JPH10224175A - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JPH10224175A
JPH10224175A JP31902997A JP31902997A JPH10224175A JP H10224175 A JPH10224175 A JP H10224175A JP 31902997 A JP31902997 A JP 31902997A JP 31902997 A JP31902997 A JP 31902997A JP H10224175 A JPH10224175 A JP H10224175A
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acoustic wave
surface acoustic
grounding
conductor
pad
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Katsunori Osanai
勝則 小山内
Masaki Takahashi
正樹 高橋
Katsuo Sato
勝男 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェースダウン接続構造をもつ弾性表面波装
置において、高周波側の帯域外抑圧度を向上させる。 【解決手段】 弾性表面波素子が表面実装用パッケージ
1にフェースダウン接続されており、表面実装用パッケ
ージ1が、入力用端子21a、出力用端子21bおよび
接地用端子22a、22bと、入力用連絡導体31a、
出力用連絡導体31bおよび接地用連絡導体とを有し、
この接地用連絡導体が、弾性表面波素子の入力側の接地
用パッドと接続される接地用連絡導体32aと、弾性表
面波素子の出力側の接地用パッドと接続される接地用連
絡導体32bとに分離されている弾性表面波装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波装置に
関し、さらに詳しくは、フェースダウン接続構造の弾性
表面波装置において高周波領域の不要信号抑圧度を向上
させた構成に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波(SAW)装置は、誘電体フ
ィルタと較べ軽量短小で、同じ形状で比較した場合に電
気特性が優れていることなどから、移動体通信機器用の
高周波帯フィルタとして盛んに利用されるようになって
きている。この弾性表面波装置は、圧電性基板表面にア
ルミニウムなどからなる交差指型電極を形成した構造の
弾性表面波素子と、この弾性表面波素子を搭載収納する
パッケージ部材と、弾性表面波素子を搭載収納したパッ
ケージ部材を気密封止するための蓋とを、主要な構成要
素としている。移動体通信機器に使用される弾性表面波
装置は、高周波帯で使用すること、プリント基板上で高
密度実装がなされることなどから、パッケージ部材とし
て表面実装型のものを採用している。
【0003】従来の表面実装型の弾性表面波装置は、例
えば図10および図11に示される構成を有する。図1
0は、気密封止前の弾性表面波装置の平面図であり、図
11は、蓋50により気密封止した後の弾性表面波装置
の正面図である。図10に示すように、弾性表面波素子
100は、表面実装用パッケージ1の内部に配置され、
その入出力用の電極パッドおよび接地用の電極パッド
が、表面実装用パッケージ1のそれぞれ対応する導電パ
ッド部にボンディングワイヤ70で接続されている。さ
らに、これらの導電パッド部は、外部回路接続用の入力
用端子21a、出力用端子21b、接地用端子22a、
22a、22b、22bにそれぞれ接続されている。ま
た、図10および図11に示すように、表面実装用パッ
ケージ1の弾性表面波素子100が配置される内底部に
は接地用導体パターン14が形成され、蓋50にも接地
用導体パターンが形成され、これらはシールド性向上の
ため接地されている。接地用端子22a、22aと接地
用端子22b、22bとは、接地用導体パターン14を
