JPH10218171A - 箱素材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着不良を防止する。 【解決手段】 接着剤付着部分及び箱の製造工程中の、
接着剤を付着させた後、押さえ付ける工程において、こ
の接着剤付着部分と重ね合わせられる部分の内、１又は
２以上の部分に、エンボス加工により膨出部３０’を形
成した。これにより、重ね合わせ時の厚さを厚くし、周
囲にシート体がより多くの枚数重なって厚くなる部分が
あっても、押さえ付け時に、接着剤付着部分に圧力が有
効に加わるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主として紙製の
箱、特にダブルウォール型の箱を形成するために使用さ
れる箱素材に関する。

【発明が解決しようとする課題】

【０００２】ダブルウォール型の箱の一例について、図
１〜５を参照しながら説明する。

【０００３】この箱素材１０は、紙等のシート体を図１
に示す形状に切り抜いてなる。すなわち、底部１１の左
右に外側面部１２，１２、内側面部１３，１３、糊代１
４，１４をそれぞれ設け、底部１１の前後に外側面部１
５，１５、内側面部１６，１６、糊代１７，１７をそれ
ぞれ設けている。さらに、互いに隣接する外側面部１
２，１２，１５，１５間に結合部１８，…をそれぞれ設
け、内側面部１３，１３の前後に押さえ部１９，…をそ
れぞれ設けている。上記各部分の間には折れ筋がそれぞ
れ形成されている。さらに、結合部１８，…は、斜めに
折れ筋が形成されて、外結合部１８ａと内結合部１８ｂ
とに区切られている。なお、ここで述べた各部分の名称
の「外」、「内」は、完成した箱において、外側、内側
にそれぞれ位置することを示している。

【０００４】この箱素材１０は、図２に示すように、水
平にして、内面を上方に向け、通常印刷が施されている
外面を下方に向け、搬送しながら、各部の折り曲げ、接
着がなされ、箱が製造される。すなわち、図２Ａに示す
箱素材１０は、始めに、同図Ｂに示すように、糊代１
４，１４に接着剤２０，２０を付着させ、次に同図Ｃに
示すように、この糊代１４，１４を内側面部１３，１
３、押さえ部１９，…とともに折り曲げ、糊代１４，１
４は底部１１に接着される。次に、同図Ｄに示すよう
に、外結合部１８ａ，…に接着剤２１，…を付着させ、
同図Ｅに示すように、外側面部１２，１２、内側面部１
３，１３、結合部１８，…、押さえ部１９，…を一体に
して底部１１．外側面部１５，１５に重ねるように折り
曲げ、さらに、同図Ｆに示すように、内側面部１６，１
６、糊代１７，１７を一体にして、底部１１，外側面部
１５，１５に重ねるように折り曲げる。この状態で、全
体を押さえ付け、接着剤を硬化させ、完成品の箱２２と
され、出荷される。

【０００５】この箱２２は、使用者において、重なった
外側面部１５，１５、内側面部１６，１６の中央部を摘
んで底部１１中央に向かって引き起こし、外側面部１
２，１２、内側面部１３，１３を重ねて開くと、外側面
部１５，１５、内側面部１６，１６の左右部分が一時的
に変形し、結合部１８，…が斜めの折れ筋で折り曲げら
れ、図３に示すような、使用状態の箱２３ができる。

【０００６】この箱２２は、図４，５に示すように、多
数のシート体が重なって形成される。すなわち、各部分
は、図４において、丸印の中に示した数の枚数のシート
体が重なっている。接着剤２１が付着した結合部１８の
外結合部１８ａでは、３枚が重なり、その周囲には、２
枚、４枚、５枚重なった部分がある。この接着剤２１
は、外側面部１５に接合しなければならないが、周囲に
より厚く重なった部分があるため、図５に示すように、
外側面部１５に接合することは困難である。なお、図５
では、各部分を平面状に表わし、この接合が実現してい
ない状態を示している。

【０００７】上述のように、製造工程において、接着剤
を付着させ、箱２２の状態としたのち、この箱は押さえ
付けられ、接着剤を硬化させる工程があるが、上記の困
難から、接着不良を生じやすい。

