JPH10225761A - 局部厚肉化金属条材及びその製造方法 - Google Patents

局部厚肉化金属条材及びその製造方法

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JPH10225761A
JPH10225761A JP9044817A JP4481797A JPH10225761A JP H10225761 A JPH10225761 A JP H10225761A JP 9044817 A JP9044817 A JP 9044817A JP 4481797 A JP4481797 A JP 4481797A JP H10225761 A JPH10225761 A JP H10225761A
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Yoichi Matsubara
洋一 松原
Akira Fukuda
章 福田
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Daiwa House Industry Co Ltd
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Daiwa House Industry Co Ltd
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物の柱材等の構造材として使用するのに
好適な且つ他の部材を強固に接合可能な厚肉部を有する
金属条材を提供する。 【解決手段】 本体金属条材2の長手方向の所望領域の
表面に、本体金属条材と同系統の材質の金属の溶湯を注
型し凝固させて、本体金属条材2の表面に所望厚さの肉
盛層3Aを形成し、局部厚肉化金属条材1Aとする。こ
の肉盛層3Aを設けた領域は厚さが大きく、梁等の他の
部材の接合に必要な強度、厚さを有するため、補強部材
を設けることなく他の部材を接合することができ、構造
材として使用した時の施工の簡略化、迅速化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長手方向の一部領
域を厚肉とした局部厚肉化金属条材及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種断面形状の金属条材が各
種の構造材として広く使用されており、H形鋼、I形
鋼、細長い板状鋼材等の断面が閉じていない形状の金属
条材も広く使用されている。このような金属条材を柱材
として用い、その柱材に梁材をボトル接合、溶接接合等
によって接合する場合、その柱材の梁接合部に施工現場
において補強板等の補強部材を取り付けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属条
材に対して補強部材を設けることは面倒な作業を必要と
し、施工期間の延長、コストアップ等の原因となってい
た。
【0004】本発明は、かかる問題点に鑑みて為された
もので、断面が閉じていない形状の金属条材の長手方向
の少なくとも一部の領域に厚肉化した部分を設け、その
位置を、例えば梁接合部とすることで、従来用いていた
補強部材を不要とし、簡単な作業によって梁材を強固に
接合可能な局部厚肉化金属条材を提供することを目的と
する。また、本発明はその局部厚肉化金属条材を製造す
る方法を提供することも目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、長手方向の厚さが一定で、断面が閉じてい
ない形状の本体金属条材の、表面の一部領域に、本体金
属条材と同系統の材質の金属の溶湯を注型して凝固させ
た肉盛層を形成して局部厚肉化金属条材としたものであ
る。
【0006】この構成の局部厚肉化金属条材は、本体金
属条材と同系統の材質の金属からなる肉盛層が本体金属
条材に対して強固に接合した厚肉部を形成しているの
で、この厚肉部は肉厚及び強度が大きく、梁材等の他の
部材の接合に好適であり、従って、この局部厚肉化金属
条材は建築物の柱材として好適に使用される。すなわ
ち、この局部厚肉化金属条材を建築物の柱材として使用
すると、その肉盛層を形成した領域に、直接梁材を溶接
或いはボルト止め等によって接合することで、強固な
柱、梁接合構造を形成でき、柱材に対する梁材の接合作
業をきわめて簡略化することが可能となる。また、肉盛
層は本体金属条材の任意の位置に形成可能であるので、
本体金属条材を複数階にわたる通し柱として使用可能な
長さとし、各階の梁取付位置に対応する位置に肉盛層を
形成しておくことで、本発明の局部厚肉化金属条材を通
し柱として使用することもできる。
【0007】本発明に使用する本体金属条材は、断面が
閉じていない形状、すなわち管体等の中空断面形状を含
まない形状の条材であり、例えば、H形鋼、I形鋼、L
形鋼、C形鋼等であり、更には、細長い板状の鋼材、棒
鋼等も含むものである。また、材質は鋼に限らず、他の
金属材料でもよい。本体金属条材に形成する肉盛層の形
成位置は、用途上の必要な領域を適宜設定すればよく、
例えば、その局部厚肉化金属条材を建築物の柱材として
使用する時には梁材を接合すべき位置となるように設定
すればよい。また、その長さとしては、梁材を接合可能
な長さで且つ極力短い長さに設定するもので、例えば、
梁材を接合した領域の上下に若干の余裕(10〜150
mm程度)が形成されるような長さに設定すればよい。
具体的には、H形鋼等の梁材の高さ方向の寸法(梁成)
は一般に、300〜900mm程度であるので、肉盛層
の長さは、320〜1200mm程度とすればよい。肉
盛層の厚さは、本体金属条材の補強として必要な厚さ、
強度を確保しうるように定めるものであり、通常、各種
形状の形鋼や板状鋼材に対しては、本体金属条材の厚さ
の0.5〜5.0倍とすることが好ましい。この厚さが
0.5倍よりも小さいと補強効果が小さくて梁等の他の
部材の接合に適切でなく、一方、5.0倍を越えると強
度は増すものの、他の部材に対する接合部として使用す
るにはそれ以上の強度補強を行う意味がなく、しかも製
造コストは余分にかかるため好ましくない。このため、
肉盛層の厚さと本体金属条材の厚さの比を0.5〜5.
