JPH10216934A - 鋼管周継手のガスシールドアーク溶接方法及びガスシールドアーク溶接用ワイヤ - Google Patents

鋼管周継手のガスシールドアーク溶接方法及びガスシールドアーク溶接用ワイヤ

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JPH10216934A
JPH10216934A JP1904197A JP1904197A JPH10216934A JP H10216934 A JPH10216934 A JP H10216934A JP 1904197 A JP1904197 A JP 1904197A JP 1904197 A JP1904197 A JP 1904197A JP H10216934 A JPH10216934 A JP H10216934A
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JP
Japan
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weight
welding
wire
less
gas
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Application number
JP1904197A
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English (en)
Inventor
Reiichi Suzuki
励一 鈴木
Toshihiko Nakano
利彦 中野
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラグ被りを原因とするアーク不良の発生及
び融合不良の発生を防止することができると共に、耐割
れ性が優れていて、母材である鋼管とのなじみ性が良好
である溶接金属を得ることができ、溶接能率を向上させ
ることができる鋼管周継手のガスシールドアーク溶接方
法及びガスシールドアーク溶接用ワイヤを提供する。 【解決手段】 鋼管の周継手溶接において使用するガス
シールドアーク溶接用ワイヤは、重量%で、C:0.02〜0.
08%、Si:0.70〜1.00%、Mn:0.80〜1.60%、S:0.005〜
0.025%及びO:0.002〜0.015%を含有すると共に、Mo:0.
10〜0.40%、Ni:0.010〜0.100%、Cr:0.015〜0.500%及
びAl:0.004〜0.050%からなる群から選択された少なく
とも2種の元素を含有し、残部がFe及び不可避的不純物
からなる。また、この不可避的不純物のうち、Pが0.020
%以下、Tiが0.15%以下、Nbが0.03%以下、Vが0.03%
以下、Bが0.0010%以下に規制されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素鋼からなる鋼
管周継手の溶接方法及びこの溶接に使用するワイヤに関
し、特に、スラグ被りを原因とするアーク不良の発生及
び融合不良の発生を防止することができると共に、耐割
れ性が優れていて、母材である鋼管とのなじみ性が良好
である溶接金属を得ることができ、溶接能率を向上させ
ることができる鋼管周継手のガスシールドアーク溶接方
法及びガスシールドアーク溶接用ワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、水、天然ガス及び石油等の流体資
源を遠隔地まで輸送する手段である大規模なパイプライ
ン及び工場等の施設同士を結ぶ小規模の配管設備等が広
く利用されており、管材は必要不可欠なものとなってい
る。このような管材の材料としては、目的によって種々
の材料があるが、鋼管、特に炭素鋼からなる鋼管が最も
多く使用されている。
【0003】鋼管を長手方向に接続する配管工事を実施
する場合、管材の断面同士を接合する周継手溶接が必要
である。このような鋼管周継手の溶接時においては、被
覆アーク溶接棒による手動溶接が一般的であり、自動化
が遅れている分野である。これは、鋼管周継手を溶接す
る場合、平板状の鋼板を溶接する場合と異なって、溶接
姿勢が一定でなく連続的に変化すると共に、周継手の裏
側からの溶接が困難であること等、施工上の問題が原因
となっている。
【0004】近時、熟練溶接工が減少しており、また、
溶接コストの低減及び溶接能率の向上が要求されている
ため、鋼管周継手を自動で溶接することができる自動溶
接機が開発され、実用化されてきている。なお、この自
動溶接機に適用されるワイヤについては、特に、鋼管溶
接用として提案されているものではなく、JIS Z3
312のYGW11、YGW12及びYGW14等の通
常使用されている溶接ワイヤをそのまま使用している。
【0005】ところで、周継手溶接においては、溶接姿
勢として大別すると、下進溶接と上進溶接とがある。図
7(a)は鋼管周継手の形状例を示す側面図であり、図
7(b)はその溶接姿勢を示す断面図である。図7に示
すように、2本の鋼管1の端部がその内周面側から外周
面側に向かって傾斜した形状に加工されており、その端
面同士が突き合わされて配置されることにより、周方向
に開先部2を有する継手が形成されている。
【0006】この継手の溶接時においては、開先部2に
沿って鋼管1の周方向に溶接トーチを進行させる。この
場合、下進溶接とは溶接トーチ3aの位置からトーチ3
b、トーチ3cの方向に溶接を進行させる溶接姿勢をい
い、上進溶接とは溶接トーチ3cの位置からトーチ3
d、トーチ3aの方向に溶接を進行させる溶接姿勢をい
う。
【0007】例えば、上進溶接姿勢で鋼管周継手を溶接
する場合、高電流で溶接すると、溶融プールが大きくな
りすぎてこれが垂れてしまうので、極めて低い電流域を
使用することが必要となる。その結果、ワイヤの送給速
度が小さくなり、溶接能率が低下する。一方、下進溶接
姿勢で鋼管周継手を溶接する場合、溶融プールが垂れる
方向と、溶接の進行方向が同一であるので、ビードが薄
くなって、垂れ落ちが小さくなる。従って、より一層高
電流として、ワイヤ送給速度を大きくすることができる
ので、溶接能率を向上させることができる。
【0008】また、溶接部の開先形状においては、開先
幅が小さい方が溶接部の体積は小さくなるので、より一
層溶接能率の向上を図ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ワイヤを使用して周継手を下進溶接する場合、ビード表
面に割れが発生しやすいという問題点がある。図8は鋼
管周継手の溶接部に発生したビード割れを示す断面図で
ある。図8に示すように、鋼管4の開先部6を周方向に
沿って下進溶接すると、形成されたビード5の表面(表
面ビード)にビード割れ11が発生することがある。こ
の割れは、凝固割れの1種である。
【0010】このような種類の割れが鋼管周継手の溶接
時に発生しやすくなる原因を以下に示す。ビード中心部
においては、下進溶接によりビードが下方に流れて肉厚
が薄くなりやすいが、溶融金属と鋼管4との界面(開先
面)においては、溶融プールは、鋼管4の表面への表面
張力によって下方に落下しにくくなるので、ビード5は
