JP2002018591A - 炭素鋼鋼管周溶接用ソリッドワイヤ及びそれを使用する溶接方法 - Google Patents

炭素鋼鋼管周溶接用ソリッドワイヤ及びそれを使用する溶接方法

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JP2002018591A JP2000205742A JP2000205742A JP2002018591A JP 2002018591 A JP2002018591 A JP 2002018591A JP 2000205742 A JP2000205742 A JP 2000205742A JP 2000205742 A JP2000205742 A JP 2000205742A JP 2002018591 A JP2002018591 A JP 2002018591A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 狭開先化及び高速化による高能率溶接システ
ムにおいて、ラインパイプAPI−X65以下の強度を
有する炭素鋼鋼管に適用でき、溶接金属の機械的性能が
優れ、溶接作業性が良好で、耐割れ性、耐融合不良性及
び耐ブローホール性等の耐欠陥性が優れた溶接用ソリッ
ドワイヤ並びにこの溶接用ソリッドワイヤを使用する溶
接方法を提供する。 【解決手段】 溶接用ソリッドワイヤの組成を、C:
0.04乃至0.12質量%、Si:0.40乃至0.
65質量%、Mn:1.60乃至2.10質量%、T
i:0.02乃至0.15質量%、B:0.0020乃
至0.0080質量%、S:0.003乃至0.015
質量%、P:0.015質量%以下、O:0.0100
質量%以下、Cr:0.10質量%以下、Al:0.0
1質量%以下、Nb:0.01質量%以下及びCu:
0.30質量%以下を含有し、残部がFe及び不可避的
不純物からなるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス及び石油等を
通運するパイプライン等を構成する鋼管の全姿勢周溶接
に適用する炭素鋼鋼管周溶接用ソリッドワイヤ及びそれ
を使用するガスシールドアーク溶接方法に関し、特に、
狭開先化及び高速化による高能率溶接システムにおい
て、ラインパイプAPI−X65以下の強度を有する炭
素鋼鋼管に適用でき、溶接作業性が良好で、溶接金属の
機械的性能が優れ、更に耐欠陥性が優れた鋼管周溶接用
ソリッドワイヤ及びこの鋼管周溶接用ソリッドワイヤを
使用する溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パイプラインはその目的及び用途に鑑み
て極めて高い信頼性が要求される構造物であり、その溶
接部においても高い品質が要求される。例えば、静的強
度を示す溶接部引張強さ、脆性破壊性を示す低温靭性、
疲労破壊感受性に関係するビード形状及び水素割れ感受
性に関係する最高硬さ等の多くのスペックが使用条件に
応じて規定されている。
【0003】従来、パイプライン用鋼管の継手の周方向
溶接は現地施工が多く、姿勢が360°の全姿勢となら
ざるを得ないため、被覆アーク溶接棒を使用したマニュ
アルによる溶接方法が主流であった。しかしながら、近
時、工期の短縮化及び低コスト化を目的として自動溶接
化が検討され、現在では周溶接に適した小型溶接ロボッ
トが開発され、実績を上げている。
【0004】この従来の自動溶接システムにおいて、溶
接ワイヤは通常の溶接ワイヤが使用されている。例え
ば、ラインパイプAPI−X65級の高張力炭素鋼管に
は、570MPa級鋼材の溶接用として一般的に使用さ
れている溶接ワイヤ、例えば、特開平8−243783
号公報に記載されているJISZ3312のYGW21
(CO2用)及びYGW23(Ar+CO2混合ガス用)
相当のC(0.15質量%以下)−Si(0.3〜1.
