JPH10220464A - 転がり軸受用ピン型保持器 - Google Patents

転がり軸受用ピン型保持器

Info

Publication number
JPH10220464A
JPH10220464A JP758197A JP758197A JPH10220464A JP H10220464 A JPH10220464 A JP H10220464A JP 758197 A JP758197 A JP 758197A JP 758197 A JP758197 A JP 758197A JP H10220464 A JPH10220464 A JP H10220464A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bush
pin
peripheral surface
pins
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP758197A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Fujii
修 藤井
Yukio Sato
幸夫 佐藤
Hiroomi Tanaka
洋臣 田中
Toshio Tanaka
敏夫 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP758197A priority Critical patent/JPH10220464A/ja
Publication of JPH10220464A publication Critical patent/JPH10220464A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブッシュ6bの内外両周面と、ピン3aの端
部外周面及び環状板5aのピン受け孔9aの内周面との
嵌め合わせ面同士の間に隙間を生じにくくする。そし
て、溶接体10に応力が加わる事を防止し、ピン型保持
器1bの強度の向上を図る。 【解決手段】 ブッシュ6bの外周面又は内周面に、そ
れぞれこのブッシュ6bの周方向に亙り、外周溝12又
は内周溝13を形成する。このブッシュ6bの円周方向
の一部に、このブッシュ6bの軸方向両端面同士を連通
させるスリットを形成する。ピン3aの端部外周面と環
状板5aのピン受け孔9aの内周面との間に、上記ブッ
シュ6bを嵌着する。ブッシュ6bが変形し易い為、ブ
ッシュ6bの内外両周面と、ピン3aの端部外周面及び
環状板5aのピン受け孔9aの内周面とが十分に密着す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る転がり軸受用
ピン型保持器は、圧延機、減速機のピニオンスタンド、
粉砕機等の大きな荷重、振動及び衝撃を発生する様な設
備等で使用される円筒ころ軸受、或は円すいころ軸受に
組み込んで、円筒ころ或は円すいころを転動自在に保持
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、大きな荷重、振動及び衝撃を
発生する様な設備等で使用される転がり軸受として、負
荷容量が大きい円筒ころ軸受、或は円すいころ軸受を使
用している。この様な円筒ころ軸受、或は円すいころ軸
受には、中空ころの中にピンを通した構造のピン型保持
器を使用する。この様なピン型保持器を使用する事によ
り、円周方向に隣り合うころ同士の間に保持器の柱部分
をなくし、ころ間の隙間を小さくして転がり軸受に組み
込まれるころ数を増し、転がり軸受の負荷容量の増大を
図る。
【0003】この様な転がり軸受に組み込むピン型保持
器として、例えば実開昭50−123745号公報、実
開昭60ー182527号公報等に記載されたものが知
られている。図7は、このうち実開昭50−12374
5号公報に記載された構造を示している。ピン型保持器
1は、中間部周囲に複数の中空ころ2を回転自在に支持
する複数本のピン3と、これら各ピン3の両端部を連結
固定する1対の環状板4、5と、鋼等の金属により造る
テーパ円筒状の複数のブッシュ6とから成る。このうち
のピン3は、一方(図7の右方)の端部にテーパねじ部
