JPH10223454A - 渦電流シールド装置および三相変圧器 - Google Patents

渦電流シールド装置および三相変圧器

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JPH10223454A
JPH10223454A JP9025281A JP2528197A JPH10223454A JP H10223454 A JPH10223454 A JP H10223454A JP 9025281 A JP9025281 A JP 9025281A JP 2528197 A JP2528197 A JP 2528197A JP H10223454 A JPH10223454 A JP H10223454A
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tank
eddy current
magnetic flux
winding
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佳也 樋口
Makoto Koizumi
眞 小泉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻線漏洩磁束によってタンク内壁面に発生す
る渦電流を低減し、発熱を抑え、運転効率を向上させ
る。 【解決手段】 変圧器を封入するタンク3の内壁3b側
に、3対の巻線1a,1b,1cをそれぞれ囲みかつ鉄
心2の上部および下部を迂回し、鉄心2とは鎖交しない
ように縦方向(巻線対の相間渡り磁束と鎖交する方向)
に一周する縦方向1周シールド14a,14bと、巻線
方向、即ち横方向(巻線の漏洩磁束に鎖交する方向)に
一周する横方向1周シールド15を組み合わせ、これら
の交差部、言い換えれば重なり部分ででこれらが電気的
に一体になるように接合した一体型シールドを配置す
る。これにより、変圧器タンク内壁上に発生する渦電流
を低減でき、発熱を抑え、運転効率の向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力用変圧器の構
成に係り、特に鉄製タンクの内部に変圧器が封入された
系において、高圧巻線と低圧巻線の間隙より漏洩する磁
束によりタンク内壁に発生する渦電流を低減する渦電流
シールド装置およびこの渦電流シールド装置を使用した
三相変圧器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、増大する電力需要に対して、電力
用変圧器の大容量化が余儀なくされている。電力用変圧
器の多くは、巻線の内部に鉄心を含む内鉄型で、一次巻
線、二次巻線を対にしてひとつの鉄心に同心状に配置す
る同心配置を採っている。油絶縁・冷却の変圧器は3相
の同心巻線を3相3脚もしくは3相5脚の鉄心に配置
し、一つの長型タンクに収めるものが主流である。3相
を一つのタンクに収める場合、従来は各相が発生する渦
電流はそれぞれ120度ずつ位相が異なるために全体と
しては相殺し、各巻線に近接する局部を除いて大域的な
経路の渦電流は発生しにくいと考えられていた。
【0003】一方、渦電流は発生しにくいといえども発
生するので、変圧器においてタンク上の渦電流を低減す
る従来技術も例えば特開平1−89409号公報、特開
昭63−117412号公報、特開昭62−73703
号公報および特開昭62−37919号公報などにおい
て知られている。
【0004】このうち、特開平1−89409号公報に
記載された発明は、磁束が侵入する部位に銅板などの低
抵抗部材を設けて当該部材上に渦電流を発生させ、これ
による反磁界で鉄製の高抵抗部材に磁束が侵入するのを
抑制し、渦電流による損失を低減するようにしたもので
ある。また、特開昭63−117412号公報、特開昭
62−73703号公報、特開昭62−37919号公
報に記載されているよう発明は、磁束が侵入する部位に
渦電流が発生しにくい積層鋼板を設けて、磁束がタンク
に侵入しないようにしたものである。
【0005】これらは磁束が直接侵入する部位の局所的