0質量%)−Mn(0.9〜2.6質量%)−Mo
(0.2〜0.6質量%)−Ti(0.05〜0.25
質量%)系の組成を有する溶接ワイヤ等がそのまま使わ
れている。
【0005】近時、工期の短縮化及び低コスト化が更に
一層要求され、狭開先化及び高速化による高能率溶接シ
ステムが開発されつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、狭開先
化及び高速化による高能率溶接システム(以下、高能率
溶接システムという)においては、以下に示す問題点が
ある。この高能率溶接システムにおいては、極度の入熱
低下、パス間温度の低下、開先角度の減少に伴う溶接金
属の凝固面の並行衝突化によるビード中央部への偏析の
促進及び溶接金属の酸素量増大といった問題が発生し、
通常の溶接ワイヤを使用すると、溶接金属における強度
及び硬度の過剰並びに靭性の低下が避けられない。
【0007】前述の高能率溶接システムにおいては、溶
接金属は通常の適性冷却速度条件を超える速い冷却速度
で冷却される。そのため、例えばJISZ3325にお
いて規定されている低温鋼用の溶接材料を使用しても、
冷却速度が速いため硬度過剰となり、シャルピー吸収エ
ネルギも向上しない。また、スラグ剥離性が劣り、ビー
ドが垂れて凸状になる。更に、低電流域におけるアーク
の不安定性に起因するビード不良等の問題が発生し、全
姿勢における溶接作業性が著しく低下する。更にまた、
狭開先・高速溶接では凝固割れの感受性が高まることか
ら、従来の溶接ワイヤ以上の耐割れ性が要求される。こ
れらのことから、高能率溶接システムに適用でき、溶接
部の機械的性能が優れ、良好な全姿勢作業性を実現可能
な溶接ワイヤが求められている。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、狭開先化、高速化及び低入熱化による高能
率溶接システムにおいて、ラインパイプAPI−X65
以下の強度を有する炭素鋼鋼管に適用でき、溶接金属の
靭性、強度及び硬度等の機械的性能が優れており、スパ
ッタ発生量、アーク安定性及びスラグ剥離性等の全姿勢
溶接作業性が良好で、耐割れ性、耐融合不良性及び耐ブ
ローホール性等の耐欠陥性が優れた炭素鋼鋼管周溶接用
ソリッドワイヤ並びにこのソリッドワイヤを使用する溶
接方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鋼管周溶接
用ソリッドワイヤは、シールドガスとして100体積%
CO2ガス又はArが75体積%以下であるArとCO2
との混合ガスを使用する炭素鋼鋼管周溶接用ソリッドワ
イヤにおいて、C:0.04乃至0.12質量%、S
i:0.40乃至0.65質量%、Mn:1.60乃至
2.10質量%、Ti:0.02乃至0.15質量%、
B:0.0020乃至0.0080質量%、S:0.0
03乃至0.015質量%、P:0.015質量%以
下、O:0.0100質量%以下、Cr:0.10質量
%以下、Al:0.01質量%以下、Nb:0.01質
量%以下及びCu:0.30質量%以下を含有し、残部
がFe及び不可避的不純物からなる組成を有することを
特徴とする。
【0010】本発明に係る他の鋼管周溶接用ソリッドワ
イヤは、更に、Mo:0.18質量%以下及びNi:
0.9質量%以下のいずれか一方又は双方を含有するも
のである。
【0011】本発明においては、ソリッドワイヤの組成
を前記範囲に限定することにより、高能率溶接システム
において、溶接金属の靭性、強度及び硬度等の機械的性
能を向上させ、耐割れ性及び耐ブローホール性等の耐欠
陥性を改善するとともに、スパッタ発生量、アーク安定
性及びスラグ剥離性等の溶接作業性を良好にすることが
できる。また、前記組成のソリッドワイヤ中に、更にM
o及びNiのいずれか一方又は双方を添加することによ
り、溶接金属の強度及び靭性をより高めることができ
る。
【0012】本発明に係る鋼管周継手溶接方法は、前記
溶接用ソリッドワイヤを使用し、シールドガスとして1
00体積%CO2ガス又はArとCO2との混合ガスを使
用して全姿勢溶接により鋼管の継手を周方向に溶接する
方法であって、前記混合ガスの組成はArが75体積%
以下であることを特徴とする。
【0013】本発明においては、Arを75体積%以下
とすることにより、開先壁方向の溶込み深さを確保し、
狭開先化及び高速化された全姿勢溶接法において、溶込