0の範囲に設定することが好ましい。
【0008】また、本発明は上記した局部厚肉化金属条
材の製造方法も提供する。本発明の一つの製造方法は、
本体金属条材の表面の肉盛すべき個所にフラックスを塗
布し、前記本体金属条材を鉛直とした状態で、該本体金
属条材の表面に形成する肉盛層の外面に相当する成形面
を備え且つ上部に誘導加熱用の誘導コイルを有し、下部
に冷却媒体の通路を設けた鋳型を前記本体金属条材に対
向配置し、該本体金属条材を前記鋳型に対して下向きに
且つ本体金属条材の長手方向に相対移動させて行くと共
に、前記本体金属条材と鋳型との間隙に、肉盛しようと
する金属の溶湯を注いで行き、前記誘導コイルによる温
度保持と前記鋳型による冷却、凝固とを経て前記肉盛層
を形成させて行くことを特徴とし、この方法により、本
体金属条材の任意の領域に良好な品質の肉盛層を効率良
く形成できる。
【0009】また、本発明の他の製造方法は、本体金属
条材の表面の肉盛すべき個所にフラックスを塗布し、前
記本体金属条材の肉盛層を形成すべき個所に対して、肉
盛層を形成するためのキャビティを備え且つ誘導加熱用
の誘導コイルを有する鋳型を対向配置し、前記本体金属
条材と鋳型との間のキャビティに、肉盛しようとする金
属の溶湯を、前記誘導コイルによって温度保持した状態
で注ぎ、肉盛層形成に必要な量の溶湯を注いだ後、冷
却、凝固させ、肉盛層を形成することを特徴とし、この
方法によっても、本体金属条材の任意の領域に良好な品
質の肉盛層を効率良く形成できる。なお、この方法の実
施に当たって、本体金属条材は鉛直状態としてもよい
し、水平状態としてもよい。
【0010】ここで、上記した方法によって肉盛層を形
成させた後、該肉盛層を900〜1100°Cに加熱す
る熱処理を行うことが好ましい。この熱処理を行うと、
肉盛操作時に生じたチルド組織を改善して機械的性質を
向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1〜図3はそれぞれ、本体金属
条材として、細長い板状鋼材を用いた場合の実施例によ
る局部厚肉化金属条材(以下単に金属条材という)を示
すもので、(a)は一部の概略正面図、(b)はその金
属条材の厚肉化部分の概略断面図である。図1に示す金
属条材1Aは、細長い板状鋼材からなる本体金属条材2
の長手方向の一部領域の全周の表面に、肉盛層3Aを形
成したものである。図2に示す金属条材1Bは、本体金
属条材2の長手方向の一部領域の全周のうち、端縁を除
いた表裏の両表面に、肉盛層3Bを形成したものであ
る。図3に示す金属条材1Cは、本体金属条材2の長手
方向の一部領域の表裏の一方の表面に、肉盛層3Cを形
成したものである。これらの肉盛層3A、3B、3Cは
いずれも、本体金属条材2と同系統の材質の金属の溶湯
を注型して凝固させて形成したものであり、本体金属条
材2に対して強固に接合して一体化している。なお、具
体的な肉盛方法は後述する。
【0012】図4〜図7はそれそれ、本体金属条材とし
て、H形鋼を用いた場合の実施例による局部厚肉化金属
条材を示すもので、(a)は一部の概略正面図、(b)
はその金属条材の厚肉化部分の概略断面図である。図4
に示す金属条材11Aは、H形鋼からなる本体金属条材
12の長手方向の一部領域の全周の表面に、肉盛層13
Aを形成したものである。図5に示す金属条材11B
は、本体金属条材12の長手方向の一部領域の全周のう
ち、フランジ部12aの端縁を除いた表裏の両表面に、
肉盛層13Bを形成したものである。図6に示す金属条
材11Cは、本体金属条材12の長手方向の一部領域の
全周のうち、フランジ部12aの内側の表面のみに、肉
盛層13Cを形成したものである。図7に示す金属条材
11Dは、本体金属条材12の長手方向の一部領域の全
周のうち、ウェブ部12bの両側の表面のみに、肉盛層
13Dを形成したものである。これられの肉盛層13
A、13B、13C、13Dはいずれも、本体金属条材
12と同系統の材質の金属の溶湯を注型して凝固させて
形成したものであり、本体金属条材12に対して強固に
接合して一体化している。なお、具体的な肉盛方法は後
述する。
【0013】図1〜図7に示す上記実施例において、本
体金属条材2に対する肉盛層3A、3B、3Cの形成位
置、幅、長さ等、或いは本体金属条材12に対する肉盛
層13A、13B、13C、13Dの形成位置、幅、長
さ等は、金属条材の使用目的、使用場所等に応じて適宜
定めればよく、例えば、これらの金属条材を建築物の柱
材として使用する場合、その柱材に対して、梁材等の他