7を有する。又、上記1対の環状板4、5は、互いに平
行に、且つ同心に配置している。そして、これら両環状
板4、5のうちの一方(図7の右方)の環状板4には複
数のテーパねじ孔8を、周方向に亙り等間隔に形成して
いる。そして、上記各ピン3の一方(図7の右方。特許
請求の範囲に記載した「一方」の語とは一致しない。)
の端部に形成したテーパねじ部7を、上記一方の環状板
4の各テーパねじ孔8にそれぞれ螺合し、上記一方の環
状板4と各ピン3とを連結固定している。図7に示した
従来構造の第1例の場合、これらテーパねじ部7とテー
パねじ孔8との螺合・緊締作業は、上記各ピン3の他方
の端面に形成した係止溝17に、ドライバ等の工具を係
止する事により行なう。
【0004】これに対して、上記1対の環状板4、5の
うち、他方(図7の左方)の環状板5は、上記テーパね
じ孔8と対向する位置に、複数のピン受け孔9を形成し
ている。これら各ピン受け孔9は、外側面(図7の左側
面)に向かう程内径が大きくなるテーパ孔としている。
この様なピン受け孔9には、上記各ピン3の他方(図7
の左方。特許請求の範囲に記載した「少なくとも一方」
の語中の「一方」に相当する。)の端部を挿入し、その
後、上記各ピン3の他方の端部と各ピン受け孔9との間
に、上記各ブッシュ6を嵌め込んで(圧入して)いる。
そして、これら各ピン3の他方の端部の外面と、各ピン
受け孔9の端部内周面と、各ブッシュ6の端面とを溶接
して、上記各ピン3と他方の環状板5とを、溶接体10
により連結している。この様にテーパ状のブッシュ6
を、上記各ピン3の他方の端部とテーパ孔である各ピン
受け孔9との間に嵌め込む(圧入する)事により、上記
各ピン3の長さ寸法誤差を吸収し、且つこれら各ピン3
の回り止めを図ると共に、がたつきを防止する。
【0005】上述の様に構成するピン型保持器1は、円
筒ころ軸受、或は円すいころ軸受に組み込んで、複数の
中空ころ2を回転自在に支持し、この中空ころ2の内周
側及び外周側に設けた、図示しない内輪と外輪との相対
回転を自在とする。尚、上記各ピン3の他方の端部と環
状板5との結合固定作業は、これら各ピン3に上記中空
ころ2を外嵌した後に行なう。又、上記ピン型保持器1
を円筒ころ軸受に組み込む場合には、複数のピン3は互
いに平行にして、これら各ピン3を単一円筒面上に配置
する。これに対して、上記ピン型保持器1を円すいころ
軸受に組み込む場合には、複数のピン3は互いに非平行
にして、これら各ピン3を単一円すい面上に配置する。
【0006】又、図8は、転がり軸受用ピン型保持器の
従来構造の第2例を示している。この第2例のピン型保
持器1aでは、他方(図8の左方)の環状板5aのピン
受け孔9a及びブッシュ6aの外周面を、上述した従来
構造の第1例の様にテーパ状とせずに、単なる円筒面と
している。この図8に示した構造の場合、これらピン受
け孔9a及びブッシュ6aの外周面を単なる円筒面とし
た代わりに、各ピン3aの他方(図8の左方)の端部
を、端部に向かう程外径が小さくなるテーパ状に形成す
ると共に、上記各ブッシュ6aの内周面を、内側に向か
う程内径が大きくなるテーパ孔としている。尚、この図
8に示した構造の場合、テーパねじ部7とテーパねじ孔
8との螺合・緊締作業は、上記ピン3aの他方の端面に
この端面の直径方向に亙り形成した係止凸部15に、ス
パナ等の工具を係止する事により行なう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の図7
〜8に示した様な、従来の転がり軸受用ピン型保持器で
は、何れの場合も次の様な問題がある。即ち、上記ピン
型保持器1(1a)の構成部材の加工上不可避な精度
(形状精度及び寸法精度)誤差により、ピン3(3a)
の端部外周面とブッシュ6(6a)の内周面との嵌め合
わせ面、又は、ブッシュ6(6a)の外周面と環状板5
(5a)のピン受け孔9(9a)の内周面との嵌め合わ
せ面同士の間に、隙間が生じる可能性がある。ピン型保
持器1(1a)に中空ころ2を回転自在に保持し、更に
各ピン3と環状板5(5a)とを連結固定する際には、
上記ブッシュ6(6a)を弾性変形させる事により、上
記ピン3(3a)の端部とピン受け孔9(9a)との間
