JP3559736B2 - 質量分析計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、糖、ペプチド、蛋白質等の生体関連の混合試料の分離分析に重要である、混合物の分離手段と質量分析計とを結合した装置、とくに液体クロマトグラフ・質量分析計、キャピラリー電気泳動・質量分析計に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、分析の分野では生体関連物質の質量分析法の開発が重要視されている。
【0003】
生体関連物質は通常混合物として溶液中に溶け込んでいるため、混合物を分離する手段と質量分析計とを結合する装置の開発が進められている。この方法の代表的な装置として、液体クロマトグラフ・質量分析計がある。液体クロマトグラフは混合物の分離に優れるが物質の同定ができず、一方質量分析計は感度も高く物質の同定能力に優れるが混合物の分析は困難である。そこで、液体クロマトグラフの検出器として質量分析計を用いる液体クロマトグラフ・質量分析計は、混合物の分析に対して大変有効である。参考のため、従来の液体クロマトグラフ・質量分析計の全体の構成を示すブロック図を図20に示す。液体クロマトグラフ1から溶出してくる試料溶液は配管2によりイオン源3に導入される。イオン源3はイオン源用電源4により信号ライン5aを通して制御されている。イオン源3で生成した試料分子に関するイオンは質量分析部6へと導入されて質量分析される。この質量分析部6は排気系7により真空に排気されている。質量分析されたイオンはイオン検出器8で検出され、検出信号は信号ライン5bを介してデータ処理装置9に送られる。
【0004】
このように液体クロマトグラフ・質量分析計の原理は簡単であるが、液体クロマトグラフは溶液中の試料を扱うのに対し、質量分析計は真空中のイオンを扱うという相性の悪さのため、この装置、方法の開発は非常に困難なものとなっている。この問題を解決するためにいくつかの方法が開発されている。なかでも有力視されているのは、液体クロマトグラフからの溶出液を噴霧し、生成した液滴中に含まれる試料分子をイオン化して質量分析部へと取り込む噴霧イオン化法である。噴霧イオン化法の例として、アナリティカル ケミストリー 1987年、59巻、2642頁( Analytical Chemistry, 59, 2642 (1987) )に記載されている静電噴霧法について説明する。図21に静電噴霧イオン源を備えた液体クロマトグラフ・質量分析計の構造を示す断面図を示す。液体クロマトグラフ1から溶出してくる試料溶液を、配管2、コネクタ10を介して噴霧細管11に導入する。この噴霧細管11と対向電極12との間に数キロボルトの電圧を印加すると、噴霧細管11の先端で試料溶液がコーン状になりその先端から微小液滴が生成する、いわゆる静電噴霧現象が起こる。静電噴霧法では、噴霧用ガス噴出口13を設け、噴霧細管11のまわりから窒素などのガスを流し、微小液滴の気化を促進させる。さらに、生成した微小液滴に向けて、窒素などのガスを対向電極12側に設けられた気化用ガス噴出口14から吹き付け、微小液滴の気化を促進させる。以上のような経過を経て生成したイオンは、イオン導入細孔15から直接真空中6に導入され、高真空下の質量分析部で質量分析される。また、質量分析計におけるS/N比を向上させるため、イオン検出器として図22に示した構成が用いられていた。高周波電場により質量分離する質量分析部6の後部にイオン偏向電極16を設け、質量分離されたイオンを偏向させる。偏向を受けたイオンは数キロボルトの電位で加速され、二次電子を放出する二次電子放出電極17を衝撃する。この様にして得られた二次電子をセラトロン等の電子検出器18で検出する。この構成により、電荷を持たない中性分子や液滴がイオン検出器8において信号として検出されるのを防ぎ、S/N比をある程度向上させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法には次のような課題があった。