JPH0952166A - 局部厚肉化金属管及びその製造方法 - Google Patents

局部厚肉化金属管及びその製造方法

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JPH0952166A
JPH0952166A JP22966895A JP22966895A JPH0952166A JP H0952166 A JPH0952166 A JP H0952166A JP 22966895 A JP22966895 A JP 22966895A JP 22966895 A JP22966895 A JP 22966895A JP H0952166 A JPH0952166 A JP H0952166A
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JP
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main body
layer
peripheral surface
body metal
metal tube
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Application number
JP22966895A
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English (en)
Inventor
Yoichi Matsubara
洋一 松原
Akira Fukuda
章 福田
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Daiwa House Industry Co Ltd
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Original Assignee
Daiwa House Industry Co Ltd
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物の柱材として使用するのに好適な、且
つ簡単な作業によって梁を強固に接合可能な厚肉部を有
する金属管を提供する。 【解決手段】 本体金属管2の長手方向の所望領域の外
周面に、本体金属管と同系統の材質の金属の溶湯を注型
し凝固させて、本体金属管2の厚さの0.5〜5.0倍
の厚さの肉盛層3を形成し、局部厚肉化金属管1とす
る。この肉盛層3を設けた領域は梁接合に必要な強度を
有するため、補強部材を設けることなく梁を接合するこ
とができ、金属管1を柱材として使用した時に施工の簡
略化、迅速化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物における柱
材として用いるのに好適な局部厚肉化金属管及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、角形鋼管、丸形鋼管等の金属
管が建築物の柱材として広く使用されている。このよう
な金属管を柱材として用い、その柱材に梁材をボトル接
合、溶接接合等によって接合する場合、その柱材の梁接
合部に、強度確保のために各種の補強部材を設けてい
る。例えば、柱材が角形鋼管であって、梁材がH形鋼か
らなる場合は、角形鋼管の内部で且つ梁材であるH形鋼
の上下フランジの高さ位置に補強用のダイヤフラムを設
けたり、角形鋼管の内面或いは外面に補強板を取り付け
る構造が一般に採られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属管
に対して補強部材を設けることは面倒な作業を必要と
し、コストアップの原因となっていた。また、補強部材
として管内にダイヤフラムを設ける場合或いは補強板を
設ける場合には、管の中間位置に取り付けることができ
ず、そのため、通し柱とする場合は、各階毎に区切られ
た高さの柱とし、ダイヤフラム或いは補強板を取り付け
た後、上下の柱を相互に接合する必要があり、作業性が
悪いという問題もあった。
【0004】本発明は、かかる問題点に鑑みて為された
もので、金属管の長手方向の少なくとも一部の領域に厚
肉化した部分を設け、その位置を梁接合部とすること
で、従来用いていた補強部材を不要とし、簡単な作業に
よって梁材を強固に接合可能な、また、通し柱としても
使用可能な局部厚肉化金属管を提供することを目的とす
る。また、本発明はその局部厚肉化金属管を製造する方
法を提供することも目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
すべくなされたもので、請求項1に記載の局部厚肉化金
属管は、本体金属管の長手方向の少なくとも1個所の外
周面及び内周面の少なくとも一方に、本体金属管と同系
統の材質の金属の溶湯を注型して凝固させた肉盛層を形
成し、該肉盛層の厚さと本体金属管の厚さの比を0.5
〜5.0の範囲に設定して成るものである。
【0006】この構成の局部厚肉化金属管は、本体金属
管と同系統の材質の金属からなる肉盛層が本体金属管に
対して強固に接合した厚肉部を形成しており、この部分
の全体の厚さは、本体金属管単独の厚さに比べて1.5
〜6.0倍となって、大きい強度を有している。このた
め、この局部厚肉化金属管の肉盛層を形成した領域は梁
材の接合に好適であり、従って、この局部厚肉化金属管
は建築物の柱材として好適に使用される。すなわち、こ
の局部厚肉化金属管を建築物の柱材として使用すると、
その肉盛層を形成した領域に、直接梁材を溶接或いはボ
ルト止め等によって接合することで、強固な柱、梁接合
構造を形成でき、柱材に対する梁材の接合作業をきわめ
て簡略化することが可能となる。また、肉盛層は本体金
属管の任意の位置に形成可能であるので、本体金属管を
複数階にわたる通し柱として使用可能な長さとし、各階
の梁取付位置に対応する位置に肉盛層を形成しておくこ
とで、本発明の局部厚肉化金属管を通し柱として使用す
ることもできる。
【0007】ここで使用する本体金属管としては、角形
鋼管、丸形鋼管等、建築物の柱材として使用可能な金属
管を適宜使用しうる。その本体金属管に形成する肉盛層
の形成位置は、その局部厚肉化金属管を建築物の柱材と
して使用した時に、梁材を接合すべき位置となるように
設定する。また、その長さとしては、梁材を接合可能な
長さで且つ極力短い長さに設定するもので、例えば、梁
材を接合した領域の上下に若干の余裕(10〜150m
m程度)が形成されるような長さに設定する。具体的に
は、H型鋼等の梁材の高さ方向の寸法(梁成)は一般
に、300〜900mm程度であるので、肉盛層の長さ
は、320〜1200mm程度とすればよい。肉盛層の
厚さは前記したように本体金属管の厚さの0.5〜5.
