JPH10224136A - 車両用ガラスアンテナ装置 - Google Patents

車両用ガラスアンテナ装置

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Publication number
JPH10224136A
JPH10224136A JP1916797A JP1916797A JPH10224136A JP H10224136 A JPH10224136 A JP H10224136A JP 1916797 A JP1916797 A JP 1916797A JP 1916797 A JP1916797 A JP 1916797A JP H10224136 A JPH10224136 A JP H10224136A
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JP
Japan
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transformer
impedance
resonance
antenna conductor
coil
Prior art date
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JP1916797A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Saito
俊彦 斉藤
Tetsuo Hashimoto
哲郎 橋本
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感度に温度依存性を持たせずに、自動車毎に均
一にする。 【解決手段】トランスの1次側インダクタンスと、給電
点4からアンテナ導体6側を見た場合のインピーダンス
とで第1の共振を起こし、トランスの1次側インダクタ
ンスとトランスの2次側インダクタンスの和のインダク
タンスと、給電点4からアンテナ導体6側を見た場合の
インピーダンスとで第2の共振を起こす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高受信感度であり、
しかも所望の放送周波数帯等の帯域内で受信感度の平坦
性の高い車両用ガラスアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、AM放送帯及びFM放送帯受信用
のガラスアンテナにおいては、アンテナの受信感度の不
足を補償するため、アンテナ導体の給電点と受信機との
間の給電線の好適な部位に前置増幅器を挿入接続するこ
とが行われていた。しかし、前置増幅器挿入のため、強
電界中において波形歪や混変調などが発生しノイズがそ
のまま増幅される問題があった。また、受信機とは別に
前置増幅器を設ける必要があるため、生産性が悪かっ
た。
【0003】また、自動車の後部窓ガラス板に、ヒータ
線とヒータ線に給電するバスバとを有する通電加熱式の
デフォッガと、デフォッガとの間で直流電流の送受は行
われないが中高周波電流の送受は行われるように所定間
隔をおいて近接させて容量結合させた所定パターンのア
ンテナ導体とを設けた車両用ガラスアンテナ装置が報告
されている(特開平2−239701)。
【0004】この従来技術では、バスバとデフォッガ用
の直流電源間にチョークコイルを接続して、チョークコ
イルのインピーダンスを大きくすることによって、直流
電源からデフォッガへの直流電流は流すが放送周波数帯
域等の高周波帯域の電流は遮断するようにしている。こ
の容量結合によって、見かけ上、デフォッガはアンテナ
の一部として機能するようになる。
【0005】また、アンテナ導体、デフォッガ、車体の
それぞれが相互に形成する主に静電容量からなるインピ
ーダンスと、チョークコイルのインピーダンスとによっ
て、所望の放送周波数帯域内に反共振の共振周波数が存
在するようにしている。
【0006】また、アンテナ導体の給電点と受信機との
間に接続させた所定回路のインピーダンスと、受信機の
入力インピーダンスと、所定の回路からアンテナ導体側
を見たインピーダンスとによって、所望の放送周波数帯