介して電気的に接続されている。
【0004】ところで、この弾性表面波装置は、移動体
通信機器において800MHz〜2GHz程度を中心周波数と
する弾性表面波フィルタとして使用される。その場合の
重要な要求特性の一つに、高周波側での帯域外スプリア
ス信号の抑圧度が挙げられる。通常、通過帯域の外側か
ら3GHz程度まで、高周波回路部の簡素化のためには6G
Hz程度まで、不要信号抑圧度の高いことが求められてい
る。
【0005】しかしながら、通過帯域外の高周波側にお
いて、弾性表面波素子自体の電極指パターン設計によっ
て高い帯域外抑圧度を実現したとしても、パッケージに
収納し完成品とした構造においては、パッケージ内の電
極配線形状、パッケージと弾性表面波素子とを電気的に
接続する構成方法(ボンディングワイヤ)などに起因す
る電極部材の抵抗、寄生インダクタンスおよび浮遊容量
(以下、これらを寄生成分と総称する)が存在するの
で、入出力間の電磁的結合、すなわち電磁的直達波が生
じることになり、特に1GHz以上での帯域外抑圧度が極
度に劣化するという問題がある。この入出力間の電磁的
結合の主たる要因は、ボンディングワイヤの持つインダ
クタンスなので、高周波帯の弾性表面波装置にはボンデ
ィングワイヤを用いない構成が適している。
【0006】ボンディングワイヤを用いない弾性表面波
装置の構成としては、パッケージと弾性表面波素子の交
差指型電極形成面とを対向させ、導電バンプにより電気
的に接続するフェースダウン接続がある。導電バンプを
用いたフェースダウン接続の従来技術としては、例え
ば、特開平4−65909号公報に開示されたものがあ
る。同公報には、入力用電極に対向配置され接続される
入力用パッド、出力用電極に対向配置され接続される出
力用パッドおよび接地用電極に対向配置され接続される
接地用パッドが形成された表面実装用パッケージに、弾
性表面波素子をフェースダウン接続する構成が開示さ
れ、さらに、入力用パッドおよび出力用パッドの形成部
分以外を覆うようにアースパッドを形成すれば、弾性表
面波素子をフェースダウン接続する際の位置決め精度が
低くて済むことが示されている。
【0007】しかしながら、ボンディングワイヤを用い
ないフェースダウン接続とした弾性表面波装置において
も、高周波側の帯域外抑圧度は十分とはいえない。H.Ya
tsudaによるMWE'95 Microwave Workshop Digest pp244-
249,1995には、フェースダウン接続構成における帯域外
抑圧レベル劣化の主要因が、入出力間の電磁的結合であ
ることが報告されている。具体的には、弾性表面波素
子、パッケージの電極電気抵抗、寄生インダクタンス、
浮遊容量を等価回路で表現し、この回路モデルが実測値
とよく一致することから、弾性表面波フィルタの帯域外
減衰量劣化の原因は、これら配線電気抵抗、寄生インダ
クタンス、浮遊容量に起因する入出力間の電磁的直達波
であると結論している。しかしながら、この入出力間の
電磁的直達波を除去する手段については、同報告には何
ら開示されていない。
【0008】弾性表面波装置の帯域外抑圧度を改善する
他の従来例として、特公平6−66632号公報に開示
された構成が挙げられる。これには、弾性表面波装置を
プリント配線板等に搭載する場合の、帯域外抑圧度を改
善する構成が開示されている。同公報には、弾性表面波
装置を搭載するプリント配線板において接地用パターン
を複数に分離し、分離された接地パターン間をインピー
ダンス素子で接続することにより、帯域外抑圧度を改善
できることが示されている。しかし、同公報では、帯域
外抑圧度の改善効果は100MHz以下でしか示されてお
らず、弾性表面波装置において重要な広範囲での帯域外
抑圧度は不明である。また、同公報における弾性表面波
装置はプリント配線板に実装されるので、明示はされて
いないがパッケージ入りのものであることは明らかであ
る。そして、同公報ではパッケージ内部の配線について
の検討はなされていないため、800MHz以上や1GHz以
上の高周波帯域での抑圧度向上についての知見は得られ
