JPH10227137A - 既存建物の支持杭への免震装置の取付け方法 - Google Patents

既存建物の支持杭への免震装置の取付け方法

Info

Publication number
JPH10227137A
JPH10227137A JP3394897A JP3394897A JPH10227137A JP H10227137 A JPH10227137 A JP H10227137A JP 3394897 A JP3394897 A JP 3394897A JP 3394897 A JP3394897 A JP 3394897A JP H10227137 A JPH10227137 A JP H10227137A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
pile
seismic isolation
existing building
supporting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3394897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3871391B2 (ja
Inventor
Tomoyuki Sagami
友行 相模
Akira Mizuno
彰 水野
Isao Haba
伊佐男 幅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Komuten Co Ltd filed Critical Takenaka Komuten Co Ltd
Priority to JP03394897A priority Critical patent/JP3871391B2/ja
Publication of JPH10227137A publication Critical patent/JPH10227137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3871391B2 publication Critical patent/JP3871391B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存建物の支持杭へ免震装置を取付ける際
に、大がかりな新設の支持杭や仮受け支持杭を不要なら
しめ、合理的に取り付ける方法を提供する。 【解決手段】 既存建物1の地下を根切りして支持杭2
の頭部2aを露出させ、その杭頭部2aの外周面にコッ
ター3等のシアコネクターを形成し、支持部材Aを兼ね
る新設の基礎梁4等をシアコネクターを介して既存建物
1の支持杭2と一体化施工する。新設の基礎梁4等に反
力をとる仮受け支柱5を、新設基礎梁4等と上方の既存
建物1の基礎梁10との間に配設し、その仮受け支柱5
と新設基礎梁4等を介して建物荷重を支持杭2に支持さ
せる。免震層6の部分で支持杭2を切除し、その切除部
分6に免震装置7を取付け、仮受け支柱5を撤去して免
震装置7による建物1の支持に盛り変える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地震時の耐震
性、免震性を高めるべく、既存建物の支持杭に免震装置
を組み込む際に実施される免震装置の取付け方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】既存の建物の支持杭へ免震装置を取付け
る一般的な方法を図9に示した。支持杭cの頭部c−1
を露出させるべく既存建物aの地下を根切りし、支持杭
cの外周に新たに本設又は仮設の支持杭eと仮受け支持
杭fを造成すると共に、新たに基礎梁kを施工する。ま
た、根切りにより露出された支持杭cの頭部c−1を固
定する基礎梁sも施工する。一方、既存の基礎梁bの下
部には受け梁mを施工し、当該受け梁mと前記仮受け支
持杭fとの間にジャッキgを配設する。かくして、新設
の支持杭e、仮受け支持杭f、ジャッキg等によって、
既存建物aの荷重を仮受け支持し、かかる状態で、免震
層の部分で前記既存の杭頭部c−1を切除し、その切除
部分に免震装置dを取付けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記図9に示した従来
の取付け方法は、既存建物aを仮受け支持するための新
設の支持杭eや仮受け支持杭f、杭頭部固定用の基礎梁
s等の施工が、大変大がかりで面倒な上、施工コストの
高騰、施工期間の長期化を余儀なくされている問題が生
じている。
【0004】したがって、本発明の目的は、既存建物の
荷重は、支持部材を兼ねる新設の基礎梁や簡便構造の支