イオン取り込むイオン導入細孔は、イオンのみならず、気化が不十分な帯電液滴も取り込んでしまう。この帯電液滴は大き過ぎ、高周波電場により質量分離する質量分析部では完全には除去できない。この帯電液滴は、質量分析部を汚染し質量分析部の長時間にわたる安定した動作を妨げるとともに、イオン検出部においてノイズとなって検出され、シグナルとノイズの比率(S/N比)を悪くする原因となり、質量分析計の感度を低下させていた。質量分析計におけるS/N比を向上させる図22に示す従来技術での構成では、電荷を有する帯電液滴の多くが二次電子放出電極17まで引出されてしまい、ノイズの原因となっていた。また、質量分析部6の汚染の軽減も課題となっていた。このノイズの源となる帯電液滴を除去するには、イオン源において液滴の気化効率を上げ液滴を完全に消滅させればよい。しかしながら、液滴が完全に気化し得る程度に熱などのエネルギーを与えると、解離しやすい生体関連物質が変性してしまう恐れがあり、イオンと帯電液滴とを分離しイオンだけを選択的に質量分析部へ導入する手法の開発が望まれていた。本発明の目的は、長時間にわたり安定した分析が可能な質量分析計を提供することにある。本発明の他の目的は、ノイズの少ない高感度な質量分析計を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
イオンと帯電液滴とを分離しイオンだけを選択的に質量分析計へ導入し、長時間に安定した分析ができ、かつノイズの少ない質量分析計を可能とするため、多成分の試料や不純物より成る混合物を成分別に分離する手段と、大気圧下で試料分子のイオンを生成するイオン化部と、この生成したイオンを真空中へ導入するイオン導入細孔と、及びこの導入されたイオンを高周波電界により質量分析するための質量分析部とを有する質量分析計において、質量分析部へイオンを取り込むイオン取り込み口をイオン導入細孔の中心軸からずらして配置することにより帯電液滴の質量分析部への流入を防ぐ。より詳細には、イオンをイオン導入細孔の中心軸から偏向させる静電レンズを設け、イオンと帯電液滴の軌道を分離し、イオンだけを質量分析部へ導入する。このイオンを偏向させる静電レンズの一例として、円筒状の内側電極とその外部に配置された外側電極により構成され、少なくとも内側電極に複数の開口部が開口する静電レンズを設ける。
【0007】
イオン導入細孔の中心軸と質量分析部のイオン取り込み口とをずらして配置するので、電界の影響を受けにくい巨大な帯電液滴は質量分析部へ流入しない。一方、イオンを偏向させる静電レンズを設けるため、イオンだけを質量分析部へと効率良く導入することができる。従って、質量分析部での液滴による汚染やノイズが低減される。ノイズの低減により高感度の質量分析計が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図1から図19により説明する。図1は本発明の第一の実施例における装置の構成を示す。液体クロマトグラフなどの溶液中の混合物を分離する手段から送られて来る溶出液はイオン源3へと導入される。イオン源3で生成された試料分子に関するイオンは、イオン導入細孔15a、排気系7aにより排気された中間圧力部33、イオン導入細孔15bを通して真空中へ導入される。大気やイオンが真空中に導入される際に段熱膨張により冷却されることによりイオンに水分子が付着する、いわゆるクラスタリングを防止するため、イオン導入細孔15a、15bの開口する電極はヒーターにより100℃程度に加熱されている。質量分析部6のイオン取り込み口19はイオン導入細孔15a、15bの中心軸からずれた位置に配置される。真空中へ取り込まれたイオンは、単一あるいは複数の電極で構成される引出し電極20で加速され静電レンズ21で収束された後、四重極型の質量分析部6へと導入される。四重極型質量分析部は、外場の影響を避けるため、通常は金属円筒35内に収められており、この金属円筒35内は排気系7bにより排気された高真空部34に配置されている。