み不良及び梨型凝固割れ欠陥の発生を防止することがで
きる。また、ブローホールの発生も抑制できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者等は、溶接ワイヤの成分
に関し、溶接金属の機械的性能並びにビード形状及びア
ーク安定性等の溶接作業性に大きな影響を及ぼす主要脱
酸元素であるSi及びMnの含有量及びそれらの構成比
を変化させ、更に、特に靭性に大きな影響を及ぼすT
i、B、Mo及びNi等を組み合わせて多数の溶接ワイ
ヤを試作し、溶接金属の機械的性能、耐欠陥性及び溶接
作業性を向上させるべく、種々の実験研究を行った。
【0015】その結果、前述の高能率溶接システムにお
いては、従来の溶接システムにおける場合よりも溶接金
属中の酸素量が多くなるため、溶接金属において粗大フ
ェライト粒が発達し、特に靭性が低下しやすいことを見
出した。そこで、溶接作業性を従来の溶接システムと同
等以上に保持しながら、溶接金属の靭性の向上を図るこ
とを主目的として更に実験研究を行い、以下に示すよう
な結果を得た。
【0016】本発明者等は、Si及びMnについては、
脱酸力を強化しながらフェライトの成長を抑制するため
に、従来のワイヤに比べ低Si−高Mn化することが有
効であることを見出した。図1は、溶接ワイヤ中のSi
及びMnの含有量と溶接金属の機械的性能及び溶接作業
性との関係を示すグラフ図である。図1に示すように、
溶接ワイヤ中のSi量が本発明で規定する範囲よりも多
いと溶接金属の靭性が不足し、前記Si量が本発明で規
定する範囲よりも少ないとビード止端形状及びアーク安
定性が劣化する。また、溶接ワイヤ中のMn量が本発明
で規定する範囲よりも多いと溶接金属の硬度が過剰にな
るとともにスラグの剥離性が劣化し、前記Mn量が本発
明で規定する範囲よりも少ないと溶接金属の強度及び靭
性が不足するとともにビードの形状が凸化する。
【0017】また、Tiについてはアーク安定性を阻害
しないために、Tiの添加量を従来の溶接ワイヤより低
い0.15%以下に抑制することが必要であることを見
出した。図2は、溶接ワイヤ中のTi及びBの含有量と
溶接金属の機械的性能及び溶接作業性との関係を示すグ
ラフ図である。図2に示すように、溶接ワイヤ中のTi
量が本発明で規定する範囲よりも多いとアーク溶接性が
劣化し、前記Ti量が本発明で規定する範囲よりも少な
いと溶接金属の靭性が不足する。また、溶接ワイヤ中の
B量が本発明で規定する範囲よりも多いと溶接割れが発
生しやすくなり、前記B量が本発明で規定する範囲より
も少ないと溶接金属の靭性が不足する。
【0018】図3は、溶接ワイヤ中のO量と溶接金属中
のO量との関係を示すグラフ図である。図3に示すよう
に、溶接ワイヤ中のO量は溶接金属中のO量に影響を及
ぼす。本発明者等は、溶接ワイヤ中のO量を従来よりも
抑制することにより、靭性を向上することができること
を見出した。
【0019】以下に、本発明におけるガスシールドアー
ク溶接用ワイヤに含有される化学成分の限定理由につい
て詳細に説明する。
【0020】C:0.04乃至0.12質量% Cは溶接金属の強度を確保するために必要な元素であ
る。また、全姿勢溶接ではビードの垂れを防ぐために短
絡溶滴移行が必要となるが、C量が多いと短絡回数が増
加しアークが安定する。溶接金属の強度確保及びアーク
安定性確保のために有効なC量は0.04質量%以上で
ある。一方、C量が0.12質量%を超えるとCO爆発
が過剰になり、スパッタ発生量が増加するため溶接作業
性が低下する。また、溶接金属の焼入れ性が増加するた
め強度が過剰になる。更に、高温割れ感受性及び水素割
れ感受性も増加する。従って、C量の上限は0.12質
量%とする。
【0021】Si:0.40乃至0.65質量% Siは主要な脱酸元素であり、溶接ワイヤには必須の元
素である。しかし、低入熱施工では脱酸に必要なSi量
は通常よりも少なくてすむ。図1に示すように、溶接ワ
イヤ中のSi量が0.65質量%を超えると、溶接金属
において粗大なフェライト粒が形成しやすくなり、靭性
が低下する。また、スラグ量も増加し除去の手間が増大
する。しかしながら、Si量が0.40質量%未満で
は、ビード止端部のなじみが悪くなり外観が悪化する。
更に、脱酸不足になるためアーク安定性が低下し、ブロ
ーホールが発生することもある。従って、Si量は0.