0倍とする。この厚さが0.5倍よりも小さいと補強効
果が小さくて梁接合に適切でなく、一方、5.0倍を越
えると強度は増すものの、梁接合にはそれ以上の強度補
強を行う意味がなく、しかも製造コストは余分にかかる
ため好ましくない。このため、本発明では、肉盛層の厚
さと本体金属管の厚さの比を0.5〜5.0の範囲に設
定したものであるが、強度的には当然肉盛層は厚い方が
有利である。
【0008】また、本発明は上記した局部厚肉化金属管
の製造方法も提供する。すなわち、請求項2に記載の局
部厚肉化金属管の製造方法は、本体金属管の外周面又は
内周面の肉盛すべき個所にフラックスを塗布し、前記本
体金属管を鉛直とした状態で、該本体金属管の外周面又
は内周面に形成する肉盛層の外周面又は内周面に相当す
る内周面又は外周面を備え且つ上部に加熱用の高周波誘
導コイルを有し、下部に冷却用の水路を内蔵した鋳型を
前記本体金属管に対向配置し、該本体金属管を前記鋳型
に対して下向きに且つ本体金属管の長手方向に相対移動
させて行くと共に、前記本体金属管と鋳型との間隙に、
肉盛しようとする金属の溶湯を注いで行き、前記高周波
誘導コイルによる温度保持と前記鋳型による冷却、凝固
とを経て前記肉盛層を形成させて行くことを特徴とし、
この方法により、本体金属管の任意の領域に良好な品質
の肉盛層を効率良く形成できる。
【0009】請求項3に記載の局部厚肉化金属管の製造
方法は、本体金属管の外周面又は内周面の肉盛すべき個
所にフラックスを塗布し、前記本体金属管の肉盛層を形
成すべき個所に対して、肉盛層を形成するためのキャビ
ティを備え且つ加熱用の高周波誘導コイルを有する鋳型
を対向配置し、前記本体金属管と鋳型との間のキャビテ
ィに、肉盛しようとする金属の溶湯を、前記高周波誘導
コイルによって温度保持した状態で注ぎ、肉盛層形成に
必要な量の溶湯を注いだ後、冷却、凝固させ、肉盛層を
形成することを特徴とし、この方法によっても、本体金
属管の任意の領域に良好な品質の肉盛層を効率良く形成
できる。なお、この方法の実施に当たって、本体金属管
は鉛直状態としてもよいし、水平状態としてもよい。
【0010】請求項4に記載の局部厚肉化金属管の製造
方法は、円形断面の本体金属管の内周面に、遠心鋳造法
によって肉盛層を形成することを特徴とするものであ
り、この方法によっても、本体金属管内面の任意の領域
に良好な品質の肉盛層を効率良く形成できる。
【0011】請求項5に記載の発明は、上記した方法に
よって肉盛層を形成させた後、該肉盛層を900〜11
00°Cに加熱する熱処理を行うことを特徴とするもの
である。この熱処理を行うと、肉盛操作時に生じたチル
ド組織を改善して機械的性質を向上させることができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例による局
部厚肉化金属管(以下単に金属管という)の一部を示す
概略縦断面図、図2はその金属管の概略横断面図、図3
はその条材を通し柱として使用した状態を示す概略側面
図である。全体を参照符号1で示す金属管は、角形鋼管
からなる本体金属管2の長手方向の複数個所の外面に肉
盛層3を形成し、建築物の通し柱として使用するように
構成したものである。この肉盛層3は、本体金属管2と
同系統の材質の金属の溶湯を注型して凝固させて形成し
たものであり、本体金属管2に対して強固に接合して一
体化している。なお、具体的な肉盛方法は後述する。
【0013】肉盛層3の形成位置は、梁材5を接合する
位置、管端位置等であり、この肉盛層3を形成した領域
は、梁材5を接合するため、金属管1を建物の基礎6に
固定金具7を用いて固定するため、或いは金属管1の端
部同志をつなぎ合わせるため等に使用される。従って、
肉盛層3の厚さは、その肉盛層3を形成した領域の全体
の厚さが、梁材接合或いは基礎への固定等に必要な強度
を確保できるような厚さとなるように定められている。
具体的には、この肉盛層3の厚さをt1 、本体金属管2
の厚さをt0 とすると、両者の比(=t1 /t0 )は、
0.5〜5.0に設定されている。従って、肉盛層3を
設けた領域の全体の厚さtは、本体金属管2の厚さの
1.5〜6.0倍、すなわち、t=1.5〜6.0t0
となっている。
【0014】肉盛層3の両端4は、通常はばりを取り除
く程度の処置を施し、本体金属管2の軸線に対して直角
な端面のままとしておいてよい。なお、必要に応じ、図
12(a)に示すように肉盛層3の本体金属管2との接
合部に、追加肉盛等により直線状或いは円弧状の小さい
傾斜面4aを形成するとか、図12(b)に示すように
肉盛層3の端面全体を傾斜面4bとする等の変更を加え
てもよい。このような傾斜面4a、4bを形成しておく
と、急激な肉厚変化がなくなり、応力集中を生じにくい