この時、静電レンズ21にイオンの方向を偏向させる効果を持たせ、帯電液滴とは分離してイオンだけを質量分析部6へと導入する。図1の静電レンズ21内で、実線はイオンの軌道、点線は帯電液滴の軌道を表す。質量分析部6で高周波電界により質量分離されたイオンはイオン検出器8で検出される。図1に示した構成により、イオン導入細孔と質量分析部との間でイオンと液滴とを分離するため、帯電液滴の質量分析部への流入がさけられ、質量分析部の汚染やイオン検出器で検出されるノイズを軽減できる。以下に、帯電液滴とイオンとを分離する原理について説明する。イオンや帯電液滴はイオン導入細孔から真空中へと取り込まれる際に流れにより超音速まで加速される。イオンに比べ質量が大きな帯電液滴は、この時に得る運動エネルギーのために電界による偏向を受けにくく、イオン導入細孔の中心軸に沿った軌道となる。一方、軽いイオンは流入の際の運動エネルギーが引出し電極の電界により与えられる加速エネルギーに比べて無視でき、電界により容易に軌道を曲げられる。この、イオン導入細孔より導入される際の運動エネルギーの差異により、重い帯電液滴と軽いイオンとの軌道を分離し、イオンだけを選択的に質量分析部へと導入することが可能となる。また、図1から図7、図10から図16に記載した実施例において、静電レンズ21が電界によりイオンを静電レンズ内に引き込む効果を有する場合には引出し電極20は特に設けなくともよい。
【0009】
図1に示したイオンを偏向させる静電レンズを実現するには様々な構成が考えられるが、一例として特開平2−78143号公報に記載されている同軸上に多重に組み込んだ円筒電極によりなる静電レンズを用いてイオンを偏向させる構成を図2示す。内側電極22には複数の開口部23が設けられ、この開口部23を通して外側電極24の電界が内側電極22の内部へと浸透する。この浸透した電界により、イオンを収束させる電位分布が形成される。この同軸円筒状の静電レンズの中心軸とイオン導入細孔の中心軸とをずらして配置すると、イオンは偏向を受け、図2に静電レンズ21内で、実線で示した軌道を描く。静電レンズ21の終端のイオン軌道上にイオン取り込み口19が開口する質量分析部6を配置しておけば、帯電液滴はイオン取り込み口19の開口する電極25の開口部以外の部分に当たるため質量分析部6への進入が妨げられ、イオンだけがイオン取り込み口19より質量分析部6へと取り込まれる。この時、帯電液滴によるイオン取り込み口19の開口する電極25の汚れを軽減するため、電極25はヒーターなどにより加熱しておくことが望ましい。
【0010】
図2に示した静電レンズの特長は、2つの円筒電極から構成された単一の静電レンズにおいてイオンの偏向と収束が同時に達成できることである。一般に、静電レンズ部を作成する場合、静電レンズを構成する各電極の加工精度はもとより、各電極を所定の位置に組み込む、組立て精度に細心の注意が払われる。各電極の配置のわずかなずれが、イオンの軌道を大きく変化させてしまうためである。
【0011】
従って、静電レンズを構成する電極の枚数は、少ないほど望ましい。イオンを偏向させかつ収束させるためには、静電レンズ部において複雑な電位分布を形成しなければならない。従って電極の数も多くなりがちで、構造が複雑かつ組立て作業性も悪くなりがちである。しかしながら、図2に示した様に、同軸上に2重に組み込んだ円筒電極によりなる静電レンズを用い、イオン導入細孔の中心軸と静電レンズの中心軸とを偏心して配置する構成を用いると、静電レンズを構成する電極が2個であるため、組立て作業性が良く、かつ構造の単純な装置が可能となる。参考のため、図2に示した静電レンズの寸法の一例を示す。内側電極22の内径を20ミリメートル、外側電極24の内径を30ミリメートル、電極の軸方向の長さを15センチメートルとし、イオン導入細孔15a、15bの中心軸とイオン取り込み口19の中心軸との偏心度を4ミリメートルとすると、S/N比が約10倍上がり、従って質量分析計における感度が一桁向上する。内側電極の内径は3ミリメートルから10センチメートル程度が良く、また、電極の軸方向の長さは内側電極内径以上の寸法を有していることが望ましい。