な渦電流を抑制するのに効果があるが、後述するよう
に、板厚内に侵入した磁束が駆動する周回渦電流、及び
三相変圧器における第三調波成分の大域的な周回渦電流
に対しては十分な効果が期待できない。
【0006】ここで、この周回渦電流および三相変圧器
における第三調波成分の大域的な周回渦電流について図
3ないし図5を参照して説明する。図3は従来の三相変
圧器の構造を示す一部を切り欠いた斜視図である。同図
において、三相変圧器100は、3個の巻線対1a,1
b,1cと、鉄心2と、鉄心締め金具22と、これらを
収納するタンク3とからなり、タンク3内には絶縁・冷
却用の油が充填される。変圧器100は巻線対の内部に
鉄心脚を含む内鉄型で、一次巻線4、二次巻線5をひと
つの鉄心2に同心状に配置する同心配置を採用してい
る。巻線4,5は、通常、サイドヨーク6付き五脚鉄心
2に巻かれ、油を封入するために、変圧器100本体は
方形のタンク3に収められる。なお、三脚の鉄心に巻く
場合も同様である。
【0007】このような三相変圧器における渦電流発生
の様子を図4の断面図および図5の一部を切り欠いた斜
視図を参照して説明する。
【0008】図4において、鉄心2の外周に一次巻線4
が巻回され、さらに間隙7を介して二次巻線5が巻回さ
れている。そして、二次巻線4のさらに外側にタンク3
が位置している。このような内部構造の変圧器100で
は、一次巻線4と二次巻線5の巻線間隙7から漏洩した
磁束8の一部は、磁性体であるタンク壁に吸引され、壁
面内を貫通して再び巻線間隙7に戻る。このときタンク
3の外壁面3aが囲む内部領域では、等量の磁束が往復
するのみで外壁面3aが囲む鎖交磁束、さらに言えば、
正味の鎖交磁束は存在しない。このためタンク3の外壁
面3a上には巻線間隙7から漏洩した磁束8によって渦
電流が発生することはない。
【0009】一方、タンク3の内壁面3bが囲む内部領
域では、巻線間隙7を通過する磁束が正味の鎖交磁束と
して存在するため、これを打ち消す方向に渦電流10が
発生する。この渦電流10は図5に示したように、巻線
1a,1b,1cの隣接部から離れた部位においてタン
ク3の側面を水平方向に流れる渦電流となる。
【0010】しかし、図5に示すように、巻線1a,1
b,1cが隣接する部位では、巻線1a,1b,1c間
の位相差のため極性が反転する瞬間があり、このとき隣
接巻線同志を結ぶような相間渡り磁束21a,21bが
発生する。この相間渡り磁束21a,21bは図では水
平方向(各巻線対の鉄心に垂直な方向)に発生するた
め、これによって誘導される渦電流は垂直方向(各巻線
対の鉄心に平行な方向)となる。したがって渦電流は水
平方向から垂直方向へと向きを変え、タンク3の天井部
または底部を通って反対側の面に回り、再び戻る経路を
とる。
【0011】三相変圧器ではこの他にもうひとつ大きな
渦電流のモードがある。図6は矩型波に近い交番渦電流
の波形を示す。この波形13は基本の正弦関数100%
に対し20%の1/3周期の波、即ち第三調波と、基本
の正弦関数100%に対し4%の1/5周期の波、即ち
第五調波とを重ね合せたものである。図7はこれをフー
リエ分解したものである。ここで第三調波17と基本波
16の関係に注目する。図7のように第三調波17は基
本波16の一周期の中に三周期含まれている。従って基
本波16の位相が120度変わる毎に第三調波17の位
相は0から繰り返される。三相交流では基本波16の位
相が120度ずつ異なる3種の交流を扱う。このとき図
8に示すように各基本波16の第三調波17の位相は基
本波16の位相が120度変わる毎に0から繰り返され
るから、各第三調波16の位相はすべて揃うことにな
る。したがって第三調波17の渦電流は、隣接する巻線
対1a,1b、1b,1c間で位相差を生じることなく
重ね合わさり、単相変圧器の場合と同様にタンク3の内
壁3bを巻線方向に周回することになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ここで、図9に第三調
波渦電流9の発生の様子を示す。渦電流による損失は周