【０００８】このように接着が困難となる状態は、上記
図示例に限らず、ダブルウォール型の箱では多く見られ
るものであり、また、他の形式の箱においても生じるこ
とがある。

【０００９】本発明は、このような、接着部分の周囲に
より厚い部分があることにより、接着が困難となり接着
不良を生じやすい場合に、接着を確実に行なえるように
することを目的としてなされたものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、接着剤付着部
分及び箱の製造工程中の、接着剤を付着させた後、押さ
え付ける工程において、この接着剤付着部分と重ね合わ
せられる部分の内、１又は２以上の部分に、エンボス加
工により膨出部を形成したものである。これにより、重
ね合わせ時の厚さを厚くし、押さえ付け時に、接着剤付
着部分に圧力が有効に加わるようになる。

【００１１】

【発明の実施の形態】膨出部は、接着剤付着部全体を膨
出させるよう面状にエンボス加工を施すもの、複数の点
又は線を形成するようなエンボス加工を施すもの等、任
意の形態とすることができる。膨出部を形成する部分
は、接着剤を付着させる部分、あるいはこれと重ね合わ
せられる部分のいずれに設けてもよく、これらの部分の
内、１のみであっても、２以上に設けてもよい。一般に
は、エンボス加工が箱の外観に影響を与えないよう、糊
代や結合部のように、完成した箱の内部に位置する部分
が好ましい。また、接着剤が付着する部分、あるいはこ
の接着剤に接合する部分が、膨出部がより直接的に作用
するので望ましい。

【００１２】

【実施例】以下、本発明を図６，７に示す実施例につい
て具体的に説明する。

【００１３】この箱素材１０’は、前記箱素材１０とほ
ぼ同様であり、各部に前記箱素材１０の符号にプライム
（’）を付して表わし、詳細な説明を省略する。

【００１４】この箱素材１０’の接着剤付着部分である
外結合部１８’ａ，…には、上方に向かって面状に膨出
する膨出部３０’，…が、それぞれエンボス加工により
形成されている。なお、このエンボス加工は、型抜き機
により箱素材をシート体から切り抜き、折れ筋を形成す
る際、同時に形成するとよい。

【００１５】この箱素材１０’は、前記箱素材１０と同
様にして箱２２’に形成される。

【００１６】この箱２２’は、図７に示すように、膨出
部３０’により、接着剤２１’付着部分は厚くなり、外
側面部１５’に確実に接合し、良好な接着がなされる。

【００１７】

【発明の効果】本発明の箱素材では、接着剤付着部分と
重ね合わせられる部分を合わせた厚さがエンボス加工に
厚くなるので、周囲にシート体がより多くの枚数重なっ
て厚くなる部分があっても、接着が確実、良好になさ
れ、接着不良による不良品発生を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のダブルウォール型箱の箱素材の平面図で
ある。

【図２】従来のダブルウォール型箱の製造工程を示す説
明図である。

【図３】従来のダブルウォール型箱の使用状態を示す一
部破断斜視図である。

【図４】従来のダブルウォール型箱の平面図であり、各
部分の厚さを示す。

【図５】前図のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図６】本発明の一実施例の箱素材の平面図である。

【図７】本発明の一実施例による箱の、図５と同様の断
面図である。

【符号の説明】

１０’…箱素材、２２’…箱、２１’…接着剤、３０’
…膨出部。

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【手続補正書】

【提出日】平成９年４月２４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図３】

【図５】

【図１】

【図２】

【図７】

【図４】

【図６】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート体を所定形状に切り抜いてなり、
   各部分を折り曲げ、接着することにより箱が形成される
   箱素材において、 接着剤付着部分及び箱の製造工程中の、接着剤を付着さ
   せた後、押さえ付ける工程において、この接着剤付着部
   分と重ね合わせられる部分の内、１又は２以上の部分
   に、エンボス加工により膨出部が形成され、重ね合わせ
   時の厚さが厚くなり、押さえ付け時に、接着剤付着部分
   に圧力が有効に加わるようになったことを特徴とする箱
   素材。