JPH10226979A - オフセット印刷用塗被紙及びその製造方法 - Google Patents

オフセット印刷用塗被紙及びその製造方法

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JPH10226979A
JPH10226979A JP2666297A JP2666297A JPH10226979A JP H10226979 A JPH10226979 A JP H10226979A JP 2666297 A JP2666297 A JP 2666297A JP 2666297 A JP2666297 A JP 2666297A JP H10226979 A JPH10226979 A JP H10226979A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗被紙の製造に関し、伸縮や寸法変化が少な
く、外観に優れ、輪転印刷時にはひじわの発生の少ない
オフセット印刷用塗被紙を提供することにある。 【解決手段】 原紙上に顔料と接着剤を含有する塗被層
を有するオフセット印刷用塗被紙において、原紙を構成
するパルプがルーメン幅:Lと繊維幅:DのL/Dの値
が0.15〜0.35である広葉樹パルプを10〜35
重量%含有し、全パルプの叩解パルプ濾水度が200〜
350mlであることを特徴とするオフセット印刷用塗
被紙及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙の寸法安定性を
改善して、外観に優れ、輪転印刷時にはひじわの発生の
少ないオフセット印刷用塗被紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年印刷用紙は、チラシ、カタログ、パ
ンフレット、ダイレクトメール等広告宣伝を目的とした
商業印刷分野での需要が伸びている。これら商業用印刷
物は、それ自体の商品価値は低いが、宣伝媒体としての
目的が達成されることが重要である。そのため、低コス
トでかつ印刷仕上がりの良いものが求められている。
【0003】低コスト化に対し、印刷サイドにおいては
オフセット印刷の高速化、特に近年は輪転印刷機による
高速の巻取り印刷により対応している。これらの低コス
ト化の対応により新たな製造上あるいは品質上のトラブ
ルが生じてきた。すなわち、オフセット印刷は、湿し水
を使用すること、使用インキのタック(粘度)が高いこ
とが特徴であり、トラブルは直接或いは間接的にこれら
が関係し、相互に絡み合って発生する場合が多く、その
トラブルの種類は凸版やグラビア印刷と比較してはるか
に数が多い。
【0004】紙が関与するオフセット印刷トラブルに
は、(1)表面強度(ピッキング)トラブル、(2)紙
くせ(伸縮、寸法安定性、カール、しわ、見当不良等)
トラブル、(3)インキ転移、乾燥に関するトラブル
(トラッピング不良、裏移り等)、(4)輪転印刷特有
の加熱乾燥に関係するトラブル(ブリスター、ひじわ、
折り割れ)、(5)走行トラブル(断紙、しわ、ブロッ
キング)等に大別される。
【0005】ピッキングには、湿し水が関与するか否か
によってドライピック(ドライ強度)とウェットピック
(ウェット強度)に分けられ、塗被紙の場合ピッキング
の発生箇所や状況によって、顔料ピック(塗被層表面の
顔料粒子のむけ)、塗被層ピック、ベッセルピック(広
葉樹特有の道管のむけ)、ラプチャーピック (原紙層
からのむけ)等に分けられる。
【0006】これらのトラブルのうち、枚葉印刷におい
ては、高速化が進むほどインキの機上タックが上昇し、
上記ピッキングトラブル特にベッセルピックの危険性が
高くなる。枚葉印刷機の数倍の速度で印刷する輪転印刷
機においては、枚葉印刷用インキよりタックを初めから
下げるため、ビヒクル量が多くなり、溶剤の量が増える
ので、インキの乾燥には200〜250℃の高温加熱乾
燥が必要となってくる。その際塗被紙中の水分の減少過
程で原紙が縮み、それによる寸法変化やひじわの問題が
発生する。ひじわは、印刷部(画線部)と白紙部(非画
線部)の寸法変化の相違が主な原因とされ、乾燥直後に
塗被紙のマシン方向にしわが入る現象である。
【0007】一方、紙メーカーでは、低コスト化に対
し、(1)抄紙や塗被の高速化、(2)広幅化、(3)
オンライン生産化(抄紙から表面仕上げまでの一貫生
産)、(4)多層塗被化等で対応していた。近年生産性
を装置面から向上させる新しい手段としてソフトカレン
ダーが用いられるようになってきた。これは、コータで
塗被液を塗被、乾燥したシートをそのままオンラインで
且つ高温でソフトカレンダー処理するものであり、これ
により、従来のスーパーカレンダーを省略するととも
に、スーパーカレンダーより高速で表面仕上げ処理を行
うことができるため生産性を飛躍的に高めることができ
る。
【0008】ソフトカレンダーによる表面仕上げ処理に
ついて検討を進めた結果、ソフトカレンダー処理温度が
高い程生産性は向上するものの、一方で、平判(枚葉)
製品においては、カッターで裁断した後、外観が悪くな
る問題(荷姿不良や皺)や印刷時ベッセルピックが発生
することが認めらた。巻取り製品の場合にも、カレンダ
ーで巻取ってから輪転印刷する過程において、巻姿不
良、ひじわ等が発生することが認められた。これらはソ
フトカレンダー処理後紙の温度が経時的に低下するにと
もなう吸湿により紙が部分的に伸びることによると思わ
れる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に鑑
み、本発明の課題は優れた表面強度を維持しつつ、伸
縮、寸法変化が少なく、外観、ひじわに優れたオフセッ
ト印刷用塗被紙を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題について鋭意研究を重ねた結果、原紙に顔料と接着剤
を含有する塗被液を塗被するオフセット印刷用塗被紙の
製造方法において、ルーメン幅:Lと繊維幅:DのL/
Dの値が0.15〜0.35の広葉樹パルプを含む広葉
樹パルプとその他のパルプを叩解し、L/Dの値が0.
