JP2000067805A - 質量分析装置 - Google Patents

質量分析装置

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JP2000067805A
JP2000067805A JP10237479A JP23747998A JP2000067805A JP 2000067805 A JP2000067805 A JP 2000067805A JP 10237479 A JP10237479 A JP 10237479A JP 23747998 A JP23747998 A JP 23747998A JP 2000067805 A JP2000067805 A JP 2000067805A
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Japan
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mass spectrometer
ions
lens
electrode
ion
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JP10237479A
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English (en)
Inventor
Yuichiro Hashimoto
雄一郎 橋本
Takayuki Nabeshima
貴之 鍋島
Yasuaki Takada
安章 高田
Minoru Sakairi
実 坂入
Masamichi Tsukada
正道 塚田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/04Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマイオン源質量分析計や液体クロマト
グラフ/質量分析計において、イオン源に起因するノイ
ズを低減させるとともに、シグナル量の低下を抑え、メ
ンテナンス性を改善したイオンレンズを提供する。 【解決手段】 スリット電極7と偏向レンズ10により
90°偏向を行うことによりノイズを低減する。小孔を
有するスリット電極7とゲートバルブ8の組み合わせに
より洗浄などのメンテナンス性を向上させる。引き出し
電極6、二重円筒型の静電レンズ9によりシグナルの減
少を抑える。平板に多数の穴を設け、引き出し電極6の
位置合わせを行う。また、イオントラップ型質量分析部
14を用い、そのエンドキャップ電極308、309の
間に共鳴電圧310を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、質量分析装置、特
に、溶液試料を噴霧して、誘導結合プラズマやマイクロ
波プラズマ等、大気圧プラズマ中に導入し、生成したイ
オンを質量分析計で検出するプラズマイオン源質量分析
計、あるいは、溶液中の物質を液体クロマトグラフで分
離した後、分離した成分をイオン化して質量分析計で検
出する液体クロマトグラフ/質量分析計等の質量分析装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の質量分析装置として、特開平7−
78590号及び特開平9−243601号公報に開示
されているプラズマイオン源質量分析装置がある。参考
のために従来例の構成を図21に示す。この装置では、
霧化器2で霧化された試料瓶1中の溶液試料の一部は、
プラズマ3によりイオン化される。生成したイオンは、
サンプリングコーン4を通り、124によって差動排気
される第1差動排気部と呼ばれる約1Torrに排気さ
れた真空領域に導入される。その後、スキマーコーン5
を経て、125によって差動排気される第2差動排気部
と呼ばれる約1×10-4Torrに排気された真空領域
へ導入される。真空中に引き出された後、ゲートバルブ
8で広がったイオン軌道をイオンレンズ22a、22
b、22c、及び入口アパーチヤー19で収束させる。
その直後に配置した4本の4分割した円筒状電極10
a、10b、10c、10dからなる偏向レンズ10
(Qディフレクターと呼ばれる。)を用いてイオンを9
0度偏向させ、ノイズの大きな原因である光子を直進さ
せてイオンと光子を分離する。その後、補正電極16
a、16bにより、イオンの収束性を向上させ、質量分
離部14に導入して質量分離し、検出器15で検出する
構成となっている。上記の方法については、特開平7−
78590号公報に記載されている。この方法には、プ
ラズマから発生したノイズの原因となる光子や中性分子
が、検出器に到達するのが抑えられ、ノイズが低減でき
る効果がある。
【0003】スキマーコーン5の直後には負の電圧を印
加した引き出し電極23を配置する。引き出し電極23
についての詳細は、特開平9−243601号公報に記
載されている。この方法には、スキマーコーン5が見込
む立体角を小さくし、S/Nを向上させる効果がある。
また、引き出し電極23にイオン源で発生した汚れを集
中的に付着させ、汚染レンズを限定する。また、後段に
ゲートバルブ8を配置して洗浄しやすくすることによ
り、メンテナンス性を向上させる効果がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、単に引
き出し電極の中腹を絞り見込み角を小さくしているた
め、透過するイオンが限定され、本来得られるべきイオ
ンシグナルが減少するとい問題がある。また、レンズの
洗浄後、組み立て時の誤差が生じ、イオン透過率の再現
性が得られない場合がある。イオンレンズが汚れてくる
と、レンズの表面に絶縁膜が形成され、電場が正常に形
成されなくなる。また、ゲートバルブはグラウンドに接
地しているため、この部分でイオンは低速運動し、意図
しない電場のしみ出し(フリンジングフィールドと呼ば
れる)の影響を受けやすくなる。通常、これらの電場は
レンズの中心軸に対し非対称に形成されるため、図20
