JP2892993B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JP2892993B2 JP8259277A JP25927796A JP2892993B2 JP 2892993 B2 JP2892993 B2 JP 2892993B2 JP 8259277 A JP8259277 A JP 8259277A JP 25927796 A JP25927796 A JP 25927796A JP 2892993 B2 JP2892993 B2 JP 2892993B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、SAWフィルタのを備
えた弾性表面波装置及びこれを用いた機器に係り、特に
400MHz帯以上の高周波帯における入出力アイソレ
ーションを充分得るのに好適な弾性表面波装置及びこれ
を用いた機器に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のSAWフィルタは所望通過帯域
特性に対し急峻な遮断特性を呈する可能性と共に扁平状
に薄く、軽く形成出来る可能性を有するので、衛星TV
放送用受信器のIFフィルタ、自動車電話や、携帯電話
やページャの如き移動体通信装置用のフィルタとして使
用出来る。この種の装置に於ける各部品の軽薄短小化は
強く要望されている所である。SAWフィルタは例えば
36°YcutX伝播のLiTaO3基板を用いた素子
で、特開昭56−132807号、57−202114
号、59−58907号、特にその改良が記載されてい
る。
【0003】従来のSAWフィルタ用面実装型パッケー
ジは、特開昭61−245709号に記載のように、絶
縁基板に複数の端子用パターンがあるのみで、それらの
間の電磁干渉を阻止する構造は設けられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】即ち、入出力端子間に
シールドを設け、入出力端子間の電磁結合を阻止するア
イソレーションを得る点について配慮がされていない。
また図8(A)に示す如くセラミック製基板P上に設け
られたSAWフィルタチップSF、入出力端子IP,O
Pに加えて、少なくとも入力側アース端子E1、出力側
アース端子E2が各1個有する構成が既知であるが、こ
れらは入、出力端子間の電磁結合阻止用の端子ではな
く、基板Pの裏側を示すFig.8Bの如く端子IP,
OPは基板の表側から延びて来て裏側でも対向配置さ
れ、阻止機能は不充分である。すなわち裏側の各端子は
周辺回路との接続端子としてのみ機能しているものであ
る。従って70MHz以下の低い周波数であれば問題な
いが、特に400MHz以上の高周波においては、入出
力アイソレーションが充分に得られず直達波による帯域
外抑圧度の劣化という問題が生じる。
【0005】本発明の目的は、高周波領域で動作する弾
性表面波装置において、絶縁基板の表面及び内部におけ
る入出力端子間の電磁的な結合を阻止すると共に、SA
Wフィルタ・チップの特性インピーダンスとの整合を取
ることが容易な弾性表面波装置を提供することにある。
【0006】上記目的を達成するための本発明に係る弾
性表面波装置は、SAWフィルタ・チップと、該SAW
フィルタ・チップが一方の面に配置される絶縁基板とを
備えた弾性表面波装置において、前記絶縁基板の一方の
面、及び該一方の面と対向する他方の面の各々には、該
絶縁基板の長さ方向の両端部にそれぞれ位置する矩形状
の入力端子用導電パターン及び矩形状の出力端子用導電
パターンと、該入力及び出力端子用導電パターンの各々
の、前記絶縁基板の中央側の第1の辺と該第1の辺に隣
接する2つの第2の辺の各々に対向する形状のエ字状部
を有するアース用パターンと、が形成され、前記アース
用パターンのエ字状部の、前記入力及び出力端子用導電
パターンの第2の辺に対向する部分は、前記入力及び出
力端子用導電パターンの第2の辺に対して、該入力及び
出力端子用導電パターンの線路インピーダンスが前記S
AWフィルタ・チップの特性インピーダンスと整合する
ような間隙をもって配置され、前記アース用パターンの
前記入力端子用導電パターンと出力端子用導電パターン
との間の位置に、前記絶縁基板をその厚さ方向に貫通す
る導電部材を挿入して前記絶縁基板の一方及び他方の面
に形成されたアース用パターン同士を電気的に接続し、
前記絶縁基板の一方の面に形成された入力端子用導電パ
ターン、出力端子用導電パターン及びアース用パターン
と、他方の面に形成された入力端子用導電パターン、出
力端子用導電パターン及びアース用パターンとを、各々
前記絶縁基板の側面部において互いに電気的に接続した
ことを特徴とするものである
【0007】上記構成の弾性表面波装置は、400MH
z以上の高周波を使用する機器において、上記アース用
パターンを接地してフィルタとして用いられる。