【0012】
イオンを偏向させかつ収束させる静電レンズを簡便にかつ精度良く構成するには、図2に示した様に同軸上に円筒状電極を組み込むことが望ましいが、外側電極24は必ずしも単一の電極で構成されなくてもよく、図3に示したように円筒状の内側電極22の開口部23の外側に対向して独立した板状の外側電極24を配置してもよい。また、静電レンズ部の排気コンダクタンスを高めることにより、円筒内の真空度を更に良くしたい場合には、図4に示したように外側電極24に排気用の開口部23を設けてもよい。また、さらに排気の効率を高めたい場合には、外側電極24を金属性のメッシュにより構成してもよい。イオンのエネルギーに分散があり、このエネルギーの分散が収差となって静電レンズ部の収束の効果が失われる場合には、図5に示すように、複数の静電レンズ21a、21bを配置し、一段目の静電レンズ21aの後部に内径のより細い静電レンズ21bを設け、イオンの収束性を高めてもよい。
【0013】
図6は本発明の第2の実施例を示す図である。イオン導入細孔15a、15bの中心軸と円筒型の静電レンズ21の中心軸とを傾けて配置すると、イオンは静電レンズ21の内の実線で示すように静電レンズ21の軸方向に偏向を受け、質量分析部6へと到達するが、帯電液滴は、静電レンズ21の内の点線で示すように静電レンズ21の内壁面に衝突するため、質量分析部6への進入が妨げられる。また、図7に示すように、静電レンズ21を構成する円筒状電極の中心軸に曲率を設けてもよい。この場合、図6に示した構成と同様に、帯電液滴は直進して電極に衝突し、イオンだけが質量分析部6へと到達する。
【0014】
レンズを構成する電極を簡単に作成するには、絶縁管の内壁面あるいは外壁面に導電性の薄膜のパターンを形成し作成してもよい。また、絶縁管の内壁面および外壁面の両面に導電性の薄膜のパターンを形成し、それぞれを内側電極、外側電極としてもよい。また、図7に示したような複雑な形状を有するレンズは、導電性を持ちかつ変形の容易な導電性樹脂を用いて作成してもよい。
【0015】
内側電極から円筒内に浸透する電界強度を軸方向に変化させ、イオンを加速または減速させたり、円筒内での収束の効果を変化させたい場合には、外側電極に設けられた排気用の開口部を軸方向に変化させればよい。図8はイオンを軸方向に減速する構成を示す。外側電極24に開口する開口部23の開口面積を軸方向に徐々に小さくしていくと、内側電極22の円筒内に浸透する電界強度が軸方向に変化し、イオンは減速される。また、外側電極あるいは内側電極の両端に異なる電位を印加し、外側電極あるいは内側電極部での電位降下を利用して円筒内に浸透する電界強度を軸方向に変化させてもよい。図9は外側電極24の両端に電源4a、4bにより電圧を印加し、電極部における電位降下により内側電極22の円筒内に浸透する電界の軸方向の強度勾配を任意に変化させる構成を示す。このとき、両端に電源4a、4bにより異なる電圧を印加される外側電極24は、過度の発熱を防ぐため、金属ではなく抵抗を有する材料であることが望ましい。
【0016】
以上に述べた構成において、静電レンズの汚れを軽減するため、静電レンズ部はヒーターなどにより加熱しておくことが望ましい。従って、円筒状の内側電極とその外側に配置された外側電極より構成され、少なくとも内側電極に複数の開口部を有する静電レンズでも、内側電極あるいは外側電極の少なくとも一方はヒーターなどにより加熱しておくことが望ましい。また、イオンを質量分析部へと取り込むイオン取り込み口の開口する電極も加熱されていることが望ましい。
【0017】