の軸対象なイオンレンズ22a、22b、22c、及び
入口アパーチャー19では、イオン軌道を絞りきれずイ
オン透過率が減少する問題がある。
【0005】また、イオンを偏向した後、質量分析部に
導入するための補正レンズとして、対向する2対の平板
16a、16bと図示しない紙面に対し表裏方向の平行
平板あるいは円筒状の補正電極を複数用いる構成であっ
た。つまり、イオンの進行方向に対して、直角方向に電
位勾配をつけることによりイオンの進行方向を修正し、
収束させているが、イオンの運動エネルギーに対し、補
正電極16の電圧最適値は大きく依存し、イオン運動エ
ネルギーにばらつきが大きいプラズマ質量分析装計では
イオン収束が困難である。また、サンプルのキャリアー
ガスやプラズマガスに用いられるArやN2ガスに起因
するArOH+やNOH+などの分子イオンが生成し、こ
れらが測定対象の単原子イオンのピークと重なり、測定
を妨害する問題がある。
【0006】本発明の課題は、プラズマイオン源質量分
析計において、メンテナンス性やイオンシグナルを損な
わず、イオン源に起因するフォトンノイズや妨害分子イ
オンを低減し、S/Nを大幅に向上することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、大気圧下でイオンを生成
するイオン源と、該イオン源から生成したイオンを高真
空領域に取り込むための差動排気部と、該差動排気部を
通過して高真空領域に取り込まれたイオンを引き出して
収束する収束レンズ部と、該収束レンズ部で収束された
イオンを質量分析して検出する質量分析部とからなる質
量分析装置において、中性分子や光子を遮る効果のある
小孔を有するスリット電極が、ゲートバルブの手前に挿
入され、該スリット電極とスキマーコーンとの間に収束
作用のある引き出し電極を有することを特徴とする質量
分析装置である。さらに、上記収束レンズが、上記引き
出し電極、上記スリット電極、イオンレンズ及び偏向レ
ンズからなり、イオンレンズのいずれかが、収束作用を
有する内筒に穴を有する二重円筒型の静電レンズである
ことを特徴とする質量分析装置である。さらに、上記偏
向レンズが、イオンのみを90°偏向する効果を有する
扇形の形状、または、独立に電圧が印加可能な4本の円
筒を4分割した形状よりなる偏向レンズであることを特
徴とする質量分析装置である。
【0008】本発明の質量分析装置によると、測定対象
となるイオンはスキマーコーンを通過した後、引き出し
電極及びイオンレンズを通過して質量分析部に入射さ
れ、検出される。プラズマで発生したフォトンや中性分
子は、イオンの進行方向に対して外れたところでは、小
孔を有するスリット電極に付着する。このスリット電極
に中性分子の大部分は付着するために、それ以降の真空
部分のレンズに対する絶縁膜の形成を抑えることが出来
る。また、スリット電極はゲートバルブの手前にあり、
質量分離部の真空を破らずにメンテナンスを行える。ま
た、スリット電極を通過した中性分子やフォトンに関し
ては、偏向レンズでイオンのみを90°偏向することに
より、イオンと分離することが出来る。また、イオン光
学系において安定した静電レンズ構成を維持して高いイ
オン透過率を保つため、静電レンズ構成、またその組み
上げ法についての改善を行った。これにより、イオン光
学系の組み立て誤差を少なくでき、イオン透過率の再現
性が向上した。また、本発明ではイオントラップに入射
するイオンの運動エネルギーを調節する機能を付加した
ことによりイオンの取り込み効率が飛躍的に向上し、大
幅なS/N向上が実現した。また、プラズマイオン源質
量分析計の質量分析部にイオントラップを用い、エンド
キャップ電極間に共鳴電圧を印加することにより、妨害
分子イオンと測定対象である単原子イオンを分離し、高
感度分析が行えるようになった。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1を用
いて説明する。図1に、ノイズの大きな原因となる光子
と、イオンを分離する必要があるプラズマイオン源質量
分析装置の実施例を示す。液体クロマトグラフ/質量分
析装置の場合には、光子の代わりに真空中に流入してき
た微小液滴が除去対象になるが、イオンとノイズ源であ
る直進粒子(光子や微小液滴)を分離してS/Nを改善
する。また、微小液滴をゲートバルブ以降に進入させな
いようにしてメンテナンス性を改善するという基本的な
考え方は同じである。以下、本発明の実施の形態につい
て実施例を挙げ、図面を参照しながら説明する。
【0010】図1は、本発明を用いたプラズマイオン源
質量分析装置の構成図である。各レンズに印加する電圧
については図10に示す。霧化器2で霧化された試料瓶
1中の溶液試料の一部は、大気圧下における誘導結合プ
ラズマあるいはマイクロ波プラズマ3に導入されイオン
化される。生成したイオンは、内径が0.8mm程度の
サンプリングオリフィス4を通して、排気速度が数百リ
ットル/分程度のロータリポンプ24で1Torr程度
に排気された差動排気部に導入される。オイルフリーの
スクロールポンプ24で差動排気を行った場合の利点の
一つは、差動排気部がオイルによって汚染されるのを防
ぎ、レンズの洗浄必要回数が低下することである。ま
た、もう一つの利点は、オイルが真空部へと導入されな
いため反応が抑制され、長時間(50ms以上)のイオ
ンを取り込み続けることが出来ることである。イオント
ラップ型質量分析装置のように、イオンが生成してから
検出されるまでの滞在時間が長い(1ms以上)場合、
差動排気にロータリーポンプ24を用いるとオイルなど
が混入し、測定対象イオンがオイルと反応して消滅し、
正確な定量値を与えない場合がある。シグナル量はイオ
ントラップでのイオン取り込み時間に比例するため、感
度の向上にはイオン取り込み時間を延ばすことが有効で
あり、オイルフリーのスクロールポンプ24を用いてイ
オン取り込み時間を延ばした結果、シグナル量が増大し
た。イオンはさらに差動排気部内に設けられた内径0.