開先部6の側面側で保持される。このとき、溶接能率の
向上を図って開先幅を小さくしていると、最終ビードの
表面はU字型又はV字型を形成し、ビードの中心部がノ
ッチ状となって応力集中しやすくなる。従って、ビード
の中心部は、溶融金属が凝固するときに働く引張応力に
耐えることができなくなり、割れが発生する。
【0011】一般的に、溶接金属の凝固割れを防止する
方法として、ビードの中心部の高さPとビード幅Wとの
比率(P/W)を小さくする方法がある(「マグ・ミグ
溶接の欠陥と防止対策」日本溶接協会、溶接棒部会編、
p.72〜73)。図9は通常の溶接によって形成されるビー
ドの高さPとビード幅Wを示す断面図である。2枚の部
材14を離間して配置し、その裏面に裏当材15を当て
ることによって形成された開先部13に溶接ビード12
を形成した場合、ビード12の底面から表面までの高さ
をPとし、ビード12の幅をWとすると、ビード断面形
状係数(P/W)が1.25以下であると、凝固割れが
発生しにくいとされている。
【0012】しかしながら、鋼管周継手の溶接時におい
ては、ビード断面形状係数(P/W)を小さくしても、
図8に示すような鋼管周継手溶接に特有のビード割れ7
の発生を防止することはできない。
【0013】また、周継手の自動溶接においては、ビー
ドの表面のスラグ被りも重要な問題となっている。開先
幅を狭くした場合、開先幅を広くしたときと比較してビ
ード表面積が小さくなるので、同一のスラグ発生量であ
ってもスラグ層が厚くなってしまう。そして、この上に
次のパスの溶接を実施する場合、スラグが厚いので絶縁
破壊することができず、ワイヤと下ビードとの間におい
て通電されずにアークが発生しないことがある。
【0014】このような自動溶接時においては、通常、
スラグ層の除去工程を有していないので、アークエラー
によって溶接が中断されることが多くなり、溶接能率が
大きく低下すると共に、再スタートのための手間が生じ
る。この現象は半自動溶接時においても同様に発生し、
パス毎にスラグを除去する必要があるので、溶接能率が
低下する。
【0015】このように、従来のワイヤ及び溶接方法で
は、鋼管周継手を溶接する場合に最適の溶接条件が規定
されていないので、周継手の溶接時において、割れが発
生したり、ビード上にスラグが多量に被ることにより、
アークエラーが発生して溶接が中断されるという問題点
がある。また、母材と溶接金属が止端部でなじまず、ビ
ード形状が凸状になったり、止端部に融合不良が発生す
ることもある。
【0016】更に、この鋼管周継手の溶接においては、
最適な溶接ワイヤを適用していないので、溶接能率を更
に一層向上させることは困難であり、溶接能率を高める
ことができる溶接条件については、未だ開発されていな
い。
【0017】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、鋼管の周継手をガスシールドアーク溶接す
る際に、スラグ被りを原因とするアーク不良の発生及び
融合不良の発生を防止することができると共に、耐割れ
性が優れていて、母材である鋼管とのなじみ性が良好で
ある溶接金属を得ることができ、溶接能率を向上させる
ことができる鋼管周継手のガスシールドアーク溶接方法
及びガスシールドアーク溶接用ワイヤを提供することを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鋼管周継手
のガスシールドアーク溶接方法は、C:0.02乃至
0.08重量%、Si:0.70乃至1.00重量%、
Mn:0.80乃至1.60重量%、S:0.005乃
至0.025重量%及びO:0.002乃至0.015
重量%を含有すると共に、Mo、Ni、Cr及びAlか
らなる群から選択された少なくとも2種の成分を、2種
以上の成分がMo:0.10乃至0.40重量%、N
i:0.010乃至0.100重量%、Cr:0.01
5乃至0.500重量%及びAl:0.004乃至0.
050重量%を満足するように含有し、残部がFe及び
不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物のうち、
Pが0.020重量%以下、Tiが0.15重量%以
下、Nbが0.03重量%以下、Vが0.03重量%以
下、Bが0.0010重量%以下に規制された組成を有
するワイヤを使用して鋼管周継手を溶接する溶接方法で
あって、シールドガスとしてArガス及びCO2ガス
を、前記Arガスのモル数[Ar]とCO2ガスのモル
数[CO2]とのモル比([Ar]/[CO2])を9以
下として混合したAr−CO2混合ガスを使用し、前記
鋼管周継手の開先角度を0乃至20°、開先幅を4乃至
10mm、溶接入熱を3乃至12(kJ/cm)とし、
1層当たり1パスの積層法によって、下進溶接姿勢でス
トレート溶接することを特徴とする。
【0019】本発明に係る他の鋼管周継手のガスシール
ドアーク溶接方法は、C:0.02乃至0.08重量
%、Si:0.70乃至1.00重量%、Mn:0.8
0乃至1.60重量%、S:0.005乃至0.025
重量%及びO:0.002乃至0.015重量%を含有
すると共に、Mo、Ni、Cr及びAlからなる群から
選択された少なくとも2種の成分を、2種以上の成分が
Mo:0.10乃至0.40重量%、Ni:0.010
乃至0.100重量%、Cr:0.015乃至0.50
0重量%及びAl:0.004乃至0.050重量%を
満足するように含有し、残部がFe及び不可避的不純物
からなり、前記不可避的不純物のうち、Pが0.020
重量%以下、Tiが0.15重量%以下、Nbが0.0
3重量%以下、Vが0.03重量%以下、Bが0.00
10重量%以下に規制された組成を有するワイヤを使用
して鋼管周継手を溶接する溶接方法であって、シールド
ガスとしてCO2ガスを使用し、前記鋼管周継手の開先
角度を0乃至20°、開先幅を4乃至10mm、溶接入
熱を3乃至12(kJ/cm)とし、1層当たり1パス
の積層法によって、下進溶接姿勢でストレート溶接する
ことを特徴とする。
【0020】本発明において、下進溶接姿勢とは、鋼管
の断面を時計に見立てた場合、0時の位置から6時の方
向に溶接ワイヤを進行させる溶接姿勢をいう。
【0021】また、本発明においては、開先角度及び開
先幅を以下に示すように定義する。図1は種々の形状の
開先部における開先角度及び開先幅を示す模式図であ
る。本発明において、開先部を形成する鋼管7の端面
(開先面)の断面形状が複数の辺により形成された多段
形状となっている場合には、板厚tに対して最も大きい
割合を占める辺により形成された開先部を主開先部aと
する。従って、図1に示すように、開先角度αとは主開
先部aにおける鋼管7の端面がなす角度をいい、開先幅
Qとは主開先部aのうちの最大の開先幅をいう。なお、
図1(b)については、主開先部aにおいて、鋼管7の
端面がなす角度は平行となっているので、開先角度αは
0°である。
【0022】前記ワイヤ中のS含有量は0.006乃至
0.010重量%とすることが好ましく、Cr含有量は
0.015乃至0.200重量%とすることが望まし
い。
【0023】本発明に係るガスシールドアーク溶接用ワ
イヤは、C:0.02乃至0.08重量%、Si:0.