40乃至0.65質量%とする。
【0022】Mn:1.60乃至2.10質量% MnもSiと同様に主要な脱酸元素であり、溶接金属の
焼入れ性を向上し、強度及び靭性を増加させる効果があ
る。また、S等の耐割れ性を低下させる元素を固定し、
耐割れ性を改善する効果もある。図1に示すように、M
n量が1.60質量%未満では脱酸不足となり、溶接金
属の強度及び靭性が確保できない。また、全姿勢溶接に
おいてビードが垂れやすくなりビード形状が凸化する。
更に、耐割れ性も劣る。逆に、Mn量が2.10質量%
を超えると、溶接金属の硬度が過剰になるとともにスラ
グ量が増大し除去の手間が増大する。従って、Mn量の
上限は2.10質量%とする。
【0023】Ti:0.02乃至0.15質量% Tiは強力な脱酸剤であり、溶接金属中のO量を下げ、
焼入れ性を高めるとともに、Bと共に添加すると結晶粒
を微細化する効果が高まる。本発明者等は、冷却速度が
速い高速溶接では、Ti添加量が従来知られている最低
Ti添加量よりも少ない0.02質量%でも前記効果が
有効であることを見出した。一方、図2に示すように、
Tiが多量に添加されると、全姿勢溶接において重要な
低電流域のアーク安定性が低下する。また、スラグ量が
増加し、除去作業の手間も増大する。Ti量が0.15
質量%以下であれば、前述の溶接作業性の低下は軽微で
ある。従って、Ti量は0.02乃至0.15質量%と
する。なお、溶接作業性の観点からは、Ti量を0.0
2乃至0.09質量%とすることがより好ましい。
【0024】B:0.0020乃至0.0080質量% 前述の如く、BはTiと共に添加することで溶接金属の
組織を微細化し、靭性を向上させる効果がある。図2に
示すように、前記効果は0.0020質量%以上の添加
により現れる。しかし、Bを0.0080質量%を超え
て添加すると耐高温割れ性が低下するため、B量の上限
は0.0080質量%とする。
【0025】S:0.003乃至0.015質量% Sは溶接金属の耐高温割れ性及び低温靭性を劣化させ
る。耐割れ性が重視される狭開先・高速溶接において
は、従来JISZ3312で規定されているS量の上限
値、即ち、0.025質量%又は0.030質量%では
S量が多すぎるため、本発明においてはS量をより抑制
する。S量が0.015質量%以下であれば前記悪影響
が生じないので、0.015質量%をS量の上限とす
る。一方、Sは溶融金属の粘性を下げて、ビードの凸化
を防ぎ平坦にする効果がある。全姿勢溶接において、ビ
ードの垂れによるビード形状の凸化を防ぐためには、
0.003質量%以上の添加が必要であるため、S量の
下限は0.003質量%とする。
【0026】P:0.015質量%以下 PはSと同様に溶接金属の耐高温割れ性及び低温靭性を
劣化させる。一方、Sのようにビード形状の改善効果は
有していないので、P量は可及的に少ないほうが好まし
い。0.015質量%までは許容できるので、P量の上
限は0.015質量%とする。
【0027】O:0.0100質量%以下 狭開先・高速溶接では入熱が極めて小さいことから、溶
接金属の冷却速度が極めて大きい。従って、溶接金属が
液体状態である時間が短く、脱酸反応があまり進まない
ことから溶接金属中のO量が通常より高くなる傾向があ
る。溶接金属中のO量が高いと焼入れ性が低下し、粗大
なフェライト粒が生成するため靭性が劣化する。図3に
示すように、溶接ワイヤ中のO量は溶接金属中のO量に
影響を及ぼすことから、溶接金属中のO量を低減するた
めには溶接ワイヤ中のO量を低く抑えることが必要であ
る。溶接金属が所望の吸収エネルギを得るためには、溶
接金属中のO量を600質量ppm、即ち0.0600
質量%以下にする必要がある。溶接ワイヤ中のO量が1
00質量ppm、即ち0.0100質量%を超えると溶
接金属中のO量が0.0600質量%を超え、溶接金属
の靭性が劣化するため、溶接ワイヤ中のO量の上限を
0.0100質量%とする。
【0028】Cr:0.10質量%以下 Crは溶接金属の耐蝕性を向上させる効果があり、パイ
プライン用の鋼管及び溶接ワイヤには、耐炭酸ガス腐食
性の向上を目的としてCrを添加したものがある。しか
しながら、炭酸ガス腐食が問題とならないような一般の
炭素鋼鋼管用の鋼管及び溶接ワイヤの場合、Cr添加に
よる耐蝕性向上は過剰品質になり高価格となるばかりで
なく、スラグ剥離性、靭性及びアーク安定性の劣化並び
に溶接金属の強度の過剰につながるため、Cr量は少な
い方が好ましい。Cr量が0.10質量%以下であれば
これらの悪影響は現れないため、0.10質量%を上限
とする。
【0029】Al:0.01質量%以下 Alは溶接金属の強度を大幅に増大させ、靭性を低下さ
せる。また、スパッタ発生量を大幅に増加させ、スラグ
量も増加させる。従って、Al量は可及的に少ない方が
好ましい。経済性を考慮し、Al量の上限を0.01質
量%とする。
【0030】Nb:0.01質量%以下 Nbは溶接金属の強度を大幅に増大させ、靭性を低下さ
せる。また、スパッタ発生量を大幅に増加させ、スラグ
量も増加させる。従って、Nb量は可及的に少ない方が
好ましい。経済性を考慮し、Nb量の上限を0.01質
量%とする。
【0031】Cu:0.30質量%以下 CuはCrと同様に溶接金属の耐蝕性を向上させる効果
があるといわれているが、一方で靭性及び耐割れ性を劣
化させるという問題点がある。従って、耐蝕性を重視し
ない場合は可及的に少ない方が好ましい。Cu量が0.
