JP3566481B2 - 渦電流シールド装置および三相変圧器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力用変圧器の構成に係り、特に鉄製タンクの内部に変圧器が封入された系において、高圧巻線と低圧巻線の間隙より漏洩する磁束によりタンク内壁に発生する渦電流を低減する渦電流シールド装置およびこの渦電流シールド装置を使用した三相変圧器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、増大する電力需要に対して、電力用変圧器の大容量化が余儀なくされている。電力用変圧器の多くは、巻線の内部に鉄心を含む内鉄型で、一次巻線、二次巻線を対にしてひとつの鉄心に同心状に配置する同心配置を採っている。油絶縁・冷却の変圧器は3相の同心巻線を3相3脚もしくは3相5脚の鉄心に配置し、一つの長型タンクに収めるものが主流である。3相を一つのタンクに収める場合、従来は各相が発生する渦電流はそれぞれ120度ずつ位相が異なるために全体としては相殺し、各巻線に近接する局部を除いて大域的な経路の渦電流は発生しにくいと考えられていた。
【0003】
一方、渦電流は発生しにくいといえども発生するので、変圧器においてタンク上の渦電流を低減する従来技術も例えば特開平1−89409号公報、特開昭63−117412号公報、特開昭62−73703号公報および特開昭62−37919号公報などにおいて知られている。
【0004】
このうち、特開平1−89409号公報に記載された発明は、磁束が侵入する部位に銅板などの低抵抗部材を設けて当該部材上に渦電流を発生させ、これによる反磁界で鉄製の高抵抗部材に磁束が侵入するのを抑制し、渦電流による損失を低減するようにしたものである。また、特開昭63−117412号公報、特開昭62−73703号公報、特開昭62−37919号公報に記載されているよう発明は、磁束が侵入する部位に渦電流が発生しにくい積層鋼板を設けて、磁束がタンクに侵入しないようにしたものである。
【0005】
これらは磁束が直接侵入する部位の局所的な渦電流を抑制するのに効果があるが、後述するように、板厚内に侵入した磁束が駆動する周回渦電流、及び三相変圧器における第三調波成分の大域的な周回渦電流に対しては十分な効果が期待できない。
【0006】
ここで、この周回渦電流および三相変圧器における第三調波成分の大域的な周回渦電流について図3ないし図5を参照して説明する。図3は従来の三相変圧器の構造を示す一部を切り欠いた斜視図である。同図において、三相変圧器100は、3個の巻線対1a,1b,1cと、鉄心2と、鉄心締め金具22と、これらを収納するタンク3とからなり、タンク3内には絶縁・冷却用の油が充填される。変圧器100は巻線対の内部に鉄心脚を含む内鉄型で、一次巻線4、二次巻線5をひとつの鉄心2に同心状に配置する同心配置を採用している。巻線4,5は、通常、サイドヨーク6付き五脚鉄心2に巻かれ、油を封入するために、変圧器100本体は方形のタンク3に収められる。なお、三脚の鉄心に巻く場合も同様である。
【0007】
このような三相変圧器における渦電流発生の様子を図4の断面図および図5の一部を切り欠いた斜視図を参照して説明する。
【0008】
図4において、鉄心2の外周に一次巻線4が巻回され、さらに間隙7を介して二次巻線5が巻回されている。そして、二次巻線4のさらに外側にタンク3が位置している。このような内部構造の変圧器100では、一次巻線4と二次巻線5の巻線間隙7から漏洩した磁束8の一部は、磁性体であるタンク壁に吸引され、壁面内を貫通して再び巻線間隙7に戻る。このときタンク3の外壁面3aが囲む内部領域では、等量の磁束が往復するのみで外壁面3aが囲む鎖交磁束、さらに言えば、正味の鎖交磁束は存在しない。このためタンク3の外壁面3a上には巻線間隙7から漏洩した磁束8によって渦電流が発生することはない。
【0009】
一方、タンク3の内壁面3bが囲む内部領域では、巻線間隙7を通過する磁束が正味の鎖交磁束として存在するため、これを打ち消す方向に渦電流10が発生する。この渦電流10は図5に示したように、巻線1a,1b,1cの隣接部から離れた部位においてタンク3の側面を水平方向に流れる渦電流となる。