持部材を介して既存建物の支持杭自体に仮受け支持さ
せ、当該支持杭に免震装置を取付けることにより、大が
かりな新設の支持杭や仮受け支持杭を不要ならしめ、工
期の短縮、大幅なコストダウン、安全性の向上を実現す
る合理的な免震装置の取付け方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解
決するための手段として、請求項1の発明に係る既存建
物の支持杭への免震装置の取付け方法は、 イ) 既存建物1の地下を根切りして支持杭2の頭部2
aを露出させ、その杭頭部2aの外周面にコッター3等
のシアコネクターを形成し、支持部材Aを兼ねる新設の
基礎梁4又は床版を前記シアコネクターを介して既存建
物1の支持杭2と一体化施工すること、 ロ) 前記新設の基礎梁4等に反力をとる仮受け支柱5
を、当該新設基礎梁4等と上方の既存建物1の基礎梁1
0との間に配設し、その仮受け支柱5と新設基礎梁4等
を介して建物荷重を支持杭2に支持させること、 ハ) 免震層6の部分で前記支持杭2を切除し、その切
除部分6に免震装置7を取付け、その後、仮受け支柱5
を撤去して免震装置7による建物1の支持に盛り変える
こと、をそれぞれ特徴とする。
【0006】請求項2の発明に係る既存建物の支持杭へ
の免震装置の取付け方法は、 イ) 既存建物1の地下を根切りして支持杭2の頭部2
aを露出させ、その杭頭部2aの外周面にコッター3等
のシアコネクターを形成し、前記支持杭2の外周の所定
位置にゴムシート等の絶縁材8を設け、前記絶縁材8に
囲まれた内側を支持部材Bとする新設の基礎梁4又は床
版を前記シアコネクターを介して既存建物1の支持杭2
に施工すること、 ロ) 前記支持部材Bに反力をとる仮受け支柱5を、当
該支持部材Bと上方の既存建物1の基礎梁10との間に
配設し、前記仮受け支柱5と支持部材Bを介して建物荷
重を支持杭2に支持させること、 ハ) 免震層6の部分で前記支持杭2を切除し、その切
除部分6に免震装置7を取付け、その後、仮受け支柱5
を撤去して免震装置7による建物1の支持に盛り変える
と共に、前記絶縁材8により支持杭2から縁切りされた
新設基礎梁4等の荷重を支持杭2に負担させないこと、
をそれぞれ特徴とする。
【0007】請求項3の発明に係る既存建物の支持杭へ
の免震装置の取付け方法は、 イ) 既存建物1の地下を根切りして支持杭2の頭部2
aを露出させ、その杭頭部2aの外周にゴムシート等の
絶縁材8を設け、新設の基礎梁4又は床版を支持杭と縁
切りした状態で施工すること、 ロ) 支持杭2の外周に巻き付け可能な半割り形状のバ
ンドプレート11と同バンドプレート11に固定される
受け台12とより成る支持部材Cを、免震層6よりやや
下方の支持杭2の外周面に設けること、 ハ) 前記受け台12に反力をとる仮受け支柱5を、当
該受け台12と上方の既存建物1の基礎梁10との間に
配設し、その仮受け支柱5と受け台12及びバンドプレ
ート11を介して建物荷重を支持杭2に支持させるこ
と、 ニ) 免震層6の部分で前記支持杭2を切除し、その切
除部分6に免震装置7を取付け、その後、前記の仮受け
支柱2と受け台12及びバンドプレート11を撤去して
免震装置7による建物1の支持に盛り変えると共に、前
記の絶縁材8により支持杭2から縁切りされた新設基礎
梁4等の荷重を支持杭2に負担させないこと、をそれぞ
れ特徴とする。
【0008】請求項4の発明に係る既存建物の支持杭へ
の免震装置の取付け方法は、 イ) 既存建物1の地下を根切りして支持杭2の頭部2
aを露出させ、その杭頭部2aの外周にゴムシート等の
絶縁材8を設け、新設の基礎梁4又は床版を支持杭2と
縁切りした状態で施工すること、 ロ) 免震層6よりやや下方の支持杭2に通孔9を穿設
し、その通孔9に挿通されるPC鋼材13と同PC鋼材
13の外端に取付けられるブラケット14とより成る支
持部材Dを設け、前記PC鋼材13に張力を付与してブ
ラケット14を支持杭2の外周に仮固定すること、 ハ) 前記ブラケット14に反力をとる仮受け支柱5
を、当該ブラケット14と上方の既存建物1の基礎梁1
0との間に配設し、その仮受け支柱5とブラケット14
及びPC鋼材13を介して建物荷重を支持杭2に支持さ
せること、 ニ) 免震層6の部分で前記支持杭2を切除し、その切
除部分6に免震装置7を取付け、その後、前記仮受け支
柱5とブラケット14及びPC鋼材13を撤去して免震
装置7による建物1の支持に盛り変えると共に、前記絶
縁材8により支持杭2から縁切りされた新設基礎梁4等
の荷重を支持杭2に負担させないこと、をそれぞれ特徴
とする。
【0009】
【発明の実施の形態及び実施例】請求項1〜4の発明に
係る既存建物の支持杭への免震装置の取付け方法は、地