利点が得られる。ここで、傾斜面4a、4bの本体金属
管2の軸線に対する傾斜角としては5〜45°に設定す
ることが好ましく、更には、5〜30°とすることが好
ましい。
【0015】図1、図3において、梁材取付位置に設け
る肉盛層3の長さは、梁材5を取り付けるのに必要な長
さに設定されている。すなわち、肉盛層3の長さLは、
それに取り付ける梁材5の高さ方向の寸法Hよりもわず
かに大きく、例えば、上下にそれぞれ10〜150mm
程度の余裕をとるように設定されている。図3に示すよ
うに、金属管1の最下部の肉盛層3を除いて他の肉盛層
3は、この金属管1を建築物の通し柱として使用した時
に、各階の梁材5の取付位置に対応する位置に形成され
ている。
【0016】上記構成の金属管1は図3に示すように、
建物の複数階に渡る通し柱として使用され、下端の肉盛
層3を設けた領域が基礎6に固定金具7によって固定さ
れ、その他の肉盛層3を設けた領域にはそれぞれH形鋼
からなる梁材5が接合される。
【0017】次に、金属管1に対する梁材5の取付構造
を説明する。図4、図5はこの肉盛層3に対する梁材5
の取付構造の1例を示すものであり、この例では、肉盛
層3を設けた領域にねじ孔8を形成し、そのねじ孔8を
利用してスプリットティー10をボルト11で固定し、
そのスブリットティー10に梁材5の端部をボルト12
で固定している。なお、肉盛層3に対する梁材5の取付
構造は種々変更可能であり、例えば、図6に示すよう
に、梁材5の端部にエンドプレート14を溶接固定して
おき、肉盛層3を設けた領域に形成したねじ孔8を利用
して、そのエンドプレート14をボルト15によって固
定する構成とするとか、図7に示すように、金属管1の
肉盛層3の外面に予め梁受け部16を溶接固定して付設
しておき、その梁受け部16に梁材5をボルト17で固
定する構成とすることができる。また、図8に示すよう
に、梁材5の端部を肉盛層3に突き当て、直接溶接によ
り接合することも可能である。勿論、これ以外の取付構
造を採用してもよい。
【0018】更に、肉盛層3を設けた領域に、図5或い
は図6に示すようにスプリットティー10或いはエンド
プレート14をボルト止めするに際し、その領域にねじ
孔8を形成し、そのねじ孔8にボルト11、15をねじ
込む構成とする代わりに、肉盛層3を設けた領域に、ボ
ルト11、15を通すことの可能なばか孔を形成してお
き、外側からワンサイドボルトを挿入し、そのワンサイ
ドボルトでスプリットティー10或いはエンドプレート
14を固定することも可能である。ここで、「ワンサイ
ドボルト」とは、一端側からの操作で他端に頭部が拡径
状態に塑性変形で形成されて締付が行える軸状締付具の
総称であり、ブラインドボルトとも呼ばれるものであ
る。
【0019】以上のように、柱である金属管1の梁材5
が接合される領域に、肉盛層3を形成する構成とする
と、梁材5の接合領域が厚肉に形成され、十分な強度を
備えているため、単にこの領域に梁材5を直接接合する
ことで必要な強度で柱と梁を接合することができる。ま
た、図5、図6に示すように、ボルト11、15を使用
する場合において、肉盛層3によって全体の肉厚が大き
くなっているので、その領域に直接ねじ孔8を形成し、
必要な強度でボルト11、15等を固定することが可能
である。このため、従来のように梁材を取り付ける領域
に、梁材接合に先立って補強部材を取り付けるという作
業が不要となり、従って、梁材接合作業が簡素化され、
また、使用するボルト本数も少なくなり、ボルト締め工
数も削減でき、これらにより工期も短縮できる。しか
も、金属管1は継ぎ目のない通し柱として使用されるの
で、この点からも現場での作業量が少なくなり、コスト
低減が図れる。
【0020】なお、上記実施例では、金属管1の梁材を
取り付ける領域全体に、一定肉厚の肉盛層3を形成して
いるが、本発明はこの構成に限らず、必要な部分のみに
肉盛層3を形成する構成としてもよい。すなわち、図9
に示すように、スプリットティー10を用いて梁材5を
金属管1に取り付ける構造において、上下に配置される
スプリットティー10の取り付け領域のみに肉盛層3、
3を形成する構成としてもよい。
【0021】図3において、金属管1の下端の肉盛層3
を設けた領域は基礎6に対して固定金具7によって固定
されている。この固定金具7の肉盛層3への取付構造
も、上記した金属管1に対する梁材5の取付構造と同様
であり、従来のような補強部材の取り付けを必要とせ
ず、容易に施工できる。
【0022】以上に説明したように、本実施例の金属管
1は複数階に渡る通し柱として使用することができ、し
かもその際、梁材5の接合作業、基礎6への固定作業を
容易に行うことができるので、工数を削減できるという
効果を有している。なお、本発明の金属管は必ずしも通