の部材を連結する位置に、その連結に必要な大きさに肉
盛層を形成すればよい。更に具体的には、これらの肉盛
層を梁接合部を形成するために設ける場合には、肉盛層
の条材長手方向の長さとしては、梁材を接合可能な長さ
で且つ極力短い長さに設定するもので、例えば、梁材を
接合した領域の上下に若干の余裕(10〜150mm程
度)が形成されるような長さに設定すればよい。一般
に、H形鋼等の梁材の高さ方向の寸法(梁成)は、30
0〜900mm程度であるので、肉盛層の長さは、32
0〜1200mm程度とすればよい。また、肉盛層3
A、3B、3C、13A、13B、13C、13Dの厚
さは、その肉盛層を形成した領域の全体の厚さが、梁接
合等に必要な強度を確保できるような厚さとなるように
定めればよい。具体的には、これらの肉盛層の厚さ(本
体金属条材の両面に肉盛層を形成する場合には、両面の
肉盛層の厚さの合計)をt1 、本体金属条材2の厚さを
0 とすると、両者の比(=t1 /t0 )が、0.5〜
5.0程度に設定することが好ましい。その理由は、肉
盛層の厚さt1 が、本体金属条材の厚さの0.5倍より
も小さいと補強効果が小さすぎ、また、5.0倍を越え
ると強度は増すものの、それ以上の強度増強にはあまり
意味がなく、一方製造コストは余分にかかるためであ
る。
【0014】肉盛層3A、3B、3C、13A、13
B、13C、13Dの条材長手方向の両端は、通常は、
ばりを取り除く程度の処置を施し、本体金属条材の軸線
に対して直角な端面のままとしておいてよいが、必要に
応じ、肉盛層の端面を傾斜させる等の変更を加えてもよ
い。すなわち、肉盛層3Aを例にとって説明すると、図
8(a)に示すように肉盛層3Aの本体金属条材2との
接合部に、追加肉盛等により直線状或いは円弧状の小さ
い傾斜面4aを形成するとか、図8(b)に示すように
肉盛層3Aの端面全体を傾斜面4bとする等の変更を加
えてもよい。このような傾斜面4a、4bを形成してお
くと、急激な肉厚変化がなくなり、応力集中を生じにく
い利点が得られる。ここで、傾斜面4a、4bの本体金
属条材2の軸線に対する傾斜角としては5〜45°に設
定することが好ましく、更には、5〜30°とすること
が好ましい。
【0015】上記実施例の金属条材1A、1B、1C、
11A、11B、11C、11Dは、通常の金属条材と
同様に建築物等の構造材として使用される。なお、板状
の金属条材1A、1B、1Cは、そのままの形で用いら
れる他、角柱状に溶接等によって組み立てられ、角柱と
して用いられることもある。このように上記実施例の金
属条材を構造材として使用した際、肉盛層を設けた領域
が、梁材等の他の部材に対する接合部として使用され
る。その場合、肉盛層を設けた領域は、肉盛層によって
厚肉となっていて、十分な強度を備えているため、単に
この領域に梁材等の他の部材を直接接合することで必要
な強度で柱と梁を接合することができる。また、肉盛層
を設けた領域は、肉盛層によって全体の肉厚が大きくな
っているので、その領域に直接ねじ孔を形成し、必要な
強度でボルト等を固定することが可能である。このた
め、本実施例の金属条材は、従来の金属条材を用いる場
合のように、現場で補強部材を取り付けるという作業が
不要となり、従って、現場での組み立て作業が簡素化さ
れ、また、使用するボルト本数も少なくなり、ボルト締
め工数も削減でき、これらにより工期も短縮でき、コス
ト低減が図れる。
【0016】なお、図1〜図7に示す上記実施例では、
本体金属条材2、12の長手方向の一部領域の表面の、
各図に示す特定の場所に肉盛層を形成しているが、この
肉盛層の形成場所は必要に応じ、種々変更可能である。
また、肉盛層を形成する領域は、1本の本体金属条材に
対して1ヶ所に限るものではなく、長手方向に離れた複
数箇所としてもよい。更に、上記実施例では本体金属条
材として、平板状のものとH形鋼を用いる場合を示した
が、本発明はこの場合に限らず、他の断面形状の金属条
材を用いてもよい。例えば、図9は、丸棒からなる本体
金属条材22の長手方向の一部領域の外周面に肉盛層2
3を形成した実施例を示している。この場合にも、肉盛
層23による補強が行われており、その肉盛層23の形
成領域を他の部材に対する接合部として好適に使用でき
る。
【0017】次に、本発明の局部厚肉化金属条材の製造
方法の実施の形態を、図1に示す金属条材1Aを製造す
る場合を例にとって説明する。図10、図11は、本発
明方法に用いる局部厚肉化装置を示す概略断面図であ
り、それぞれ異なる作動状態で示している。図12は図
