JP2002105889A - オフセット印刷用艶消し塗工紙 - Google Patents

オフセット印刷用艶消し塗工紙

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JP2002105889A
JP2002105889A JP2000295265A JP2000295265A JP2002105889A JP 2002105889 A JP2002105889 A JP 2002105889A JP 2000295265 A JP2000295265 A JP 2000295265A JP 2000295265 A JP2000295265 A JP 2000295265A JP 2002105889 A JP2002105889 A JP 2002105889A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフセット印刷用艶消し塗工紙において、低
密度で実用に適した不透明度を有し、低白紙光沢にも関
わらず高いインク着肉性および印刷光沢度を有するマッ
ト調艶消し塗工紙を提供することにある。 【解決手段】 原紙上に顔料および接着剤を含有する塗
工層を設けてなるオフセット印刷用塗工紙において、顔
料として体積分布平均粒径3.5〜20μmである顔料
を30〜90重量部含有し、白紙光沢度が15%未満、
塗工紙密度が1.0g/cm以下でであることを特徴
とするオフセット印刷用艶消し塗工紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白紙光沢度が低い
にも関わらず、優れた印刷適性を備えたオフセット印刷
用艶消し塗工紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷物に対し、写真や図案を多用
し、更にカラー化するなどにより、視覚的に内容を強力
に伝達できる高品質印刷用塗工紙への強い要望がある。
一方、省資源、輸送および郵送コストなどの点から印刷
物の軽量化に対しても強い要望がある。この二つの要望
は相反するものであり、高品質印刷塗工紙は原紙および
塗工量が多く、また表面処理による平滑化などにより、
同一坪量で比較して密度が高いものであり、軽量化の要
望にそぐわない。印刷物の軽量化には低坪量の用紙を選
択することが可能であるが、密度が同等であれば軽量化
にともない紙厚も低くなり、冊子のボリューム感を損な
うため好まれない。このため、すなわち同一坪量で比較
して紙厚の高い、もしくは同一紙厚で比較して坪量の低
く、すなわち低密度(嵩高)でかつインク着肉性等の印
刷適性が良好な塗工紙が求められている。
【0003】塗工紙は、光沢塗工紙と艶消し塗工紙に大
別される。光沢塗工紙は、従来高級印刷に用いられてい
たアート紙、スーパーアート紙、あるいはカタログ、パ
ンフレットなどに用いられるコート紙等があり、印刷仕
上がりは白紙光沢も印刷光沢も高いグロス調である。艶
消し塗工紙は、ダル調、マット調があり、グロス調より
も白紙光沢や印刷光沢が低いものである。マット調はダ
ル調よりも白紙光沢が低いものである。特にマット調の
艶消し塗工紙は、従来のグロス調のものに比べて、印刷
後の文字部が読みやすく、近年需要が増えている。
【0004】例えばマットコート紙として坪量157g
/m、両面塗工量30〜50g/m、密度(緊度)
0.88g/cmのマットコート紙の典型的品質は、
75°光沢度12%、60°印刷光沢度27%(4色重
刷部)となっている(印刷と用紙188頁 紙業タイムス
社 1996年発行)。このマット調の艶消し塗工紙を
軽量化しようとして、例えば上記マットコート紙の原紙
坪量および塗工量を半分にして総坪量80g/mのも
のとすると、印刷光沢度が著しく低下し、また不透明度
が低下して裏写りの問題が発生するおそれが増大する。
総坪量80g/m のままで、印刷光沢度を改善すべ
く、塗工層の塗工量を多くすれば、その分原紙坪量を下
げざるを得ず、ますます不透明度と剛度が不足し実用的
でない。この不透明度と剛度が実用的な程度にまで改善
すべく原紙坪量を増加させれば、その分今度は塗工量を
極めて少なくした場合、表面の被覆性が不足して印刷光
沢度が極めて低い不鮮明な画像となってしまう。また、
不透明度を改善する方法として、原紙に不透明性が大き
い二酸化チタンのような無機填料を内添する方法が公知
であるが、無機填料を内添すると原紙の密度は逆に増大
してしまう。
【0005】一方、塗工紙の印刷品質、特にインクの着
肉濃度や画線部の印刷光沢度を向上させるためには、塗
工紙の平滑性を高めることが有効な手段のひとつであ
る。このため、光沢塗工紙や、ダル調と呼ばれる艶消し
塗工紙と光沢塗工紙の中間的な白紙光沢度を有する塗工
紙では、スーパーカレンダー等の表面平滑化処理を施す
ことが一般的である。しかし、これらの処理は用紙を加
圧して表面の平滑性を高めるものであるため、同時に白
紙光沢度が高く、用紙の紙厚が低くなり、目標とする印