図10は本発明を、試料溶液を減圧下へ加熱噴霧する、いわゆるサーモスプレー法に応用した例を示す。液体クロマトグラフからの溶出液は、先端が数百パスカルに排気された減圧下に配置されかつ200℃程度に加熱された噴霧細管11に導入され加熱噴霧される。噴霧により統計的に帯電した試料分子に関するイオンは噴霧方向とは垂直方向に配置されたイオン導入細孔15より高真空に排気された質量分析部6へと導入される。イオン導入細孔より導入されたイオンは静電レンズにより偏向を受け、四重極型質量分析部に取り込まれて質量分析される。
【0018】
この時、イオンと共にイオン導入細孔15より導入される液滴は、イオン取り込み口19の開口する電極25に衝突するため、質量分析部6への流入が避けられる。
【0019】
図11は、本発明を、質量分析部を多段設けた質量分析計へと応用した例を示す。イオン導入細孔15a、15bより真空中に導入されたイオンは、静電レンズ21により帯電液滴と分離された後に第一段目の質量分析部6aへと導入されて質量分離され、分析対象とするイオンだけが衝突室26へと送りこまれる。衝突室26ではイオンと中性ガスが衝突し、元のイオンが解裂して生成される、いわゆるフラグメントイオンが得られる。このフラグメントイオンはさらに次の質量分析部6bへと導入され質量分析される。この様な複数の質量分析部を有する質量分析計においても、イオン導入細孔と第一段目の質量分析部との間にイオンを偏向させる静電レンズを設ける構成は有効である。
【0020】
混合物を分離する手段は、液体クロマトグラフィーに限らず、キャピラリー電気泳動法や超臨界流体クロマトグラフィーなどを用いてもよい。図12は分離手段としてキャピラリー電気泳動装置を用いた構成を示す。キャピラリー27の一端から試料を導入し、キャピラリー27の両末端の間に電気泳動用電源28により高電圧を印加し、キャピラリー27中を電気泳動させる。キャピラリー27の終端に到達した試料はイオン源3へと導入されイオン化される。イオンはイオン導入細孔15a、15bを通して真空中へ導入され、静電レンズ21による偏向を受けた後(静電レンズ21内に示す実線)、質量分析部6により質量分離される。このとき、緩衝溶液等に由来する帯電液滴は静電レンズ21の電界による偏向を受けず(静電レンズ21内に示す点線)、質量分析部6へは到達しない。キャピラリー電気泳動法には、キャピラリー中に自由溶媒を用いるキャピラリーゾーン電気泳動法、キャピラリー中にゲルを充填するキャピラリーゲル電気泳動法、ミセルへの試料の分配の差を利用するミセル動電クロマトグラフィー、易動度の異なるイオンを含む溶媒の界面に試料を導入し、試料の易動度の順に配列させる等速−等電点電気泳動法等の、様々なモードが提案されているが、本発明はキャピラリー電気泳動法のモードによらずに有効であることは言うまでもない。
【0021】
溶液中の混合物を分析する質量分析計とは異なるが、本発明は誘導結合型プラズマイオン源、あるいはマイクロ波プラズマイオン源を有する質量分析計にも有効である。図13に構成を示す。発振部29から得られるマイクロ波などの高周波電磁波は電送路30によりイオン源3に送られる。イオン源3内には共振器が設けられ、共振器内で放電が起き、プラズマ状態が生成される。試料はプラズマ中に導入され、イオン化された後、イオン導入細孔15a、15bを通して真空中に導入される。この時、放電により得られる紫外線等の光子がイオン検出部まで到達するとノイズとして検出されるが、静電レンズ21によりイオンだけが偏向し(静電レンズ21内に示す実線)質量分析部6まで到達でき、光子は直進して(静電レンズ21内に示す点線)イオン取り込み口19の開口する電極25に衝突して消滅する。従って、本発明により誘導結合型プラズマイオン源、あるいはマイクロ波プラズマイオン源を有する質量分析計の感度を向上させることができる。
【0022】
