JPH10216824A - 高温鋼板の冷却装置 - Google Patents
高温鋼板の冷却装置Info
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Abstract
その板幅方向両端部の過冷却を防止し、冷却むらが生ず
ることなく均一に鋼板を冷却する。 【解決手段】 熱間圧延された高温の鋼板1を挟んで、
その上下に1対の拘束ロール2,3が一定ピッチで複数
組設けられ、その上ロール下流側には鋼板1の上面に向
け冷却水を噴射するためのスリットノズル4が鋼板の板
幅方向に設けられている冷却装置において、スリットノ
ズル4の噴出口付近に、スリットノズルから一定間隔を
あけ、鋼板の板幅方向に位置する水流制御体が、スリッ
トノズルの長さ方向に移動可能に設けられている。
Description
高温鋼板を板幅方向に均一に冷却するための高温鋼板の
冷却装置に関するものである。
延直後の水冷中に、温度分布や鋼板の形状または表面状
態の相違に起因して冷却むらが生じ、生成した冷却むら
のために、冷却後の鋼板に、変形、残留応力、材質のバ
ラツキなどの発生や、鋼板の変形による操業上のトラブ
ルが生じやすい。更に、鋼板が変形した場合には、圧延
後の精整工程においてプレスや矯正機等による成形作業
が必要になるために、コスト高になることが避けられな
かった。
に冷却するための装置や方法が従来から種々提案されて
いる。圧延後の高温の鋼板をオンラインで移送しながら
冷却する手段としては、水平に移送される鋼板の上下面
に対し、その板幅方向に冷却水を噴射して冷却すること
が一般的である。
幅方向両端部の温度が中央部の温度よりも低い温度分布
を有している。このような温度分布を是正するために
は、板幅方向両端部に対する冷却効果が、その中央部に
対する冷却効果よりも低くなるように冷却能を制御する
ことが必要である。
衝突後の冷却水は重力によって直ちに流下するので、冷
却水を板幅方向両端部に当たらないように制御すれば、
鋼板下面両端部の温度低下を防止することができる。
しては、上面に噴射された冷却水が、鋼板上面上を板幅
方向に流れ最終的には鋼板両端部から流出するので、鋼
板上面の板幅方向両端部が過冷却になることは避けられ
なかった。
両端部に過冷却が生じないように制御する手段につい
て、従来から種々研究されており、例えば、次のような
技術が開示されている。
プレー水を使用して、鋼板上の滞留水を誘導し排除する
(以下、先行技術1という)。
5号:底板の吸水孔から冷却水を吸い上げ且つ空気を噴
射して、滲み出る冷却水を吹き飛ばし除去する(以下、
先行技術2という)。
55−153616号:スリット状のラミナーノズルか
ら噴射される冷却水の、板幅中央部の流量密度が、板幅
両端部の流量密度よりも大になるように冷却水の流量を
制御し、鋼板端部の過冷却を防止する(以下、先行技術
3という)。
のラミナーノズル直下に遮蔽物を設け、鋼板端部に流下
する冷却水をカットして、鋼板端部の過冷却を防止する
(以下、先行技術4という)。
−184623号:冷却水を注水するスリットノズル先
端のスリット部分に、スリットを遮蔽し得る板幅方向に
移動可能な遮蔽体を設けることにより、鋼板端部の過冷
却を防止する(以下、先行技術5という)。
術1によっては、大量の冷却水を制御することが困難で
あり、先行技術2によっては、鋼板端部のように面積が
広い部分では、吸水が追いつかず、また、底板を鋼板に
近づけることが困難である。また、先行技術3および先
行技術4においては、スリット状ラミナーノズルから流
下した冷却水が鋼板の上面を流れ、鋼板の板幅方向端部
から流出するので、鋼板両端部の過冷却を防止すること
は不可能である。
ノズルの構造が複雑になり、メンテナンスが困難になる
上、遮蔽体によって水流が乱されるために、スリットノ
ズルから噴射された後の冷却水の流れに乱れが生じ、必
ずしも遮蔽体を設けた効果が得られず、鋼板を板幅方向
に均一に冷却することができない。更に、スリットノズ
ルの出口に遮蔽体が設けられていることによって、ノズ
ル内部の圧力分布が板幅方向に不均一になり、噴出され
た冷却水に偏流が生じやすい。
向両端部の過冷却を、適確には防止することができず、
従って、冷却後の鋼板に、変形、残留応力、材質のバラ
ツキなどの発生や、鋼板の変形による操業上のトラブル