刷品質を得るには十分ではなかった。
【0006】低密度で紙厚と不透明度を保ちながら原紙
を軽量化する方法として、中空の合成有機物のカプセル
を配合する方法、抄紙時のドライヤーの熱で発泡させる
合成有機発泡性填料(例えば商品名EXPANSEL、
日本フィライト株式会社製)を配合する方法等が知られ
ている。しかし、これらの方法は、抄紙時の乾燥条件な
ど、安定した操業条件を得ることが困難であり、大量生
産が必要な品種には適当とはいえない。また、填料では
ないが、特開平8−13380号公報に微細フィブリル
化セルロースを添加する方法が提案されている。しかし
この方法では、微細フィブリル化セルロースを別に調整
する必要があり操業上煩雑になり、実用的ではない。
【0007】以上のように、従来の技術の単なる応用で
は所望の特性を持った軽量化したマット調艶消し塗工紙
を得ることはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑み
て、本発明の課題は、低密度で実用に適した不透明度を
有し、低白紙光沢にも関わらず高いインク着肉性および
印刷光沢度を有するマット調艶消し塗工紙を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明等は、上記課題に
ついて鋭意研究した結果、原紙上に顔料および接着剤を
含有する塗工層を設けてなるオフセット印刷用塗工紙に
おいて、顔料として体積分布平均粒径3.5〜20μm
であるデラミネーテッドクレーを顔料100重量部当た
り30〜90重量部含有し、白紙光沢度が15%未満、
塗工紙密度が1.00g/cm以下、好ましくは0.
90g/cm以下にすることにより低坪量でも低密度
で紙厚があり、実用に適した不透明度を有し、白紙光沢
度は低いままで、相対的に良好なインク着肉性および印
刷光沢度が高い画像を得ることができ、前記課題が解決
されることを見いだし本発明に至った。
【0010】塗工用顔料としては、体積分布平均粒径
3.5〜20μmであるデラミネーテッドクレーを30
〜90重量部配合することが重要である。本発明におい
ては、六角板状が積層した通常のクレーを単層に剥がす
ことにより(デラミネーション)得られるデラミネーテ
ッドクレーを顔料として使用することにより、塗工層表
面に大粒径の板状のものが配向され易いため、空隙率が
高い原紙上に相対的に低い塗工量で塗工した場合におい
ても、原紙被覆性は良好になり、平滑性が出やすく、イ
ンク着肉性および印刷光沢度が高い画像を得ることが可
能になる。また、原紙被覆性が良好なため、通常のカレ
ンダー処理よりも低圧の条件で処理することができ、低
密度で、不透明度を向上することができる。
【0011】本発明のデラミネーテッドクレーは、粒径
分布に特徴があり、通常のものより、比較的大きな粒径
のものが多い分布を有するものを使用するため、原紙被
覆性が良好になり、同一塗工量で比較した場合印刷適性
に寄与する有効塗工層厚さは増加し、印刷光沢度も高く
なり、低塗工量で白紙光沢度が15%未満と低いにも関
わらず、相対的に高いインキ着肉性及び印刷光沢度が得
ることができると考えられる。塗料の塗工適性や塗工紙
の品質をより向上させるためには、体積分布平均粒径の
3.5〜20μmのデラミネーテッドクレーを55〜9
0重量部配合することが好ましい。
【0012】平均粒径が3.5μmより小さいデラミネ
ーテッドクレーを用いた場合には、相対的に白紙光沢度
が高く、印刷光沢が低く、オフセット印刷適性に劣る。
平均粒径20μm越えるデラミネーテッドクレーを用い
た場合には、原紙に塗工液を塗工した塗工紙を製造にお
いて、塗工液の粘度が上昇し、調液時のハンドリングが
難しく、ストリーク、スクラッチおよびブリーディング
等の塗工不良が発生し、操業上問題になる。尚、本発明
で規定する平均粒径とは、レーザー回折法を用いたもの
であり、MALVERN Instruments社製Laser Diffraction粒
度分布測定器を用いて、体積分布平均粒径を測定した値
である。
【0013】また、顔料として体積分布平均粒径3.5
〜20μmであるデラミネーテッドクレーを配合した場
合においても、配合量が顔料100重量部に対し30重
量部未満である場合、相対的に原紙被覆性が劣り、印刷
光沢が低く、オフセット印刷適性に劣る。配合量が90
重量部以上である場合は、オフセット印刷時のインクセ
ット性が極端に遅くなる。インクのセット性が極端に遅
い場合、多色印刷が行われる際、塗工紙上の1色目の印
刷インクのタックが上昇する前に2色目が印刷され、2
色目のインキに1色目のインキが持って行かれる現象が
発生し、印刷トラブルになる。
【0014】更に、本発明においては、塗工紙全体の密
度、抄紙方向の裂断長及び抄紙方向のヤング率の3者の
積が2×1018以上12×1018g・N/m以下
であることが好ましく、より好ましくは3者の積が2×
1018以上10×1018以下である。この3者の積
