JPH10226819A - 鉄損特性に優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

鉄損特性に優れた一方向性電磁鋼板の製造方法

Info

Publication number
JPH10226819A
JPH10226819A JP9089001A JP8900197A JPH10226819A JP H10226819 A JPH10226819 A JP H10226819A JP 9089001 A JP9089001 A JP 9089001A JP 8900197 A JP8900197 A JP 8900197A JP H10226819 A JPH10226819 A JP H10226819A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annealing
final
steel sheet
rolling
hot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9089001A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuto Honda
厚人 本田
Tsutomu Kami
力 上
Kenichi Sadahiro
健一 定広
Tetsuo Toge
哲雄 峠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP9089001A priority Critical patent/JPH10226819A/ja
Publication of JPH10226819A publication Critical patent/JPH10226819A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた鉄損特性を確保しつつ、一方向性珪素
鋼板の最終焼鈍を連続かつ短時間化することによって製
造コストを低減し、良好な鉄損特性の一方向性電磁鋼板
を安価に得ることのできる製造方法について提案する。 【解決手段】 C:0.005 〜0.07wt%、Si:2.0 〜4.5
wt%、Mn:0.03〜0.30wt%、Al:0.005 〜0.017 wt%、
N:0.0030〜0.010 wt%およびSe+S:0.020 wt%以下
を含有する鋼スラブに、熱間圧延を施し、次いで熱延板
焼鈍を施してから、1回あるいは中間焼鈍を挟む2回以
上の冷間圧延にて最終板厚に仕上げたのち、脱炭焼鈍、
そして短時間の最終仕上げ焼鈍を施して、一方向性電磁
鋼板を製造するに当たり、上記熱延板焼鈍を 700〜950
℃の温度域で行ったのち、最終冷間圧延の少なくとも1
パス間の温度を 100℃以上とし、その後 900℃以上1200
℃以下の温度域で3秒以上10分以下の最終焼鈍を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変圧器や発電機
の鉄心に利用される一方向性電磁鋼板、なかでも大型発
電機の鉄心やEIコアに供する、鉄損特性に優れかつ安価
な一方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一方向性電磁鋼板は、(110)<001>
方位を持つ結晶粒を優先的に2次再結晶させるために、
最終仕上げ焼鈍は極めて長い時間を必要とする。従っ
て、この最終仕上げ焼鈍は、箱焼鈍法を用いるのが一般
的である。しかし、この箱焼鈍は、通常 800℃〜1200℃
程度で50時間以上加熱するため、膨大な熱エネルギーを
必要とするために、コストの嵩む処理である。そこで、
電磁鋼板の製造コストを削減するために、短時間の連続
焼鈍法を利用する技術についての提案がなされている。
【0003】例えば、特公昭48-3929 号や特開昭49-958
16号各公報には、最終焼鈍時の昇温過程を急速加熱とす
ることにより、短時間焼鈍で2次再結晶を可能にする方
法が提案されている。さらに、特開昭49-98721号公報に
は、鉄損劣化の原因となる微細析出物を粗大化して無害
化するため、最終焼鈍時の冷却を省略する方法が提案さ
れている。また、特開昭55-2751 号および同55-14863号
公報には、脱炭焼鈍条件を工夫する方法が、そして特公
昭59-33170号公報には、脱炭焼鈍を省略し、冷延組織の
まま急速加熱により連続最終焼鈍する方法が、それぞれ
提案されている。
【0004】しかしながら、いずれの方法も、長時間箱
焼鈍で得られていたような、(110)<001>方位への十分な