に嵌め込む。但し、鋼等の金属材により造られたこのブ
ッシュ6(6a)を弾性変形させられる範囲は、極く限
られている。従って、上記精度誤差が大きいと、上記ブ
ッシュ6(6a)が弾性変形できる範囲ではこの精度誤
差を吸収できずに、上記隙間が生じてしまう。
【0008】この様にして隙間が生じた場合、中空ころ
2からピン3(3a)に加わる荷重に基づいて、このピ
ン3(3a)の他方の端部の外周面とピン受け孔9(9
a)の内周面とが、ピン3(3a)の断面の直径方向
に、僅かに変位する。そして、この変位に基づく応力
が、強度の低い溶接体10に集中し易い。この応力集中
の結果、上記ピン型保持器1(1a)を組み込んだ転が
り軸受の長期間に亙る使用により、上記溶接体10部分
が破断する可能性がある。本発明者が行った実験による
と、上述の様に溶接体10に応力が集中すると、ピン3
(3a)による中空ころ2の保持強度が、ピン3(3
a)自体により得られるはずの保持強度の1/3程度に
まで低下する事が分った。この様に、ピン型保持器1
(1a)を構成するピン3(3a)による中空ころ2の
保持強度が低下すると、このピン型保持器1(1a)及
びこのピン型保持器1(1a)を組み込んだ転がり軸受
の耐久性が低下する。
【0009】本発明の転がり軸受用ピン型保持器は、上
述の様な不都合を解消すべく、ブッシュとピンとの少な
くとも一方の形状を工夫する事で、上記ブッシュを弾性
変形し易くする事により、特にブッシュの周面と相手周
面との密着度を増し、転がり軸受用ピン型保持器の強度
向上を図るべく考えたものである。
【0010】
【課題を解決する為の手段】本発明の転がり軸受用ピン
型保持器は何れも、前述した従来の転がり軸受用ピン型
保持器と同様に、中間部周囲に中空ころを回転自在に支
持する複数本のピンと、互いに平行に且つ同心に配置
し、それぞれ上記各ピンの両端部を連結固定する1対の
環状板と、上記各ピンの少なくとも一方の端部外周面と
この端部が挿通される環状板のピン受け孔の内周面との
間に装着するブッシュとを備える。
【0011】特に、請求項1に記載した転がり軸受用ピ
ン型保持器に於いては、上記ブッシュの外周面と、この
ブッシュの内周面と、このブッシュの内周面に密接する
上記各ピンの端部外周面とのうちの少なくとも1個の周
面に設けた周溝と、上記ブッシュの円周方向の一部に、
このブッシュの軸方向両端面同士を連通させる状態で設
けた1本のスリットとを備える。
【0012】又、請求項2に記載した転がり軸受用ピン
型保持器に於いては、上記ブッシュの円周方向の一部
に、このブッシュの軸方向両端面同士を連通させる状態
で設けた1本のスリットと、上記ブッシュの軸方向一端
面に開口し、その奥端をこのブッシュの中間部に位置さ
せた、少なくとも1本の切り込みとを備える。
【0013】更に、請求項3に記載した転がり軸受用ピ
ン型保持器に於いては、上記ブッシュの軸方向一端面に
開口し、その奥端をこのブッシュの中間部に位置させ
た、少なくとも1本の第一切り込みと、この第一切り込
みと円周方向にずれた位置に設けられ、上記ブッシュの
軸方向他端面に開口し、その奥端をこのブッシュの中間
部に位置させた、少なくとも1本の第二切り込みとを備
える。
【0014】
【作用】上述の様に構成する本発明の転がり軸受用ピン
型保持器は、何れも、ブッシュが弾性変形し易くなっ
て、このブッシュの周面と相手周面との密着度が増す。
この為、ピンの端部と環状板との結合固定部の剛性を向
上させて、この結合固定部を組み込んだピン型保持器の
強度が向上する。この結果、ピン型保持器及びこのピン
型保持器を組み込んだ転がり軸受の耐久性を向上でき
る。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜2は、請求項1に対応す
る、本発明の実施の形態の第1例を示している。ピン型
保持器1bは、前述の図8に示した従来構造の第2例と
同様に、中間部周囲に複数の中空ころ2(図8)を回転
自在に支持する複数本のピン3aと、これら各ピン3a
の両端部を連結固定する1対の環状板4(図8)、5a
と、それぞれを鋼等の金属により造る、複数の円筒状の
ブッシュ6bとから成る。
【0016】そして、前述の図8に示した様に、上記各
