JPH10226198A - 凹状刻印箔転写方法および装置 - Google Patents

凹状刻印箔転写方法および装置

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JPH10226198A
JPH10226198A JP9048481A JP4848197A JPH10226198A JP H10226198 A JPH10226198 A JP H10226198A JP 9048481 A JP9048481 A JP 9048481A JP 4848197 A JP4848197 A JP 4848197A JP H10226198 A JPH10226198 A JP H10226198A
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JP
Japan
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transfer
foil
film
concave
material layer
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JP9048481A
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English (en)
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Hiroyasu Hasegawa
博保 長谷川
Yoshika Nagayama
嘉香 永山
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SHOWA JOHO KIKI KK
Eneos Corp
Original Assignee
SHOWA JOHO KIKI KK
Nippon Mining Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量多種の箔押し印刷を可能とし、しかも市
販の箔熱転写フィルムを用いて簡便に、凹状刻印を行う
と同時に、箔を熱転写印刷することができる凹状刻印箔
転写方法および装置を提供すること。 【解決手段】 ベースフィルム30上に積層された箔を
含む転写材層40を少なくとも有する熱転写リボン28
を、転写材層40側が転写対象面10に向き合うように
配置し、熱転写リボン28のベースフィルム側に、加熱
可能な加熱用リボン18を、熱転写リボン28とは別に
配置し、加熱用リボン18側から、ワイヤドット方式プ
リンタの印字ワイヤ16の先端を、加熱用リボン18お
よび熱転写リボン28を間に介在させて、転写対象面1
0に押し付け、転写対象面10に、凹状刻印を行うと同
時に、凹状刻印により形成された凹部42内に転写材層
40を熱転写する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凹状刻印を行うと
同時に、箔を熱転写印刷することができる凹状刻印箔転
写方法および装置に係り、さらに詳しくは、少量多種の
箔押し印刷を可能とした凹状刻印箔転写方法および装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば金箔などの箔を、紙、木材、プ
ラスチックなどに所定形状に印刷する方法として、箔押
し印刷が知られている。箔押し印刷では、押し型を金属
加工により作成し、この押し型をホットスタンプ装置に
装着して押し型を加熱し、箔を含む熱転写フィルムを、
押し型と転写対象面との間に位置させた状態で、押し型
を転写対象面に押し付ける。その結果、転写対象面に
は、凹状の刻印が成されると同時に、箔が熱転写され
る。
【0003】ところが、この従来の方法では、大量の印
刷物に同一内容の箔押し印刷をする場合には適している
が、少量しか印刷しない場合には押し型の制作とセット
に時間とコストがかかるために、製造単価が増大すると
いう課題を有する。また、印刷内容を変更するために
は、押し型を作り直さなければならないという課題を有
する。
【0004】また、サーマルヘッドを有する感熱転写プ
リンターを利用することで、箔を転写する技術も知られ
ている。この方法によれば、押し型の制作が不要とな
り、少量多種の箔印刷が可能となる。
【0005】しかしながら、この方法では、転写面が平
坦面でなければ、良好に箔を印刷できないという課題
と、転写面に凹状刻印をすることができず、得られた印