の値は、塗工紙の密度、ヤング率及び密度をバランス良
く低下させることが好ましい。これにより、塗工紙に求
められ始めている軽量、低密度(嵩高)で、風合い、手
触り、めくり易さといった柔軟性を有することができ、
さらに抄紙機や印刷機上の断紙のトラブルが少ない塗工
紙が得られる。強度を低下させることによって抄紙機や
印刷機上での断紙が懸念されるが、ヤング率を低下させ
た場合、荷重がかかった時に、紙の弾性範囲内であれば
紙が伸張しやすくなるので部分的な応力集中が起きがた
く、強度を低下さても断紙が発生しがたくなったと推察
される。
【0015】塗工紙の密度、抄紙方向の裂断長および抄
紙方向のヤング率の積を2×10 以上、12×10
18g・N/m以下の範囲にするためには、塗工紙の
密度、抄紙方向の裂断長および抄紙方向のヤング率をそ
れぞれ低下させる手段を単独若しくは組み合わせること
よって行われる。塗工紙の密度を低下させる方法として
は、低密度のパルプ及び低密度の填料の配合率を向上さ
せる方法、嵩高薬品の使用、あるいは抄紙工程でのプレ
ス圧の低減等が挙げられる。紙の裂断長を低下させる方
法としては、填料の配合率を向上させる方法等が挙げら
れる。また、塗工紙のヤング率を低下させる方法として
は柔軟化剤の使用等が挙げられる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる顔料として
は、体積分布平均粒径3.5〜20μmであるデラミネ
ーテッドクレーを30〜90重量部使用するが、発明の
目的を損なわない範囲で他の顔料を併用することができ
る。他の顔料としては、塗工紙用に従来から用いられて
いる、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭
酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダル
シリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチック
ピグメントなどの有機顔料であり、これらの顔料は必要
に応じて単独または2種類以上併用して使用できる。
【0017】本発明に用いられる接着剤としては塗工紙
用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン
系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、
ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブ
チルアクリレート系等の各種共重合体、あるいはポリビ
ニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸
・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤;カ
ゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類;酸化澱
粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエ
チルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリ
ンなどの澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等
のセルロース誘導体などの通常の塗工紙用接着剤1種以
上を適宜選択して使用される。これらの接着剤は顔料1
00重量部当たり5〜50重量部、より好ましくは10
〜30重量部程度の範囲で使用される。本発明において
は、接着剤として澱粉を顔料100重量部当たり6重量
部以上配合することが好ましい。本発明は、低密度塗工
紙に関してであり、そのためには低密度の原紙に塗工す
る必要がある。低密度の原紙は、原紙がポーラスである
ため、一般的に塗料が原紙中に浸透し、原紙被覆性が低
下しやすい。そのため、ラテックス等のバインダと比較
して保水性が良好である澱粉を6部以上配合することに
より塗工層の被覆性は良好になる。また、保水性を向上
させる手法として、各種天然系、合成系の保水剤を配合
することも有効である。
【0018】本発明の塗工液には、分散剤、増粘剤、保
水剤、消泡剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤を
使用しても良い。
【0019】塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いら
れる坪量が30〜400g/m程度の紙ベースや板紙
ベースの原紙が適宜用いられているが、本発明の効果が
顕著となるのは、原紙の不透明性が問題となってくる1
57g/m以下、特に25〜120g/mである。
また、本発明においては密度1.00g/cm以下の
塗工紙艶消し塗工紙を供給することが重要であり、その
