JPH10228096A - 陽極酸化膜の形成方法 - Google Patents

陽極酸化膜の形成方法

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JPH10228096A
JPH10228096A JP3351297A JP3351297A JPH10228096A JP H10228096 A JPH10228096 A JP H10228096A JP 3351297 A JP3351297 A JP 3351297A JP 3351297 A JP3351297 A JP 3351297A JP H10228096 A JPH10228096 A JP H10228096A
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JP
Japan
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mask material
forming
oxide film
anodic oxidation
anodic oxide
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JP3351297A
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Yutaka Takizawa
裕 瀧澤
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽極酸化膜の形成方法に関し、陽極酸化処理
工程におけるマスク材の浮き上がり、及び、それに伴う
不所望な酸化を防止する。 【解決手段】 マスク材3として陽極酸化膜6の形成に
伴って生ずる応力値に対して0.2%以上の塑性変形を
示す材料からなり、且つ、0.2%以上の塑性変形を示
す応力値がマスク材3と導電体層2との密着力より小さ
い材料を用いて、導電体層2の側面を陽極酸化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陽極酸化膜の形成方
法に関するものであり、特に、位相シフトマスクやアク
ティブマトリクス型液晶表示装置に用いる薄膜トランジ
スタ(TFT)等の製造工程における陽極酸化処理の際
のマスク材の剥離の防止方法に特徴のある陽極酸化膜の
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の微細化・高集積化に伴い、
高コントラストな微細パターンのフォトリソグラフィー
の技術が要請されており、その様な要請に応えるために
位相シフトマスクが提案されており、その内の一つとし
てリム型の位相シフトマスクが知られている。
【0003】このリム型の位相シフトマスクは、マスク
基板となるガラス基板上に設けた遮光膜パターンの周囲
に半透明で屈折率がガラス基板と異なる材料からなる位
相シフターを設け、この位相シフターと遮光膜パターン
との間の光学的干渉を利用することによって、レジスト
上に投影される像のコントラストを強調するものであ
る。
【0004】この場合、位相シフターは遮光膜パターン
の周囲に精度良く配置される必要があるため、その様な
要請に応えるために陽極酸化技術の採用が提案されてい
る(例えば、特開平5−21310号公報参照)ので、
この陽極酸化技術を用いた従来の位相シフトマスクの製
造方法を図6を参照して説明する。
【0005】図6(a)参照 まず、石英ガラス基板41上にCVD法によって厚さ5
00nmの多結晶シリコン層42を堆積させたのちP
(リン)を70keVの加速エネルギーで1×1016
-2のドーズ量で全面にイオン注入したのち、再びCV
D法によってマスク材となる厚さ200nmの窒化珪素
膜43を堆積させる。
【0006】図6(b)参照 次いで、異方性エッチングを用いてパターニングするこ
とによって、陽極酸化後に所定の遮光膜パターンが形成
される大きさの多結晶シリコンパターン44及び窒化珪
素パターン45を形成したのち、950℃の窒素雰囲気
中で30分間のアニール処理を施す。
【0007】図6(c)参照 次いで、85%の燐酸水溶液からなる陽極化成溶液46
を収容した処理槽47中において陽極酸化処理を行うこ
とによって、多結晶シリコンパターン44の露出側面に
半透明の陽極酸化膜48を形成する。
【0008】図6(d)参照 次いで、処理槽47から引き上げたのち、窒化珪素パタ
ーン45を除去することによって、遮光膜パターン49
及びその周囲に接する位相シフター50とからなる位相
シフトマスクが完成する。