域内に共振点が存在するようにしている。こうしてこの
従来技術は、受信感度を向上させている。
【0007】しかし、この従来技術は、チョークコイル
のインピーダンスが反共振の共振周波数に影響し、大電
流を流すチョークコイルのインピーダンスを均一に製造
することが困難であり、チョークコイルのインピーダン
スが自動車ごとにばらつくため、反共振の共振周波数の
ばらつきが大きい。
【0008】また、チョークコイルのインピーダンスは
温度依存性が強いため、温度変化が大きいとき反共振の
共振周波数が大きく変化する。その結果、所望の放送周
波数帯域内に反共振周波数が存在する場合、受信感度が
均一にならず、生産性が悪い欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
前述の欠点の解消を目的とし、受信感度及び生産性に優
れた車両用ガラスアンテナ装置を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両の窓ガラ
ス板にアンテナ導体が設けられ、アンテナ導体と受信機
との間にトランスの1次側が接続され、受信機と車体ア
ースとの間にトランスの2次側が接続されてなり、トラ
ンスの1次側のインダクタンスと、給電点からアンテナ
導体側を見た場合のインピーダンスとで第1の共振が起
きるようにされ、トランスの1次側のインピーダンスと
トランスの2次側のインピーダンスとの和のインピーダ
ンスと、給電点からアンテナ導体側を見た場合のインピ
ーダンスとで第2の共振が起きるようにされてなること
を特徴とする車両用ガラスアンテナ装置を提供する。
【0011】また、トランスの2次側の結線が、トラン
スの1次側及び2次側の自己誘導作用に相互誘導作用が
加算される方向になされてなる上記車両用ガラスアンテ
ナ装置を提供する。
【0012】また、アンテナ導体と受信機との間にトラ
ンスの1次側とコンデンサとが並列接続されたものが接
続されてなり、コンデンサが所望の受信周波数帯より高
い周波数の受信周波数帯の受信信号を通過させるような
容量値を有する上記車両用ガラスアンテナ装置を提供す
る。
【0013】また、ヒータ線とヒータ線に給電するバス
バとを有する通電加熱式のデフォッガが車両の窓ガラス
板に設けられてなり、バスバと直流電源との間及び/又
はバスバと車体アースとの間にチョークコイルが接続さ
れてなり、アンテナ導体とデフォッガとが容量結合され
てなる上記車両用ガラスアンテナ装置を提供する。
【0014】また、主にチョークコイルのインピーダン
スと、アンテナ導体、デフォッガ、後部窓開口部の3要
素がそれぞれ相互に形成する主に静電容量からなるイン
ピーダンスとで反共振が起きるようにされてなる上記車
両用ガラスアンテナ装置を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明の自動車用ガラスア
ンテナ装置の基本的構成図である。図1において、1は
自動車の後部窓ガラス板、2はヒータ線、3はデフォッ
ガ、3aはデフォッガの分岐線、4はアンテナ導体の給
電点、5a、5b、5cはバスバ、6はアンテナ導体、
6aはアンテナ導体6のデフォッガ3との隣接部、7は
共振回路、8はリアクタンス回路、9はチョークコイ
ル、10は直流電源、11はコンデンサ、12a、12
bは高周波チョークコイル、19はコンデンサ、20は
受信機、31はトランスの1次側コイル、32はトラン
スの2次側コイルである。
【0016】図2は図1の原理を説明するためのもの
で、図1の装置の等価回路図である。Eはアンテナ導体
6の受信信号電圧源、Cは給電点4からアンテナ導体6
側を見た場合の浮遊容量(静電容量)、310はトラン
スの1次側のインダクタンス、320はトランスの2次
側のインダクタンスであり、配線の浮遊容量等の他の要
素は、通常の受信に与える影響が少なく、無視省略して
電気的現象を考えるものとする。
【0017】本発明では、2つの共振を起こして受信感
度を向上させる。トランスの1次側のインピーダンス
と、給電点4からアンテナ導体6側を見た場合のインピ
ーダンスとで第1の共振を起させる。給電点4からアン
テナ導体6側を見た場合のインピーダンスは、通常、主
に浮遊容量Cからなる。
