JP2010531235A - 厚肉金属加工品を溶接によって結合する方法および装置 - Google Patents

厚肉金属加工品を溶接によって結合する方法および装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、厚肉金属加工品を溶接によって結合するための方法に関する。溶接継手を製造するために肉厚に依存して横断面に最大3つの溶接領域が設けられ、溶接には複数の溶接法を組合せて適用され、詳細には(ルート層用の)第1の溶接領域がレーザビーム溶接またはレーザアーク複合溶接によって溶接され、第2の溶接領域がレーザアーク複合溶接によって溶接され、厚肉金属加工品の板厚に依存して場合によって必要となる第3の溶接領域がレーザアーク複合溶接またはアーク溶接によって溶接される。その都度応用される溶接法に合せられる開先加工部も本発明に含まれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、請求項1の前文に記載した厚肉金属加工品、特に鋼管を溶接によって結合する方法、そして請求項14記載の本方法を実施するための装置に関する。
本発明に係る溶接法は、管の結合の他に同様に、例えば、厚さおよび横断面を異にする厚肉板または中空形材の結合に、または管または中空形材の貫通部の結合に適用可能である。
特に本発明は、例えば、レーザビーム溶接、アーク溶接等のさまざまな溶接法によって互いに結合された、例えば、配管として構成される、8mm超または15mm超の肉厚を有する管に関する。
管をレーザビーム溶接することは一般的に知られており、アーク溶接またはミグ(MIG、Metal Inert Gas)溶接等の従来の溶接法と比べて開先の横断面積を顕著に減少させて、高められた溶接速度によって溶接時間を短縮し、それによって経済性を改善する努力が常になされている。
しかし欠点として、従来では、レーザビーム溶接のために不可欠な開先加工および公差は、パイプライン敷設用の管を製造する場合における制約条件と、調和をとることができなかった。
複雑なパラメータを用いずに、様々な位置でレーザビーム溶接を用いて良好な溶接結果を得られることは知られている。このような溶接法では溶接部が、開先深さと開先幅との大きな比を有することを特徴としている。しかし従来では、このことは、配管製造時の公差の要求によって用いることができなかった。
厚肉管の継手を製造するためのレーザビーム溶接法は、例えば、特許文献1により公知となっている。そこで述べられた方法では、結合する管の末端が2つの溶接層用の溶接領域を有している。第1の溶接領域では末端が互いに突き合せられ、これに続く第2の溶接領域はV字形に形成されている。互いに突き合された末端はレーザビーム溶接によって互いに結合され、第2のV字形の溶接領域には、少なくとも1つの付加的な材料が加えられる。この付加的な材料が、互いに突き合わされる加工品の末端における相対する側とそれぞれ1つの溶接部によって結合されて、加工品の末端の互いに部分的に突き合される領域が、他の1つの溶接部と結合されることとなる。
この方法の欠点としては、各接合形状に適合させるための付加的な材料が不可欠であるということにある。この欠点によって製造時間が長くなり、管継手の製造コストが増加することとなる。
さらに特許文献2により管を軌道溶接した配管を用いることが知られており、そこではレーザビーム溶接をミグ溶接プロセスと組合せたレーザMIG複合溶接プロセスが用いられている。このような複合溶接プロセスではレーザビームとMIG溶接プロセスのアークとが溶接箇所に同時に作用することとなる。
しかし、この溶接法が、パイプライン敷設用の管の溶接継手に対する厳しい品質的、かつ経済的要求を考慮してどのように用いられ、その際にどのような開先加工が必要であるのかは述べられていない。
厚肉加工品の溶接時に単数または複数の溶接ヘッドを同時にまたは時間差でずらせて使用することは一般的に知られている。開先の横断面全体を充填するためには、複数の層により溶接することが行われている。さらに、場合によっては溶接中に溶接パラメータを各溶接位置に適合させることが不可欠となっている。
