JP5137468B2 - 炭酸ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ - Google Patents

炭酸ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ Download PDF

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Description

本発明は軟鋼又は490乃至520N/mm級高張力鋼を炭酸ガスシールドアーク溶接する際に、高能率で、かつ機械的性能が優れた溶接金属が得られる炭酸ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤに関する。
近時、建築鉄骨分野では、炭酸ガス(CO)をシールドガスとするガスシールドアーク溶接法が、その高能率性の利点から主力で使用されている。溶接品質面において耐震性向上を主眼として溶接継手部の性能向上をはかるべく、1996年の建築工事標準仕様書JASS6改定、1999年の建築基準法改定において溶接時の入熱・パス間温度に上限管理が規定された。この動向を受けて溶接ワイヤも490N/mm級鋼板に対して最大入熱40kJ/cm、パス間温度350℃まで許容できる、あるいは520N/mm級鋼板に対しては最大入熱30kJ/cm,パス間温度250℃まで許容できるものとして大入熱・高パス間温度対応ワイヤが開発され、1999年に540N/mm級としてJIS化された。以後、今日まで従来ワイヤよりも大入熱・高パス間温度でも優れた機械的性能が得られる540N/mm級ワイヤは急速に普及している。特に、ロボット溶接と異なり、入熱、パス間温度管理が困難な人手による半自動溶接の分野では熱管理の許容範囲が広い540N/mm級ワイヤの普及は目覚ましい。
これまでに開発された炭酸ガス溶接用大電流・高パス間温度対応ワイヤとしては、特許文献1乃至13に開示されたものがある。
これらは全般的にSi,Mn,Tiといった脱酸成分を従来ワイヤよりも多く含有し、かつMo,B,Cr,Al,Nb,V,Ni等を必要に応じて添加しているのが特徴である。これによって、鋼の焼入れ性を高め、結晶粒微細化による靱性の向上とさらに析出硬化及び固溶硬化の作用を合わせることにより強度も高めている。この種のワイヤは開先幅が大きくなり、パス間温度が高くなる板厚の大きい鋼板ほど顕著に効果がある。
特開平10−230387号 特開平11−90678号 特開2001−287086号 特開2002−321087号 特開2002−346789号 特開2002−79395号 特開2002−103082号 特開2003−119550号 特開2003−136281号 特開2004−202572号 特開2004−237361号 特開2004−98143号 特開2006−289395号
鉄骨建築業界にパス間温度管理が導入された当初は、規定の温度に到達すると、冷却するまで待ち時間が発生し、スラグが堆積しても余裕を持ってチッパーなどの工具によりスラグ除去を行うことができた。そのため、これまで開発されてきた540N/mm級の炭酸ガス溶接用大電流・高パス間温度対応ワイヤは、スラグの剥離性を考慮に入れられていなかった。しかし、近年は一人の溶接作業者が多数の溶接継手を同時に担当し、規定の温度に到達すると、別の溶接継手に移動して溶接を行い、前継手はその間に冷却されるという手法が開発、普及してきた。このように待ち時間がほとんど消失すると、これまで問題とされてこなかった大電流・高パス間温度対応ワイヤの多量なスラグ発生量およびその劣悪な剥離性が能率を低下させる大きな問題として認識され始めた。そこで、この問題を解決すべく、最大入熱40kJ/cm・最高パス間温度350℃の条件で490N/mm級鋼に必要十分な機械的性能、又は最大入熱30kJ/cm・最高パス間温度250℃の条件で520N/mm級鋼に必要十分な機械的性能を有し、かつスラグの剥離性が良好であるという付加性能を付与した高能率な溶接ワイヤの要望が出され、その開発がされてきている。
しかし、最近はさらに540N/mm級ワイヤの普及と共に新たな要望が出されつつある。