70乃至1.00重量%、Mn:0.80乃至1.60
重量%、S:0.005乃至0.025重量%及びO:
0.002乃至0.015重量%を含有すると共に、M
o、Ni、Cr及びAlからなる群から選択された少な
くとも2種の成分を、2種以上の成分がMo:0.10
乃至0.40重量%、Ni:0.010乃至0.100
重量%、Cr:0.015乃至0.500重量%及びA
l:0.004乃至0.050重量%を満足するように
含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、前記
不可避的不純物のうち、Pが0.020重量%以下、T
iが0.15重量%以下、Nbが0.03重量%以下、
Vが0.03重量%以下、Bが0.0010重量%以下
に規制されたことを特徴とする。
【0024】このワイヤ中のSの含有量は0.006乃
至0.010重量%であることが好ましく、Crの含有
量は0.015乃至0.200重量%であることが望ま
しい。
【0025】
【発明の実施の形態】本願発明者等が前記課題を解決す
べく、鋭意実験研究を重ねた結果、開先面における溶接
ビード表面の高さと、溶接ビード表面の中央部の高さと
の差ΔPのビード表面の幅Wに対する比率を適切に規定
することにより、ビードの表面割れを防止することがで
きることを見い出した。このΔP及びWについて、以下
に示す。
【0026】図2は鋼管の周継手溶接によって形成され
た溶接ビードについて、高さの差ΔP及び幅Wを示す模
式図である。2本の鋼管7を突き合わせることにより形
成された開先部9に溶接ビードを形成した場合、図2
(a)に示すように、凹状の溶接ビード8aが形成され
たり、図2(b)に示すように、凸状の溶接ビード8b
が形成されたりする。本発明においては、溶接ビード8
a又は8bの中心部の高さと側方部の高さとの差をΔP
とし、ビード表面の幅をWとする。なお、図2(a)に
示すように、凹状の溶接ビード8aが形成された場合の
ΔPを正とし、図2(b)に示すように、凸状の溶接ビ
ード8bが形成された場合のΔPを負とする。
【0027】上述の如く、本発明においては、ΔPのW
に対する比率(ΔP/W)を規定することにより、ビー
ド形状の調整を図っており、ΔP/Wが0.25を超え
ると、ビードの表面割れを防止することができない。一
方、ΔP/Wが負の値となった場合、即ち、ビード形状
が凸状となった場合、融合不良が発生しやすくなる。図
3はΔP/Wが負となった場合に発生する融合不良の状
態を示す断面図である。図3に示すように、溶接ビード
8bの粘性が高い等の理由によって止端部のなじみが悪
くなり、ΔP/Wが負の値になると、鋼管7の端面付近
において、溶接ビード8bが埋もれてしまう。その結
果、次のパスの溶接時において、開先部9の側方部で溶
接ビードが溶け込みきれなくなり、各パスの溶接により
形成されるビード間に空隙が発生し、融合不良10が発
生しやすくなる。この傾向はΔP/Wの絶対値が大きい
ほど高くなり、また、ビード形状が凸状となって外観も
悪くなる。
【0028】本願発明者等が種々の溶接条件で実験検討
を繰り返した結果、ΔP/Wが−0.20以上であると
確実に良好な溶込みを得ることができ、融合不良が発生
しないことを見い出した。図4はΔP/Wによって変化
するビード形状の状態を示す模式図である。また、図5
はΔP/Wの各範囲における代表的なビード形状を示す
断面図である。上述の如く、ΔP/Wが−0.2未満に
なると、図5(a)に示すように、溶接ビード8bの形
状が凸状になり、融合不良10が発生する。ΔP/Wが
−0.2乃至0.25の範囲では、図5(b)に示すよ
うに、鋼管周継手を高能率条件で溶接した場合において
も溶接ビード8の割れが発生しないと共に、止端部のな
じみが良好で融合不良が発生せず、平坦で良好なビード
形状を得ることができる。また、ΔP/Wが0.25を
超えると、図5(c)に示すように、溶接ビード8aの
形状が凹状になり、その中心部にビード割れ11が発生
する。従って、本発明においては、ΔP/Wが−0.2
乃至0.25となる範囲に、ワイヤ組成及び溶接条件を
規定するものとする。
【0029】また、前述の如く、周継手の自動溶接にお
いては、ビード形状のスラグ被りも大きな問題であるの
で、本発明においては、スラグの発生量を減少させてこ
れを薄くすると共に、できるだけ鉄地を露出させること
により、アークの発生を妨げないようにする必要があ
る。
【0030】以上の知見に基づいて、本願発明者等は高
能率な鋼管周継手溶接に好適であるワイヤの組成及びこ
のワイヤを使用した高能率溶接条件を規定した。以下、
本発明における鋼管周継手のガスシールドアーク溶接方
法及びガスシールドアーク溶接用ワイヤについて、更に
説明する。先ず、ガスシールドアーク溶接用ワイヤの組
成限定理由について説明する。
【0031】ワイヤ中のC含有量:0.02乃至0.0
8重量% Cは鋼の強度を向上させる元素である。ワイヤ中のC含
有量が0.02重量%未満であると、ワイヤ中のCの溶
接金属中への歩留まりが不足し、所望の強度を確保する
ことができない。一方、ワイヤ中のC含有量が増加する
と耐割れ性が低下する。即ち、ワイヤ中のC含有量が
0.08重量%を超えると、厳しい耐割れ性が要求され
る鋼管周継手の溶接においては、割れが発生しやすくな
る。従って、ワイヤ中のC含有量は0.02乃至0.0
8重量%とする。
【0032】ワイヤ中のSi含有量:0.70乃至1.
00重量% Siは鋼の強度を向上させるために有効な元素であると
共に、強力な脱酸効果を有する元素である。ワイヤ中に
Siを含有させることにより、気孔の発生及び溶接金属
の酸化を防止することができる。また、脱酸効果を有す
ることにより、溶接金属中の酸素量を低減させるので、
これにより、溶融金属の粘性を上昇させることもでき
る。更に、Siの酸化物はスラグの主成分となる。
【0033】ワイヤ中のSi含有量が0.70重量%未
満であると、脱酸不足によって耐気孔性が低下すると共
に、粘性が低下することによりビードが垂れやすくなっ
て、ΔP/Wが0.25を超えてしまい、溶接ビードの
表面に割れが発生する。一方、ワイヤ中のSi含有量が
1.00重量%を超えると、粘性が高くなりすぎてビー
ド形状が凸状となり、その結果、ΔP/Wが−0.20
未満になるので、融合不良が発生する。また、スラグが
多量に発生することになり、アーク不良の原因となる。
従って、ワイヤ中のSi含有量は0.70乃至1.00
重量%とする。
【0034】ワイヤ中のMn含有量:0.80乃至1.