【0008】前記SAWフィルタ・チップは、導電性を
有するケース部材により覆われて密閉されてもよい。こ
のケース部材は金属製であってもよい。
【0009】また、本発明では、400MHz以上の周
波数帯で、通過帯域外の減衰量が50dB以上の弾性表
面波装置が実現できる。
【0010】
【作用】本発明によれば、アース用パターンを、入力及
び出力端子用導電パターンのそれぞれの絶縁基板中央側
の辺を含む3辺に各々に対向するエ字状の形状としたた
め、その入力端子用導電パターンと出力端子用導電パタ
ーンとの間の部分、つまりエ字状部の中央側の部分で絶
縁基板の表面における入出力端子間の電磁結合を防止で
きる。また、当該エ字状部の、入力及び出力端子用導電
パターンの絶縁基板中央側の辺に隣接する辺と対向する
部分は、入力及び出力導電用パターンと、その導電用パ
ターンとの間のス間隙とにより共平面線路を形成してお
り、その間隙を該入力及び出力端子用導電パターンの線
路インピーダンスが前記SAWフィルタ・チップの特性
インピーダンスと整合するような間隙をもって配置する
ことにより、入力及び出力端子用導電パターンの線路イ
ンピーダンスをSAWフィルタ・チップの特性インピー
ダンスース用パターンとほぼ等しくすることができる。
更に、アース用パターンのエ字状部の中央部に、絶縁基
板をその厚さ方向に貫通する導電部材を挿入してアース
用パターンと接続したため、絶縁基板内部における入出
力端子間の電磁結合をも防止できる。
【0011】
【実施例】図1(A)は、本発明の一実施例を示したも
のである。SAWフィルタチップ3は、ダイボンド接着
剤によりセラミック製の両面基板1に接着される。基板
上に入、出力端子用導電パターン5,6に加えてアース
用パターン7が例えばNiメッキ層上にAuメッキを施
して図示の配置に設けられる。基板表面の中央両側部に
設けられたパターン5,6と絶縁スペース10を介して
パターン7がこれらを囲む様に配置される。そしてチッ
プ上の入力パッド8(例えばAl蒸着膜)と基板の入力
端子用パターン5、出力パッド9と出力端子用パターン
6、アースパッドとアース用パターン7はワイヤ4にて
電気的に接続されている。両面基板1の上、下面を図2
(A),(B)で示すように、各導電パターンは両面で
同じ様に設けられて、夫れ夫れ側面部に設けられる延長
部6c,7cを介して導電結合している。またスルーホ
ール12(例えばNiを埋込む)を形成して電気的に接
続してもよい。基板表面中央部(チップ3の下部付近)
に複数のスルーホール12(図2(A)では3個)を設
けてアース用パターン7と接続することにより基板内部
を通る電磁結合を阻止する効果も生じる。基板の上、下
面上で入、出力端子用パターンを囲む様にアースパター
ン7を配置する構造により、入、出力端子用パターン間
の電磁結合による直達波を遮断することができる。それ
によって、400MHz以上の高周波帯においても入出
力間のアイソレーションが充分に得られ、40dB以上
の帯域外抑圧度と共に実質的にSAWフィルタチップ3
の音響特性を表わす急峻な立ち上り、立ち下り特性を持
つ帯域特性を実現できる。そして、外部の塵埃や湿気を
防ぐために非金属、例えば樹脂製のキャップ2にて封止
することにより、面付けタイプのSAWフィルタ装置を
実現することができる。
【0012】図3(A),(B),(C)は本発明の別
の実施例を示し、基板の表、裏面、側面の導電パターン
のレイアウトならびに主要部の寸法のみを示し、他部分
は図1実施例と同様なので図示を省略してある。
【0013】図1(A)の導電パターンのレイアウトに
対し本実施例の導電パターンのレイアウトの主な差異は
基板の表、裏面の入、出力端子用導電パターンが基板側
面上の延長部を介して互に接続されておらず、SAWフ
ィルタ・チップが設けられる表側表面の入、出力端子用
導電パターン35,36は孤立しており、その周囲に絶
縁スペース部30が設けられて、このスペース部30を
介してアース用導電パターン37がパターン35,36
を囲むレイアウトとなっている。従って基板裏面に設け
られ、入、出力端子用導電パターン35′,36′とは
スルーホール12を通して電気的に接続され、導電パタ
ーン35′,36′の周囲に絶縁スペース部30′が設
けられるのは図2で示すレイアウトと同様である。この
ように入、出力端子用導電パターンの孤立化により図7
で示す金属製(導電性)のキャップを用いて密封するこ
とが可能となる。
【0014】図3(A),(B),(C)の実施例では
5×7×0.5mmのセラミック基板(材質Al2O3)
を使用する。パターンはNiメッキした上にAuメッキ
をほどこし、Al超音波ボンディングが可能で、しかも
半田付け性も良好になる様配慮している。
【0015】図3(A)において、寸法a,bはワイヤ
ボンディング性を行う0.5mm,0.55mmと設定
している。また、寸法cは半田付けをほどこす為、0.