【0018】トランスの1次側のインピーダンスとは、
トランスの1次側を開放して測定したインピーダンスを
いい、トランスの1次側コイル31のインダクタンスの
みからなるのではなく、トランスの1次側コイル31の
インダクタンスにトランスの相互インダクタンスが加算
され、かつ、1次側コイル31の有する容量も含む。図
1の場合、第1の共振は直列共振である。
【0019】また、浮遊容量Cに並列に人為的にコンデ
ンサ又は容量成分を接続して第1の共振を調整してもよ
い。トランスの1次側のインダクタンス値は、通常、1
μH〜1mH程度及び相互インダクタンス1μH〜1m
H程度とされる。
【0020】また、トランスの1次側のインピーダンス
とトランスの2次側のインピーダンスの和と、給電点4
からアンテナ導体6側を見た場合のインピーダンスとで
第2の共振を起させる。トランスの2次側のインピーダ
ンスはトランスの2次側コイル32のインダクタンスに
トランスの相互インダクタンスが加算される。
【0021】浮遊容量Cに並列に人為的にコンデンサ又
は容量成分を接続して第2の共振を調整してもよい。ト
ランスの2次側コイル32のインダクタンス値は、通
常、1μH〜1mH程度及び相互インダクタンス1μH
〜1mH程度とされる。図1の場合、第2の共振は並列
共振(反共振)である。
【0022】第1の共振、第2の共振にはアンテナ導体
6の配線の浮遊容量もわずかながら影響する。例えば、
トランスの1次側端子及び2次側端子の配線の浮遊容量
である。
【0023】図1における「・」印は、トランスのコイ
ルの巻き始めを示し、図1ではトランスの2次側の結線
がトランスの1次側及び2次側の自己誘導作用に相互誘
導作用が加算される方向になされており、図1に示す結
線の方が相互インダクタンスの効果が大きくなり、2次
側コイル32の巻数が少なくできるため、好ましい。
【0024】トランスはラジオ放送周波数帯等の高周波
帯において高インピーダンスとなるもの、例えば、トロ
イダル状のMn−Znフェライトからなる磁気コア等に
バイファイラー巻きをした高周波チョークコイル等が使
用でき、コアとして磁気飽和度の高いコアを用いること
が望ましい。
【0025】トランスについては、必要なインダクタン
ス及び自己共振周波数及びQ値を得るために、例えばコ
アを2分割し、そのコアの間隔を調整したり、トランス
の1次側又は2次側にコンデンサを並列に接続すること
により調整する。
【0026】図1では、1次側コイルの巻き始めから巻
き終りに向かって電流を流し、かつ、2次側コイルの巻
き始めから巻き終りに向かって電流を流したときに、自
己誘導作用に相互誘導作用が加算される方向にトランス
の1次側コイルと2次側コイルが巻かれている。トラン
スの1次側コイルと2次側コイルの巻方向がこれと反対
の場合には、1次側コイルの巻き始めと巻き終りへの結
線を相互に入れ換えるか、2次側コイルの巻き始めと巻
き終りへの結線を相互に入れ換えればよい。
【0027】第1の共振の共振周波数、第2の共振の共
振周波数は、所望の受信周波数帯域のほぼ中心周波数を
境として、それぞれ両者が同じ側に存在しないように、
所望の受信周波数帯域のほぼ中心周波数より低い周波数
又は高い周波数にすることが好ましい。
【0028】以上のように本発明で2つの共振を起こさ
せるのは、1つの共振のみでは、幅広い受信周波数帯域
をカバーしきれないからである。したがって、本発明で
は所望の受信周波数帯域をほぼ中心周波数で、2つに分
けてそれぞれを2つの共振とで分担させ受信感度の平坦
化を図ることが好ましい。
【0029】なお、第1の共振の共振周波数、第2の共
振の共振周波数は、ともに、所望の受信周波数帯域内に
存在することが受信感度向上の面で好ましい。第1の共
振の共振周波数、第2の共振の共振周波数が、ともに、
所望の受信周波数帯域内に存在する場合には、存在しな
い場合と比較して所望の受信周波数帯全域の受信感度が
通常10dB程度以上向上する。
【0030】図3は共振回路7の応用例の代表的回路図
である。図3において、34は高周波コイル、35はバ
イパス用のコンデンサ、36、37、39はダンピング
用の抵抗、38は共振調整用のコンデンサである。
【0031】高周波コイル34、コンデンサ35、3