刷面の品質が、押し型を利用した箔押し印刷に比較して
見劣りするという課題とを有する。また、印刷された箔
が擦られて消えやすいという課題も有する。
【0006】そのため、箔を印刷する方法としては、従
来からの押し型を用いた箔押し印刷が好ましく用いられ
る。しかし、少ない部数の印刷物の厚紙表紙部分に、凹
状刻印と同時に金箔などを印刷したいという要請は少な
からず存在し、そのような場合に、押し型を用いた箔押
し印刷を行うことは、作成までに時間がかかると共に、
一部の印刷物あたりのコストが増大し好ましくない。
【0007】そこで、特公平7−33113号公報や特
公平8−25287号公報に示すように、ワイヤドット
方式のプリンタを利用し、凹状刻印を行うと同時に箔を
印刷する技術が開発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された技術は、発熱層が一体形成された特殊な
箔熱転写フィルムを必要とし、市販の一般的な箔熱転写
フィルムを用いることができないという課題を有してい
る。また、通電加熱方式を用いているため印字ワイヤと
発熱層との間にスパークなどを発生させないようにする
ための工夫が必要となるという課題を有する。
【0009】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、少量多種の箔押し印刷を可能とし、しかも市販の箔
熱転写フィルムを用いて簡便しかも安価に、凹状刻印を
行うと同時に、箔を熱転写印刷することができる凹状刻
印箔転写方法および装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の観点に係る凹状刻印箔転写方法は、
転写対象面に、所定形状の凹状刻印を施すと共に、凹状
刻印により形成された凹部内に箔を転写する凹状刻印箔
転写方法において、ベースフィルム上に積層された箔を
含む転写材層を少なくとも有する箔熱転写フィルムを、
前記転写材層側が転写対象面に向き合うように配置し、
前記箔熱転写フィルムのベースフィルム側に、加熱可能
な加熱用フィルムを、前記箔熱転写フィルムとは別に配
置し、前記加熱用フィルム側から、ワイヤドット方式プ
リンタの印字ワイヤの先端を、前記加熱用フィルムおよ
び箔熱転写フィルムを間に介在させて、転写対象面に押
し付け、前記転写対象面に、凹状刻印を行うと同時に、
凹状刻印により形成された凹部内に転写材層を熱転写す
ることを特徴とする。
【0011】本発明の第1の観点に係る凹状刻印箔転写
装置は、軸方向に突出および後退可能に制御された複数
の印字ワイヤが配置された印字ヘッドと、前記印字ヘッ
ドと転写対象面との間に、ベースフィルム上に積層され
た箔を含む転写材層を少なくとも有する箔熱転写フィル
ムを、前記転写材層側が転写対象面に向き合うように配
置する転写フィルム保持手段と、前記箔熱転写フィルム
と印字ヘッドとの間に、加熱可能な加熱用フィルムを、
前記箔熱転写フィルムとは別に配置する加熱用フィルム
保持手段とを有することを特徴とする。
【0012】箔熱転写フィルムは、ベースフィルム上
に、たとえば剥離層、金属箔層および接着剤層が、この
順で積層された一般的な箔熱転写フィルムを好ましく用
いることができる。剥離層、金属箔層および接着剤層が
転写材層となる。ベースフィルムとしては、特に限定さ
れないが、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレンテレ
フタレートなどを用いることができる。接着剤層は、感
熱接着型の接着剤で構成され、転写材層を転写対象面に
接着させる作用を有する。
【0013】金属箔層は、特に限定されないが、単層ま
たは複層の金属箔層を有する。金属箔としては、金箔、
アルミニウム蒸着膜などが例示される。金属箔層を複層
で構成する場合には、着色層(顔料含有着色金属層でも
良い)の上にアルミニウムなどの蒸着膜を形成したもの
などを例示することができる。
【0014】剥離層は、金属箔層をベースフィルム上に
仮接着するものであり、金属箔層が接着剤層により転写
対象面に感熱接着された後には、ベースフィルムと金属
箔層とを剥離させる作用を有する。このような剥離層と
しては、一般的な剥離可能粘着剤を用いることができ
る。
【0015】本発明では、加熱用フィルムは、箔熱転写
フィルムとは別に準備され、たとえば加熱用電気抵抗層
を持つフィルムで構成される。このようなフィルムとし
ては、アルミニウム蒸着フィルムまたは導電粒子含有フ
ィルムなどの導電フィルム、または金属箔フィルムなど
を用いることができる。また加熱用リボンの他の形体と