ミグ溶接時における溶接池の大きさのために、溶接パラメータを溶接位置に依存して適合させる必要がある。場合によっては、溶接トーチの揺動運動に対応することができる。開先のルート層および第1の溶接層は特別に厳しい品質要求を満足しなければならないので、これらの開先の溶接領域は、しばしばアーク溶接またはティグ(TIG、Tungsten Inert Gas)溶接によっても製造される。これらの溶接法の欠点としては、溶接速度が極めて遅いということにある。
厚肉管のレーザ溶接継手に対する上述の公差要求のために、または従来では、技術的に制御可能かつ経済的に効率化可能なレーザ出力によって質的に問題のない経済的な溶接継手を、最小数の溶接領域および溶接層を用いて製造するという問題がこれまで解決されていなかったために、レーザ法またはレーザ複合法によって、例えば、管等のような厚肉加工品を溶接することは、これまで重要視されていなかった。
レーザビーム溶接を適用する場合、供給されるレーザ出力の約15%〜20%が接合部分の隙間を透過するレーザ照射のために、本来の溶接プロセスに用いることできないことも経済的な欠点として判明している。
パイプラインの敷設に関する分野において、レーザビーム溶接等の革新的プロセスを確立するために他に重要な要因となるのは溶接部のルート形成の品質と安定性であり、これらの要求は公知のレーザ溶接法ではこれまで満足することができなかった。
ルート形成は溶接継手の機械技術的特性、特に疲労強度、耐久限度に対して重大な影響を与える。ここでの目的は、僅かな継手の増加と均一形状とによって極力切欠のないルートを実現することである。
独国特許発明第19950437号明細書 国際公開第2005/056230号パンフレット
本発明の課題は、厚肉加工品、特に8mmより大きな肉厚、さらに特に15mmより大きな肉厚を有する管を結合するためのレーザ溶接、またはレーザアーク複合溶接を改良し、溶接継手に対する品質要求を考慮して、最小数の溶接領域および溶接層によって溶接プロセスにおける高い経済性を実現可能とすることにある。
この課題は、請求項1の前文を特徴部分の特徴と合せて解決される。有利な諸構成は従属請求項の構成要素となっている。
本発明の教示によれば、肉厚に依存して最大3つの溶接領域を用いて製造される溶接継手が、2つ以上の異なる溶接法を組合せることによって製造され、溶接継手に対する厳しい品質要求と高い溶接出力とを考慮してルート層用の第1の溶接領域が、レーザビーム溶接またはレーザアーク複合溶接によって製造され、第2の溶接領域が、レーザアーク複合溶接によって製造され、厚肉金属加工品の板厚に依存して場合によって必要となる第3の溶接領域が、レーザアーク複合溶接またはアーク溶接によって製造され、溶接領域が3つの場合には第2の溶接領域がアーク溶接によって溶接される。溶接領域はそれぞれ1つの溶接層または複数の溶接層により充填され、シングルヘッドまたはマルチヘッドが用いられる。マルチヘッドを用いる場合、溶接ヘッドは同時にまたは時間差でずらせて用いられる。
第1の溶接領域には最大隙間3mmのI字形の突合せ継手が設けられ、第2の溶接領域にはV字形またはU字形の開先加工部が設けられ、第3の溶接領域には、V字形の開先加工部の場合には、第2の溶接領域におけるV字形の開先加工部と比較して角度を小さくしたV字形またはU字形の開先加工部が設けられるように、開先加工は溶接の都度適用される溶接法に合せて実施される。レーザアーク複合溶接を用いる場合、瞬間的な溶接出力のうちレーザの出力割合は少なくとも10%となっている。
包括的な研究によれば、レーザビーム溶接の諸利点を管継手の製造に用いて、技術的に制御可能かつ経済的に効率化可能なレーザ出力を用いて、最小数の溶接領域および溶接層によって確実な管継手を製造することが、本発明に係る方法により提供される。
レーザ溶接またはレーザアーク複合溶接の諸要求を考慮して、これらの方法の経済的利点を用いながら、最適な溶接結果が達成されるように開先加工が最適化されている。