4mm程度の細孔を有するスキマー5を通過して、直後
に配置された引き出し電極6aにより引き出せる。その
後イオンは、静電レンズ(イオンレンズ)6a、6b、
6cにより、スリット電極7の小孔部分に収束させ、ゲ
ートバルブ8に導入される。ゲートバルブ8は、開の状
態のときゲート部分を収めるスペースが必要となる。こ
の分析装置は、偏向レンズ10により90度偏向を行
い、質量分析部(質量分離部)14が横に突き出る形に
なっているため、質量分析部分のある方向にゲート収納
部分を配置した。これにより、省スペースな構成となっ
た。
【0011】ゲートバルブ8の前段のスリット電極7に
は、ゲートバルブ8の開口部分を覆い中心に小さい穴
(1〜3mmφ)を有するものを用いる。このスリット
電極7には、中性分子や、プラズマにより発生する光子
(フォトン)などの、直進性のノイズ源をできるだけこ
こで取り除く。また、中性分子に起因すると思われる電
極の汚れをゲートバルブ8の手前に限定することによ
り、メンテナンス性を向上させるといった効果がある。
直進性粒子の各レンズの透過率Tは、スキマーコーン5
からの見込み立体角Ω、電極の内径r、スキマーコーン
5からスリット電極7までの距離lに対し、次に示す
(数1)式の関係が成立する。 T∝Ω∝r2/l (数1) すなわち、同じ穴径であれば、レンズ6の収束作用によ
り、スキマーコーン5からスリット電極7までの距離が
大きくとれる図1の構成の方がノイズなどの直進性粒子
の透過率は低くなる。しかし、従来例のようにイオンシ
グナル量も減少してしまうと、S/Nは改善しない。
【0012】シグナルの減少を防ぐことを目的にイオン
レンズ(静電レンズ)6を収束レンズとして用いた。ス
リット電極7の小孔にイオン軌道の焦点が来るようにイ
オンレンズ6に印加する電圧値を設定する。図7はそれ
ぞれ図1の構成をとったときのイオン軌道の計算結果で
ある。スキマー5から、紙面に対し、上下方向に−30
°から30°まで、10°ごと、10eVのエネルギー
を持ったイオンについての軌道を図示している。このと
き、スリット電極7の穴の内径は2mmφであるが、図
7から分かるように、スリット電極7ではすべてのイオ
ンが透過している。一方、スリット電極7がない場合の
シミュレーション結果を図20に示す。イオンの一部
は、引き出し電極6a、6b、6cを通過しないため、
イオンシグナルは低下している。このように、電極6を
レンズとして用いスリット電極7の小孔に焦点を合わせ
ることにより、シグナルの減少を防ぐことが可能であ
る。図1では、上述したノイズ低減の目的で、スキマー
コーン5からの距離を長くとるために、引き出し電極6
として、3つの分割した電極6a、6b、6cを用いて
いる。しかし、独立に電圧を印加できる電極が、スリッ
ト電極7より手前に1個以上あればスリット電極中央に
焦点を合わせることが可能である。前述の理由から、ス
リット電極7の挿入により、直進ノイズが低減できるか
ら、スリット電極がない場合に比較して高S/Nが実現
できる。スリット電極付近の形状については、図1およ
び図8に示す形状のほかに、図9に示す形状も有効であ
る。これらの電極は、図に示すようにゲートバルブ8の
穴全体をほぼ遮蔽する形状であり、これにより、ゲート
バルブ8内での電場が、引き出し電極6の電圧に依存せ
ず、電極電圧の調整が容易になった。ゲートバルブ8の
手前部分のガス排気は、一部がスリット電極7の小孔
他、大部分はスリット電極7とゲートバルブ8の内壁と
の間を通りなされる。よってイオンレンズのある中心か
ら外側への中性ガス流が発生し、イオンレンズ6の汚れ
を防ぐ。
【0013】また、スリット電極7の穴径を小さくした
ため、見込み角が小さくなり、スリット電極7の以降に
導入される中性分子などの汚れも少なくなるため、ゲー
トバルブ8以降の真空を止めてレンズの洗浄を行う必要
回数を大幅に削減することができる。スリット電極7
は、汚れが速くこまめな洗浄が必要であるので、特に汚
れの激しいスリット電極7が取り外せる装置構成は更に
メンテナンス性を向上させる。前述した如くフリンジン
グフィールドにより広がったイオン軌道を収束させるた
め、ゲートバルブ8と、偏向レンズ10の間には二重の
円筒レンズ9aと9bを用いる。この二重円筒型の静電
レンズ9は、内筒電極9aの多数の開口から、内側に滲
み出した外筒電極9bの電界によりイオンを収束する作
用を有する。図4に、二重円筒型の静電レンズ9の断面
図と一部の立体図を示した。内筒電極9aの中心軸方向