【0010】
しかし、図5に示すように、巻線1a,1b,1cが隣接する部位では、巻線1a,1b,1c間の位相差のため極性が反転する瞬間があり、このとき隣接巻線同志を結ぶような相間渡り磁束21a,21bが発生する。この相間渡り磁束21a,21bは図では水平方向(各巻線対の鉄心に垂直な方向)に発生するため、これによって誘導される渦電流は垂直方向(各巻線対の鉄心に平行な方向)となる。したがって渦電流は水平方向から垂直方向へと向きを変え、タンク3の天井部または底部を通って反対側の面に回り、再び戻る経路をとる。
【0011】
三相変圧器ではこの他にもうひとつ大きな渦電流のモードがある。図6は矩型波に近い交番渦電流の波形を示す。この波形13は基本の正弦関数100%に対し20%の1/3周期の波、即ち第三調波と、基本の正弦関数100%に対し4%の1/5周期の波、即ち第五調波とを重ね合せたものである。図7はこれをフーリエ分解したものである。ここで第三調波17と基本波16の関係に注目する。図7のように第三調波17は基本波16の一周期の中に三周期含まれている。従って基本波16の位相が120度変わる毎に第三調波17の位相は0から繰り返される。三相交流では基本波16の位相が120度ずつ異なる3種の交流を扱う。このとき図8に示すように各基本波16の第三調波17の位相は基本波16の位相が120度変わる毎に0から繰り返されるから、各第三調波16の位相はすべて揃うことになる。したがって第三調波17の渦電流は、隣接する巻線対1a,1b、1b,1c間で位相差を生じることなく重ね合わさり、単相変圧器の場合と同様にタンク3の内壁3bを巻線方向に周回することになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図9に第三調波渦電流9の発生の様子を示す。渦電流による損失は周波数の2乗に比例するため、第三調波成分で駆動される渦電流損はその誘導磁束の強度に較べて大きい。例えば誘導磁束の強度比(基本波:第三調波)が図7の例のように5:1であったとしても、第三調波17の渦電流損はその9倍になるので、損失の比は5:9になる。このため第三調波渦電流9の低減は重要である。
【0013】
したがって、本発明の第1の目的とするところは、渦電流損を最少限に抑えることができる渦電流シールド装置を提供することにある。また、第2の目的は、この渦電流シールド装置を用い、渦電流損を最少限に抑えることができる三相変圧器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するため、本発明に係る渦電流シールド装置は、鉄心に巻回した巻線対の外周部に低抵抗導体を周回させて閉回路を構成し、当該低抵抗導体に巻線対からの磁束を鎖交させて当該低抵抗導体に誘導電流を発生させ、前記低抵抗導体以外の導体構成物上の渦電流の発生を抑制することを特徴としている。
【0015】
この場合、前記低抵抗導体は、好ましくは、鉄心中を通る磁束と鎖交することなく、巻線対の漏洩磁束と巻線対の相間渡り磁束の何れかと鎖交するように周回させる。また、前記低抵抗導体は、この低抵抗導体よりも高抵抗な部材の内側に配されるようにする。
【0016】
また、前記第2の目的と達成するため、本発明は、鉄心と、この鉄心に巻回される低圧巻線と高圧巻線の3対の巻線対をタンク内に収容してなる三相変圧器において、前記巻線対の各巻線の漏洩磁束と鎖交する方向に1周して閉回路を構成する第1の低抵抗導体と、前記各巻線対の相間渡り磁束と鎖交し、前記鉄心の端部の少なくとも一方を迂回するように隣接する巻線対の間に設けられた第2および第3の低抵抗導体とを備え、この低抵抗導体をタンク内壁側に位置するように前記タンク内に収容したことを特徴としている。
【0017】
なお、前記第2および第3の低抵抗導体はそれぞれ鉄心の両端を迂回するように1周して閉回路を構成するように配置することが望ましく、さらに、第1の低抵抗導体と、第2および第3の低抵抗導体とは電気的に接続しておく方がよい。これらの第1ないし第3の低抵抗導体は、平板状もしくは線状の部材によって形成され、材料としては、銅またはアルミニウムが好ましい。
【0018】
