JPH10226595A - 分子線エピタキシャル成長装置のクヌーセンセルの交換治具 - Google Patents

分子線エピタキシャル成長装置のクヌーセンセルの交換治具

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JPH10226595A
JPH10226595A JP4845997A JP4845997A JPH10226595A JP H10226595 A JPH10226595 A JP H10226595A JP 4845997 A JP4845997 A JP 4845997A JP 4845997 A JP4845997 A JP 4845997A JP H10226595 A JPH10226595 A JP H10226595A
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JP
Japan
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cell
flange
knudsen
jig
molecular beam
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Application number
JP4845997A
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English (en)
Inventor
Masataka Koyama
正孝 小山
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成長室の真空を破らずに、しかも、新規に大
がかりな設備導入も行なうことなく、クヌーセンセルを
取り出すことができるクヌーセンセルの交換治具を提供
する。 【解決手段】 分子線エピタキシャル成長装置のセル取
付ポート12に締め具19により固定したクヌーセンセ
ル2の交換治具において、前記クヌーセンセルのセルフ
ランジを覆って前記セル取付ポートに気密に着脱可能に
設けられるシール用フランジ24と、このシール用フラ
ンジに接続されると共にゲートバルブ41を有し、他端
が開閉可能になされた筒体状の予備排気ケース25と、
このケース内に沿って移動可能に収容されると共に先端
に前記セルフランジと前記締め具を収容して固定するフ
ランジ収容凹部47を有するセルキャリア部材26とを
備えるように構成する。これにより、セルキャリア部材
にセルフランジを保持させ、成長室内の真空状態を維持
したままクヌーセンセルを取り外し、或いは取り付け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体単結晶薄膜
を成長させ、半導体IC、光デバイス等の半導体部品を
作製する分子線エピタキシャル成長装置(MBE)にお
いて用いられるクヌーセンセルの交換治具に関する。
【0002】
【従来の技術】分子線エピタキシャル成長装置は、超高
真空下において半導体基板表面に成長させるべき材料の
分子線を当ててエピタキシャル成長させるものであり、
高品質の薄膜を得ることから半導体部品の製造工程にお
いてしばしば用いられている。蒸発させて成長させるべ
き材料は、るつぼなどの容器内に入れられ、これを加熱
することにより分子線として飛ばすことができるように
なっている。この材料を収納する容器及びこれに付属す
る部品全体を一般にクヌーセンセル(以下、Kセルと称
す)という。
【0003】従来、Kセル内の材料がなくなる毎に、以
下の何れかの方法が用いられてKセル内に新しい材料の
仕込みが行なわれている。第1の方法として、高真空で
ある成長室の真空を破り、室内を大気に晒しながら、K
セルの取付ポートからKセルを取り外し、るつぼに新た
に材料を加えた後に、Kセルを再び取り付ける。
【0004】第2の方法として、図15に示すように成
長室1の底部のセル取付ポート12にKセル2を取り付
けたMBE装置の機種では、上方に材料補充装置3を設
けたものもある。この装置3は、ゲートバルブ4を介し
て伸縮可能なベローズ5を設け、このベローズ5の伸縮
方向に沿って先端に開閉蓋6のついた筒体状の材料収容
パイプ7を設けている。そして、側部に設けたベローズ
送りハンドル9を回してベローズ伸縮送りねじ8でベロ
ーズ5を縮めることによって材料収容パイプ7を成長室
1内に侵入させ、中心に対して反対側に位置するKセル
2までその先端を届かせ、この状態で蓋ハンドル10を
操作して先端の開閉蓋6を開いてKセル2内に材料を移
し変える。
【0005】第3の方法として、図16に示すように、
上記材料補充装置3の構造をKセル2に組み付けた方法
がある。すなわち、ゲートバルブ11付きの真空排気可