等の発生を防止することができなかった。
を解決し、熱間圧延された高温鋼板を冷却するに際し、
その板幅方向両端部の過冷却を防止し、冷却むらの生ず
ることなく均一に鋼板を冷却することができる、高温鋼
板の冷却装置を提供することにある。
は、熱間圧延された高温の鋼板を挟んで、その上下に1
対の拘束ロールが一定ピッチで複数組設けられ、前記複
数組の拘束ロールの各上ロール下流側には、前記鋼板の
上面に向け冷却水を噴射するためのスリットノズルが、
前記鋼板の板幅方向に設けられている高温鋼板の冷却装
置において、前記スリットノズルの噴出口付近に、前記
鋼板の板幅方向両端部に位置する水流制御体が、前記ス
リットノズルから一定間隔をあけ、その長さ方向に移動
可能に設けられていることに特徴を有するものである。
に、鋼板上に噴射された冷却水の流れ方向に沿った滑ら
かな流線形状であって、その下面には、鋼板に接触する
回転可能なローラが設けられている。
がら説明する。図1は、この発明の装置の一実施態様を
示す概略正面図、図2は、スリットノズル部分の拡大概
略斜視図、図3は、スリットノズル部分の拡大概略平面
図である。図面に示すように、鋼板1を挟んでその上下
に1対の拘束ロール2,3が、鋼板1の移送方向に一定
ピッチで複数組設けられており、上拘束ロール2の下流
側の鋼板上面には、鋼板移送方向の上流側ロールから下
流側ロールに向けたスリットノズル4が設けられ、そし
て、鋼板下面側には、水中に没した円管ノズル5が板幅
方向に一定ピッチで複数個設けられている。
る高温の鋼板1に対し、鋼板上面側に設けられたスリッ
トノズル4から所定量の冷却水を噴射することにより鋼
板上面は冷却され、そして、鋼管下面側に設けられた円
管ノズル5から所定量の冷却水を噴射することにより、
その随伴流で生じた液流によって、鋼板下面は冷却され
る。
ル4の噴出口付近に、噴出口から一定間隔をあけ、鋼板
1の板幅方向両端部に位置する水流制御体6が、スリッ
トノズル4の長さ方向即ち鋼板の板幅方向に移動可能に
設けられている。7は、水流制御体6を移動可能に支持
する水平支持棒であり、スリットノズル4の支持フレー
ム9に取り付けられている。
上に噴射された冷却水の流れ方向に沿った滑らかな流線
形状であって、その下面に設けられたローラー8を介し
て鋼板1に接触し、移動する鋼板1に接触疵が生ずるの
を防止している。
よって鋼板1の板幅方向両端部上に位置させる。その結
果、上部スリットノズル4から鋼板の長手方向に噴射さ
れた冷却水は、図3および図4に示すように、流線形状
の水流制御体6によって、その部分の流れ方向が変わ
り、鋼板1上を、その板幅方向両端部を避けて流れる。
水流制御体6の部分が排除された冷却水の水流は、縮流
することなく、鋼板1の両端部とほぼ平行に下流側に流
れ、下流側の上部拘束ロール2に当接して板幅方向に流
れ、その両端部から流出する。
定間隔をあけて配置されているので、スリットノズルの
交換やスリットギャップの調整作業などのメンテナンス
の邪魔にはならない。また、上部スリットノズル4内部
の圧力分布が水流制御体6によって乱れることはなく、
鋼板両端部の水切りが可能になるので、縮流や偏流等の
乱れは発生しにくい。
平支持棒7によって水平移動可能であり、且つ、水平支
持棒7は、スリットノズル4の支持フレーム9に取り付
けられ、スリットノズル4と一体的に上下動可能になっ
ているので、各種の板幅および板厚の鋼板に対し適用す
ることができる。
ているので、冷却される鋼板1の板幅に応じ、水流制御
体6を、鋼板1の板幅方向両端部上に位置させることに
より、鋼板板幅方向両端部の過冷却は防止され、鋼板を
冷却むらの生ずることなく均一に冷却することができ
る。
に説明する。板幅4.5m、長さ30m、厚さ25mmの
熱間圧延後の高温鋼板を、図1〜3に示した冷却装置に
40mpm の速度で通過させ、下記条件で冷却した。
l/m2min 鋼板下面冷却用円管ノズル:100mmピッチ 水流制御体の幅 :200mm 上述した条件で冷却したときの鋼板の板幅方向における
温度分布を図4に示す。図4において、(a) は冷却装置
入側における鋼板の板幅方向における温度分布であり、
(b) は鋼板を上述した条件で冷却装置に通して冷却し、
20秒経過した後の板幅方向温度分布である。
前における板幅方向両端部の温度は中央部の温度よりも
低かったが、冷却を開始して20秒経過後においては、