11のA−A矢視断面図である。2は細長い板状鋼材で
ある本体金属条材であり、図示しない支持装置によって
鉛直に配向させて保持され、且つ間欠的に下方へ移動さ
せられるようになっている。31は、本体金属条材2に
形成する肉盛層3Aの外面に相当する成形面を備えた鋳
型であり、その成形面が鉛直に配向された本体金属条材
2の外面を包囲するように、且つ本体金属条材2との間
に均等な間隙を形成するように配置されている。この鋳
型31は、上部に位置する加熱鋳型部31aと、その下
部に位置する冷却鋳型部31bを有している。加熱鋳型
部31aには、誘導加熱用の誘導コイル33が設けられ
ている。一方、冷却鋳型部31bには冷却媒体用の通路
34が形成されており、その通路34には調整バルブを
介して冷却媒体として冷却水が供給され、且つその調整
バルブにより水供給量を調整して冷却効果を調整可能と
なっている。35は、鋳型31の上方に配置された誘導
コイルであり、本体金属条材22の外周面を予熱するた
めのものである。これらの鋳型31及び誘導コイル3
3、35等は図示した位置に固定して配置されている。
【0018】次に、上記構成の局部厚肉化装置による肉
盛動作を説明する。まず、本体金属条材2の肉盛層を形
成すべき領域の下端に、肉盛厚さとほぼ等しい幅の受板
40を溶接固定し、次いで、本体金属条材2の肉盛層を
形成すべき個所に酸化防止用のフラックスを塗布する。
次いで、その本体金属条材2を上方から降下させて、誘
導コイル35及び鋳型31の中心に通して行き、肉盛層
を形成すべき領域の表面の表層を下端側から誘導コイル
35で約600°C程度に予熱してゆく。そして、この
本体金属条材2の降下に伴って、受板40が降下し、図
10に示すように、加熱鋳型部31aのほぼ下端位置に
達した時点で、一旦、本体金属条材2の降下を停止さ
せ、別途用意している肉盛用の金属即ち本体金属条材と
同系統の材質の金属の溶湯42を、鋳型31と本体金属
条材2との間隙に注湯する。
【0019】本体金属条材2と鋳型31との間隙に注湯
された溶湯42は、誘導コイル33により誘導加熱され
て溶湯状態に保持され、且つ本体金属条材2の表層も誘
導コイル33及び溶湯によって加熱されて溶融し、溶湯
と融合する。同時に溶湯42には対流現象を生じて溶湯
内のスラグその他の不純物を表面に浮上させ、且つガス
が発生した場合にはそのガスを上方に排出させる。
【0020】溶湯を注湯した後、本体金属条材2を少し
降下させ、再度、溶湯を注湯するという動作を繰り返
す。すなわち、本体金属条材2を順次降下させると共
に、本体金属条材2と鋳型31との間隙に溶湯を順次注
いで行く。この動作によって本体金属条材2が降下する
に連れて、溶湯42の下部が加熱鋳型部31aの下端を
越えて下方に移動し、冷却鋳型部31bの位置に移動し
てゆき、図11に示すように、まず、溶湯42は冷却鋳
型31によって冷却され、半溶融状態の溶湯43とな
り、更に下降した時点で十分冷却されて凝固し、本体金
属条材2の表面に良好に接着した肉盛層3Aを形成して
ゆく。ここで、本体金属条材2の下降速度と冷却鋳型部
31bによる冷却速度を適当に調整することにより、鋳
型31と本体金属条材2との間に、溶融状態の溶湯42
の領域と、半溶融状態の溶湯43の領域と、凝固した領
域(即ち肉盛層3A)とを安定して形成し且つ保持する
ことができ、この状態で肉盛層3Aが順次形成されて行
く。本体金属条材2の肉盛層を形成すべき領域の上端が
加熱鋳型部31aの上端位置よりも少し下まで下降し、
その領域まで注湯を行った後は、注湯を行うことなく、
本体金属条材2を順次降下させる。これにより、注湯し
た溶湯が冷却、固化され、本体金属条材2の所定の領域
に肉盛層3Aが形成される。
【0021】このように本実施例の方法では本体金属条
材2と鋳型31との間隙に、順次注湯しながら、本体金
属条材2を下降させ、溶湯を順次冷却固化させて肉盛層
3Aを形成して行くので、本体金属条材2と肉盛層3A
との接合を確実とすることができると共に、凝固してい
る部分への溶湯の供給が確実となり、内部に空洞や不純
物の集まりの無い且つひび割れの無い良好な品質の肉盛
層を効率良く形成することができる。また、本体金属条
材2の長手方向の所望の領域に肉盛層3Aを形成でき
る。本体金属条材2の外周面に肉盛層3Aを形成した後
は、この金属条材を取り外す。以上の操作によって、図
1に示す金属条材1Aが製造される。
【0022】なお、以上の動作中において、本体金属条
材2の両面に溶湯42が供給されるので、本体金属条材