15〜0.35の広葉樹パルプを全パルプの10〜35
重量%となるように配合して、全パルプの叩解パルプ濾
水度を200〜350mlとし、このパルプを用いて抄
紙して原紙とし、この原紙に顔料と接着剤を含む塗被液
を塗被、乾燥し、温度130℃以上でソフトカレンダー
処理した塗被紙とすることにより本発明を成すに至っ
た。
【0011】このようにして得られた原紙は加熱或いは
吸湿時の伸縮が小さいので、特に高温でソフトカレンダ
ー処理される巻取りや平判製品の外観不良、皺の問題を
解決するとともに巻取り製品の輪転印刷時のひじわの問
題をも解決することができる。すなわち本発明は、L/
Dの値が0.15〜0.35と通常のパルプより小さい
厚壁のパルプの特性に注目し、このパルプの特性を活か
すため、特定の配合量と特定の叩解度で使用するところ
に特徴を有する。本発明で使用するL/Dが0.15〜
0.35の広葉樹パルプはL/Dが0.4以上の通常紙
製造に用いられるパルプに比べ繊維形態が厚壁であり、
容積重(一定容積当たりの重量)が大きいため、同じ重
量(坪量)の紙を抄造した場合、紙の寸法変化に直接関
与する紙中の繊維数が減少し、寸法変化が少なくなると
考えられる。しかし、L/Dの値が0.15より小さい
パルプは、一般にパルプ適性に劣り、蒸解収率が著しく
低いため、本発明の目的には不適当であった。
【0012】厚壁パルプの特性の研究を進めたところ、
このようなパルプは、(1)原紙表面に存在するベッセ
ルをカバーする繊維数が減少すること、(2)繊維自体
が剛直でしなやかさに劣るため互いに接着力が劣るこ
と、(3)ベッセルの形状が角形で大きい場合が多く、
その結果、ベッセルが抄紙前の叩解処理を受けにくく、
他の繊維との結合性に乏しいという原紙の製造にとって
不利な点を有していた。厚壁パルプの有利な特性を活か
し、不利な点を克服する方法についてさらに検討した結
果、配合量を全パルプの10〜35重量%とするととも
に、全パルプの叩解濾水度を200〜350mlとする
ことにより所期の目的が達成されることを見出した。全
パルプの叩解パルプ濾水度を350ml以下になるまで
叩解して紙層間結合強度を一定レベル以上に上げること
で、ベッセルピックの問題が改善される。しかしその場
合でも、配合量が35%を越えた場合にはベッセルピッ
クが抑えきれなかった。また、配合量が10%以下では
得られた塗被紙の吸湿による伸縮や寸法変化が大きく外
観不良やひじわを抑えることができなかった。濾水度が
200mlより小さくなった場合には、全体的に繊維自
体のフィブリル化が過度に進み、L/Dの値が0.15
〜0.35の厚壁パルプの配合量を35%まで配合して
も寸法安定性が劣り、外観不良、ひじわの問題が発生す
る。
【0013】本発明で使用するL/Dが0.15〜0.