具体的には、変圧器を封入するタンクの内側壁面上に、巻線対の間付近からタンク内壁面に沿って鉄心の上部を迂回し、鉄心とは鎖交しないように縦方向に周回する2個の一周非磁性低抵抗導体即ち一周シールドを設ける。これを第2、第3の一周シールドとする。さらに3対の巻線を囲み、巻線方向に沿って横方向に一周する第1の一周シールドを設ける。第1、第2、第3の一周シールドを重なる部分で電気的に接続し、それぞれのシールドに流れる電流が他のシールドに渡ることができるようにこれを一体化する。
【0019】
これにより両端の巻線間隙の漏洩磁束によってタンク内壁に作用していた起電力は該一周シールドに作用するようになり、一周シールド上に誘導電流を発生せしめる。この誘導電流により両端の巻線間隙の漏洩磁束を打ち消すような反磁界が発生するため、タンク内の磁束は低減され、その結果タンク内壁に作用していた起電力も低減されてタンク内壁上の渦電流は抑制される。
【0020】
以上の手段において、例えば一周シールドに銅を用いた場合、タンクに用いる鉄に比べて1/10程度の電気抵抗であるため、渦電流は10対1の割合でほとんどこの一周シールド中を流れるようになり、鉄製タンクに流れる渦電流は抑制される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
なお、以下の説明において、前述の従来例と同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】
本発明では、磁性体の特性を考慮して3次元渦電流を解析し、一つのタンクに三相変圧器を納める構造において渦電流分布を検討した結果、以下の知見を得た。
【0024】
巻線間隙から発生した漏洩磁束は透磁率の高い鋼鉄製のタンク壁面内を通る。これによりタンク内面では磁束を囲むような渦電流が発生する。漏洩磁束がタンク表面に侵入する部位では、タンクに対して垂直な磁束の成分を直接タンク面上で囲むように局所的な周回渦電流が発生する。しかし、タンクの板厚内に侵入した磁束に対しては、タンクの内周を大域的に周回する経路を採らないとこの磁束を囲むことができない。したがって、タンクの板厚内に侵入した磁束によって駆動される渦電流は、タンクの内周を大域的に周回する経路を採って流れることになる。
【0025】
巻線がタンク内に1対しかない単相単巻線対の変圧器においては、この大域的周回経路はタンク内壁を巻線方向に一周する経路となる。しかし、巻線が3対ある三相変圧器の場合は、以下のようにこれとはやや異なる経路をとる。
【0026】
三相変圧器において隣接する2対の巻線は位相差のため互いに励磁方向が逆になる瞬間がある。このとき2対の巻線が発生する渦電流はタンク内壁をそれぞれ逆方向に周回することになる。2対の巻線が隣接する部位から離れたところでは、互いに相手側の巻線の影響が小さいため、巻線がタンク内に1対しかない場合と同様にタンク内壁を巻線方向に周回する経路を採る。しかし2対の巻線が隣接する部位では、渦電流の方向が対向するようになるため、タンクの上下に分かれて流れる経路となる。渦電流をタンクの上下に分流させる起電力は以下のような作用によって発生する。
【0027】
すなわち、極性が反転している2対の巻線が隣接する部位では、巻線間に相間渡り磁束が水平方向に発生する。この相間渡り磁束によって発生する起電力はこれと直交するために上下方向の起電力となり、渦電流は上下に向きを変えて流れる。タンクの上部または下部に回った渦電流は、さらに反対側の側面で再び巻線方向に周回し、出発点に戻って一周経路を形成する。
【0028】
なお、以下の実施形態では三相変圧器を例に取って説明しているが、渦電流のシールドについては、原理的に三相変圧器に限定されないことは勿論である。
【0029】