7mmとした。シールドパターンと入出力パターンとの
間のスペースの幅d,eは電気的特性上重要である。特
に寸法e部は、共平面線路を形成しており、SAWフィ
ルタの特性インピーダンスに合わせた、特性インピーダ
ンスとなる様決定すべきである。ここでは、SAWフィ
ルタのインピーダンス50Ωに合わせることにした。A
l2O3セラミック基板の誘電率εrが10程度であるこ
とにより、c/(c+2c)=0.4にて線路インピー
ダンスが50Ωとなる。このことにより、eを0.6m
mと設定した。同様にdを0.5mmと設定した。また
シールドパターンの幅f,gはワイヤボンディングの位
置ずれ、半田ブリッジ等でショートにならない範囲で出
来るだけ広く設定した。f=2.6mm,g=1.6m
mと設定した。また、半田付けをほどこす、側面パター
ンのピッチhは0.27mmとした。なお基板の長さ方
向側面部においても基板両面部のアースパターンを短絡
する導電部を設けている。
【0016】図8に示す従来技術の面付けパッケージに
よるSAWフィルタと、図1(A),(B)の実施例に
よるSAWフィルタ装置を用いて450MHz帯SAW
フィルタとの特性を図4は比較して示している。
【0017】図4は、図9に示す従来技術の基板を用い
たSAWフィルタ装置と、図3(A),(B)に示す基
板を用いた図10に示す実施例によるSAWフィルタ装
置を用いて、450MHz帯SAWフィルタを作成し、
その特性を比較したものである。450MHz帯SAW
フィルタ基本設計は圧電結晶基板である36°Ycut
X伝播LiTaO3基板を用いた素子で、その圧電基板
上の電極パターンは、特開昭56−132807号、5
7−202114号、59−58907号公報等に記載
された設計手法により設計されている。チップサイズは
3.0×3.5mmであり、図9に示す様に入、出力用
ボンディングパッド41,42各1個アース用ボンディ
ングパッド43,44,45,46,47,48,6
個、合計8本のワイヤボンディングによりパッケージ基
板との電気的接続を行なう必要がある。したがって従来
技術の基板は図9に示す様に6端子のものを用い、入、
出力用にIP,OP2端子、アース用にF1,F2,F
3,F4,4端子を用いてワイヤ配線を行なった。図1
0は本発明を用いた装置であり、入出力ボンディングパ
ッドはIP,OPと接続され、アースパッド43,4
4,45,46,47,48はアースパターンEと接続
されている。このように作成した基板をキャップにて封
止し、SAWフィルタ装置を作成した。本装置の電気的
特性測定には、図11に示す特性測定用基板を用い、従
来技術の装置では、IPとIIP,OPとOOP,E
1,E3とEE1,E2,E4とEE2を半田付けにて
接続し本発明による装置ではIPとIIP,OPとOO
P,E6,E7,E8とEE1,E3,E4,E5とE
E2を半田付けにて接続し、測定用基板を50Ω同軸ケ
ーブルにて接続し、ネットワークアナライサ(例えばH
P製8507B)にて電気的特性を測定した。なお、図
11でインダクタL1,L2はSAWフィルタの内部容量
分をキャンセルするマッチング用コイルである。特性グ
ラフから分る様に、本発明による装置の帯域外抑圧度は
50dBを実現しており、従来装置に対し、20dB以
上良好である。
【0018】図5(A),(B)は本発明の更に別の実
施例を示し、セラミック基板1上に於て、アース用導電
パターン57を入、出力端子用導電パターン5′,6′
の間に帯状に設けたレイアウトを示す。
【0019】図6は、本発明の別の実施例の導電パター
ンレイアウトを示す。このように入力端子用導電パター
ン2個65−1,65−2、出力端子用導電パターン2
個66−1,66−2の場合でもこれらの間にアース用
パターン67を設けることにより本発明の効果を得るこ
とが出来、2個以上の場合も同様である。また図6
(A),(B)上、下面パターンの電気的接続法は、本
実施例スルーホール12以外の方法においても、同等の
効果を得ることができる。本発明により複数のフィルタ
特性を有するSAWフィルタ・チップを1パッケージ内
に実装可能となり、異なる2つの帯域幅のフィルタ特性
を有するBSチューナー用デュアル・SAWフィルタ装
置を1パッケージ内に実装して特性を改善することが出
来る。
【0020】図7は本発明による更に別の実施例を示
し、図3(A)の両面基板1に金属性の枠19を銀ロウ
付け等により接着したものに、金属性の平板20を例え