既述のとおり、大入熱高パス間温度対応ワイヤは板厚の大きい鋼板ほど顕著に効果がある。このため、以前は入熱及びパス間温度が共にあまり上がらない20mm以下の比較的薄い板厚では、コストの観点から、昔から使われていた490N/mm級=YGWIIが必要十分と考えられて適用されており、板厚が厚い場合は540N/mm級=YGW18と使い分けられていたが、最近は交換が面倒であること、540N/mm級ワイヤの普及でワイヤコストが490N/mm級との差が縮小したこと、耐震性向上の観点で建築構造設計者が高強度化指向を強めていることなどの理由により、薄板の鋼板にも当然のように540N/mm級ワイヤが適用されるようになってきた。しかし、これによって2つの問題が起きている。
一つ目の問題点は、開先面積が小さいため、入熱が25kJ/cm程度までしか上がらない場合があり、かつパス数も少ないのでパス間温度が200℃程度までしか上昇しないうちに溶接を終えてしまう。つまり、低入熱・低パス間温度の冷却速度過剩条件となり、これまでの540N/mm級ワイヤではフェライト組織のままでの微細化ではなく、ベイナイト組織又はマルテンサイト組織への組織変態を起こし、逆に靭性が低くなる。
二つ目の問題点は、開先面積が小さくなることで相対的に裏当金の母材希釈率が上昇し、その組成の影響を受けやすくなる。現在、裏当金は低価格で窒素含有量が多い低品質の鋼板が使われることが多く、溶接金属への窒素含有量の増加によって靱性が低下してしまう。
更に、スラグ剥離性についても、ロボット溶接では、スラグ剥離性が良好であることは好ましい条件であるのに対し、人手による半自動溶接においては、過剰なスラグ剥離性はスラグが剥離する際に勢いよく飛んで作業者の目などに入りやすいため、問題となる。
また、スラグ量についても過剰に減らしてしまうことは問題があることがわかってきた。半自動溶接は作業者個人の間の技量の差が大きく、技量が低い溶接者は極めて高い溶接電流を使用し、過剰なウィービングを行い、又は1パスあたりの溶着量を過剰に増やしてしまうなどの原因により、溶融池のシールド性を悪化させ、ブローホールなどの気孔欠陥を発生させてしまうことがある。このため、スラグ量を過剰に減らしてしまうと、溶融池がスラグの保護を受けることが無くなり、ガス雰囲気に曝されてシールド性が低下し、より耐気孔欠陥性を劣化させてしまうことになる。このため、技量差だけでなく、溶融池への風の影響も受けやすくなる。
このような背景の基で、以下の条件を達成し得る溶接ワイヤの開発が要望されている。
(1)軟鋼又は490乃至520N/mm級高張力鋼を炭酸ガスシールドアーク溶接する際に使用するのに適した540N/mm級ワイヤ(=YGW18)としての基本的な機械的性質を有する。
(2)板厚が厚い場合は勿論のこと、薄い場合においても、裏当て材の組成の影響を受けずに、溶接部の強度と靱性が良好である。
(3)半自動溶接用に、溶接能率(剥離性良いほど高能率)と安全(剥離性が悪いほど安全)の観点からスラグの剥離性を適度にする。
(4)半自動溶接の技量の差又は多少の風量の変動などで溶接金属の性能に大きな影響を与えぬように、スラグの量を適度にする。なお、スラグ量が多いほど機械的性能が安定し、スラグ量が少ないほど高能率になる。
本願発明者は、従来の540N/mm級ワイヤを基本に改良を施し、上記目的を達成できる炭酸ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤを完成したものである。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、540N/mm級ワイヤ(=YGW18)としての実用性が高く、強度及び靭性が優れた溶接部を得ることができ、適度なスラグ量で適度なスラグ剥離性を有する炭酸ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る炭酸ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤは、C:0.00乃至0.070質量%、Si:0.85乃至1.10質量%、Mn:1.50乃至1.74質量%、P:0.005乃至0.018質量%、S:0.006質量%以下、Ti:0.18乃至0.30質量%、B:0.0015乃至0.0060質量%、Mo:0.08質量%以下、O:0.0100質量%以下、Cu(周面に銅メッキを有する場合はこのメッキ分を含む):0.45質量%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物であり、パラメータX(質量%)を、C,Si、Mn及びBの含有量を基にX=C+Si/24+Mn/6+B×30で定義した場合に、Xが0.380乃至0.600であり、ワイヤ表面にMoSがワイヤ10kg当たり、0.01乃至1.00g存在することを特徴とする。