ない。また、同公報記載の方法では、新たに外部回路素
子を付加する必要があることも問題である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フェ
ースダウン接続構造をもつ弾性表面波装置において、高
周波側の帯域外抑圧度を向上させることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)のいずれかの構成により達成される。 (1) 弾性表面波素子と表面実装用パッケージとを有
し、弾性表面波素子が、圧電性基板の表面に、弾性表面
波を励受振または共振または反射させるための交差指型
電極を少なくとも1組と、交差指型電極に接続する電極
パッドとを有し、電極パッドが、入力用パッド、入力側
の接地用パッド、出力用パッドおよび出力側の接地用パ
ッドを含み、表面実装用パッケージが、外部接続端子と
連絡導体とを有し、外部接続端子が、入力用端子、出力
用端子および接地用端子を含み、連絡導体が、入力用連
絡導体、出力用連絡導体および接地用連絡導体を含み、
圧電性基板の表面と表面実装用パッケージの内面とが対
向し、電極パッドと連絡導体とが電気的に接続されてお
り、接地用連絡導体が2つに分離されており、入力側の
接地用パッドが一方の接地用連絡導体に電気的に接続さ
れ、出力側の接地用パッドが他方の接地用連絡導体に電
気的に接続されている弾性表面波装置。 (2) 弾性表面波素子を接続した表面実装用パッケー
ジが、蓋により封止されている上記(1)の弾性表面波
装置。 (3) 2つに分離された接地用導体パターンが蓋に設
けられており、入力側の接地用パッドが一方の接地用導
体パターンに電気的に接続され、出力側の接地用パッド
が他方の接地用導体パターンに電気的に接続されている
上記(2)の弾性表面波装置。 (4)弾性表面波素子を接続した表面実装用パッケージ
が、外装コート樹脂により封止されている上記(1)の
弾性表面波装置。 (5) 表面実装用パッケージの交差指型電極と対向す
る領域に、接地用連絡導体が存在しない上記(1)〜
(4)のいずれかの弾性表面波装置。 (6) 弾性表面波素子が交差指型電極を2組有し、一
方の接地用連絡導体に電気的に接続された接地用パッド
の少なくとも1つと、他方の接地用連絡導体に電気的に
接続された接地用パッドの少なくとも1つとが、両交差
指型電極の間に存在し、かつ、両交差指状電極間に存在
する接地用パッドが、2組の交差指型電極が並ぶ方向と
ほぼ直交する方向に並んでいる上記(1)〜(5)のい
ずれかの弾性表面波装置。 (7) 一方の接地用連絡導体と他方の接地用連絡導体
との間に存在する絶縁領域が、直線状である上記(6)
の弾性表面波装置。 (8) 一方の接地用連絡導体と他方の接地用連絡導体
との間に存在する絶縁領域の少なくとも一部が、曲線状
または階段状である上記(6)の弾性表面波装置。
【0011】
【作用および効果】本発明の弾性表面波装置はフェース
ダウン接続構造である。具体的には、図2に示す弾性表
面波素子100の2組の交差指型電極120a、120
bが設けられた面と、図1に示す表面実装用パッケージ
1とが対向するように接続を行い、さらに、図4に示す
ように、弾性表面波素子100の上から蓋50で封止し
たものである。
【0012】表面実装用パッケージ1の内面には、接地
用連絡導体が設けられており、この接地用連絡導体は、
接地用連絡導体32aと接地用連絡導体32bとに分離
されている。弾性表面波素子100の入力側の交差指型
電極120aに接続された3つの接地用パッド132a
は、一方の接地用連絡導体32aに接続されており、出
力側の交差指型電極120bに接続された3つの接地用
パッド132bは、他方の接地用連絡導体32bに接続
されている。
【0013】このように、接地用連絡導体を入力側と出
力側とに分離して設けることにより、接地用連絡導体自
体がもつインピーダンスを流れる高周波電流を入出力間
で分離することができ、その結果、高周波側帯域外抑圧
度を向上できる。これに対し、図7に示す従来の接地用
連絡導体32のように、接地用連絡導体を1つだけしか