60重量% Mnは脱酸元素であると共に、固溶強化、変態強化及び
結晶粒微細化強化の作用によって、鋼の強度と靱性の双
方を向上させる効果を有する。また、Mnは凝固割れを
防止する効果を有する元素である。更に、Siの酸化物
と比較するとその量は少ないが、Mnの酸化物はスラグ
を形成する。ワイヤ中のMn含有量が0.80重量%未
満であると、所定の強度及び靱性を得ることができず、
また、凝固割れを防止する効果を得ることができない。
更に、Si量によっては脱酸不足になることがある。一
方、ワイヤ中のMn含有量が1.60重量%を超える
と、凝固割れを抑制する効果が飽和すると共に、溶接金
属の強度が高くなりすぎてしまう。また、酸化物となっ
てスラグの発生量が増加し、アーク不良を発生させると
共に、スパッタも増大する。従って、ワイヤ中のMn含
有量は0.80乃至1.60重量%とする。
【0035】ワイヤ中のS含有量:0.005乃至0.
025重量% Sは低融点介在物の形成によって凝固割れを誘発する元
素であり、ワイヤ中のS含有量は低減させる方が好まし
い。しかし、Sはワイヤ中に添加されることによって、
スラグ量を減少させる効果を有すると共に、Sの添加に
よって粘性が低下し、ビード止端部のなじみを向上させ
る効果も有する。ワイヤ中のS含有量が0.025重量
%を超えると、粘性が低下しすぎてΔP/Wが0.25
を超えるので、鋼管周継手溶接において、ビード表面の
凝固割れが発生する。一方、ワイヤ中のS含有量が0.
005重量%未満であると、粘性が高くなりすぎてΔP
/Wが−0.20未満となり、融合不良が発生する。従
って、溶接ビードの凝固割れを防止すると共に、ビード
形状を良好にし、スラグ発生量を減少させるために、ワ
イヤ中のS含有量は0.005乃至0.025重量%と
する。なお、好ましくは、ワイヤ中のS含有量は0.0
06乃至0.010重量%である。
【0036】ワイヤ中のO含有量:0.002乃至0.
015重量% ワイヤ中の酸素量が増加すると、溶接金属中の酸素量が
増加する。溶接金属中の酸素量が高いと、粘性が低下し
て溶接金属が垂れやすくなる。ワイヤ中のO含有量が
0.015重量%を超えると、ΔP/Wが0.25を超
えてしまい、ビード表面に凝固割れが発生してしまう。
また、酸化物であるスラグが多量に発生する。一方、ワ
イヤ中のO含有量が0.002重量%未満であると、溶
接金属の粘性が高くなり、ビード形状が凸状となってΔ
P/Wが−0.20未満となるので、融合不良が発生す
る。従って、ワイヤ中のO含有量は0.002乃至0.
015重量%とする。
【0037】Mo:0.10乃至0.40重量%、N
i:0.010乃至0.100重量%、Cr:0.01
5乃至0.500重量%及びAl:0.004乃至0.
050重量%からなる群から選択された少なくとも2種
の元素 Mo、Ni、Cr及びAlは溶接金属の粘性を上昇させ
ると共に、強度を向上させる効果を有する元素であり、
これらの効果は、Mo、Ni、Cr及びAlからの2種
以上の組み合わせによって最適化される。ワイヤ中に含
有される上記元素の含有量が規定範囲の上限を超える
と、溶接金属の強度が高くなりすぎると共に、粘性が上
昇することによりビード形状が凸状になりやすくなっ
て、ΔP/Wが−0.20未満となるので、融合不良が
発生する。また、ワイヤ中に含有される上記元素の含有
量が規定範囲の下限未満であると、溶接金属の強度が不
足すると共に、粘性が低下することによってΔP/Wが
0.25を超えるので、凝固割れが発生することがあ
る。なお、上記の元素の2種以上が規定範囲内であれ
ば、他の元素が下限未満であっても問題はない。従っ
て、本発明においては、ワイヤ中にMo、Ni、Cr及
びAlからなる群から選択された少なくとも2種の成分
を、2種以上の成分がMo:0.10乃至0.40重量
%、Ni:0.010乃至0.100重量%、Cr:
0.015乃至0.500重量%及びAl:0.004
乃至0.050重量%を満足するように含有するものと
する。
【0038】なお、Crは溶接金属の靱性を低下させる
元素であることから、ワイヤ中にCrを含有させる場
合、望ましくは、その含有量を0.015乃至0.20
0重量%とし、更に望ましくは、その含有量を0.01
5乃至0.100重量%とする。
【0039】ワイヤ中のP含有量:0.020重量%以
ワイヤ中に不可避的不純物として存在するPは、溶接金
属の凝固割れを誘発する元素であり、Pの添加効果はな
いので、ワイヤ中のPはできるだけ低減することが好ま
しい。ワイヤ中のP含有量が0.020重量%を超える
と、ビード表面に凝固割れが発生しやすくなる。従っ
て、ワイヤ中のP含有量は0.020重量%以下に規制
する。
【0040】ワイヤ中のTi含有量:0.15重量%以
ワイヤ中に不可避的不純物として存在するTiは、酸化
することにより強固なスラグとなる。また、ワイヤ中の
Ti含有量が0.15重量%を超えると、溶接時の溶滴
が大きくなり、不安定な短絡となってスパッタが増大す
る。従って、ワイヤ中のTi含有量は少ない方が好まし
く、本発明においては0.15重量%以下に規制する。
【0041】ワイヤ中のNb含有量:0.03重量%以
下、V含有量:0.03重量%以下 ワイヤ中に不可避的不純物として存在するNb及びVの
いずれか一方又は両方の含有量が0.03重量%を超え
ると、スラグの発生量が増加してビードの外観が荒れる
と共に、これらの元素が結晶粒内及び粒界に析出して、
溶接金属の靱性の低下を引き起こす。従って、ワイヤ中
のNb及びVの含有量は少ない方が好ましく、本発明に
おいては、夫々、0.03重量%以下に規制する。
【0042】ワイヤ中のB含有量:0.0010重量%
以下 ワイヤ中に不可避的不純物として存在するBは、著しく
凝固割れを引き起こす元素である。従って、ワイヤ中の
B含有量は少ない方が好ましく、本発明においては0.