に開口を、位相を変えて、しかも円筒電極の軸方向に距
離を変えて複数個設けると、この開口から滲みだした外
筒電極9bによる電界が三次元的にイオンを収束する役
目(イオンを円筒の中心方向に押し戻す収束作用)を有
する。
【0014】なお、図4では、外筒電極9bには開口を
設けているが、これは二重円筒型静電レンズ内部の真空
を良くするために、ガス抜きのための開口を設けたもの
である。それ故、これを、設けない構成でも、イオンの
収束には効果がある。図1には、二重円筒レンズ9とゲ
ートバルブ8との間に、ゲートバルブ8の開口部を塞ぐ
ような静電レンズ20を挿入している。この静電レンズ
20の役割は、二重円筒レンズ9の電界が、ゲートバル
ブ8の内部にしみだしてイオン軌道に影響を与えるのを
防いでいる。偏向レンズ10には、図1あるいは図2に
示したような、4本の4分割した円柱または円筒状電極
10a、10b、10c、10dよりなる偏向レンズ1
0、あるいは図3に示した、1対の扇状電極11a、1
1bよりなる偏向レンズ11などを使用することができ
る。これらの偏向レンズはそのままでは、紙面に対して
上下方向(図2、図3に図示)が、真空筐体に対して開
放されており、フリンジングフィールドの影響を受け易
い。これを抑えるために、ディフレクターボックス12
で全体を覆う。ディフレクターボックス12には、イオ
ンの入射方向、出射方向に小孔を設ける。また、光子が
乱反射するのを防ぐため、光子の進行方向に穴を設ける
ことにより反射光が検出器15に入ることを防ぐことが
できる。
【0015】1対の扇状電極よりなる偏向レンズ11を
用いる場合には、直進する光子を取り除く穴を電極の一
部に設ける必要がある。偏向レンズ10、11の存在す
る領域は、ターボ分子ポンプ25などで1×10-4から
1×10-5Torrに排気される。図1において、偏向
レンズ10を通過したイオンは、静電レンズ13により
収束され、質量分析部14に入る。二重円筒型の静電レ
ンズ9により、偏向レンズ出口でのイオンの収束性は良
いので、補正電極の必要はない。また、この静電レンズ
13の代わりに、この部分を、二重円筒型の静電レンズ
21a、21bを用いる図5に示す構成を用いることも
できる。この静電レンズ21a、21bの構成は、上記
静電レンズ9a、9bと同じである。この場合、質量分
離部14に入るイオンの収束性がさらに向上する。図1
の構成に、静電レンズ20と二重円筒型静電レンズ9を
取り除いた図6に示す構成を用いることも可能である。
この場合、レンズ数が減少するため、製作コストを削減
できるメリットがある。
【0016】更に、静電レンズ13で収束されたイオン
は、図14〜図17に示すように、1対のエンドキャッ
プ電極308、309とリング電極306に囲まれた空
間内にイオンを一定時間溜め込んだ後、高周波電界を走
査することにより質量分離するイオントラップ型質量分
離部や、4本のロッドに高周波電圧をかけて質量分析す
る四重極型質量分離部等の質量分離部14に導入され
る。特にイオントラップ型では、リング電極306に印
加する電圧が一定のとき、エンドキャップ電極308,
309間の距離の二乗と質量選別できる最高質量数とは
おおよそ反比例の関係にある。このため、プラズマイオ
ン源質量分析装置のように測定対象となるイオンが元素
イオンであり、マスレンジが250以下と限定されれば
イオントラップのサイズを大きくできる。一方で、従来
のイオントラップではエンドキャップ電極に開けるイオ
ンの導入孔や排気孔のサイズを大きく出来ず、イオント
ラップの透過率を低下させる一因となっていた。また、
穴径を大きくした場合(2mm以上)トラップ内部での
電場が乱れイオンの取り込み効率及び排出性能を低下さ
せていた。質量数が250以下に限定され、イオントラ
ップが大きくなると穴径を2mm以上としても電場が乱
れず、イオン透過率が向上する。また、イオントラップ
ではイオンが飽和してイオンのため込みや掃き出し時の
分解能に悪影響を与えるスペースチャージと呼ばれる現
象があった。ため込み可能なイオン量はイオントラップ
のサイズに依存するのでサイズの大きなイオントラップ
を用いることにより、スペースチャージの問題は抑えら
れる。リング電極306間に印加できる最高電圧を10
kV(p.p.)とした場合、マスレンジが250以下
であればエンドキャップ間の最短距離が20mmまで大
きく出来る。これは、GC−MSなどで用いられている
一般的なイオントラップのサイズに比べて約1.5倍の
大きさであり、スペースチャージの影響は1/3にな