しては、例えばカーボン繊維等の導電性素材を布状に編
み込んだものを利用することができる。加熱用フィルム
には、たとえば一対のローラ電極が接触され、印字ヘッ
ドの印字ワイヤが押圧される範囲で通電発熱可能になっ
ている。
【0016】前記箔熱転写フィルムおよび加熱用フィル
ムは、それぞれリボン状となっていることが好ましく、
これらをそれぞれ保持する手段としては、リボン保持ロ
ーラを持つリボン保持カセットであることが好ましい。
カセットを交換することにより、箔熱転写フィルムおよ
び加熱用フィルムの交換がそれぞれ容易となり、しかも
ローラからフィルムを送ることで、連続した転写が可能
となる。
【0017】本発明では、印字ヘッドとしては、ワイヤ
ドット方式の印字ヘッドであれば、特に限定されない。
たとえば印字ヘッドに装着される印字ワイヤのドット数
や、印字ワイヤの制御方法は、特に限定されない。印字
ワイヤの制御方式としては、たとえばマルチインパクト
ヘッドが1ドット毎にずれて印字する制御方式のシャト
ルインパクト制御方式も含まれる。印字ヘッドは、たと
えばパーソナルコンピュータなどにより制御され、どの
ような図形や文字でも印字可能になっている。
【0018】本発明では、転写対象面は、平坦面に限ら
ず、曲面などであっても良い。また、転写対象面の材質
は、特に限定されず、紙、木材、プラスチックなどを例
示することができる。
【0019】本発明の第2の観点に係る凹状刻印箔転写
方法は、転写対象面に、所定形状の凹状刻印を施すと共
に、凹状刻印により形成された凹部内に箔を転写する凹
状刻印箔転写方法において、ベースフィルム上に積層さ
れた箔を含む転写材層を少なくとも有する箔熱転写フィ
ルムを、前記転写材層側が転写対象面に向き合うように
配置し、前記ベースフィルム側から、ワイヤドット方式
プリンタの加熱された印字ワイヤの先端を、前記箔熱転
写フィルムを間に介在させて、転写対象面に押し付け、
前記転写対象面に、凹状刻印を行うと同時に、凹状刻印
により形成された凹部内に転写材層を熱転写することを
特徴とする。
【0020】本発明の第2の観点に係る凹状刻印箔加熱
装置は、軸方向に突出および後退可能に制御された複数
の印字ワイヤが配置された印字ヘッドと、前記印字ヘッ
ドと転写対象面との間に、ベースフィルム上に積層され
た箔を含む転写材層を少なくとも有する箔熱転写フィル
ムを、前記転写材層側が転写対象面に向き合うように配
置する転写フィルム保持手段と、前記印字ヘッドの印字
ワイヤを加熱するワイヤ加熱手段とを有することを特徴
とする。
【0021】ワイヤ加熱手段としては、特に限定されな
いが、たとえば次の手段が例示される。第1に、印字ヘ
ッド自体を用い、凹状刻印箔転写を行う前に、印字ワイ
ヤの空打ちを行い、印字ヘッドを発熱させ、その熱で印
字ワイヤを加熱する手段がある。第2に、印字ヘッドの
周囲にヒータなどを装着し、印字ワイヤを直接加熱する
手段がある。ヒータとしては、電熱ヒータや面状発熱体
などが例示される。この場合には、印字ヘッドのケーシ
ングなどを構成する部材は、耐熱性があり電気絶縁性が
あるもの、たとえばセラミックなどで構成することが好
ましい。第3に、温風などの加熱流体で印字ワイヤを加
熱する手段がある。これら以外の手段についても、本発
明において、除外されることはない。
【0022】なお、本発明では、前記第1の観点に係る
方法および装置と、第2の観点に係る方法および装置と
を組み合わせて用いることも可能である。すなわち、印
字ワイヤを直接加熱すると共に、加熱用フィルムを用い
るのである。その場合には、箔熱転写フィルムへの加熱
がより確実となる。また、各部での加熱に要する熱負担
を少なくすることができる。
【0023】
【作用】本発明の第1の観点に係る凹状刻印箔転写方法
および装置では、印字ヘッドを制御することにより、転
写すべき任意の文字や図形形状あるいはその一部形状に
対応して、複数の印字ワイヤを突出させることができ
る。突出された印字ワイヤの先端部は、加熱用フィルム
に当接し、これを箔熱転写フィルム方向に押圧する。
【0024】箔熱転写フィルムには、突出された印字ワ
イヤの複数ドット形状に対応して、加熱用フィルムがベ
ースフィルム側に当接し、加熱されると同時に、転写材
層側の接着剤層が、転写対象面に加圧される。印字ワイ
ヤの軸方向突出力は、転写対象面に凹部を形成するほど
に強いため、加熱用フィルムおよび箔熱転写フィルムの
上から転写対象面を印字ワイヤが打刻することにより、
転写対象面には、突出された印字ワイヤの先端形状(複