震によっても建物があまり揺れないように地震時の耐震
性、免震性を高めるべく、既存の事務所ビルや大型店舗
ビル等の基礎下部において、その既存建物1の支持杭2
に免震装置7を組み込んで取付ける際に好適に実施され
る。免震装置7の取付け時に支持杭2は免震層6の部分
で切除されるが、その際、既存建物1の荷重は、支持部
材Aを兼ねる新設の基礎梁4と、同新設基礎梁4に反力
をとる仮受け支柱5を介し、既設の支持杭2自体に仮受
け支持させる形態で実施される(第1タイプ、図1〜図
3参照)。又は、簡便構造の支持部材CやDと、同支持
部材CやDに反力をとる仮受け支柱5を介して、やはり
既設の支持杭2自体に直接支持させて実施される(第2
タイプ、図5〜図8参照)。つまり、第1タイプの発明
は、既存の支持杭2に支持耐力がある場合に好適である
のに対し、第2タイプの発明は、支持杭2に支持耐力に
余力がない場合に好適である。なお、新設する基礎梁4
の代わりに、図示を省略した床版が施工されることもあ
る。
【0010】請求項1記載の発明は、支持部材Aを兼ね
る新設の基礎梁4を使用する第1タイプに関する。この
支持部材Aを兼ねる新設の基礎梁4は、同新設基礎梁4
上に配設される仮受け支柱5が十分に反力をとって既存
建物1の荷重を負担できる程の耐力が必要である(図3
参照)。そのため、新設基礎梁4は、支持杭2との接合
部においてシアコネクターを介して一体的に接合されて
いる。以下、図1〜図3に示した枢要な工程図に従って
説明する。
【0011】図1は、既存建物1の支持杭2に新設の基
礎梁4を一体化施工した段階を示している。既存建物1
の地下外周に土留め16を施工して、既存建物1の地下
を根切りし、支持杭2の頭部2aを露出させる。その露
出した杭頭部2aの外周面にシアコネクターを形成す
る。シアコネクターとしては、図2に示したように、支
持杭2の外周面のコンクリートをはつり込んで形成した
コッター3が好適である。その他、図示を省略したスタ
ッドボルト等を支持杭2の外周面に設置することにより
実施してもよい。よって、新設基礎梁用の型枠を組み立
て(図示は省略)、基礎梁コンクリートを打設すること
により、新設の基礎梁4をコッター3を介して既存建物
1の支持杭2と一体化施工する。かくして、この新設基
礎梁4により複数の支持杭2の杭頭部2a…が拘束され
る。
【0012】図3は、既存建物1の荷重を支持杭2に支
持させて免震装置7を支持杭2に取付けた段階を示して
いる。支持杭2の杭頭部2aの外周近傍位置であって、
前記新設基礎梁4と上方の既存建物1の基礎梁10との
間に、仮受け支柱5を配設する。仮受け支柱5の下端に
は油圧ジャッキ15を介在させる。よって、前記新設基
礎梁4は十分な耐力を有するから、同新設基礎梁4に反
力をとる仮受け支柱5を介して、既存建物1の荷重を支
持杭2に支持させることができる。かかる状態で、前記
支持杭2を免震層6の部分で安全に切除でき、その切除
部分6に免震装置7を確実に取付けることができる(図
4参照)。その後は、不要となった前記仮受け支柱5と
油圧ジャッキ15を撤去することにより(図示は省
略)、免震装置7による建物1の支持に盛り変え、既存
支持杭2への免震装置7の組み込みが完了する。
【0013】請求項2記載の発明は、基本的構成が前記
請求項1記載の発明に近似するため、外見上は第1タイ
プに属するとも云えるが、支持杭2に新設基礎梁4の荷
重を負担するだけの十分な耐力がない場合に好適な使用
態様からすれば、後述の第2タイプに近似するタイプと
云える。すなわち、この新設基礎梁4は支持杭2の外周
の所定位置で、支持部材Bと新設基礎梁4に分断されて
おり、杭頭部2aに発生する曲げ、水平力を負担する新
設基礎梁4の荷重が支持杭2に及ばない構成とされてい
る。
【0014】まず、前記請求項1と同様に、既存建物1
の地下を根切りし、支持杭2の頭部2aを露出させ、そ
の露出した杭頭部2aの外周面にコッター3を形成す
る。しかる後、図4に示したように、支持杭2を中心と
して約1mほど外周の位置に、水平力を伝達できるゴム
シート等の絶縁材8を敷設すると共に、当該新設基礎梁
用の型枠を組み立て(図示は省略)コンクリートを打設
する。かくして、前記絶縁材8に囲まれた内側をコッタ
ー3を介して支持杭2と一体化施工した支持部材Bとし
て施工すると共に、絶縁材8の外側部分に新設の基礎梁
4が縁切り状態で同時施工される。後は、前記請求項1
記載の発明と略同様の手順で支持杭2に免震装置7を合
理的に取付けられる。
【0015】したがって、支持杭2と一体化施工された
支持部材Bと新設基礎梁4とが、絶縁材8を介して縁切
り状態となっている。よって、支持部材Bの上に同支持
部材Bに反力をとる仮受け支柱5を設置して建物1の荷