る。イオンは質量分離した後、検出器15で検出され
る。
【0017】以上、プラズマイオン源質量分析装置に適
用した実施の形態について述べてきたが、大気圧化学現
象を利用したエレクトロスプレー法などのような大気圧
イオン化法と組み合わせた液体クロマトグラフ/質量分
析装置の場合にも同様な効果が期待できる。この場合に
は、光子に代わって微小液滴が除去対象となる。
【0018】新しいイオン光学系の優位性を検討するた
めにスリット電極7や二重円筒レンズ9がある場合とな
い場合とについて、イオン軌道計算を行った結果をそれ
ぞれ図7、図20に示す。図7では、すべてのイオン
が、通過しているのに対し、図20では、一部のイオン
が通過せずイオン透過率が低下していることが分かる。
また、計算とは異なり、現実には、機械精度や、レンズ
の汚れにより非対称電界が発生するため、二重円筒型レ
ンズ9を用いた図1に示す構成は、図21に示す構成に
比較して、透過率が高い。イオントラップ(質量分離
部)14のエンドキャップ電極308と、サンプリング
コーン(スキマーコーン)5に電位差を設け、イオント
ラップ内でのイオンの取り込み効率を高める方法があ
る。イオンの入射エネルギーには最適値があり、数eV
が最適とされており、その値から離れるほどイオンの取
り込み効率は低くなる。プラズマイオン源質量分析装置
では、イオン源でサンプリングコーン(スキマーコー
ン)5に対し、20eV程度のプラズマ電位を持ち、結
果として10eV程度の運動エネルギーを真空中で持つ
ことになる。電位差をつけるには、サンプリングコーン
5にマイナスの電圧をかければ良い。
【0019】ところで、静電レンズ6を構成する電極の
配置精度が悪いとイオン透過率を減少させる要因になる
ため、静電レンズの組み上げには注意が必要である。そ
こで、本発明における静電レンズ6の詳細を図11から
図13を用いて説明する。静電レンズ(イオンレンズ)
6は、引き出し電極6a、6b、6c、電極104を絶
縁保持部105に取り付けた構造を有する。図11は、
静電レンズ6を組み上げる前の、電極6a、6b、6
c、104と絶縁保持部105とを示す。静電レンズ6
の中心軸付近の到達真空度を高めるため、電極6a、1
04には排気用の開口部106を設けてもよい。電極6
a、6b、6c、および電極104には、ネジを通すた
めの開口部107が設けられ、また、絶縁保持部105
には電極6a、6b、6c、104をネジ止めするため
のネジ部108が設けられている。これらの開口部10
7とネジ部108を用い、電極6a、6b、6c、10
4を絶縁保持部105にネジ止めして固定する。参考ま
でに組み上げ後の静電レンズ6を示す。図12はイオン
入射側から見た図、図13はイオン出射側から見た図で
ある。図13に示したように、電極104のイオン出射
側の端にスリット電極7が設けられている。
【0020】イオントラップ型質量分析部(質量分離
部)14の詳細を図14から図17を用いて説明する。
図14は、イオントラップ型質量分析部14を構成する
部品の形状を示す。エンドキャップ電極308、309
は、各々絶縁部材202a、202bに固定される。リ
ング電極306は、石英204によりエンドキャップ電
極308,309と絶縁される。絶縁部材202a、2
02b、リング電極306および石英204は、支柱2
05により絶縁部材202a、202bを固定すること
で保持される。イオンの入射する側のエンドキャップ電
極308には、ゲート電極303が設けられる。参考の
ため、イオントラップ型質量分析部14を組み上げた状
態の外観を図15に示す。図16は、イオントラップ型
質量分析部14を保持するための保持部211である。
保持部211は、台座207、テーブル208、固定治
具209で構成される。テーブル208には、高さ微調
整用のネジ部210が設けられており、4つのネジ部2
10を調整することでテーブル208の高さや傾きを調
整できる。この保持部211にイオントラップ型質量分
析部14を保持した状態を図17に示す。
【0021】次に、ArOH+やNOH+などの妨害分子
イオンと測定対象である単原子イオンとの選別を可能に
するプラズマイオン源イオントラップ質量分析装置を用
いた分析法について、図18、および図19を用いて説
明する。図18は、この分析法を行う際の電圧印加手順
を示している。イオントラップ質量分析部14を用いて
行うこの方法は、アイソレーション300、CID(Co
llision Induced Dissociation:衝突誘起解離)30