この炭酸ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤにおいて、更に、Nb:0.08質量%以下、V:0.08質量%以下、Al:0.08質量%以下、Cr:0.50質量%以下及びNi:0.50質量%以下からなる群から選択された1種以上の元素を含有することができる。この場合は、前記パラメータXは、更に、Ni,Mo,V、Nb及びAlの含有量(含有しない元素は、0として)を加えて、前述のX の代わりに、(質量%)=C+Si/24+Mn/6+B×30+Ni/20+Cr/20+Mo/4+V/14+Nb/14+Al/20として定義した場合、このパラメータXが0.380乃至0.600である。
本発明によれば、強度及び靭性が優れた溶接部を形成でき、スラグ量及びスラグ剥離性が適度であり、540N/mm級ワイヤ(=YGW18)として優れた特性を有する炭酸ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤを得ることができる。
本発明者等は、540N/mm級ワイヤ(=YGW18)の溶接スラグに関する研究を重ね、その特性に対する影響要因を明らかにした。即ち、溶接スラグの生成量は強脱酸成分のうち、Mn、Ti、及びO量と最も強い関係があり、これらの含有量の増大に伴い、スラグ生成量が増加する。また、薄板溶接の際に、粗悪品質の裏当金を用いた場合には、含有窒素が溶接金属の靭性を低下させるが、Tiが多いほうがTiNとして固定化し、靱性向上に寄与する。換言すれば、Ti量が少ないと薄板の場合には靭性劣化がおきやすい。一方、Tiが過剰に少なくなると、溶滴移行が大粒のグロビュール移行から小粒の短絡移行に変化し、飛散距離が長く、多量のスパッタが発生する。ロボットであれば、さほど問題にならないが、半自動溶接では、極めて大きな問題となり、頻繁にトーチノズル清掃を実施する必要があるため、溶接能率が低下する。また、スラグの大幅減少はシールド不良を招きやすくなる。
スラグの剥離性は、溶融状態におけるスラグ/溶接金属間の界面エネルギー、凝固後のスラグ自体の強度、溶接金属表面の凹凸、つまり物理的高低差、及びその高低部位生成頻度との間に、強い関係があり、Mn,Tiの増加、及びPの減少により、スラグ剥離性は低下する。一方、これらの得られた知見に基づき、スラグ生成量低減と剥離性向上技術を過剰に追求すると、強度及び靭性といった機械的性能の不安定化と、剥離スラグによる溶接時の安全性低下、溶接金属の高温割れ発生といった短所が生じやすくなる。
Moは溶接金属の高強度化を図ることができる元素として有名であり、JIS Z3312 YGW18規格でも、0.40質量%以下の上限規定で添加が許容されているが、薄板の低入熱・低パス間温度条件では、Moの添加によって、溶接金属が過剰焼入れとなって脆化する。更に加えて、Moの添加は、高窒素量の粗悪な裏当金との組合せにより、溶接金属の著しい低靱性化が顕著となる。従って、厚板側での機械的性能の余裕代が少なくなるものの、板厚12mm程度の薄板から板厚80mm程度の厚板まで高靱性が得られるワイヤとして、むしろMoはできるだけ少ないほうが良く、無添加が望ましいことがわかった。
その他のワイヤ成分以外の要因として、ワイヤ送給の不安定が生じると、溶融池形成が乱れ、生成されたスラグの厚さが不均一となり、スラグ剥離性を劣化させることも知見した。
次に、本発明の炭酸ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤの成分添加理由及び組成限定理由について説明する。
「C:0.020乃至0.070質量%」