能なベローズ103をセル取付ポート12に接続し、K
セル自体のロッド104を長く設定する。通常はベロー
ズ103を縮めて、Kセル2の先端を成長室1に突き出
しておく。この時、ゲートバルブ11は開いている。材
料がなくなると、ベローズ103を伸ばして、Kセル2
をゲートバルブ11の外側に後退させ、ゲートバルブ1
1を閉じ、ベローズ部分のみの真空を破って、Kセル2
を固定部から切り離し、これに材料を入れることによ
り、成長室1の真空を破らずに材料を追加することがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の第1
の方法によれば、成長室1内は大気に晒されることから
内壁に大気中の水分等が吸着し、成長室1を組立た後、
再び10-9〜10-10 Torrの高真空にするために
は、短くても2週間、更に真空を破る前の成長条件に戻
すには1ケ月近くを要するため、時間がかかり、効率が
悪いという問題がある。また、低融点の材料では、開閉
蓋6を閉じているときに蒸気圧が高くなるため、Kセル
2の先端付近が液体窒素のシュラウドで冷やされている
ことも重なって、材料が凝固し易くなるばかりか蒸発経
路も塞ぎ、そのたびに成長室1の真空を破らねばならな
い場合もあり、これもまた効率の悪さを引き起こす。こ
の対策として、経路が塞がらないように開閉蓋6をKセ
ル2の先端から離すか、煽って、蒸気が溜らないように
するが、この方法は、開閉蓋6の隙間から、蒸気が漏
れ、不要な材料を成長膜中に混入させてしまうという問
題があり、根本的な解決にならないどころか、製品の特
性を悪化させる。
【0007】第2の方法は、図15から分かるとおり、
材料補充装置3を任意のKセル2に対向させて取り付け
るために、Kセル2の上部にゲートバルブ4をもったポ
ート15を全て準備しなければならないという装置上の
制約条件があり、どのようなMBE装置にも適用するこ
とができるというものではなく、効率を向上させるに
は、従来から所有している装置を廃棄し、新規の設備投
資が必要であり、無駄が出る。第3の方法は、ベローズ
103とゲートバルブ11が成長室1の一部となってい
るといえる装置であり、各Kセル毎に取り付ける必要が
ある。またKセルのロッド14の長さも、ゲートバルブ
11の厚み分とベローズ103の縮んだ時の最小長分、
長さを長く改造する必要がある。これは標準品として市
販されているKセルのコストの倍以上のコストが高くな
ることを意味する。
【0008】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものであり、その目
的は、成長室の真空を破らずに、しかも、新規に大がか
りな設備導入も行なうことなく、市販のKセルを取り出
すことができるKセルの交換治具を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、分子線エピタキシャル成長装置のセル
取付ポートに締め具により固定したクヌーセンセルの交
換治具において、前記クヌーセンセルのセルフランジを
覆って前記セル取付ポートに気密に着脱可能に設けられ
るシール用フランジと、このシール用フランジに接続さ
れると共にゲートバルブを有し、他端が開閉可能になさ
れた筒体状の予備排気ケースと、このケース内に沿って
移動可能に収容されると共に先端に前記セルフランジと
前記締め具を収容して固定するフランジ収容凹部を有す
るセルキャリア部材とを備えるように構成したものであ
る。
【0010】これにより、Kセルの交換時には、まず、
シール用フランジをセル取付ポートに気密に取り付け
る。そして、筒体状の予備排気ケースを上記シール用フ
ランジに取り付ける。そして、このケース内を所定の圧
力まで真空引きした後に、ケース内に収容されていたセ
ルキャリア部材を前進させて、この先端のフランジ収容
凹部にセルフランジとこれを固定している締め具を挿入
させて固定する。この状態で、締め具の反対側よりこれ
を緩め、緩めつつこの締め具がセルフランジより脱落し
ないように上記セルキャリア部材を後退させる。
【0011】そして、締め具を完全に緩めたならば、セ
ルフランジを保持固定したままセルキャリア部材を後退
させて、Kセル全体をセル取付ポートより引き出す。そ
して、引き出しが完了したならば、予備排気ケースの先
端側に設けてあるゲートバルブを閉じてセル取付ポート
側を密閉し、その後、ゲートバルブ以降のセルキャリア
部材内の常圧に戻して、この端部より搬送してきたKセ
ルを取り出せばよい。そして、このKセルに材料を充填
するなどのメンテナンス作業を施した後、前記したと逆
の操作を行なってこのKセルを再度、セル取付ポートに
取り付けるようにする。
【0012】ここで、予備排気ケースの内壁にその長手