し柱として使用する場合に限らず、任意の長さの柱とし
て使用可能であり、且つ肉盛層3の形成位置、個数も使
用場所に応じて適宜変更可能であることは言うまでもな
い。また、金属管としても角形鋼管に限らず、他の断面
形状としてもよい。
【0023】図10は本発明の他の実施例を示す概略斜
視図、図11はその概略断面図である。この実施例の金
属管21は、円形鋼管からなる本体金属管22の、一部
領域の外周面に肉盛層23を設けたものであり、その肉
盛層23を設けた領域がH形鋼からなる梁材25の接合
に使用されている。この実施例では、梁材25を肉盛層
23へ取り付けるために、梁材25の端部には円弧状に
湾曲させたエンドプレート28が予め溶接固定されてお
り、そのエンドプレート28を肉盛層23に溶接固定す
ることにより、梁材25が金属管21に接合されてい
る。この構成の金属管21においても、梁材を接合する
領域に肉盛層23を設けて強度を増大させているので、
補強部材をあらためて取り付ける必要がなく、このた
め、現場での梁材25の接合作業を容易とすることがで
き、コストダウンを図ることができる。なお、この金属
管21に対する梁材25の取付構造も、図示した溶接固
定に限らず、ボルト止めを採用するとか、図7に示す梁
受け部16と同様な梁受け部を設けておき、その梁受け
部に梁材25をボルト止めする等の変更を行うことが可
能である。
【0024】以上に示す実施例はいずれも、肉盛層3、
23を本体金属管2、22の外周面に設けた例を示して
いるが、本発明はこの構成に限らず、肉盛層を本体金属
管の内周面に設けてもよく、更には、内周面、外周面の
双方に肉盛層を形成する構成としてもよい。
【0025】次に、本発明の局部厚肉化金属管の製造方
法の実施の形態を、丸形鋼管を例にとって説明する。図
13、図14は、本発明方法に用いる局部厚肉化装置を
示す概略断面図であり、それぞれ異なる作動状態で示し
ている。22は丸形鋼管である本体金属管であり、図示
しない支持装置によって鉛直に配向させて保持され、且
つ間欠的に下方へ移動させられるようになっている。3
1は、本体金属管22に形成する肉盛層23の外周面に
相当する内周面を備えた鋳型であり、その内周面が鉛直
に配向された本体金属管22の外周面を包囲するよう
に、且つ本体金属管22との間に均等な間隙を形成する
ように配置されている。この鋳型31は、上部に位置す
る加熱鋳型部31aと、その下部に位置する冷却鋳型部
31bを有している。加熱鋳型部31aには、加熱用の
高周波誘導コイル33が設けられている。一方、冷却鋳
型部31bには冷却用の水路34が内蔵されており、そ
の水路34には調整バルブを介して冷却水が供給され、
且つその調整バルブにより水供給量を調整して冷却効果
を調整可能となっている。35は、鋳型31の上方に配
置された高周波誘導コイルであり、本体金属管22の外
周面を予熱するためのものである。これらの鋳型31及
び高周波誘導コイル33、35等は図示した位置に固定
して配置されている。
【0026】次に、上記構成の局部厚肉化装置による肉
盛動作を説明する。まず、本体金属管22の肉盛層を形
成すべき領域の下端に、肉盛厚さとほぼ等しい幅のリン
グ状受板40を溶接固定し、次いで、本体金属管22の
肉盛層を形成すべき個所に酸化防止用のフラックスを塗
布する。次いで、その本体金属管22を上方から降下さ
せて、高周波誘導コイル35及び鋳型31の中心に通し
て行き、肉盛層を形成すべき領域の外周面を下端側から
高周波誘導コイル35で約600°C程度に予熱してゆ
く。そして、この本体金属管22の降下に伴って、リン
グ状受板40が降下し、図13に示すように、加熱鋳型
部31aのほぼ下端位置に達した時点で、一旦、本体金
属管22の降下を停止させ、別途用意している肉盛用の
金属即ち本体金属管と同系統の材質の金属の溶湯42
を、鋳型31と本体金属管22との間隙に注湯する。
【0027】本体金属管22と鋳型31との間隙に注湯
された溶湯42は、高周波誘導コイル33により誘導加
熱されて溶湯状態に保持され、且つ本体金属管22の表
面も高周波誘導コイル33によって加熱され、溶湯と融
合する。同時に溶湯42には対流現象を生じて溶湯内の
スラグその他の不純物を表面に浮上させ、且つガスが発
生した場合にはそのガスを上方に排出させる。
【0028】溶湯を注湯した後、本体金属管22を少し
降下させ、再度、溶湯を注湯するという動作を繰り返
す。すなわち、本体金属管22を順次降下させると共
に、本体金属管22と鋳型31との間隙に溶湯を順次注
いで行く。この動作によって本体金属管22が降下する
に連れて、溶湯42の下部が加熱鋳型部31aの下端を
越えて下方に移動し、冷却鋳型部31bの位置に移動し
てゆき、図14に示すように、まず、溶湯42は冷却鋳