35の広葉樹パルプは、たとえば、マングローブ、ユー
カリのような樹種のチップを常法に従って蒸解すること
で得ることができる。本発明に規定した繊維形態の広葉
樹パルプを特定量配合するその他のパルプとしては、L
/Dが約0.4〜0.7の広葉樹或いは針葉樹の晒し化
学パルプ或いはこれらの古紙再生パルプである。
【0014】このようにして得られた全パルプを濾水度
200〜350mlに叩解し、トップワイヤー等を含む
長網マシン、丸網マシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄
紙、あるいはアルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙を得
る。原紙の坪量は特に限定するものではないが、一般の
塗被紙に用いられる30〜200g/m2が好ましく、
より好ましくは30〜80g/m2である。
【0015】尚、本発明のルーメン幅とは、単繊維中の
内空孔部分の幅である。また、叩解パルプ濾水度は、カ
ナダ標準型濾水度:JIS P8121で測定した値で
ある。
【0016】また、上記原紙を使用すると、原紙上に塗
被液を塗被、乾燥後行うソフトカレンダー処理において
も、荷姿不良、表面皺などの外観不良や、輪転印刷時に
おけるひじわの問題にとって、より厳しい条件である1
30℃という高温条件での処理においても、これらの問
題を改善することができた。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、塗被液に使用す
る顔料は、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、
カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、タルク、
サチンホワイト、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、酸化亜鉛、二酸化チタンなどの無機顔料、あるいは
プラスチックピグメントなどの有機顔料等、通常塗被紙
用に用いられるものであり、必要に応じて単独または2
種以上混合して使用する。
【0018】塗被液に使用する接着剤は、ラテックスあ
るいはその他の水性接着剤から必要に応じ1種あるいは
2種以上を選択して使用する。ラテックスとしては、ス
チレン・ブタジエン共重合体、メタクリレート・ブタジ
エン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、ア
クリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル
の重合体または共重合体等のビニル系重合体ラテック
ス、あるいはこれらを更にカルボキシル基等の官能基含
有単量体で変性したもの等である。
【0019】また、ラテックス以外の水性接着剤として
は、例えばカゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質
類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、オ
レフィン・無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成
樹脂系接着剤;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル
化澱粉等のエステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル
化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉
類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース
誘導体等の通常の塗工用接着剤である。
【0020】本発明の塗被液には、分散剤、増粘剤、保
水剤、消泡剤、耐水化剤等の各種助剤を併用しても良
い。
【0021】本発明で調製された塗被液は、ブレードコ
ータ、バーコータ、ロールコータ、エアナイフコータ、
リバースロールコータ、カーテンコータ、サイズプレス
コータ、ゲートロールコータ等を用いて、一層もしくは
二層以上を原紙上に片面あるいは両面塗被する。
【0022】本発明で使用するソフトカレンダーの型式
は、通紙の容易さ、省スペースを考慮して2〜4スタッ
クのタンデムタイプのものが好ましい。タンデムタイプ
とは、一対の金属ロールと弾性ロールを重ねた2ロール
を並列に並べたタイプのソフトカレンダーである。ま
た、弾性ロールの材質は、耐熱性に優れる変性ウレタン
系、エポキシ系、ポリエーテル系等のプラスチックから
成るものが好ましい。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示
す。なお、例中の部及び%はそれぞれ重量部、重量%を
示す。品質評価方法は次に示す通りである。
【0024】<品質評価方法> (1)L(ルーメン幅)/D(繊維幅)の測定:パルプ