方向に沿って案内部材を設けておくことにより、セルキ
ャリア部材を位置ずれさせることなく案内することがで
き、その先端のフランジ収容凹部に保持したセルフラン
ジを所定の位置に正確に装着させることが可能となる。
また、一般に、セルフランジとポート側フランジとの間
にはガスケットなどのシール部材が介設されるが、セル
フランジにこのシール部材を保持するシール部材クラン
パを設けておくことにより、セルフランジの着脱時にこ
のシール部材も一緒に着脱することが可能となる。
【0013】更に、クヌーセンセルは、ある程度の長さ
があるためにてこの原理でその先端側が重みのためにケ
ース軸心方向から下方へずれる場合も生ずるが、予備排
気ケースに出没可能な支持ロッドを設けてこれをケース
内に延出させることによってクヌーセンセルの先端を支
持し、ケース軸心方向からの下方へのずれを抑制して、
着脱操作を容易に行なうことが可能となる。また、セル
キャリア部材のケースの長手方向への移動は、このケー
スの外側に設けた駆動マグネットの磁気結合力により行
なうことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る分子線エピ
タキシャル成長装置のクヌーセンセルの交換治具の一実
施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は分子線エピ
タキシャル成長装置及びこれに設けたクヌーセンセルの
交換治具を示す図、図2はクヌーセンセルの拡大図、図
3はクヌーセンセルの取付分を示す拡大部分断面図、図
4はクヌーセンセルのセルフランジの締め具を示す図、
図5はセルフランジを示す平面図、図6はクヌーセンセ
ルの交換治具を取り付けた状態を示す部分断面全体図、
図7はシール用フランジの一部を示す図、図8はシール
用フランジの分解組み立て図、図9はシール用フランジ
の組み立て後を示す図、図10は予備排気ケースを示す
断面図、図11はセルキャリア部材の先端を示す平面
図、図12はシール部材クランパを示す平面図、図13
は図12のクランパの部分断面斜視図、図14は図12
のクランパの断面図である。
【0015】尚、先に示した従来装置と同一部分につい
ては同一符号を付して説明する。図1に示すように分子
線エピタキシャル装置の成長室1は、その外殻は例えば
ステンレススチール等により容器状に成形されており、
底部は、略半球状になされている。この成長室1の側壁
には半導体ウエハWをロード・アンロードする時に開閉
する搬出入ゲートバルブ106、図示しない真空ポンプ
などの排気系に接続された排気ポート107が設けられ
る。また、成長室1の内部には、エピタキシャル成長が
行なわれる半導体ウエハW及び開閉シャッタ108が図
示しない保持体により保持されている。
【0016】そして、成長室1の底部壁に、図示例では
2個のセル取付ポート12が設けられ、それぞれのポー
ト12に、クヌーセンセル(Kセル)2が取り付け固定
されている。また、図1においては、図中左側の一方の
セル取付ポート12に本発明のKセルの交換治具13が
装着されている。図2に示すようにKセル2は、加熱コ
イル等を設けたセラミック製の材料容器14を例えば長
さが30cm程度のセルロッド15の先端に設け、この
セルロッド15の基端部にセルフランジ16を取り付け
て構成されている。そして、セルフランジ16にボルト
孔17を設け、このセルフランジ16をセル取付ポート
12のポート側フランジ18に締め具として例えばボル
ト部材19により締め付け固定している(図3参照)。
そして、上記材料容器14内に例えばGa、As、Z
n、Se等の蒸発材料が収容される。
【0017】この場合、図3に示すように、ポート側フ
ランジ18とセルフランジ16との間には、接合部の気
密性を確保するためにシール部材として例えばリング状
のガスケット20が介在されている。そして、両フラン
ジ16、18を接合するボルト部材19は、図4に示す
ようにボルト部19Aとナット部19Bよりなり、特に
ボルト部19Aの基部には2つのシール溝21を形成
し、この部分にシール部材としてOリング22を介在さ
せて後述するようにこのボルト部材19を緩めても、こ
れを取り外しない限り、シール性を保持するようになっ
ている。また、ここでは、通常の取り付け状態とは逆
に、ポート側フランジ18側よりボルト部19Aを挿入
し、セルフランジ16側からナット部19Bを螺合させ
て締め付け固定している。
【0018】図5はセルフランジ16の平面図を示して
おり、これには6つのボルト孔17が設けられ、更に、
このセルフランジ16の接合面には、直径方向に延びる
一対のフランジ溝23が形成されており、この溝23に
後述するシール部材クランパの一部を挿入し得るように
なっている。また、ポート側フランジ18の接合面もこ