型31によって冷却され、半溶融状態の溶湯43とな
り、更に下降した時点で十分冷却されて凝固し、本体金
属管22の外周面に良好に接着した肉盛層23を形成し
てゆく。ここで、本体金属管22の下降速度と冷却鋳型
部31bによる冷却速度を適当に調整することにより、
鋳型31と本体金属管22との間に、溶融状態の溶湯4
2の領域と、半溶融状態の溶湯43の領域と、凝固した
領域(即ち肉盛層23)とを安定して形成し且つ保持す
ることができ、この状態で肉盛層23が順次形成されて
行く。本体金属管22の肉盛層を形成すべき領域の上端
が加熱鋳型部31aの上端位置よりも少し下まで下降
し、その領域まで注湯を行った後は、注湯を行うことな
く、本体金属管22を順次降下させる。これにより、注
湯した溶湯が冷却、固化され、本体金属管22の所定の
領域に肉盛層23が形成される。
【0029】このように本実施例の方法では本体金属管
22と鋳型31との間隙に、順次注湯しながら、本体金
属管22を下降させ、溶湯を順次冷却固化させて肉盛層
23を形成して行くので、本体金属管22と肉盛層23
との接合を確実とすることができると共に、凝固してい
る部分への溶湯の供給が確実となり、内部に空洞や不純
物の集まりの無い且つひび割れの無い良好な品質の肉盛
層を効率良く形成することができる。また、本体金属管
22の長手方向の所望の領域に肉盛層23を形成でき
る。本体金属管22の外周面に肉盛層23を形成した後
は、この金属管を取り外す。以上の操作によって、図1
0、図11に示す金属管21が製造される。
【0030】なお、必要に応じ肉盛層23の端面と本体
金属管22とのコーナー部に、図12(a)に示すよう
な小さい傾斜面4aを形成することも可能であり、その
場合には、コーナー部に隅肉状に追加肉盛を行えばよ
い。また、肉盛層23の端面全体に図12(b)に示す
ような傾斜面4bを形成することも可能であり、その場
合には、肉盛層23の端面をグラインダー等によって傾
斜面に研削するとか、下端部については受板40の形状
を調整して傾斜面を形成すればよい。
【0031】上記実施例では、予熱用の高周波誘導コイ
ル35及び鋳型31を定位置に配置し、本体金属管22
を下方に移動させる構成としたが、本発明はこの構成に
限らず、本体金属管22を鉛直に配向させた状態で定位
置に保持し、高周波誘導コイル35及び鋳型31を上方
に移動させることで、本体金属管22が高周波誘導コイ
ル35及び鋳型31に対して下方に相対移動する構成と
することも可能である。また、上記実施例では、本体金
属管22を順次降下させ且つ溶湯の注湯を順次行ってお
り、従って、本体金属管22の下降及び注湯を間欠的に
実施しているが、連続的な注湯が可能な場合には、本体
金属管22の降下及び注湯を連続的に行う構成としても
よい。
【0032】更に、上記実施例では、本体金属管22の
外周面に肉盛層23を形成する場合を説明したが、本体
金属管22の内周面に肉盛層を形成することも可能であ
る。その場合には、本体金属管22の外周を包囲するよ
うに鋳型31を配置する代わりに、本体金属管22の内
面に形成する肉盛層の内周面に相当する外周面を備えた
鋳型を、本体金属管の内部に、その本体金属管との間に
均等な間隙を形成するように対向配置し、その隙間に溶
湯を順次注湯しながら、本体金属管をその鋳型に対して
相対的に移動させるという動作を行えばよい。
【0033】以上の方法は、本体金属管22を鋳型31
に対して相対的に移動させながら肉盛を行う方法である
が、大きい鋳型を使用することにより一度の注湯で所望
長さの肉盛層を形成することも可能である。図15はそ
の場合の肉盛方法を行う状態を示す概略断面図である。
図15において、51は、本体金属管22の外周面に肉
盛層23(図11参照)を形成するための鋳型であり、
本体金属管22の外周に取り付けた時に、本体金属管2
2との間に肉盛層を形成するためのキャビティ52を有
している。53は鋳型51の外周に設けられた高周波誘
導コイルである。
【0034】次に、この鋳型51を用いた肉盛方法を説
明する。まず、本体金属管22の肉盛層を形成すべき個
所に酸化防止用のフラックスを塗布する。次いで、その
本体金属管22を鉛直状態とし、且つその肉盛すべき個
所の外周に鋳型51を対向配置する。その後、高周波誘
導コイル53によって本体金属管22の肉盛層を形成す
べき領域の外周面を約600°C程度に予熱し、次い
で、別途用意している肉盛用の金属即ち本体金属管と同
系統の材質の金属の溶湯54を、鋳型51と本体金属管
22との間のキャビティ52に注湯する。この注湯中、
高周波誘導コイル53は加熱を継続し、注湯された溶湯
を溶融状態に保持している。このため、キャビティ52
内に注湯された溶湯54は溶湯状態に保持され、且つ本