集積が望めないため、得られる鉄損特性は満足の行くも
のではなかった。
【0005】一方、特開平5-70833 号公報においては、
最終連続焼鈍前に軽圧延を行う方法が提案されている
が、これにより圧延直角方向の磁性は改善されているも
のの、圧延方向磁性は、通常の方向性珪素鋼板に比べて
大きく劣っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、優れた鉄
損特性を確保しつつ、一方向性珪素鋼板の最終焼鈍を連
続かつ短時間化することによって製造コストを低減し、
良好な鉄損特性の一方向性電磁鋼板を安価に得ることの
できる製造方法について提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らが、上記目的を
達成するために鋭意研究したところ、成分組成と熱延板
焼鈍条件、そして冷間圧延条件を規制して、インヒビタ
ー強度と1次集合組織とのバランスを適切に制御するこ
とにより、2次再結晶の潜伏期間を短縮し、かつ方位集
積度を確保することが、はじめて可能となることを見出
し、この発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、この発明は、C:0.005 〜0.07
wt%、Si:2.0 〜4.5 wt%、Mn:0.03〜0.30wt%、Al:
0.005 〜0.017 wt%、N:0.0030〜0.010 wt%およびSe
+S:0.020 wt%以下を含有する鋼スラブに、熱間圧延
を施し、次いで熱延板焼鈍を施してから、1回あるいは
中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延にて最終板厚に仕上
げたのち、脱炭焼鈍、そして短時間の最終仕上げ焼鈍を
施して、一方向性電磁鋼板を製造するに当たり、上記熱
延板焼鈍を 700〜950 ℃の温度域で行ったのち、最終冷
間圧延の少なくとも1パス間の温度を 100℃以上とし、
その後 900℃以上1200℃以下の温度域で3秒以上10分以
下の最終焼鈍を施すことを特徴とする鉄損特性に優れた
方向性電磁鋼板の製造方法である。
【0009】ここに、熱間圧延におけるスラブ加熱温度
を1250℃以下とすること、そして最終冷間圧延をタンデ
ム圧延機で行うことが、実施に当たり有利である。
【0010】以下、この発明を導くに至った実験結果に
ついて、具体的に説明する。表1に示す成分組成になる
一方向性電磁鋼板用の鋼スラブを、1350℃に加熱した
後、2.2 mm厚まで熱間圧延し、次いで600 〜1100℃の熱
延板焼鈍を施し、ゼンジマー圧延機を用いた、種々の温
度での冷間圧延(4パス)にて 0.3mm厚としたのち、 8
20℃, 3分間の脱炭焼鈍を施し、1000℃, 10分の短時間
で最終焼鈍を行った。かくして得られた鋼板は、その表
層の被膜を除去して軽くエッチング処理を行ってから、
2次再結晶状態を調査した。
【0011】その調査結果を、2次再結晶状態に及ぼ
す、熱延板焼鈍条件および冷間圧延温度の影響にまとめ
て図1に示す。同図から、鋼Aの成分において、熱延板
焼鈍が700〜950 ℃で、かつ冷間圧延温度が 100〜250
℃であれば、10分間の短時間焼鈍によっても2次再結晶
することがわかる。なお、図1において2次再結晶状態
を良とする基準は、2mm以下の径の2次粒が全体の10%
以上あるものを2次再結晶不良とし、同10%未満を良と
した。
【0012】
【表1】
【0013】ここで、図1に示したように、鋼成分、熱
延板焼鈍温度および冷間圧延温度の規制によって、短時
間焼鈍で完全な2次再結晶が得られるのは、第一に、イ
ンヒビターとしてのAlN を極めて微細かつ均一に分散で
きた点があげられる。すなわち、成分において、熱間圧
延過程でのAlN の析出を可能なかぎり抑制して熱延板焼
鈍の昇温過程でAlN を析出させるために、Al含有量を減
らしてAlN の溶解度積を低下し、かつAlN を均一に析出
させるために、AlN の不均一析出の核となるMnS および
MnSeの減少を、SおよびSeの合計量を低減することによ
って実現した。さらに、熱延板焼鈍過程で析出する、極
微細かつ均一なAlN を、熱延板焼鈍の均熱域でオストワ
ルド成長によって消失させないため、従来は不適合とさ
れていた、 950℃以下の低温域で処理を行った。
【0014】第2に、冷間圧延を100 ℃以上で行うと、
温間の圧延中に動的歪み時効が発生するとともに、パス
間にて静的歪み時効が発生し、これら歪み時効は加工中
の転位の移動を妨げて、不均一変形を助長するため、引