重を負担しながら、支持杭2の切除、免震装置7の取付
けを安全に行える。且つ、当該新設基礎梁4直下の地盤
17が沈下し、新設基礎梁4の荷重が下方に作用して
も、その新設基礎梁4の荷重(自重)は、支持杭2に伝
達されず、支持杭2の健全性を恒久的に維持できるので
ある。
【0016】請求項3記載の発明は、簡便なバンドプレ
ート型の支持部材Cを使用する第2タイプに関する。つ
まり、この支持部材Cを使用する場合は、通常、支持杭
2が新設基礎梁4の荷重をも負担する程の耐力の余力が
ない場合に採用され、仮受け支柱5は新設基礎梁4に反
力をとらせず、支持部材Cに反力をとらせて既存建物1
を仮受け支持し、免震装置7を取付ける構成である。以
下、図5〜図7にしたがって説明する。
【0017】図5は、支持部材C及び仮受け支柱5を使
用して建物1を仮支持した状態で、免震層6の部分で支
持杭2を切除し、同切除部分6への免震装置7の設置が
完了した状態を示している。その前段階として新設の基
礎梁4を施工するが、当該新設基礎梁4は前記理由によ
り支持杭2に対し絶縁状態で施工する。新設基礎梁4
は、図6に示したように、建物1の地下を根切りし支持
杭2の頭部2aを露出させた後、免震層6より下方の位
置で、露出した杭頭部2aの外周面に沿って上記ゴムシ
ート等の絶縁材8を巻き付けた上で、基礎梁コンクリー
トを打設する。よって、新設基礎梁4は、支持杭2との
接合部において、上記のコッター3により一体的に接合
されておらず、水平力を伝達可能な絶縁材8により支持
杭2とは縁切り状態で施工されている。
【0018】図7に支持部材Cの具体的構成を示した。
この支持部材Cは、鋼板を加工して支持杭2の外周に巻
き付け可能な大きさの半割り形状に形成されたバンドプ
レート11と、同バンドプレート11に固定された平坦
部を有する受け台12とで基本的に構成されている。す
なわち、バンドプレート11は、図7aに示したよう
に、半円形状の2つの分割プレート11a、11aの一
対で一組をなし、各分割プレート11aの折曲された突
き合せ端部同士は、ボルト18により支持杭2に締付け
固定される。また、そのバンドプレート11(分割プレ
ート11a)の支持杭2への固定を強固ならしめるため
に、支持杭2に係止用の切欠き20を形成したり、当該
バンドプレート11にアンカーボルト21の後打ち等が
行われる。つまり、図7bに拡大して示したように、免
震層6より下方であって新設基礎梁4より上方の支持杭
2におけるバンドプレート11の設置位置(図5参照)
のコンクリートを若干はつり込むことにより、予め欠込
み20を設け、その欠込み20内にバンドプレート11
を嵌め込んで係止させる。そして、当該バンドプレート
11の外側面に、内方へアンカーボルト21を複数打ち
込み、ナット22で締め付けてバンドプレート11を支
持杭2へ定着する(その他、シアコネクターにより定着
してもよい。)。バンドプレート11と欠込み20との
隙間にはモルタルや樹脂材等の充填材19を充填する。
また、分割プレート11aの略中央外周位置に、受け台
12が固設されている。つまり、1個のバンドプレート
11に対し通常2つの受け台12、12が支持杭2の直
径線方向に配置して設けられ、この受け台12の上に、
同受け台12に反力をとる仮受け支柱5が油圧ジャッキ
15を介して設置されている。すなわち、通常は1本の
支持杭2を挟んで仮受け支柱5と油圧ジャッキ15が2
セット使用される。但し、図5中、左側に示したような
建物1の角隅部においては、1セットの仮受け支柱5と
油圧ジャッキ15だけしか使用されない場合もある。
【0019】前記バンドプレート11の受け台12に反
力をとる仮受け支柱5の上端は、上述のように上方の既
存の基礎梁10の下面に到達されている(図5)。した
がって、上記と同様に、免震層6の部分で前記支持杭2
を切除した場合、前記仮受け支柱5と受け台12及びバ
ンドプレート11を介して建物1の荷重は、支持杭2に
十分に支持されるから、その切除部分6に免震装置7を
確実に取付けることができる。その後、前記の仮受け支
柱2と受け台12及びバンドプレート11を撤去して免
震装置7による建物1の支持に盛り変える。一方、前記
絶縁材8により支持杭2から縁切りされた新設基礎梁4
の荷重は支持杭2に負担されず、水平力のみを伝達する
ことができる。
【0020】請求項4記載の発明は、前記請求項3と同
様の簡便構造の支持部材を使用する第2タイプに属し、
この支持部材Dとしてはブラケット型のものが使用され
る。なお、支持部材Dを除く基本的構成は、前記請求項
3と略同じなので重複する施工手順の説明は省略し、支
持部材Dの構成を中心として以下に説明する。図8a〜