のセルフランジ16と同様に形成されており、一対のフ
ランジ溝(図示せず)を有している。
【0019】さて、図3に示すように両フランジ16、
18が固定された状態で、成長室1内の真空を破ること
なくKセル2のメンテナンスを行なう時に、図1及び図
6に示すようにKセルの交換治具13を取り付けること
になる。この交換治具13は、セル取付ポート12に着
脱可能に設けられるシール用フランジ24と、このフラ
ンジ24に接続される筒体状の予備排気ケース25と、
このケース25内に沿って移動可能に収容されるセルキ
ャリア部材26とにより主に構成される。シール用フラ
ンジ24は、フランジ固定具27と、フランジ本体28
とよりなり(図7及び図8参照)、このフランジ固定具
27は、セル取付ポート12の外周を取り囲むように2
分割された半円状の固定ベルト29を有し、両者はその
両端でボルト30により締め付け固定される。また、各
固定ベルト29の中央部には、ボルト孔31を有する係
合片32が設けられている。
【0020】また、フランジ本体28は、図8にも示す
ように、前記セルフランジ16及びポート側フランジ1
8を嵌装し得るようにこれよりも僅かに大きく設定され
たリング状の嵌装部33と、内径が上記セルフランジ1
6の外径よりもかなり例えば1cm程度大きく設定され
た覆い部34とにより構成される。嵌装部33の端面に
は、上記ボルト孔31に連通するボルト穴35が形成さ
れると共に、その内周壁にはシール溝36が形成され、
ここにOリング等のリング状のシール部37が挿入され
る。これにより、この嵌装部33の内周面は、ポート側
フランジ18の外周面にシール部材37でもって気密に
接触し、この時、セルフランジ16は所定の間隔を隔て
て覆い部34内に収容し得るようになっている(図9参
照)。また、覆い部34の周辺部には、適当箇所にボル
ト孔38が設けられている。
【0021】一方、図6に戻って予備排気ケース25
は、例えばステンレススチールにより円筒体状に成形さ
れており、その一端には、ボルト40により締め付け固
定されたゲートバルブ41が設けられており、このゲー
トバルブ41と上記シール用フランジ24の覆い部34
をボルト42により締め付け固定して、予備排気ケース
25を連結し得るようになっている。尚、各接合部には
気密性を保持するシール部材が介在されるのは勿論であ
る。
【0022】また、この予備排気ケース25は、この中
に前記Kセル2の全体を収容し得る程度の長さを有して
おり、他端には、ボルト43により気密に開閉可能に取
り付けられたケース開閉蓋44が取り付けられている。
そして、このケース開閉蓋44の中心部には、図示しな
い真空ポンプに接続される給排気ポート45が設けられ
ており、必要に応じてケース25内を真空引きしたり、
或いはこの中を大気圧に戻すことができるようになって
いる。この予備排気ケース25の内壁には、図10に示
すように案内部材としてその長手方向に沿って形成され
た案内溝46が設けられ、後述するようにセルキャリア
部材26の移動を案内し得るようになっている。
【0023】そして、この予備排気ケース25内に収容
されるセルキャリア部材26は、例えばステンレススチ
ールにより円筒体状に成形されており、ケース25の内
周面に摺接しつつその長手方向へ移動できるようになさ
れている。このセルキャリア部材26の先端は僅かに縮
径されて断面段部状になされている。そして、このセル
キャリア部材26の先端には、前記セルフランジ16を
収容できる大きさになされたフランジ収容凹部47が設
けられると共に、この凹部47の底部(図6中において
左側)には、セルフランジ16を締め付け固定している
ボルト部材19のナット部19B(図3参照)を収容し
て固定するナット収容凹部48が設けられる(図11参
照)。そして、上記フランジ収容凹部47の内周壁に
は、リング状のOリング等よりなる弾性クランプ材49
が設けられており、装着時に上記セルフランジ16の外
周壁を保持するようになっている。
【0024】このセルキャリア部材26の基部には、リ
ング状の従動マグネット50が設けられており、これと
ケース25の外周に設けられたリング状の駆動マグネッ
ト51とが磁気的に結合し、この駆動マグネット51を
ケース25に沿って動かすことにより、セルキャリア部
材26も動かすようになっている。そして、図11に示
すように、このセルキャリア部材26の上部には、上記
ケース25の案内溝46(図10参照)に嵌装される案
内凸部51が設けられており、セルキャリア部材25の
周方向の回転を規制しつつこれを長手方向へ案内し得る
ようになっている。また、図6に示すように予備排気ケ
ース25の先端部側には、ケース25の軸心方向へ気密
に出没可能になされた支持ロッド52が設けられてお