設けないと、接地用連絡導体を流れる高周波電流を入出
力間で分離できないため、帯域外抑圧度の向上は不可能
である。
【0014】フェースダウン接続の際には、通常、電極
パッドと連絡導体とが導電バンプを介して接続されるの
で、交差指型電極と連絡導体とは導電バンプの高さで決
まる距離をおいて対向することになる。この距離は、通
常、10〜100μm程度である。この結果、交差指型
電極と連絡導体との間で空間を介して容量結合が発生
し、帯域外抑圧度を低下させてしまう。このような容量
結合の発生を防ぐためには、図6に示すように、接地用
連絡導体の形状を、交差指型電極と対向する領域(図中
の符号11B)が切り欠かれたパターンとすることが好
ましい。これにより、高周波側帯域外抑圧度をさらに向
上させることができる。
【0015】ところで、前記寄生成分の増大および素子
の大型化を防ぐためには、弾性表面波素子における配線
パターンの長さを抑える必要がある。多重モード型の交
差指型電極を2段縦属接続した弾性表面波素子(図2に
示す構成)では、少なくとも2つの接地用パッドが両交
差指型電極間に存在する構成とすることが一般的である
が、この構成において配線パターンの長さを抑えるため
には、両交差指型電極間に存在する接地用パッドを、両
交差指電極が並ぶ方向とほぼ直交する方向に並べて配置
することが好ましい。例えば図2では、2組の交差指型
電極120a、120b間に存在する2つの接地用パッ
ド132a、132bを、両交差指型電極が並ぶ方向
(図中上下方向)と直交する方向(図中左右方向)に並
べて配置してある。
【0016】両交差指型電極間の2つの接地用パッドを
図2に示すように左右方向に並べて配置した場合、例え
ば図1に示すように、接地用連絡導体32a、32b間
に存在する絶縁領域11A(ベース板11が露出してい
る領域)の一部を階段状とすることにより、入力側の3
つの接地用パッド132aのすべてを一方の接地用連絡
導体32aに接続し、かつ、出力側の3つの接地用パッ
ド132bのすべてを他方の接地用連絡導体32bに接
続することが可能となる。また、前記絶縁領域の少なく
とも一部を階段状とする構成に限らず、例えば図12に
示すように、絶縁領域11Aの少なくとも一部を曲線状
とする構成としてもよい。また、両交差指型電極間に存
在する2つの接地用パッド132a、132bが並ぶ方
向と交差するように、直線状の絶縁領域を設ける構成と
してもよい。すなわち、図13に示すように、直線状の
絶縁領域11Aを斜めに設ける構成としてもよい。ま
た、弾性表面波素子をその面内で回転させた状態で接続
することによって、2つの接地用パッドが並ぶ方向と直
線状の絶縁領域とを交差させる構成としてもよい。な
お、図12および図13にそれぞれ示す表面実装用パッ
ケージ1は、絶縁領域11Aの形状のほかは図1に示す
表面実装用パッケージ1と同様な構成である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。
【0018】第1の具体例 図1は、本発明の第1の具体例に係わり、弾性表面波素
子をフェースダウン接続するための表面実装用パッケー
ジ1の導体パターンを示す平面図である。
【0019】表面実装用パッケージ1は、ベース板11
(図4参照)と、この上に接合された枠体12とを有
し、外側面に、外部回路と接続するための外部接続端子
として、入力用端子21aと、入力用端子側に設けられ
た接地用端子22a、22aと、出力用端子21bと、
出力用端子側に設けられた接地用端子22b、22bと
を有する。ベース板11上には、入力用連絡導体31
a、出力用連絡導体31bおよび接地用連絡導体を有す
る。接地用連絡導体は、接地用連絡導体32aと接地用
連絡導体32bとに入出力相互間で電気的に分離されて
いる。入力用端子21aは入力用連絡導体31aに、出
力用端子21bは出力用連絡導体31bに、それぞれ接
続されている。また、入力側の接地用端子22a、22
aは一方の接地用連絡導体32aに、出力側の接地用端
子22b、22bは他方の接地用連絡導体32bに、そ