波数の2乗に比例するため、第三調波成分で駆動される
渦電流損はその誘導磁束の強度に較べて大きい。例えば
誘導磁束の強度比(基本波:第三調波)が図7の例のよ
うに5:1であったとしても、第三調波17の渦電流損
はその9倍になるので、損失の比は5:9になる。この
ため第三調波渦電流9の低減は重要である。
【0013】したがって、本発明の第1の目的とすると
ころは、渦電流損を最少限に抑えることができる渦電流
シールド装置を提供することにある。また、第2の目的
は、この渦電流シールド装置を用い、渦電流損を最少限
に抑えることができる三相変圧器を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、本発明に係る渦電流シールド装置は、鉄心に巻
回した巻線対の外周部に低抵抗導体を周回させて閉回路
を構成し、当該低抵抗導体に巻線対からの磁束を鎖交さ
せて当該低抵抗導体に誘導電流を発生させ、前記低抵抗
導体以外の導体構成物上の渦電流の発生を抑制すること
を特徴としている。
【0015】この場合、前記低抵抗導体は、好ましく
は、鉄心中を通る磁束と鎖交することなく、巻線対の漏
洩磁束と鎖交するように周回させる。また、前記低抵抗
導体は、この低抵抗導体よりも高抵抗な部材の内側に配
されるようにする。
【0016】また、前記第2の目的と達成するため、本
発明は、鉄心と、この鉄心に巻回される低圧巻線と高圧
巻線の3対の巻線対をタンク内に収容してなる三相変圧
器において、前記巻線対の各巻線の漏洩磁束と鎖交する
方向に1周して閉回路を構成する第1の低抵抗導体と、
前記各巻線対の相間渡り磁束と鎖交し、前記鉄心の端部
の少なくとも一方を迂回するように隣接する巻線対の間
に設けられた第2および第3の低抵抗導体とを備え、こ
の低抵抗導体をタンク内壁側に位置するように前記タン
ク内に収容したことを特徴としている。
【0017】なお、前記第2および第3の低抵抗導体は
それぞれ鉄心の両端を迂回するように1周して閉回路を
構成するように配置することが望ましく、さらに、第1
の低抵抗導体と、第2および第3の低抵抗導体とは電気
的に接続しておく方がよい。これらの第1ないし第3の
低抵抗導体は、平板状もしくは線状の部材によって形成
され、材料としては、銅またはアルミニウムが好まし
い。
【0018】具体的には、変圧器を封入するタンクの内
側壁面上に、巻線対の間付近からタンク内壁面に沿って
鉄心の上部を迂回し、鉄心とは鎖交しないように縦方向
に周回する2個の一周非磁性低抵抗導体即ち一周シール
ドを設ける。これを第2、第3の一周シールドとする。
さらに3対の巻線を囲み、巻線方向に沿って横方向に一
周する第1の一周シールドを設ける。第1、第2、第3
の一周シールドを重なる部分で電気的に接続し、それぞ
れのシールドに流れる電流が他のシールドに渡ることが
できるようにこれを一体化する。
【0019】これにより両端の巻線間隙の漏洩磁束によ
ってタンク内壁に作用していた起電力は該一周シールド
に作用するようになり、一周シールド上に誘導電流を発
生せしめる。この誘導電流により両端の巻線間隙の漏洩
磁束を打ち消すような反磁界が発生するため、タンク内
の磁束は低減され、その結果タンク内壁に作用していた
起電力も低減されてタンク内壁上の渦電流は抑制され
る。
【0020】以上の手段において、例えば一周シールド
に銅を用いた場合、タンクに用いる鉄に比べて1/10
程度の電気抵抗であるため、渦電流は10対1の割合で
ほとんどこの一周シールド中を流れるようになり、鉄製
タンクに流れる渦電流は抑制される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0022】なお、以下の説明において、前述の従来例
と同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明
は省略する。
【0023】本発明では、磁性体の特性を考慮して3次
元渦電流を解析し、一つのタンクに三相変圧器を納める
構造において渦電流分布を検討した結果、以下の知見を
得た。
【0024】巻線間隙から発生した漏洩磁束は透磁率の