体金属管22の表面も高周波誘導コイル53によって加
熱され、溶湯と融合する。また、この時、溶湯54には
対流現象を生じており、溶湯内のスラグその他の不純物
を表面に浮上させ、且つガスが発生した場合にはそのガ
スを上方に排出させる。なお、図中55は表面に生じた
スラグ層である。
【0035】本体金属管22と鋳型51との間のキャビ
ティ52に所定の肉盛層を形成するのに必要な量の溶湯
54を供給し且つ対流によって溶湯54内のスラグその
他の不純物を表面に浮上させた後、加熱を停止し、鋳型
51を冷却する。これにより、溶湯54が冷却、固化
し、本体金属管22の所定の領域の外周面に強固に固着
した肉盛層23が形成される。その後、鋳型51を外
し、且つスラグ層55を除去することで、図10、図1
1に示す金属管21が形成される。この方法において
も、本体金属管22に良好に接合した、且つ不純物やひ
び割れのない良好な品質の肉盛層が形成される。
【0036】図15の実施例では、本体金属管22を鉛
直状態として肉盛を行っているが、本体金属管を水平状
態として肉盛を行うことも可能である。図16、図17
は角形鋼管からなる本体金属管2を水平とした状態で肉
盛を行う方法を示すものであり、図中、61は、本体金
属管2に形成する肉盛層を形成するためのキャビティ6
2を備えた鋳型である。ただし、この鋳型61の上面は
開放されている。63は鋳型61の外周に設けられた高
周波誘導コイルである。この装置を用いて肉盛を行うに
は、まず、本体金属管2の肉盛層を形成すべき個所に酸
化防止用のフラックスを塗布し、次いで、その本体金属
管2を水平状態とし、且つその肉盛すべき個所の外周に
鋳型61を対向配置する。その後、高周波誘導コイル6
3によって本体金属管2の肉盛層を形成すべき領域の外
周面を約600°C程度に予熱し、次いで、別途用意し
ている肉盛用の金属即ち本体金属管と同系統の材質の金
属の溶湯64を、鋳型61と本体金属管2との間のキャ
ビティ62に注湯する。この注湯中、高周波誘導コイル
63は加熱を継続し、注湯された溶湯を溶融状態に保持
しておき、溶湯内のスラグその他の不純物を表面に浮上
させて表面にスラグ層65を生じさせる。その後、加熱
を停止し、鋳型61を冷却して溶湯を冷却、固化させ、
次いで、鋳型61を外し、且つスラグ層65を除去する
ことで、本体金属管2の外周面に良好に接合した肉盛層
3が形成され、図1、図2に示す金属管1が形成され
る。
【0037】なお、図15〜図17に示す実施例も、本
体金属管の外周面に肉盛層を形成する場合を示している
が、この実施例を本体金属管の内周面に肉盛層を形成す
るように変更することも可能である。
【0038】図18は本発明の更に他の実施例を示すも
のである。この実施例では、円形断面の本体金属管2の
内周面に、遠心鋳造法によって肉盛層を形成している。
すなわち、本体金属管2の内面の肉盛層を形成すべき領
域に酸化防止用のフラックスを塗布し、且つ、その両側
に溶湯の流出を防止する止めリング71を嵌合し、その
本体金属管2を水平に配置し、その外周に高周波誘導コ
イル72を配置して、本体金属管2の内面を予熱し、そ
の後、本体金属管2を回転させた状態で且つ高周波誘導
コイル72による加熱を継続した状態で、別途用意して
いる肉盛用の金属即ち本体金属管と同系統の材質の金属
の溶湯74を本体金属管2内に供給する。これにより、
供給される溶湯74は遠心力によって本体金属管2の内
面に押し付けられ、金属管内面の金属と融合する。同時
に溶湯74内のスラグその他の不純物は表面(内周面)
に浮上し、且つガスが発生した場合にはそのガスも表面
側に排出される。その後、高周波誘導コイル72による
加熱を停止し、本体金属管2を冷却することにより、内
部の溶湯が冷却、固化し、本体金属管2の内周面に良好
に固着した肉盛層が形成される。
【0039】以上に、溶湯を注型、凝固させて肉盛層を
形成することにより、局部厚肉化金属管を製造する方法
をいくつか説明した。ところで、これらの方法によって
形成した肉盛層にはチルド組織が生じており、耐衝撃性
が悪い。そこで、必要に応じ、肉盛層を900〜110
0°Cに加熱して熱処理し、機械的性質を改善すること
が推奨される。肉盛層の熱処理のための加熱を行う方法
としては、肉盛層の全長に渡る長さの高周波誘導コイル
を配置し、肉盛層全体を同時に加熱、昇温させる方法、
狭い幅の高周波誘導コイルを配置し、それを肉盛層に沿
って相対的に移動させることによって、肉盛層の全体を
加熱する方法等を挙げることができる。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の局部厚
肉化金属管は、本体金属管の長手方向の少なくとも1個
所の外周面に、本体金属管と同系統の材質の金属の溶湯