本発明は、このような知見に基づいてなされたもので、その第1の実施形態を図1に示す。この図1はタンク内部の巻線対1a,1b,1cと鉄心3とシールド14a,14bおよび15の相互の関係を示す斜視図である。この実施形態は、前述の図3に示した従来の三相三巻線対の変圧器に、渦電流シールド装置、すなわち、一周シールドを加えたものである。すなわち変圧器を封入するタンク3の内壁3b側に、3対の巻線1a,1b,1cをそれぞれ囲みかつ鉄心2の上部および下部を迂回し、鉄心2とは鎖交しないように縦方向(巻線対の相間渡り磁束と鎖交する方向)に一周する縦方向1周シールド14a,14bと、巻線方向、即ち横方向(巻線の漏洩磁束に鎖交する方向)に一周する横方向1周シールド15を組み合わせ、これらの交差部、言い換えれば重なり部分ででこれらが電気的に一体になるように接合した一体型シールドを配置する。その他の構成は前述の従来例と同等に構成されている。鉄心と鎖交しないように該一周シールドを配置するのは、鉄心中を通る巻線励磁磁束で該一周シールドに電流を誘導しないようにするためである。
【0030】
このように構成すると、巻線から発生する基本波13の漏洩磁束8a,8bが横方向一周シールド15と鎖交するため、この一周シールド15上に誘導電流11が矢印のように発生する。その際、図1に示すようにこの誘導電流11の向きは巻線の位相差により互いに逆方向になる場合がある。このとき基本波13によるシールド誘導電流11は巻線対1a,1b,1cの間で上下方向に向きを変え、鉄心2の上下方向を一周する縦方向の一周シールド14a,14b側を流れる。この際、漏洩磁束8a,8b,8cと相間渡り磁束21a,21bをそれぞれ打ち消す方向の磁界を発生するので、その結果、タンク3にかかる磁束が低減され、タンク3上の渦電流が抑制される。
【0031】
一方、第三調波17の作るシールド誘導電流12は巻線対間で位相差がないので、巻線方向に一周する横方向一周シールド15側をそのまま流れることになる。この際、漏洩磁束8a,8bをそれぞれ打ち消す方向の磁界を発生するので、その結果、タンク3にかかる磁束が低減され、タンク3上の渦電流が抑制されることになる。
【0032】
したがって、縦方向1周シールド14a,14bと横方向1周シールド15をこのように組み合わせれば、基本波16および第三調波17のいずれの渦電流に対してもこれを低減することができる。これらの一周シールド14a,14b,15は図5に示した大域的循環渦電流10を低減するだけでなく、漏洩磁束8a,8bがタンク3に侵入する部位で発生するさらに局所的な循環渦電流20をも低減する。その理由は、横方向1周シールド15が局所的循環渦電流20の発生要因である、タンク3に入射する漏洩磁束8a,8b自体を低減させるからである。
【0033】
本発明の第2の実施形態は、図2に示すような線状に分割した一周シールドを漏洩磁束と鎖交する位置に設置するとともに、図1に示した三相三巻線変圧器の構成の1周シールド14a,14b,15を平板状のものから線状のものに置き換えたものである。
【0034】
このような構造にすると第1の実施形態のような面状にシールドを設置することが困難なタンクの場合、非常に有効になる。なお、図2から分かるように、本実施形態では、基本波13用の一周シールド15と第三調波17用の一周シールド14a,14bとが分離している。ただしこの点は必須要件ではなく、これらがつながっていても良いことはいうまでもない。
【0035】
なお、一周シールドの材料として例えば銅を用いた場合、タンク3に用いる鉄に比べて1/10程度の電気抵抗であるため、渦電流は10対1程度の割合で大部分この一周シールド上を流れるようになり、鉄製タンク3に流れる渦電流は約10分の1に抑制される。このような系において渦電流の強さは導体の抵抗率よりもむしろインダクタンスに支配され、ほぼ鎖交磁束を相殺する分だけ流れる。従って一周シールドを設けない場合も、設ける場合も全電流はあまり変わらない。一方、渦電流損は抵抗率の一乗、渦電流の二乗に比例する。このことから一周シールドを設けた場合、全渦電流損を従来の1/11程度にできることになる。
【0036】
以上の議論を式で表現すると次のようになる。なお、以下の式において「=」は概略等しいという意味で使用している。
【0037】
電気抵抗Rの関係は、
となる。そこで、この式に前記(1)ないし(3)を代入して整理すると、
W(シールドあり)/W(シールドなし)=1/11
となる。
【0038】
このことから、上記の渦電流損が大幅に抑制できることが分かる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、低抵抗導体に誘導電流を発生させ、この低抵抗導体よりも抵抗の大きい他の導体構成物状の渦電流の発生を抑制するので、渦電流が原因となる発熱を抑えることができ、渦電流による損失を低減させることができる。