30質量%以下であれば前記問題点は発生しないため、
Cu量の上限を0.30質量%とする。なお、本発明に
おいて、溶接ワイヤがめっきワイヤである場合は、Cu
量とは心線に含まれるCu量にめっきに含まれるCu量
を加えたものになる。
【0032】Mo:0.18質量%以下 Moは溶接金属の焼入れ性を向上させ、強度及び靭性を
増加させる効果がある。しかし、0.18質量%を超え
ての添加は焼入れ性が過剰となり、硬度が過度に高くな
ることから、上限を0.18質量%とする。
【0033】Ni:0.90質量%以下 Niは靭性向上に有効である。しかしながら、0.90
質量%を超えての添加はアーク安定性を低下させるとと
もに、凝固割れを発生しやすくする。また、溶接金属の
硬度を大幅に増大させる。従って、Ni量の上限は0.
90質量%とする。
【0034】次に、シールドガスの組成の限定理由につ
いて述べる。
【0035】ArとCO2 との混合ガスにおいてAr:
75体積%以下 本発明の溶接方法において使用するシールドガスは、1
00体積%CO2又は75体積%以下のArとCO2との
混合ガスであることが必要である。Ar混合比が75体
積%を超えると溶込み状態が鋭くかつ浅くなり、開先壁
方向の溶込み深さが小さくなるため、狭開先・高速化さ
れた高能率溶接システムにおいては、溶込み不良及び梨
型凝固割れの欠陥が発生しやすくなる。また、ブローホ
ールも発生しやすくなる。従って、シールドガス中のA
r混合比は75体積%以下とする。
【0036】
【実施例】以下に、本発明の実施例を本発明範囲から外
れる比較例と比較して具体的に説明する。図4は本実施
例における溶接方法を示す図であって、(a)は鋼管周
継手を示す模式図であり、(b)は溶接部の開先の形状
を示す断面図である。図4(a)及び(b)に示すよう
に、鋼管の周継手を高能率溶接システム専用の溶接ロボ
ットを使用して自動溶接した。表1はこのときの溶接条
件を示す。また、この鋼管はAPI−X65炭素鋼鋼管
であり、板厚は19mmである。表2はこの鋼管の化学
成分を示す。更に、表3及び4は供試した溶接ワイヤの
成分を示す。
【0037】表3及び4に示す溶接ワイヤと組成を変え
たシールドガスとを組み合わせて溶接試験を行った。溶
接部の機械的性能の評価として、全厚継手引張試験、溶
接部シャルピー衝撃試験及び溶接部ビッカース硬度試験
を行った。全厚継手引張試験においては、破断形態が母
材破断である場合を合格とした。溶接部シャルピー衝撃
試験においては、溶接部の板厚中央部から試験片のノッ
チが開先の中央部になるように試験片を採取し、吸収エ
ネルギ(vE−5℃)を測定した。3本の試験片につい
て測定し、その平均値が100J以上である場合を合格
とした。溶接部ビッカース硬度試験においては、耐HI
C(Hydrogen Induced Cracking:水素誘起割れ)性の
観点より、表面下1mmの位置を0.5mmピッチで測
定し、硬度(Hv)の最大値が250以下である場合を
合格とした。また、耐欠陥性の評価として、X線透過試
験により、割れ、融合不良(LF)及びブローホール
(BH)の有無を確認し、これらの欠陥が認められない
場合を○、一部生じた場合は△、多量に生じた場合は×
とした。更に、溶接作業性の評価として、アーク安定
性、ビード形状及びスラグの除去性(スラグ量、剥離
性)を作業者の官能により評価した。溶接作業性につい
ては、特に良好であった場合を◎、良好であった場合を
○、不良であった場合を×とした。表5はこの溶接試験
の結果を示す。
【0038】
【表1】
【0039】なお、表1の溶接方向において、12時と
は鋼管の最上部を指し、3時は鋼管の側部、6時は鋼管
の最下部を指す。従って、12時→3時→6時とは、鋼
管の最上部から溶接を始め、鋼管の下部に向かって溶接
を行い、最下部において溶接を終了することを示してい
る。本実施例においては、このように鋼管の半周を溶接
し、次に、鋼管の反対側も同様に最上部から最下部まで
溶接し、全周を溶接した。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】以下、前記溶接試験の結果について詳細に
説明する。前記表5におけるNo.T1乃至T20は本
発明の実施例である。実施例No.T1乃至T20は、
溶接ワイヤの成分及びシールドガスの組成が本発明の範
囲内にあるため、溶接金属の機械的性能、耐欠陥性及び
溶接作業性が優れていた。従って、これらの実施例にお
いては、高能率溶接システムにより良好な溶接を実現で
きた。特に、実施例No.T1乃至T18は、溶接ワイ
ヤ中のTi量が0.09質量%以下であるため、溶接ワ