き続く脱炭焼鈍時に(100)<001)方位を増加かつ先鋭化す
る結果、その後の仕上げ焼鈍において良好な2次再結晶
を生じさせる。最終冷間圧延の少なくとも1パスを100
℃以上で行えば上記効果が得られる。
【0015】以上のように、成分組成、熱延板焼鈍条件
および冷間圧延条件を規制して、インヒビター強度と1
次集合組織とのバランスを適切に制御することにより、
はじめて、2次再結晶潜伏期間の短縮、そして方位集積
度の確保、が実現され、その結果、良好な鉄損を得るこ
とが可能となったのである。
【0016】また、上記した表1の鋼Aの組成になるス
ラブを用いて、スラブ加熱温度が鉄損に及ぼす影響を、
各加熱温度に対して2本のスラブにつき調べた結果を、
図2に示す。なお、熱延板焼鈍温度は 900℃および冷間
圧延温度は 150℃とし、その他の条件は、図1に結果を
示した実験と同様である。
【0017】図2に示す結果から、スラブ加熱温度を12
50℃以下とすると、鉄損が低減されることがわかる。す
なわち、AlN が固溶されていれば、スラブ加熱温度は低
いほど結晶粒の粗大化が抑制されるから、熱延板中心部
付近の未再結晶粒を低減し、2次粒の粒成長を阻害する
(100) 方位粒を低減する、という集合組織改善効果が得
られる。
【0018】さらに、冷間圧延条件が鉄損に及ぼす影響
を明らかにするため、ゼンジマー圧延機に代えて4段の
タンデム圧延機を用いて、その2段目と3段目とのパス
間における冷却水量を調整することにより、このパス間
の温度を変えて、得られた製品の鉄損を調査した。な
お、スラブは鋼Aの組成のものを各温度条件に対して2
本を実験に供し、スラブ加熱温度は1150℃および熱延板
焼鈍は 850℃とした。その結果を、ゼンジマー圧延機を
用いた場合と比較して、図3に示すように、タンデム圧
延機を用いることによって、鉄損をより低減することが
できた。
【0019】ここで、タンデム圧延機による冷間圧延
は、この発明の目的に対して非常に好都合な集合組織の
形成を促進するものと考えられる。すなわち、温間の圧
延中に発生する動的歪み時効およびパス間にて発生する
静的歪みは、加工中の転位の移動を妨げて、不均一変形
を助長するため、引き続く脱炭焼鈍時に(100)<001>方位
を増加かつ先鋭化する結果、良好な2次再結晶を生じさ
せることは、既に述べたとおりであり、ここで、タンデ
ム圧延機でもゼンジマー圧延機でも動的歪み時効による
効果に関しては同等と考えられるが、タンデム圧延機は
ゼンジマー圧延機に比べてパス間の時間が極めて短時間
となるため、静的歪み時効に関しては不利と考えられて
きた。しかし、短時間の連続仕上焼鈍により2次再結晶
を行う場合は、パス間での長時間時効はいわば過時効と
なって、2次再結晶時に(100)<001>以外の、磁性に不利
な方位を優先的に成長させることになり、磁性劣化の不
利をまねくから、パス間が短時間であるタンデム圧延機
を用いる方が有利になると考えられる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、この発明における方向性珪
素鋼素材の成分組成および製造工程について、詳しく説
明する。まず、方向性珪素鋼素材の各成分の限定理由を
述べる。 C:0.005 〜0.07wt% Cは、熱間圧延時のα/γ変態を利用して結晶組織の改
善を行なうために必要な成分であるが、0.005 wt%未満
では、その効果に乏しく、一方0.07wt%を超えると、脱
炭が難しくなるため、0.005 〜0.07wt%程度が好まし
い。
【0021】Si:2.0 〜4.5 wt% Siは、鋼板の電気抵抗を高めることにより、鉄損特性を
向上するのに有用な成分であり、2.0 wt%未満では鋼板
の電気抵抗が小さくなって渦電流損が増大するために良
好な鉄損特性が得られず、一方 4.5wt%を超えると冷間
圧延が困難となることから、2.0 〜4.5 wt%の範囲とす
る。
【0022】また、方向性珪素鋼板用素材には、上記C
およびSiの他、2次再結晶組織におけるゴス方位以外の
粒の成長を抑制することにより、ゴス粒のみを選択的に
成長させる、2次再結晶に不可欠の機能を有する、イン
ヒビターの形成成分を含有させることが必須である。こ
のインヒビターには、AlN や MnSe および MnS等の主に
粒内に析出するものと、Sb, SnおよびBi等の主に粒界に
偏析して機能するものが知られている。
【0023】Al:0.005 〜0.017 wt%およびN:0.003
〜0.010 wt% この発明では、主にAlN をインヒビターとして使用し、
このAlN インヒビターを適量得るには、Al:0.005 〜0.