1、検出302の3つの段階から構成される。アイソレ
ーション300では、ゲート電極303に測定対象イオ
ンと反対の電圧が印加される。偏向レンズ10、静電レ
ンズ13を通過したイオンは、ゲート電極303によっ
て引き込まれ、エンドキャップ電極308に開いた細孔
を通して質量分析部14へと導入される。質量分析部1
4に導入されたイオンのうち特定質量数以上の全イオン
が、リング電極306に印加される高周波電圧307の
振幅に依存して、内部に蓄積される。このとき、エンド
キャップ電極308,309に別の高周波電圧310を
印加すると、その周波数に対応する特定の質量数イオン
の軌道だけが拡大され、質量分析部14の外部へ排出さ
れるか、電極に衝突して消滅する。このように測定対象
イオンだけを質量分析部14の内部に蓄積するために
は、その質量数に対応する以外の周波数を重畳した高周
波電圧310をエンドキャップ電極308,309に印
加すれば良い。イオンストップ電極311には、測定対
象イオンと同じ電圧が印加され、イオンがイオントラッ
プ質量分析部14を通過して、エンドキャップ電極30
9から排出されるのを防ぐ。質量分析部14の内部には
外部からバッファーガスが導入されており、このバッフ
ァーガスがイオンと衝突し、その収束を補助する。
【0022】CID301では、ゲート電極303に測
定対象イオンと同じ電圧が印加される。これにより、イ
オンが外部からエンドキャップ電極308に開いた細孔
を通して、イオントラップ質量分析部14の内部に導入
されることを防ぎ、また、イオントラップ質量分析部1
4の内部のイオンが、エンドキャップ電極308の方向
に排出されることを防ぐ。リング電極306には、特定
の質量数以上の全イオンを蓄積できる高周波電圧が印加
されている。仮に、測定対象である単原子イオンと、干
渉成分である妨害分子イオンとの質量数が小さいと、測
定対象のイオンの定量値が得られない問題があり、この
ことをスペクトル干渉という。このとき、蓄積されてい
るこの質量数のイオン軌道だけが拡大されるように、測
定対象イオンの質量数に対応した周波数の高周波電圧
を、エンドキャップ電極308,309に印加する。こ
れにより、イオン軌道は拡大されていき、イオンの運動
エネルギーが増大する。これにより、イオンがバッファ
ーガス分子と衝突して得られるエネルギーは増大し、妨
害分子イオンは別の質量数のイオンになる。一方、測定
対象である単原子イオンは元の質量数ピークに留まるた
め、測定対象イオンの定量を行うことが可能である。な
お、イオンストップ電極311には、測定対象イオンと
同じ電圧が印加され、イオンがイオントラップ質量分析
部14を通過して、エンドキャップ電極309から排出
されることを防ぐ。
【0023】検出302では、ゲート電極303に測定
対象イオンと同じ電圧が印加される。これにより、イオ
ンが外部からエンドキャップ電極308に開いた細孔を
通して、イオントラップ質量分析部14の内部に導入さ
れることを防ぎ、また、イオントラップ質量分析部14
の内部のイオンが、エンドキャップ電極308の方向に
排出されることを防ぐ。そして、リング電極306に印
加する高周波電圧307の振幅を徐々に高くすることに
より、質量数の低いイオンから順に軌道が不安定にな
り、イオンをエンドキャップ電極309の方向に引き出
すことができる。このとき、エンドキャップ電極30
8、309には、電圧は印加されていないが、イオンの
軌道を不安定にするための補助として高周波電圧を印加
する場合もある。このように、低い質量数のイオンから
引き出されたイオンは、エンドキャップ電極309に開
いた細孔を通して、検出器15で検出される。イオンス
トップ電極311には、測定対象イオンと反対の電圧が
印加され、イオンがエンドキャップ電極309方向から
引き出されることを補助する。
【0024】図19は、この分析法を行った際に得られ
たマススペクトルを示している。プラズマイオン源イオ
ントラップ質量分析装置でバリウムの測定を行うと、バ
リウムの他にバリウムの水酸化物イオンである水酸化バ
リウムが確認される。まず、アイソレーション300に
よって、隔離したい測定対象イオンである水酸化バリウ
ムイオンの質量数以外のイオン軌道を拡大し、水酸化バ
リウムイオンだけを、質量分析部(質量分離部)14に
蓄積する。その後、CID301を行わずに、検出30
2を行うことにより、水酸化バリウムイオン(BaOH
+)だけが確認できるマススペクトル313が得られ