cに当該ブラケット型の支持部材Dの構成を示した。こ
の支持部材Dは、基本的に支持杭2に設けた通孔9に挿
通されるPC鋼棒や鋼線等のPC鋼材13と、同PC鋼
材13の外端に取付けられる鋼製のブラケット14とで
構成されている。図8bに拡大して示したように、免震
層6よりやや下方の支持杭2の外周に均等間隔で4箇所
の欠込み20…を予め設け、PC鋼材13挿通用の通孔
9を、対向する前記欠込み20、20を貫通する形で直
径線上に水平に2つ設ける(図8aの上図参照)。前記
欠込み20内に設置したブラケット14は、前記通孔9
に挿通したPC鋼材13の端部でナット23を締付ける
ことにより、高張力で支持杭2の外周に仮固定する。よ
って、4個のブラケット14…が支持杭2の外周面に設
置されている(但し、PC鋼材13は1本だけ使用し、
ブラケット14はその1本のPC鋼材13の両端に2個
設置して実施してもよい。)。なお、ブラケット14と
しては、図8a、bに示した鋼製のもののほか、図8c
に示したコンクリート製のブラケット14’も好適に使
用される。よって、当該ブラケット14又は14’の上
に、同ブラケット14又は14’に反力をとる仮受け支
柱5が油圧ジャッキ15と共に設置され、建物1の仮受
け、支持杭2の切除及び免震装置7の取付けが前記同様
にスムーズに行われる。
【0021】
【発明の奏する効果】請求項1〜4記載の発明の既存建
物の支持杭への免震装置の取付け方法によれば、支持部
材Aを兼ねる新設の基礎梁4に反力をとる仮受け支柱5
を介して、既存建物1の荷重を支持杭2に支持させた状
態で、支持杭2を切除し、免震装置7を確実に取付けら
れるから、大がかりな本設又は仮設の新設支持杭や仮受
け用の杭が不要となり、耐震性、免震性が高められた既
存建物の施工の大幅なコストダウン、工期の短縮、省人
化を図れると共に、安全性の向上が達成される。また、
請求項2〜4記載の発明によれば、支持杭2と一体化さ
れた簡便構造の支持部材B又はC又はDの上に仮受け支
柱5を設置して支持杭2に免震層6を取付け、新設基礎
梁4の荷重は免震層6が取付けられた支持杭2へ及ばな
いから、支持杭2の健全性が恒久的に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】新設基礎梁を支持杭と一体化施工した状況を示
した断面図である。
【図2】支持杭のコッター部分を切欠して示した断面図
である。
【図3】支持杭への免震装置の取付け状況を示した断面
図である。
【図4】図3の免震装置の部分を拡大して示した断面図
である。
【図5】異なる支持部材の使用例を示した断面図であ
る。
【図6】図5における新設基礎梁と支持杭との取り合い
を示した拡大断面図である。
【図7】aはバンドプレート型支持部材の横断面図と立
面図、bは同支持部材の支持杭への固定要領を示した拡
大断面図である。
【図8】aはブラケット型支持部材の横断面図と立面
図、bは同支持部材の支持杭への固定要領を示した拡大
断面図、cは異なる支持部材の支持杭への固定要領を示
した拡大断面図である。
【図9】従来例を示した断面図である。
【符号の説明】 A、B、C、D 支持部材 1 既存建物 2 支持杭 3 コッター(シアコネクター) 4 基礎梁 5 仮受け支柱 7 免震装置 8 絶縁材 9 通孔 10 基礎梁 11 バンドプレート 12 受け台 13 PC鋼材 14 ブラケット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イ) 既存建物の地下を根切りして支持杭
    の頭部を露出させ、その杭頭部の外周面にシアコネクタ
    ーを形成し、支持部材を兼ねる新設の基礎梁又は床版を
    前記シアコネクターを介して既存建物の支持杭と一体化
    施工すること、 ロ) 前記新設の基礎梁等に反力をとる仮受け支柱を、
    当該新設基礎梁等と上方の既存建物の基礎梁との間に配
    設し、その仮受け支柱と新設基礎梁等を介して建物荷重
    を支持杭に支持させること、 ハ) 免震層の部分で前記支持杭を切除し、その切除部
    分に免震装置を取付け、その後、仮受け支柱を撤去して
    免震装置による建物の支持に盛り変えること、をそれぞ
    れ特徴とする、既存建物の支持杭への免震装置の取付け
    方法。
  2. 【請求項2】イ) 既存建物の地下を根切りして支持杭
    の頭部を露出させ、その杭頭部の外周面にシアコネクタ
    ーを形成し、前記支持杭の外周の所定位置にゴムシート
    等の絶縁材を設け、前記絶縁材に囲まれた内側を支持部
    材とする新設の基礎梁又は床版を前記シアコネクターを
    介して既存建物の支持杭に施工すること、 ロ) 前記支持部材に反力をとる仮受け支柱を、当該支