を注型して凝固させた肉盛層を形成し、該肉盛層の厚さ
と本体金属管の厚さの比を0.5〜5.0の範囲に設定
して成るものであるので、これを建築物の柱材として使
用すると、肉盛層を形成した領域に直接梁材をボルト止
め或いは溶接等によって接合することで、強固な柱、梁
接合構造を形成でき、且つ柱材に対する梁材の接合作業
をきわめて簡略化することができ、従って、建築物の柱
材としてきわてめ好適に使用できるという効果を有して
いる。しかも、その肉盛層は本体金属管の任意の位置に
形成可能であるので、本体金属管を複数階にわたる通し
柱として使用可能な長さとし、各階の梁取付位置に対応
する位置に肉盛層を形成しておくことで、本発明の局部
厚肉化金属管を通し柱として使用することができ、一層
施工の簡略化、迅速化が図れるという効果が得られる。
【0041】また、請求項2に記載した本発明の局部厚
肉化金属管の製造方法は、上記した本発明の局部厚肉化
金属管を製造する方法であって、本体金属管の肉盛すべ
き個所にフラックスを塗布し、該本体金属管を鉛直とし
た状態で鋳型の中に通し、該本体金属管を前記鋳型に対
して下向きに且つ本体金属管の長手方向に相対移動させ
て行くと共に、前記本体金属管と鋳型との間隙に、肉盛
しようとする金属の溶湯を注いで行き、鋳型上部に設け
ている高周波誘導コイルによる温度保持と前記鋳型によ
る冷却、凝固とを経て前記肉盛層を形成させて行く構成
としているので、比較的小型の鋳型を使用しながら、本
体金属管の長手方向の所望領域に、所望の長さにわたっ
て容易に且つ効率良く、所望厚さの肉盛層を形成するこ
とができ、しかも、その肉盛層は本体金属管に対する接
合が確実であると共に凝固する部分に対する溶湯の供給
が確実となり、空洞や不純物の集まりの無い且つひび割
れの無い良好な品質の肉盛層を形成することができ、こ
のため、建築物の柱材として使用するのに好適な局部厚
肉化金属管を製造しうるという効果を有している。
【0042】請求項3に記載した本発明の局部厚肉化金
属管の製造方法は、本体金属管の外周面又は内周面の肉
盛すべき個所にフラックスを塗布し、前記本体金属管の
肉盛層を形成すべき個所に対して、肉盛層を形成するた
めのキャビティを備え且つ加熱用の高周波誘導コイルを
有する鋳型を対向配置し、前記本体金属管と鋳型との間
のキャビティに、肉盛しようとする金属の溶湯を、前記
高周波誘導コイルによって温度保持した状態で注ぎ、肉
盛層形成に必要な量の溶湯を注いだ後、冷却、凝固さ
せ、肉盛層を形成する構成としているので、本体金属管
の長手方向の所望領域に容易に且つ効率良く、所望厚さ
の肉盛層を形成することができ、しかも、その肉盛層は
本体金属管に対する接合が確実であり、且つ空洞や不純
物の集まりの無い且つひび割れの無い良好な品質の肉盛
層を形成することができ、このため、建築物の柱材とし
て使用するのに好適な局部厚肉化金属管を製造しうると
いう効果を有している。
【0043】請求項4に記載の局部厚肉化金属管の製造
方法は、円形断面の本体金属管の内周面に、遠心鋳造法
によって肉盛層を形成する構成であるので、本体金属管
の長手方向の所望領域に容易に且つ効率良く、所望厚さ
の肉盛層を形成することができ、しかも、その肉盛層は
本体金属管に対する接合が確実であり、且つ空洞や不純
物の集まりの無い且つひび割れの無い良好な品質の肉盛
層を形成することができ、このため、建築物の柱材とし
て使用するのに好適な局部厚肉化金属管を製造しうると
いう効果を有している。
【0044】請求項5に記載の発明は、上記した方法に
よって肉盛層を形成させた後、該肉盛層を900〜11
00°Cに加熱して熱処理を行う構成としているので、
肉盛操作時に生じたチルド組織を改善して機械的性質を
向上させることができ、建築物の柱材として使用するの
に一層好適な局部厚肉化金属管を製造しうるという効果
を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による局部増肉金属管の一部
を示す概略縦断面図
【図2】その金属管の概略横断面図
【図3】その金属管を通し柱として使用した状態を示す
概略側面図
【図4】金属管と梁材との取付構造を示す概略斜視図
【図5】図4に示す部分の概略断面図
【図6】金属管と梁材との取付構造の変形例を示す概略
断面図
【図7】金属管と梁材との取付構造の他の変形例を示す
概略断面図
【図8】金属管と梁材との取付構造の更に他の変形例を
示す概略斜視図
【図9】金属管と梁材との取付構造の更に他の変形例を
示す概略断面図
【図10】本発明の他の実施例による局部増肉金属管に
対する梁材の取付構造を示す概略斜視図
【図11】図10に示す部分の概略断面図
【図12】(a)、(b)はそれぞれ局部増肉金属管に