板幅方向両端部の温度は中央部の温度とほぼ同じになっ
た。
に水流制御体6が設けられていないほかは、実施例と同
じ装置を使用し、板幅4.5m、長さ30m、厚さ25
mmの鋼板を40mpm の速度で通過させ、下記条件で冷却
した。
l/m2min 鋼板下面冷却用円管ノズル:100mmピッチ 鋼板を上述した条件で冷却装置に通し、20秒経過した
後の板幅方向温度分布を、図4に(c) で示す。図4から
明らかなように、鋼板の冷却開始前における板幅方向両
端部の、中央部よりも低い温度分布は、冷却を開始して
20秒経過後において更に拡大した。
れば、熱間圧延された高温鋼板を冷却するに際し、その
板幅方向両端部の過冷却が防止され、板幅方向にむらの
生ずることがなく、均一な冷却を行うことができ、歪み
の発生が防止され、板幅方向両端部の過冷却による規格
外れがなくなり製品歩留りが向上すると共に、鋼板の変
形がなくなったことから、レベラーやプレスによる精製
を行う必要がなく、従って、製造コストは引き下げら
れ、経済性が向上する等、多くの工業上有用な効果がも
たらされる。
である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱間圧延された高温の鋼板を挟んで、そ
の上下に1対の拘束ロールが一定ピッチで複数組設けら
れ、前記複数組の拘束ロールの各上ロール下流側には、
前記鋼板の上面に向け冷却水を噴射するためのスリット
ノズルが、前記鋼板の板幅方向に設けられている高温鋼
板の冷却装置において、 前記スリットノズルの噴出口付近に、前記鋼板の板幅方
向両端部に位置する水流制御体が、前記スリットノズル
から一定間隔をあけ、その長さ方向に移動可能に設けら
れていることを特徴とする、高温鋼板の冷却装置。 - 【請求項2】 前記水流制御体は、鋼板上に噴射された
冷却水の流れ方向に沿った滑らかな流線形状であって、
その下面には、前記鋼板に接触する回転可能なローラが
設けられている、請求項1記載の装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02285297A JP3724094B2 (ja) | 1997-02-05 | 1997-02-05 | 高温鋼板の冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02285297A JP3724094B2 (ja) | 1997-02-05 | 1997-02-05 | 高温鋼板の冷却装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10216824A true JPH10216824A (ja) | 1998-08-18 |
JP3724094B2 JP3724094B2 (ja) | 2005-12-07 |
Family
ID=12094256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02285297A Expired - Fee Related JP3724094B2 (ja) | 1997-02-05 | 1997-02-05 | 高温鋼板の冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3724094B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104174670A (zh) * | 2014-09-12 | 2014-12-03 | 中冶赛迪工程技术股份有限公司 | 宽向可变流量的冷却集管 |
-
1997
- 1997-02-05 JP JP02285297A patent/JP3724094B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104174670A (zh) * | 2014-09-12 | 2014-12-03 | 中冶赛迪工程技术股份有限公司 | 宽向可变流量的冷却集管 |
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JP3724094B2 (ja) | 2005-12-07 |
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