り、この基部に設けた調整ネジ53により所望する位置
に固定し得るようになっている。この支持ロッド52に
より、Kセル2の先端側を支持することにより、Kセル
2の先端がケース軸心方向から下方へずれることを抑制
して、この挿脱を容易に行なわせるようになっている。
【0025】そして、前記セルフランジ16には、図1
2乃至図14に示すようにこの外周面を覆って2つ割り
可能になされた半円状のシール部材クランパ54が着脱
可能に設けられる。図12において、クランパ54は左
右の矢印の部分にて上下に2分割される。この各シール
部材クランパ54の中心からは、ガスケット保持アーム
55が中心方向に延びており、その先端に、2枚の弾発
性を有するガスケット保持片56が設けられる。そし
て、このガスケット保持片56によりガスケット20の
外周縁を挟み込んでこれを保持し得るようになってい
る。そして、図13及び図14に示すようにガスケット
保持アーム55の取付面とは反対側のクランパ面には、
僅かな長さに設定された断面L字状のクランプ片57が
形成されており、このガスケット保持アーム55を前記
両フランジ16、18(図5参照)間に形成されるフラ
ンジ溝23に差し込むことによって、このクランパ54
をセルフランジ16に取り付け得るようになっている。
【0026】次に、以上のように構成された本実施例の
装置について説明する。通常、MBEは、図1に示す右
側のセル取付ポート12のようにKセルの交換治具13
は取り外された状態で使用される(図3参照)。そし
て、Kセル2の材料容器14(図2参照)に収容されて
いた蒸発材料がなくなったり、Kセル自体に異常等が生
じた時に、本発明の交換治具13を用いて成長室1内の
真空を破ることなくKセル2を取り外すことになる。
【0027】まず、図12乃至図14に示すシール部材
クランパ54を、図8に示すようにセルフランジ16の
外周面に取り付ける。この時、ガスケット保持アーム5
4は、両フランジ16、18間に形成されるフランジ溝
23内に差し込まれ、その先端のガスケット保持片56
により両フランジ16、18間に介在されているガスケ
ット20(図3参照)の外周を挟み込んでこれを保持し
た状態としておく。尚、このようなフランジ溝23を有
するフランジとしては、例えばICF70フランジ(日
本工業規格)を用いることができる。
【0028】次に、図8に示すようにシール用フランジ
24の2つ割りのフランジ固定具27(図7参照)をセ
ル取付ポート12に装着してボルト30で締め付け固定
し、更に、図8に示すようにフランジ本体28を、セル
フランジ16側から挿入し、ボルト58を締め付けるこ
とによりこのフランジ本体28をフランジ固定具27側
へ固定する。この時の状態は図9に示される。この状態
では、フランジ本体28のシール部材37は、ポート側
フランジ18の外周面に強固に当接し、ここでシール性
が保持されている。また、この時、セルフランジ16
は、シール部材クランパ54が取り付けられた状態で、
覆い部34により僅かな隙間を隔てて覆われている。
【0029】次に、図6に示すように予めゲートバルブ
41がボルト40により一体的に取り付けられている円
筒体状の予備排気ケース25を上記覆い部34に接合
し、両者をボルト42によって気密に締め付け固定す
る。尚、この接続に際しては、上記手順に限定されず、
ゲートバルブ41をボルト42により覆い部34に固定
し、その後、予備排気ケース25をボルト40によって
ゲートバルブ41に接続固定するようにしてもよい。
【0030】このように予備排気ケース25の接続が完
了したならば、次に、駆動マグネット51をケース長手
方向に沿って移動させることによって、ケース25内の
セルキャリア部材26を前進させてこれを、セルフラン
ジ16に当接し、この先端のフランジ収容凹部47にセ
ルフランジ16を収容すると共にナット収容凹部48に
ナット部19Bを押し込んでそれぞれ固定する。この
際、フランジ収容凹部47に設けた弾性クランプ部材4
9によりセルフランジ16を確実に固定することができ
る。また、ナット収容凹部48は、ナット部19Bに合
致するように予め設定されており、このセルキャリア部
材26が移動する時には、これに設けた案内凸部51
(図11参照)が、ケース25に沿って設けた案内溝4
6(図10参照)に嵌装されてその移動が案内されるの
で、位置ずれすることなくナット収容凹部48にナット
部19Bを正確に押し込むことができる。
【0031】次に、予備排気ケース25のケース開閉蓋
44に設けた給排気ポート45からケース内を真空引き
し、10-6〜10-7Torrまで排気する。そして、こ
の状態で、セルフランジ16とポート側フランジ18を
固定しているボルト部材19のボルト部19Aを少しず