高い鋼鉄製のタンク壁面内を通る。これによりタンク内
面では磁束を囲むような渦電流が発生する。漏洩磁束が
タンク表面に侵入する部位では、タンクに対して垂直な
磁束の成分を直接タンク面上で囲むように局所的な周回
渦電流が発生する。しかし、タンクの板厚内に侵入した
磁束に対しては、タンクの内周を大域的に周回する経路
を採らないとこの磁束を囲むことができない。したがっ
て、タンクの板厚内に侵入した磁束によって駆動される
渦電流は、タンクの内周を大域的に周回する経路を採っ
て流れることになる。
【0025】巻線がタンク内に1対しかない単相単巻線
対の変圧器においては、この大域的周回経路はタンク内
壁を巻線方向に一周する経路となる。しかし、巻線が3
対ある三相変圧器の場合は、以下のようにこれとはやや
異なる経路をとる。
【0026】三相変圧器において隣接する2対の巻線は
位相差のため互いに励磁方向が逆になる瞬間がある。こ
のとき2対の巻線が発生する渦電流はタンク内壁をそれ
ぞれ逆方向に周回することになる。2対の巻線が隣接す
る部位から離れたところでは、互いに相手側の巻線の影
響が小さいため、巻線がタンク内に1対しかない場合と
同様にタンク内壁を巻線方向に周回する経路を採る。し
かし2対の巻線が隣接する部位では、渦電流の方向が対
向するようになるため、タンクの上下に分かれて流れる
経路となる。渦電流をタンクの上下に分流させる起電力
は以下のような作用によって発生する。
【0027】すなわち、極性が反転している2対の巻線
が隣接する部位では、巻線間に相間渡り磁束が水平方向
に発生する。この相間渡り磁束によって発生する起電力
はこれと直交するために上下方向の起電力となり、渦電
流は上下に向きを変えて流れる。タンクの上部または下
部に回った渦電流は、さらに反対側の側面で再び巻線方
向に周回し、出発点に戻って一周経路を形成する。
【0028】なお、以下の実施形態では三相変圧器を例
に取って説明しているが、渦電流のシールドについて
は、原理的に三相変圧器に限定されないことは勿論であ
る。
【0029】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたもので、その第1の実施形態を図1に示す。この図
1はタンク内部の巻線対1a,1b,1cと鉄心3とシ
ールド14a,14bおよび15の相互の関係を示す斜
視図である。この実施形態は、前述の図3に示した従来
の三相三巻線対の変圧器に、渦電流シールド装置、すな
わち、一周シールドを加えたものである。すなわち変圧
器を封入するタンク3の内壁3b側に、3対の巻線1
a,1b,1cをそれぞれ囲みかつ鉄心2の上部および
下部を迂回し、鉄心2とは鎖交しないように縦方向(巻
線対の相間渡り磁束と鎖交する方向)に一周する縦方向
1周シールド14a,14bと、巻線方向、即ち横方向
(巻線の漏洩磁束に鎖交する方向)に一周する横方向1
周シールド15を組み合わせ、これらの交差部、言い換
えれば重なり部分ででこれらが電気的に一体になるよう
に接合した一体型シールドを配置する。その他の構成は
前述の従来例と同等に構成されている。鉄心と鎖交しな
いように該一周シールドを配置するのは、鉄心中を通る
巻線励磁磁束で該一周シールドに電流を誘導しないよう
にするためである。
【0030】このように構成すると、巻線から発生する
基本波13の漏洩磁束8a,8bが横方向一周シールド
15と鎖交するため、この一周シールド15上に誘導電
流11が矢印のように発生する。その際、図1に示すよ
うにこの誘導電流11の向きは巻線の位相差により互い
に逆方向になる場合がある。このとき基本波13による
シールド誘導電流11は巻線対1a,1b,1cの間で
上下方向に向きを変え、鉄心2の上下方向を一周する縦
方向の一周シールド14a,14b側を流れる。この
際、漏洩磁束8a,8b,8cと相間渡り磁束21a,
21bをそれぞれ打ち消す方向の磁界を発生するので、
その結果、タンク3にかかる磁束が低減され、タンク3
上の渦電流が抑制される。
【0031】一方、第三調波17の作るシールド誘導電
流12は巻線対間で位相差がないので、巻線方向に一周