ピン3aの一方(図8の右方。特許請求の範囲に記載し
た「一方」の語とは一致しない。)の端部にテーパねじ
部7を形成している。又、上記1対の環状板4、5a
は、互いに平行に、且つ同心に配置している。そして、
これら両環状板4、5aのうちの一方(図8の右方)の
環状板4には、複数のテーパねじ孔8を、周方向に亙り
等間隔に形成している。そして、上記各ピン3aの一方
の端部に形成したテーパねじ部7を、上記一方の環状板
4の各テーパねじ孔8にそれぞれ螺合し、上記一方の環
状板4と各ピン3aとを連結固定している。
【0017】これに対して、上記1対の環状板4、5a
のうち、他方(図8の左方)の環状板5aは、上記テー
パねじ孔8と対向する位置に、内周面を円筒面とした、
複数のピン受け孔9aを形成している。そして、上記各
ピン受け孔9aに、上記各ピン3aの他方(特許請求の
範囲に記載した「少なくとも一方」の語中の「一方」に
相当する。)の端部を挿入している。そして、上記各ピ
ン3aの他方の端部の外周面と各ピン受け孔9aの内周
面との間に、上記ブッシュ6bを嵌め込んでいる。この
嵌め込み作業は、上記各ピン3aの他方の端部を上記各
ピン受け孔9aの内側に挿入した後に行なう。そして、
上記ブッシュ6bを嵌め込んだ後、これら各ピン3aの
他方の端部外面と、各ピン受け孔9aの開口端部内周面
と、ブッシュ6bの端面部とを互いに溶接して、上記ピ
ン3aと他方の環状板5aとを、溶接体10により連結
している。勿論、上記各ピン3aの中間部には中空ころ
2(図8)を、これら各ピン3aと環状板5aとの組み
合わせ以前に、回転自在に緩く外嵌しておく。
【0018】特に、本発明の転がり軸受用ピン型保持器
の場合には、図2に示す様に、上記ブッシュ6bの外周
面と内周面とに、それぞれ全周に亙り、それぞれが周溝
である、外周溝12と内周溝13とを形成している。更
に、上記ブッシュ6bの円周方向の一部に、このブッシ
ュ6bの軸方向両端面同士を連通させる状態で、スリッ
ト14を形成している。これら外周溝12及び内周溝1
3の幅及び深さ、並びにスリット14の幅は、上記ブッ
シュ6bを介して互いに結合固定する、上記各ピン3a
の端部と環状板5aとの密着性を考慮して設計的に定め
る。
【0019】上述の様に構成する本発明の転がり軸受用
ピン型保持器の場合、前述の図8に示した従来構造の場
合と同様に、内周面をテーパ孔とするブッシュ6bを、
テーパ状の各ピン3aの他方の端部と上記各ピン受け孔
9aとの間に嵌め込む事により、上記各ピン3aの長さ
寸法誤差を吸収しつつ、これら各ピン3aと上記環状板
5aとを結合する。そして、これら各ピン3aの回り止
めを図ると共に、がたつき防止を図る。
【0020】特に、本発明の転がり軸受用ピン型保持器
の場合には、上記各ブッシュ6bの外周面と内周面と
に、それぞれ外周溝12と内周溝13とを形成してい
る。従って、これら各ブッシュ6bを上記各ピン3aの
端部と各ピン受け孔9aとの間の円環状空間内に嵌め込
む場合に、これら各ブッシュ6bが上記外周溝12及び
内周溝13部分に存在する空間に基づいて、直径方向並
びに軸方向に弾性変形し易くなる。更に、上記各ブッシ
ュ6bの円周方向の一部に、これら各ブッシュ6bの軸
方向両端面同士を連通させる状態で形成したスリット1
4の存在により、上記各ブッシュ6bが直径方向に弾性
変形し易くなる。これら軸方向並びに直径方向に亙る弾
性変形のし易さにより、これら各ブッシュ6bの内外両
周面と上記各ピン3aの端部外周面及び各ピン受け孔9
aの内周面との密着性を高める事ができる。
【0021】即ち、上記各ブッシュ6bを上記各ピン3
aの端部と各ピン受け孔9aとの間の円環状空間内に嵌
め込み、更にこの空間内に圧入すると、上記スリット1
4の存在に基づき、上記各ブッシュ6bが上記各ピン3
aの端部のテーパ面に沿って直径方向に広がる。そし
て、上記各ブッシュ6bの内外両周面が、上記各ピン3
aの端部外周面と各ピン受け孔9aの内周面とに凡そ密
着する。この状態から、更に上記各ブッシュ6bを上記
各ピン3aの端部と各ピン受け孔9aとの間の円環状空
間内に圧入すると、上記外周溝12と内周溝13との存
在に基づく、上記各ブッシュ6bの直径方向並びに軸方