8、抵抗36、37、39は、必要に応じて設けられ
る。共振回路7は図3に示すものに限定されず、ダンピ
ング用の抵抗、共振調整用のコンデンサ等を他に設けて
もよい。
【0032】コンデンサ35、高周波コイル34は、必
要に応じて設けられ、所望の受信周波数帯と所望の受信
周波数帯より高い周波数の受信周波数帯(高受信周波数
帯)とを受信する場合に設けられる。
【0033】アンテナ導体6と受信機20との間には、
トランスの1次側コイル31とコンデンサ35とが並列
接続されたものを接続している。図1の場合と同様に、
トランスの1次側のインピーダンスは少なくとも所望の
受信周波数帯において低インピーダンスとする。
【0034】低インピーダンスとは、アンテナ導体6の
受信信号が受信機に流れやすい範囲内のインピーダンス
をいい、通常、受信機の入力インピーダンスの5倍以下
をいう。また、受信機の入力インピーダンスとは、通
常、受信機の入力インピーダンスをいう。しかし、受信
機の入力とアンテナとの間にインピーダンス変換器が接
続されている場合には、インピーダンス変換器の入力イ
ンピーダンスをいう。高インピーダンスとは、アンテナ
導体6の受信信号が受信機に流れにくい範囲内のインピ
ーダンスをいい、通常、受信機の入力インピーダンスの
5倍超をいう。
【0035】所望の受信周波数帯がAM放送である場
合、AM放送受信の際の受信機の入力インピーダンス
は、通常、1〜10kΩである。そのため、例えば、受
信機の入力インピーダンスが5kΩである場合には、2
5kΩ以下が低インピーダンスとなり、25kΩ超が高
インピーダンスとなる。
【0036】また、高受信周波数帯がFM放送である場
合、FM放送受信の際の受信機の入力インピーダンス
は、通常、50又は75Ωである。そのため、例えば、
受信機の入力インピーダンスが50Ωである場合には、
250Ω以下が低インピーダンスとなり、250Ω超が
高インピーダンスとなる。
【0037】コンデンサ35は高受信周波数帯にて低イ
ンピーダンスとなり、所望の受信周波数帯にて高インピ
ーダンスとなるような容量値とする。換言すると、コン
デンサ35は高受信周波数帯の受信信号を通過させるよ
うな容量値を有する。
【0038】したがって、アンテナ導体6に励起された
高受信周波数帯の受信信号はコンデンサ35を介して受
信機に送られる。コンデンサ35の容量値は、通常、1
〜1000pF程度とされる。例えば、所望の受信周波
数帯がAM放送帯、高受信周波数帯がFM放送帯である
場合、コンデンサ35の容量値は、5.0〜33pFの
範囲が好ましい。
【0039】高周波コイル34は、アンテナ導体6に励
起された高受信周波数帯の受信信号が車体アースに漏れ
ないようにする。所望の受信周波数帯受信の場合には、
通常、高周波コイル34が低インピーダンスとなる。高
周波コイル34は、通常、0.1〜100μH程度とさ
れる。
【0040】高周波コイル34は、高受信周波数帯で高
インピーダンスとなるものであり、トランスの2次側コ
イル32は高受信周波数帯では、通常、自己共振周波数
が低く、高周波コイル34の浮遊容量によってインダク
タンスの効果が失われるので高周波コイル34がこれを
代行する。なお、トランスの2次側コイル32のみで所
望の受信周波数帯から高受信周波数帯までの広い周波数
帯域を高インピーダンスとできれば高周波コイル34は
不要であり、省略できる。
【0041】ダンピング用の抵抗36は、第1の共振の
Q(クオリティファクタ)調整用であり、ダンピング用
の抵抗37、39は、第2の共振のQ調整用である。
【0042】また、本発明では、アンテナ導体6、デフ
ォッガ3、後部窓開口部すなわち車体の3要素がそれぞ
れ相互に形成する主に静電容量からなるインピーダンス
とリアクタンス回路8内の主にチョークコイルのインピ
ーダンスによって所望の受信周波数帯等の帯域外におい
て反共振が起きるようにすることが好ましい。ここで、
車体開口部とは窓ガラス板がはめ込まれる車体の開口部
であって車体アースとなるべきものをいい、金属等の導
電性材料で構成されているものをいう。
【0043】リアクタンス回路8を利用し反共振を起こ
させる場合、反共振点より低域では急激に受信感度が減