る。マススペクトル313から水酸化バリウムイオンだ
けが、質量分析部14の内部に蓄積されていたことがわ
かる。
【0025】次に、アイソレーション300によって水
酸化バリウムイオンだけを蓄積した後、CID301を
行い、水酸化バリウムイオンの質量数にあるイオンの軌
道だけを拡大する。水酸化バリウム分子は、バッファー
ガス分子と衝突してバリウムイオンに解離し、質量数が
水酸化バリウムとは異なるバリウムイオンとなって質量
分析部14の内部に蓄積される。その後、検出302を
行うことにより、バリウムイオン(Ba+)だけが確認
できるマススペクトル314が得られる。マススペクト
ル314には、水酸化バリウムイオンが確認できず、バ
リウムイオンだけが確認できる。一方、水酸化バリウム
イオンと質量数の等しい単原子イオンは衝突による質量
数変化は起こらないことから、分子イオンと単原子イオ
ンの分離は可能である。上記の分析法によって、妨害分
子イオンの解離が可能なことがわかる。本実施例では、
イオンを外部から取り込みながら、エンドキャップ電極
308、309間に共鳴電圧310を印加して取り込む
イオンを限定しているが、選別なしに、イオンを取り込
んだ後、上記の方法により分析を行うことも可能であ
る。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、プ
ラズマイオン源質量分析計や液体クロマトグラフ/質量
分析計において、偏向レンズの後に二重円筒型の静電レ
ンズを組み合わせて構成した収束レンズ部を用いること
により、大きなノイズの原因となる光子や液滴を分離で
きるのでノイズが大幅に低減できるとともに、イオンに
よるシグナル量の減少を抑え、結果的にS/Nを大幅に
改善できる効果がある。また、本発明によれば、イオン
トラップ型質量分析計を用いてエンドキャップ間に共鳴
電圧を印加することにより、妨害分子イオンと単原子イ
オンとを選別し、検出限界を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるプラズマイオン源質
量分析装置の一実施例を示す構成図。
【図2】図1における偏向レンズの一実施例を示す構成
図。
【図3】図1における偏向レンズの他の実施例を示す構
成図。
【図4】二重円筒型の静電レンズの断面図と一部の立体
図。
【図5】本発明の実施の形態であるプラズマイオン源質
量分析装置の他の実施例を示す構成図。
【図6】本発明の実施の形態であるプラズマイオン源質
量分析装置の更に他の実施例を示す構成図。
【図7】図1におけるイオン軌道の説明図。
【図8】図1におけるスリット電極の一実施例を示す構
成図。
【図9】図1におけるスリット電極の他の実施例を示す
構成図。
【図10】図1における印加電圧に対する説明図。
【図11】イオンレンズ(静電レンズ)の構成図。
【図12】イオンレンズ(静電レンズ)の組みあがり状
態を引き出し電極側から示す斜視図。
【図13】イオンレンズの組みあがり状態をスリット電
極側から示す斜視図。
【図14】イオントラップ型質量分離部(質量分析部)
を示す組図。
【図15】イオンレンズ型質量分離部(質量分析部)の
組みあがりを示す斜視図。
【図16】イオンレンズ型質量分離部(質量分析部)を
保持する保持部を示す斜視図。
【図17】イオンレンズ型質量分離部(質量分析部)と
保持部の組図。
【図18】イオンレンズ型質量分離部(質量分析部)に
おける各電極への印加電圧に対する説明図。
【図19】イオンレンズ型質量分離部(質量分析部)に
おける各電極への電圧印加による効果についての説明
図。
【図20】スリット電極がない場合のイオン軌道の説明
図。
【図21】従来のプラズマイオン源質量分析装置の構成
図。
【符号の説明】
1…試料瓶、2…霧化器、3…誘導結合プラズマあるい
はマイクロ波プラズマ、4…サンプリングオリフィス、
5…スキマー、6a、6b、6c…引き出し電極(イオ
ンレンズ:静電レンズ)、7…スリット電極、8…ゲー
トバルブ、9…二重円筒静電レンズ、9a…内筒電極、
9b…外筒電極、10、11…偏向レンズ、10a、1
0b、10c、10d…四重電極、11a、11b…1
対の扇状電極、12…ディフレクターボックス、13…
静電レンズ、14…質量分離部(質量分析部)、15…
検出器、16a、16b…補正電極、17…イオン軌
道、18…中性分子及び光子の軌道、19…入口アパー
チャー、20…静電レンズ、21…二重円筒静電レン
ズ、21a…内筒電極、21b…外筒電極、24…ロー