数ドット形状)に対応する凹部が形成される。
【0025】同時に、箔熱転写フィルムは、加熱用フィ
ルムにより加熱されている(たとえば80〜200°C
程度)ので、箔熱転写フィルム中の箔を含む転写材層
は、転写対象面に形成された凹部内に感熱接着する。そ
して、所定時間(転写フィルムの種類により変化する
が、一般には、0.2〜1秒)、印字ワイヤを突出させ
た状態を維持した後、印字ワイヤを後退移動させる。す
ると、転写対象面に形成された凹部内には、転写材層が
接着して残り、ベースフィルムのみが、その張力により
転写対象面から剥がれる。印字ワイヤの先端形状(複数
ドット形状)以外の部分に対応する箔熱転写フィルムの
部分は、ほとんど加熱されないため、転写対象面に転写
材層を残すことなく、転写対象面から剥がれる。
【0026】その結果、転写対象面には、印字ワイヤの
突出により所定形状の凹状刻印が行われると同時に、凹
状刻印により形成された凹部内に転写材層が熱転写され
る。転写材層には、たとえば金色などに光る金属箔が装
着してあることから、転写対象面の表面には、任意形状
の金属箔が埋め込まれた高品質の凹状刻印印刷が施され
る。金属箔は、感熱融着のりとともに凹部内に入り込ん
でいるので、擦っても容易には剥がれず、感熱転写プリ
ンターを用いた方法に比較して優れている。また、結果
として得られた印刷面に高級感が付与される。
【0027】また、本発明では、印字ヘッドから突出す
る印字ワイヤの突出パターンを変化させることで、転写
対象面に形成される箔付き凹状刻印の複数ドット形状
を、きわめて容易に変化させることができる。印字ワイ
ヤの突出パターンの変化は、印字ヘッドを制御するパー
ソナルコンピュータなどで容易に行うことができる。し
たがって、本発明によれば、少量多種の箔押し印刷が安
価、容易に可能となる。
【0028】また、転写対象面に対して印字ヘッドを相
対移動させ、次々と上述した動作を繰り返すことによ
り、比較的大きな図形や文字などの画像を、ドットの組
み合わせにより作成することができる。この点は、通常
のワイヤドット方式のプリンタと同じである。
【0029】さらに本発明では、箔熱転写フィルムと加
熱用フィルムとが別なので、箔熱転写フィルムとして
は、市販のものを用いることができるので、コスト低減
に寄与する。
【0030】さらにまた、本発明では、加熱用フィルム
が、印字ワイヤと箔熱転写フィルムとの間に介在される
ため、箔熱転写フィルムを保護することになり、その破
れを有効に防止し、印刷欠陥を防止することができる。
【0031】本発明の第2の観点に係る凹状刻印箔転写
方法および装置では、加熱用フィルムを用いないで印字
ヘッドの印字ワイヤを直接加熱する以外は、前記の本発
明の第1の観点に係る方法および装置と同様な作用を有
する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
【0033】図1は本発明の1実施形態に係る凹状刻印
箔転写装置の要部概略図、図2は印字ヘッドと加熱用リ
ボンと熱転写リボンと転写対象面との関係を示す要部断
面図、図3は転写処理された転写対象面の要部断面図、
図4は装置の全体構成を示す概略斜視図、図5は本発明
の他の実施形態に係る凹状刻印箔転写装置の要部概略図
である。
【0034】第1実施形態 図4に示すように、本実施形態に係る凹状刻印箔転写装
置2は、印字ヘッドユニット4を相互に垂直なX,Y,
Z軸方向に移動自在に保持するプリンタ6と、このプリ
ンタ6に接続されたパーソナルコンピュータ8とを有す
る。プリンタ6の上に、転写対象面10を有する被印刷
物12が載置される。印字ヘッドユニット4のX,Y,
Z軸方向移動は、パーソナルコンピュータ8により制御
される。
【0035】印字ヘッドユニット4は、図1に示すよう
に、ワイヤドット方式の印字ヘッド14を有する。印字
ヘッド14の先端部には、複数の印字ワイヤ16が各々
軸方向に突出および後退移動自在に装着してある。各印
字ワイヤ16は、たとえば電磁石により駆動され、その
駆動は、図4に示すパーソナルコンピュータ8により制
御される。この制御は、公知のワイヤドット方式の印字
ヘッドの印字制御と同様である。
【0036】本実施形態の印字ヘッドユニット4では、
印字ヘッド14の印字ワイヤ側先端部に、印字ワイヤ1
6が後退している状態で、所定間隔離れて、加熱用フィ
ルムとしての加熱用リボン18が配置される。加熱用リ
ボン18の両端には、送りロール20と巻き取りロール
22とが装着してあり、矢印A方向に順次使用済みのリ
ボン18を送ることが可能になっている。加熱用リボン