本発明は、四重極型以外の他の質量分析部を用いた質量分析計でも同様に有効である。図14は本発明をイオントラップ型質量分析部を有する質量分析計に用いた構成を示す。イオントラップ型は高周波電界によりイオンを狭い空間に閉じ込めて分析を行なう方法である。イオントラップ部は、図14に示したように、エンドキャップと呼ばれる2枚の電極31a、31bとエンドキャップの周囲を囲むように配置されたリング電極32の、3枚の電極により構成される。イオン導入細孔から真空中に取り込まれたイオンは静電レンズ21により偏向を受け、イオン取り込み口19の開口するエンドキャップ31aよりイオントラップ内へ導かれる。イオントラップ内では、イオンはエンドキャップ31a、31b、及びリング電極32より与えられる直流、交流電界によりイオントラップ内での軌道が制御され、特定の質量を持つイオンだけが閉じ込められる。閉じ込められたイオンは両端のエンドキャップ31a、31bにパルス状に与えられる電位によってエンドキャップ31bより排出され、イオン検出器8により検出される。このイオントラップ型の質量分析部ではトラップ内の真空度を高く保つ必要がある。トラップ内の真空度が悪くなるとイオンと中性ガスとの衝突が起き、イオンの軌道が変化してイオンの閉じ込めが悪くなるためである。帯電液滴がトラップ内に入ると電極に当たって気化し、中性ガスを発生させ、トラップ内の真空度を悪化させる。従って、イオンだけを偏向しイオントラップ部に導入する構成が有効である。図15は、イオントラップ型質量分析計において、イオン取り込み口19をリング電極32に設けた構成を示しているが、本発明はイオン取り込み口の位置によらずに有効であることは言うまでもない。また、イオントラップ型質量分析部においても、帯電液滴による汚れを軽減するため、イオン取り込み口19の開口するエンドキャップあるいはリング電極はヒーターなどにより加熱されていることが望ましい。
【0023】
図16は本発明を、質量分析部としてフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型を有する質量分析計に用いた構成を示す。フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型は高真空強磁場下でイオンをサイクロトロン運動させ、その回転周波数を真空容器外に設けた電極25’により検出し、その周波数スペクトルをフーリエ変換することによりイオンの質量を決定する方法である。この方法は極めて高い分解能を有する反面、質量分析部では10−6パスカルから10−7パスカルという、高い真空度を必要とする。このため、イオンを大気中から導入する場合には、多数のイオン導入細孔15a、15b、15c、15dを設け、かつイオン導入細孔15aと15bとの間の部分、イオン導入細孔15bと15cとの間の部分、イオン導入細孔15cと15dとの間の部分をそれぞれを排気するための排気系として排気速度の速い大型の真空ポンプを用いなければならなかった。図16に記載した、イオンだけを偏向させ液滴と分離して次のイオン導入細孔へと導く方法は、帯電液滴の流入による質量分析部の真空度の悪化を防止できるため有効である。
【0024】
また、上述のフーリエ変換イオンサイクロトロン型質量分析計に限らず、超高真空部へイオン、電子等の荷電粒子を効率良く輸送するには、図17に示したように、内側電極に開口部を有する円筒型の静電レンズを複数の異なる減圧部36a、36b、36c、36dにまたがり配置する構成が有効である。
【0025】
本発明における、イオン導入細孔の中心軸の定義を念のため記載しておく。イオン導入細孔15は図18のようにテーパー形状を有していることが好ましいが、この様な形状は加工が困難であるため、通常は図19に示したように先端部の平面上に所定の形状、例えば円形、方形の穴が開けられる。本願発明では、イオン導入細孔の中心軸とは上記の穴の中心を通り、先端平面の法線方向の軸を表すものである。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、質量分析部を汚染し、かつノイズの源となる帯電液滴が質量分析部に流入することを防ぎ、イオンだけを効率良く分析できる。従って、質量分析計の長時間にわたる安定した動作が可能となるので、ノイズが少なく高感度な質量分析計が実現できる。すなわち、S/N比が約10倍上がり、質量分析計における感度が一桁向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例であるイオンを偏向させる静電レンズを用いた構成を示す図。