イヤ中のTi量が0.09質量%より多く0.15質量
%以下である実施例No.T19及びT20と比較し
て、溶接作業性がより優れていた。
【0045】これに対し、前記表5におけるNo.T2
1乃至T51は比較例である。比較例No.T21は溶
接ワイヤ中のC量が低いため、溶接部の強度が不足し、
短絡移行のアーク安定性が劣っていた。比較例No.T
22は逆にC量が過剰であるため、溶接部の強度が高す
ぎ、最高硬度が250を超えていた。また、耐割れ性が
劣化し割れが生じており、スパッタ発生量も多かった。
比較例No.T23及びT24はSi量が本発明範囲よ
り低かったため、ビードが垂れやすくビード形状が悪く
なり、また、脱酸不足によりブローホールが生じてい
た。特に、溶接ワイヤ中のMn量が下限値に近い量であ
る比較例No.T23は、強度も不足していた。
【0046】比較例No.T25、T27及びT29は
溶接ワイヤ中のMn量が下限より低いため、焼入れ性が
不足し、シャルピー吸収エネルギが低かった。また、M
nによる耐高温割れ性向上効果が得られないため割れが
生じていた。更に、アーク安定性が劣り、ビードが垂れ
やすくビード形状が悪かった。特に、溶接ワイヤ中のS
i量が下限値に近い量である比較例No.T25は、溶
接金属の強度も不足していた。比較例No.T26、T
28及びT30は溶接ワイヤ中のMn量が本発明の上限
値よりも高いため、焼入れ性が過剰となり、最高硬度が
250を超えていた。また、スラグが多く発生し、スラ
グ除去性が低下した。
【0047】比較例No.T31、T32及びT33は
溶接ワイヤ中のSi量が過剰であるため、最高硬度が2
50を超えると共に、粗大なフェライト粒が生じること
によりシャルピー吸収エネルギが低くなった。また、S
i酸化物が多く生成したためスラグ量が多くなり、スラ
グ除去性が低下した。比較例No.T34は溶接ワイヤ
中のP量が過剰であるため、耐高温割れ性が低下し、割
れが多く生じた。また、靭性も低下した。比較例No.
T35は溶接ワイヤ中のS量が不足しており、溶融金属
の表面張力が高すぎることから、ビード形状が凸状にな
り悪化した。比較例No.T36は溶接ワイヤ中のS量
が過剰であるため、耐高温割れ性が低下し、割れが多く
生じた。また、靭性も低下した。
【0048】比較例No.T37は溶接ワイヤ中にNi
が過剰に添加されているため、溶接金属の焼入れ性が過
剰となり最高硬度が250を超えた。また、耐高温割れ
性が低下し、割れが生じた。比較例No.T38はTi
量が不足しており、靭性を向上させる効果が現れず、シ
ャルピー吸収エネルギが不足した。比較例No.T39
は溶接ワイヤ中のTi量が過剰であるため、スラグの発
生量が増加し、且つ、スラグ剥離性も悪くスラグ除去性
が低下した。また、短絡溶滴移行の安定性が著しく低下
し、スパッタ発生量も多かった。比較例No.T40は
B量が不足しており、靭性を向上させる効果が現れず、
シャルピー吸収エネルギが不足した。比較例No.T4
1は溶接ワイヤ中のB量が過剰であり、溶接金属の耐高
温割れ性が低下して割れが発生した。比較例No.T4
2は溶接ワイヤ中のO量が過剰であるため、溶接金属中
のO量が増大し粗大なフェライト粒が析出し、シャルピ
ー吸収エネルギが低下した。
【0049】比較例No.T43は溶接ワイヤ中のCr
量が過剰であるため、溶接金属が強度過剰となり、最高
硬さが250を超えた。また、靭性が低下し、シャルピ
ー吸収エネルギが低下した。アーク安定性も劣り、スパ
ッタ発生量が多く、スラグ量の増加と剥離性低下により
スラグ除去性も劣った。比較例No.T44は溶接ワイ
ヤ中のAl量が過剰であるため、溶接金属が強度過剰と
なり、最高硬さが250を超えた。また、靭性は低下
し、シャルピー吸収エネルギが低下した。アーク安定性
も劣り、スパッタ発生量が多く、スラグ量の増加と剥離
性低下によりスラグ除去性も劣った。比較例No.T4
5は溶接ワイヤ中のNb量が過剰であるため、溶接金属
が強度過剰となり、最高硬さが250を超えた。また、
靭性が低下し、シャルピー吸収エネルギは低かった。ア
ーク安定性も劣り、スパッタ発生量が多く、スラグ量の
増加と剥離性低下によりスラグ除去性も劣った。比較例
No.T46は溶接ワイヤ中のCu量が過剰であるた
め、耐割れ性及び靭性が低下し、割れが多発しシャルピ
ー吸収エネルギが低かった。比較例No.T47は溶接
ワイヤ中のMo量が過剰であるため、焼入れ性が過剰と
なり、溶接部の最高硬さが250を超えた。
【0050】比較例No.T48及びT49は夫々、一
般的な570MPa級鋼管用溶接ワイヤでありJISZ
3312に規定されているYGW23及びYGW21に