0010重量%以下に規制する。
【0043】なお、本発明におけるワイヤ中の不可避的
不純物は、上述のP、Ti、Nb、V及びBの他に、Z
r、Sb、Bi、Co、Pb及びランタノイドの各元素
があるが、これらは本発明の目的に寄与することがない
と共に、溶接作業性及び溶接金属の機械的性能を悪化さ
せるので、これらの元素の含有量は、夫々、0.001
0重量%以下に規制することが好ましい。
【0044】ところで、本発明において使用するワイヤ
は、必要に応じて、アーク安定性の向上等の目的によっ
て、上述の如く組成が規定された鋼線の表面にCuメッ
キを施したものでもよく、ワイヤの表面処理について
も、特に規定しないものとする。
【0045】また、本発明のワイヤが適用される鋼管
は、例えば、JIS G3452(SGP)、G345
4(STPG)、G3455(STS)、G3456
(STPT)、G3457(STPY)、API−5L
X Grade:X42〜X70、API−5L Grade:A25,A,
B、API−5LS、API−5LU Grade:X80、A
STM−A53 Grade:A,B、ASTM−A106 Gr
ade:A,B,C、及びこれらの規格に相当する炭素鋼鋼管で
ある。このため、本発明のワイヤを使用して上記鋼管を
溶接した場合、形成される溶接金属の機械的性能につい
ては、適用する鋼管に適合した強度及び靱性等を持たせ
る必要がある。従って、ワイヤ組成は、適用する鋼管に
よって、上述に規定した組成範囲内で、適切に成分調整
することができる。
【0046】次に、鋼管周継手のガスシールドアーク溶
接における溶接条件の限定理由について、以下に説明す
る。
【0047】開先角度α:0乃至20° 開先断面積は開先角度に大きく関係している。開先角度
αが20°を超えると、開先断面積が大きくなって、そ
の分の溶接金属が多量に必要となるので、溶接能率が低
下する。また、下層から上層に進むにつれて開先幅が広
くなるので、この開先幅に合わせて、溶接条件を大きく
変化させることが必要となり、その条件の設定が困難に
なる。一方、開先角度αが0°未満であると、開先面と
溶着金属とのなじみが悪くなって、ΔP/Wが−0.2
0未満となるので、融合不良が発生する。また、スパッ
タが開先面に付着しやすくなり、溶着金属の溶け込みに
悪影響を与える。従って、開先角度αは0乃至20°と
する。
【0048】なお、本発明において、開先面の断面形状
が複数の辺により形成された多段形状となっている場合
には、前述の如く、板厚tに対して最も大きい割合を占
める辺により形成された主開先部aにおいて、開先面が
なす角度を開先角度αという。
【0049】開先幅Q:4乃至10mm 開先幅Qが10mmを超えると、開先断面積が大きくな
りすぎて、その分の溶接金属が多量に必要となるので、
溶接能率が低下する。また、ビードが垂れやすくなっ
て、平坦なビード形状を得ることができなくなる。一
方、開先幅Qが4mm未満であると、開先面の表面張力
の影響によって溶接ビードの溶込みが悪くなって、溶け
込み不足が発生すると共に、ブローホールも発生しやす
くなる。また、同一の溶着量で、同一のスラグ発生量と
して比較した場合、溶接金属の表面積が小さくなること
によって、スラグの厚さ及びビードの表面積に占めるス
ラグの付着の割合が増加するので、アーク不良が発生し
やすくなる。従って、開先幅Qは4乃至10mmとす
る。
【0050】なお、本発明において、開先面の断面形状
が複数の辺により形成された多段形状となっている場合
には、前述の如く、板厚tに対して最も大きい割合を占
める辺により形成された主開先部aのうちの最大の開先
幅をいう。特に、開先角度αが0°である場合、開先幅
とは、主開先部aを形成する平行部の幅をいう。
【0051】積層法:1層あたり1パス 1層あたり2パス以上で溶接を実施した場合、全体的な
パス数が増加することによって施工能率が低下する。ま
た、パスを振り分けする場合に狙い位置の変更が必要と
なり、溶接条件の設定が煩雑で困難なものとなるので、
自動化の妨げになる。1層あたり1パスで溶接した場合
には、能率が向上すると共に、狙い位置が一定であるの
で、溶接条件の設定が単純になる。更に、使用するワイ
ヤの組成が上述の如く規定されているので、ビード形状
が平坦になると共に、割れ及び融合不良等の発生を防止
することができる。従って、本発明においては、1層あ
たり1パスの積層法により溶接するものとする。
【0052】シールドガス:Arガス及びCO2ガスを
モル比([Ar]/[CO2])を9以下として混合し
たAr−CO2混合ガス又はCO2ガス シールドガスとしてAr−CO2混合ガスを使用する場
合、シールドガス中のArガスのモル数を[Ar]と
し、シールドガス中のCO2ガスのモル数を[CO2]と
したとき、ArガスとCO2ガスとのモル比([Ar]
/[CO2])が9を超えると、ブローホールが発生す
ると共に、溶滴移行が不安定になる。また、溶接金属中
のO含有量が低下することにより粘性が上昇し、ビード
形状が凸状となってΔP/Wが−0.20未満となるの
で、融合不良が発生する。従って、本発明においては、
Arガス及びCO2ガスをモル比([Ar]/[C
2])を9以下として混合したAr−CO2混合ガス又
はCO2ガスをシールドガスとして使用する。
【0053】なお、シールドガス中に不純物として存在
するO2、N2及びHeについては、特に、鋼管周継手溶
接の高能率施工に対して影響を及ぼすことはないので、
これらの含有量は本発明においては規定しないものとす
る。
【0054】ストレート溶接 ウィービングをするためには、その周期、ウィービング
幅、ウィービングパターン(単純横振り型及び回転型
等)並びに端止め等、溶接トーチの制御が複雑となるの
で、自動溶接機の場合に装置が大型になると共に、高価
なものとなる。また、ウィービングをすると、ワイヤ突
き出し長さが変化することによって電圧が変動し、その
結果、スパッタ発生量が増加する。更に、溶滴がウィー
ビングの慣性及び遠心力によって開先面方向に寄せら
れ、その結果、溶接金属が開先面に偏って付着するの
で、ΔP/Wが0.25を超えて、ビード表面の割れが
発生しやすくなる。本発明においては、使用するワイヤ
の組成が上述の如く規定されており、ビード形状が平坦
になると共に、融合不良等の発生を防止することができ
るので、ウィービングは不要となる。即ち、ストレート
溶接にすることにより、構造が簡単で小型及び安価であ
ると共に、耐久性が優れた自動溶接機を使用することが
できる。従って、本発明においてはウィービングは不要
とし、ストレート溶接施工とする。
【0055】溶接姿勢:下進 鋼管の周継手溶接時の溶接姿勢としては、前述の如く、
上進溶接姿勢と下進溶接姿勢とがある。上進溶接姿勢に
