JPH02274814A - 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH02274814A
JPH02274814A JP9592989A JP9592989A JPH02274814A JP H02274814 A JPH02274814 A JP H02274814A JP 9592989 A JP9592989 A JP 9592989A JP 9592989 A JP9592989 A JP 9592989A JP H02274814 A JPH02274814 A JP H02274814A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、トランス等の鉄心として使用される磁気特性
の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
一方向性電磁鋼板は、主にトランスその他の電気機器の
鉄心材料として使用されており、励磁特性、鉄損特性等
の磁気特性に優れていることが要求される。励磁特性を
表す数値としては、磁場の強さ8 0 0 A/mにお
ける磁束密度B.が通常使用される。また、鉄損特性を
表す数値としては、周波数50Hzで1.7テスラー(
T)まで磁化したときのlkg当りの鉄損wrt/s。
を使用している。
磁束密度は、鉄損特性の最大支配因子であり、最内にい
って磁束密度が高いほど鉄損特性が良好になる。なお、
一般的に磁束密度を高くすると二次再結晶粒が大きくな
り、鉄損特性が不良となる場合がある。これに対しては
、磁区制御により、二次再結晶粒の粒径に拘らず、鉄損
特性を改善することができる。
この一方向性電磁鋼板は、最終仕上焼鈍工程で二次再結
晶を起こさせ、鋼板面に(110)、圧延方向に<00
1>軸をもったいわゆるゴス組織を発達させることによ
り、製造されている。良好な磁気特性を得るためには、
磁化容易軸である<001>を圧延方向に高度に揃える
ことが必要である。
このような高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法とし
ては、80%以上の最終強圧下冷延を特徴とする方法(
特公昭40−15644号公報等)及び40〜85%の
最終局圧下冷延を特徴とする方法(特公昭51−134
69号公報等)が代表的である。前者においてはMnS
およびAfNを後者ではMnS、 MnSe、 Sb等
を主なインヒビターとして用いており、これらインヒビ
ターの種類に応じて適性な磁気特性を得られる最終冷延
率が変るものと考えられてきた。
〔発明が解決しようとする課題〕 ところで、一方向性電磁鋼板の製造においては通常、熱
延後組織の不均一化、析出処理等を目的として熱延板焼
鈍が行われている。例えばAfNを主インヒビターとす
る製造方法においては、特公昭46−23820号公報
に示すように熱延板焼鈍においてAfNの析出処理を行
ってインヒビターを制御する方法がとられている。
通常一方向性電磁鋼板は鋳造−熱延一焼鈍一冷延一説炭
焼鈍一仕上焼鈍のような主工程を経て製造され、多量の
エネルギーを必要としており、加えて瞥通鋼製造プロセ
ス等と比較して製造コストも高くなっている。
近年多量のエネルギー消費をするこのような製造工程に
対する見直しが進められ、工程、エネルギーの簡省略化
の要請が強まってきた。このような要請に答えるべく、
例えば、7VNを主インヒビターとする製造方法におい
て、熱延板焼鈍でのAfNの析出処理を、熱延後の高温
巻取で代替する方法(特公昭59−45730号公報)
が提案された。確かにこの方法によって、熱延板焼鈍を
省略しても、磁気特性をある程度確保することはできる
が、5〜20トンのコイル状で巻取られる通常の方法に
おいては、冷却過程でコイル内での場所的な熱履歴の差
が生じ、必然的にAINの析出が不均一となり最終的な
