交しているが、これ
は平行でも良い。ただし、中性ガス分子が直接イオン導
入部に流入しないように、相互に位置をずらした方がよ
い。
【0017】図4は、図1及び図2に示した質量分析装
置のイオン導入部1‐5の構成を示した図である。イオ
ン導入部は、アインツェルレンズ4‐1とイオンガイド
4‐2とからなるイオンガイド部と、グリッド4‐3か
らなるゲート部とから構成されている。アインツェルレ
ンズ4‐1は、外側の電極4‐4,4‐6が同電位にな
っていて、内側の電極4‐5との電位差により、電子衝
撃イオン源部より導かれたイオン3‐5を収束すること
ができる。イオンガイド4‐2は、内筒電極4‐7と外
筒電極4‐8とからなっていて、それらの電位差により
イオンの軌道を修正する。収束、軌道修正されたイオン
は、グリッド4‐3で減速、もしくは加速されて、イオ
ントラップ型質量分析部へと導入される。
【0018】図5は、図1及び図2に示した質量分析装
置のイオントラップ型質量分析部1‐9とイオン検出部
1‐12との構成を示した図である。イオン3‐5は、
エンドキャップ電極1‐6の開口部を通り内部に導入さ
れる。リング電極1‐7とエンドキャップ電極1‐6,
1‐8とはイオンを囲むように配置され、印加される高
周波電圧によって内部にイオンを閉じ込め蓄積する。内
部の圧力は、配管1‐11を通して導入されるダンピン
ガスによって調整される。閉じ込められたイオンは、エ
ンドキャップ1‐8の開口部を通してイオン検出部1‐
12に導かれ、反射板5‐1で反射され、マルチプライ
ヤー5‐2によって増幅して検出される。
【0019】図6は、図1及び図2に示した質量分析装
置のイオン導入部1‐5の、入口と出口の中心軸が一致
していない場合の、イオンの軌道修正について表した図
である。対象とする試料分子イオン6‐1は、イオンガ
イド4‐2により偏向させられ、イオントラップ型質量
分析部1‐9に導入される。一方、その他の中性分子6
‐2は直進し、イオントラップ型質量分析部1‐9には
入って来ない。これにより、さらにイオントラップ内へ
の余分な分子の導入を防ぐことが可能になり、検出され
るマススペクトルのSN比は向上する。
【0020】次に、図7は、化学イオン源を用いた質量
分析装置の装置全体の一構成を示す図である。試料分子
の中には、電子衝撃によるイオン化に対して壊れやすい
ものや、イオン化しにくいものがある。その場合、既知
の反応分子を電子衝撃によりイオン化し、反応分子イオ
ンと試料分子とのイオン‐分子反応により、試料分子を
ソフトにイオン化することが出来る。図7の装置では、
図2と同様に、大気圧下から差動排気によって中性の試
料分子を化学イオン源部7‐1に引き込んでいる。そし
て、化学イオン源部7‐1には、反応分子導入部7‐3
から既知の反応分子を導入するためのカラム7‐2が接
続されている。そして、まず、反応分子を化学イオン源
部に導き、反応分子を電子衝撃によってイオン化させ、
その後、試料分子を導入して、試料分子とイオンとのイ
オン‐分子反応を起こさせる。その結果、試料分子はイ
オン化される。ここで、イオン‐分子反応の反応時間よ
り十分長い時間、反応を続けると、反応分子のイオンは
なくなり、試料分子イオンだけがイオン導入部へと放出
される。以下、図1及び図2と同様にして、分析イオン
を検出することができる。なお、図7の装置では、試料
分子は大気中から、差動排気部を経てイオン源部に導入
されているが、図1に示したように、ガスクロマトグラ
フを用いて導入することもできる。また、両方の導入手
段を設けて、切り替えて使用してもよい。
【0021】図8は、図7に示した質量分析装置の化学
イオン源部7‐1の構成を示した図である。
【0022】カラム7‐2から導入された既知の反応分
子8‐3は、電子銃より放出された電子8‐2により電
子衝撃でイオン化される。イオン化された反応分子イオ
ンは、大気圧下から化学イオン源部7‐1に導入された
試料分子8‐1とイオン‐分子反応を起こし、試料分子
をイオン化する。反応が起こるのに十分な時間が経過し
た後、化学イオン源部7‐1内部の電極8‐4,8‐5
に電圧を印加すると、試料分子イオン8‐6はイオン導
入部へと放出される。反応分子の導入とイオンの放出の
タイミングを制御することによって、試料分子イオンだ
けをイオン導入部へと放出することが可能となる。図で
は、試料を外部から導入するための孔の中心軸8‐7
と、化学イオン源部からイオンを放出するための孔の中
心軸8‐8とは直交しているが、これは、図3において
述べたように、少し位置をずらした平行でも良い。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る質量
分析装置においては、イオン源部をイオントラップ型質
量分析部とは独立して前段に設けたことにより、質量分
析部内に中性分子が入り込むことが防止でき、質量分析
部内でイオン‐分子反応が起きることが抑えられる。そ
の結果、対象とする試料分子のイオン化を損失なく行う
ことができ、さらに、イオントラップ型質量分析部内に