タリーポンプまたはスクロールポンプ、25…ターボ分
子ポンプ、104…電極、105…絶縁保持部、106
…開口部、107…ネジ止め部、108…ネジ部、20
2a、202b…絶縁部材、204…石英、205…支
柱、207…台座、208…テーブル、209…固定治
具、210…高さ微調整用ネジ部、300…アイソレー
ション、301…CID、302…検出、303…ゲー
ト電極、306…リング電極、307…高周波電圧、3
08,309…エンドキャップ電極、310…共鳴電
圧、311…イオンストップ電極、313…BaOH+
の質量スペクトル、314…Ba+の質量スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 安章 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 坂入 実 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 塚田 正道 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器事業部内 Fターム(参考) 5C038 FF01 FF07 FF10 GG08 GH11 GH13 HH02 HH16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気圧下でイオンを生成するイオン源と、
    該イオン源から生成したイオンを高真空領域に取り込む
    ための差動排気部と、該差動排気部を通過して高真空領
    域に取り込まれたイオンを引き出して収束する収束レン
    ズ部と、該収束レンズ部で収束されたイオンを質量分析
    して検出する質量分析部とからなる質量分析装置におい
    て、 中性分子や光子を遮る効果のある小孔を有するスリット
    電極が、ゲートバルブの手前に挿入され、該スリット電
    極とスキマーコーンとの間に収束作用のある引き出し電
    極を有することを特徴とする質量分析装置。
  2. 【請求項2】上記収束レンズが、上記引き出し電極、上
    記スリット電極、イオンレンズ及び偏向レンズからな
    り、該イオンレンズのいずれかが、内筒に穴を有する二
    重円筒型の静電レンズであることを特徴とする請求項1
    記載の質量分析装置。
  3. 【請求項3】上記偏向レンズが、偏向するための電極の
    形状が扇形をした偏向レンズであることを特徴とする請
    求項1記載の質量分析装置。
  4. 【請求項4】上記偏向レンズが、独立に電圧が印加可能
    な4本の円筒を4分割した形状よりなる偏向レンズであ
    ることを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
  5. 【請求項5】上記質量分析計において、上記引き出し電
    極、スリット電極の組み上げ精度の確保のために、複数
    穴の開いた平板に対し、ネジで固定することを特徴とす
    る請求項2記載の質量分析装置。
  6. 【請求項6】大気圧下でプラズマによりイオン化を行う
    プラズマイオン源と、該プラズマイオン源から生成した
    イオンを高真空領域に取り込むための差動排気部と、該
    差動排気部を通過して高真空領域に取り込まれたイオン
    を引き出して収束する収束レンズ部と、該収束レンズ部
    で収束されたイオンを質量分析して検出する質量分析部
    とからなる質量分析装置において、 該質量分析部がイオントラップ型質量分析計であること
    を特徴とする質量分析装置。
  7. 【請求項7】上記イオントラップ型質量分析部の対向す
    る一対のお椀状の形状をとるエンドキャップ電極間に、
    妨害分子イオンに共鳴する高周波電圧を印加することを
    特徴とする請求項6記載の質量分析装置。
  8. 【請求項8】上記エンドキャップ間の距離が20mm以
    上であることを特徴とする請求項6記載の質量分析装
    置。
  9. 【請求項9】上記エンドキャップにおける細孔の直径が
    2mm以上であることを特徴とする請求項6記載の質量
    分析装置。
  10. 【請求項10】上記差動排気部の排気用にオイルフリー
    のスクロールポンプを用いることを特徴とする請求項6
    記載の質量分析装置。
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