該当する溶接ワイヤを使用した場合である。両溶接ワイ
ヤは、共にSi量が高く、Bが無添加であり、溶接ワイ
ヤ中のO量及びAl量が過剰であるため、シャルピー吸
収エネルギが低く、スラグ量が多かった。更に、Mo量
が過剰であるため、硬度も過剰であった。また、S量が
高いため、耐割れ性が劣り割れを生じた。これらに加え
て、比較例No.T48は溶接ワイヤ中のCr量が過剰
であるため、溶接金属の靭性がさらに低くなり、Mn量
が少ないためビード形状が垂れやすくなった。また、比
較例No.T49は溶接ワイヤ中のTi量が過剰である
ため、アーク安定性が特に悪かった。
【0051】比較例No.T50及びT51は、溶接ワ
イヤの組成は本発明の範囲内であるが、溶接時における
シールドガス組成が本発明の溶接ワイヤの使用条件から
外れている。即ち、シールドガス中のArの比率が高す
ぎるため、溶け込み範囲が狭くなり、開先面の融合不良
及びArに起因したブローホールが多発した。また、溶
接金属の酸素量が低下して焼入れ性が過剰となり、溶接
部の最高硬さが250を超えた。
【0052】なお、本発明における開先形状は本実施例
の開先形状に限定されることなく、開先角度が40°ま
でのV開先、U開先及び多段開先に対しても同様に有効
である。また、本発明におけるトーチ運棒法は回転アー
ク法及び横振りウィービング法に限定されることなく、
他の方法においても有効である。また、溶接ビードの積
層方法は、上記実施例では表1に示すように全層下進溶
接であったが、本発明はそれに限らず、例えば、仕上層
のみ上進溶接としてもよい。この場合の上進溶接とは、
鋼管の下部から上部に向かって溶接する方法を指す。更
に、上記実施例では溶接ビードの積層において1層を1
パスで積層したが、本発明はそれに限らず、1層を2パ
ス以上で積層する振分溶接を行ってもよい。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
溶接ワイヤの各成分及びシールドガス組成を適正に規定
することにより、複雑な姿勢で溶接するため施工が難し
いパイプラインの周溶接において、狭開先化及び高速化
による高能率溶接システムを導入した場合でも、溶接金
属の強度、硬度及び吸収エネルギといった機械的性能、
耐割れ性、耐融合不良性及び耐ブローホール性といった
耐欠陥性並びにビード形状、アーク安定性、低スパッタ
発生量及びスラグ除去性といった溶接作業性の全てを良
好にすることができる。これにより、パイプラインの現
地溶接等において、溶接作業の能率及び溶接された製品
の品質を向上させ、コストを下げることができる。これ
らの効果の工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接ワイヤ中のSi及びMnの含有量と溶接金
属の機械的性能及び溶接作業性との関係を示すグラフ図
である。
【図2】溶接ワイヤ中のTi及びBの含有量と溶接金属
の機械的性能及び溶接作業性との関係を示すグラフ図で
ある。
【図3】溶接ワイヤ中のO量と溶接金属中のO量との関
係を示すグラフ図である。
【図4】本発明の実施例における溶接方法を示す図であ
って、(a)は鋼管周継手を示す模式図であり、(b)
は溶接部の開先の形状を示す断面図である。
【符号の説明】
1;鋼管 2;開先 3;銅裏当て
フロントページの続き (72)発明者 玉置 尚弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 村山 雅智 神奈川県横浜市鶴見区小野町88番地 日本 鋼管工事株式会社内 (72)発明者 三浦 定史 神奈川県横浜市鶴見区小野町88番地 日本 鋼管工事株式会社内 (72)発明者 杉浦 一樹 神奈川県横浜市鶴見区小野町88番地 日本 鋼管工事株式会社内 (72)発明者 鈴木 励一 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB06 BB09 CA07 CC03 DA06 DD02 DD04 DF01 DF04 EA01 EA03 EA04 EA05 EA08 4E081 AA03 AA05 BA27 BB04 CA09 CA10 DA05 DA23 DA36 DA40 DA62 EA38

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールドガスとして100体積%CO2
    ガス又はArが75体積%以下であるArとCO2との
    混合ガスを使用する炭素鋼鋼管周溶接用ソリッドワイヤ
    において、C:0.04乃至0.12質量%、Si:
    0.40乃至0.65質量%、Mn:1.60乃至2.