向に亙る変形によって、これら各ブッシュ6bの内外両
周面と、上記各ピン3aの端部外周面及び各ピン受け孔
9aの内周面との密着度が増す。
【0022】この様に、上記各ブッシュ6bの内外両周
面と、上記ピン3aの端部外周面及びピン受け孔9aの
内周面との密着度が増す事により、仮に構成各部材6
b、3a、5a同士の間に加工上不可避な精度誤差が存
在していても、ピン型保持器1bの強度を向上できる。
即ち、ピン型保持器1bの使用時に、前記中空ころ2
(図7〜8参照)から上記ピン3aの中間部分である支
柱部11に、衝撃荷重等の過大荷重を受けても、この過
大荷重は、上記各ブッシュ6bを介して前記環状板5a
が支承する。この結果、上記過大荷重に基づく応力が上
記溶接体10に発生する事がなくなる。即ち、上記過大
荷重に基づく応力は、何れもこの溶接体10よりも疲労
強度が高い、ピン3aとブッシュ6bと環状板5aとに
発生するのみである。従って、上記溶接体10が上記過
大荷重に基づく応力により破損する事がなくなり、ピン
型保持器及びこのピン型保持器を組み込んだ転がり軸受
の強度及び耐久性を向上できる。
【0023】次に、図3は、やはり請求項1に対応す
る、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の
ピン型保持器1cの場合、各ブッシュ6cの外周面に
は、上述した第1例の構造の様な外周溝12(図1〜
2)を形成せず、これら各ブッシュ6cの内周面の内周
溝13のみを形成している。尚、図3の場合とは逆に、
内周溝13を形成せず、外周溝12のみを形成する事も
できる。この様に、外周溝12と内周溝13との何れか
一方を形成するのみでも、上述した第1例とほぼ同様の
作用・効果が得られる。但し、好ましくは外周溝12と
内周溝13との両方を形成した方が、上記各ブッシュ6
cの内外両周面と、各ピン3aの端部外周面及び環状板
5aの各ピン受け孔9aの内周面との嵌め合わせ面の密
着度が増し、より優れた耐久性向上効果を得られる。そ
の他の構成及び作用に就いては、上述した第1例と同様
である為、同等部分には同一符号を付して、重複する説
明を省略する。
【0024】次に、図4は、やはり請求項1に対応す
る、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の
ピン型保持器1dの場合、上述した第1〜2例でブッシ
ュ6b、6cの内周面に形成した外周溝12及び内周溝
13(図1〜3)を省略する代わりに、各ピン3aの端
部外周面でブッシュ6dの内周面に密接する部分に、第
二の外周溝16を形成している。上記ブッシュ6dを、
環状板5aの各ピン受け孔9aの内周面と各ピン3aの
端部外周面との間に嵌め込んだ場合には、上記第二の外
周溝16部分に存在する空間に基づいて、上記ブッシュ
6dが軸方向に亙り弾性変形し易くなる。その他の構成
及び作用に就いては、上述した第1〜2例と同様である
ため、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を
省略する。
【0025】尚、上述した本発明の実施の形態の第1〜
3例は何れも、各ピン3aの一方の端部にテーパねじ部
7(図8)を形成し、一方の環状板4に形成した複数の
テーパねじ孔8に上記テーパねじ部7を螺合して、上記
一方の環状板4と各ピン3aとを連結している。そし
て、上記各ピン3aの他方の端部をブッシュ6b(6
c、6d)を介して環状板5aに嵌合し、更に溶接し
て、これら各ピン3aと環状板5aとを連結固定してい
る。但し、本発明は、上記各ピン3aの両端部を、何れ
もブッシュ6b(6c、6d)を介して両方の環状板4
(図7〜8)、5aに嵌合し、更に溶接して、これら各
ピン3aと環状板4、5aとを連結固定する構造に実施
する事もできる。
【0026】又、外周溝12、内周溝13及び第二の外
周溝16は、ブッシュ6b(6c、6d)の内外両周
面、又は、各ピン3aの端部外周面の全周に亙り形成し
た例を示したが、これら外周溝12、内周溝13及び第
二の外周溝16は、ほぼ全周に近ければ、必ずしも連続
して形成する必要はない。更に、図8に示す様に、端部
をテーパさせたピン3aを組み込んだ構造に限らず、図