より溶接すると、溶接金属が凸状となって垂れやすくな
るので、高い電流を使用することができず、ワイヤ送給
速度を低下させる必要がある。その結果、溶接能率が低
下してしまう。一方、下進溶接姿勢により溶接すると、
高電流を使用することができるので、溶接速度を速くす
ることができ、溶接能率が向上する。従って、本発明に
おいては、下進溶接姿勢により溶接するものとする。
【0056】溶接入熱:3乃至12(kJ/cm) 溶接入熱は高くするほど溶接能率を向上させることがで
きる。しかし、溶接入熱が12(kJ/cm)を超える
と、単位溶接長さあたりの溶着量が増加しすぎて、溶接
ビードが垂れやすくなる。また、金属組織の粗大化によ
って靱性が低下する。一方、溶接入熱が3(kJ/c
m)未満であると、溶着量が少なくなりすぎて溶接能率
が低下する。また、溶着量が少ないことによって、相対
的に開先面の表面張力の影響が大きくなり、ビードの中
央部の溶接金属が減少してΔP/Wが0.25を超える
ので、ビード表面に割れが発生する。従って、溶接入熱
は3乃至12(kJ/cm)とする。
【0057】
【実施例】以下、本発明に係るガスシールドアーク溶接
用ワイヤの実施例についてその比較例と比較して具体的
に説明する。
【0058】先ず、下記表1乃至4に示す種々の組成を
有するワイヤを使用して、下記表5に示す溶接条件によ
って鋼管周継手の溶接を実施した。図6は本実施例にお
いて使用した鋼管周継手の開先形状を示す模式図であ
る。図6に示すように、端面に切欠きが設けられた2本
の鋼管7を、その端面同士を当接させて配置することに
より、継手を形成した。本実施例においては、鋼管7の
肉厚を16mm、主開先部の開先角度を5°、開先幅を
6mmとし、ルート面を1mm、ルート間隔を0mmと
した。また、開先部9の底部の角度を120°とした。
【0059】そして、溶接時のアーク安定性を評価する
と共に、得られた溶接金属について、スラグ面積率AR
s及び溶接金属の靱性を測定し、ビード表面の割れ、融
合不良及びブローホールの有無を評価した。また、ビー
ド形状からΔP/Wを算出した。各評価方法及び測定方
法を以下に示す。
【0060】スラグ面積率ARsは、4層目の溶接終了
後にビード表面を撮影して、これを画像処理し、スラグ
が存在する箇所と、鉄地が露出している箇所に分けて、
夫々の面積を測定し、下記数式1によってスラグ面積率
ARsを算出した。
【0061】
【数1】スラグ面積率ARs={(スラグが存在する箇所
の面積)/(ビード表面積)}×100
【0062】なお、本実施例においては、スラグ面積率
ARsが30%以下のものを合格とし、30%を超える
ものを不合格とした。
【0063】また、ビード表面の割れについては、溶接
中に目視及びX線透過撮影によりその有無を確認し、融
合不良については、X線透過撮影によってその有無を確
認した。更に、溶接金属の靱性については、得られた溶
接金属の板厚中央部から、JIS Z3111に規定さ
れた4号シャルピー衝撃試験片を採取し、−10℃の温
度で破壊強度を測定することにより評価した。なお、本
実施例においては、3本の試験片の破壊強度の平均値が
47J以上である場合を合格とし、47J未満であるも
のを不合格とした。これらの評価結果を下記表6及び7
に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
【表7】
【0071】上記表1乃至4、6及び7に示すように、
実施例No.1乃至18は各ワイヤの全ての化学組成が
本発明の範囲内であり、適切な溶接条件で溶接している
ので、得られた溶接金属のビード形状、耐割れ性及び靱
性並びに溶接時の溶滴移行安定性が優れたものとなっ
た。また、融合不良も発生せず、ビード表面のスラグ被
りが少ないので、アーク切れ等のアーク不良が発生しな
かった。
【0072】一方、比較例No.19はワイヤ中のC含
有量が本発明範囲の上限を超えているので、耐割れ性が
低下して、ビード形状は問題がなかったが、ビード表面
に溶接割れが発生した。比較例No.20はSi及びT
iの含有量が本発明範囲の上限を超えているのでスラグ
の発生量が増加し、これによってアーク切れ等のアーク
不良が発生した。また、靱性が低下すると共に、溶接金
属の粘性が高くなりすぎて、ΔP/Wが−0.20未満
となり、融合不良が発生した。更に、溶滴移行が不安定
となり、スパッタが多量に発生した。
【0073】比較例No.21はC及びMnの含有量が
本発明範囲の下限未満であるので、脱酸能力が不足して
ブローホールが発生し、靱性も低下した。また、粘性不
足となり、ビード形状のΔP/Wが0.25を超えたの
で、割れが発生した。比較例No.22はP及びSの含
有量が本発明範囲の上限を超えているので、耐割れ性が
低下して、ビード形状は問題がなかったが、割れが発生
した。比較例No.23はB含有量が本発明範囲の上限
を超えているので、耐割れ性が低下して、割れが発生し
た。また、ビード形状が凸状となった。
【0074】比較例No.24はNb及びVの含有量が
本発明範囲の上限を超えているので、スラグが多量に発
生して、アーク不良となった。また、溶接金属の粘性が
上昇して、ビード形状のΔP/Wが本発明範囲の下限未
満となったので、融合不良が発生した。更に、Nb及び
V化合物が析出することによって、溶接金属が脆化し、
靱性値が極めて低いものとなった。比較例No.25は
O含有量が本発明範囲の上限を超えているので、溶接金
属中の酸素濃度が増加して、粘性が低下した。これによ
り、ビード形状のΔP/Wが0.25を超えて、ビード
の割れが発生した。また、酸素が増加することにより、
酸化物であるスラグが多量に形成されて、スラグに起因
したアーク不良が発生した。
【0075】比較例No.26はS及びO含有量が本発
明範囲の下限未満であるので、溶接金属の粘性が上昇し
て、なじみが悪くなった。これにより、ビード形状が凸
状となって、ΔP/Wが−0.20未満となり、融合不
良が発生した。また、Sの添加によるスラグ低減効果を
得ることができないので、スラグ発生量が増加して、こ
れにより、アーク不良も生じた。比較例No.27はS
i含有量が本発明範囲の下限未満であると共に、Mo、
Ni、Cr及びAlのいずれの元素も本発明範囲を満足
していないので、ビード形状が劣化して、ΔP/Wが
0.25を超え、ビード割れが発生した。また、Siが
不足しているので脱酸能力が低下し、溶接金属が酸化さ
れ、靱性も低下した。
【0076】比較例No.28はMn含有量が本発明範
囲の上限を超えていると共に、Mo、Ni、Cr及びA
lのうち、本発明範囲を満足している元素はMoのみで
ある。従って、ビード形状が凸状となり、ΔP/Wが−