Cは強度を確保する為に重要な添加元素であるが、0.020質量%未満では厚板溶接時の大入熱・高パス間温度溶接条件において必要強度を確保できない。望ましくは0.040質量%以上である。一方、Cを過剰に添加すると高温割れが発生しやすくなる。また、アーク雰囲気中においてCO爆発現象によりスパッタ発生量も増加し、アーク安定性が劣化する。薄板溶接時の低入熱.低パス間温度溶接条件において過剰強度になって、靱性が逆に低下する。0.070質量%を超えるとこれらの効果が顕著になるため、上限は0.070質量%とする。なお望ましくは0.060質量%以下である。
「Si:0.70乃至1.10質量%」
Siは強度確保と脱酸による気孔欠陥防止のために主に添加する。多量に添加するとスラグ量が増えるもののスラグ剥離性は向上させる効果があり、これらの効果は0.70質量%以上で有効である。これ未満では剥離性が悪く、能率低下とアーク不安定になる。さらに好ましい下限は0.85質量%である。一方、Siを1.10質量%を超えて過剰添加すると、スラグ量が過剰となり、アーク安定性が劣化すると共に、靭性が低下する。剥離性が過剰となり、半自動溶接時の安全性も低下する。従って、1.10質量%をSiの上限とする。
「Mn:1.50乃至1.74質量%」
Mnは脱酸、強度上昇、高靱性を得る効果がある。一般的な大入熱用ワイヤはMnを多く含有するものが多いが、一方でMnはスラグの生成量を増大し、かつ剥離性も劣化させる。1.50質量%未満では靱性や厚板溶接時の強度が不足する。スラグ量が過少なため、技量不足の溶接者ではシールド不足と溶接金属の性能不足を招くおそれがある。スラグ剥離性が過剰となり、半自動溶接時の安全性も低下する。従って、1.50質量%をMnの下限とする。一方、1.74質量%を超えての添加はスラグ値の増大と剥離性低下によるアーク安定性劣化と能率の低下となる。また、薄板溶接時の低入熱・低パス間温度溶接条件において過剰強度になって、靱性が逆に低下する。したがって、1.74質量%をMnの上限とする。更に望ましくは、1.70質量%以下である。
「Ti:0.18乃至0.30質量%」
Tiは高電流域での大粒の溶滴移行と安定性を向上し、スラグ膜を形成する主要成分である。0.18質量%未満では、半自動溶接で使われる直径1.4mmのワイヤの場合に、400A以上の高い電流域において顕著にアーク安定性が劣化し、スパッタ発生量が増加して除去作業のため能率が低下する。また、スラグ量が不足し、技量不足の溶接者ではシールド不足と溶接金属の性能不足を招く恐れがある。風の影響も受けやすくなる。スラグ剥離性が過剰となり、半自動溶接時の安全性も低下する。一方、0.30質量%を超えて添加するとスラグ量が過剩に多くなり、スラグ量の増大と剥離性低下によるアーク安定性劣化と能率の低下となる。よって、上限を0.30質量%以下とする。望ましくは0.23質量%以下である。
「Mo:0.08質量%以下」
Moは一般に焼入れ性を向上し、溶接金属の強度を上昇させるが、一方で薄板になるほど過剰強度による低靱性化をもたらす。さらには高窒素量の粗悪な裏当金との組合せにより著しく低靱性化が顕著となる。したがって、板厚12mm程度の薄板から板厚80mm程度の厚板まで高靭性が得られるワイヤとしてむしろMoは出来るだけ少ないほうが良く、無添加が望ましい。ただ、不純物としての許容上限は0.08質量%であり、これを超えると靱性低下が著しくなる。より好ましくは0.01質量%未満である。
「P:0.005乃至0.018質量%」
P添加により溶融池の表面張力が低下し、凝固時の物理的凹凸を減少して滑らかにさせる効果がある。これにより、スラグ剥離性の向上効果がある。P:0.005質量%未満ではこの効果は現れず、剥離性が悪いことに起因して能率低下とアーク不安定になる。従って、Pの下限は0.005質量%以上である。一方、P:0.018質量%を越えての添加は剥離過剰となって半自動溶接時の安全性が低下する。更に、溶接金属に高温割れが発生しやすくなる。靱性も低下する。したがって、Pの上限はP:0.018質量%である。
「S:0.010質量%以下」
Sは、Pと同様に、溶融池の表面張力が低下し、凝固時の物理的凹凸を減少して滑らかにさせてスラグ剥離性向上効果が得られるが、少量の添加で顕著に剥離性が向上し安全性が低下するとともに、靱性低下の欠点が著しい。このため、本発明では、Sは積極的には添加せず、不純物元素である。また、Sは多量に含有すると、高温割れも生じる。不純物として、Sは0.010質量%以下に抑制すると、これらの欠点が生じないので、0.010質量%を上限とする。なお、好ましくは、溶製時の脱硫を強めて、Sを0.006質量%以下に制限する。