ために更に低密度の塗工原紙であることが重要である。
原紙の抄紙方法については特に限定されるものではな
く、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン、
二者を併用した板紙マシン、ヤンキードライヤマシン等
を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で
抄紙した原紙のいずれであってもよく、勿論、メカニカ
ルパルプを含む中質原紙および回収古紙パルプを含む原
紙も使用できる。また、サイズプレス、ビルブレード、
ゲートロールコータ、プレメタリングサイズプレスを使
用して、澱粉、ポリビニルアルコールなどを予備塗工し
た原紙や、ピグメントと接着剤を含む塗工液を1層以上
予備塗工した塗工原紙も使用可能である。
【0020】原紙を構成するパルプとしては、化学パル
プ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒
しまたは未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グラン
ドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニ
カルパルプ等)、脱墨パルプ(故紙パルプ)を単独また
は任意の割合で混合使用する。本発明においては、機械
パルプを含有させることが好ましい。機械パルプは化学
パルプに比べ繊維が剛直なので、機械パルプを配合した
原紙は抄紙工程でかかる各種の圧力で紙層が潰れること
が少なく、全体として嵩高になるから、原紙内部の空隙
量が増し、不透明度が向上し、同時に剛度も大きくな
る。機械パルプの中でもグランドパルプは低密度化への
寄与が高く好ましく用いることができる。機械パルプ無
配合の場合、填料やカレンダー条件を最適化しても十分
な不透明度と剛度を得ることはできない場合がある。機
械パルプは白色度や塗工適正等の点から製紙用パルプの
60重量%以下とすることが好ましい。機械パルプの樹
種は特に限定するものではないが、ガムウッド、メープ
ル、バーチ等は繊維が粗大な分、原紙は低密度になりや
すい。機械パルプ以外のパルプは特に限定するものでは
なく、化学パルプや古紙パルプを使用することができ
る。特に古紙パルプの使用は、古紙中の機械パルプを本
発明の機械パルプとすることができる点、および資源の
有効使用という点で好ましい。
【0021】原紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性の
いずれでも良い。また、紙中に填料を含有させると、裂
断長やヤング率は低下する傾向にあり、水和珪酸、ホワ
イトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシ
ウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用
することができる。また、塗工紙を低密度で、風合い、
手触り、めくりやすさ等を持たせるために柔軟化剤を使
用することが好ましい。
【0022】本発明で使用する柔軟化剤とは、疎水基と
親水基とを持つ化合物であって、油脂系非イオン界面活
性剤、糖アルコール系非イオン界面活性剤、糖系非イオ
ン界面活性剤、多価アルコール型非イオン界面活性剤、
高級アルコール、高級アルコールのエチレン及び/また
はプロピレンオキサイド付加物、高級脂肪酸のエチレン
オキサイド付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル
化合物、脂肪酸ポリアミドアミンなどを使用することが
できる。ヤング率の低下に加えて裂断長、密度の低下も
可能なものが好ましく、高級アルコールのプロピレンオ
キサイド付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化
合物等を使用することが好ましい。必要に応じて、硫酸
バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色
剤、染料、消泡剤等を含有しても良い。
【0023】原紙に、調整された塗工液を塗工する方法
としては、ブレードコータ、バーコータ、ロールコー
タ、エアナイフコータ、リバースロールコータ、カーテ
ンコータ、サイズプレスコータ、ゲートロールコータ等
を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面づつも
しくは両面同時に両面塗工する。塗工量は、両面で5〜
40g/m、より好ましくは、8〜16g/mであ
る。
【0024】湿潤塗工層を乾燥させる手法としては、例
えば蒸気過熱シリンダー、加熱熱風エアドライヤー、ガ
スヒータードライヤー、電気ヒータードライヤー、赤外
線ヒータードライヤー、高周波ヒータードライヤー等各
種の方法が単独または併用して用いられる。
【0025】以上の様に塗工乾燥された塗工紙は、スー