【0040】
また、三相三巻線変圧器において巻線間隙からの漏洩磁束よって発生していたタンクとタンク内の部材、例えば鉄心締め金具上の渦電流を大幅に抑制できるため、機器の発熱を抑え、損失を低減させることができる。この渦電流損による発熱の低減は、大容量三相変圧器の冷却系の負荷を軽減することにつながり、この種の大容量三相変圧器の低コスト化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における一周シールドの構成とその作用を示す説明図である。
【図2】本発明の他の実施形態における一周シールドの構成とその作用を示す説明図である。
【図3】従来の電力用大容量三相変圧器の構成を説明するための一部を破断して示す斜視図である。
【図4】従来の電力用大容量三相変圧器における磁束と渦電流の流れを説明するための断面図である。
【図5】従来の電力用大容量変圧器における磁束および渦電流の流れを説明するための一部を破断して示す斜視図である。
【図6】矩型波の一例を示すグラフである。
【図7】矩型波の一例をフーリエ分解したときの各成分を示すグラフである。
【図8】三相基本波と各第三調波の位相関係を示すグラフである。
【図9】従来の電力用大容量変圧器における磁束および渦電流の流れを説明するための一部を破断して示す説明図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 巻線対
2 鉄心上部
3 タンク
4 一次巻線
5 二次巻線
7 巻線間隙
8,8a,8b,8c 漏洩磁束
9 第三調波渦電流
10 周回渦電流
11 基本波シールド電流
12 第三調波シールド電流
13 矩形波
14a,14b 縦方向1周シールド
15 横方向1周シールド
16 基本波
17 第三調波
21a,21b 相間渡り磁束
Claims (9)
- 鉄心に巻回した巻線対の外周部に低抵抗導体を周回させて閉回路を構成し、当該低抵抗導体に巻線対からの磁束を鎖交させて当該低抵抗導体に誘導電流を発生させ、前記低抵抗導体以外の導体構成物上の渦電流の発生を抑制することを特徴とする渦電流シールド装置。
- 前記低抵抗導体が、鉄心中を通る磁束と鎖交することなく、巻線対の漏洩磁束と巻線対の相間渡り磁束の双方と鎖交するように周回していることを特徴とする請求項1記載の渦電流シールド装置。
- 前記低抵抗導体が、この低抵抗導体よりも高抵抗な部材の内側に配されていることを特徴とする請求項1または2記載の渦電流シールド装置。
- 鉄心と、この鉄心に巻回される低圧巻線と高圧巻線の3対の巻線対をタンク内に収容してなる三相変圧器において、
前記巻線対の各巻線の漏洩磁束と鎖交する方向に1周して閉回路を構成する第1の低抵抗導体と、前記各巻線対の相間渡り磁束と鎖交し、前記鉄心の端部の少なくとも一方を迂回するように隣接する巻線対の間に設けられた第2および第3の低抵抗導体とを備え、この低抵抗導体がタンク内壁側に位置するように前記タンク内に収容されていることを特徴とする三相変圧器。 - 前記第2および第3の低抵抗導体がそれぞれ鉄心の両端を迂回するように1周して閉回路を構成していることを特徴とする請求項4記載の三相変圧器。
- 前記第1の低抵抗導体と、前記第2および第3の低抵抗導体とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項4または5記載の三相変圧器。
- 前記第1ないし第3の低抵抗導体が、平板状の部材によって形成されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の三相変圧器。
- 前記低抵抗導体が、線状の部材によって形成されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の三相変圧器。
- 前記低抵抗導体が銅またはアルミニウムのいずれかからなることを特徴とする請求項7または8に記載の三相変圧器。
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