「B:0.0015乃至0.0060質量%」
Bは少量の添加で溶接金属の結晶粒の微細化による強度と靱性を向上させる効果がある。B無添加のYGW18ワイヤもあるが、比較的薄板では高窒素の裏当金からの窒素分混入を考慮すると、特に靱性向上のためにはB添加必須である。Bが0.0015質量%未満では靱性と特に厚板適用時の強度の向上効果は現れず不足するのでこれを下限とする。一方、0.0060質量%を超えて過剰に添加すると薄板適用時に逆に過剩強度による低靱性化をもたらす。また、高温割れが発生しやすくなる。従って、これを上限とする。より好ましくは0.0035質量%以下である。
「O:0.0100質量%以下」
スラグは酸化物である。従って、O量が増加すると化学反応によって生じるスラグ生成量も増加する。その結果ア一ク安定性が劣化とともに除去作業増加で能率が低下する。また、介在物増加により靱性劣化し、高温割れも発生しやすくなる。0.0100質量%以下であれば通常問題ないので、Oは0.0100質量%以下に規制する。なお、Oはその分布、つまり線材のバルク、表面などの位置は無関係であり、総合計である。
「Cu:0.45質量%以下」
Cuは過剰添加で高温割れを発生させやすくなると共に、スラグの性質を変化させて剥離性を劣化させる。その結果、アーク安定性が劣化する。素線として積極添加させる意味はなく、通電性、耐錆性、伸線性、意匠性改善のために施される銅めっき分としての量がほとんどである。0.45質量%を超えると、高温割れ及びスラグ剥離性が問題となるので、上限は0.45質量%とする。なお、Cuは線材自体に含まれるものだけではなく、周面に銅めっきしてあるワイヤでは、めっき分も含めた含有量である。
「Nb、V、Al;夫々0.08質量%以下、Cr、Ni;夫々0.50質量%以下」
Nb、V、Al、Cr、Niはその少量添加で結晶粒を微細にし、靱性を向上させる。しかし、Nb、V、Alは0.08質量%を超えて、Cr、Niは0.50質量%を超えて添加するとスラグ量の増加と剥離性低下が起こり、除去作業増加で能率が低下し、かつア一ク不安定化する。更に、溶接金属も薄板適用時に過剰強度による低靱性化をもたらす。従って、Nb、V、Alは0.08質量%を上限、Cr、Niは0.50質量%を上限とする。なお、Nb、V、Alについてはさらに好ましい範囲として0.020質量%を上限とする。Cr、Niについてはさらに好ましい範囲として0.10質量%を上限とする。
「パラメータX(質量%);0.380乃至0.600」
但し、パラメータXは下記数式で定義される。
選択成分を含まない請求項1のワイヤの場合:
=C+Si/24+Mn/6+B×30
選択成分を含む請求項2のワイヤの場合:
=C+Si/24+Mn/6+B×30+Ni/20+Cr/20+Mo/4+V/14+Nb/14+Al/20
このパラメータXは、B添加溶接金属の焼入れ性を表すために独自に見出した変数であり、溶接ワイヤ成分から計算される。運用としては、式を構成するC,Si,Mn,B,Ni,Cr,Mo,V,Nb,Alの各元素が積極添加あるいは不純物によらず検出される場合は計算に入れ、逆に分析下限以下の実質無添加とみなされる量の場合は0として除外する。パラメータXが小さいほど、得られる溶接金属の焼入れ性が低いことを示す。パラメータXが0.380質量%未満の場合は、靱性と特に厚板適用時の大入熱・高パス間温度条件において、強度が不足する。このため、パラメータXの下限値は、0.380質量%とする。一方、パラメータXが0.600質量%を超えると、焼入れ性過剰により、薄板の低入熱・低パス間温度条件への適用時に、逆に過剰強度による低靱性化をもたらす。このため、パラメータX(質量%)は0.380乃至0.600とする。
「ワイヤ表面のMoS:ワイヤ10kg当たり0.01乃至1.00g」