7に示す様に、端部がテーパしていないピン3を組み込
んだ構造にも実施できる事は勿論である。
【0027】次に、図5は、請求項2に対応する、本発
明の実施の形態の第4例の構造に組み込むブッシュ6e
を示している。このブッシュ6eの円周方向の一部には
1本のスリット14を、このブッシュ6eの軸方向両端
面同士を連通させる状態で設けている。又、このブッシ
ュ6eの一部で、上記スリット14と円周方向反対側位
置には、1本の切り込み18を形成している。この切り
込み18は、軸方向一端面に開口し、その奥端をこのブ
ッシュ6eの中間部に位置している。尚、上記切り込み
18の開口端位置と上記ブッシュ6eの挿入方向との関
係は特に限定しないが、好ましくは、前端面側{環状板
5(5a)に組み付けた状態でこの環状板5(5a)の
内側面(図7〜8の右側面)側に位置する面}に開口さ
せる。この理由は、上記ブッシュ6eをピン受け孔9
(9a)の内周面とピン3(3a)の端部外周面(図7
〜8)との間の空間内に圧入した場合に、上記切り込み
18の存在に基づいてこのブッシュ6eの一部が変形し
易くする為である。又、上記ブッシュ6eは、外周面を
円すい状凸面とする(図7に示す様なピン型保持器1を
構成する場合)か、或は内周面を円すい状凹面とする
(図8に示す様なピン型保持器1aを構成する場合)。
従って、上記ブッシュ6eは、上記スリット14及び切
り込み18の存在に基づいて弾性変形する以前の状態で
も、内外両周面がピン受け孔9(9a)の内周面及びピ
ン3(3a)の端部外周面に凡そ密着する。
【0028】上記ブッシュ6eを、例えば図1、3、4
に示す様に、環状板5aの各ピン受け孔9aの内周面と
各ピン3aの端部外周面との間に嵌め込んだ場合には、
上記スリット14及び切り込み18の存在に基づいて、
上記ブッシュ6eが円周方向並びに直径方向に亙り弾性
変形し、このブッシュ6eの内外両周面とピン受け孔9
(9a)の内周面及びピン3(3a)の端部外周面とを
確実に密着させる。その他の構成及び作用に就いては、
上述した第1〜3例と同様である為、同等部分に関する
図示並びに説明を省略する。
【0029】次に、図6は、請求項3に対応する、本発
明の実施の形態の第5例の構造に組み込む、ブッシュ6
fを示している。本例の場合には、ブッシュ6fの軸方
向両端面に第一、第二両切り込み19、20を、それぞ
れ2本ずつ形成している。このうちの第一切り込み1
9、19は、それぞれ上記ブッシュ6fの軸方向一端面
(図6の手前面)で円周方向反対位置に開口し、その奥
端をこのブッシュの中間部に位置させている。又、第二
切り込み20、20は、それぞれ上記ブッシュ6fの軸
方向他端面(図6の奥側面)で円周方向反対位置に開口
し、その奥端をこのブッシュ6fの中間部に位置させて
いる。又、上記第一切り込み19、19と第二切り込み
20、20との円周方向位置は、互いに90度ずつずら
せている。更に、上記第一、第二両切り込み19、20
の深さD19、D20は、何れも上記ブッシュ6fの軸方向
長さL6fの1/2よりも大きく(D19、D20>L6f
2)している。従って、上記第一切り込み19、19の
奥端部と第二切り込み20、20の奥端部とは、円周方
向に亙り互いに重畳している。
【0030】上記ブッシュ6eを、例えば図1、3、4
に示す様に、環状板5aの各ピン受け孔9aの内周面と
各ピン3aの端部外周面との間に嵌め込んだ場合には、
上記第一、第二両切り込み19、20の存在に基づい
て、上記ブッシュ6fが円周方向並びに直径方向に亙り
弾性変形し、このブッシュ6eの内外両周面とピン受け
孔9(9a)の内周面及びピン3(3a)の端部外周面
とを確実に密着させる。その他の構成及び作用に就いて
は、上述した第1〜4例と同様である為、同等部分に関
する図示並びに説明を省略する。
【0031】
【発明の効果】本発明の転がり軸受用ピン型保持器は、
以上に述べた通り構成され作用するので、ブッシュの内
外両周面と、ピンの端部外周面及び環状板のピン受け孔
の内周面との嵌め合わせ面同士の密着度を向上させる事
ができる。これにより、ピン型保持器の使用時に溶接部
分に応力が集中する事をなくし、このピン型保持器の強