例えば、パイプラインを敷設する分野において、レーザビーム溶接またはレーザアーク複合溶接等の革新的な溶接プロセスを確立するための重要なステップとして、レーザビーム溶接またはレーザアーク複合溶接の諸要求に関して溶接の隙間の構造を最適化することによって、レーザ溶接プロセスの高い潜在的能力を同時に用いて、厳しい諸要求が満足されるようにルート形成の品質と安定性とを最適化することに成功した。
それに加えて、溶接時にレーザビームを振動運動させて、これによってルートの均一形状化を促進すると場合によっては有利である。
提起された要求に相応して最適化された溶接プロセスのために、溶接プロセス中にレーザ出力を変更することも同様に可能である。本発明に係る方法はさらにプロセス最適化のために、溶接領域の溶接すべき突合せ面を基準にレーザビームの焦点位置とレーザビームの位置とを変更できる有利な可能性を提供する。
その際に開先加工の諸態様は、純レーザビーム溶接の典型的性質も他の層構造におけるレーザビームとアークとの間の連結も考慮した諸性質を特徴としている。
こうして所要の機械加工または熱加工の領域が最小となり、この加工ステップのための欠点が相応して減少することとなる。このことから帰結する溶接接合部の構造は、レーザビームに対応したナロウギャップ(狭い隙間)と称することができる。
本発明に係る方法の溶接接合部の構造については、結合対象が厚肉加工品である場合、溶接部の横断面における大部分の領域が溶接プロセスゾーン内でレーザビームの直接的作用のみによって結合できることを特徴としている。
これにより、高い溶接速度、深い溶け込み効果、僅かな熱影響等のレーザ溶接プロセスの特殊な諸利点を最適に用いることができる。例えば、板厚に依存して0.5m/分より上の溶接速度が達成されることとなる。
これらの利点は、品質要求に対応し、かつその都度適用される溶接法に合せられた開先加工と様々な溶接法とを、本発明によって組合わせることによって実現されることとなる。
ルート層用の第1の溶接領域には隙間に依存してレーザビーム溶接またはレーザアーク複合溶接が用いられ、レーザアーク複合溶接の場合、レーザ溶接の他に好ましくはミグ溶接が用いられる。最大隙間を3mm、有利には、最大隙間を1.5mmより小さくした突合せ継手が、開先加工用として好ましいことが判明している。
溶接継手に対する機械的要求を考慮して冶金学的に好ましい効果が達成されるのは、少なくとも1つの先行溶接層の焼戻し効果が達成されるように、ルート層に続く少なくとも1つの溶接層の溶接速度が調節される場合である。
肉厚が8mm〜15mmの場合、溶接継手は好ましくは2つの溶接領域とそれぞれ1つの溶接層とによって製造される。高い溶接速度で横断面の完全な接続を達成するために第2の溶接領域用の開先加工部は開先角度最大70°でV字形に、またはU字形に形成されており、溶接は有利にはレーザMIG複合溶接として実行される。しかし場合によっては、MIG部分溶接プロセスの代わりに、TIG溶接またはプラズマ溶接を用いると有利であることもある。
肉厚が15mm以上である場合、溶接継手は有利には3つの溶接領域により製造することができ、第1および第2の溶接領域には、肉厚が僅かな場合と同じ開先加工部が設けられ、やはりレーザMIG複合溶接が用いられる。
第3の溶接領域は、U字形またはV字形の開先加工部を有する。V字形の開先の開先角度はこれらの溶接領域では、第2溶接領域のV字形の開先の開先角度よりも小さい。ここでの開先角度は有利には最大60°、または各開先側面で最大30°(ベベル角度)となっている。しかし開先側面に異なるベベル角度を設けることも可能であり、その場合ベベル角度はV字形の開先の非対称な開口部をもたらすこととなる。
この溶接領域は、有利にはレーザMIG複合溶接によって、またはMIG溶接のみによって、1つの溶接層または複数の溶接層によって溶接される。それに加えて、欠陥のない確実な開先側面の溶込みを保証するために溶接時に単数または複数の溶接ヘッドを揺動運動させることが、有利となる場合がある。
例えば、ビームガイド等のプロセス設計を考慮して特別好ましいと実証されているのは、ファイバガイド式のレーザ照射を用いることである。
充填層と仕上げ層の溶接時にレーザ出力を適合すると特別有利であることが判明している。