をパラフィン溶融液に入れ、1.5時間かけて徐冷しつ
つ包埋した。次いで、ミクロトームでパラフィン包埋パ
ルプを出来る限り繊維軸に垂直に切った。更に、スライ
ドグラスの上に水を置きその上にパラフィン切片をの
せ、これを電熱器の上に1分間静かにかけてパラフィン
を溶かした。更に、アルコール、キシレンで脱包埋後染
料で染色し、もう一度アルコール、キシレンで脱水し、
顕微鏡観察し、写真撮影を行った。写真からパルプ繊維
1000本についてルーメン幅、繊維幅の平均値を求め
た。
【0025】(2)叩解パルプ濾水度:JIS P81
21に従い、カナダ標準型濾水度を測定した。
【0026】(3)平判製品の外観評価:製品をカッタ
ーで裁断後、木製パレット架台上に積み上げ一昼夜放置
し、波打ち発生の程度を目視評価した。 ◎=波打ち全くなし、○=波打ちがほとんど発生しな
い、△=波打ちが発生する、×=波打ち発生が著しい
【0027】(4)巻取り製品の外観評価:製品巻取り
を24時間放置した後、包装を開包し、巻きしわの発生
頻度を目視評価した。 ○=しわの発生なし、△=しわの発生若干有り、×=し
わがかなり発生する
【0028】(5)ベッセルピック評価:ローランド印
刷機(ローランドファボリット製 RZF−0−1)を
用い、サカタインクス製ダイヤトーンNEWGSL墨イ
ンキを使用し、印刷スピード9000枚/h、通紙枚数
8000枚の時点のベタ部1000cm2当たりの白点
数として評価した(白点数の多いものはベッセルピック
が多い)。
【0029】(6)ひじわ:オフセット輪転印別機(東
芝製 B2T−600)を用い、東洋インキ製レオコー
トMインクを使用し、600rpmで印刷し、ひじわの
発生程度を目視により相対評価した。 ◎=発生しない、○=ほとんど発生しない、△=発生す
る、×=発生が著しい
【0030】[実施例1]全パルプに対し、L/D
(L:ルーメン幅、D:繊維幅)の値が0.23である
広葉樹パルプ13%と、L/Dの値が0.52の広葉樹
パルプ70%を混合した広葉樹晒しクラフトパルプを叩
解し、叩解した針葉樹晒しクラフトパルプ17%を配合
し、全パルプの濾水度が317mlのパルプスラリーを
調製した。次いで該パルプスラリーに、軽質炭酸カルシ
ウムを5%、アルキルケテンダイマーを0.03%、歩
留まり向上剤としてカチオン化デンプン、コロイダルシ
リカを添加し、オントップタイプツインワイヤーマシン
を使用し、1000m/分で抄紙し、坪量46g/m2
の原紙を得た。
【0031】更に、重質炭酸カルシウム95部及びカオ
リン5部に対し、接着剤としてリン酸エステル化デンプ
ン25部とカルボキシ変性スチレン・ブタジエン系共重
合ラテックスを4部配合して濃度40%の下塗り塗被液
を調製した。この下塗り塗被液をゲートロールコータを
使用し、上記原紙に対し5g/m2を両面に塗被、乾燥
し、坪量51g/m2の塗被紙を得た。
【0032】次いで、重質炭酸カルシウム60部及びカ
オリン40部に対し、リン酸エステル化デンプン4部と
カルボキシ変性スチレン・ブタジエン系共重合ラテック
スを10部配合して濃度66%の上塗り塗被液を調製
し、高速ファウンテンブレードコータを使用し、塗被速
度1200m/分で、14g/m2を両面に塗被、乾燥
し、坪量65g/m2の多層塗被紙を得た。
【0033】更に、ショアーD硬度90゜の弾性ロール
を有する2ロール・2スタックのソフトカレンダーで温
度160℃、線圧300kg/cm、2ニップの条件で
カレンダー処理し、この巻取り製品をオフセット輪転印
刷機で印刷した。
【0034】[実施例2]全パルプに対し、L/Dの値
が0.31の広葉樹パルプ23%とL/Dの値が0.4
8の広葉樹パルプ62%を混合した広葉樹晒しクラフト
パルプを叩解し、叩解した針葉樹晒しクラフトパルプ1
5%を配合し、全パルプの濾水度が317mlのパルプ
スラリーを調製した。次いで該パルプスラリーに実施例
1で用いた、内添填料を12%、内添サイズ剤を0.0
3%、歩留まり向上剤としてカチオン化デンプン、コロ
イダルシリカを添加し、オントップタイプツインワイヤ
ーマシンを使用し、1000m/分で抄紙した。
【0035】更に、実施例1と全く同じ下塗り塗被液
を、同じ方法で8g/m2を両面に塗被、乾燥し、坪量
54g/m2の下塗り塗被紙を得た。
【0036】次いで、実施例1と全く同じ方法で上塗り
塗被液を19g/m2を両面に上塗り塗被、乾燥し、坪
量73g/m2の塗被紙を得た。
【0037】更に、実施例1と同条件でソフトカレンダ
ー処理し、この巻取り製品をオフセット輪転印刷機で印
刷した。
【0038】[実施例3]全パルプの濾水度が240m
lのパルプスラリーとした以外は実施例1と全く同様に
塗被紙を得た後、評価した。
【0039】[比較例1]L/Dの値が0.23の広葉
樹パルプを4%用いた以外は実施例1と全く同様に、塗
被紙を得、ソフトカレンダー処理し巻取りを印刷した。
【0040】[比較例2]全パルプ濾水度190mlま
で叩解した晒しクラフトパルプを用いた以外は実施例2
と全く同様に製造し、ソフトカレンダー処理して得た巻
取り製品を印刷した。