れぞれ接続されている。したがって、接地用端子も、入
出力間で電気的に分離されている。
【0020】この表面実装用パッケージ1上に、弾性表
面波素子を導電バンプを介してフェースダウン接続す
る。
【0021】図2は、本発明に係わる弾性表面波素子1
00のパターンを示す平面図である。本具体例における
弾性表面波素子100は、二段縦続接続した二重モード
フィルタからなる。この弾性表面波素子100は、圧電
性基板110の表面に、弾性表面波を励受振または反射
するための交差指型電極120a、120bと、各交差
指型電極に接続された電極パッドとを有する。入力側の
交差指型電極120aに接続されている電極パッドは、
入力用パッド131aおよび3つの接地用パッド132
aであり、出力側の交差指型電極120bに接続されて
いる電極パッドは、出力用パッド131bおよび3つの
接地用パッド132bである。
【0022】フェースダウン接続を行うに際しては、こ
れらの電極パッド上に予めバンプボンダーにより金バン
プを形成しておく。そして、圧電性基板110の交差指
型電極形成面が表面実装用パッケージ1の内底面と対向
するように弾性表面波素子100を配置し、超音波熱圧
着によりフェースダウン接続する。なお、この具体例で
は、フェースダウン接続後、対向する弾性表面波素子表
面と表面実装用パッケージ内面との距離(導電バンプの
高さ)を約15μmとしたが、この距離によらず、本発
明の効果は実現する。また、本具体例では導電バンプを
弾性表面波素子100側に形成したが、導電バンプを表
面実装用パッケージ1側に形成しても同様な構成が可能
である。また、金バンプに限らず、ハンダバンプを利用
してもよく、接続方法としては超音波熱圧着に限らず、
バンプの先端に導電性接着剤を塗布する方法などを利用
してもよい。
【0023】次に、弾性表面波素子100がフェースダ
ウン接続されたパッケージを、気密封止する。この具体
例では、図3に示す構成の蓋50を、表面実装用パッケ
ージの枠体12上に接合することにより、気密封止し
た。蓋50は、蓋本体51の表面に接地用導体パターン
を形成したものである。この接地用導体パターンは、絶
縁領域51Aにより電気的に分離された2つの接地用導
体パターン52a、52bからなる。また、接地用導体
パターン52aと入力側の接地用端子22a、22aと
の電気的接続および接地用導体パターン52bと出力側
の接地用端子22b、22bとの電気的接続のために、
表面実装用パッケージ1の枠体12上には、互いに電気
的に分離された接地用導体パターン13a、13bが形
成されている。図4に、気密封止後の弾性表面波装置の
正面図を示す。
【0024】本具体例では蓋50により気密封止を行っ
たが、フェースダウン接続においては、弾性表面波振動
部分が弾性表面波素子表面と表面実装用パッケージ内面
との間の空隙にあるので、図5に示すように、外装コー
ト樹脂により気密封止してもよい。図5では、図1に示
す表面実装用パッケージ1から枠体12を外した構造の
表面実装用パッケージを用い、弾性表面波素子100の
電極パッドと表面実装用パッケージ1の連絡導体とを導
電バンプ140により電気的に接続した後、外装コート
樹脂60をベース板11表面に設けてある。
【0025】図示例では、表面実装用パッケージおよび
蓋の構成材料としてアルミナセラミックスを用い、連絡
導体や電極パッド等の導体パターンとしては、タングス
テンの焼き付け電極(厚さ約5μm)上にニッケル(厚
さ約2μm)、金(厚さ約0.5μm)の順にメッキした
ものを用いたが、このほか、例えば、パッケージ用材料
として安価な樹脂を使用したり、また、連絡導体および
導体パターンとして銅薄板を加工して用いたりしてもよ
い。また、交差指型電極は、アルミニウムのスパッタリ
ングにより形成したが、これに限定されるものではな
い。
【0026】本発明の効果は、特定の弾性表面波素子の
構造に限定して生じるものではない。したがって、図示
する二段縦続接続した二重モードフィルタに限らず、様
々な弾性表面波素子を有する弾性表面波装置に対して本