イオンを長時間閉じ込め、蓄積することが可能となり、
質量分析イオンの検出効率を著しく向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る質量分析装置の一実施例の概略構
成図である。
【図2】本発明に係る質量分析装置の他の実施例の概略
構成図である。
【図3】本発明に係る装置の電子衝撃イオン源部の構成
図である。
【図4】本発明に係る装置のイオン導入部の構成図であ
る。
【図5】本発明に係る装置のイオントラップ型質量分析
部とイオン検出部の構成図である。
【図6】イオン導入部のイオンの入口と出口の中心軸と
をずらした場合の装置構成とイオン軌道とを示した図で
ある。
【図7】本発明に係る質量分析装置の他の実施例の概略
構成図である。
【図8】本発明に係る装置の化学イオン源部の構成図で
ある。
【図9】従来のGC/MS装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1‐1,9‐1…ガスクロマトグラフ 1‐2,9‐2…分離カラム 1‐3…電子衝撃イオン源部 1‐4,9‐7…電子銃 1‐5…イオン導入部 1‐6,1‐8,9‐3,9‐5…エンドキャップ電極 1‐7,9‐4…リング電極 1‐9,9‐6…イオントラップ型質量分析部 1‐10…ダンピングガス導入部 1‐11…配管 1‐12,9‐8…イオン検出部 1‐13,9‐9…データ処理部 1‐14,9‐10…モニタ部 1‐15,9‐11…制御部 1‐16,1‐17,2‐3,2‐4,9‐12…排気
部 2‐1,2‐2…フランジ 2‐5,2‐6…ヒーター 3‐1,8‐1…試料ガス分子 3‐2,8‐2…電子 3‐3,3‐4,8‐4,8‐5…電極 3‐5,8‐6…試料分子イオン 3‐6,3‐7,8‐7,8‐8…孔の中心軸 4‐1…アインツェルレンズ 4‐4,4‐5,4‐6…電極 4‐2…イオンガイド 4‐7,4‐8…内、外筒電極 4‐3…グリッド 5‐1…反射板 5‐2…マルチプライヤー 6‐1…イオン軌道 6‐2…中性粒子軌道 7‐1…化学イオン源部 7‐2…カラム 7‐3…反応分子導入部 8‐3…反応分子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平林 集 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 小泉 英明 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気相分子をイオン化するイオン源部と、生
    成したイオンを質量分析する一対のエンドキャップ電極
    とリング電極とからなるイオントラップ型質量分析部
    と、イオンを検出するイオン検出部と、上記イオントラ
    ップ型質量分析部を制御する制御部と、上記検出イオン
    による信号を処理するデータ処理部とからなる質量分析
    装置において、外部から導入した試料分子を電子衝撃に
    よりイオン化する電子衝撃イオン源部を上記イオントラ
    ップ型質量分析部の前段に独立に設けたことを特徴とす
    る質量分析装置。
  2. 【請求項2】上記電子衝撃イオン源部と上記イオントラ
    ップ型質量分析部との間に、上記電子衝撃イオン源部か
    ら放出されたイオンの軌道を修正し、収束するイオンガ
    イド部と、上記イオンの上記イオントラップ型質量分析
    部内への打ち込みを制御するゲート部とを有するイオン
    導入部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の質量
    分析装置。
  3. 【請求項3】上記イオン導入部において、上記電子衝撃
    イオン源部からイオンを放出する孔の中心軸と、上記イ
    オントラップ型質量分析部にイオンを導入するエンドキ
    ャップ電極の孔の中心軸との位置を相互にずらしたこと
    を特徴とする請求項2に記載の質量分析装置。
  4. 【請求項4】上記電子衝撃イオン源部が存在するチャン
    バーと、上記イオントラップ型質量分析部が存在するチ
    ャンバーとが、イオンの通気孔を介して接続され、それ
    ぞれのチャンバーが別系統の排気部により排気されてい
    ることを特徴とする請求項1,2または3に記載の質量
    分析装置。
  5. 【請求項5】上記電子衝撃イオン源部に試料分子を外部
    から導入する孔の中心軸と、該電子衝撃イオン源部から
    イオンを放出する孔の中心軸とが相互にずれて平行であ
    ることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の
    質量分析装置。
  6. 【請求項6】上記電子衝撃イオン源部に試料分子を外部
    から導入する孔の中心軸と、該電子衝撃イオン源部から
    イオンを放出する孔の中心軸とが直交していることを特
    徴とする請求項1,2,3または4に記載の質量分析装