2が溶湯42によって両面から加熱され、肉厚の薄い場
合には本体金属条材2の表層のみならず中心部まで溶融
する恐れが生じる。このような恐れが生じる場合には、
溶湯42の注入量を少なくして本体金属条材2の過熱を
抑制するとか、予熱用の誘導コイル35を加熱鋳型部3
1aに極力近づけると共に高い周波数を使用することに
より本体金属条材2の表層のみを急速加熱し、表層のみ
が敏速に溶融して溶湯42と直ちに融合するように構成
することが有効である。また、溶湯42による本体金属
条材2の溶融量が多くなると、本体金属条材2の強度が
低下し、鋳型31内及びその上下に位置する本体金属条
材2の位置が不安定になる恐れが生じる。その場合に
は、鋳型31の上下で本体金属条材2を適当な手段(ク
ランプ、ローラ等)で拘束し、位置を規制する構成とす
ればよい。
【0023】上記した方法で形成した肉盛層3Aの端面
と本体金属条材2とのコーナー部には、図8(a)に示
すような小さい傾斜面4aを形成することも可能であ
り、その場合には、コーナー部に隅肉状に追加肉盛を行
えばよい。また、肉盛層3Aの端面全体に図8(b)に
示すような傾斜面4bを形成することも可能であり、そ
の場合には、肉盛層3Aの端面をグラインダー等によっ
て傾斜面に研削するとか、下端部については受板40の
形状を調整して傾斜面を形成すればよい。
【0024】上記実施例では、予熱用の誘導コイル35
及び鋳型31を定位置に配置し、本体金属条材2を下方
に移動させる構成としたが、本発明はこの構成に限ら
ず、本体金属条材2を鉛直に配向させた状態で定位置に
保持し、誘導コイル35及び鋳型31を上方に移動させ
ることで、本体金属条材2が誘導コイル35及び鋳型3
1に対して下方に相対移動する構成とすることも可能で
ある。また、上記実施例では、本体金属条材2を順次降
下させ且つ溶湯の注湯を順次行っており、従って、本体
金属条材2の下降及び注湯を間欠的に実施しているが、
連続的な注湯が可能な場合には、本体金属条材2の降下
及び注湯を連続的に行う構成としてもよい。
【0025】図10〜図12に示す実施例では、本体金
属条材2の全周に肉盛層3Aを形成する場合を説明した
が、鋳型31の形状を替えることによって肉盛層の配置
仕様を適宜変更することが可能である。例えば、図13
は、図3に示す本体金属条材2の片面のみに肉盛層3C
を形成した金属条材1Cを製造する場合に用いる鋳型3
1Aを示すものである。この実施例の鋳型31Aは、本
体金属条材2の幅に等しい幅の矩形状の空隙46を備え
ており、その空隙46内に本体金属条材2を、その本体
金属条材2が空隙46の内面に接触するように通し、残
りの空隙46内に溶湯を注入することで、本体金属条材
2の片面のみに肉盛層を形成することができる。この場
合には、本体金属条材2の溶湯注入側とは反対側が冷却
されるため、本体金属条材2の溶湯による過熱が生じに
くく、薄肉の本体金属条材2に対しても良好に肉盛を行
うことができる。なお、本体金属条材2の片面のみに肉
盛層を形成する場合には、冷却時に熱歪みを生じ、金属
条材に湾曲が生じやすい。これを避けるため、鋳型31
Aの上下位置で本体金属条材を平坦に保つよう、適当な
手段で(例えば、ローラではさみ付ける等によって)拘
束することが好ましい。
【0026】図14、図15は、図3に示す本体金属条
材2の片面のみに肉盛層3Cを形成した金属条材1Cを
製造する場合の変形例を示すものである。この実施例で
は、鋳型31Bが、2枚の金属条材1C(図3参照)を
通過させる大きさの空隙47を有しており、その空隙4
7内に2枚の本体金属条材2を、それぞれが空隙47の
向かい合った内面に接触するように通し、且つ中央にセ
パレータ48を配置し、残りの空隙47内に溶湯を注入
することで、本体金属条材2の片面のみに肉盛層を形成
することができる。ここで使用するセパレータ48とし
ては、例えば、黒鉛板にアルミナ、マグネシア等のペー
ストを塗布したものが使用される。この実施例によれ
ば、2枚の金属条材を同時に製造できる利点が得られ
る。なお、鋳型31Bに対して2枚の本体金属条材2
を、背中合せにして且つ空隙47の中央に通し、その両
側に溶湯を注入することによっても、本体金属条材2の
片面のみに肉盛層を形成することができる。ただし、こ
の場合には、背中合せにした2枚の本体金属条材2の両
側に溶湯が存在するため、本体金属条材2の冷却が悪
く、溶湯によって過熱される恐れがあるので、肉厚の厚
い本体金属条材に対して適用することが好ましい。
【0027】以上の方法は、本体金属条材2を鋳型3