発明は有効である。また、この具体例ではLiNbO3
基板を用いたが、圧電性基板の種類によらず本発明の実
施が可能である。
【0027】比較検討のため、表面実装用パッケージの
接地用連絡導体が入出力間で分離されてない点だけが第
1の具体例と相違する従来の弾性表面波装置を同時に作
製した。図7に、この従来技術による表面実装用パッケ
ージの平面図を示す。図7に示す表面実装用パッケージ
では、接地用連絡導体が入出力間で分離されておらず、
すべての接地用端子が接地用連絡導体32に接続されて
いる。したがって、入力側の接地用端子22a、22a
と出力側の接地用端子22b、22bとの間には有限の
大きさのインピーダンスが存在する。表面実装用パッケ
ージの寸法が3.8mm角である場合、このインピーダン
スは、約0.5nHのインダクタンスであることが実測に
よりわかった。したがって、すべての接地用端子がすべ
て等しく接地電位となるとは限らなくなり、入出力間に
不要信号の要因となる電流が流れることが推察される。
【0028】図8(a)および図8(b)に、本発明の
第1の具体例により構成された弾性表面波フィルタと、
前記した従来技術に基いて構成された弾性表面波フィル
タとについて、周波数応答を対比して図示する。図8
(a)は、通過帯域近傍(中心周波数947.5MHz)
における周波数応答を示すグラフであり、本発明の構成
によると従来技術に比べ通過帯域近傍の帯域外抑圧度が
10dB程度向上していることがわかる。図8(b)は、
10GHzまでにわたって両者の高周波側の帯域外抑圧度
を比較したものであり、一般に要求される3GHz程度に
おいて本発明により抑圧度が著しく向上しており、それ
よりも高周波側においても本発明により抑圧度の向上が
認められることがわかる。
【0029】第2の具体例 本発明の第2の具体例における表面実装用パッケージの
平面図を、図6に示す。第1の具体例と同一のものには
同一の符号を付し、説明を省略する。この具体例では、
第1の具体例と同じく表面実装用パッケージの接地用連
絡導体を、入力側の接地用連絡導体32aと出力側の接
地用連絡導体32bとに電気的に分離した構成としてあ
る。ただし、フェースダウン接続としたときに弾性表面
波素子の交差指型電極(図2の符号120a、120
b)に対向する領域(図6の連絡導体削除領域11B)
には、前述した容量結合を防ぐために接地用連絡導体を
形成していない。
【0030】この第2の具体例について、従来技術によ
るものとの周波数特性の比較を行った。結果を図9に示
す。同図から明らかなように、高周波側の帯域外抑圧度
が6GHz近傍まで最大6dB以上の向上がなされている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる表面実装用パッケージの導体パ
ターン形成面を示す平面図である。
【図2】弾性表面波素子を示す平面図である。
【図3】気密封止用の蓋の平面図および左側面図であ
る。
【図4】気密封止後の弾性表面波装置の正面図である。
【図5】外装コート樹脂により気密封止した弾性表面波
装置の切断端面を示す断面図である。
【図6】本発明で用いる表面実装用パッケージの導体パ
ターン形成面を示す平面図である。
【図7】従来の表面実装用パッケージの導体パターン形
成面を示す平面図である。
【図8】本発明の第1の具体例に係わる弾性表面波装置
と従来の弾性表面波装置とにおける帯域外抑圧度を比較
するためのグラフであり、(a)は、通過帯域近傍(中
心周波数947.5MHz)での周波数応答を示す特性図
であり、(b)は、10GHzまでの周波数応答を示す特
性図である。
【図9】本発明の第2の具体例に係わる弾性表面波装置
と従来の弾性表面波装置とにおける帯域外抑圧度を比較
するためのグラフであり、通過帯域近傍から10GHzま
での周波数応答を示す特性図である。
【図10】ボンディングワイヤにより接続した従来の表
面実装型弾性表面波装置の気密封止前の平面図である。
【図11】ボンディングワイヤにより接続した従来の表
面実装型弾性表面波装置の気密封止後の正面図である。