    置。
  7. 【請求項7】上記電子衝撃イオン源部に、気相中の混合
    試料を分離するガスクロマトグラフの分離カラムが接続
    されていることを特徴とする請求項1から6までのいず
    れかの項に記載の質量分析装置。
  8. 【請求項8】上記電子衝撃イオン源に少なくとも1段の
    差動排気部を設け、該差動排気部を介して大気圧下にあ
    る試料分子を上記電子衝撃イオン源部に導入することを
    特徴とする請求項1から7までのいずれかの項に記載の
    質量分析装置。
  9. 【請求項9】上記差動排気部における圧力が10〜10
    ~3Torrの範囲にあることを特徴とする請求項8に記載
    の質量分析装置。
  10. 【請求項10】上記差動排気部には、加熱用のヒーター
    が設けられていることを特徴とする請求項8または9に
    記載の質量分析装置。
  11. 【請求項11】気相分子をイオン化するイオン源部と、
    生成したイオンを質量分析する一対のエンドキャップ電
    極とリング電極とからなるイオントラップ型質量分析部
    と、イオンを検出するイオン検出部と、上記イオントラ
    ップ型質量分析部を制御する制御部と、上記検出イオン
    による信号を処理するデータ処理部とからなる質量分析
    装置において、電子衝撃で生成したイオンと試料分子と
    のイオン‐分子反応により試料分子をイオン化する化学
    イオン源部を上記イオントラップ型質量分析部の前段に
    独立に設けたことを特徴とする質量分析装置。
  12. 【請求項12】上記化学イオン源部と上記イオントラッ
    プ型質量分析部との間に、上記化学イオン源部から放出
    されたイオンの軌道を修正し、収束するイオンガイド部
    と、上記イオンの上記イオントラップ型質量分析部内へ
    の打ち込みを制御するゲート部とを有するイオン導入部
    を設けたことを特徴とする請求項11に記載の質量分析
    装置。
  13. 【請求項13】上記イオン導入部において、上記化学イ
    オン源部からイオンを放出する孔の中心軸と、上記イオ
    ントラップ型質量分析部にイオンを導入するエンドキャ
    ップ電極の孔の中心軸との位置を相互にずらしてあるこ
    とを特徴とする請求項12に記載の質量分析装置。
  14. 【請求項14】上記化学イオン源部が存在するチャンバ
    ーと、上記イオントラップ型質量分析部が存在するチャ
    ンバーとが、イオンの通気孔を介して接続され、それぞ
    れのチャンバーが別系統の排気部により排気されている
    ことを特徴とする請求項11,12または13に記載の
    質量分析装置。
  15. 【請求項15】上記化学イオン源部に試料分子を外部か
    ら導入する孔の中心軸と、該化学イオン源部からイオン
    を放出する孔の中心軸とが相互にずれて平行であること
    を特徴とする請求項11,12,13または14に記載
    の質量分析装置。
  16. 【請求項16】上記化学イオン源部に試料分子を外部か
    ら導入する孔の中心軸と、該化学イオン源部からイオン
    を放出する孔の中心軸とが直交していることを特徴とす
    る請求項11,12,13または14に記載の質量分析
    装置。
  17. 【請求項17】上記化学イオン源部に、気相中の混合試
    料を分離するガスクロマトグラフの分離カラムが接続さ
    れていることを特徴とする請求項11から16までのい
    ずれかの項に記載の質量分析装置。
  18. 【請求項18】上記化学イオン源部に、少なくとも1段
    の差動排気部を設け、該差動排気部を介して大気圧下に
    ある試料分子を上記化学イオン源部に導入することを特
    徴とする請求項11から17までのいずれかの項に記載
    の質量分析装置。
  19. 【請求項19】上記差動排気部における圧力が10〜1
    0~3Torrの範囲にあることを特徴とする請求項18に
    記載の質量分析装置。
  20. 【請求項20】上記差動排気部には、加熱用のヒーター
    が設けられていることを特徴とする請求項18または1
    9に記載の質量分析装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10269983A (ja) * 1997-03-24 1998-10-09 Toyota Gakuen 走査プロトン顕微鏡
JP2005537627A (ja) * 2002-09-03 2005-12-08 マイクロマス ユーケー リミテッド 質量分析計
KR100816081B1 (ko) * 2006-12-19 2008-03-24 한국표준과학연구원 리액션 셀에 이온을 저장/농축하여 감도를 향상시킨유도결합플라즈마 질량분석기

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