【図2】本発明の第一の実施例を実現する静電レンズの一例を示す断面図。
【図3】本発明の第一の実施例を実現する静電レンズの一例を示す断面図。
【図4】本発明の第一の実施例を実現する静電レンズの一例を示す断面図。
【図5】本発明の第一の実施例を実現する静電レンズの一例を示す断面図。
【図6】本発明の第二の実施例を実現する静電レンズの一例を示す断面図。
【図7】本発明の第二の実施例を実現する静電レンズの一例を示す断面図。
【図8】軸方向にイオンを加速または減速する静電レンズの一例を示す図。
【図9】軸方向にイオンを加速または減速する静電レンズの一例を示す図。
【図10】本発明をサーモスプレー型質量分析計に用いた構成を示す図。
【図11】本発明を質量分析部を多数結合した質量分析計に用いた構成を示す図。
【図12】本発明をキャピラリー電気泳動・質量分析計に用いた構成を示す図。
【図13】本発明をプラズマを発生させこのプラズマ中でイオンを生成する質量分析計に用いた構成を示す図。
【図14】本発明をイオントラップ型質量分析部を有する質量分析計に用いた構成を示す図。
【図15】本発明をイオントラップ型質量分析部を有する質量分析計に用いた構成を示す図。
【図16】本発明をフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析部を有する質量分析計に用いた構成を示す図。
【図17】本発明をフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析部を有する質量分析計に用いた構成を示す図。
【図18】イオン導入細孔の拡大図。
【図19】イオン導入細孔の拡大図。
【図20】従来の液体クロマトグラフ・質量分析計の構成を示す図。
【図21】従来の静電噴霧法を用いた液体クロマトグラフ・質量分析計の構成を示す断面図。
【図22】従来の液体クロマトグラフ・質量分析計に用いられるイオン検出部の構成を示す図。
【符号の説明】
1…液体クロマトグラフ、2…配管、3…イオン源、4、4a、4b…電源、5a、5b…信号ライン、6…質量分析部、7、7a、7b…排気系、8…イオン検出器、9…データ処理装置、10…コネクタ、11…噴霧細管、12…対向電極、13…噴霧用ガス噴出口、14…気化用ガス噴出口、15、15a、15b、15c、15d…イオン導入細孔、16…イオン偏向電極、17…二次電子放出電極、18…電子検出器、19…イオン取り込み口、20…引き出し電極、21、21a、21b…静電レンズ、22…内側電極、23…開口部、24…外側電極、25、25’…電極、26…衝突室、27…キャピラリー、28…電気泳動用電源、29…発振部、30…電送路、31…エンドキャップ、32…リング電極、33…中間圧力部、34…高真空部、35…金属円筒、36a、36b、36c、36d…減圧部。

Claims (8)

  1. 試料をイオン化してイオンを生成するイオン化部と、排気された領域に配置される静電レンズと、前記イオン化部で生成された前記イオンを前記排気された領域へ導入するために圧力差を保持する隔壁に設けられたイオン導入細孔と、該イオン導入細孔から前記排気された領域へ導入され前記静電レンズにより前記イオン導入細孔の中心軸と異なる位置に偏向されかつ収束された前記イオンを取り込むイオン取り込み口を具備し前記イオンの質量分析をする質量分析部とを有し、前記静電レンズが配置される前記排気された領域に前記質量分析部が配置され、前記イオン導入細孔、前記静電レンズ、及び、前記イオン取り込み口のそれぞれの中心軸が互いにずらして配置されることを特徴とする質量分析計。