【0041】実施例1,2及び比較例1,2の各巻取り
について、巻取り製品としての外観(巻きしわ)評価
と、印刷後のひじわの評価を行い、その結果を表1に示
した。
【0042】
【表1】
【0043】[実施例4]実施例2で得られた巻取り製
品をカッターで平判に裁断し、一昼夜以上放置後この平
判製品をローランド枚葉印刷機で印刷した。
【0044】[実施例5]実施例1で得られた塗被紙を
カッターで平判に裁断し、一昼夜以上放置後この平判製
品をローランド枚葉印刷機で印刷評価した。
【0045】[比較例3]L/Dの値が0.31である
広葉樹パルプ41%及びL/Dの値が0.48の広葉樹
パルプを44%使用した以外は実施例2と同様にして得
た巻き取り製品を平判に裁断し、一昼夜以上放置後この
平判製品をローランド枚葉印刷機で印刷した。
【0046】[比較例4]L/Dの値が0.23の広葉
樹パルプを使用せず、L/Dの値が0.48広葉樹パル
プを85%使用し、かつ全パルプ濾水度が190ml晒
しクラフトパルプを使用した以外は実施例2と同様にし
て得た巻き取り製品を平判に裁断し、一昼夜以上放置後
この平判製品をローランド枚葉印刷機で印刷した。
【0047】[比較例5]全パルプ濾水度が410ml
まで叩解した晒しクラフトパルプを使用し、80℃でソ
フトカレンダー処理した以外は実施例2と全く同様にし
て得た巻き取り製品を平判に裁断し、一昼夜以上放置後
この平判製品をローランド枚葉印刷機で印刷した。
【0048】[比較例6]全パルプ濾水度が190ml
のパルプスラリーとした以外は、実施例2と全く同様に
して得た巻き取り製品を平判に裁断し、一昼夜以上放置
後この平判製品をローランド枚葉印刷機で印刷した。
【0049】実施例4、5及び比較例3、4、5、6の
平判について、一昼夜放置後の外観(波打ち)評価と、
印刷後の表面強度(ベッセルピック)の評価を行い、そ
の結果を表2に示した。
【0050】
【表2】
【0051】巻取り製品に関する評価を示した表1から
明らかなように、実施例1、2、3はひじわ評価が非常
に優れ、巻きじわも発生もない優れたものであった。こ
れに対し、比較例1、2のものはひじわ及び巻きじわ評
価が発生し製品としては不適当なものであった。
【0052】平判製品に関する評価を示した表2から明
らかなように、実施例4、5の本発明のものは外観、ベ
ッセルピックともに優れているものであった。これに対
し、比較例3ではベッセルピックが多発し、比較例4及
び6は外観が劣り、比較例5はベッセルピックが多発
し、製品としては不適当なものであった。
【0053】このように、本発明により製造されたオフ
セット印刷用塗被紙は巻取り製品としても平判製品とし
ても従来にない安定した品質を与えるものであった。
【0054】
【発明の効果】本発明により、オフセット印刷用塗被紙
の高速製造および高速印刷おいて、巻取り製品として巻
きしわと印刷後のひじわの発生がなく、平判として波う
ちがなくベッセルピックに優れた得ることができたの
で、低コスト化と、品質に優れたオフセット印刷用紙が
得られた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙上に顔料と接着剤を含有する塗被層
    を有するオフセット印刷用塗被紙において、原紙を構成
    するパルプがルーメン幅:Lと繊維幅:DのL/Dの値
    が0.15〜0.35である広葉樹パルプを10〜35
    重量%含有し、全パルプの叩解パルプ濾水度が200〜
    350mlであることを特徴とするオフセット印刷用塗
    被紙。
  2. 【請求項2】 原紙に顔料と接着剤を含有する塗被液を
    塗被するオフセット印刷用塗被紙の製造方法において、
    ルーメン幅:Lと繊維幅:DのL/Dの値が0.15〜
    0.35の広葉樹パルプを含む広葉樹パルプとその他の
    パルプを叩解し、L/Dの値が0.15〜0.35の広
    葉樹パルプを全パルプの10〜35重量%となるように
    配合して、全パルプの叩解パルプ濾水度を200〜35
    0mlとし、このパルプを用いて抄紙して原紙とし、こ
    の原紙に顔料と接着剤を含む塗被液を塗被、乾燥後、温
    度130℃以上でソフトカレンダー処理することを特徴
    とするオフセット印刷用塗被紙の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000212898A (ja) * 1999-01-11 2000-08-02 Oji Paper Co Ltd グラシン剥離紙用原紙
JP2006057229A (ja) * 2004-07-09 2006-03-02 Nippon Paper Industries Co Ltd オフセット印刷用塗工紙
JP2008207878A (ja) * 2007-01-31 2008-09-11 Oji Paper Co Ltd チップ型電子部品収納台紙

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