特にレーザMIG複合溶接時の周知の効果は、レーザビームによりアークに加えることのできる安定化作用である。レーザビームをアークプロセスと組合せることによって、従来の単独のMIG溶接では安定プロセスを達成することのできない幾つかのパラメータの組合せを適用することが可能となる。この効果は、すべての溶接領域にて、経済性と溶接部の品質とに対応してパラメータを最適化するために用いられることとなる。
それに応じて充填層および仕上げ層は、レーザMIG複合溶接によって実行することができ、プロセス総出力の少なくとも10%のレーザ出力がアークを安定させることに用いられることとなる。
溶接部の欠陥を防止することに関する他の肯定的な効果は、レーザビームの操作によって達成することができる。
MIGアークと組合せたレーザビームの本質的な利点は、目標に向けて溶融池または溶接プロセスに供給されるレーザビームのエネルギーにある。
これにより溶接部の欠陥、例えば、不適当な温度分布による融合不良が防止されることとなる。このことは、特に充填層の作製時、相応に不適当な開先のベベル角度に関連して重要であることがある。
それゆえにレーザMIG複合溶接プロセスの内部でレーザ出力を時間的、局所的に変更することによってプロセスの信頼性、または生産性の向上を達成することができる。
特に充填層の製造時にレーザビームの操作によって、プロセスに供給されるレーザビーム出力の空間的、時間的変更を達成することができ、溶接部欠陥、例えば、開先の側面領域における融合不良の発生を減らすことができる。
欠陥を最小化することに関して、レーザアーク複合溶接時の他の肯定的効果を達成することができるのは、供給される総出力のうち溶接継手に供給されるレーザ出力の割合については、第1の溶接領域が第2の溶接領域および/または第3の溶接領域よりも大きい場合である。
正確な溶接位置、すなわち再現可能で品質的に完璧な溶接継手を達成するために、一般的に、管は溶接前に内部の芯出し装置により位置決めされて固定される。
銅当て金として形成される溶融液裏当て装置を使った、例えば、公知のMIG溶接にて用いられる従来の溶融液ルート側の裏当てでは、当て金内の凹部を介して溶融池との直接的接触によってルートが形成される。
しかし、銅当て金はレーザ溶接によって形成されるルートを形成するのに適していない。というのも、供給されるレーザ出力の約15%〜20%のレーザビームが接合部の隙間を透過するので、ルートと銅当て金との接触によって冶金的に不都合な銅溶解が現れるためである。
そのため、本発明によれば、ルート形成が非接触式に行われて、溶融池内での銅吸収が起きないように銅当て金は変更されている。透過するレーザ照射が凹部で反射して、形成するルートへと戻され、ルートと隣接する材料領域が融解し、これにより均一で切欠き部のないルート輪郭が達成されるように銅当て金の凹部は形成されている。
それに加えて、溶接中に銅当て金の凹部をプロセスガスで洗浄すると有利であることがある。プロセスガスは不活性、活性および/または還元性の性質を有することができ、これにより熱伝達が好適に影響され、こうしてルートの均一形状化が促進される。銅当て金は積極的な冷却をすることなく、または冷却して、好ましくは水を与えておくことができる。
こうして銅当て金で反射したレーザ照射は、開先ルートの品質改善の他に、溶接プロセスの付加的な出力向上をもたらすこととなる。
凹部が、例えば、表面の研磨または相応する被覆によって、レーザ照射を強く反射する表面を有すると、特別好ましいことが判明している。
本発明の他の特徴、利点および詳細は以下の図の説明から明らかとなる。
肉厚8mm〜15mmの管用の溶接領域の基本構造を示す。 図1と同じであるが、肉厚は15mm超である。 本発明により銅当て金として構成される溶融池裏当て装置を示す。
図1は、2つの溶接領域を有する肉厚範囲8mm〜15mmの厚肉管を溶接するための本発明に係る方法について、溶接領域の基本構造とY字形の開先として構成された開先加工部とを示す。
図示されるのは、管1,2のうち(ルート層用の)第1の溶接領域に開先加工部3としてI字形の突合せ継手を設けた部分であり、この場合に隙間はほぼゼロとなっている。