【0009】なお、実際には、陽極酸化膜48は横方向
にも増大して窒化珪素パターン45からはみ出るので、
窒化珪素パターン45をマスクとして陽極酸化膜48の
はみ出し部をエッチングして除去する。
【0010】また、この様な陽極酸化処理はアクティブ
マトリクス型液晶表示装置に用いるTFTのゲート電
極、ゲートバスライン、或いは、ドレインバスライン等
のAlやTa等の金属配線層の表面に酸化膜を設ける工
程としても採用されている。
【0011】例えば、ゲート電極を熱硬化性樹脂である
ポジ型レジスト等の密着性の良好なマスク材を用いて陽
極酸化し、ゲート電極の側部に陽極酸化膜を形成してこ
の陽極酸化膜の厚さを利用してTFTにLDD(Lig
htly Doped Drain)構造やオフセット
構造を自己整合的に形成することが行われており、この
LDD領域やオフセット領域を精度良く形成するために
は、陽極酸化膜を精度良く形成することが必要になる。
【0012】また、ゲートバスラインやドレインバスラ
インに形成した陽極酸化膜は配線層間の絶縁性向上手段
として、或いは、ヒロック防止手段としても用いられて
いるものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この様な従来
の陽極酸化膜の製造方法においては、陽極酸化工程にお
いて窒化珪素パターン等のマスク材が浮き上がり、マス
ク材と被酸化処理導電体層との間に生じた隙間に陽極化
成溶液が進入して不所望な酸化が生ずるという問題があ
る。
【0014】図7(a)参照 即ち、陽極酸化処理によって形成される陽極酸化膜48
は、酸化前の多結晶シリコン層の堆積より増加すること
になり、例えば、進入長Lの陽極酸化膜48が形成され
た場合に厚さvだけ増加し、それによって窒化珪素パタ
ーン45は変形するが、陽極酸化が進むに連れて窒化珪
素パターン45が浮き上がって隙間51が生じ、この隙
間51に陽極化成溶液が進入して不所望な陽極酸化膜5
2が形成される。
【0015】これは、本発明者の検討により、マスク材
としての窒化珪素パターン45が非常に固いため、陽極
酸化に伴う体積変化vをそのまま窒化珪素パターン45
に伝えてしまい、窒化珪素パターン45のせん断応力が
極大となる位置が進入長Lよりも内部に入り込んでしま
うためであるとの見解に至った。
【0016】図7(b)参照 即ち、窒化珪素パターン45に応力がかかる場合、窒化
珪素パターン45は固いので応力が小さい場合には、図
において点線で示すように弾性的にリニアーに変形して
いき、応力がある程度大きくなった時点で塑性変形が始
まり、最終的には塑性変形量が増加して、窒化珪素パタ
ーン45に働く応力はある最大値に収斂することにな
る。
【0017】この場合、窒化珪素パターン45は固く塑
性変形が始まる応力値が大きく、その値が窒化珪素パタ
ーン45の多結晶シリコンパターン44に対する密着力
より大きいために陽極酸化がある程度進行した時点で窒
化珪素パターン45の浮き上がりが生ずるものと考えら
れる
【0018】この様なマスク材の浮き上がりの問題は、
窒化珪素に限らずノボラック樹脂等の熱硬化性のポジ型
レジストの場合も同様であり、大きな陽極酸化量、即
ち、大きな進入長Lを必要とする陽極酸化処理の場合に
は問題となる。
【0019】したがって、本発明は陽極酸化処理工程に
おけるマスク材の浮き上がり、及び、それに伴う不所望
な酸化を防止することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。 図1(a) (1)本発明は、陽極酸化膜6の形成方法において、絶
縁性基板1上に設けた導電体層2上にマスク材3を設
け、マスク材3に覆われていない導電体層2の側面を陽
極酸化する際に、マスク材3として陽極酸化膜6の形成
に伴って生ずる応力値に対して0.2%以上の塑性変形
を示す材料からなり、且つ、0.2%以上の塑性変形を
示す応力値が、マスク材3と導電体層2との密着力より
小さい材料を用いたことを特徴とする。
【0021】この様に、マスク材3として進入長Lの陽
極酸化膜6の形成に伴って生ずる体積の増大vに起因す
る応力値に対して0.2%以上の塑性変形を示す材料か
らなり、且つ、0.2%以上、より好適には5%以上の
塑性変形を示す応力値がマスク材3と導電体層2との密
着力より小さい材料を用いることによって、マスク材3
の浮き上がり或いは剥離を防止することができる。
【0022】図1(b)参照 即ち、図において点線で示す様にマスク材3に弾性変形
のみが生ずるとした場合にその変形がt0 となる応力が
マスク材3にかかった場合の実際の変形tを、t=t0