18は、ロール20,22と共に、カセット式に交換可
能になっている。
【0037】加熱用リボン18には、たとえば金属蒸着
膜などの加熱用電気抵抗層が形成してあり、ヘッド14
の先端部両側に位置する一対のローラ状電極24間で電
流を流すことにより、その部分が発熱し、たとえば80
〜200°C程度の温度に加熱されるようになってい
る。ローラ状電極24には、ヒータ用電源26から電力
が供給される。
【0038】この加熱用リボン18の反印字ヘッド側に
は、箔熱転写フィルムとしての箔押し用熱転写リボン2
8がリボン18と所定隙間で略平行に配置してある。こ
れらの隙間は、たとえば密着させても良く、あるいは
0.5mm〜5mm程度の隙間を設けても良い。熱転写リボ
ン28の両端には、送りロール30と巻き取りロール3
2とが装着してあり、矢印A方向に順次使用済みのリボ
ン28を送ることが可能になっている。熱転写リボン2
8は、ロール30,32と共に、カセット式に交換可能
になっている。ロール30,32とロール20,22
は、別々のカセットでも良いが、一体となっているカセ
ットでも良い。使用済みのリボン18とリボン28と
は、同一送り速度で送られることが好ましい。
【0039】熱転写リボン28は、図2に示すように、
ポリエステルフィルムなどから成るベースフィルム30
の上に転写材層40を積層してある市販の箔熱転写フィ
ルムを用いている。転写材層40は、ベースフィルム側
から順に、剥離層32と、着色層34と、蒸着金属箔層
36と、接着剤層38とを有する。
【0040】剥離層32は、転写材層40が転写対象面
に接着した部分でベースフィルム30から剥がれるよう
に成っている。蒸着金属箔層36は、たとえばアルミニ
ウム蒸着膜で構成され、着色層の下地となる。着色層3
4は、図3に示すように、転写対象面に転写された状態
で、転写対象面のもっとも表面側に位置する層であり、
無色あるいはその他の色に着色してある。着色層には願
料、染料などの着色剤が含まれている。
【0041】本実施形態に係る凹状刻印箔転写装置2の
使用方法を次に説明する。
【0042】図4に示すパーソナルコンピュータ8を操
作することにより、プリンタ6を動作させる。プリンタ
6では、パーソナルコンピュータ8からの制御信号に基
づき、印字ユニット4のX,Y,Z位置を制御する。次
に、パーソナルコンピュータ8からの制御信号に基づ
き、図2に示す印字ヘッド14を制御することにより、
転写すべき任意の文字や図形形状あるいはその一部形状
に対応して、複数の印字ワイヤ16を突出させる。突出
された印字ワイヤ16の先端部は、加熱用リボン18に
当接し、これを熱転写リボン28方向に押圧する。
【0043】熱転写リボン28には、突出された印字ワ
イヤ16の複数ドット形状に対応して、加熱用リボンが
ベースフィルム30側に当接し、それが加熱されると同
時に、転写材層40側の接着剤層38が、転写対象面1
0に加圧される。印字ワイヤ16の軸方向突出力は、転
写対象面10に凹部を形成するほどに強いため、加熱用
リボン18および熱転写リボンの上から転写対象面10
を印字ワイヤ16が打刻することにより、転写対象面1
0には、図3に示すように、突出された印字ワイヤ16
の先端形状(複数ドット形状)に対応する凹部42が形
成される。
【0044】同時に、熱転写リボン28は、加熱用リボ
ン18により加熱されている(たとえば80〜200°
C程度)ので、熱転写リボン28中の転写材層40は、
転写対象面10に形成された凹部42内に、接着剤層3
8の作用により感熱接着する。そして、所定時間(転写
リボン28の種類により変化するが、一般には、0.2
〜1秒)、印字ワイヤ16を突出させた状態を維持した
後、印字ワイヤ16を後退移動させる。すると、転写対
象面10に形成された凹部42内には、転写材層40が
接着して残り、ベースフィルム30のみが、その張力に
より転写対象面10から剥がれる。印字ワイヤ16の先
端形状(複数ドット形状)以外の部分に対応する熱転写
リボン28の部分は、印字ワイヤ16による圧接効果が
働かずほとんど加熱されないため、転写対象面10に転
写材層40を残すことなく、転写対象面10から剥がれ
る。
【0045】その結果、転写対象面10には、図3に示
すように、印字ワイヤ16の突出により所定形状の凹状
刻印が行われると同時に、凹状刻印により形成された凹
部42内に転写材層40が熱転写される。転写材層40
には、たとえば金色などに光る蒸着金属箔層36と着色
層34が装着してあることから、転写対象面10の表面