磁気特性はコイル内の場所によって変動し、歩留が低下
する結果となる。
そこで本発明者らは、従来のこの様なインヒビターに主
眼をおいた硬直した工程設計を改め、金属物理の素現象
に立ち戻り、まったく異った観点から製品の磁気特性を
高める工程設計を行って、熱延板焼鈍の簡省略化を試み
ることとした。従来の一方向性電磁鋼板の適性冷延率と
インヒビターの関係に対する考え方の代表的なものは次
の2つである。
(1)最終冷延率が高いほど、−成典結晶粒の正常粒成
長の駆動力が高まるので、正常粒成長を抑制して、二次
再結晶を安定化させ集積度の高い(1101<001>
二次再結晶粒を発生させるには、微細析出分散相による
インヒビター効果をより強くする必要があるという考え
方。
(2)最終冷延率が支配的である一次再結晶集合組織中
の(1101<001>方位又はその対応力位の集積度
が高いほど、集積度の高い(110)<001>二次再
結晶粒が発生するが、発生する二次再結晶方位の分散の
程度を決めるのがインヒビター強度(Zener因子)
であるという考え方。
この様な考え方は、二次再結晶現象のみに着目した工程
設計の考え方であり、その二次再結晶に先立つ、冷延で
の歪蓄積、結晶回転及び引き続く焼鈍での回復、再結晶
及び粒成長といった素現象に注意がほとんど払われてい
ない。本発明者らはこの様な素現象には冷延前鋼板の性
状が影響するだろうという予測の元に研究を進め、従来
とまったく異った観点から製品の磁気特性を高める工程
設計を行った。
〔課題を解決するための手段〕
本発明においては、その目的を達成するために通常の成
分からなる珪素鋼スラブを熱延し、引き続き通常の1回
冷延工程で得られた珪素鋼冷延板に通常の工程を施して
一方向性電磁鋼板を製造する方法において、再結晶率1
00%未満の冷延前鋼板に対して、冷延率77〜93%
の冷延を施すことを特徴とする。さらにこの特徴に加え
て、冷延前の鋼板の再結晶率(FR(%))、冷延率(
CR(%))とするとき、冷延は下記の式を満足する如
く施すことによって一層磁気特性の優れた一方向性電磁
鋼板が得られる。
0.05X F R+77≦CR≦0.05X F R
+88〔作 用〕 本発明が対象としている一方向性電磁鋼板は、従来用い
られている製鋼法で得られた溶鋼を連続鋳造法或いは造
塊法で鋳造し、必要に応じて分塊工程を挟んでスラブと
し、引き続き熱間圧延して熱延板とし、次いでこの熱延
板に必要に応じて焼鈍を施し、次いで、冷延、脱炭焼鈍
、最終仕上焼鈍を順次行うことによって製造される。
本発明者らは、従来のインヒビターに主眼を置いた硬直
した工程設計を改め、まったく異った観点から工程設計
を行うことを考えた。具体的には、インヒビターの種類
、量等に応じて、冷延率を選ぶ従来のやり方を見直すこ
ととした。本発明者らは冷延前の鋼板の性状と製品の磁
気特性を良好とする冷延率(通性冷延率)との関係を種
々の観点から広範囲にわたって研究したところ、冷延前
鋼板の性状と適性冷延率との間に極めて密接な関係があ
ることを確かめた。以下、実験結果を基に説明する。
第1図は冷延前鋼板の再結晶率(板厚方向の各点の平均
値)が100%又は100%未満の場合の冷延率と製品
の磁束密度の関係を表したグラフである。ここではC:
 0.021〜0.100重量%、St : 3.2〜
3.5重量%、酸可溶性Al:0.010〜0.045
重量%、N : 0.0030〜0.0100重量%、
S : 0.0030〜0.0300重量%、Mn:0
.070〜0、500重量%を含有し、残部Fe及び不
可避的不純物からなるスラブを1150〜1400°C
に加熱し、1.6〜4.0鵬厚の熱延板とした。この時
、熱延開始温度を700〜1350°C1熱延各パスの
圧下率を10〜80%とし、その配分も種々の条件で行
い、熱延後水冷開始までの時間を0.1秒〜100秒ま
でとり、また、巻取温度を100〜800°Cとした。
次いでこの熱延板を700〜1200°Cの温度で熱延
板焼鈍又は熱延板焼鈍なしの条件で処理し、次いで70
〜98%の冷延率で最終強圧下冷延を行って最終板厚o
、 i o o〜0.480mm厚の冷延板とし、83
0〜1000°Cの温度で脱炭焼鈍を行い、引き続いて
MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布して最終焼鈍を
行った。
第1図から明らかなように、100%未満の再結晶率の
冷延前鋼板を77〜93%の冷延率で冷延を施した場合
に、B、≧1.887の高い磁束密度が得られている。
また本発明者らはこの新知見をさらに詳細に検討した。
第2図は、第1図で磁束密度が良好であった冷延前鋼板
の再結晶率が100%未満で、かつ、77〜93%の冷
延率の条件における冷延前鋼板の再結晶率と冷延率が製
品の磁束密度に与える影響を表したグラフである。
第2図から明らかなように、冷延前の鋼板の再結晶率(
FR(%))、冷延率(CR(%))とするとき、FR
とCRが 0.05X F R+77≦CR≦0.05X F R
+88なる条件を満す時に、B6≧1.90 Tの高い
磁束密度が得られている。
この時、冷延前鋼板の再結晶率は、本発明者らが開発し
たE CP (Electron channelli
ngpattern )を画像解析して結晶歪を測定す
る方法(日本金属学会秋期講演大会概要集(1988゜
11)P2O3)を用いて測定し、はぼランダム方位を
有する標準試料の焼鈍板に1.5%冷延した場合のEC
Pの鮮明度より高い値を示す粒の面積率(低歪粒の面積
率)を再結晶率と呼んでいる。
従来、珪素鋼の熱延板又は熱延板焼鈍後の鋼板の再結晶
率は、目視判定で行われていたが、この方法では当然の
ことながら測定者によって値が異り、客観性に欠けてい
た。そしてこの主な原因は、熱延及び熱延板焼鈍で起る
再結晶の中に、(1)核生成−成長型再結晶、(2)そ
の場再結晶の2つの再結晶が混じっているためであった
。他方、例えば70〜90%の冷延後の再結晶の場合、
(1)の再結晶が主であり、目視判定でも正確な再結晶
率を測定することが可能である。本発明者らは(1)型
の再結晶が主である88%冷延率の場合の珪素鋼の冷延
再結晶過程を上記の方法で詳細に調査し、ECP鮮明度
が再結晶が生じると急激に高まること及び焼鈍中再結晶
完了後さらにECP鮮明度が高まる(歪が低下する)こ
とを解明した。そして、上記標準試料の焼鈍板に1.5
%冷延した場合のECPの鮮明度より高い場合には、上
記88%冷延し、焼鈍した場合のECPの鮮明度の測定
箇所が再結晶状態にあると判定できることがわかった。
そこで、この判定基準を用いて従来不可能であった熱延
板、熱延板焼鈍後の板の再結晶率の正確な測定を行って
いる。
冷延前の鋼板の再結晶率、冷延率と製品の磁束密度の間
に、第1図、第2図に示した関係が成立する理由につい
ては必ずしも明らかではないが、本発明者等は次のよう
に推察している。
第3図は熱延板焼鈍なし、熱延板焼鈍ありの場合の冷延
率と製品の磁束密度の関係を表したグラフである。また
、第4図は、冷延前鋼板の集合組織(板厚中心)(ベク
トル法による三次元解析結果)の例である。この場合、
C: 0.053重量%。
Si:3.28%重量%、Mn:0.16重量%、S:
0、007重量%、酸可溶性A7 : 0.027重量
%。
N : 0.0076重量%を含有し、残部Fe及び不
可避的不純物からなる40nm厚のスラブを1150°
Cに加熱した後、圧延開始温度を■1051°C1■7
78°Cの2水準とし、40→23→12→6→3.7
→2.3→1.8(aua)なるバススケジュールで熱
延し、1秒後に水冷を行い550℃まで水冷した後、5
50°Cに1時間保持して炉冷する巻取リシミュレーシ
ョンを施した。この時圧延終了温度は各々■925°C
1■754°Cであった。この熱延板を引き続き、(a
)熱延板焼鈍なし、(b)1120°Cに30秒保持後
900°Cに30秒保持して急冷なる熱延板焼鈍あり、
の2水準の条件で処理した。この時の冷延前鋼板の再結
晶率は各々■−(a) : 55%、■−(b):10
0%、■−(a) : 8%、■−(b):100%で
あった。次いでこの冷延前鋼板を冷延率70〜94%で
冷延し、0.100〜0.54[11111厚の最終冷
延板とし、次いで脱炭焼鈍、最終仕上焼鈍を施した。
第3図より明らかなように冷延前鋼板の再結晶率が低い
ほど製品の磁束密度を最高とする冷延率(最適冷延率)
が低くなることがわかる。また、第4図から明らかなよ
うに、冷延前鋼板の再結晶率が低いほど冷延前鋼板の(
1001<o 11>方位粒が多いことがわかる。
鉄鋼の冷延における結晶回転に関する研究においては、
例えば■冷延前の(110)<oot>方位は冷延後に
(111) <112>方位へと回転する、■冷延前の
(111) <112>方位は冷延後に(211)<o
z>方位へと回転する、■冷延の最終安定方位は(10
0) <011>又は(211)<011>である等の
報告がある。
冷延における結晶回転は、特定のすべり面とすべり方向
(すべり系)に転位が運動して生じるものであり、当然
、冷延前の結晶方位が異れば、冷延後の結晶方位に差異
が生じる。−力筒4図から明らかなように、冷延前鋼板
の再結晶率が低いほど冷延最終安定方位である(100
)<011>が多いことがわかる。これは、再結晶率1
00%未満である冷延前鋼板は再結晶率100%である
冷延前鋼板にあたかも冷延を加えたかのような集合組織
をもっていることを示している。従って例えば、80%
程度の冷延率での冷延後に同様の集合組織を得るために
は、冷延前鋼板の再結晶率が低いほど冷延率を低める必
要がある。
冷延前鋼板の再結晶率が低いほど、(100)<011
>が多い理由について本発明者らは次のように推察して
いる。例えば、熱延における中心層の結晶回転は冷延で
の結晶回転と類似しており、圧延によって(100)<
011>方位粒は増加する傾向にある。一方、パス間及
び熱延終了後の空冷中に再結晶に伴う結晶方位変化が生
じるが、その再結晶で(1003<011>方位粒が発
生することはほとんどなく、むしろ他の方位の再結晶粒
に、(100)<ott>方位粒は侵食されて、減少し
ていく。従って熱延での累積圧下率が同じでも、熱延で
の再結晶が生じやすい条件での熱延の場合(100)<
011>方位粒が少ない傾向がある。また、熱延板焼鈍
での再結晶に伴っても(1001<011>方位粒は他
の方位の再結晶粒に侵食されて減少していく傾向がある
。従って、温度が高い等再結晶しやすい条件での熱延板
焼鈍の場合(100)<oz>方位粒が減少する傾向が
ある。
一方、冷延再結晶での核発生頻度等再結晶現象に冷延後
の歪!(転位密度)が支配的影響を与えることは従来か
ら知られている。冷延前鋼板の再結晶率が低いほど歪量
は多く、冷延後でもその影響は継承され、歪量は多い傾
向がある。従って、例えば80X程度の冷延率での冷延
で同様の歪量を得るためには、冷延前鋼板の再結晶率が
低いほど、冷延率を低める必要がある。
上記の如く、冷延での結晶回転、冷延再結晶現象を製品
の磁束密度が良好になるような状態にするためには、冷
延前鋼板の再結晶率が低いほど、冷延率を低める必要が
ある。
次いで、本発明の各要件について説明する。
本発明で使用されるスラブは重量でC: 0.021〜
0.100%、Si:2.5〜4.5%ならびに通常の
インヒビター成分を含み残余はPeおよび不可避的不純
物よりなる。
次に上記成分の限定理由について述べる。
Cは0.021%未満にすると二次再結晶が不安定とな
り、かつ、二次再結晶した場合でもB、>1.80(T
)が得がたく好ましくなく、また、0、100%を超え
ると脱炭不良が発生して好ましくない。
又、Stについては4.5%を超えると冷延が困難とな
り好ましくなく、2.5%未満では良好な磁気特性を得
ることが困難となり好ましくない。また、インヒビター
構成元素として、必要に応じてM。
N、 Mn、  S、 Se、 Sb、 B、 Cu、
 Bi、 Nb、 Cr、 Sn。
Ti等を添加することもできる。
このスラブの加熱温度は、特に限定されるものではない
が、コストの面から1300°C以下とすることが好ま
しい。
加熱されたスラブは、引き続き熱延されて熱延板となる
熱延工程は、通常、100〜400[1111厚のスラ
ブを加熱した後、いづれも複数回のパスで行う粗圧延と
仕上圧延より成る。粗圧延の方法については特に限定す
るものではなく、通常の方法で行われる。仕上圧延は通
常4〜lOバスの高速連続圧延で行われる。通常、仕上
圧延の圧下配分は前段が圧下率が高く後段に行くほど圧
下率を下げて形状を良好なものとしている。圧延速度は
通常、100〜3000 m/winとなっており、パ
ス間の時間は0.01〜100秒となっている。仕上圧
延の圧下率、圧下配分及び最終パス後の冷却条件は熱延
板の再結晶率に影響を与え、仕上後段、特に最終パスの
圧下率が高いほど、熱延終了後、鋼板を高温に保つ時間
が長いほど熱延板の再結晶率が高い。また熱延後の巻取
温度に関しては特に限定するものではないが、700°
C以上になると冷却時のコイル内の熱履歴の差に起因し
て、コイル内にAjN等析出物の析出状態のバラツキ、
表面脱炭状態のバラツキ、金属組織のバラツキ等が生じ
、製品の磁気特性にバラツキが生じて好ましくない。
この熱延板は引き続き700〜1200°Cの温度で焼
鈍あり又は焼鈍なしなる処理を行った後冷延される。
本発明の特徴は、再結晶率100%未満の冷延前鋼板(
熱延板又は熱延板焼鈍後の鋼板)の冷延方法にある。具
体的に言うならば、再結晶率100%未満の冷延前鋼板
に対して、冷延率を77〜93%としなければならない
。また、さらに好ましくは、冷延前鋼板の再結晶率(F
R(%))、冷延率(CR(%))とするとき、冷延は
下記の式を満足する如く施されなければならない。
0.05X F R+77≦CR≦0.05×FR+8
8  (A)次いで上記条件の限定理由について述べる
再結晶率100%未満の冷延前鋼板に対して、冷延率7
7〜93%としたのは、第1図から明らかなように、こ
の範囲で、B8≧1.88(T)の良好な磁束密度を得
られるためである。また、さらに好ましくは、式(A)
を満足する必要があるとしたのは、第2図から明らかな
ように、この範囲で、Bll≧1.90(T)の−層良
好な磁束密度をもつ製品が得られるためである。
冷延後、鋼板は通常の方法で脱炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布
、仕上焼鈍を施されて最終製品となる。
なお、脱炭焼鈍後の状態で、二次再結晶に必要なインヒ
ビター強度が不足している場合には、仕上焼鈍等におい
てインヒビターを強化する処理が必要となる。インヒビ
ター強化法の一例としては、Mを含有する鋼において仕
上焼鈍雰囲気ガスの窒素分圧を高めに設定する方法が知
られている。
〔実施例〕
以下、実施例を説明する。
一実施例1− C: 0.054重量%、Si:3.25重量%、Mn
:0.16重量%、S:0.005重量%、酸可溶性M
: 0.026重量%、 N : 0.0078重量%
を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる40薗
厚のスラブを1150°Cの温度で加熱した後、105
0°Cで熱延を開始し、6パスで熱延して2.3−厚の
熱延板とした。この時、圧下配分を40→30→20→
10→5→2.8→2.3(ff1m)とした。この時
熱延終了温度は915°Cであった。熱延終了後は1秒
間空冷後550°Cまで水冷し、550°Cに1時間保
持した後炉冷する巻取シミュレーションを行った。この
熱延板を■焼鈍なし、■900°Cに3分間均熱なる条
件で処理し、次いで圧下率(a)75%、(b)85%
、(c)95%の3水準で冷延し、0.115〜0.5
75mm厚の冷延板とし、830°Cで150秒保持す
る脱炭焼鈍を施した。得られた脱炭焼鈍板に、MgOを
主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、N225%、H27
5%の雰囲気ガス中でlO°C/時の速度で880℃ま
で昇温し、次いで、N275%、H225%の雰囲気ガ
ス中で10”C/時の速度で1200°Cまで昇温し、
引き続きH!100%雰囲気ガス中で1200″Cで2
0時間保持する最終仕上焼鈍を行った。
工程条件、冷延前鋼板の再結晶率と製品の磁気特性を第
1表に示す。
一実施例2− Cj O,034重量%、Si:3.28重量%、Mn
:0.14重量%、Sjo、006重量%、酸可溶性M
: 0.027重量%、 N : 0.0079重量%
を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる26柵
厚のスラブを1150°Cの温度で加熱した後1050
°Cで熱延を開始し、6パスで熱延して2.3閣の熱延
板とした。この時、圧下配分を26→15→10→7→
5→3→2.3(mIa)とした。この時、熱延終了温
度は892°Cであった。熱延終了後の冷却条件は実施
例1と同じ条件で行い、次いで■焼鈍なし、0850°
Cに3分間保持なる条件で処理し、引き続く最終仕上焼
鈍までの工程条件は実施例1と同じ条件で行った。
工程条件、冷延前鋼板の再結晶率、製品の磁気特性を第
2表に示す。
一実施例3− C: 0.055重量%、Si:3.28重景気+Mn
:0.15重量%、S:0.007重量%、酸可溶性M
: 0.028重量%、 N : 0.0080重量%
を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる26m
o+厚のスラブを1150″Cの温度で加熱した後80
0°Cで熱延を開始し、6パスで熱延して1.8 ta
11厚の熱延板とした。この時圧下配分を26→15→
10→7→4→2.6→1.8(s)とした。この時、
熱延終了温度は749°Cであった。熱延終了後の冷却
条件は実施例1と同じ条件で行い、熱延板焼鈍を施すこ
となく070%、■79%の冷延率で冷延し、0.38
〜0.54m+*厚の冷延板とした。引き続く最終仕上
焼鈍までの工程条件は実施例1と同じ条件で行った。
工程条件、冷延前鋼板の再結晶率と製品の磁気特性を第
3表に示す。
第 表 一実施例4− C: 0.079重量%、Si:3.25重量%+Mn
:0、080重量%、S : 0.026重量%、酸可
溶性Al : 0.028重量%、 N : 0.00
82重量%、Sn:0.11重量%、Cu:0.06重
量%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる4
0mm厚のスラブを1300°Cの温度で加熱した後、
1100°Cで熱延を開始し、6パスで熱延して2.3
 m厚の熱延板とした。この時圧下配分を40→3o→
2o→10→6→3.6→2.3(am)とした、この
時、熱延終了温度は975°Cであった。熱延終了後、
2秒空冷した後に70°C/秒の冷速で550℃まで水
冷し、550°Cに1時間保持した後、炉冷する巻取リ
シミュレーシジンを施した。この熱延板を、■熱延板焼
鈍なし、0800°Cに3分保持なる条件で冷延率(a
)84%、(b)94%で処理し0.14〜0、37 
tms厚の冷延板とした。次いでこの冷延板を800°
Cで120秒保持し、引き続き950°Cに20秒保持
する脱炭焼鈍を施した。引き続(最終仕上焼鈍までの工
程条件は実施例1と同じ条件で行った。
工程条件、冷延前鋼板の再結晶率と製品の磁気特性を第
4表に示す。
一実施例5− C: 0.043重量%、Si:3.2σ重量%、Mn
:0、066重量%、S;0.024重景景気 Cu 
r O,08重量%、Sb:0.018重量%を含有し
、残部Fe及び不可避的不純物からなる26fflI1
1厚のスラブを1300℃の温度で加熱したplooo
oCで熱延を開始し、6パスで熱延して1.6 mm厚
の熱延板とした。この時、圧下配分を40→15→7→
5→3.5→2.1→1.6(ma+)とした。この時
、熱延終了温度は921°Cであった。熱延終了後の冷
却を実施例1と同じ条件で行った。次いで、■熱延板焼
鈍なし、■850 ’Cに3分保持なる条件で処理し、
冷延率(a)75%、(b)80%で冷延し、0.4〜
0.32mm+厚の冷延板とした。次いで、この冷延板
を830 ’Cで120秒保持し引き続き910°Cに
2σ秒保持する脱炭焼鈍を施した。引き続く最終仕上焼
鈍までの工程条件は実施例1と同じ条件で行った。
工程条件、冷延前鋼板の再結晶率と製品の磁気特性を第
5表に示す。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明においては、再結晶率10
0%未満である冷延前鋼板に対して冷延率を77〜93
%とし、さらに好ましくは、冷延前鋼板の再結晶率に応
じて冷延率を選ぶことによって熱延板焼鈍が簡省略でき
、かつ良好な磁気特性を得ることができるので、その工
業的効果は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、冷延前鋼板の再結晶率カ月00%又は100
%未満の場合の冷延率と製品の磁束密度の関係を表した
グラフであり、第2図は冷延前鋼板の再結晶率と冷延率
が製品の磁束密度に与える影響を表したグラフであり、
第3図は、熱延板焼鈍なし、熱延板焼鈍ありの場合の冷
延率と製品の磁束密度の関係を表したグラフであり、第
4図は冷延前鋼板の集合組織の例である。 ・ :tooy、ホ調 θθ qθ /ト ぶi  iP(ヅ・) 第3図 θO 冷延牟 (z) 2θ 沖延前錆服の内郭墨字 FR<%) 第4図 θ 4θ 6θ θ0 摩延前鋼服の内軸墨字(幻 手続補正書(自発) 平成 1 年11月9 特許庁長官 吉 1)文 毅 殿 1、事件の表示 平成1年特許願第95929号 2、発明の名称 日 (す明細書3頁20行「熱延後組織の不均一化」を「熱
延後、組織の均一化」に補正する。 (2)同4頁12〜13行「工程、エネルギーの1を「
工程の」に補正する。 (3)同26頁4行「800℃」を「830℃」に補正
する。 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法3゜ 補正をする者 事件との関係 特許出願人 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 (665)新日本製鐵株式會社 代表者 齋  藤    裕 4゜

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)重量でC:0.021〜0.100%、Si:2
    .5〜4.5%ならびに通常のインヒビター成分を含み
    、残余はFeおよび不可避的不純物よりなる珪素鋼スラ
    ブを熱延し、引き続き通常の1回冷延工程で得られた珪
    素鋼冷延板に脱炭焼鈍、最終仕上焼鈍を施して一方向性
    電磁鋼板を製造する方法において、再結晶率100%未
    満の冷延前鋼板に対して、冷延率77〜93%の冷延を
    施すことを特徴とする磁気特性の優れた一方向性電磁鋼
    板の製造方法。 (2)冷延前鋼板の再結晶率(FR(%))、冷延率(
    CR(%))とするとき、冷延は下記の式を満足する如
    く施されることを特徴とする請求項1記載の磁気特性の
    優れた一方向性電磁鋼板の製造方法。 0.05×FR+77≦CR≦0.05×FR+88
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