+Δtとした場合、その塑性変形ΔtがΔt/t0
0.2%になる時点の応力、即ち、0.2%以上の塑性
変形を示す応力値が、マスク材3の密着力、即ち、マス
ク材3と導電体層2との密着力より小さい材料を用いる
ことにより、マスク材3にかかる応力は塑性変形で緩和
され、マスク材3が剥離により浮き上がることはない。
【0023】特に、マスク材3の密着力をマスク材3に
働く最大応力よりも大きくしておくことにより、浮き上
がりは完全に防止することができる。
【0024】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、0.2%以上の塑性変形を示す応力値が、マスク材
3と陽極酸化膜6との密着力より小さいことを特徴とす
る。
【0025】この様に、0.2%以上の塑性変形を示す
応力値が、マスク材3と陽極酸化膜6との密着力より小
さくなるようにマスク材3と陽極酸化膜6との関係を設
定しておくことによって、浮き上がり防止はより確実に
なる。
【0026】(3)また、本発明は、上記(1)または
(2)において、マスク材3として、ノボラック樹脂を
主成分としたポジ型レジストに、このノボラック樹脂の
熱硬化温度より高い硬化温度を有する樹脂を可塑性樹脂
として添加したものを用いたことを特徴とする。
【0027】この様に、マスク材3としてはノボラック
樹脂を主成分とするポジ型レジストが適当であり、この
ポジ型レジストのポストベーク工程における熱硬化を緩
和するためにポストベーク温度より高い硬化温度を有す
る樹脂を可塑性樹脂として添加して可塑性を保つことに
より、0.2%以上の塑性変形を示す応力値をマスク材
3の密着力より小さくすることができる。
【0028】(4)また、本発明は、上記(3)におい
て可塑性樹脂としてアクリル酸エステルを主鎖として含
む共重合ポリマを用いたことを特徴とする。
【0029】この様に、良好な塑性変形を生じさせるた
めにノボラック樹脂を主成分とするポジ型レジストに添
加する可塑性樹脂としては、アクリル酸エステルを主鎖
として含む共重合ポリマが好適である。
【0030】(5)また、本発明は、上記(1)または
(2)において、マスク材3として、ノボラック樹脂を
主成分としたポジ型レジストを用い、ポジ型レジストの
形成後から陽極酸化処理までの間にノボラック樹脂の硬
化温度以下に絶縁性基板1を保つことを特徴とする。
【0031】この様に、ポジ型レジストの形成後から陽
極酸化処理までの間にノボラック樹脂の硬化温度以下に
絶縁性基板1を保つことによって、可塑性樹脂を添加し
なくても良好な塑性変形を生じさせることができる。
【0032】(6)また、本発明は、陽極酸化膜6の形
成方法において、絶縁性基板1上に設けた導電体層2上
にマスク材3を設け、マスク材3に覆われていない導電
体層2の側面を陽極酸化する際に、マスク材3として光
化学反応性の樹脂を用い、陽極酸化処理中に当該陽極酸
化反応で生じた陽極酸化膜6と接触しているマスク材3
を光化学反応によって除去或いは軟化させることを特徴
とする。
【0033】この様に、マスク材3として光化学反応性
の樹脂を用いた場合には、光化学反応によって陽極酸化
膜6と接触しているマスク材3を順次除去或いは軟化さ
せることができるので、マスク材3の硬度及び浮き上が
りは全く問題にならない。
【0034】(7)また、本発明は、上記(6)におい
て、絶縁性基板1として透光性基板を用い、陽極酸化処
理中に透光性基板の裏面から光を照射することを特徴と
する。
【0035】この様に、マスク材3として光化学反応性
の樹脂を用いた場合には、陽極酸化処理中に透光性基板
の裏面から光を照射する方法が最も簡便な方法である。
【0036】(8)また、本発明は、陽極酸化膜6の形
成方法において、絶縁性基板1上に設けた導電体層2上
に第1のマスク材3を設け、第1のマスク材3に覆われ
ていない導電体層2の側面を陽極酸化する際に、第1の
マスク材3の上に第1のマスク材3より面積の小さな第
2のマスク材を設けたことを特徴とする。
【0037】この様に、薄い第1のマスク材3を用いて
塑性変形能力を大きくした場合、第1のマスク材3の上
に第1のマスク材3より面積の小さな第2のマスク材を
設けることによって、第2のマスク材が第1のマスク材
3の浮き上がり防止することができ、また、薄い第1の
マスク材3に生じやすいピンホール不良も防止すること
ができる。
【0038】(9)また、本発明は、上記(1)乃至
(8)のいずれかにおいて、導電体層2が遮光膜パター
ンを構成するための導電体層2であり、且つ、陽極酸化
膜6が位相シフターを構成することを特徴とする。