0.20未満となって、融合不良が発生した。また、ス
ラグの主成分のうちの1つであるMn酸化物の量が増加
し、スラグの面積率ARsが高くなったので、アーク不
良が発生した。更に、Mn含有量が高いので溶滴移行が
不安定となり、スパッタが極めて多くなった。比較例N
o.29はMo、Ni、Cr及びAlのうち、本発明範
囲を満足している元素はNiのみであり、他の元素は全
て本発明範囲の下限未満である。従って、溶接金属の粘
性が不足して、ビード形状が劣化し、ΔP/Wが0.2
5を超えたので、ビードに割れが発生した。
【0077】比較例No.30はMo、Ni、Cr及び
Alのうち、本発明範囲を満足している元素はAlのみ
であり、Ni及びCrの含有量が本発明範囲の上限を超
えている。従って、溶接金属の粘性が上昇し、ΔP/W
が−0.20未満となって、融合不良が発生した。比較
例No.31はMo、Ni、Cr及びAlのうち、本発
明範囲を満足している元素はCrのみであり、その他の
元素は全て本発明範囲の上限を超えているので、ΔP/
Wが−0.20未満となって、融合不良が発生した。比
較例No.32はMo、Ni、Cr及びAlのいずれの
元素も、本発明範囲の下限未満であるので、溶接金属の
粘性が低下し、ΔP/Wが0.25を超えて、割れが発
生した。比較例No.33はMo、Ni、Cr及びAl
のうち、本発明範囲を満足している元素はMoのみであ
り、Ni、Cr及びAlの含有量が本発明範囲の下限未
満であるので、溶接金属の粘性が低下して、ΔP/Wが
0.25を超えて、割れが発生した。
【0078】次に、本発明に係る鋼管周継手のガスシー
ルドアーク溶接方法の実施例についてその比較例と比較
して具体的に説明する。先ず、上記表1に示す実施例N
o.3の組成を有するワイヤを使用して、下記表8乃至
11に示す種々の溶接条件で鋼管周継手の溶接を実施
し、上述と同様の方法でその溶接性を評価した。なお、
その他の溶接条件は下記表12に示し、評価結果を下記
表13に示す。
【0079】
【表8】
【0080】
【表9】
【0081】
【表10】
【0082】
【表11】
【0083】
【表12】
【0084】
【表13】
【0085】上記表8乃至11及び13に示すように、
実施例No.41乃至47は、使用したワイヤの組成が
本発明の範囲内であると共に、溶接条件も適切に選択し
たものであるので、得られた溶接金属のビード形状、耐
割れ性及び靱性並びに溶接時の溶滴移行安定性が優れた
ものとなった。また、融合不良等の溶接欠陥も発生せ
ず、溶接能率性が優れたものとなった。
【0086】一方、比較例No.48は開先角度が本発
明範囲の下限未満であるので、溶着金属と開先面とのな
じみが悪くなり、ビード形状が凸状となってΔP/Wが
−0.20未満となり、融合不良が発生した。比較例N
o.49は開先角度が本発明範囲の上限を超えているの
で、ストレート溶接では開先側面を良好に溶かすことが
できず、融合不良が発生した。また、開先断面積が大き
くなるのでパス数が増加し、溶接効率が低下した。比較
例No.50は開先幅が本発明範囲の下限未満であるの
で、スラグがビードの表面を覆う率が高くなり、アーク
及び溶接移行が不安定になった。
【0087】比較例No.51は開先幅が本発明範囲の
上限を超えているので、表面張力の効果が低下して溶融
プールが垂れてしまい、ΔP/Wが0.25を超える値
となった。従って、凝固割れが発生した。比較例No.
52は1層あたり2パスで施工したものであり、割れ、
融合不良及びブローホール等の溶接欠陥は発生せず、靱
性も良好であった。しかし、1層あたり1パスの施工法
と比較すると、アークタイムが増加すると共に、ワイヤ
狙い位置の設定が煩雑となり、全体的な溶接時間が1層
あたり1パスの施工法の2.5〜3倍となり、溶接能率
が極めて悪いものとなった。
【0088】比較例No.53はシールドガスの成分で
あるArガスとCO2ガスとのモル比([Ar]/[C
2])が本発明範囲の上限を超えているので、ブロー
ホールが発生した。また、溶着金属中のO含有量が低下
することにより粘性が上昇して、ビード形状が凸状とな
ったのでΔP/Wが−0.20未満となり、融合不良が
発生した。比較例No.54及び55はウィービングに
よる施工であるので、溶滴が開先面方向に飛ばされ、溶
接金属が開先面に寄せられてビード形状が凹状になっ
た。その結果、ΔP/Wが0.25を超えて、溶接割れ
が発生した。また、ストレート溶接と比較して、アーク
の安定性が悪くなり、スパッタも増加した。
【0089】比較例No.56は溶接姿勢を上進方向と
しているので、溶接の進行方向と重力が逆方向となり、
ビードが広がりにくくなってビード形状が凸状となっ
た。その結果、ΔP/Wが−0.20未満となって融合
不良が発生した。また、上進溶接姿勢の場合、溶接速度
を大きくすると、ビードがハンピングしやすいので、下
進溶接姿勢の場合と比較して、溶接速度を1/5以下に
する必要がある。従って、アークタイムが増加し、溶接
能率が低下した。比較例No.57は溶接入熱が本発明
範囲の上限を超えているので、溶接金属の組織が粗大化
することによって靱性が悪化した。また、溶接入熱を上
昇させることによって溶着量が増加し、ビードが垂れや
すくなるので、ΔP/Wが−0.20未満となり、融合
不良が発生した。
【0090】比較例No.58は溶接入熱が本発明範囲
の上限を超えているので、靱性が低下してビード形状が
凸状になりやすくなり、融合不良が発生した。また、溶
接姿勢が上進であって、溶接速度が小さいので、溶接能
率も低下した。比較例No.59は溶接入熱が本発明範
囲の下限未満であるので、1パスあたりの溶着量が少な
くなりすぎて、ビード形状が凹状となった。その結果、
ΔP/Wが0.25を超えて、割れが発生した。また、
溶着量が少なすぎて全パス数が増加したので、溶接時間
が長くなり、溶接能率が低下した。
【0091】このように、組成が規定されたワイヤを使
用すると共に、溶接条件を適切に選択することにより、
パイプラインのような鋼管の継手溶接において、従来の
ワイヤ及び従来の溶接方法を使用した場合と比較して、
優れた品質の溶接金属を得ることができると共に、溶接
能率を向上させることができる。
【0092】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明方法によれ
ば、使用するワイヤの組成を適切に規定すると共に、溶
接条件を適切に選択しているので、鋼管周継手のガスシ
ールドアーク溶接における溶接能率を向上させることが
できる。また、本発明によれば、ワイヤ組成を適切に規
定しているので、これを使用したガスシールドアーク溶
接時において、スラグ被りを原因とするアーク不良の発
生及び融合不良の発生を防止することができると共に、