    持部材と上方の既存建物の基礎梁との間に配設し、前記
    仮受け支柱と支持部材を介して建物荷重を支持杭に支持
    させること、 ハ) 免震層の部分で前記支持杭を切除し、その切除部
    分に免震装置を取付け、その後、仮受け支柱を撤去して
    免震装置による建物の支持に盛り変えると共に、前記絶
    縁材により支持杭から縁切りされた新設基礎梁等の荷重
    を支持杭に負担させないこと、をそれぞれ特徴とする、
    既存建物の支持杭への免震装置の取付け方法。
  3. 【請求項3】イ) 既存建物の地下を根切りして支持杭
    の頭部を露出させ、その杭頭部の外周にゴムシート等の
    絶縁材を設け、新設の基礎梁又は床版を支持杭と縁切り
    した状態で施工すること、 ロ) 支持杭の外周に巻き付け可能な半割り形状のバン
    ドプレートと同バンドプレートに固定される受け台とよ
    り成る支持部材を、免震層よりやや下方の支持杭の外周
    面に設けること、 ハ) 前記受け台に反力をとる仮受け支柱を、当該受け
    台と上方の既存建物の基礎梁との間に配設し、その仮受
    け支柱と受け台及びバンドプレートを介して建物荷重を
    支持杭に支持させること、 ニ) 免震層の部分で前記支持杭を切除し、その切除部
    分に免震装置を取付け、その後、前記仮受け支柱と受け
    台及びバンドプレートを撤去して免震装置による建物の
    支持に盛り変えると共に、前記絶縁材により支持杭から
    縁切りされた新設基礎梁等の荷重を支持杭に負担させな
    いこと、をそれぞれ特徴とする、既存建物の支持杭への
    免震装置の取付け方法。
  4. 【請求項4】イ) 既存建物の地下を根切りして支持杭
    の頭部を露出させ、その杭頭部の外周にゴムシート等の
    絶縁材を設け、新設の基礎梁又は床版を支持杭と縁切り
    した状態で施工すること、 ロ) 免震層よりやや下方の支持杭に通孔を穿設し、そ
    の通孔に挿通されるPC鋼材と同PC鋼材の外端に取付
    けられるブラケットとより成る支持部材を設け、前記P
    C鋼材に張力を付与してブラケットを支持杭の外周に仮
    固定すること、 ハ) 前記ブラケットに反力をとる仮受け支柱を、当該
    ブラケットと上方の既存建物の基礎梁との間に配設し、
    その仮受け支柱とブラケット及びPC鋼材を介して建物
    荷重を支持杭に支持させること、 ニ) 免震層の部分で前記支持杭を切除し、その切除部
    分に免震装置を取付け、その後、前記仮受け支柱とブラ
    ケット及びPC鋼材を撤去して免震装置による建物の支
    持に盛り変えると共に、前記絶縁材により支持杭から縁
    切りされた新設基礎梁等の荷重を支持杭に負担させない
    こと、をそれぞれ特徴とする、既存建物の支持杭への免
    震装置の取付け方法。
JP03394897A 1997-02-18 1997-02-18 既存建物の支持杭への免震装置の取付け方法 Expired - Fee Related JP3871391B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03394897A JP3871391B2 (ja) 1997-02-18 1997-02-18 既存建物の支持杭への免震装置の取付け方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03394897A JP3871391B2 (ja) 1997-02-18 1997-02-18 既存建物の支持杭への免震装置の取付け方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10227137A true JPH10227137A (ja) 1998-08-25
JP3871391B2 JP3871391B2 (ja) 2007-01-24

Family

ID=12400737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03394897A Expired - Fee Related JP3871391B2 (ja) 1997-02-18 1997-02-18 既存建物の支持杭への免震装置の取付け方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3871391B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006112051A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Takenaka Komuten Co Ltd 免震建物と免震装置の取替え方法