【0039】上記の様な陽極酸化膜6の形成方法は、高
精度の微細パターンが要求される位相シフトマスクの製
造工程に適用することによって、半導体装置の高集積度
化に寄与するところが大きい。
【0040】(10)また、本発明は、上記(1)乃至
(8)のいずれかにおいて、導電体層2がゲート電極及
び配線層の少なくとも一部を構成するための導電体層2
であることを特徴とする。
【0041】上記の様な陽極酸化膜6の形成方法は、ア
クティブマトリクス型液晶表示装置を構成するTFTの
ゲート電極、及び、各バスライン等の配線層の陽極酸化
方法として適用することによって、アクティブマトリク
ス型液晶表示装置の高密度化に寄与するところが大き
い。
【0042】
【発明の実施の形態】ここで、図2及び図3を参照して
本発明の第1の実施の形態を説明する。 図2(a)参照 まず、低融点ガラス基板11(コーニング社製705
9)上に、SiH4 とPH3 を用いたPCVD法(プラ
ズマ化学気相成長法)によって厚さ300nmのPドー
プの多結晶シリコン層12を堆積させる。
【0043】次いで、ノボラック樹脂に、ノボラック樹
脂に対する重量比で0.1〜30%、例えば、2.0%
のアクリル酸エステル共重合ポリマを可塑性樹脂として
添加したポジ型レジスト層13を塗布し、ノボラック樹
脂の硬化温度以下の90℃で60分間のプリベーク処理
を行って溶剤を乾燥させる。
【0044】図2(b)参照 次いで、通常のフォトリソグラフィー工程によって所期
のパターンに現像し、重合のために120℃で60分間
のポストベーク処理を行ったのち、多結晶シリコン層1
2をパターニングすることによって、多結晶シリコンパ
ターン14及びポジ型レジストパターン15を形成す
る。
【0045】このポストベーク処理において、ノボラッ
ク樹脂は硬化するものの、アクリル酸エステル共重合ポ
リマの硬化温度は120℃以上であるため、ポジ型レジ
スト全体としては可塑性、即ち、塑性変形能力を有する
ことになる。
【0046】図2(c)参照 次いで、シュウ酸水溶液からなる陽極化成溶液16を収
容した処理槽17中において陽極酸化処理を行うことに
よって、多結晶シリコンパターン14の露出側面に酸化
シリコンからなる陽極酸化膜18を形成する。
【0047】図2(d)参照 次いで、処理槽17から引き上げたのち、アセトン等の
有機溶剤を用いてポジ型レジストパターン15を除去す
ることによって、遮光膜パターン19及びその周囲に接
する位相シフター20とからなる位相シフトマスクが完
成する。
【0048】なお、この場合も、実際には、陽極酸化膜
18は横方向にも増大してポジ型レジストパターン15
からはみ出るので、ポジ型レジストパターン15をマス
クとして陽極酸化膜18のはみ出し部をエッチングして
除去する。
【0049】図3参照 この第1の実施の形態においては、図において点線で示
す様にポジ型レジストパターン15に弾性変形のみが生
ずるとした場合の変形がt0 となる応力がポジ型レジス
トパターン15にかかった場合の実際の変形tを、t=
0 +Δtとした場合、その塑性変形ΔtがΔt/t0
>0.2%になる時点の応力、即ち、0.2%以上の塑
性変形を示す応力値は、ポジ型レジストパターン15の
密着力より小さいので、ポジ型レジストパターン15に
かかる応力は塑性変形で緩和され、ポジ型レジストパタ
ーン15が剥離により浮き上がることはない。
【0050】この場合、ポジ型レジストパターン15の
密着力をポジ型レジストパターン15に働く最大応力よ
りも大きくなるように、ポジ型レジストの塑性と被処理
導電体層との組合せを設定することが望ましい。
【0051】また、この0.2%以上の塑性変形を示す
応力値が、ポジ型レジストパターン15と陽極酸化膜6
との密着力より小さくなるようにポジ型レジストパター
ン15と陽極酸化膜6との関係を設定しておくことによ
って、浮き上がり防止はより確実になる。
【0052】この第1の実施の形態においては、ノボラ
ック樹脂に可塑性樹脂を添加しているので、ポストベー
ク処理を行っているが、可塑性樹脂を添加しないノボラ
ック樹脂によってポジ型レジストを構成しても良く、そ
の場合には、ポストベーク処理を行わずに、ポジ型レジ
ストの形成後から陽極酸化処理の間、基板全体をノボラ
ック樹脂の熱硬化温度以下に保持すれば良い。
【0053】なお、この場合、ポストベーク処理を行っ
ていないので、被処理導電体層とポジ型レジストとの密
着性を高めるために、密着性の良好な導電体を被処理導
電体層として選択することが必要となる。
【0054】次に、図4を参照して本発明の第2の実施
の形態を説明する。 図4(a)参照 まず、石英ガラス基板21上に、DCスパッタリング法