017 wt%およびN:0.003 〜0.010 wt%を必要とする。
すなわち、Al量が0.005 wt%未満では、熱延板焼鈍の昇
温過程におけるAlN析出量が不足し、一方、0.017 wt%
を超えると、 AlNの析出分散形態が不均一になって、2
次再結晶が不安定となる。また、N量が0.003 wt%未満
では AlNインヒビターの量が不足し、一方 0.010wt%を
超えるとブリスターとよばれる表面欠陥が多発する。
【0024】Se+S:0.020 wt%以下 SおよびSeは、MnS およびMnSeとして析出し、AlN の不
均一析出の核となるため少ないほうがよく、合計で0.02
0 wt%以下に抑制する必要がある。なお、2次再結晶に
至る工程において、窒化によるAlN の不均一分散を抑制
して2次再結晶を安定化させるために、0.3 wt%を上限
としてCuを少なくとも0.02wt%で添加することも有効で
ある。
【0025】Mn:0.03〜0.30wt% Mnは、電気抵抗を高めて鉄損を低減し、また製造時の熱
間加工性を向上させるのに必要な成分である。このため
には0.03wt%以上は必要であるが、0.30wt%を超えると
γ変態量を増大させて磁性を劣化することから、0.03〜
0.30wt%の範囲とする。
【0026】さらに、この発明では、AlN に、粒界偏析
型インヒビターであるSbやSn等を併用することもでき
る。ここにSb, Sn等の粒界偏析型インヒビター成分は、
その添加量が少なすぎると磁気特性改善効果が少なく、
一方多すぎると脆化やフォルステライト被膜への悪影響
が生じるため、それぞれ0.005 〜0.3 wt%の範囲、中で
もSbは0.0010〜0.080 wt%の範囲で添加するのが好まし
い。
【0027】さらにまた、熱間圧延時の表面脆化に起因
する表面欠陥を防止するために、0.1 wt%を上限として
Moを少なくとも0.01wt%で添加することも有利である。
【0028】次に、上記の成分組成に調整した溶鋼は、
連続鋳造又は造塊または分塊法により、所定厚みのスラ
ブとした後、好ましくは1250℃以下で加熱し、このスラ
ブ加熱後に、熱間圧延を行い、次いでインヒビターを均
一かつ微細に分散させるために、熱延板焼鈍を施す。こ
の熱延板焼鈍は、その温度が 700℃未満ではAlN が析出
せずに良好な磁性が得られないし、 950℃をこえるとAl
N が粗大化してしまうため、 700℃以上 950℃以下とす
る。なお、スラブ加熱温度は、インヒビターを最低限固
溶させる目的から11050 ℃以上とすることが好ましい。
【0029】引き続く冷間圧延は、その最終冷間圧延の
少なくとも1パス間の温度を 100℃以上で行う必要であ
る。ここで、最終冷間圧延の少なくとも1パス間とは、
2パス以上の複数パス回数にて行なわれる冷間圧延にお
ける、いずれかのパス間を意味する。その他のパス間に
ついても100 ℃以上とすることが好ましい。一方、圧延
温度が450 ℃をこえると板の変形が増加するため、450
℃以下で圧延することが望ましい。なお、ゼンジマー圧
延でもよいが、より低鉄損を達成しようとすればタンデ
ム圧延が有利であるのは、上述した通りである。
【0030】そして脱炭焼鈍後は、短時間の連続焼鈍に
て2次再結晶させるが、焼鈍温度が950 ℃以上または焼
鈍時間が3秒以上でないと2次再結晶が望めず、一方焼
鈍温度が1200℃を超えるかまたは焼鈍時間が10分を超え
ると、鋼板が変形したりエネルギーロスが大きくなるた
め、 950℃以上1200℃以下かつ3秒以上10分以下とす
る。なお、最終焼鈍後は必要に応じて絶縁コーティング
を塗布焼き付け、製品とする。
【0031】
【実施例】
実施例1 表2のA〜Jの組成になる方向性珪素鋼用スラブを、12
00℃に加熱し、2.5 mm厚に熱間圧延し、850 ℃の熱延板
焼鈍後、1回のタンデム圧延(4段)で0.35mm厚とし
た。このとき3〜4番スタンド間の板温が 200℃となる
ように冷却水流量を調整した。その後、水素および窒素
混合雰囲気中で、820 ℃で120 秒間の脱炭焼鈍を行い、
次いで1050℃で3分間の最終焼鈍を施した後、絶縁コー
ティングして製品とした。かくして得られた製品からエ
プスタイン試験片を採取し、その鉄損と磁束密度を測定
した結果について、表2に併せて示す。
【0032】
【表2】
【0033】実施例2 表2のCの組成になる方向性珪素鋼用スラブを1200℃
に、加熱し、2.5 mm厚に熱間圧延し、種々の温度にて熱
延板焼鈍後、1回のタンデム圧延(4段)で0.30〜0.50
mm厚とした。このとき3〜4番スタンド間の板温を変化
させるべく冷却水流量を調整した。その後、水素、窒素
混合雰囲気中で、820 ℃,120秒間の脱炭焼鈍を行い、次
いで1000℃で6分間の最終焼鈍を施した後、絶縁コーテ
ィングして製品とした。かくして得られた製品からエプ
スタイン試験片を採取し、鉄損と磁束密度を測定した結
果を、表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】この発明によれば、連続かつ短時間の最
終焼鈍によって、確実に2次再結晶させることができ、
優れた鉄損特性の一方向性電磁鋼板を安価に得ることの
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延板焼鈍温度および冷間圧延温度が2次再結
晶に及ぼす影響を示す図である。
【図2】スラブ加熱温度と鉄損との関係を示す図であ
る。