には、任意形状の着色層34が埋め込まれた高品質の凹
状刻印印刷が施される。着色層34は、凹部42内に入
り込んでいるので、擦っても容易には剥がれず、感熱転
写プリンターを用いた方法に比較して優れている。ま
た、結果として得られた印刷面に高級感が付与される。
【0046】また、本発明では、印字ヘッド14から突
出する印字ワイヤ16の突出パターンを変化させること
で、転写対象面10に形成される箔付き凹状刻印の複数
ドット形状を、きわめて容易に変化させることができ
る。印字ワイヤ16の突出パターンの変化は、印字ヘッ
ド14を制御するパーソナルコンピュータ8で容易に行
うことができる。したがって、本実施形態によれば、少
量多種の箔押し印刷が可能となる。
【0047】また、図4に示すように、転写対象面10
に対して、印字ヘッドユニット4を相対移動させ、次々
と上述した動作を繰り返すことにより、比較的大きな図
形や文字などの画像を、転写面10の表面に、ドットの
組み合わせにより作成することができる。この点は、通
常のワイヤドット方式のプリンタと同じである。
【0048】さらに本実施形態では、転写リボン28と
加熱用リボン18とが別なので、転写リボンとしては、
市販の箔熱転写フィルムを用いることができるので、コ
スト低減に寄与する。さらに、加熱用リボン18は、印
字ワイヤ16が転写リボン28を打刻する際の保護層と
なり、その破れなどを防止できる。
【0049】第2実施形態 本実施形態では、図5に示すように、前述した実施形態
で用いる加熱用リボンを用いないで、印字ヘッドユニッ
ト14aに装着された印字ヘッド4aの印字ワイヤ16
を直接加熱するように、印字ヘッド14aの先端部周囲
に、面状発熱体などで構成されたヒータ50を配置して
ある。ヒータ50は、電源26aにより電力が供給さ
れ、印字ヘッド14aの先端部周囲を所定温度に加熱す
るようになっている。本実施形態では、印字ヘッド14
aのケーシングは、耐熱性に優れたセラミックなどで構
成してある。その他の構成は、前記第1実施形態のもの
と同様である。
【0050】本実施形態に係る凹状刻印箔転写方法およ
び装置では、加熱用リボンを用いないで印字ヘッド14
aの印字ワイヤ16を直接加熱する以外は、前記実施形
態に係る方法および装置と同様な作用を有する。
【0051】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0052】たとえば、プリンタ6の全体構成は、図4
に示すものに限定されず、印字ヘッドユニット4をX,
Z軸方向にのみ移動させる機構を有するものでも良い。
その場合には、転写対象面10が形成された被印刷物1
2をY軸方向に送るための手段が別に装着してあること
が好ましい。
【0053】また、印字ヘッドユニット4は、同一プリ
ンタに複数個装着してあっても良い。さらに、プリンタ
の制御方法は特に限定されない。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、転写対象面には、印字ワイヤの突出により所定形状
の凹状刻印が行われると同時に、凹状刻印により形成さ
れた凹部内に転写材層が熱転写される。転写材層には、
たとえば金色などに光る金属箔が装着してあることか
ら、転写対象面の表面には、任意形状の金属箔が埋め込
まれた高品質の凹状刻印印刷が施される。金属箔は、凹
部内に入り込んでいるので、擦っても容易には剥がれ
ず、感熱転写プリンターを用いた方法に比較して優れて
いる。また、結果として得られた印刷面に高級感が付与
される。
【0055】また、本発明では、印字ヘッドから突出す
る印字ワイヤの突出パターンを変化させることで、転写
対象面に形成される箔付き凹状刻印の複数ドット形状
を、きわめて容易に変化させることができる。印字ワイ
ヤの突出パターンの変化は、印字ヘッドを制御するパー
ソナルコンピュータなどで容易に行うことができる。し
たがって、本発明によれば、少量多種の箔押し印刷が可
能となる。
【0056】また、転写対象面に対して印字ヘッドを相
対移動させ、次々と上述した動作を繰り返すことによ
り、比較的大きな図形や文字など画像を、ドットの組み
合わせにより作成することができる。この点は、通常の
ワイヤドット方式のプリンタと同じである。
【0057】さらに本発明では、箔熱転写フィルムと加
熱用フィルムとが別なので、箔熱転写フィルムとして
は、市販のものを用いることができるので、コスト低減
に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施形態に係る凹状刻印箔転