形成した肉盛層の端面の変形例を示す概略断面図
【図13】請求項2に示す本発明方法の実施に用いる局
部厚肉化装置を、肉盛初期の状態で示す概略断面図
【図14】図13の装置を、肉盛途中の状態で示す概略
断面図
【図15】請求項3に示す本発明方法の実施に用いる装
置の1例を、肉盛動作時の状態で示す概略断面図
【図16】請求項3に示す本発明方法の実施に用いる装
置の他の例を、肉盛動作時の状態で示す概略断面図
【図17】図16に示す装置を、図16とは直角方向に
見た概略断面図
【図18】請求項4に示す本発明方法の実施に用いる装
置の1例を、肉盛動作時の状態で示す概略断面図
【符号の説明】
1、21 局部厚肉化金属管(金属管) 2、22 本体金属管 3、23 肉盛層 4 端面 5、25 梁材 6 基礎 7 固定金具 8 ねじ孔 10 スプリットティー 14 エンドプレート 16 梁受け部 31 鋳型 31a 加熱鋳型部 31b 冷却鋳型部 33、35 高周波誘導コイル 34 水路 40 リング状受板 42、43 溶湯
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 1/18 7121−2E E04B 1/18 E04C 3/32 E04C 3/32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体金属管の長手方向の少なくとも1個
    所の外周面及び内周面の少なくとも一方に、本体金属管
    と同系統の材質の金属の溶湯を注型して凝固させた肉盛
    層を形成し、該肉盛層の厚さと本体金属管の厚さの比を
    0.5〜5.0の範囲に設定して成る局部厚肉化金属
    管。
  2. 【請求項2】 本体金属管の外周面又は内周面に肉盛層
    を形成することによって請求項1に記載の局部厚肉化金
    属管を製造する方法であって、前記本体金属管の外周面
    又は内周面の肉盛すべき個所にフラックスを塗布し、前
    記本体金属管を鉛直とした状態で、該本体金属管の外周
    面又は内周面に形成する肉盛層の外周面又は内周面に相
    当する内周面又は外周面を備え且つ上部に加熱用の高周
    波誘導コイルを有し、下部に冷却用の水路を内蔵した鋳
    型を前記本体金属管に対向配置し、該本体金属管を前記
    鋳型に対して下向きに且つ本体金属管の長手方向に相対
    移動させて行くと共に、前記本体金属管と鋳型との間隙
    に、肉盛しようとする金属の溶湯を注いで行き、前記高
    周波誘導コイルによる温度保持と前記鋳型による冷却、
    凝固とを経て前記肉盛層を形成させて行くことを特徴と
    する局部厚肉化金属管の製造方法。
  3. 【請求項3】 本体金属管の外周面又は内周面に肉盛層
    を形成することによって請求項1に記載の局部厚肉化金
    属管を製造する方法であって、前記本体金属管の外周面
    又は内周面の肉盛すべき個所にフラックスを塗布し、前
    記本体金属管の肉盛層を形成すべき個所に対して、肉盛
    層を形成するためのキャビティを備え且つ加熱用の高周
    波誘導コイルを有する鋳型を対向配置し、前記本体金属
    管と鋳型との間のキャビティに、肉盛しようとする金属
    の溶湯を、前記高周波誘導コイルによって温度保持した
    状態で注ぎ、肉盛層形成に必要な量の溶湯を注いだ後、
    冷却、凝固させ、肉盛層を形成することを特徴とする局
    部厚肉化金属管の製造方法。
  4. 【請求項4】 円形断面の本体金属管の内周面に、遠心
    鋳造法によって肉盛層を形成することによって請求項1
    に記載の局部厚肉化金属管を製造することを特徴とする
    局部厚肉化金属管の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2から4のいずれか1項に記載の
    方法によって肉盛層を形成させた後、該肉盛層を900
    〜1100°Cに加熱する熱処理を行うことを特徴とす
    る局部厚肉化金属管の製造方法。
JP22966895A 1995-08-14 1995-08-14 局部厚肉化金属管及びその製造方法 Pending JPH0952166A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016006110A1 (ja) * 2014-07-11 2016-01-14 株式会社テクノアソシエ 同種金属接合体及び電子機器構造体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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