度を向上させる事ができる。従って、このピン型保持器
及びこのピン型保持器を組み込んだ転がり軸受の耐久性
を向上させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す要部断面
図。
【図2】図1の構造に組み込むブッシュの斜視図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す要部断面
図。
【図4】同第3例を示す要部断面図。
【図5】同第4例の構造に組み込むブッシュの斜視図。
【図6】同第5例の構造に組み込むブッシュの斜視図。
【図7】従来構造の第1例を示す部分断面図。
【図8】同第2例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d ピン型保持器 2 中空ころ 3、3a ピン 4 環状板 5、5a 環状板 6、6a、6b、6c、6d、6e、6f ブッシュ 7 テーパねじ部 8 テーパねじ孔 9、9a ピン受け孔 10 溶接体 11 支柱部 12 外周溝 13 内周溝 14 スリット 15 係止凸部 16 第二の外周溝 17 係止溝 18 切り込み 19 第一切り込み 20 第二切り込み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 敏夫 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中間部周囲に中空ころを回転自在に支持
    する複数本のピンと、互いに平行に且つ同心に配置し、
    それぞれ上記各ピンの両端部を連結固定する1対の環状
    板と、上記各ピンの少なくとも一方の端部外周面とこの
    端部を挿通する環状板のピン受け孔の内周面との間に装
    着するブッシュとを備えた転がり軸受用ピン型保持器に
    於いて、上記ブッシュの外周面と、このブッシュの内周
    面と、このブッシュの内周面に密接する上記各ピンの端
    部外周面とのうちの少なくとも1個の周面に設けた周溝
    と、上記ブッシュの円周方向の一部に、このブッシュの
    軸方向両端面同士を連通させる状態で設けた1本のスリ
    ットとを備える事を特徴とする転がり軸受用ピン型保持
    器。
  2. 【請求項2】 中間部周囲に中空ころを回転自在に支持
    する複数本のピンと、互いに平行に且つ同心に配置し、
    それぞれ上記各ピンの両端部を連結固定する1対の環状
    板と、上記各ピンの少なくとも一方の端部外周面とこの
    端部を挿通する環状板のピン受け孔の内周面との間に装
    着するブッシュとを備えた転がり軸受用ピン型保持器に
    於いて、上記ブッシュの円周方向の一部に、このブッシ
    ュの軸方向両端面同士を連通させる状態で設けた1本の
    スリットと、上記ブッシュの軸方向一端面に開口し、そ
    の奥端をこのブッシュの中間部に位置させた、少なくと
    も1本の切り込みとを備える事を特徴とする転がり軸受
    用ピン型保持器。
  3. 【請求項3】 中間部周囲に中空ころを回転自在に支持
    する複数本のピンと、互いに平行に且つ同心に配置し、
    それぞれ上記各ピンの両端部を連結固定する1対の環状
    板と、上記各ピンの少なくとも一方の端部外周面とこの
    端部を挿通する環状板のピン受け孔の内周面との間に装
    着するブッシュとを備えた転がり軸受用ピン型保持器に
    於いて、上記ブッシュの軸方向一端面に開口し、その奥
    端をこのブッシュの中間部に位置させた、少なくとも1
    本の第一切り込みと、この第一切り込みと円周方向にず
    れた位置に設け、上記ブッシュの軸方向他端面に開口
    し、その奥端をこのブッシュの中間部に位置させた、少
    なくとも1本の第二切り込みとを備える事を特徴とする
    転がり軸受用ピン型保持器。
JP758197A 1996-12-02 1997-01-20 転がり軸受用ピン型保持器 Pending JPH10220464A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP758197A JPH10220464A (ja) 1996-12-02 1997-01-20 転がり軸受用ピン型保持器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32173196 1996-12-02