1、31A、31Bに対して相対的に移動させながら肉
盛を行う方法であるが、大きい鋳型を使用することによ
り一度の注湯で所望長さの肉盛層を形成することも可能
である。図16はその場合の肉盛方法を行う状態を示す
概略断面図である。図16において、51は、本体金属
条材2の外周全面に肉盛層3A(図1参照)を形成する
ための鋳型であり、本体金属条材2の外周に取り付けた
時に、本体金属条材2との間に肉盛層を形成するための
キャビティ52を有している。53は鋳型51の外周に
設けられた誘導コイルである。
【0028】次に、この鋳型51を用いた肉盛方法を説
明する。まず、本体金属条材2の肉盛層を形成すべき個
所に酸化防止用のフラックスを塗布する。次いで、その
本体金属条材2を鉛直状態とし、且つその肉盛すべき個
所の外周に鋳型51を対向配置する。その後、誘導コイ
ル53によって本体金属条材2の肉盛層を形成すべき領
域の外周面を約600°C程度に予熱し、次いで、別途
用意している肉盛用の金属即ち本体金属条材と同系統の
材質の金属の溶湯54を、鋳型51と本体金属条材2と
の間のキャビティ52に注湯する。この注湯中、誘導コ
イル53は加熱を継続し、注湯された溶湯を溶融状態に
保持している。このため、キャビティ52内に注湯され
た溶湯54は溶湯状態に保持され、且つ本体金属条材2
の表面も誘導コイル53及び溶湯によって加熱され、溶
湯と融合する。また、この時、溶湯54には対流現象を
生じており、溶湯内のスラグその他の不純物を表面に浮
上させ、且つガスが発生した場合にはそのガスを上方に
排出させる。なお、図中55は表面に生じたスラグ層で
ある。
【0029】本体金属条材2と鋳型51との間のキャビ
ティ52に所定の肉盛層を形成するのに必要な量の溶湯
54を供給し且つ対流によって溶湯54内のスラグその
他の不純物を表面に浮上させた後、加熱を停止し、鋳型
51を冷却する。これにより、溶湯54が冷却、固化
し、本体金属条材2の所定の領域の外周面に強固に固着
した肉盛層3Aが形成される。その後、鋳型51を外
し、且つスラグ層55を除去することで、図1に示す金
属条材1Aが形成される。この方法においても、本体金
属条材2に良好に接合した、且つ不純物やひび割れのな
い良好な品質の肉盛層が形成される。なお、この場合に
は、本体金属条材2の全周に溶湯が注入され、本体金属
条材2が全周から加熱され、冷却されないため、本体金
属条材2の肉厚が肉盛層の厚さに比べて薄い場合には、
本体金属条材2が過熱され、かなりの部分が溶融してし
まうことがある。このような溶融が生じても支障なく肉
盛操作を行うためには、本体金属条材2の鋳型51の上
下の部分をそれぞれ適当な手段で固定しておけばよい。
また、このような過熱を防止したい場合には、肉盛層の
厚さを本体金属条材2の肉厚に比べて薄くしておけばよ
く、厚い肉盛層を形成したい場合には肉盛操作を複数回
に分けて実施すればよい。
【0030】なお、図16の実施例では、本体金属条材
2を鉛直状態として肉盛を行っているが、本体金属条材
を水平状態として肉盛を行うように変更してもよい。ま
た、鋳型の形状を変えることにより、本体金属条材2に
対する肉盛層の配置仕様、厚さ等は適宜変更可能であ
る。
【0031】以上に、平板状の本体金属条材2に対して
肉盛を行う方法を説明したが、使用する鋳型の形状を変
更することで、他の断面形状の本体金属条材に対する肉
盛を行うことも可能である。図17は、図4に示す、H
形鋼からなる本体金属条材12の長手方向の一部領域の
全周の表面に、肉盛層13Aを形成した金属条材11A
を製造するための装置を示すものである。この装置は、
図10、図11に示す装置における鋳型31に代えて、
H形の空隙62を形成する鋳型31Cを用いており、ま
た、その外周に沿った形状の誘導コイル33Cを備えて
いる。この鋳型31Cの垂直断面形状は、図10、図1
1に示す鋳型31と同様である。図17に示す鋳型31
Cを用いることにより、H形鋼からなる本体金属条材1
2の全周の表面に、肉盛層を形成することができる。
【0032】図18は、H形断面の本体金属条材12の
フランジ部12aの内側のみに、溶湯注入用の空隙63
を形成する形状の鋳型31Dを設け、フランジ部12a
の外側に誘導コイル33Dを配置している。この装置に
よれば、図6に示すように、H形鋼からなる本体金属条
材12のフランジ部12aの内側のみに、肉盛層13C
を形成した金属条材11Cを製造することができる。な
お、この実施例では、鋳型31Dが各フランジ部12a
の先端部に接触して、フランジ部12aの先端位置を規