によって、厚さ300nmのAl層22を堆積させたの
ち、ノボラック樹脂からなるポジ型レジスト層23を塗
布し、ノボラック樹脂の硬化温度以下の90℃で60分
間のプリベーク処理を行って溶剤を乾燥させる。
【0055】図4(b)参照 次いで、通常のフォトリソグラフィー工程によって所期
のパターンに現像したのち、Al層22をパターニング
することによって、Al配線層24及びポジ型レジスト
パターン25を形成する。なお、この場合、ポジ型レジ
ストパターン25に光化学反応による溶解性を保持して
おくために、ポストベーク処理は行わない。
【0056】図4(c)参照 次いで、シュウ酸水溶液、及び、pH調整用のアンモニ
ア、及び、現像剤としてのテトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイド〔N(CH3 4 OH〕からなる陽極
化成溶液26を収容した処理槽27中において、石英ガ
ラス基板21の裏面から高圧水銀ランプ28により可視
〜近紫外領域の光を照射しながら陽極酸化処理を行うこ
とによって、Al配線層24の露出側面に酸化アルミニ
ウムからなる陽極酸化膜29を形成する。
【0057】この陽極酸化工程において、陽極酸化が進
んで陽極酸化膜29が形成された領域においては、陽極
酸化膜29が透明であるため、その上に接触しているポ
ジ型レジストパターン25を露光することになり、露光
された部分のポジ型レジストパターン25は陽極化成溶
液26中の現像剤の作用により徐々に溶解・除去され
る。
【0058】図4(d)参照 次いで、処理槽27から引き上げたのち、ポジ型レジス
トパターン25を除去することによって、Al配線層2
4及びその側壁に設けられた陽極酸化膜29とからなる
配線層が形成される。
【0059】これらの陽極酸化膜29は、Al配線層2
4が多結晶シリコン膜等の半導体膜上にゲート電極とし
てある場合には、TFTのLDD領域或いはオフセット
領域を自己整合的に形成するためのパターンとして用い
られ、また、その他の領域においては、ドレインバスラ
イン或いはゲートバスライン等のバスラインの保護膜と
して用いられる。
【0060】この第2の実施の形態においては、陽極酸
化によって陽極酸化膜29が内部に侵入し始めると、そ
れに伴って、陽極酸化膜29の上に接触しているポジ型
レジストパターン25が光化学反応によって溶解し、陽
極酸化膜29の上にはポジ型レジストパターン25が存
在しなくなるので、体積増加に伴う応力がポジ型レジス
トパターン25に伝達されることがない。
【0061】なお、この第2の実施の形態においては、
陽極酸化膜29の上に接触しているポジ型レジストパタ
ーン25を光化学反応によって溶解させているが、完全
に溶解させる必要は必ずしもないものであり、溶解に至
らないまでも充分な塑性変形を示す程度に軟化するよう
にしても良い。
【0062】また、光化学反応は陽極酸化処理を同時に
進行させる必要はなく、陽極酸化処理と光化学反応処理
とを交互に繰り返して行うようにしても良い。
【0063】また、陽極化成溶液26中では、可視〜近
紫外領域の光の減衰が大きいので、高圧水銀ランプ28
と石英ガラス基板21との距離をできるだけ短くするこ
とが望まれ、また、処理槽27も石英等の可視〜近紫外
領域の光の透過性の良い材質で構成することが望まし
い。
【0064】次に、図5を参照して本発明の第3の実施
の形態を説明する。 図5(a)参照 まず、石英ガラス基板31上に、DCスパッタリング法
によって、厚さ300nmのAl層32を堆積させたの
ち、PCVD法によって厚さ10nmのSiO 2 膜33
及び厚さ500nmのα−Si膜34を順次堆積させ
る。
【0065】図5(b)参照 次いで、通常のフォトリソグラフィー工程によって、α
−Si膜34乃至Al層32を所期の形状にパターニン
グしたのち、再び通常のフォトリソグラフィー工程によ
ってα−Si膜34のみを幅細パターンにパターニング
することによって、Al配線層35、SiO2 パターン
36、及び、α−Siパターン37を形成する。
【0066】図5(c)参照 次いで、シュウ酸水溶液からなる陽極化成溶液38を収
容した処理槽39中において、陽極酸化処理を行うこと
によって、Al配線層35の露出側面に酸化アルミニウ
ムからなる陽極酸化膜40を形成する。
【0067】この陽極酸化工程において、陽極酸化が進
んで陽極酸化膜29の体積が増大しても、マスク材とし
てSiO2 パターン36は10nmと非常に薄いので、
体積増加に伴う応力を十分吸収して塑性変形することが
できる。