衰するため、反共振については、所望の受信周波数帯域
より低い周波数に反共振の共振周波数を存在させること
が好ましい。
【0044】本発明では、反共振させるとともに、デフ
ォッガ3に誘起された受信電流が車体アースに流れるの
を防止し、受信感度を向上させる。
【0045】アンテナ導体6のパターンとしては、自動
車の形状、ガラス板の形状、寸法及び構成等によりAM
放送、FM放送、AM放送とFM放送の両ラジオ放送共
用又はテレビその他の放送等用のアンテナとして最適な
性能が得られるパターンが適宜選択、設計される。
【0046】また、図1に示すアンテナ導体6には補助
アンテナ導体は付設されていないが、これに限定され
ず、位相調整及び指向性調整のために、アンテナ導体の
導体パターン又は給電点に、接続導体を介して又は介さ
ずに、略T字状、略L字状、ループ等の補助アンテナ導
体が付設されていてもよい。
【0047】図1の場合は、窓ガラス板1のデフォッガ
3より上部の余白部にアンテナ導体6が設けられてい
る。アンテナ導体6の隣接部6aとデフォッガの分岐線
3aとは、所定間隔をおいて近接されていることが好ま
しく、この近接によりアンテナ導体6とデフォッガ3と
は、両者間で直流電流の送受は行われないが、高周波電
流の送受は行われるように容量結合されていることが好
ましい。
【0048】しかし、窓ガラス板1のデフォッガ3より
上部の余白部が充分広いときには隣接部6aとデフォッ
ガの分岐線3aとは、近接させずにデフォッガをアンテ
ナとして利用せず、アンテナ導体6のみアンテナとして
もよい。
【0049】この容量結合の場合、アンテナ導体6の隣
接部6aとデフォッガの分岐線3aとは、通常、容量結
合の範囲である0.1〜30mm程度の所定間隔をおい
て離間されている。デフォッガ3は、この容量結合によ
って、見かけ上、アンテナの一部として機能するように
なる。特にAM放送帯に対しては、デフォッガ3もAM
放送用アンテナの一部として機能して、AM放送用アン
テナの実効長が長くなるため、受信電波を多く受けられ
受信感度が向上する。
【0050】窓ガラス板1に設けられるアンテナ導体6
の位置は、図1を例にとると、窓ガラス板1のデフォッ
ガより上下左右部の余白部のどこでもよく、図1に示す
位置に限定されない。また、窓ガラス板1に設けられる
アンテナ導体の数は限定されない。
【0051】窓ガラス板1に設けられるアンテナ導体
は、AM、FMラジオ放送帯用に限定されず、テレビV
HF帯用、テレビUHF帯用及び電話用等に応用でき
る。また、自動車に設けられるアンテナ導体の数は限定
されず、また、本発明のガラスアンテナ装置と、ポール
アンテナ等の他のアンテナ装置及び/又は他のガラスア
ンテナ装置との間でダイバーシティ受信を行ってもよ
い。
【0052】給電点は図1では後部窓ガラス板1の左周
縁部に配設されているが、これに限定されず、後部窓ガ
ラス板1のどの位置に配設されていてもよく、例えば、
後部窓ガラス板1の左右中央の上下周縁部に配設されて
いてもよい。
【0053】アンテナ導体とデフォッガを容量結合させ
る場合には、バスバ5bとデフォッガ用の直流電源10
の陽極との間、バスバ5aとデフォッガ用の直流電源1
0の陰極との間、の少なくとも一方にチョークコイル9
及び高周波チョークコイル12a、12bの少なくとも
一方を接続する。
【0054】図1の例では、バスバ5a、5bとデフォ
ッガ用の直流電源10間にチョークコイル9及び高周波
チョークコイル12a、12bを挿入し、高周波帯域に
てチョークコイル9及び高周波チョークコイル12a、
12bのインピーダンスを大きくすることによって、直
流電源10からデフォッガへの直流電流は流すが放送周
波数帯域等の高周波帯域の電流は遮断するようにしてい
る。
【0055】このようにして、チョークコイル9及び高
周波チョークコイル12a、12bによりデフォッガの
ヒータ線2とバスバ5a、5b、5cとを車体アースか
ら高周波的に絶縁でき、ヒータ線2及びバスバ5a、5
b、5cに誘起されたラジオ放送周波数帯域等の高周波
帯域の受信電流が車体アースへ流れるのを防止できて、
この受信電流を漏れなく受信機20に送ることができ
る。