制しており、これにより、フランジ部12aの内面に形
成する肉盛層が冷却する時に生じる恐れのあるフランジ
部12aの内方への撓みを防止することができる。
【0033】以上に、溶湯を注型、凝固させて肉盛層を
形成することにより、局部厚肉化金属条材を製造する方
法をいくつか説明した。ところで、これらの方法によっ
て形成した肉盛層にはチルド組織が生じており、耐衝撃
性が悪い。そこで、必要に応じ、肉盛層を900〜11
00°Cに加熱して熱処理し、機械的性質を改善するこ
とが推奨される。肉盛層の熱処理のための加熱を行う方
法としては、肉盛層の全長に渡る長さの誘導コイルを配
置し、肉盛層全体を同時に加熱、昇温させる方法、狭い
幅の誘導コイルを配置し、それを肉盛層に沿って相対的
に移動させることによって、肉盛層の全体を加熱する方
法等を挙げることができる。また、肉盛層形成によって
局部厚肉化金属条材に熱歪みが生じている場合には、熱
処理時に形状矯正を行うことが推奨される。
【0034】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の局部厚
肉化金属条材は、本体金属条材の表面の少なくとも一部
領域に、本体金属条材と同系統の材質の金属の溶湯を注
型して凝固させた肉盛層を形成したものであるので、こ
の肉盛層形成部分は厚肉化され且つ高強度となってお
り、従ってこの部分を他の部材に対する溶接接合、ボル
ト接合等の接合部として使用でき、このため、本発明の
局部厚肉化金属条材は構造材として使用する場合、組み
立て作業をきわめて容易とすることができるという効果
を有している。しかも、その肉盛層は本体金属条材の任
意の位置に形成可能であるので、本発明の局部厚肉化金
属条材は種々な場所に好適に使用でき、一層施工の簡略
化、迅速化が図れるという効果が得られる。
【0035】また、請求項2に記載した本発明の局部厚
肉化金属条材の製造方法は、上記した本発明の局部厚肉
化金属条材を製造する方法であって、本体金属条材の肉
盛すべき個所にフラックスを塗布し、該本体金属条材を
鉛直とした状態で鋳型の中に通し、該本体金属条材を前
記鋳型に対して下向きに且つ本体金属条材の長手方向に
相対移動させて行くと共に、前記本体金属条材と鋳型と
の間隙に、肉盛しようとする金属の溶湯を注いで行き、
鋳型上部に設けている誘導コイルによる温度保持と前記
鋳型による冷却、凝固とを経て前記肉盛層を形成させて
行く構成としているので、比較的小型の鋳型を使用しな
がら、本体金属条材の長手方向の所望領域に、所望の長
さにわたって容易に且つ効率良く、所望厚さの肉盛層を
形成することができ、しかも、その肉盛層は本体金属条
材に対する接合が確実であると共に凝固する部分に対す
る溶湯の供給が確実となり、空洞や不純物の集まりの無
い且つひび割れの無い良好な品質の肉盛層を形成するこ
とができ、このため、建築物の柱材等の構造材として使
用するのに好適な局部厚肉化金属条材を製造しうるとい
う効果を有している。
【0036】請求項3に記載した本発明の局部厚肉化金
属条材の製造方法は、本体金属条材の肉盛すべき個所に
フラックスを塗布し、前記本体金属条材の肉盛層を形成
すべき個所に対して、肉盛層を形成するためのキャビテ
ィを備え且つ加熱用の誘導コイルを有する鋳型を対向配
置し、前記本体金属条材と鋳型との間のキャビティに、
肉盛しようとする金属の溶湯を、前記誘導コイルによっ
て温度保持した状態で注ぎ、肉盛層形成に必要な量の溶
湯を注いだ後、冷却、凝固させ、肉盛層を形成する構成
としているので、本体金属条材の長手方向の所望領域に
容易に且つ効率良く、所望厚さの肉盛層を形成すること
ができ、しかも、その肉盛層は本体金属条材に対する接
合が確実であり、且つ空洞や不純物の集まりの無い且つ
ひび割れの無い良好な品質の肉盛層を形成することがで
き、このため、建築物の柱材等の構造材として使用する
のに好適な局部厚肉化金属条材を製造しうるという効果
を有している。
【0037】請求項4に記載の発明は、上記した方法に
よって肉盛層を形成させた後、該肉盛層を900〜11
00°Cに加熱して熱処理を行う構成としているので、
肉盛操作時に生じたチルド組織を改善して機械的性質を
向上させることができ、建築物の柱材等の構造材として
使用するのに一層好適な局部厚肉化金属条材を製造しう
るという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による局部増肉金属条材を示
すもので、(a)は一部の概略正面図、(b)はその金