ワイヤ送給性もスラグ剥離性に大きな影響を及ぼす。ワイヤ送給が安定することにより溶融池形成もまた安定となり、生成されたスラグの厚さが均一となって、熱収縮の歪が均一に作用することにより、全面剥離しやすくなる。ワイヤ表面のMoSはチップ・ワイヤ間の給電点における融着を低下し、ワイヤ送給性向上につながる。既存のワイヤ表面の粒界に沿って過剰酸化させる方法によるワイヤ送給性向上手段では、酸素量が過剰になってスラグ量増大の欠点があるなど、MoS塗布手段は他の手段に比べてスラグ量増大等に及ぼすおそれがないため、本発明のワイヤのワイヤ送給性向上手段として好適である。この効果はワイヤ10kgあたり0.01g以上の付着で有効である。一方、ワイヤ10kgあたり1.00g以上付着させると、送給系内への堆積が始まり、逆に詰まることによる送給不良が発生し、スラグ性状に影響を及ぼして、剥離性を低下させることになる。その結果、アーク安定性が劣化する。従って、ワイヤ表面のMoSは、ワイヤ10kgあたり1.00gを上限値とする。
鉄骨造の柱スキンプレート/梁フランジ継手を模擬し、図1に示す開先形状を持つ溶接試験体を用いて、表1に示す溶接条件で、所謂半自動溶接法で溶接を行った。溶接場所は屋外であり、0.5乃至0.8m/秒の安定した風が吹いている環境であった。用いた柱材、梁材、裏当金の成分を下記表2,表3に示す。柱材と梁材は高炉メーカー製であるのに対し、裏当金は市販の電炉メーカー製であり、著しく窒素含有量が高く溶接性が劣るものである。なお、非溶接体で、歪防止のために取り付ける拘束板は板厚25mmの柱材と同一材を用いている。
そして、溶接終了後のスラグの剥離性をデジタル画像処理により算出し(試験1)、スラグ量の計測(試験2)、溶接金属の強度と靱性の指標として引張試験とシャルピ衝撃試験(試験3)を実施した。また、溶接中のアークの安定性(試験4)と、スパッタ発生量(試験5)も記録した。更に、割れの発生を超音波深傷試験にて調べた(試験6)。発明ワイヤ成分と比較成分、及びこれらの溶接試験結果を、下記表4に示す。なお、表4の化学成分で「<0.***」としているのは一般的な分析下限未満の値であることを示し、工業的には含有していないものである。
次に、試験1のスラグの剥離性評価方法について説明する。剥離性とスラグ量の評価は梁材の板厚が薄い条件1でのみ計測した。なお、条件1で良好だった溶接ワイヤは、条件2でも同じく良好であることを確認している。定量評価方法として自然剥離性を評価した。溶接完了後、図1(A)、(B)、(C)に示す一般的なパス間温度測定位置における鋼板表面温度が250℃まで冷却した時点でビード外観を写真撮影した。図1(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は斜視図である。符号1は柱スキンプレート、符号2は梁フランジ、符号3は拘束板、符号4はエンドタブ、符号5は裏当金である。
次に、そのビード外観写真を(a)スラグが自然剥離した部分と(b)スラグが付着したままの部分に2値化する。画像解析ソフトによりそれぞれのピクセルの合計を計算し、(a)/((a)+(b))×100でスラグ剥離率(質量%)を求めた。スラグ剥離率が高能率性の観点から下限を5質量%、安全性確保の点から上限15質量%の範囲をスラグ剥離性良好と判定した。
次に、試験2のスラグ量については、ビード外観写真撮影後に自然剥離したものも含めて全てのスラグを回収し、重量測定したものである。機械的性能安定性の点から下限を5g、高能率性の観点から上限を8gの範囲を、スラグ量良好と判定した。
次に、試験3の溶接金属の引張試験とシャルピ衝撃試験は、条件1,2夫々においてJISZ3111のA2号(平行部直径6mm)及び標準試験片(10mm角)を、図2及び図3に示す位置より採取し、試験に供した。なお、引張試験は室温の20℃、シャルビー衝撃試験は0℃、3本平均を評価値とした。引張強さが490N/mm以上、シャルビー衝撃試験が平均70J以上を合格とした。
試験4のアーク安定性は溶接中の官能評価によるもので、特にスラグがアークの発生を邪魔し、乱すことがなかった場合、又は溶滴移行が乱れてスパッタを多量に発生することがなかった場合を良好と判断した。なお、ワイヤ送給不良に起因するアークの乱れが生じた場合も不合格とした。
試験5のスパッタ発生量は条件1における溶接終了後にシールドノズルに付着したスパッタを回収し、重量測定したものである。スパッタ発生量が12g以下を良好と判定した。
下記表1は溶接条件を示し、表2は鋼板の組み合わせを示し、表3は鋼板及び裏当金の化学組成(質量%)を示す。