    10質量%、Ti:0.02乃至0.15質量%、B:
    0.0020乃至0.0080質量%、S:0.003
    乃至0.015質量%、P:0.015質量%以下、
    O:0.0100質量%以下、Cr:0.10質量%以
    下、Al:0.01質量%以下、Nb:0.01質量%
    以下及びCu:0.30質量%以下を含有し、残部がF
    e及び不可避的不純物からなる組成を有することを特徴
    とする炭素鋼鋼管周溶接用ソリッドワイヤ。
  2. 【請求項2】 シールドガスとして100体積%CO2
    ガス又はArが75体積%以下であるArとCO2との
    混合ガスを使用する炭素鋼鋼管周溶接用ソリッドワイヤ
    において、C:0.04乃至0.12質量%、Si:
    0.40乃至0.65質量%、Mn:1.60乃至2.
    10質量%、Ti:0.02乃至0.15質量%、B:
    0.0020乃至0.0080質量%、S:0.003
    乃至0.015質量%、P:0.015質量%以下、
    O:0.0100質量%以下、Cr:0.10質量%以
    下、Al:0.01質量%以下、Nb:0.01質量%
    以下、Cu:0.30質量%以下及びMo:0.18質
    量%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物から
    なる組成を有することを特徴とする炭素鋼鋼管周溶接用
    ソリッドワイヤ。
  3. 【請求項3】 シールドガスとして100体積%CO2
    ガス又はArが75体積%以下であるArとCO2との
    混合ガスを使用する炭素鋼鋼管周溶接用ソリッドワイヤ
    において、C:0.04乃至0.12質量%、Si:
    0.40乃至0.65質量%、Mn:1.60乃至2.
    10質量%、Ti:0.02乃至0.15質量%、B:
    0.0020乃至0.0080質量%、S:0.003
    乃至0.015質量%、P:0.015質量%以下、
    O:0.0100質量%以下、Cr:0.10質量%以
    下、Al:0.01質量%以下、Nb:0.01質量%
    以下、Cu:0.30質量%以下及びNi:0.9質量
    %以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からな
    る組成を有することを特徴とする炭素鋼鋼管周溶接用ソ
    リッドワイヤ。
  4. 【請求項4】 シールドガスとして100体積%CO2
    ガス又はArが75体積%以下であるArとCO2との
    混合ガスを使用する炭素鋼鋼管周溶接用ソリッドワイヤ
    において、C:0.04乃至0.12質量%、Si:
    0.40乃至0.65質量%、Mn:1.60乃至2.
    10質量%、Ti:0.02乃至0.15質量%、B:
    0.0020乃至0.0080質量%、S:0.003
    乃至0.015質量%、P:0.015質量%以下、
    O:0.0100質量%以下、Cr:0.10質量%以
    下、Al:0.01質量%以下、Nb:0.01質量%
    以下、Cu:0.30質量%以下、Mo:0.18質量
    %以下及びNi:0.9質量%以下を含有し、残部がF
    e及び不可避的不純物からなる組成を有することを特徴
    とする炭素鋼鋼管周溶接用ソリッドワイヤ。
  5. 【請求項5】 前記ソリッドワイヤ中のTi含有量が、
    0.02乃至0.09質量%であることを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれか1項に記載の炭素鋼鋼管周溶接
    用ソリッドワイヤ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    ソリッドワイヤを使用し、シールドガスとして100体
    積%CO2ガス又はArとCO2との混合ガスを使用して
    全姿勢溶接により鋼管の継手を周方向に溶接する方法で
    あって、前記混合ガスの組成はArが75体積%以下で
    あることを特徴とする鋼管周溶接方法。
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