写装置の要部概略図である。
【図2】図2は印字ヘッドと加熱用リボンと熱転写リボ
ンと転写対象面との関係を示す要部断面図である。
【図3】図3は転写処理された転写対象面の要部断面図
である。
【図4】図4は装置の全体構成を示す概略斜視図であ
る。
【図5】図5は本発明の他の実施形態に係る凹状刻印箔
転写装置の要部概略図である。
【符号の説明】
2… 凹状刻印箔転写装置 4… 印字ヘッドユニット 6… プリンタ 8… パーソナルコンピュータ 10… 転写対象面 12… 被印刷物 14… 印字ヘッド 16… 印字ワイヤ 18… 加熱用リボン 24… ローラ状電極 28… 熱転写リボン 30… ベースフィルム 32… 剥離層 34… 蒸着金属箔層 36… 着色層 38… 接着剤層 40… 転写材層 42… 凹部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写対象面に、所定形状の凹状刻印を施
    すと共に、凹状刻印により形成された凹部内に箔を転写
    する凹状刻印箔転写方法において、 ベースフィルム上に積層された箔を含む転写材層を少な
    くとも有する箔熱転写フィルムを、前記転写材層側が転
    写対象面に向き合うように配置し、 前記箔熱転写フィルムのベースフィルム側に、加熱可能
    な加熱用フィルムを、前記箔熱転写フィルムとは別に配
    置し、 前記加熱用フィルム側から、ワイヤドット方式プリンタ
    の印字ワイヤの先端を、前記加熱用フィルムおよび箔熱
    転写フィルムを間に介在させて、転写対象面に押し付
    け、 前記転写対象面に、凹状刻印を行うと同時に、凹状刻印
    により形成された凹部内に転写材層を熱転写する凹状刻
    印箔転写方法。
  2. 【請求項2】 転写対象面に、所定形状の凹状刻印を施
    すと共に、凹状刻印により形成された凹部内に箔を転写
    する凹状刻印箔転写方法において、 ベースフィルム上に積層された箔を含む転写材層を少な
    くとも有する箔熱転写フィルムを、前記転写材層側が転
    写対象面に向き合うように配置し、 前記ベースフィルム側から、ワイヤドット方式プリンタ
    の加熱された印字ワイヤの先端を、前記箔熱転写フィル
    ムを間に介在させて、転写対象面に押し付け、 前記転写対象面に、凹状刻印を行うと同時に、凹状刻印
    により形成された凹部内に転写材層を熱転写する凹状刻
    印箔転写方法。
  3. 【請求項3】 軸方向に突出および後退可能に制御され
    た複数の印字ワイヤが配置された印字ヘッドと、 前記印字ヘッドと転写対象面との間に、ベースフィルム
    上に積層された箔を含む転写材層を少なくとも有する箔
    熱転写フィルムを、前記転写材層側が転写対象面に向き
    合うように配置する転写フィルム保持手段と、 前記箔熱転写フィルムと印字ヘッドとの間に、加熱可能
    な加熱用フィルムを、前記箔熱転写フィルムとは別に配
    置する加熱用フィルム保持手段とを有する凹状刻印箔転
    写装置。
  4. 【請求項4】 軸方向に突出および後退可能に制御され
    た複数の印字ワイヤが配置された印字ヘッドと、 前記印字ヘッドと転写対象面との間に、ベースフィルム
    上に積層された箔を含む転写材層を少なくとも有する箔
    熱転写フィルムを、前記転写材層側が転写対象面に向き
    合うように配置する転写フィルム保持手段と、 前記印字ヘッドの印字ワイヤを加熱するワイヤ加熱手段
    とを有する凹状刻印箔転写装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007008133A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Roland Dg Corp 打刻機
JP2010018012A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Toyota Boshoku Corp エンボスシート及びその製造方法

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JP2007008133A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Roland Dg Corp 打刻機
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