Figure 0005137468
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下記表4は各ワイヤの組成(質量%、MoSのみ単位はg/ワイヤ10kg)を示し、表5は試験結果を示す。表4及び表5に示すように、実施例No.2,7,10,1,20は本発明例であり、各成分の含有量が本発明範囲にあるので、スラグの剥離性、スラグ量、溶接金属の強度、靱性、アークの安定性、低スパッタ性、及び耐割れ性が全て良好であり、優れた溶接作業性と板厚によらず安定した機械的性質の溶接金属が得られている。
一方、比較例No.21乃至50は本発明の範囲から外れるものである。比較例No.21はCが過少であり、厚板溶接時に溶接金属の強度が不足した。比較例
No.22はCが過剩であり溶接金属に高温割れが発生、薄板溶接時に過剰強度で低靱性化、スパッタも多くアーク安定性が悪くシールドノズル詰まりが生じやすいため連続溶接性が劣化した。比較例No.23はSiが過少であり厚板溶接時に溶接金属の強度が不足し、スラグ剥離性も悪くスラグが邪魔でアーク不安定となり、連続溶接性が劣化した。比較例No.24はSiが過剰であり溶接金属の靭性が不足し、スラグ量が過剰で邪魔となりアーク不安定となって連続溶接性が劣化した。さらにスラグ剥離性が過剰で飛散スラグが安全面から危険であった。
比較例No.25はTiが過少でありスパッタ発生量が多くアーク安定性が劣り、シールドノズル詰まりが生じやすいため連続溶接性が劣化した。裏当金から流入する窒素分に加え、スラグ量が過少な為、溶融池のシールド性が悪く、大気中窒素の巻込みによって靱性が低下した。また、スラグ剥離性が過剰で飛散スラグが安全面から危険であった。比較例No.26はTiが過剰でありスラグ量が多く、剥離性も悪かった。スラグが邪魔でアーク不安定となり、連続溶接性が劣化した。比較例No.27はMnが過少であり厚板溶接時の溶接金属の引張強さが低かった。スラグ量が過少であるため、溶融池のシールド性が悪く、大気中窒素の巻込みによって靭性が低下した。また、スラグ剥離性が過剰で飛散スラグが安全面から危険であった。
比較例No.28はMnが過剰であり、スラグ量が多く、剥離性も悪かった。スラグが邪魔でアーク不安定となり、連続溶接性が劣化した。薄板溶接時に過剰強度で低靱性化した。比較例No.29はMoが過剰であり、薄板溶接時に過剰強度により靭性が劣化した。比較例No.30はMoがさらに過剰であり、薄板溶接時のみならず厚板溶接時にも過剰強度により靭性が劣化した。比較例No.31,32はSが過剰であり、靱性が低いと共に高温割れも発生した。また、スラグ剥離性が過剰で飛散スラグが安全面から危険であった。比較例No.33はOが過剩であり、スラグ量が増加した。アークの安定性を損ない連続溶接性が劣化した。溶接金属中の介在物が過剰となって高温割れが発生し、靭性も低下した。
比較例No.34はPが過少であり、スラグの剥離性が悪く、スラグが邪魔でアーク不安定となり、連続溶接性が劣化した。比較例No.35はPが過剰であり、靱性が低いと共に高温割れも発生した。スラグ剥離性が過剰で飛散スラグが安全面から危険であった。比較例No.36はCuが過剰であり、高温割れが発生すると共にスラグ剥離性も悪く、スラグが邪魔でアーク不安定となり、連続溶接性が劣化した。比較例No.37はBが不足しており、厚板溶接時の強度、および板厚によらず靭性が不足した。比較例No.38はBが過剰であり、高温割れが発生した。また、薄板溶接時に過剰強度により靭性が劣化した。比較例No.39乃至No.43は夫々Nb,V,Al,Cr,Niが過剰であり、スラグ量が増加して剥離性も低下した。スラグが邪魔でアーク不安定となり、連続溶接性が劣化した。薄板溶接時に強度過剰となり靱性も低下した。