する横方向一周シールド15側をそのまま流れることに
なる。この際、漏洩磁束8a,8bをそれぞれ打ち消す
方向の磁界を発生するので、その結果、タンク3にかか
る磁束が低減され、タンク3上の渦電流が抑制されるこ
とになる。
【0032】したがって、縦方向1周シールド14a,
14bと横方向1周シールド15をこのように組み合わ
せれば、基本波16および第三調波17のいずれの渦電
流に対してもこれを低減することができる。これらの一
周シールド14a,14b,15は図5に示した大域的
循環渦電流10を低減するだけでなく、漏洩磁束8a,
8bがタンク3に侵入する部位で発生するさらに局所的
な循環渦電流20をも低減する。その理由は、横方向1
周シールド15が局所的循環渦電流20の発生要因であ
る、タンク3に入射する漏洩磁束8a,8b自体を低減
させるからである。
【0033】本発明の第2の実施形態は、図2に示すよ
うな線状に分割した一周シールドを漏洩磁束と鎖交する
位置に設置するとともに、図1に示した三相三巻線変圧
器の構成の1周シールド14a,14b,15を平板状
のものから線状のものに置き換えたものである。
【0034】このような構造にすると第1の実施形態の
ような面状にシールドを設置することが困難なタンクの
場合、非常に有効になる。なお、図2から分かるよう
に、本実施形態では、基本波13用の一周シールド15
と第三調波17用の一周シールド14a,14bとが分
離している。ただしこの点は必須要件ではなく、これら
がつながっていても良いことはいうまでもない。
【0035】なお、一周シールドの材料として例えば銅
を用いた場合、タンク3に用いる鉄に比べて1/10程
度の電気抵抗であるため、渦電流は10対1程度の割合
で大部分この一周シールド上を流れるようになり、鉄製
タンク3に流れる渦電流は約10分の1に抑制される。
このような系において渦電流の強さは導体の抵抗率より
もむしろインダクタンスに支配され、ほぼ鎖交磁束を相
殺する分だけ流れる。従って一周シールドを設けない場
合も、設ける場合も全電流はあまり変わらない。一方、
渦電流損は抵抗率の一乗、渦電流の二乗に比例する。こ
のことから一周シールドを設けた場合、全渦電流損を従
来の1/11程度にできることになる。
【0036】以上の議論を式で表現すると次のようにな
る。なお、以下の式において「=」は概略等しいという
意味で使用している。
【0037】電気抵抗Rの関係は、 Rシールド=0.1×Rタンク ・・・(1) となり、 誘導電流Iの関係は、 10×Iタンク(シールドあり)=Iシールド ・・・(2) Iタンク(シールドなし)=Iタンク(シールドあり) +Iシールド・・・(3) となる。そして、損失Wの関係は、 W(シールドなし)=Rタンク×(Iタンク(シールドなし))2 ・・・(4) W(シールドあり)=Rタンク×(Iタンク(シールドあり))2 +Rシールド×(Iシールド)2 ・・・(5) となり、比率は、 W(シールドあり)/W(シールドなし) ={Rタンク×Rタンク×(Iタンク(シールドあり))2 +Rシールド×(Iシールド)2 } /Rタンク×(Iタンク(シールドなし))2 ・・・(6) となる。そこで、この式に前記(1)ないし(3)を代
入して整理すると、 W(シールドあり)/W(シールドなし)=1/11 となる。
【0038】このことから、上記の渦電流損が大幅に抑
制できることが分かる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、低抵抗
導体に誘導電流を発生させ、この低抵抗導体よりも抵抗
の大きい他の導体構成物状の渦電流の発生を抑制するの
で、渦電流が原因となる発熱を抑えることができ、渦電
流による損失を低減させることができる。
【0040】また、三相三巻線変圧器において巻線間隙
からの漏洩磁束よって発生していたタンクとタンク内の
部材、例えば鉄心締め金具上の渦電流を大幅に抑制でき
るため、機器の発熱を抑え、損失を低減させることがで
きる。この渦電流損による発熱の低減は、大容量三相変
圧器の冷却系の負荷を軽減することにつながり、この種