【0056】また、中波帯、例えば、AM放送帯のみを
受信する場合であれば、高周波チョークコイル12a、
12bは、通常、不要であり、チョークコイル9のみで
よい。FM放送帯等の高周波帯のみを受信する場合であ
れば、高周波チョークコイル12a、12bのみでよ
い。また、中波帯及びFM放送帯両方を受信する場合で
あっても、チョークコイル9、高周波チョークコイル1
2a、12b両方の機能を満足するコイルがあれば、か
かるコイルのみでよい。
【0057】図1に示したデフォッガ3では、デフォッ
ガ3の両側のバスバの右側のバスバを所望のところから
上下に2つに分割し、下側部バスバ5a、上側部バスバ
5bを設けている。下側部バスバ5aには車体アースの
リード線を接続し、上側部バスバ5bには電源側のリー
ド線を接続している。給電された電流は上側部バスバ5
bからバスバ5cを通って下側部バスバ5aへとコの字
状に流れる。
【0058】図1に示したデフォッガは、いわゆるコの
字状であるが、本発明にかかるデフォッガはこれに限定
されず、いわゆるハの字状デフォッガであっても、本発
明に利用できる。
【0059】また、アンテナ導体6、ヒータ線2とバス
バ5a、5b、5cとは、通常、導電性銀ペースト等の
導電性金属含有ペーストを窓ガラス板1の車内側表面に
プリントし、焼付けて形成する等により製造するが、こ
れに限定されず、銅線等の導電性の線状体又は箔状体を
窓ガラス板1の車内側又は車外側表面に形成してもよ
く、窓ガラス板1の内部に設けてもよい。
【0060】また、本発明において、アンテナ導体が設
けられる窓ガラス板は後部窓ガラス板に限定されず、サ
イド窓ガラス板、前部窓ガラス板、ルーフ窓ガラス板等
でもよく、アンテナ導体が設けられる窓ガラス板にデフ
ォッガが設けられていなくともよい。
【0061】
【実施例】
(実施例)実施例として、図1に示すような自動車用ガ
ラスアンテナ装置を製作した。共振回路7は図3のもの
を採用した。ただし、コンデンサ38は設けなかった。
【0062】トランスの1次側インダクタンスは180
μH、トランスの2次側インダクタンスは390μH、
高周波コイル34は1.0μH、バイパス用のコンデン
サ35は22pF、コンデンサ19は2400pF、ダ
ンピング用の抵抗36は15kΩ、ダンピング用の抵抗
37は6.8kΩとした。また、チョークコイル9は2
mH、高周波チョークコイル12a、12bは1.0μ
Hとした。
【0063】アンテナ導体6の隣接部6aとデフォッガ
の分岐線3aとは、容量結合の範囲である3mm間隔と
した。デフォッガ3は、この容量結合によって見かけ
上、アンテナの一部として機能するようになった。ま
た、アンテナ導体6の浮遊容量Cはほぼ80pFであっ
た。
【0064】トランスは図5に示すドラム状の芯51を
同芯として1次側コイル、2次側コイルを巻いたものと
した。1次、2次側とも巻線は銅線とし、ドラム状の芯
51の材質はフェライトとした。トランスの寸法は縦×
横×高さ=5×5×4mmとした。このトランスを回路
基板の上に設けて後部窓ガラスの近傍の車体に取り付け
た。
【0065】AM放送周波数帯についての受信感度の測
定結果を図4に示す。図4において、870mmの長さ
のポールアンテナがほぼ0dBである。FM放送周波数
帯については、870mmの長さのポールアンテナとほ
ぼ同等(±2dB以内)であった。また、第1の共振の
共振周波数はほぼ1400kHz、第2の共振の共振周
波数はほぼ600kHzであった。また、リアクタンス
回路8を利用した反共振の共振周波数はほぼ300kH
zであった。
【0066】(比較例)比較例として従来のものを作成
した。トランスの代わりに使用するコイルは図6に示す
ものとした。図6に示すドラム状の芯61にコイルを巻
いた。巻線は銅線とし、ドラム状の芯61の材質はフェ
ライトとした。トランスの寸法は縦×横×高さ=3×3
×4mmとした。このトランス2個製作し、1mm離反
させて回路基板の上に設けて後部窓ガラスの近傍の車体
に取り付けた。その他の仕様については実施例と同様と
した。
【0067】実施例は比較例より、回路基板の寸法が小
さくでき、S/N比は5.0dB向上した。
【0068】
【発明の効果】本発明では、アンテナ導体の給電点と受