比較例No.44はMoS付着量が過剰であり、コンジットライナー等の送給系にMoSが堆積して詰まり、ワイヤ送給が非常に不安定となった。その結果、アーク安定性が損なわれ、スラグ分布が不均一化して悪影響を及ぼし、剥離性が低下した。スパッタ量も増加した。比較例No.45はMn,Oが過剰である。スラグ量増加と剥離性低下が著しく、スラグが邪魔でアーク不安定となり、連続溶接性が劣化した。溶接金属中の酸化物が介在物となって靱性が低下、割れも発生した。比較例No.46はSi過少、Mo、Bが過剰である。Si不足の為スラグ剥離性が悪く、スラグが邪魔でアーク不安定となり、連続溶接性が劣化した。Bが過剰なため高温割れが発生した。更に、Mo,Bが過剰なため薄板溶接時に過剰強度となって靭性が劣化した。比較例No.47はC、Mn、Sが過剰である。Mn過剰のためスラグ量増加と剥離性が低下し、スラグが邪魔でアーク不安定となり、連続溶接性が劣化した。C、Sが高いため高温割れが発生した。C、Mn過剰による強度過剰とS過剰により靭性も低かった。C過剰のためスパッタ発生量も多かった。
比較例No.48はTi、Mn、Mo、S、及びBが過剰であり、パラメータXが大きすぎたため、スラグ量増加と剥離性低下が著しく、スラグが邪魔でアーク不安定となり、連続溶接性が劣化した。焼入れ性過剰で強度が著しく高い為、薄板溶接のみならず厚板溶接時にも強度過剰で靱性が低下した。SとBが高い為高温割れも発生した。比較例No.49は490MPa級と呼ばれるJIS Z3312 YGW11規格のワイヤの一例であり、S過剩、B不足である。靱性が不足し、厚板溶接時には強度も不足した。スラグ剥離性が過剩で飛散スラグが安全面から危険であった。比較例No.50はMn、Moが過剰である。スラグ量増加と剥離性低下が著しく、スラグが邪魔でアーク不安定となり、連続溶接性が劣化した。薄板溶接時に過剰強度となって靭性が劣化した。比較例No.51は各元素の含有量は規定を満足するものの、Xが不足している。焼入れ性不足の為、靱性が不足し、厚板溶接時には強度も不足した。比較例No.52はNo.49と同様に490MPa級と呼ばれるJIS Z3312 YGW11規格のワイヤの典型例であり、S過剰、B不足である。靭性が不足し、厚板溶接時には強度も不足した。スラグ剥離性が過剰で飛散スラグが安全面から危険であった。比較例No.53は各元素の含有量は規定を満足するものの、Xが過剰である。焼入れ性過剰なため、薄板溶接時に過剰強度となって靱性が劣化した。








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溶接試験体形状と開先形状を示す図である。 溶接金属引張試験片の採取位置を示す図である。 溶接金属シャルピ衝撃試験片の採取位置を示す図である。
符号の説明
1:柱スキンプレート
2:梁フランジ
3:拘束板
4:エンドタブ
5:裏当金

Claims (2)

  1. C:0.00乃至0.070質量%、Si:0.85乃至1.10質量%、Mn:1.50乃至1.74質量%、P:0.005乃至0.018質量%、S:0.006質量%以下、Ti:0.18乃至0.30質量%、B:0.0015乃至0.0060質量%、Mo:0.08質量%以下、O:0.0100質量%以下、Cu(周面に銅メッキを有する場合はこのメッキ分を含む):0.45質量%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物であり、パラメータX(質量%)を、C,Si、Mn及びBの含有量を基にX=C+Si/24+Mn/6+B×30で定義した場合に、Xが0.380乃至0.600であり、ワイヤ表面にMoSがワイヤ10kg当たり、0.01乃至1.00g存在することを特徴とする炭酸ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ。
  2. 更に、Nb:0.08質量%以下、V:0.08質量%以下、Al:0.08質量%以下、Cr:0.50質量%以下及びNi:0.50質量%以下からなる群から選択された1種以上の元素を含有し、前記パラメータX(質量%)は、更に、Ni,Mo,V、Nb及びAlの含有量(含有しない元素は、0として)を加えて、請求項1のX の代わりに、=C+Si/24+Mn/6+B×30+Ni/20+Cr/20+Mo/4+V/14+Nb/14+Al/20として定義した場合、このパラメータXが0.380乃至0.600であることを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ。
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