【図12】本発明で用いる表面実装用パッケージの導体
パターン形成面を示す平面図である。
【図13】本発明で用いる表面実装用パッケージの導体
パターン形成面を示す平面図である。
【符号の説明】
1 表面実装用パッケージ 11 ベース板 11A 絶縁領域 11B 連絡導体削除領域 12 枠体 13a、13b 接地用導体パターン 14 接地用導体パターン 21a 入力用端子 21b 出力用端子 22a、22b 接地用端子 31a 入力用連絡導体 31b 出力用連絡導体 32、32a、32b 接地用連絡導体 50 蓋 51 蓋本体 51A 絶縁領域 52a、52b 接地用導体パターン 60 外装コート樹脂 70 ボンディングワイヤ 100 弾性表面波素子 110 圧電性基板 120a、120b 交差指型電極 131a 入力用パッド 131b 出力用パッド 132a、132b 接地用パッド 140 導電バンプ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性表面波素子と表面実装用パッケージ
    とを有し、 弾性表面波素子が、圧電性基板の表面に、弾性表面波を
    励受振または共振または反射させるための交差指型電極
    を少なくとも1組と、交差指型電極に接続する電極パッ
    ドとを有し、電極パッドが、入力用パッド、入力側の接
    地用パッド、出力用パッドおよび出力側の接地用パッド
    を含み、 表面実装用パッケージが、外部接続端子と連絡導体とを
    有し、外部接続端子が、入力用端子、出力用端子および
    接地用端子を含み、連絡導体が、入力用連絡導体、出力
    用連絡導体および接地用連絡導体を含み、 圧電性基板の表面と表面実装用パッケージの内面とが対
    向し、電極パッドと連絡導体とが電気的に接続されてお
    り、 接地用連絡導体が2つに分離されており、入力側の接地
    用パッドが一方の接地用連絡導体に電気的に接続され、
    出力側の接地用パッドが他方の接地用連絡導体に電気的
    に接続されている弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 弾性表面波素子を接続した表面実装用パ
    ッケージが、蓋により封止されている請求項1の弾性表
    面波装置。
  3. 【請求項3】 2つに分離された接地用導体パターンが
    蓋に設けられており、入力側の接地用パッドが一方の接
    地用導体パターンに電気的に接続され、出力側の接地用
    パッドが他方の接地用導体パターンに電気的に接続され
    ている請求項2の弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】弾性表面波素子を接続した表面実装用パッ
    ケージが、外装コート樹脂により封止されている請求項
    1の弾性表面波装置。
  5. 【請求項5】 表面実装用パッケージの交差指型電極と
    対向する領域に、接地用連絡導体が存在しない請求項1
    〜4のいずれかの弾性表面波装置。
  6. 【請求項6】 弾性表面波素子が交差指型電極を2組有
    し、一方の接地用連絡導体に電気的に接続された接地用
    パッドの少なくとも1つと、他方の接地用連絡導体に電
    気的に接続された接地用パッドの少なくとも1つとが、
    両交差指型電極の間に存在し、かつ、両交差指状電極間
    に存在する接地用パッドが、2組の交差指型電極が並ぶ
    方向とほぼ直交する方向に並んでいる請求項1〜5のい
    ずれかの弾性表面波装置。
  7. 【請求項7】 一方の接地用連絡導体と他方の接地用連
    絡導体との間に存在する絶縁領域が、直線状である請求
    項6の弾性表面波装置。
  8. 【請求項8】 一方の接地用連絡導体と他方の接地用連
    絡導体との間に存在する絶縁領域の少なくとも一部が、
    曲線状または階段状である請求項6の弾性表面波装置。
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