耐割れ性が優れていて、母材である鋼管とのなじみ性が
良好である溶接金属を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々の形状の開先部における開先角度及び開先
幅を示す模式図である。
【図2】鋼管の周継手溶接によって形成された溶接ビー
ドについて、高さの差ΔP及び幅Wを示す模式図であ
る。
【図3】ΔP/Wが負となった場合に発生する融合不良
の状態を示す断面図である。
【図4】ΔP/Wによって変化するビード形状の状態を
示す模式図である。
【図5】ΔP/Wの各範囲における代表的なビード形状
を示す断面図である。
【図6】本実施例において使用した鋼管周継手の開先形
状を示す模式図である。
【図7】(a)は鋼管周継手の形状例を示す側面図であ
り、(b)はその溶接姿勢を示す断面図である。
【図8】鋼管周継手の溶接部に発生したビード割れを示
す断面図である。
【図9】通常の溶接によって形成されるビードの高さP
とビード幅Wを示す断面図である。
【符号の説明】
1、4、7;鋼管 2、6、13、9;開先部 3a、3b、3c、3d;溶接トーチ 5、12、8、8a、8b;ビード 10;融合不良 11;ビード割れ 14;部材 15;裏当材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/00 301 C22C 38/00 301Y 38/58 38/58

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.02乃至0.08重量%、S
    i:0.70乃至1.00重量%、Mn:0.80乃至
    1.60重量%、S:0.005乃至0.025重量%
    及びO:0.002乃至0.015重量%を含有すると
    共に、Mo、Ni、Cr及びAlからなる群から選択さ
    れた少なくとも2種の成分を、2種以上の成分がMo:
    0.10乃至0.40重量%、Ni:0.010乃至
    0.100重量%、Cr:0.015乃至0.500重
    量%及びAl:0.004乃至0.050重量%を満足
    するように含有し、残部がFe及び不可避的不純物から
    なり、前記不可避的不純物のうち、Pが0.020重量
    %以下、Tiが0.15重量%以下、Nbが0.03重
    量%以下、Vが0.03重量%以下、Bが0.0010
    重量%以下に規制された組成を有するワイヤを使用して
    鋼管周継手を溶接する溶接方法であって、 シールドガスとしてArガス及びCO2ガスを、前記A
    rガスのモル数[Ar]とCO2ガスのモル数[CO2
    とのモル比([Ar]/[CO2])を9以下として混
    合したAr−CO2混合ガスを使用し、前記鋼管周継手
    の開先角度を0乃至20°、開先幅を4乃至10mm、
    溶接入熱を3乃至12(kJ/cm)とし、1層当たり
    1パスの積層法によって、下進溶接姿勢でストレート溶
    接することを特徴とする鋼管周継手のガスシールドアー
    ク溶接方法。
  2. 【請求項2】 C:0.02乃至0.08重量%、S
    i:0.70乃至1.00重量%、Mn:0.80乃至
    1.60重量%、S:0.005乃至0.025重量%
    及びO:0.002乃至0.015重量%を含有すると
    共に、Mo、Ni、Cr及びAlからなる群から選択さ
    れた少なくとも2種の成分を、2種以上の成分がMo:
    0.10乃至0.40重量%、Ni:0.010乃至
    0.100重量%、Cr:0.015乃至0.500重
    量%及びAl:0.004乃至0.050重量%を満足
    するように含有し、残部がFe及び不可避的不純物から
    なり、前記不可避的不純物のうち、Pが0.020重量
    %以下、Tiが0.15重量%以下、Nbが0.03重
    量%以下、Vが0.03重量%以下、Bが0.0010
    重量%以下に規制された組成を有するワイヤを使用して
    鋼管周継手を溶接する溶接方法であって、 シールドガスとしてCO2ガスを使用し、前記鋼管周継
    手の開先角度を0乃至20°、開先幅を4乃至10m
    m、溶接入熱を3乃至12(kJ/cm)とし、1層当
    たり1パスの積層法によって、下進溶接姿勢でストレー
    ト溶接することを特徴とする鋼管周継手のガスシールド
    アーク溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記ワイヤ中のS含有量を0.006乃
    至0.010重量%とすることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の鋼管周継手のガスシールドアーク溶接方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ワイヤ中のCr含有量を0.015
    乃至0.200重量%とすることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれか1項に記載の鋼管周継手のガスシール
    ドアーク溶接方法。
  5. 【請求項5】 C:0.02乃至0.08重量%、S
    i:0.70乃至1.00重量%、Mn:0.80乃至
    1.60重量%、S:0.005乃至0.025重量%
    及びO:0.002乃至0.015重量%を含有すると
    共に、Mo、Ni、Cr及びAlからなる群から選択さ
    れた少なくとも2種の成分を、2種以上の成分がMo:
    0.10乃至0.40重量%、Ni:0.010乃至
    0.100重量%、Cr:0.015乃至0.500重
    量%及びAl:0.004乃至0.050重量%を満足
    するように含有し、残部がFe及び不可避的不純物から
    なり、前記不可避的不純物のうち、Pが0.020重量
    %以下、Tiが0.15重量%以下、Nbが0.03重
    量%以下、Vが0.03重量%以下、Bが0.0010
    重量%以下に規制されたことを特徴とするガスシールド
    アーク溶接用ワイヤ。
  6. 【請求項6】 前記Sの含有量は0.006乃至0.0
    10重量%であることを特徴とする請求項5に記載のガ
    スシールドアーク溶接用ワイヤ。
  7. 【請求項7】 前記Crの含有量は0.015乃至0.
    200重量%であることを特徴とする請求項5又は6に
    記載のガスシールドアーク溶接用ワイヤ。
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