パーカレンダー、高温ソフトニップカレンダー等で平滑
化処理を行う。本発明の効果は、特に坪量が25〜12
0g/mのマット調艶消し塗工紙において優れるもの
である。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明するが、勿論これらの例に限定されるものではない。
なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ
重量%を示す。尚、塗工液および得られたオフセット印
刷用塗工紙について以下に示すような評価法に基づいて
試験を行った。 〈評価方法〉 (1)体積分布平均粒径:MALVERN Instruments社製Las
er Diffraction粒度分布測定器を用いて、体積分布平均
粒径を測定した。 (2)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測
定した。 (3)印面光沢度:東芝オフセット輪転機(4色)を用
いて、B縦サイズの版を用いて印刷速度500rpmで
印刷し、得られた印刷物(4色ベタ印刷部)の表面をJ
IS P 8142に基づいて測定した。 (4)インク着肉性:東芝オフセット輪転機(4色)を
用いて、B縦サイズの版を用いて印刷速度500rpm
で印刷し、得られた印刷物(藍単色ベタ印刷部)のイン
ク着肉性を4段階で目視評価した。◎:非常に優れる、
○:優れる、△:やや問題有り、×:問題有り (5)密度:JIS P 8118に基づいて測定し
た。 (6)裂断長:JIS P 8113に基づいて測定し
た。 (7)ヤング率:JIS P 8113に基づいて引張
り弾性率を測定し、この値をヤング率とした。 (8)柔軟性の評価:手触り、風合い、めくり易さを1
0人のモニターにより、4段階で評価した。◎:非常に
優れる、○:優れる、△:やや問題有り、×:問題有り (9)塗工適性:ブレード塗工時のストーリーク、スク
ラッチおよび塗工液の流動性を指標として、以下の基準
で評価した。◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣
る、×:劣る [実施例1]大粒径デラミネーテッドクレーa(エンゲ
ルハード社製NUSURF、体積分布平均粒径5.3μ
m)60部、粗粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック
社製FMT−75)40部からなる顔料に、分散剤とし
て対顔料でポリアクリル酸ソーダ0.2部を添加して、
セリエミキサーで分散し、固形分濃度が70%の顔料ス
ラリーを調整した。このようにして得られた顔料スラリ
ーに非増粘型のスチレンブタジエンラテックスA(ガラ
ス転移温度5℃)13部、ヒドロキシエチルエーテル化
澱粉8部を加え、さらに水を加えて塗工液を得た。柔軟
剤として多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(花
王製 KB110)を0.3重量%含有した坪量62g
/mの中質紙に片面あたりの塗工量が、固形分で6g
/mになるように、1000m/分の塗工速度のロー
ルコーターで両面塗工を行い、紙水分が5.5%になる
ように乾燥した。
【0027】次いで、ロール温度70℃、2ニップ、カ
レンダー線圧15kg/cm、通紙速度1000m/分
でソフトニップカレンダー処理を行い塗工紙を得た。 [実施例2]実施例1において、坪量74g/mの上
質原紙に片面あたりの塗工量が、固形分で6g/m
なるように、1000m/分の塗工速度のロールコータ
ーで両面塗工を行い、カレンダー処理を行わなかった以
外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。 [実施例3]実施例1において、大粒径デラミネーテッ
ドクレーa(エンゲルハード社製NUSURF、体積分
布平均粒径5.3μm)60部、粗粒重質炭酸カルシウ
ム(ファイマテック社製FMT−75)40部のかわり
に、大粒径デラミネーテッドクレーb(体積分布平均粒
径3.8μm)85部、粗粒重質炭酸カルシウム(ファ
イマテック社製FMT−75)15部に変更した以外は
実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。 [実施例4]実施例1において、大粒径デラミネーテッ
ドクレーa(エンゲルハード社製NUSURF、体積分
布平均粒径5.3μm)60部、粗粒重質炭酸カルシウ
ム(ファイマテック社製FMT−75)40部のかわり
に、大粒径デラミネーテッドクレーc(体積分布平均粒
径18μm)33部、2級クレー(ヒューバー社製ハイ
ドラパース)17部、粗粒重質炭酸カルシウム(ファイ
マテック社製FMT−75)50部に変更した以外は実
施例1と同様の方法で塗工紙を得た。 [実施例5]実施例1において、カレンダー線圧を25
kg/cmに変更した以外は実施例1と同様の方法で塗