  2. 請求項1に記載の質量分析計において、前記静電レンズが円筒状の静電レンズであることを特徴とする質量分析計。
  3. 請求項1に記載の質量分析計において、前記質量分析部が、2つのエンドキャップ電極と該エンドキャップ電極の周囲を囲むように配置されたリング電極から構成されるイオントラップ型質量分析部であることを特徴とする質量分析計。
  4. 試料をイオン化してイオンを生成するイオン化部と、排気された領域に配置される静電レンズと、前記イオン化部で生成された前記イオンを前記排気された領域へ導入するために圧力差を保持する隔壁に設けられたイオン導入細孔と、該イオン導入細孔から前記排気された領域へ導入され前記静電レンズにより軌道が前記イオン導入細孔の中心軸からずらされかつ収束された前記イオンを取り込むイオン取り込み口を具備し前記イオンの質量分析をする質量分析部とを有し、前記静電レンズが配置される前記排気された領域に前記質量分析部が配置され、前記イオン導入細孔、前記静電レンズ、及び、前記イオン取り込み口のそれぞれの中心軸が互いにずらして配置されることを特徴とする質量分析計。
  5. 試料をイオン化してイオンを生成するイオン化部と、排気された領域に配置される円筒状の静電レンズと、前記イオン化部で生成された前記イオンを前記排気された領域へ導入するために圧力差を保持する隔壁に設けられたイオン導入細孔と、該イオン導入細孔から前記排気された領域へ導入され前記静電レンズにより軌道が前記イオン導入細孔の中心軸からずらされかつ収束された前記イオンを取り込むイオン取り込み口を具備し前記イオンの質量分析をする質量分析部とを有し、前記静電レンズが配置される前記排気された領域に前記質量分析部が配置され、前記イオン導入細孔、前記静電レンズ、及び、前記イオン取り込み口のそれぞれの中心軸が互いにずらして配置されることを特徴とする質量分析計。
  6. 試料をイオン化してイオンを生成するイオン化部と、排気された領域に配置される静電レンズと、前記イオン化部で生成された前記イオンを前記排気された領域へ導入するために圧力差を保持する隔壁に設けられたイオン導入細孔と、該イオン導入細孔から前記排気された領域へ導入され前記静電レンズにより軌道が前記イオン導入細孔の中心軸からずらされかつ収束された前記イオンを取り込むイオン取り込み口を具備し前記イオンの質量分析をする質量分析部とを有し、前記静電レンズが配置される前記排気された領域に前記質量分析部が配置され、前記イオン導入細孔、前記静電レンズ、及び、前記イオン取り込み口のそれぞれの中心軸が互いにずらして配置され、前記質量分析部が、2つのエンドキャップ電極と該エンドキャップ電極の周囲を囲むように配置されたリング電極から構成されるイオントラップ型質量分析部であることを特徴とする質量分析計。
  7. 試料をイオン化して前記試料に関するイオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンの質量分析をする質量分析部と、前記イオン化部と前記質量分析部との間に配置され、前記イオンを前記質量分析部に導入するための第一及び第二の開口部と、前記第一の開口部と前記第二の開口部との間に配置される円筒状の一段の静電レンズとを有し、前記第一の開口部の中心軸と前記第二の開口部の中心軸とがずらして配置され、前記一段の静電レンズと前記質量分析部が排気された同じ領域に配置され、前記一段の静電レンズは、前記排気された領域へ導入された前記イオンを偏向しかつ前記第二の開口部に収束させることを特徴とする質量分析計。
  8. 請求項7に記載の質量分析計において、前記一段の静電レンズは、第1の円筒電極と、該第1の円筒電極の外側に配置される第2の円筒電極により構成され、前記第1の円筒電極及び前記第2の円筒電極が同軸に配置される静電レンズであり、前記イオンを偏向させかつ収束させることを特徴とする質量分析計。
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