JP2010144399A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Toda Constr Co Ltd 既存建物に対する免震装置の設置方法
CN115404871A (zh) * 2022-10-11 2022-11-29 中建八局第一建设有限公司 一种深基坑近接既有地下结构连通接驳施工方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006112051A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Takenaka Komuten Co Ltd 免震建物と免震装置の取替え方法
JP4625302B2 (ja) * 2004-10-12 2011-02-02 株式会社竹中工務店 免震建物と免震装置の取替え方法
JP2010144399A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Toda Constr Co Ltd 既存建物に対する免震装置の設置方法
CN115404871A (zh) * 2022-10-11 2022-11-29 中建八局第一建设有限公司 一种深基坑近接既有地下结构连通接驳施工方法
CN115404871B (zh) * 2022-10-11 2023-07-25 中建八局第一建设有限公司 一种深基坑近接既有地下结构连通接驳施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3871391B2 (ja) 2007-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3799036B2 (ja) 建物の基礎構造とその構築方法
JP2001311314A (ja) 既存建物の免震構造化方法
JP3677715B2 (ja) 組積造建物の免震化工法
JP2000240001A (ja) オーバーブリッジ
JPH10227137A (ja) 既存建物の支持杭への免震装置の取付け方法
JP3800535B2 (ja) 杭と柱の接合構造および接合工法
JP3772246B2 (ja) 既存建物の免震構造化方法
JPH1150418A (ja) 橋桁の仮受工法およびこれに用いうる架台
JP2019218795A (ja) 基礎杭と基礎スラブの接合構造
KR102448993B1 (ko) 연결철물을 이용하여 공기단축이 가능한 장수명 라멘조 공동주택 pc 공법
JP3290887B2 (ja) 杭基礎を有する既存建物の免震化工法
JP3150987B2 (ja) 建築物の基礎構造
JP2002371723A (ja) 免震建築の上部基礎構造
JPH09256644A (ja) 既存建物の免震化工法
JP2001271499A (ja) 鉄骨方杖材による既存建物の仮受け工法
JP3820498B2 (ja) 既存建物の免震化工法
KR200285572Y1 (ko) 강관말뚝 머리보강 연결구
JP2000129953A (ja) 免震装置の基礎への取付け工法
JP2000045542A (ja) 既存構造物の基礎免震化工法
JP4024449B2 (ja) 既存建物の免震化工法
JP3849234B2 (ja) 鉄筋コンクリート地下外壁の施工方法
JPH0327072Y2 (ja)
JP6114071B2 (ja) 既存建築物の免震化工法及びその施工中の仮設構造
JP3536543B2 (ja) 既存建物における基礎部分の免震化工法
JPH11172759A (ja) 制震用建築材料、制震構造及びその構築方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060118

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060509

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20060706

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20060926

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061017

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees