JP2000345305A - 高磁場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板とその製造方法 - Google Patents
高磁場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板とその製造方法Info
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Abstract
鋼板とその製造方法を提供する。 【解決手段】(1) 重量%で、C:0.005%%以下、Si:2.0〜
7.0%%などを含み、鋼板の結晶方位が{110 }<001> の
理想方位に対して平均値で 5度以下の方位のずれであ
り、鋼板の180 度磁区幅の平均が0.26mm以下である高磁
場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板。 (2) 特定成分を含有し、高磁束密度一方向性電磁鋼板を
製造する方法において、脱炭焼鈍する直前に 100℃/s以
上の加熱速度で、 800℃以上の温度に加熱処理し、工程
の途中または最後に磁区制御し、鋼板の結晶方位が{11
0 }<001> の理想方位に対して平均値で 5度以下の方位
のずれで、鋼板の180 度磁区幅の平均が0.26mm以下であ
る高磁場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板の製
造方法。
Description
使用される一方向性電磁鋼板およびその製造方法に関す
るものである。
の鉄心材料に使用される。この鋼板は製造工程の仕上焼
鈍で、二次再結晶を利用して{110}<001>方位
いわゆるゴス方位に高度に集積させた組織として低鉄損
を得ている。方向性電磁鋼板の鉄損は、JIS C 255
3 でW17/50 (B8 1.7T、50Hz の励磁条件下で
のエネルギー損失)で評価され、グレード分けされてい
る。
種類があるが、巻き鉄心、積み鉄心においても、トラン
スを小型化するために1.7Tより高い、例えば1.9
T程度の設計磁束密度とする場合がある。積み鉄心で
は、“日”、“目”型に鋼板を積層し鉄心とするため、
鉄心の設計磁束密度が1.7Tであっても鉄心の局部的
には1.7T以上の磁束密度となるため、1.7T以上
の例えばW19/50 もトランス鉄損には大きく影響する。
最近では地球環境の保全や省エネルギーの見地から、更
に鉄損の少ない方向性電磁鋼板が市場から求められてお
り、特に1.9Tのような高磁場でも鉄損の少ない鋼板
が求められている。
下げるべく、長年にわたり発明、改善がなされてきた。
しかし、上記のような最近の状況に鑑み、本発明の目的
は1.7Tより高く、励磁磁束密度の鉄損が少ない高磁
束密度一方向性電磁鋼板を提供することにある。
決するため以下の構成を要旨とする。 (1) 重量%で、 C :0.005%以下、 Si:2.0〜7.0%、 Mn:0.2%以下、 SおよびSeの1種または2種の合計:0.005%以
下を含有し、残部はFeと不可避的不純物の組成からな
り、鋼板の結晶方位のずれ角度が{110}<001>
の理想方位に対して平均値で5度以下であり、鋼板の1
80度磁区幅の平均が0.26mm以下であることを特徴
とする高磁場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼
板。 (2) 重量%でさらに、 Al:0.065%以下、 N :0.005%以下 を含有することを特徴とする前記(1)記載の高磁場鉄
損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板。 (3) 重量%でさらに、Sb,Sn,Cu,Mo,G
e,B,Te,As,CrおよびBiの1種または2種
以上を各々0.003〜0.3%含有することを特徴と
する前記(1)または(2)に記載の高磁場鉄損の優れ
た高磁束密度一方向性電磁鋼板。
0.050%、残部は実質的にFeの組成になるスラブ
を加熱したのち熱延したコイル、または溶鋼から直接鋳
造されたコイルを出発材として、熱延板焼鈍し最終強冷
延、または予備冷延、析出焼鈍し、最終強冷延、または
熱延板焼鈍、予備冷延、析出焼鈍し、最終強冷延する工
程を経て最終板厚とし、脱炭焼鈍、最終仕上焼鈍そして
最終コ−ティングを施し、高磁束密度一方向性電磁鋼板
を製造する方法において、脱炭焼鈍する直前に100℃
/s以上の加熱速度で、800℃以上の温度に加熱処理
し、工程の途中または最後に磁区制御し、鋼板の結晶方
位のずれ角度が{110}<001>の理想方位に対し
て平均値で5度以下であり、鋼板の180度磁区幅の平
均が0.26mm以下であることを特徴とする高磁場鉄損
の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
階として行われることを特徴とする前記(4)記載の高
磁場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方
法。 (6) 熱延コイルまたは溶鋼から直接鋳造されたコイ
ルが、重量%でさらに、Sol.Al:0.010〜0.0
65%、N :0.0040〜0.0100%を含
有することを特徴とする前記(4)または(5)に記載
の高磁場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板の製
造方法。 (7) 熱延コイルまたは溶鋼から直接鋳造されたコイ
ルが、重量%でさらに、Sb,Sn,Cu,Mo,G
e,B,Te,As,CrおよびBiの1種または2種
以上を各々で0.003〜0.3%含有することを特徴
とする前記(4)〜(6)のいずれか1項に記載の高磁
場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方
法。
する。本発明者らはW19/50 の少ない一方向性電磁鋼板
を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、結晶方位のずれと
180度磁区幅を高度に制御することが非常に有効であ
ることを見出した。本発明者は、高磁束密度一方向性電
磁鋼板の製造工程条件を種々変更し、W19 /50 の低いも
のと高いものを製造した。本発明の範囲にあるC:0.
002重量%(以下%と略す)、Si:3.25%、M
n:0.07%、S:0.001%、Al:0.01
%、T.N:0.001%、Sn:0.11%、Cu:
0.07%を含み、板厚0.23mm、鋼板の結晶方位が
{110}<001>に対して平均値で3度のずれをも
つサンプルの調査結果を以下に示す。
W19/50 :1.20W/kg で、試料(2)はW17/50 :
0.77W/kg 、W19/50 :1.49W/kg である。こ
の鉄損の差を解明するため、本発明者らは180度磁区
幅に着目した。鉄損は一般にヒステリシス損、古典的渦
電流損、異常渦電流損に分けられ、異常渦電流損は総鉄
損の約40%を占める。方向性電磁鋼板の場合、異常渦
電流損は180度磁区幅に比例して増加することが知ら
れている。
al. : IEEE Trans. Mag. No.4, MAG-14(1978), p.252
に、単結晶で結晶方位と180度磁区幅の関係を定量化
した報告がある。しかし、多結晶である一方向性電磁鋼
板製品の180度磁区幅を定量化した例はない。鋼板へ
のスクラッチ付与、レーザー照射や歯形ロールによる溝
加工は、180度磁区幅が狭幅化することはよく知られ
ているが、これらと180度磁区幅の関係も定量的に評
価した例はない。
密度一方向性電磁鋼板の180度磁区幅の定量化を以下
の方法で行うことを考案した。図1にその方法を示す。
まず、鋼板試料をビッター法で180度磁区を現出させ
た。その後、5mmの升目をかぶせ、升目毎に180度磁
区数を計測した。1試料について190升測定し、19
0升の磁区幅の平均と分布を求め、当該試料の測定値と
した。合計すると、1試料について約2000の180
度磁区数を計測し、180度磁区幅を定量した。 ・1升の磁区幅 =5mm/180度磁区数 ・当該試料の平均磁区幅 =190升の磁区幅の平均
(2)の180度磁区幅を比較した。図2に試料(1)
と(2)の磁区幅の分布を示す。図2において、磁区幅
の縦幅は範囲の上限を示す。例えば0.2は0〜0.2
以下、0.4は0.2mm超〜0.4mm以下である。この
比較において均磁区幅は、試料(1)は0.26mm、試
料(2)は0.32mmであった。これより、180度磁
区幅の平均が試料(1)と(2)で大きく異なることが
判明した。
の関係を調査した実験結果を示す。C:0.002%、
Si:3.25%、Mn:0.07%、S:0.001
%、Al:0.01%、T.N:0.001%、Sn:
0.11%、Cu:0.07%を含み、板厚0.23mm
の製品を種々の製造方法で作成し、180度磁区幅の平
均と鉄損W17/50 ,W19/50 を測定した。{110}<
001>方位の平均のずれ角は3度であった。
関係、図4に180度磁区幅の平均とW19/50 の関係を
示す。図5には180度磁区幅の平均とW19/50 /W
17/50の関係を示す。W19/50 /W17/50 はW17/50 に
対するW19/50 の劣化の程度を意味する。180度磁区
幅の平均とW17/50 、W19/50 は良い相関があり、18
0度磁区幅の平均が狭くなるほどW17/50 、W19/50 が
下がることが分かる。さらに、180度磁区幅の平均が
狭くなるほどW19/50 /W17/50 は小さくなり、180
度磁区幅の平均を狭くするほど特に高磁場鉄損が良好に
なることが判明した。
5%、Mn:0.07%、S:0.001%、Al:
0.01%、T.N:0.001%、Sn:0.11
%、Cu:0.07%を含み、板厚0.23mmの製品を
種々の製造方法で作成し、180度磁区幅の平均が0.
25〜0.26mmの試料について、{110}<001
>方位の平均のずれ角とW19/50 /W17/50 の関係を調
査した結果である。{110}<001>方位の平均の
ずれ角はラウエ法で測定し、二次再結晶粒40個を測定
した平均値である。これより、ずれ角が5度以下である
と低いW19 /50 /W17/50 を得られることが分かる。
密度一方向性電磁鋼板の限定理由を説明する。以下の成
分は、鋼中に含まれる重量%である。Cは、0.005
%を超えると磁気時効により製品の磁気特性を劣化させ
るので、0.005%以下とした。
増大し良好な鉄損が得られず、上限7.0%を超えると
加工性が著しく劣化するので、0.2〜7.0%とす
る。
インヒビターMnS,MnSeを形成し、高温焼鈍で
S,Seが純化された後に鋼中に残存したものであり、
0.2%を上限に含有する。
2種合計は、インヒビターMnS,MnSeを形成し、
高温焼鈍でS,Seが純化された後に鋼中に残存したも
のであり、0.005%以下を含む。0.005%を超
えると鉄損が悪化する。
形成し、高温焼鈍でNが純化された後に鋼中に残存した
ものであり、0.065%以下を含む。インヒビターと
してAlNを使用しなくても構わない。
成し、高温焼鈍でNが純化された後に鋼中に残存したも
のであり、0.005%以下を含む。0.005%を超
えると鉄損が悪化する。インヒビターとしてAlNを使
用しなくても構わない。
e,As,CrおよびBiから選ばれる1種または2種
以上の元素をインヒビター、粒界偏析として必要に応じ
添加してもよく、各々0.003〜0.3%以下含有さ
せる。
0.26mmを超えると高磁場鉄損を低くできない。ま
た、鋼板の結晶方位のずれ角度が{110}<001>
の理想方位に対する平均値で、図6より5度を超えると
高磁場鉄損を低くできない。本発明の高磁束密度一方向
性電磁鋼板は、その表面にフォルステライトやスピネル
を主成分とする一次皮膜と、絶縁皮膜(二次皮膜)を通
常有する。しかし、一次皮膜、二次皮膜ともになし、一
次皮膜のみ、一次皮膜なしで二次皮膜のみ、絶縁皮膜と
してイオンプレーティングなどによるTiN皮膜などで
も何ら問題はない。
向性電磁鋼板の製造方法について説明する。まず、熱延
コイル、または溶鋼から直接鋳造されたコイルの成分に
ついて説明する。Cは、下限0.015%未満であれば
2次再結晶が不安定となり,上限の0.100%は、こ
れよりCが多くなると脱炭所要時間が長くなり、経済的
に不利となるために限定した。
られず、上限7%を超えると冷延性が著しく劣下するた
め、2.0〜7.0%とする。
脆化を起こし、上限0.2%を超えるとかえって磁気特
性を劣化させるため、0.03〜0.2%とする。
ために必要な元素で、これらの一種または2種の合計が
下限0.005%未満ではMnS,MnSeの絶対量が
不足し、上限0.050%を超えると熱間割れを生じ、
また最終仕上焼鈍での純化が困難となるため、0.00
5〜0.050%とする。
有効な元素で、下限0.010%未満ではAlNの絶対
量が不足し、上限0.065%を超えるとAlNの適当
な分散状態が得られない。インヒビターとしてAlNを
使用しなくても構わない。
で、下限0.0040%未満ではAlNの絶対量が不足
し、上限0.0100%を超えるとAlNの適当な分散
状態が得られない。インヒビターとしてAlNを使用し
なくても構わない。
e,As,CrおよびBiはインヒビター、粒界偏析と
して2次再結晶を安定化させるが、各々の含有量が下限
0.003%未満では偏析量が不足し、上限0.3%は
経済的理由と脱炭性の悪化を防止するためである。添加
する元素は1種でもよいし、2種以上添加しても良い。
れる。スラブに鋳造した場合は、通常の熱延方法でコイ
ルに仕上げられる。鋼帯または熱延コイルは、熱延板焼
鈍し最終強冷延、または予備冷延、析出焼鈍し、最終強
冷延、または熱延板焼鈍、予備冷延、析出焼鈍し、最終
強冷延という工程を経て最終板厚とし、脱炭焼鈍、最終
仕上焼鈍そして最終コ−ティングを施し製品となる。
熱速度で、800℃以上の温度に加熱処理を行う。加熱
速度が100℃/sより遅いとW19/50 /W17/50 が低
い値を得られない。加熱温度が800℃より低くてもW
19/50 /W17/50 が低い値を得られない。上記急速加熱
処理は脱炭焼鈍の加熱段階に組み込んでもかまわず、こ
の方が工程が少ないので望ましい。製品には磁区制御、
すなわちレーザー照射、プラズマ照射、歯形ロールやエ
ッチングによる溝加工などを施す。または冷延板、脱炭
焼鈍板、高温焼鈍板などの中間工程で歯形ロールやエッ
チングによる溝加工を行い磁区制御を行う。
し、熱間圧延し、C:0.071%、Si:3.22
%、Mn:0.088%、S:0.028%、Sol.
Al:0.022%、N:0.0091%、Sn:0.
12%、Cu:0.07%を含有する2.3mm厚のホッ
トコイルを得た。そして、1100℃×10秒+950
℃×60秒の均熱後、急冷する熱延板焼鈍をし、0.2
2mmに強冷延し製品板厚とした。その後、得られた冷延
板を脱炭焼鈍する際、加熱段階を種々の加熱速度で85
0℃まで加熱し、その後850℃の湿潤水素中で脱炭焼
鈍し、続いて焼鈍分離剤を塗布した後、水素気流中で1
200℃で20時間保持し最終仕上焼鈍を行ない、コ−
ティング液を塗布し製品とした。
は3度であり、製品の鋼中の成分はC:0.002%、
Si:3.18%、Mn:0.080%、S:0.00
1%、Sol.Al:0.012%、N:0.0010
%、Sn:0.12%、Cu:0.07%であった。こ
れに、照射列間隔6.5mm、照射点間隔0.5mm、照射
エネルギー1.0mJ/mm2 の条件でレーザー照射し磁区
制御した。脱炭焼鈍の加熱速度と磁気特性の関係を表1
に示す。これより、本発明例は比較例と比べ高磁場鉄損
が優れていることがわかる。
熱し、熱間圧延し、C:0.070%、Si:3.28
%、Mn:0.078%、S:0.024%、Sol.
Al:0.021%、N:0.0089%、Sn:0.
12%、Cu:0.07%を含有する2.0mm厚のホッ
トコイルを得た。そして,1100℃×10秒+950
℃×60秒の均熱後、急冷する熱延板焼鈍をし、0.2
2mmに強冷延し製品板厚とした。その後、得られた冷延
板を脱炭焼鈍する際、加熱段階を300℃/sの加熱速
度で種々の温度まで加熱し、その後850℃の湿潤水素
中で脱炭焼鈍し、続いて焼鈍分離剤を塗布した後、水素
気流中で1200℃で20時間保持し最終仕上焼鈍を行
ない、コ−ティング液を塗布し製品とした。
は3度であり、製品の鋼中の成分はC:0.002%、
Si:3.17%、Mn:0.070%、S:0.00
1%、Sol.Al:0.009%、N:0.0009
%、Sn:0.12%、Cu:0.07%であった。こ
れに、照射列間隔6.5mm、照射点間隔0.5mm、照射
エネルギー1.0mJ/mm2 の条件でレーザー照射し磁区
制御した。この時の加熱段階の到達温度と磁気特性の関
係を表2に示す。これより、本発明例は比較例と比べ高
磁場鉄損が優れていることがわかる。
C:0.078%、Si:3.30%、Mn:0.07
8%、S:0.022%、Sol.Al:0.032
%、N:0.0078%、Sn:0.15%、Cu:
0.07%を含有する2.3mm厚のコイルとした。そし
て、1100℃×10秒+950℃×60秒の均熱後、
急冷する熱延板焼鈍をし、0.22mmに強冷延し製品板
厚とした。その後、得られた冷延板を脱炭焼鈍する際、
加熱段階を400℃/sで850℃まで加熱し、その後8
50℃の湿潤水素中で脱炭焼鈍し、続いて焼鈍分離剤を
塗布した後、水素気流中で1200℃で20時間保持し
最終仕上焼鈍を行ない、コ−ティング液を塗布し製品と
した。
は3度であり、製品の鋼中の成分はC:0.002%、
Si:3.18%、Mn:0.070%、S:0.00
1%、Sol.Al:0.012%、N:0.0010
%、Sn:0.15%、Cu:0.07%であった。一
部の試料に、エッチングによる溝加工を行い180度磁
区幅の平均を変更した。溝加工の条件は、溝間隔5mm、
溝幅150μm、溝深さ30μmである。この時の18
0度磁区幅の平均とW17/50 、W19/50 、及びW19/50
/W17/50 を表3に示す。これより、本発明例は高磁場
鉄損が優れていること分かる。
熱し、熱間圧延し、C:0.078%、Si:3.30
%、Mn:0.078%、S:0.022%、Sol.
Al:0.032%、N:0.0078%、Sn:0.
15%、Cu:0.07%を含有する種々の板厚のホッ
トコイルとした。そして、1100℃×10秒+950
℃×60秒の均熱後、急冷する熱延板焼鈍をし、0.2
2mmに強冷延し製品板厚とした。その後、得られた冷延
板を脱炭焼鈍する際、加熱段階を400℃/sで850℃
まで加熱し、その後850℃の湿潤水素中で脱炭焼鈍
し、続いて焼鈍分離剤を塗布した後、水素気流中で12
00℃で20時間保持し最終仕上焼鈍を行ない、コ−テ
ィング液を塗布し製品とした。
Si:3.20%、Mn:0.068%、S:0.00
1%、Sol.Al:0.011%、N:0.0010
%、Sn:0.15%、Cu:0.07%であった。こ
れに、照射列間隔6.5mm、照射点間隔0.5mm、照射
エネルギー1.0mJ/mm2 の条件でレーザー照射し磁区
制御した。180度磁区幅の平均の平均は0.23〜
0.26mmであった。冷延率、{110}<001>方
位の平均のずれ角とW17/50 、W19/50 、及びW19/50
/W17/50 を表4に示す。これより、本発明例は高磁場
鉄損が優れていることが分かる。
熱し、熱間圧延し、C:0.075%、Si:3.31
%、Mn:0.075%、S:0.014%、Se:
0.014%、Sol.Al:0.027%、N:0.
0089%、Sb:0.15%、Mo:0.03%を含
有するスラブを連続鋳造し、スラブ加熱し、熱間圧延
し、2.7mm厚の熱延板を得た。熱延板焼鈍は1000
℃で2分間行い、1.60mmに冷延し、析出焼鈍は11
00℃で2分均熱後急冷し、0.22mmに最終冷延し
た。その後、得られた冷延板を脱炭焼鈍する際、加熱段
階を300℃/sの加熱速度で種々の温度まで加熱し、
その後850℃の湿潤水素中で脱炭焼鈍し、続いて焼鈍
分離剤を塗布した後、水素気流中で1200℃で20時
間保持し最終仕上焼鈍を行ない、コ−ティング液を塗布
し製品とした。
は4度であり、製品の鋼中の成分は、C:0.003
%、Si:3.21%、Mn:0.070%、S:0.