ルート層用に用いられるのは隙間に依存して、レーザビーム溶接またはレーザアーク複合溶接であり、レーザアーク複合溶接の場合、レーザ溶接の他に好ましくはMIG溶接が部分プロセスとして適用されることとなる。
肉厚が8mm〜15mmの場合、溶接継手は好ましくはそれぞれ1つの溶接層を有する2つの溶接領域により製造され、第2の溶接層は充填層として役立つ。管の横断面の完全な接続を高い溶接速度で達成するために、第2溶接領域には開先加工部4として、この場合約30°の開先角度10を有するV字形の開先が設けられており、溶接は有利にはレーザMIG複合溶接として実行されることとなる。
肉厚が15mm超の場合、管6,7の溶接継手は有利には3つの溶接領域により製造することができる(図2)。第1溶接領域用の開先加工部3は、やはり隙間をほぼゼロとするI字形の突合せ継手となっている。第2の溶接領域では開先加工部4として開先角度約45°のV字形の開先が設けられており、溶接法としてやはり有利にはレーザMIG複合溶接またはアーク溶接が用いられる。
第3の溶接領域用の開先加工部5は最大20°のベベル角度11でV字形にて実施されている。溶接は有利にはやはりレーザMIG複合溶接またはMIG溶接によって1つの溶接層または複数の溶接層で行われる。
図1および図2では第2溶接領域または第3溶接領域用にV字形の開先加工部4,5が設けられているのではあるが、ここでは選択的にU字形の開先加工部、またはV字形の開先加工部とU字形の開先加工部との組合せも用いることができる。
本発明に係る溶融池裏当て装置が図3に示してある。同じ部材には同じ符号が付けてある。
管1,2の開先加工部と溶接は図1で述べたのと同様に行われ、ここではこれ以上言及しない。
ルート溶接時に図示しない溶融池を支持して形成するために溶接突合せ部の領域で管1,2の内面に溶融池裏当て装置8が用いられており、この溶融池裏当て装置は管の内部に入り込む溶接部のルートを非接触式に受容するための凹部9を有している。
レーザビーム溶接時にルートを透過するレーザ照射が凹部9によって、形成する開先のルートの方向に反射され、こうしてルートの外側造形と冶金的形成に直接作用するように、凹部9は形成されている。
1,2 厚さ範囲を8mm〜15mmとした管
3 第1の溶接領域の開先加工部
4 第2の溶接領域の開先加工部
5 第3の溶接領域の開先加工部
6,7 厚さ範囲を15mmより大きくした管
8 溶融池裏当て用装置
9 凹部
10 第2の溶接領域の開先角度
11 第3の溶接領域のベベル角度

Claims (17)

  1. 厚肉金属加工品、特にレーザビーム溶接、アーク溶接、またはレーザアーク複合溶接を用いて少なくとも2つの溶接層により結合され、かつ8mmより大きな肉厚、特に15mmより大きな肉厚を有する鋼管を溶接によって結合し、前記少なくとも2つの溶接層用の溶接領域にて溶接する前に全面的な接続のために、溶接対象の横断面に開先加工部を設ける方法において、
    溶接継手を作製するために肉厚に依存して横断面に最大3つの前記溶接領域を設け、
    溶接には複数の溶接法を組合せて適用し、
    前記溶接継手に対する厳しい品質要求と高い溶接出力とを考慮して、ルート層用の第1の前記溶接領域を前記レーザビーム溶接または前記レーザアーク複合溶接によって溶接し、
    第2の前記溶接領域を前記レーザアーク複合溶接によって溶接し、
    前記厚肉金属加工品の板厚に依存して場合によっては必要となる第3の前記溶接領域を前記レーザアーク複合溶接または前記アーク溶接によって溶接し、
    前記溶接領域を3つとした場合には、前記第2の溶接領域を前記アーク溶接によって溶接し、
    それぞれ1つの前記溶接層または複数の前記溶接層のための前記溶接領域をシングルヘッドまたはマルチヘッドを用いて作製し、
    前記第1の溶接領域には、最大隙間3mmのI字形の突合せ継手を設け、
    前記第2の溶接領域には、V字形またはU字形の前記開先加工部を設け、
    前記第3の溶接領域には、V字形の前記開先加工部を設ける場合に前記第2の溶接領域における前記V字形の開先加工部と比較して角度を小さくしたV字形またはU字形の前記開先加工部を設けるように、開先加工を溶接の都度適用する溶接法に合せて実施し、