の大容量三相変圧器の低コスト化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における一周シールドの構
成とその作用を示す説明図である。
【図2】本発明の他の実施形態における一周シールドの
構成とその作用を示す説明図である。
【図3】従来の電力用大容量三相変圧器の構成を説明す
るための一部を破断して示す斜視図である。
【図4】従来の電力用大容量三相変圧器における磁束と
渦電流の流れを説明するための断面図である。
【図5】従来の電力用大容量変圧器における磁束および
渦電流の流れを説明するための一部を破断して示す斜視
図である。
【図6】矩型波の一例を示すグラフである。
【図7】矩型波の一例をフーリエ分解したときの各成分
を示すグラフである。
【図8】三相基本波と各第三調波の位相関係を示すグラ
フである。
【図9】従来の電力用大容量変圧器における磁束および
渦電流の流れを説明するための一部を破断して示す説明
図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 巻線対 2 鉄心上部 3 タンク 4 一次巻線 5 二次巻線 7 巻線間隙 8,8a,8b,8c 漏洩磁束 9 第三調波渦電流 10 周回渦電流 11 基本波シールド電流 12 第三調波シールド電流 13 矩形波 14a,14b 縦方向1周シールド 15 横方向1周シールド 16 基本波 17 第三調波 21a,21b 相間渡り磁束

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心に巻回した巻線対の外周部に低抵抗
    導体を周回させて閉回路を構成し、当該低抵抗導体に巻
    線対からの磁束を鎖交させて当該低抵抗導体に誘導電流
    を発生させ、前記低抵抗導体以外の導体構成物上の渦電
    流の発生を抑制することを特徴とする渦電流シールド装
    置。
  2. 【請求項2】 前記低抵抗導体が、鉄心中を通る磁束と
    鎖交することなく、巻線対の漏洩磁束と鎖交するように
    周回していることを特徴とする請求項1記載の渦電流シ
    ールト装置。
  3. 【請求項3】 前記低抵抗導体が、この低抵抗導体より
    も高抵抗な部材の内側に配されていることを特徴とする
    請求項1または2記載の渦電流シールド装置。
  4. 【請求項4】 鉄心と、この鉄心に巻回される低圧巻線
    と高圧巻線の3対の巻線対をタンク内に収容してなる三
    相変圧器において、 前記巻線対の各巻線の漏洩磁束と鎖交する方向に1周し
    て閉回路を構成する第1の低抵抗導体と、前記各巻線対
    の相間渡り磁束と鎖交し、前記鉄心の端部の少なくとも
    一方を迂回するように隣接する巻線対の間に設けられた
    第2および第3の低抵抗導体とを備え、この低抵抗導体
    がタンク内壁側に位置するように前記タンク内に収容さ
    れていることを特徴とする三相変圧器。
  5. 【請求項5】 前記第2および第3の低抵抗導体がそれ
    ぞれ鉄心の両端を迂回するように1周して閉回路を構成
    していることを特徴とする請求項4記載の三相変圧器。
  6. 【請求項6】 前記第1の低抵抗導体と、前記第2およ
    び第3の低抵抗導体とが電気的に接続されていることを
    特徴とする請求項4または5記載の三相変圧器。
  7. 【請求項7】 前記第1ないし第3の低抵抗導体が、平
    板状の部材によって形成されていることを特徴とする請
    求項4ないし6のいずれか1項に記載の三相変圧器。
  8. 【請求項8】 前記低抵抗導体が、線状の部材によって
    形成されていることを特徴とする請求項4ないし6のい
    ずれか1項に記載の三相変圧器。
  9. 【請求項9】 前記低抵抗導体が銅またはアルミニウム
    のいずれかからなることを特徴とする請求項7または8
    に記載の三相変圧器。
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