【図3】タンデム圧延機のパス間温度と鉄損との関係を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 定広 健一 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所 (72)発明者 峠 哲雄 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.005 〜0.07wt%、Si:2.0 〜4.5
    wt%、Mn:0.03〜0.30wt%、Al:0.005 〜0.017 wt%、
    N:0.0030〜0.010 wt%およびSe+S:0.020 wt%以下
    を含有する鋼スラブに、熱間圧延を施し、次いで熱延板
    焼鈍を施してから、1回あるいは中間焼鈍を挟む2回以
    上の冷間圧延にて最終板厚に仕上げたのち、脱炭焼鈍、
    そして短時間の最終仕上げ焼鈍を施して、一方向性電磁
    鋼板を製造するに当たり、 上記熱延板焼鈍を 700〜950 ℃の温度域で行ったのち、
    最終冷間圧延の少なくとも1パス間の温度を 100℃以上
    とし、その後 900℃以上1200℃以下の温度域で3秒以上
    10分以下の最終焼鈍を施すことを特徴とする鉄損特性に
    優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱間圧延におけるスラブ加熱温度を1250
    ℃以下とした請求項1に記載の鉄損特性に優れた方向性
    電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 最終冷間圧延をタンデム圧延機で行う請
    求項1または2に記載の鉄損特性に優れた方向性電磁鋼
    板の製造方法。
JP9089001A 1996-12-13 1997-04-08 鉄損特性に優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 Withdrawn JPH10226819A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9089001A JPH10226819A (ja) 1996-12-13 1997-04-08 鉄損特性に優れた一方向性電磁鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33374096 1996-12-13
JP8-333740 1996-12-13
JP9089001A JPH10226819A (ja) 1996-12-13 1997-04-08 鉄損特性に優れた一方向性電磁鋼板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10226819A true JPH10226819A (ja) 1998-08-25

Family

ID=26430324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9089001A Withdrawn JPH10226819A (ja) 1996-12-13 1997-04-08 鉄損特性に優れた一方向性電磁鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10226819A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005262217A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Jfe Steel Kk 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP2005279689A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Jfe Steel Kk 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2011208188A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Jfe Steel Corp 方向性電磁鋼板の製造方法
WO2013160955A1 (ja) * 2012-04-26 2013-10-31 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板およびその製造方法
CN104726669A (zh) * 2013-12-23 2015-06-24 鞍钢股份有限公司 一种低铁损中频用取向硅钢超薄带的制备方法
US10629346B2 (en) 2012-04-26 2020-04-21 Jfe Steel Corporation Method of manufacturing grain-oriented electrical steel sheet

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005262217A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Jfe Steel Kk 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP4568875B2 (ja) * 2004-03-16 2010-10-27 Jfeスチール株式会社 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP2005279689A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Jfe Steel Kk 方向性電磁鋼板の製造方法