    前記レーザアーク複合溶接を用いる場合には、瞬間的な溶接出力のうちレーザの出力割合を少なくとも10%とすることを特徴とする方法。
  2. 前記アーク溶接にはミグ溶接が用いられることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記ミグ溶接にはパルスアーク溶接が用いられることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 前記アーク溶接にはティグ溶接が用いられることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  5. 前記アーク溶接にはプラズマ溶接が用いられることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  6. 最後に溶接する前記溶接領域が、ミグ溶接またはレーザアーク複合溶接によって溶接されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つのルート層に続く層の溶接速度が、少なくとも1つの先行溶接層の焼戻し効果を達成するように、調節されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記突合せ継手の溶接領域における隙間の最大値が1.5mmとなっていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 数キロワットの範囲内にあるビーム出力範囲を有する固体レーザまたはファイバレーザが、前記レーザビームの源として用いられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. レーザガイド式の溶接を実施する場合に、前記溶接の溶接速度が0.5m/分を超えるように設定されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記ルート層に対する前記レーザ溶接または前記レーザアーク複合溶接を実施する前に溶融池の裏当てのために、前記ルート層の溶接領域を形成する非接触式の装置が用いられ、前記装置では、前記レーザ溶接時に前記ルート層の溶接領域を透過するレーザビームが、前記装置に設けられた凹部によって、前記作製する開先におけるルート層の溶接領域の方向に反射する構成となっていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
  12. 前記溶接中に前記凹部がプロセスガスにより洗浄されることを特徴とする、請求項11記載の方法。
  13. 前記プロセスガスが不活性、活性および/または還元性の性質を有することを特徴とする、請求項12記載の方法。
  14. 前記第2の溶接領域における前記V字形の開先加工部を加工する時に、その開先角度が最大70°となっていることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  15. 前記第3の溶接領域における前記V字形の開先加工部を加工する時に、そのベベル角度が各側で最大30°となっていることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  16. 前記溶接対象の鋼管の末端における前記ベベル角度が各側で異なっていることを特徴とする、請求項15記載の方法。
  17. 前記レーザアーク複合溶接の時、供給される総出力のうち前記溶接継手に供給されるレーザ出力の割合について、前記第1の溶接領域は前記第2の溶接領域および/または前記第3の溶接領域よりも大きくなっていることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
JP2010513644A 2007-06-26 2008-06-26 厚肉金属加工品を溶接によって結合する方法 Active JP5519494B2 (ja)

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