【0068】また、Al配線層35を残す領域には厚い
α−Siパターン37が存在するため、SiO2 パター
ン36の変形を抑制することができ、且つ、SiO2
ターン36が薄いために生じやすいピンホールによる不
良発生を防止することができる。
【0069】図5(d)参照 次いで、処理槽37から引き上げたのち、α−Siパタ
ーン37及びSiO2パターン36を除去することによ
って、Al配線層35及びその側壁に設けられた陽極酸
化膜40とからなる配線層が形成される。
【0070】この場合も第2の実施の形態と同様に、陽
極酸化膜40は、Al配線層35が多結晶シリコン膜等
の半導体膜上にゲート電極としてある場合には、TFT
のLDD領域或いはオフセット領域を自己整合的に形成
するためのパターンとして用いられ、また、その他の領
域においては、ドレインバスライン或いはゲートバスラ
イン等のバスラインの保護膜として用いられる。
【0071】この第3の実施の形態においては、マスク
材の組み合わせとして、同じPCVD装置を用いて成膜
できるSiO2 膜とα−Si膜との組み合わせを用いて
いるが、この組合せに限られるものではなく、陽極酸化
に対してマスク性のあるもので、且つ、互いにエッチン
グ選択性のあるものの組み合わせであれば良い。
【0072】以上、本発明の各実施の形態を説明してき
たが、第1及び第2の実施の形態に用いるポジ型レジス
トはノボラック樹脂系の樹脂に限られるものでなく、ポ
リメタクリル酸(pmma)等を用いても良いものであ
る。
【0073】また、第1の実施の形態において添加する
可塑性樹脂もアクリル酸エステルを主鎖として含む共重
合ポリマである必要はなく、例えば、ポリプロピレン或
いはポリイソブチレン等を用いても良いものである。
【0074】また、本発明の各実施の形態における被酸
化処理導電体層は、多結晶シリコン及びAlであるが、
Ta等の陽極酸化の可能な金属膜を用いて位相シフトマ
スクを形成しても良いし、また、多結晶シリコン或いは
Ta等を用いてゲート電極を構成しても良いものであ
る。
【0075】また、本発明の陽極酸化膜の形成方法は、
位相シフトマスクの製造工程或いは、アクティブマトリ
クス型液晶表示装置に用いるTFTの製造工程に限られ
るのでなく、高精度で高歩留りの酸化膜の形成工程に適
用できるものであり、例えば、SOI構造の半導体集積
回路装置のLDD領域の製造工程に適用しても良いもの
である。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、陽極酸化処理工程にお
けるマスク材として陽極酸化膜の形成に伴って生ずる応
力値に対して0.2%以上の塑性変形を示す材料からな
り、且つ、0.2%以上の塑性変形を示す応力値がマス
ク材と被処理導電体層との密着力より小さい材料を用い
ているので、陽極酸化処理工程におけるマスク材の浮き
上がりや剥離が生ずることがなく、精度が高く、且つ、
高歩留りの陽極酸化を行うことができ、位相シフトマス
クを用いた半導体装置の製造工程の微細化、或いは、ア
クティブマトリクス型液晶表示装置の高密度化に寄与す
るところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の製造工程の説明図
である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の作用の説明図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施の形態の製造工程の説明図
である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の製造工程の説明図
である。
【図6】従来の位相シフトマスクの製造方法の説明図で
ある。
【図7】従来の位相シフトマスクの製造方法の問題点の
説明図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 導電体層 3 マスク材 4 陽極化成溶液 5 処理槽 6 陽極酸化膜 11 低融点ガラス基板 12 多結晶シリコン層 13 ポジ型レジスト層 14 多結晶シリコンパターン 15 ポジ型レジストパターン 16 陽極化成溶液 17 処理槽 18 陽極酸化膜 19 遮光膜パターン 20 位相シフター 21 石英ガラス基板 22 Al層 23 ポジ型レジスト層 24 Al配線層 25 ポジ型レジストパターン 26 陽極化成溶液 27 処理槽 28 高圧水銀ランプ 29 陽極酸化膜 30 ポジ型レジストの溶解部 31 石英ガラス基板 32 Al層 33 SiO2 膜 34 α−Si膜 35 Al配線層 36 SiO2 パターン 37 α−Siパターン 38 陽極化成溶液 39 処理槽 40 陽極酸化膜 41 石英ガラス基板 42 多結晶シリコン層 43 窒化珪素膜 44 多結晶シリコンパターン 45 窒化珪素パターン 46 陽極化成溶液 47 処理槽 48 陽極酸化膜 49 遮光膜パターン 50 位相シフター 51 隙間 52 陽極酸化膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/336