001%、Se:0.001%、Sol.Al:0.0
10%、N:0.0015%、Sb:0.15%、M
o:0.03%であった。製造工程の途中で、一部の試
料には、溝間隔は3mm、溝幅150μm、溝深さ20μ
mという条件で、冷延板にエッチングによる溝加工を行
い磁区制御を行った。この時の磁気特性を表5に示す。
これより、本発明例は比較例と比べ高磁場鉄損が優れて
いることが分かる。
熱し、熱間圧延し、C:0.065%、Si:3.33
%、Mn:0.069%、S:0.014%、Se:
0.014%、Sb:0.15%、Mo:0.03%を
含有するスラブを連続鋳造し、スラブ加熱し、熱間圧延
し、2.2mm厚の熱延板を得た。熱延板焼鈍は1000
℃で2分間行い、1.23mmに冷延し、析出焼鈍は11
00℃で2分均熱後急冷し、0.19mmに最終冷延し
た。その後、得られた冷延板を脱炭焼鈍する際、加熱段
階を300℃/sの加熱速度で種々の温度まで加熱し、
その後850℃の湿潤水素中で脱炭焼鈍し、続いて焼鈍
分離剤を塗布した後、水素気流中で1200℃で20時
間保持し最終仕上焼鈍を行ない、コ−ティング液を塗布
し製品とした。
は4度であり、製品の鋼中の成分は、C:0.003
%、Si:3.23%、Mn:0.065%、S:0.
001%、Se:0.001%、Sb:0.15%、M
o:0.03%であった。製造工程の途中で、一部の試
料には、溝間隔は3mm、溝幅150μm、溝深さ20μ
mという条件で、冷延板にエッチングによる溝加工を行
い磁区制御を行った。この時の磁気特性を表6に示す。
これより、本発明例は比較例と比べ高磁場鉄損が優れて
いることが分かる。
高磁場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板を提供
でき、その工業的効果は非常に大きい。
布を示す図。
示す図。
19/50 /W17/50 の関係を示す図。
Claims (7)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.005%以下、 Si:2.0〜7.0%、 Mn:0.2%以下、 SおよびSeの1種または2種の合計:0.005%以
下を含有し、残部はFeと不可避的不純物の組成からな
り、鋼板の結晶方位が{110}<001>の理想方位
に対して平均値で5度以下の方位のずれであり、鋼板の
180度磁区幅の平均が0.26mm以下であることを特
徴とする高磁場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼
板。 - 【請求項2】 重量%でさらに、 Al:0.065%以下、 N :0.005%以下を含有することを特徴とする請
求項1記載の高磁場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電
磁鋼板。 - 【請求項3】 重量%でさらに、Sb,Sn,Cu,M
o,Ge,B,Te,As,CrおよびBiの1種また
は2種以上を各々で0.003〜0.3%含有すること
を特徴とする請求項1または2に記載の高磁場鉄損の優
れた高磁束密度一方向性電磁鋼板。 - 【請求項4】 重量%で、 C :0.015〜0.100%、 Si:2.0〜7.0%、 Mn:0.03〜0.2%、 SおよびSeの1種または2種の合計:0.005〜
0.050%、残部は実質的にFeの組成になるスラブ
を加熱したのち熱延したコイル、または溶鋼から直接鋳
造されたコイルを出発材として、熱延板焼鈍し最終強冷
延、または予備冷延、析出焼鈍し、最終強冷延、または
熱延板焼鈍、予備冷延、析出焼鈍し、最終強冷延する工
程を経て最終板厚とし、脱炭焼鈍、最終仕上焼鈍そして
最終コ−ティングを施し、高磁束密度一方向性電磁鋼板
を製造する方法において、脱炭焼鈍する直前に100℃
/s以上の加熱速度で、800℃以上の温度に加熱処理
し、工程の途中または最後に磁区制御し、鋼板の結晶方
位が{110}<001>の理想方位に対して平均値で
5度以下の方位のずれであり、鋼板の180度磁区幅の
平均が0.26mm以下であることを特徴とする高磁場鉄
損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 急速加熱処理が脱炭焼鈍の加熱段階とし
て行われることを特徴とする請求項4記載の高磁場鉄損
の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項6】 熱延コイルまたは溶鋼から直接鋳造され
たコイルが、重量%でさらに、 Sol.Al:0.010〜0.065%、 N :0.0040〜0.0100%を含有するこ
とを特徴とする請求項4または5に記載の高磁場鉄損の
優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項7】 熱延コイルまたは溶鋼から直接鋳造され
たコイルが、重量%でさらに、Sb,Sn,Cu,M
o,Ge,B,Te,As,CrおよびBiの1種また
は2種以上を各々で0.003〜0.3%含有すること
を特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の高磁
場鉄損の優れた高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方
法。
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