属条材の厚肉化部分の概略断面図
【図2】(a)、(b)は本発明の他の実施例を示す図
1と同様な概略正面図及び概略断面図
【図3】(a)、(b)は本発明の更に他の実施例を示
す図1と同様な概略正面図及び概略断面図
【図4】(a)、(b)は本発明の更に他の実施例を示
す図1と同様な概略正面図及び概略断面図
【図5】(a)、(b)は本発明の更に他の実施例を示
す図1と同様な概略正面図及び概略断面図
【図6】(a)、(b)は本発明の更に他の実施例を示
す図1と同様な概略正面図及び概略断面図
【図7】(a)、(b)は本発明の更に他の実施例を示
す図1と同様な概略正面図及び概略断面図
【図8】(a)、(b)はそれぞれ局部増肉金属条材に
形成した肉盛層の端面の変形例を示す概略断面図
【図9】本発明の更に他の実施例を示す概略断面図
【図10】本発明方法の実施に用いる局部厚肉化装置
を、肉盛初期の状態で示す概略断面図
【図11】図10の装置を、肉盛途中の状態で示す概略
断面図
【図12】図11のA−A矢視概略断面図
【図13】図10〜12に示す局部厚肉化装置の変形例
を示す図12と同一部分の概略断面図
【図14】図10〜12に示す局部厚肉化装置の更に他
の変形例を示す図11と同一部分の概略断面図
【図15】図14のB−B矢視概略断面図
【図16】本発明方法の実施に用いる装置の他の例を示
す概略断面図
【図17】図10〜12に示す局部厚肉化装置の更に他
の変形例を示す図12と同一部分の概略断面図
【図18】図10〜12に示す局部厚肉化装置の更に他
の変形例を示す図12と同一部分の概略断面図
【符号の説明】
1A、1B、1C、11A、11B、11C、11D
局部厚肉化金属条材(金属条材) 2、12 本体金属条材 3A、3B、3C、13A、13B、13C、13D
肉盛層 31 鋳型 31a 加熱鋳型部 31b 冷却鋳型部 33、35 誘導コイル 34 冷却媒体の通路 40 受板 42、43 溶湯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 1/18 E04B 1/18 F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面が閉じていない形状の本体金属条材
    の表面の少なくとも一部領域に、本体金属条材と同系統
    の材質の金属の溶湯を注型して凝固させた肉盛層を形成
    して成る局部厚肉化金属条材。
  2. 【請求項2】 本体金属条材の表面に肉盛層を形成する
    ことによって請求項1に記載の局部厚肉化金属条材を製
    造する方法であって、前記本体金属条材の表面の肉盛す
    べき個所にフラックスを塗布し、前記本体金属条材を鉛
    直とした状態で、該本体金属条材の表面に形成する肉盛
    層の外面に相当する成形面を備え且つ上部に誘導加熱用
    の誘導コイルを有し、下部に冷却媒体用の通路を備えた
    鋳型を前記本体金属条材に対向配置し、該本体金属条材
    を前記鋳型に対して下向きに且つ本体金属条材の長手方
    向に相対移動させて行くと共に、前記本体金属条材と鋳
    型との間隙に、肉盛しようとする金属の溶湯を注いで行
    き、前記誘導コイルによる温度保持と前記鋳型による冷
    却、凝固とを経て前記肉盛層を形成させて行くことを特
    徴とする局部厚肉化金属条材の製造方法。
  3. 【請求項3】 本体金属条材の表面に肉盛層を形成する
    ことによって請求項1に記載の局部厚肉化金属条材を製
    造する方法であって、前記本体金属条材の表面の肉盛す
    べき個所にフラックスを塗布し、前記本体金属条材の肉
    盛層を形成すべき個所に対して、肉盛層を形成するため
    のキャビティを備え且つ加熱用の誘導コイルを有する鋳
    型を対向配置し、前記本体金属条材と鋳型との間のキャ
    ビティに、肉盛しようとする金属の溶湯を、前記誘導コ
    イルによって温度保持した状態で注ぎ、肉盛層形成に必
    要な量の溶湯を注いだ後、冷却、凝固させ、肉盛層を形
    成することを特徴とする局部厚肉化金属条材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の方法によって肉
    盛層を形成させた後、該肉盛層を900〜1100°C
    に加熱する熱処理を行うことを特徴とする局部厚肉化金
    属条材の製造方法。
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