つ緩め、これと同時にセルキャリア部材26を少しずつ
後退させて、ボルト部19Aがボルト孔から脱落するこ
とを防止する。この理由は、ボルト部19Aに設けたO
リング22によるシール性を維持してケース25内の真
空保つためである。
【0032】このようにして、ナット部19Bがボルト
19Aから外れたならば、ボルト19Aをボルト孔から
抜くことなくそのままの状態で、セルキャリア部材26
を後退させて、これを図6中において左側一杯に持って
行き、ケース25の先端に設けたゲートバルブ41を閉
じる。当然のこととして、セルキャリア部材26を後退
させた時には、フランジ収容凹部47にセルフランジ1
6が固定されているので、Kセル2が一体的に取り出さ
れることになる。この際、図2に示すようなKセル2の
先端部の材料容器14が例えば重力等でケース軸心方向
から下方へ位置ずれする場合も生ずるので、図6に示す
支持ロッド52を所定量だけ上方へ延出させておき、こ
の材料容器14を支持することによって、この下方への
位置ずれを規制するようにしてもよい。
【0033】このようにして、Kセル2を予備排気ケー
ス25内に移動させてゲートバルブ41を閉じたなら
ば、給排気ポート45からケース25内に大気を導入
し、このケース25内を大気圧に戻す。そして、ボルト
43を緩めてケース開閉蓋44を取り外してケースを開
き、Kセル2を取り出して、蒸発材料を充填するなどの
必要な措置を行なう。尚、セルフランジ16を覆って取
り付けたシール部材クランパ54はガスケット20を保
持しているので、このガスケット20も一緒に取り出す
ことができる。このようにKセル2に対して必要な措置
を講じたならば、次に前記と逆の操作を行なってKセル
2を成長室1内に収容する。
【0034】まず、シール部材クランパ54により新し
いガスケット20を保持させた状態でこれをセルフラン
ジ16に取り付け、そして、ナット部19Bをナット収
容凹部48に装着し、また、このセルフランジ16をフ
ランジ収容凹部47に装着してメンテナンス済みのKセ
ル2をセルキャリア部材26に取り付ける。このセルキ
ャリア部材26を予備排気ケース25内に収容して、ケ
ース開閉蓋44を閉じ、ケース内を気密状態にする。そ
して、給排気ポート45からケース25内を真空引きし
てこの中を10-6〜10-7Torr程度の減圧状態とす
る。
【0035】次に、ゲートバルブ41を開いてセルキャ
リア部材26を前進させ、セルフランジ16をポート側
フランジ18に当接させる。この時、支持ロッド52を
所定量だけ上方に向けて延在させて置き、Kセル2の材
料容器14がケース軸心方向より下方へ位置ずれしない
ように支持させておくことにより、この材料容器14を
容易にセル取付ポート12内へ導入させることができ
る。また、前述のようにセルキャリア部材26に設けた
案内凸部51(図11参照)はケースの案内溝46(図
10参照)に嵌装して案内されるので、ナット部19B
はボルト部19Aの先端部に正確に当接することにな
る。
【0036】次に、ナット部19Bを固定した状態のま
まボルト部19Aを回転してこれを締め付けることによ
り、セルフランジ16をポート側フランジ18に強固に
締め付け固定する。これによりセル取付ポート12はセ
ルフランジ16により完全にシールされることになる。
次に、予備排気ケース25内を大気圧に戻してこの変換
治具13を分解してセル取付ポート12から取り外せば
よい。このようにして、本発明の交換治具13によれ
ば、成長室1内の真空を破ることなくKセル2の取り外
し、また、取り付けを行なうことができる。この場合、
Kセル2は従来の市販品で済み、これに何らの工夫も加
える必要もない。また、成長室1内の真空を破ることが
ないので、成膜処理を迅速に行なうことができ、スルー
プットを向上させることができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の分子線エ
ピタキシャル成長装置のクヌーセンセルの交換治具によ
れば、次のように優れた作用効果を発揮することができ
る。Kセルや成長装置の改造や新規の購入の必要もな
く、材料の枯渇したKセルに容易に且つ短時間でしかも
成長室の真空を破ることなく材料を補充することができ
る。また、蒸気圧の高い材料でKセル詰まりがおきても
これを容易に取り除くことができる。これによって、シ
ャッタのあおりの必要もなく、低コストで特性の良い結
晶成長が可能となり、また生産上の効率をあげることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分子線エピタキシャル成長装置及びこれに設け
たクヌーセンセルの交換治具を示す図である。
【図2】クヌーセンセルの拡大図である。
【図3】クヌーセンセルの取付分を示す拡大部分断面図