ばシーム熔接等にて熔接する構造を示している。この構
造により塵埃、湿気に対し気密性の高い(例えば、1×
10~5atm cc/secHeオーダのMilitary規
格)パッケージを実現することができると共に外部の電
磁波に対するシールド効果も得られる。
【0021】
【効果】以上述べた如く、本発明によれば、入出力間ア
イソレーションを充分に得ることができる、400MH
z以上の高周波帯においても充分な帯域外抑圧度を得る
ことができる。また、SAWフィルタ・チップの特性イ
ンピーダンスとの整合をとることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のSAWフィルタ装置及び密
封用キャップの斜視図。
【図2】図1の基板上の導電パターン配置を示す上面、
側面、下面図。
【図3】本発明の第2実施例の導電パターン配置(レイ
アウト)の平面図。
【図4】本発明によるSAWフィルタ装置と従来の装置
との特性を比較する特性図。
【図5】別の実施例の斜視図。
【図6】別の実施例の斜視図。
【図7】別の実施例の斜視図。
【図8】従来例の斜視図。
【図9】別の実施例の斜視図。
【図10】別の実施例の斜視図。
【図11】電気的特性測定用基板の斜視図。
【符号の説明】
1…両面基板、 2…キャップ、 3…SAWフィルタチップ、 4…ワイヤ、 5…入力端子パターン、 6…出力端子パターン、 7…アースパターン、 8…上面図、 9…側面図、 10…下面図、 11…断面図、 12…スルーホール、 13…従来技術による基板、 14…本発明による特性、 15…従来技術による特性、 16…上面図、 17…側面図、 18…下面図、 19…金属性枠、 20…金属性平板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−111713(JP,A) 特開 昭61−20359(JP,A) 特開 昭61−184897(JP,A) 特開 昭63−105509(JP,A) 特開 昭61−225842(JP,A) 特開 昭58−123201(JP,A) 実開 昭54−76640(JP,U) 実開 昭63−29949(JP,U) 実開 昭63−3623(JP,U) 実開 昭58−158528(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SAWフィルタ・チップと、該SAWフィ
    ルタ・チップが一方の面に配置される絶縁基板とを備え
    た弾性表面波装置において、 前記絶縁基板の一方の面、及び該一方の面と対向する他
    方の面の各々には、 該絶縁基板の長さ方向の両端部にそれぞれ位置する矩形
    状の入力端子用導電パターン及び矩形状の出力端子用導
    電パターンと、 該入力及び出力端子用導電パターンの各々の、前記絶縁
    基板の中央側の第1の辺と該第1の辺に隣接する2つ
    第2の辺の各々に対向する形状のエ字状部を有するアー
    ス用パターンと、が形成され、 前記アース用パターンのエ字状部の、前記入力及び出力
    端子用導電パターンの第2の辺に対向する部分は、前記
    入力及び出力端子用導電パターンの第2の辺に対して、
    該入力及び出力端子用導電パターンの線路インピーダン
    スが前記SAWフィルタ・チップの特性インピーダンス
    と整合するような間隙をもって配置され、 前記アース用パターンの前記入力端子用導電パターンと
    出力端子用導電パターンとの間の位置に、前記絶縁基板
    をその厚さ方向に貫通する導電部材を挿入して前記絶縁
    基板の一方及び他方の面に形成されたアース用パターン
    同士を電気的に接続し 前記絶縁基板の一方の面に形成された入力端子用導電パ
    ターン、出力端子用導電パターン及びアース用パターン
    と、他方の面に形成された入力端子用導電パターン、出
    力端子用導電パターン及びアース用パターンとを、各々
    前記絶縁基板の側面部において互いに電気的に接続した
    ことを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の弾性表面波装置を、前記
    アース用パターンを接地してフィルタとして用いたこと
    を特徴とする機器。
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