信機との間に前置増幅器を挿入接続する必要がないた
め、前置増幅器挿入のため強電界中において、波形歪や
混変調などが発生し、ノイズがそのまま増幅されるとい
う問題がなく、生産性がよい。
【0069】また、本発明では、第1の共振と第2の共
振とを起こさせることにより、所望の受信周波数帯の受
信感度を向上でき、かつ、優れた平坦性で受信できる。
【0070】本発明では、トランスに大電流を流す必要
がないため、巻線が細くでき、トランスのインピーダン
スを均一にでき、かつ、温度依存性を極めて少なくでき
る。その結果、自動車ごとに受信感度がばらつくことが
なく、自動車の周囲温度変化が激しくても受信感度は影
響されにくくなる。
【0071】また、第2の共振に影響するトランスの2
次側インダクタンスの値は、相互インダクタンスの効果
により大きくなるので、トランスの2次側コイルの巻数
は少なくなり、コイルを小型化できる。また、トランス
の1次側コイル及び2次側コイルを一体化できるので、
外乱磁気雑音に強くなり、耐雑音性が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用ガラスアンテナ装置の基本的
構成図
【図2】図1の装置の等価回路図
【図3】共振回路7の応用例の代表的回路図
【図4】実施例の受信感度の周波数特性図
【図5】実施例に使用したトランスの斜視図
【図6】従来例に使用したコイルの斜視図
【符号の説明】
1:自動車の後部窓ガラス板 2:ヒータ線 3:デフォッガ 4:アンテナ導体の給電点 5a、5b:バスバ 6:アンテナ導体 7:共振回路 10:直流電源 11:コンデンサ 20:受信機 31:トランスの1次側コイル 310:トランスの1次側のインダクタンス 32:トランスの2次側コイル 320:トランスの2次側のインダクタンス 35:バイパス用のコンデンサ 36、37、39:ダンピング用の抵抗 38:共振調整用のコンデンサ C:給電点4からアンテナ導体6側を見た場合の浮遊容

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の窓ガラス板にアンテナ導体が設けら
    れ、アンテナ導体と受信機との間にトランスの1次側が
    接続され、受信機と車体アースとの間にトランスの2次
    側が接続されてなり、 トランスの1次側のインダクタンスと、給電点からアン
    テナ導体側を見た場合のインピーダンスとで第1の共振
    が起きるようにされ、 トランスの1次側のインピーダンスとトランスの2次側
    のインピーダンスとの和のインピーダンスと、給電点か
    らアンテナ導体側を見た場合のインピーダンスとで第2
    の共振が起きるようにされてなることを特徴とする車両
    用ガラスアンテナ装置。
  2. 【請求項2】トランスの2次側の結線が、トランスの1
    次側及び2次側の自己誘導作用に相互誘導作用が加算さ
    れる方向になされてなる請求項1の車両用ガラスアンテ
    ナ装置。
  3. 【請求項3】アンテナ導体と受信機との間にトランスの
    1次側とコンデンサとが並列接続されたものが接続され
    てなり、コンデンサが所望の受信周波数帯より高い周波
    数の受信周波数帯の受信信号を通過させるような容量値
    を有する請求項1又は2の車両用ガラスアンテナ装置。
  4. 【請求項4】ヒータ線とヒータ線に給電するバスバとを
    有する通電加熱式のデフォッガが車両の窓ガラス板に設
    けられてなり、 バスバと直流電源との間及び/又はバスバと車体アース
    との間にチョークコイルが接続されてなり、 アンテナ導体とデフォッガとが容量結合されてなる請求
    項1、2又は3の車両用ガラスアンテナ装置。
  5. 【請求項5】主にチョークコイルのインピーダンスと、
    アンテナ導体、デフォッガ、後部窓開口部の3要素がそ
    れぞれ相互に形成する主に静電容量からなるインピーダ
    ンスとで反共振が起きるようにされてなる請求項4の車
    両用ガラスアンテナ装置。
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