工紙を得た。 [実施例6]実施例1において、カレンダー線圧を35
kg/cmに変更した以外は実施例1と同様の方法で塗
工紙を得た。 [実施例7]実施例2において、カレンダー線圧を20
kg/cmに変更した以外は実施例2と同様の方法で塗
工紙を得た。 [実施例8]実施例1において原紙中に柔軟剤を配合し
ていない以外は、実施例1と同様の方法で塗工紙を得
た。 [比較例1]実施例1において、大粒径デラミネーテッ
ドクレーa(エンゲルハード社製NUSURF、体積分
布平均粒径5.3μm)60部、粗粒重質炭酸カルシウ
ム(ファイマテック社製FMT−75)40部のかわり
に、大粒径デラミネーテッドクレーa(エンゲルハード
社製NUSURF、体積分布平均粒径5.3μm)95
部、粗粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FM
T−75)5部に変更した以外は実施例1と同様の方法
で塗工紙を得た。 [比較例2]実施例1において、大粒径デラミネーテッ
ドクレーa(エンゲルハード社製NUSURF、体積分
布平均粒径5.3μm)60部、粗粒重質炭酸カルシウ
ム(ファイマテック社製FMT−75)40部のかわり
に、大粒径デラミネーテッドクレーa(エンゲルハード
社製NUSURF、体積分布平均粒径5.3μm)28
部、2級クレー(ヒューバー社製ハイドラパース)12
部、粗粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FM
T−75)60部に変更した以外は実施例1と同様の方
法で塗工紙を得た。 [比較例3]実施例1において、大粒径デラミネーテッ
ドクレーa(エンゲルハード社製NUSURF、体積分
布平均粒径5.3μm)60部、粗粒重質炭酸カルシウ
ム(ファイマテック社製FMT−75)40部のかわり
に、デラミネーテッドクレーd(Thiele社製KAOW
HITE、体積分布平均粒径3.2μm)35部、2級
クレー(ヒューバー社製ハイドラパース)5部、粗粒重
質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT−75)
60部に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙
を得た。 [比較例4]実施例1において、大粒径デラミネーテッ
ドクレーa(エンゲルハード社製NUSURF、体積分
布平均粒径5.3μm)60部、粗粒重質炭酸カルシウ
ム(ファイマテック社製FMT−75)40部のかわり
に、大粒径デラミネーテッドクレーe(体積分布平均粒
径22μm)85部、粗粒重質炭酸カルシウム(ファイ
マテック社製FMT−75)15部に変更した以外は実
施例1と同様の方法で塗工紙を得た。 [比較例5]実施例1において、大粒径デラミネーテッ
ドクレーa(エンゲルハード社製NUSURF、体積分
布平均粒径5.3μm)60部、粗粒重質炭酸カルシウ
ム(ファイマテック社製FMT−75)40部のかわり
に、デラミネーテッドクレーe(ENGELHARD社製NUCLA
Y)60部、粗粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック
社製FMT−75)40部に変更した以外は実施例1と
同様の方法で塗工紙を得た。
【0028】以上の結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明により、低密度、柔軟性、かつ実
用に適した不透明度を有し、低白紙光沢にも関わらず高
いインク着肉性および印刷光沢度を有するマット調艶消
し塗工紙を効率よく得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 秀樹 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4L055 AG27 AG48 AG63 AG76 AG89 AG97 AH02 AH37 BE08 EA07 EA11 EA16 EA25 FA15 GA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙上に顔料および接着剤を含有する塗
    工層を設けてなるオフセット印刷用塗工紙において、顔
    料として、体積分布平均粒径3.5〜20μmであるデ
    ラミネーテッドクレーを顔料100重量部当たり30〜
    90重量部含有し、白紙光沢度が15%未満、塗工紙密
    度が1.00g/cm以下でであることを特徴とする
    オフセット印刷用艶消し塗工紙。
  2. 【請求項2】 密度、抄紙方向の裂断長及び抄紙方向の
    ヤング率の3者の積が2×1018以上12×1018
    g・N/m以下であることを特徴とする請求項1記載
    の記載のオフセット印刷用艶消し塗工紙。
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