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に設けた導電体層上にマス
    ク材を設け、前記マスク材に覆われていない前記導電体
    層の側面を陽極酸化する際に、前記マスク材として、陽
    極酸化膜の形成に伴って生ずる応力値に対して0.2%
    以上の塑性変形を示す材料からなり、且つ、0.2%以
    上の塑性変形を示す応力値が、前記マスク材と前記導電
    体層との密着力より小さい材料を用いたことを特徴とす
    る陽極酸化膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 上記0.2%以上の塑性変形を示す応力
    値が、上記マスク材と上記陽極酸化膜との密着力より小
    さいことを特徴とする請求項1記載の陽極酸化膜の形成
    方法。
  3. 【請求項3】 上記マスク材として、ノボラック樹脂を
    主成分としたポジ型レジストに、このノボラック樹脂の
    熱硬化温度より高い硬化温度を有する樹脂を可塑性樹脂
    として添加したものを用いたことを特徴とする請求項1
    または2に記載の陽極酸化膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 上記可塑性樹脂として、アクリル酸エス
    テルを主鎖として含む共重合ポリマを用いたことを特徴
    とする請求項3記載の陽極酸化膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 上記マスク材として、ノボラック樹脂を
    主成分としたポジ型レジストを用い、前記ポジ型レジス
    トの形成後から陽極酸化処理までの間に前記ノボラック
    樹脂の硬化温度以下に上記絶縁性基板を保つことを特徴
    とする請求項1または2に記載の陽極酸化膜の形成方
    法。
  6. 【請求項6】 絶縁性基板上に設けた導電体層上にマス
    ク材を設け、前記マスク材に覆われていない前記導電体
    層の側面を陽極酸化する際に、前記マスク材として光化
    学反応性の樹脂を用い、陽極酸化処理中に当該陽極酸化
    反応で生じた陽極酸化膜と接触している前記マスク材を
    光化学反応によって除去或いは軟化させることを特徴と
    する陽極酸化膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 上記絶縁性基板として透光性基板を用
    い、陽極酸化処理中に前記透光性基板の裏面から光を照
    射することを特徴とする請求項6記載の陽極酸化膜の形
    成方法。
  8. 【請求項8】 絶縁性基板上に設けた導電体層上に第1
    のマスク材を設け、前記第1のマスク材に覆われていな
    い前記導電体層の側面を陽極酸化する際に、前記第1の
    マスク材の上に第1のマスク材より面積の小さな第2の
    マスク材を設けたことを特徴とする陽極酸化膜の形成方
    法。
  9. 【請求項9】 上記導電体層が遮光膜パターンを構成す
    るための導電体層であり、且つ、上記陽極酸化膜が位相
    シフターを構成することを特徴とする請求項1乃至8の
    いずれか1項に記載の陽極酸化膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 上記導電体層が、ゲート電極及び配線
    層の少なくとも一部を構成するための導電体層であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
    陽極酸化膜の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111610353A (zh) * 2019-02-26 2020-09-01 普因特工程有限公司 用于探针卡的引导板及包括其的探针卡

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