JP4665417B2 (ja) * 2004-03-29 2011-04-06 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2011208188A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Jfe Steel Corp 方向性電磁鋼板の製造方法
WO2013160955A1 (ja) * 2012-04-26 2013-10-31 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板およびその製造方法
CN104284994A (zh) * 2012-04-26 2015-01-14 杰富意钢铁株式会社 取向性电磁钢板及其制造方法
CN104284994B (zh) * 2012-04-26 2017-03-01 杰富意钢铁株式会社 取向性电磁钢板及其制造方法
US9704626B2 (en) 2012-04-26 2017-07-11 Jfe Steel Corporation Grain-oriented electrical steel sheet and method of manufacturing same
US10629346B2 (en) 2012-04-26 2020-04-21 Jfe Steel Corporation Method of manufacturing grain-oriented electrical steel sheet
CN104726669A (zh) * 2013-12-23 2015-06-24 鞍钢股份有限公司 一种低铁损中频用取向硅钢超薄带的制备方法
CN104726669B (zh) * 2013-12-23 2017-04-26 鞍钢股份有限公司 一种低铁损中频用取向硅钢超薄带的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4207231B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP5287615B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JPH10226819A (ja) 鉄損特性に優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JP4013262B2 (ja) 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JPS6242968B2 (ja)
JP3474741B2 (ja) 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP7288215B2 (ja) 無方向性電磁鋼板
JPH02232319A (ja) 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法
US20230250503A1 (en) Method of manufacturing grain-oriented electrical steel sheet and manufacturing line
JPH06240358A (ja) 磁束密度が高く、鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH08269553A (ja) 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JP2883224B2 (ja) 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH08157963A (ja) 一方向性けい素鋼板の製造方法
JP3271655B2 (ja) けい素鋼板の製造方法およびけい素鋼板
JP3538855B2 (ja) 方向性けい素鋼板の製造方法
JP2023116341A (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JPH02115319A (ja) 高磁束密度方向性けい素鋼板の製造方法
WO2023277170A1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法及び方向性電磁鋼板製造用圧延設備
JPS61149432A (ja) 磁束密度が高く鉄損の低い一方向性珪素鋼板の製造方法
JPH05279742A (ja) 高い磁束密度を有する珪素鋼板の製造方法
CN118291859A (zh) 一种高功率密度新能源汽车驱动电机用无取向硅钢及其生产方法
JP2006070356A (ja) 磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH02274814A (ja) 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH02133525A (ja) 磁気特性の優れた薄手方向性電磁鋼板の製造法
JPH0353022A (ja) 低鉄損・高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040706