である。
【図4】クヌーセンセルのセルフランジの締め具を示す
図である。
【図5】セルフランジを示す平面図である。
【図6】クヌーセンセルの交換治具を取り付けた状態を
示す部分断面全体図である。
【図7】シール用フランジの一部を示す図である。
【図8】シール用フランジの分解組み立て図である。
【図9】シール用フランジの組み立て後を示す図であ
る。
【図10】予備排気ケースを示す断面図である。
【図11】セルキャリア部材の先端を示す平面図であ
る。
【図12】シール部材クランパを示す平面図である。
【図13】図12のクランパの部分断面斜視図である。
【図14】図12のクランパの断面図である。
【図15】分子線エピタキシャル成長装置のKセルに蒸
発材料を充填する従来の装置を示す図である。
【図16】分子線エピタキシャル成長装置のKセルに蒸
発材料を充填する従来の他の装置を示す図である。
【符号の説明】
1…成長室、2…クヌーセンセル(Kセル)、12…セ
ル取付ポート、13…Kセルの交換治具、14…材料容
器、16…セルフランジ、18…ポート側フランジ、1
9…ボルト部材(締め具)、19A…ボルト部、19B
…ナット部、20…ガスケット(シール部材)、24…
シール用フランジ、25…予備排気ケース、26…セル
キャリア部材、41…ゲートバルブ、46…案内溝(案
内部材)、47…フランジ収容凹部、48…ナット収容
凹部、52…支持ロッド。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子線エピタキシャル成長装置のセル取
    付ポートに締め具により固定したクヌーセンセルの交換
    治具において、前記クヌーセンセルのセルフランジを覆
    って前記セル取付ポートに気密に着脱可能に設けられる
    シール用フランジと、このシール用フランジに接続され
    ると共にゲートバルブを有し、他端が開閉可能になされ
    た筒体状の予備排気ケースと、このケース内に沿って移
    動可能に収容されると共に先端に前記セルフランジと前
    記締め具を収容して固定するフランジ収容凹部を有する
    セルキャリア部材とを備えたことを特徴とする分子線エ
    ピタキシャル成長装置のクヌーセンセルの交換治具。
  2. 【請求項2】 前記予備排気ケースの内壁には、この長
    手方向に沿って前記セルキャリア部材を案内する案内部
    材が設けられることを特徴とする請求項1記載の分子線
    エピタキシャル成長装置のクヌーセンセルの交換治具。
  3. 【請求項3】 前記セルフランジには、このセルフラン
    ジと前記ポート側フランジとの間に介設されるシール部
    材を保持するシール部材クランパが着脱可能に設けられ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の分子線エピ
    タキシャル成長装置のクヌーセンセルの交換治具。
  4. 【請求項4】 前記予備排気ケースには、前記クヌーセ
    ンセルの長手方向におけるケース軸心方向からの位置ず
    れを抑制するためにこれを支持する支持ロッドが出没可
    能に設けられることを特徴とする請求項1乃至3記載の
    分子線エピタキシャル成長装置のクヌーセンセルの交換
    治具。
  5. 【請求項5】 前記セルキャリア部材は、前記予備排気
    ケースの長手方向に沿って移動可能に設けた駆動マグネ
    ットにより移動されることを特徴とする請求項1乃至4
    記載の分子線エピタキシャル成長装置のクヌーセンセル
    の交換治具。
JP4845997A 1997-02-17 1997-02-17 分子線エピタキシャル成長装置のクヌーセンセルの交換治具 Pending JPH10226595A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11056722B2 (en) * 2018-02-08 2021-07-06 International Business Machines Corporation Tool and method of fabricating a self-aligned solid state thin film battery
US11158506B2 (en) 2018-02-08 2021-10-26 International Business Machines Corporation Self-aligned, over etched hard mask fabrication method and structure

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