JP8-321731 1996-12-02
JP758197A JPH10220464A (ja) 1996-12-02 1997-01-20 転がり軸受用ピン型保持器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10220464A true JPH10220464A (ja) 1998-08-21

Family

ID=26341909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP758197A Pending JPH10220464A (ja) 1996-12-02 1997-01-20 転がり軸受用ピン型保持器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10220464A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7954999B2 (en) * 2004-12-18 2011-06-07 Schaeffler Kg End profile on slide bearing complementary elements for reducing surface pressure
JP2014173735A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Johnson Electric Sa ハイブリッド型トルク伝達機構

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7954999B2 (en) * 2004-12-18 2011-06-07 Schaeffler Kg End profile on slide bearing complementary elements for reducing surface pressure
JP2014173735A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Johnson Electric Sa ハイブリッド型トルク伝達機構

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7845857B2 (en) Thrust bearing assembly
JPH11173334A (ja) 保持器付ころ軸受
JP3735926B2 (ja) 車輪支持用ハブユニット
JPH01126420A (ja) 多列玉軸受又はころ軸受又は複合玉ころ軸受
JP2008224035A (ja) 差動軸受支持体を備える車軸ハウジング
EP0652389B1 (en) Chain
JP2004197938A (ja) 遊星歯車装置
JPWO2003064877A1 (ja) 十字軸継手
JP4253069B2 (ja) アンギュラコンタクト円筒ころ軸受
JPH10220464A (ja) 転がり軸受用ピン型保持器
JP4326191B2 (ja) ピン型保持器
JP2913356B2 (ja) ダブルプラネタリキャリア
JP2000145789A (ja) スタッドタイプ保持器
JPS582899Y2 (ja) ころがり軸受用ビンタイプ保持器
WO2023037675A1 (ja) 軸受
JPH081294Y2 (ja) 旋回用クロスローラーベアリング
JPH0118891Y2 (ja)
JPH0613380Y2 (ja) ころがり軸受用保持器
JP2596893Y2 (ja) 軸 受
JPH10213140A (ja) ころ軸受
JPH11201170A (ja) ピン形保持器
JPH0673441U (ja) 針状ころ軸受用保持器
TWI684548B (zh) 用於自行車的曲柄裝置
JPH09273546A (ja) 樹脂製軸受
JP2005114029A (ja) 分割型転がり軸受